JPH07222401A - キャンドモータポンプ - Google Patents

キャンドモータポンプ

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Publication number
JPH07222401A
JPH07222401A JP31589394A JP31589394A JPH07222401A JP H07222401 A JPH07222401 A JP H07222401A JP 31589394 A JP31589394 A JP 31589394A JP 31589394 A JP31589394 A JP 31589394A JP H07222401 A JPH07222401 A JP H07222401A
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JP
Japan
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pump
rotor
motor
stator
canned motor
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Application number
JP31589394A
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English (en)
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Makoto Kobayashi
真 小林
Masakazu Yamamoto
雅和 山本
Yoshio Miyake
良男 三宅
Kouji Isemoto
耕司 伊勢本
Keita Uei
圭太 上井
Yoshiaki Miyazaki
義晶 宮崎
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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Publication of JPH07222401A publication Critical patent/JPH07222401A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/04Shafts or bearings, or assemblies thereof
    • F04D29/046Bearings
    • F04D29/047Bearings hydrostatic; hydrodynamic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/04Shafts or bearings, or assemblies thereof
    • F04D29/046Bearings
    • F04D29/0465Ceramic bearing designs

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の同芯度確保が容易で、流路の流体力学
的損失が少なくてポンプ効率が良く、且つ、組立が簡単
なキャンドモータポンプを提供する。 【構成】 モータの固定子内周部に設けられた固定子キ
ャン33を備え、ポンプの主流が固定子キャン33の内
周側を流れるように構成したキャンドモータポンプにお
いて、主軸41の一端にモータの回転子42を配置し、
他端にポンプ羽根車48を配置し、且つ、回転子42と
羽根車48の間に全ての軸受45,46を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャンドモータポンプに
係り、特に温水循環等に用いられる比較的小形・低出力
のキャンドモータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータの固定子内周側をポンプの主流が
流れる構造のキャンドモータポンプは従来から知られて
いる。この種のポンプの一例として、実公昭57−10
205号に記載されているポンプがあり、図18はこの
ポンプの断面図である。この図面により、キャンドモー
タポンプの構造を簡単に説明すると、10はフレーム、
11及び12は前記フレームの両端に取付けた吸込口1
1′を有する側蓋と吐出口12′を有する側蓋である。
13はモータの主軸であって、該主軸は軸受14,14
によって水平に軸支され、かつこの主軸の一端には羽根
車15を固定して、主軸の回転に伴って羽根車15が回
転するように構成されている。
【0003】軸受14は軸受支え26と側蓋12に1個
づつ固定されている。主軸13は該軸の外側に固定され
た回転子16によって回転せしめられるように構成され
ているものであって、17は主軸13に一体に取付けら
れた回転子支持部材であり、前記回転子16及びその支
持部材17は、このポンプで移送される流体の流路中に
浸漬するように配設されている。18は前記回転子16
と対向するように回転子16とフレーム10との間に配
設した固定子であって、この固定子18は回転子16と
のすき間に設けたステンレススチール製キャン19によ
って、ポンプで移送される流体から完全に絶縁されるよ
うに構成されている。
【0004】符号20はキャン19の両端部において、
これに略直角に連結したキャンプレートであり、このキ
ャンプレート20とキャン19とによって、固定子部分
が密封されている。一方、モータの固定子内周側をポン
プの主流が流れる構造のキャンドモータポンプにおい
て、主流の流体損失を減少させるために、簡便な軸流羽
根を取り付けたり(実開昭48−83402号)、ある
いはらせん状のロータ支柱(実公昭62−8397号)
を設けたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した図18に示す
従来のキャンドモータポンプには、次に列挙する問題点
がある。 軸受の同芯度確保が難しい。軸受14は、軸受支え
26と側蓋12に1ヶずつ固定されており、軸受支え2
6と側蓋12はモータ固定子の両側に各々独立して取付
けられている。従って、組立・加工精度の上から両側の
軸受の同芯度の確保が難しいことは明らかである。特に
最近では軸受の寿命を延ばすためにシリコンカーバイド
(SiC)のような硬くて脆い材料を使用し、且つ摺動
部の隙間を小さくする場合が多い。この場合、同芯度確
保が不十分であると、軸受が割れる等の不具合を生ず
る。この点でも、上記構造は不利と言える。
【0006】 流路の流体力学的損失が大きい。側蓋
12に取付けられた軸受14があるため、一度軸心側に
集まった流体を滑らかに吐出口12′に導くことができ
ない。
【0007】 側蓋が2ヶ所必要である。2ヶ所の側
蓋(11,12)が存在する。この部材は接液部材であ
り腐食対策を施す場合には材料を丸ごと(実際には接液
しない部分も含めて)変更する必要がある。更に側蓋1
2は軸受のまわりに流路を設ける必要があり、その形状
は製作する上で都合の良いものではなかった。
【0008】一方、主流の流体損失の減少を意図した実
開昭48−83402号、実公昭62−8397号等の
従来例においては、ポンプQ−H特性を積極的に改善す
るものではなかった。また、流体損失の低減効果につい
ても構造的に問題があった。すなわち、実開昭48−8
3402号においては、流体通過用の窓が設けられてい
るが、この場合、窓の縁で流れが剥離し易く、特に大流
量運転時のポンプ効率を低下させると共に騒音が発生し
易い。
【0009】また、実公昭62−8397号はロータ支
柱の高さが一端側から他端側に高さが低くなるように構
成されているため、円周方向の2次流れが生じ易く、従
って、流体損失が増加してしまう傾向があった。本発明
は上述の事情に鑑みなされたもので、軸受の同芯度確保
が容易で、流路の流体力学的損失が少なくてポンプ効率
が良く、且つ、組立が簡単なキャンドモータポンプを提
供することを目的としている。
【0010】また本発明は、構造上、接液部材を小さく
まとめることで耐腐食性の良好なキャンドモータポンプ
を生産性良く製作することを併せて目的としている。さ
らに本発明は、流体損失を減少させることは勿論のこ
と、積極的に軸流羽根を活用することで、効率が良好で
且つ、使用者にとって使い勝手の良いQ−H特性を備え
たキャンドモータポンプを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明のキャンドモータポンプの第1の態様は、
モータの固定子内周部に設けられた固定子キャンを備
え、ポンプの主流が固定子キャンの内周側を流れるよう
に構成したキャンドモータポンプにおいて、主軸の一端
にモータの回転子を配置し、他端にポンプ羽根車を配置
し、且つ、上記回転子と羽根車の間に全ての軸受を備え
たことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のキャンドモータポンプの第
2の態様は、モータの固定子内周部に設けられた固定子
キャンを備え、ポンプの主流が固定子キャンの内周側を
流れるように構成したキャンドモータポンプにおいて、
固定子キャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放すると
ともに、他端に取扱液が通過するノズルを一体に設けた
ことを特徴とするものである。
【0013】さらに、本発明のキャンドモータポンプの
第3の態様は、モータの固定子外周部に嵌着するモータ
フレームとモータの固定子内周部に設けられた固定子キ
ャンを備え、ポンプの主流が固定子キャンの内周側を流
れるように構成したキャンドモータポンプにおいて、固
定子キャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放するとと
もに、他端をモータフレームに接合し、且つ、モータフ
レームにノズルを接合することを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明のキャンドモータポンプの第4の態
様は、主軸の一端に動力伝達のための結合部を設け、主
軸の他端にモータ回転子を固定し、上記結合部とモータ
回転子の中間部分に軸方向に間隔をおいた2ヶ以上の固
定側軸受を設け、該固定側軸受の外径に対応するハウジ
ング内に、ディスタンスピースを設けることによって軸
受間距離を確保するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0015】また、本発明のキャンドモータポンプの第
5の態様は、主軸の端部に設けられた主羽根車とモータ
の固定子内周部に設けられたポンプ主流路を備えたキャ
ンドモータポンプにおいて、モータの固定子内周部に係
合する回転子支持環と、主軸に係合するボスと、前記回
転子支持環とをボスとを接続する軸流羽根を設けたこと
を特徴とするものである。
【0016】さらに、本発明のキャンドモータポンプの
第6の態様は、主軸の端部に遠心羽根からなる主羽根車
を設け、モータの回転子内周部にポンプ主流路と共に、
軸流羽根を設けたキャンドモータポンプにおいて、前記
遠心羽根単独の流量特性範囲よりも、前記軸流羽根単独
の流量特性範囲が小水量側になるようにしたことを特徴
とするものである。
【0017】
【作用】本発明の第1の態様によれば、主軸の一端にモ
ータの回転子を配置し、他端にポンプ羽根車を配置し、
且つ上記回転子と羽根車の間に全ての軸受を備えたため
2つの軸受は1つの軸受ブラケットに取付けられるの
で、両者の間の同芯度確保が極めて容易となる。ところ
で、このような構造にした場合、2つの軸受の間の距離
はなるべく大きくした方が機械的安定性が保たれる。つ
まり、回転子・羽根車に機械的・電気的アンバランスが
あった場合の軸受負荷が小さく抑えられる。
【0018】今、単に軸受間の距離を大きくしたので
は、装置全体が大きくなってしまう。そこで、本発明で
は無駄なスペースを極小にして軸受間距離を大きくでき
るように配置している。すなわち、軸受ブラケットに戻
り羽根車を設ける。モータ固定子の電源用口出線を軸受
側に設ける。軸受の一部をモータ回転子の内周側に入り
込ませる。
【0019】上記の工夫によって、軸受間の距離を無駄
なく大きくできる。図12の公知例に示したポンプは軸
受14が側蓋12に取付けられているため、一度軸心側
に集まった流体を滑らかに吐出口12′に導くことがで
きない。これに対して本発明は軸心側に集まった流体を
滑らかに吐出口まで導くことができるため、ポンプ効率
が良い。
【0020】また、回転子支持環の外輪とボス部をリブ
で接合してあるため、流体損失が小さい。図17の公知
例においては、支持部材17に流体通過用の窓が開けら
れているが、この場合、窓の入口部および出口部で流れ
が剥離して渦を発生し、ポンプ効率が低下する可能性が
ある。
【0021】更に本発明では、回転子支持環のリブに軸
流羽根形状を付与することを提案している。軸流羽根
は、特に大水量運転時に効率が良く、装置全体の効率改
善としても効果的である。
【0022】本発明は全体を固定子組立体・回転子組立
体・ポンプケーシング組立体からなる3つの組立体と締
結用部材で構成している。従って3つの組立体を独立し
て組立てることができるため、作業工程を分離化でき、
生産性が良い。更に全体の組立の際は、固定子組立体を
基準にして、回転子組立体・ポンプケーシング組立体お
よび締結部材であるボルト等を同一方向から組立てるこ
とができるため、ロボット等により自動組立にも好適で
ある。
【0023】本発明は回転子キャン側板と回転子支持環
を密封溶接し、且つ、回転子キャン側板を密封溶接して
いる。これらの部材は好適にはステンレス材で製作され
る。この結果、固定子を腐食から保護することができ
る。又、回転子エンドリングの内周側に添って回転子キ
ャン側板を、テーパー状に形成することで、流体を滑ら
かに導くことが可能となる。
【0024】本発明の第2の態様においては、固定子キ
ャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放するとともに他
端に取扱液が通過するノズルを一体に設けた。この結
果、反ポンプ部側における接液部は単純形状のノズル内
面に限定されるため、耐腐食性を考慮する上で極めて有
利である。例えば、図17の公知例においては、側蓋1
2を丸ごと耐腐食材にする必要があるため、コスト高と
なる。
【0025】更に本発明では、モータフレームをカップ
形状とし、該モータフレームの底部にノズルと適合する
穴を設けた。このように構成すると、ノズルはモータフ
レームによって囲まれるため、ノズルに半径方向の外力
が加わっても、その影響が固定子キャンまで伝わること
は無い。つまり、固定子キャンを保護することができ
る。また、モータフレーム自体は接液しないので、例え
ばモータ冷却のためにアルミ合金等を使用することがで
きる。
【0026】更に本発明では、ノズルに配管接続用部材
を取付けるとともに、ノズルと配管接続用部材にて、モ
ータフレームを挟持している。これによって、ノズルに
軸方向の外力が加わっても、その影響が固定子キャンに
まで伝わることがない。
【0027】更に本発明では、ノズルとモータフレーム
の間に廻り止め機構を設けた。これによって、ノズルに
円周方向の外力(ねじり)が加わっても、その影響が固
定子キャンにまで伝わることがない。
【0028】本発明は更に、モータフレームと上記ノズ
ルを直接又は間に、配管接合部材を介して接合すること
も提案している。モータフレームを、ステンレス等の板
金にて製作する場合には、モータフレームとノズルを接
合することによって、ノズルに加わる種々の外力から固
定子キャンを保護できる。
【0029】更に本発明の第3の態様においては、固定
子キャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放するととも
に、他端をモータフレームに接合し、且つモータフレー
ムにノズルを接合することを提案している。モータフレ
ームをステンレス等の板金にて製作する場合には、固定
子キャンをモータフレームに接合するとともに、ノズル
をモータフレームに接合することによって、ノズルに加
わる種々の外力から固定子キャンを保護できる。
【0030】更に本発明は、本体を横置で使用する場合
の空気抜き兼水抜き用の穴を軸受ブラケットに設けるこ
とを提案している。これによって回転子室の空気を排除
することができ、又、ポンプケーシングに空気抜き栓と
水抜き栓を設けることで、装置全体の空気抜きおよび水
抜きを完全に行える。
【0031】本発明の第4の態様においては、軸受ブラ
ケットのハウジング部を一方向から加工するため、芯狂
いがない。軸受ブラケットのハウジング部を2方向から
(2工程にて)加工する場合には、両端のハウジングの
同芯度が狂い易く、この結果、摺動面の片当りを生じ
る。特にSic等の硬い材料を使用した軸受では最悪の
場合割れに至る可能性がある。しかしながら、上述した
ように、本発明においては、軸受ブラケットのハウジン
グ部を一方向から加工するため、その恐れがない。片持
型のモータポンプは、元来、軸受スパンが短いため芯狂
いによる半径方向の変位量が大きい。すなわち、本発明
で言えば、モータ回転子が固定子に接触する等の致命的
不具合を生じる。従って、本発明の第4の態様は、片持
型のモータポンプで特に有効である。
【0032】本発明の第5の態様においては、回転子内
周部に係合する回転子支持環と、主軸に係合するボス
と、両者を接続する軸流羽根から構成されている。従っ
て、回転子内周部での流体損失が少ないのは、勿論のこ
と、主羽根車と連携して多段ポンプを形成するため、主
羽根車の外径を大きくすることなく、高い揚程を得るこ
とができる。この結果、ポンプを小形化できる。
【0033】本発明においては、回転子キャン側板はポ
ンプ主流を滑らかに導くためのテーパを有している。こ
の結果、主羽根車から吐出された流体は、滑らかに軸流
羽根に導かれる。また、軸流羽根から吐出された流体
は、滑らかにポンプ吐出口に導かれる。従って、流体損
失が小さくポンプ効率が良い。また本発明においては、
軸受ブラケットのリブに案内形状が付与されている。こ
の結果、軸流羽根から吐出された流体は、旋回流となる
傾向があるが、軸受ブラケットに設けられたリブに案内
装置としての役割を付与したため、無用な旋回流が制限
され、ポンプ効率が良好となる。
【0034】本発明の第6の態様においては、遠心羽根
単独の流量特性範囲よりも軸流羽根単独の流量特性範囲
が小水量側になっている。一般に、循環用ポンプは配管
の経年変化(水アカ・サビ)によって、運転点が変化し
てしまう。この際、ポンプに求められる特性としては
「揚程変化に対する流量変化が小さい」ことである。す
なわち、立ちカーブが良い。軸流羽根の流量特性範囲を
主羽根車よりも小水量側になるように設計することで、
ポンプ全体のQ−H特性を極めて立ちカーブにすること
ができる。また、軸流羽根は過大流量時に流れの剥離を
生じ易く、騒音等の原因になるが、本発明においては、
軸流羽根の翼に部分的に穴を設けることや、軸流羽根を
分割翼にて構成しているため、流れの剥離を防止でき
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明に係るキャンドモータポンプの
一実施例を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本
発明のキャンドモータポンプの全体構成を示す断面図で
ある。本実施例のキャンドモータポンプはインライン型
ポンプとして構成されている。キャンドモータポンプは
固定子組立体30と、回転子組立体40と、ポンプケー
シング組立体50と、ボルト・パッキン等の締結用部材
とから構成されている。
【0036】固定子組立体30は、図2に示すようにカ
ップ形状のモータフレーム31と、このモータフレーム
31内に配置された固定子32と、この固定子32の内
周側に設けられた固定子キャン33と、固定子キャン3
3の1側にあるキャン固定板34と、固定子キャン33
の他側にあるノズル35と、ノズル35の先端に固着さ
れたノズルリング39とから構成されている。
【0037】また、回転子組立体40は、図3に示すよ
うに主軸41と、主軸41の一端に回転子支持環49を
介して固定された回転子42と、主軸41に固着された
軸スリーブ43,44と摺接するとともに主軸41を支
承する軸受45,46と、これら軸受45,46を保持
する軸受ブラケット47と、主軸41の他端に固定され
た羽根車48とから構成されている。また主軸41には
軸受45,46に摺接するスラストカラー36,37が
固定されている。
【0038】前記軸受ブラケット47には戻り羽根38
が設けられるとともに水抜き用の孔47aが形成されて
いる。また回転子支持環49は主軸41に嵌合固定され
るボス部49aと、回転子42の内周部に係合された外
輪部49bと、外輪部49bとボス部49aとを接続す
るリブ49cとからなっている。そして、回転子支持環
49の外輪部49bと回転子42のキャン側板42aと
は密封溶接され、且つ、回転子キャン42bとキャン側
板42aとは密封溶接されている。また、回転子42の
エンドリング42cの内周側に添って、キャン側板42
aをテーパー状に形成している。
【0039】さらにポンプケーシング組立体50は、図
4に示すようにポンプ外ケーシング51と、このポンプ
外ケーシング51に溶接により固定されたポンプ内ケー
シング52及びノズルリング53と、ポンプ内ケーシン
グ52に保持されたライナーリング54とから構成され
ている。
【0040】しかして、固定子組立体30と回転子組立
体40とポンプケーシング組立体50とは、各々独立し
た工程で組立可能であり、図1に示されるように3つの
組立体30,40,50はボルト55及びOリング56
等の締結用部材により締結されている。また、3つの組
立体30,40,50をポンプ組立体として組立てる際
には、固定子組立体30を基準にして、回転子組立体4
0及びポンプケーシング組立体50を同一方向から組立
て可能になっている。また、モータ固定子32の電源用
口出線58はポンプ部側に設けられている。
【0041】図5は図1のV−V線断面図であり、モー
タフレーム31の内周部にはリブ31aが設けられ、ノ
ズル35の外周部には、前記リブ31aに係合するスト
ッパ35aが設けられており、両者間の相対回転が防止
されるようになっている。図6は図1のVI矢視図であ
り、回転子支持環49のリブ49cには軸流羽根形状が
付与されており、流体力学的な効率改善を図るようにし
ている。
【0042】前述のように構成された本発明のキャンド
モータポンプによれば、主軸41の一端にモータの回転
子42を配置し、他端に羽根車48を配置し、且つ回転
子42と羽根車48の間に全ての軸受36,37,4
5,46を備えたため、2つの軸受45,46は1つの
軸受ブラケット47に取付けられるので、両者の間の同
芯度確保が極めて容易となる。このような構造にした場
合、2つの軸受45,46の間の距離はなるべく大きく
した方が機械的安定性が保たれる。つまり、回転子42
及び羽根車48に機械的・電気的アンバランスがあった
場合の軸受負荷が小さく抑えられる。
【0043】ここで、単に軸受45,46間の距離を大
きくしたのでは、装置全体が大きくなってしまうので、
本実施例では、軸受ブラケット47に戻り羽根38を設
け、モータ固定子32の電源用口出線58をポンプ側に
設け、軸受46の一部をモータ回転子42の内周側に入
り込ませることにより、無駄なスペースを極小にして軸
受間距離を大きくできるように配置している。
【0044】上記の工夫によって、軸受45,46の距
離を無駄なく大きくできる。図12の公知例に示したポ
ンプは軸受14が側蓋12に取付けられているため、一
度軸心側に集まった流体を滑らかに吐出口12′に導く
ことができない。これに対して本発明では戻り羽根38
及び回転子キャン側板42aを介して軸心側に集まった
流体をノズル35を介して滑らかに吐出口まで導くこと
ができるため、ポンプ効率が良い。
【0045】また、回転子支持環49の外輪部49bと
ボス部49aをリブ49cで接合してあるため、流体損
失が小さい。図17の公知例においては、支持部材17
に流体通過用の窓が開けられているが、この場合、窓の
入口部及び出口部で流れが剥離して渦を発生し、ポンプ
効率が低下する可能性がある。
【0046】本実施例では、回転子支持環49のリブ4
9cに軸流羽根形状を付与しており、この軸流羽根は、
特に大水量運転時に効率が良く、装置全体の効率改善と
しても効果的である。
【0047】また本実施例においては、全体を固定子組
立体30と回転子組立体40とポンプケーシング組立体
50からなる3つの組立体と、ボルト55等の締結用部
材で構成している。従って、3つの組立体30,40,
50を独立して組立てることができるため、作業工程を
分離化でき、生産性が良い。全体の組立の際は、固定子
組立体30を基準にして、回転子組立体40とポンプケ
ーシング組立体50及び締結部材であるボルト55等を
同一方向から組立てることができるため、ロボット等に
より自動組立にも好適である。
【0048】また、回転子キャン側板42aと回転子支
持環49を密封溶接し、且つ、回転子キャン側板42a
を密封溶接している。これらの部材は好適にはステンレ
ス材で製作される。この結果、固定子32を腐食から保
護することができる。そして、回転子エンドリング42
cの内周側に添って回転子キャン側板42aを、テーパ
ー状に形成することで、流体を滑らかに導くことが可能
となる。
【0049】さらに、固定子キャン33の軸方向の一端
をポンプ部側に開放するとともに他端に取扱液が通過す
るノズル35を一体に設けている。この結果、反ポンプ
部側における接液部は単純形状のノズル内面に限定され
るため、耐腐食性を考慮する上で極めて有利である。例
えば、図17の公知例においては、側蓋12を丸ごと耐
腐食材にする必要があるため、コスト高となる。
【0050】更に本実施例では、モータフレーム31を
カップ形状とし、該モータフレーム31の底部にノズル
35と適合する穴を設けた。このように構成すると、ノ
ズル35はモータフレーム31によって囲まれるため、
ノズル35に半径方向の外力が加わっても、その影響が
固定子キャン33まで伝わることはない。つまり、固定
子キャン33を保護することができる。また、モータフ
レーム31自体は接液しないので、例えばモータ冷却の
ためにアルミ合金等を使用することができる。
【0051】更に本実施例では、ノズル35に配管接続
用部材であるノズルリング39を取付けるとともに、ノ
ズル35とノズルリング39にて、モータフレーム31
を挟持している。これによって、ノズル35に軸方向の
外力が加わっても、その影響が固定子キャン33にまで
伝わることがない。
【0052】更に本実施例では、ノズル35とモータフ
レーム31の間に廻り止め機構を構成するリブ31a及
びストッパ35aを設けた。これによって、ノズルに円
周方向の外力(ねじり)が加わっても、その影響が固定
子キャン33にまで伝わることがない。
【0053】本実施例は更に、モータフレーム31とノ
ズル35を、配管接合部材であるノズルリング39を介
して接合している。モータフレーム31を、ステンレス
等の板金にて製作する場合には、モータフレーム31と
ノズル35を接合することによって、ノズルに加わる種
々の外力から固定子キャン33を保護できる。
【0054】更に本実施例では、本体を横置で使用する
場合の空気抜き兼水抜き用の孔47aを軸受ブラケット
47に設けており、これによって回転子室59の空気を
排除することができ、又、ポンプケーシングに空気抜き
栓と水抜き栓を設けることで、装置全体の空気抜き及び
水抜きを完全に行える。
【0055】図7は本発明の第2実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはエンドトップ型
のポンプとして構成されている。したがって、ポンプケ
ーシング組立体60は、底部側に開口を有さないカップ
状のポンプ外ケーシング61と、このポンプ外ケーシン
グ61の円筒状側壁に設けられたノズル62及びノズル
リング63と、ポンプ外ケーシング61に溶接固定され
たポンプ内ケーシング64と、ポンプ内ケーシング64
に保持されたライナーリング65とから構成されてい
る。ポンプ外ケーシング61の底部は設置面になってい
る。固定子組立体30及び回転子組立体40は、図1の
実施例と全く同様であるため、同一の部材には同一の符
号を付し説明を省略する。
【0056】本実施例によれば、側方から吸い込まれた
流体は90°方向転換して羽根車48に吸い込まれる。
そして、羽根車48から吐出された流体は戻り羽根38
によりポンプ軸心側に集まり、その後回転子キャン側板
42aに案内されてノズル35から吐出される。また本
実施例の作用効果は図1に示す実施例と同様であるため
省略する。
【0057】図8は本発明の第3実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプは図1に示す実施
例と同様にインライン型のポンプとして構成されてい
る。本実施例においては、回転子組立体70のみが図1
に示す実施例と異なっている。即ち、回転子組立体70
は、図8に示すように、主軸71と、主軸71の一端に
回転子支持環79を介して固定された回転子72と、主
軸71に固着された軸スリーブ73,74と摺接すると
ともに主軸71を支承する軸受75,76と、これら軸
受75,76をそれぞれ保持する軸受ブラケット77,
78と、主軸71の他端に固定された羽根車80とから
構成されている。また、主軸71には軸受75,76に
それぞれ摺接するスラストカラー81,82が固定され
ている。
【0058】前記軸受ブラケット77には戻り羽根83
が設けられるとともに水抜き用の孔77aが形成されて
いる。固定子組立体30及びポンプケーシング組立体5
0の構成は図1に示す実施例と同様であるため、同一の
部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0059】上記3つの組立体を結合する際には、固定
子組立体30を基準にして、回転子組立体70とポンプ
ケーシング組立体50を同一方向から組立てる。そし
て、最後に軸受ブラケット78をノズル35に溶接す
る。
【0060】しかして、本実施例においては、2つの軸
受75,76を別個の軸受ブラケット77,78に取付
けており、また、回転子72と羽根車80との間に全て
の軸受を設置していないため、両軸受75,76の間の
同芯度確保が若干難しくなる。しかしながら、その他の
作用効果は図1に示す実施例と全く同様であるため、説
明を省略する。
【0061】図9は本発明の第4実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはインライン型の
ポンプとして構成されている。本実施例のキャンドモー
タポンプにおいては、固定子組立体30、回転子組立体
40及びポンプケーシング組立体50は図1に示す実施
例とほぼ同様の構成になっている。
【0062】また固定子組立体30とポンプケーシング
組立体50とは締付バンド85を介して接続されてい
る。また、モータフレーム31とノズル35とは配管接
合部材であるノズルリング39を介して接合されてい
る。本実施例においては、軸受ブラケット47はセラミ
ックスからなる滑り軸受45,46の外径に対応するハ
ウジング47hを有しており、このハウジング47h内
に軸受45と軸受46との軸受間距離を確保するための
ディスタンスピース110が配置されている。
【0063】本実施例においては、軸受ブラケット47
のハウジング47hを一方向から加工するため芯狂いが
ない。すなわち、2方向から(2工程にて)加工する必
要がないため、両端のハウジングの同芯度が確保され、
この結果、摺動面の片当りを生じることがない。特に片
当りするとSiC等のセラミックスからなる硬い材料を
使用した軸受では最悪の場合割れに至る可能性がある
が、本実施例においてはその恐れがない。片持型のモー
タポンプでは、元来、軸受スパンが短いため、芯狂いに
よる半径方向の変位量が大きい。すなわち、本発明で言
えば、モータ回転子が固定子に接触する等の致命的不具
合を生じる。従って、本実施例のように軸受間距離を確
保するディスタンスピースを設けることは片持型のモー
タポンプで有効である。本実施例は上述の作用効果に加
えて図1に示す実施例と同様の作用効果が得られる。
【0064】図10は本発明の第5実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはインライン型の
ポンプとして構成されている。本実施例のキャンドモー
タポンプにおいては、回転子組立体40及びポンプケー
シング組立体50は図1に示す実施例とほぼ同様の構成
になっている。また軸受ブラケット47及びディスタン
スピース110の構成は図9に示す実施例と同様であ
る。
【0065】固定子組立体90は、板金製のモータフレ
ーム91と、このモータフレーム91内に配置された固
定子92と、この固定子92の内周側に設けられた固定
子キャン93と、固定子キャン93の1側にあるキャン
固定板94と、モータフレーム91の一端に固定された
ノズル95とを備えている。またノズル95にはフラン
ジ96を具備したノズルリング97が固定されている。
そして、ノズルリング97には円筒状のマウス98が固
定されている。またマウス98には孔98aが形成され
ている。
【0066】また、固定子組立体90とポンプケーシン
グ組立体50とは締付バンド85を介して接続されてい
る。本実施例によれば、固定子キャン93の軸方向の一
端をポンプ部側に開放するとともに、他端をモータフレ
ーム91に接合し、且つモータフレーム91にノズル9
5を接合している。モータフレーム91をステンレス等
の板金にて製作する場合には、固定子キャン93をモー
タフレーム91に接合するとともに、ノズル95をモー
タフレーム91に接合することによって、ノズル95に
加わる種々の外力から固定子キャン93を保護できる。
また、軸受ハウジング47及びディスタンスピース11
0の構成は図9の実施例と同様である。本実施例のその
他の作用効果は図1に示す実施例と同様である。
【0067】図11は本発明の第6実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはインライン型の
ポンプとして構成されている。本実施例のキャンドモー
タポンプにおいては、回転子組立体40及びポンプケー
シング組立体50は図1に示す実施例と同様の構成であ
る。
【0068】固定子組立体100は、固定子101と、
固定子101の内周側に設けられた固定子キャン102
と、キャン102の1側にあるキャン固定板103と、
キャン102の他側にあるノズル104とを備え、固定
子101全体は樹脂材105によってモールドされてい
る。本実施例のその他の構成は図1に示す実施例と同様
であり、また、作用効果も図1に示す実施例と同様であ
る。
【0069】図12は本発明の第7実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはインライン型の
ポンプとして構成されている。本実施例のキャンドモー
タポンプは図1に示す実施例と同様に固定子組立体12
0と、回転子組立体130と、ポンプケーシング組立体
150と、ボルト・パッキン等の締結用部材とから構成
されている。
【0070】固定子組立体120は、カップ形状の樹脂
成形品からなるモータフレーム121と、このモータフ
レーム121内に配置された固定子122と、この固定
子122の内周側に設けられた固定子キャン123と、
固定子キャン123の1側にあるキャン固定板124
と、固定子キャン123の他側にあるキャン固定部材1
25と、モータフレーム121の一端に固定されたノズ
ル126と、ノズル126の先端に固着されたノズルリ
ング127とから構成されている。
【0071】また、回転子組立体130は、主軸131
と、主軸131の一端に回転子支持環139を介して固
定された回転子132と、主軸131に固着された軸ス
リーブ133,134と摺接するとともに主軸131を
支承する軸受135,136と、これら軸受135,1
36を保持する軸受ブラケット137,138と、主軸
131の他端に固定された主羽根車148とを備えてい
る。軸受ブラケット138は弾性体140を介してキャ
ン固定部材125に嵌合されている。
【0072】軸受ブラケット138は前記軸受136と
固定側スラストメタル141とをそれぞれ保持してい
る。一方、主軸131の吐出側端部には、スラストディ
スク142が固定されており、スラストディスク142
は前記固定側スラストメタル141と摺接する回転側ス
ラストメタル143を備えている。なお、軸受ブラケッ
ト138はパッキン144を介してノズル126により
押さえられている。
【0073】前記軸受ブラケット137はキャン固定板
124及び戻り羽根145に接続されている。また回転
子支持環139は主軸131に嵌合固定されるボス14
5にリブ146を介して接続されている。リブ146に
は軸流羽根形状147が付与されている。そして、回転
子支持環139と回転子132のキャン側板132aと
は密封溶接され、且つ、回転子キャン132bとキャン
側板132aとは密封溶接されている。また、回転子1
32のエンドリング132cの内周側に添って、キャン
側板132aをテーパー状に形成している。
【0074】さらにポンプケーシング組立体150は、
ポンプ外ケーシング151と、このポンプ外ケーシング
151に溶接により固定されたポンプ内ケーシング15
2及びノズルリング153とから構成されている。
【0075】本実施例においては、回転子132の内周
部に係合する回転子支持環139と、主軸131に係合
するボス145と、両者を接続する軸流羽根形状を有し
たリブ146とを有している。従って、回転子内周部で
の流体損失が少ないのは、勿論のこと、主羽根車148
と連携して多段ポンプを形成するため、主羽根車148
の外径を大きくすることなく、高い揚程を得ることがで
きる。この結果、ポンプを小形化できる。
【0076】また本実施例においては、回転子キャン側
板132aはポンプ主流を滑らかに導くためのテーパを
有している。この結果、主羽根車148から吐出された
流体は、滑らかにリブ146からなる軸流羽根に導かれ
る。又、軸流羽根から吐出された流体は、滑らかにポン
プ吐出口に導かれる。従って、流体損失が小さくポンプ
効率が良い。さらに本実施例においては、軸受ブラケッ
ト138のリブ138aに案内形状が付与されている。
この結果、リブ146からなる軸流羽根から吐出された
流体は、旋回流となる傾向があるが、軸受ブラケット1
38に設けられたリブ138aに案内装置としての役割
を付与したため、無用な旋回流が制限され、ポンプ効率
が良好となる。
【0077】しかして、本実施例においては、図13に
示すように羽根車148にて構成される遠心羽根単独の
流量特性範囲よりもリブ146にて構成される軸流羽根
単独の流量特性範囲が小水量側になっている。一般に、
循環用ポンプは配管の経年変化(水アカ・サビ)によっ
て、運転点が変化してしまう。この際、ポンプに求めら
れる特性としては「揚程変化に対する流量変化が小さ
い」ことである。すなわち、立ちカーブが良い。軸流羽
根の流量特性範囲を主羽根車よりも小水量側になるよう
に設計することで、ポンプ全体のQ−H特性を極めて立
ちカーブにすることができる。
【0078】また、軸流羽根の翼Bは図14に示すよう
に過大流量時に流れの剥離を生じ易く、騒音等の原因に
なるが、本発明においては、図15に示すようにリブ1
46にて構成される軸流羽根の翼Bに部分的に穴155
を設けることや、図16に示すようにリブ146にて構
成される軸流羽根を分割翼B1とB2にて構成している
ため、流れの剥離を防止できる。
【0079】図17は本発明の第8実施例を示す図であ
る。本実施例のキャンドモータポンプはライン型のポン
プとして構成されている。本実施例のキャンドモータポ
ンプは固定子組立体160と、回転子組立体180と、
ポンプケーシング組立体200と、ボルト・パッキン等
の締結用部材とから構成されている。
【0080】固定子組立体160は、略円筒容器状のモ
ータフレーム161と、このモータフレーム161内に
配置された固定子162と、この固定子162の内周側
に設けられた固定子キャン163と、固定子キャン16
3の1側にあるキャン固定板164とから構成されてい
る。前記モータフレーム161の上部にはエア抜き及び
手廻し確認用キャップ166が固定されている。
【0081】また、回転子組立体180は、主軸181
と、主軸181に固定された回転子182と、主軸18
1に固着された軸スリーブ183,184と摺接すると
ともに主軸181を支承する軸受185,186と、こ
れら軸受185,186を保持する軸受ブラケット19
0と、主軸181の他端にある結合部181aに設けら
れた羽根車188とから構成されている。また主軸18
1には、軸受186に摺接するスラストカラー187が
固定されるとともに軸受185に摺接するスラスト軸受
192を保持したディスク193が固定されている。
【0082】軸受ブラケット190は軸受185,18
6の外径に対応するハウジング190hを有しており、
このハウジング190h内に軸受185と軸受186と
の軸受間距離を確保するためのディスタンスピース19
1が配置されている。ポンプケーシング組立体200は
羽根車188を収容するためのポンプケーシング201
と、このポンプケーシング201内に配設された仕切板
203と、仕切板203に保持されたライナーリング2
04とから構成されている。ポンプケーシング201に
は、吸込ノズル205と吐出ノズル206とが固定され
ている。
【0083】本実施例においても、軸受間距離を確保す
るディスタンスピースを設けることにより図9及び図1
0に示す実施例と同様の効果が得られる。また本実施例
においては、モータ内部において、負荷側と反負荷側に
液体を連通できるため、各部の冷却条件を均一にでき
る。その他の作用効果は図1に示した実施例と同様であ
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軸受の同芯度確保が容易であり、また流路の流体力学的
損失が少なく良好なポンプ効率が得られる。しかも、構
造上、接液部材が小さくまとまっているため、耐腐食性
に優れている。
【0085】また、本発明によれば、ポンプ全体を固定
子組立体・回転子組立体・ポンプケーシング組立体から
なる3つの組立体と締結用部材で構成している。従って
3つの組立体を独立して組立てることができるため、作
業工程を分離化でき、生産性が良い。更に全体の組立の
際は、固定子組立体を基準にして、回転子組立体・ポン
プケーシング組立体及び締結部材であるボルト等を同一
方向から組立てることができるため、ロボット等により
自動組立にも好適である。
【0086】さらに本発明においては、回転子内周部に
係合する回転子支持環と、主軸に係合するボスと、両者
を接続する軸流羽根とを備えている。従って、回転子内
周部での流体損失が少ないのは、勿論のこと、主羽根車
と連携して多段ポンプを形成するため、主羽根車の外径
を大きくすることなく、高い揚程を得ることができる。
この結果、ポンプを小形化できる。
【0087】また本発明においては、遠心羽根単独の流
量特性範囲よりも軸流羽根単独の流量特性範囲が小水量
側になっている。一般に、循環用ポンプは配管の経年変
化(水アカ・サビ)によって、運転点が変化してしま
う。この際、ポンプに求められる特性としては「揚程変
化に対する流量変化が小さい」ことである。すなわち、
立ちカーブが良い。軸流羽根の流量特性範囲を主羽根車
よりの小水量側になるように設計することで、ポンプ全
体のQ−H特性を極めて立ちカーブにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャンドモータポンプの一実施例
を示す断面図である。
【図2】図1に示す実施例の固定子組立体である。
【図3】図1に示す実施例の回転子組立体である。
【図4】図1に示す実施例のポンプケーシング組立体で
ある。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のVI矢視図である。
【図7】本発明に係るキャンドモータポンプの第2実施
例を示す断面図である。
【図8】本発明に係るキャンドモータポンプの第3実施
例を示す断面図である。
【図9】本発明に係るキャンドモータポンプの第4実施
例を示す断面図である。
【図10】本発明に係るキャンドモータポンプの第5実
施例を示す断面図である。
【図11】本発明に係るキャンドモータポンプの第6実
施例を示す断面図である。
【図12】本発明に係るキャンドモータポンプの第7実
施例を示す断面図である。
【図13】本発明の第7実施例に示すキャンドモータポ
ンプのQ−H特性を示す図である。
【図14】従来の翼の流れ状態を示す図である。
【図15】本発明の翼の流れ状態を示す図である。
【図16】本発明の翼の流れ状態を示す図である。
【図17】本発明に係るキャンドモータポンプの第8実
施例を示す断面図である。
【図18】従来のキャンドモータポンプを示す部分断面
を有する側面図である。
【符号の説明】
30 固定子組立体 31 モータフレーム 32 固定子 33 固定子キャン 35 ノズル 36,37 スラストカラー 38 戻り羽根 40 回転子組立体 41 主軸 42 回転子 45,46 軸受 47 軸受ブラケット 48 羽根車 49 回転子支持環 50 ポンプケーシング組立体 51 ポンプ外ケーシング 52 ポンプ内ケーシング 60 ポンプケーシング組立体 70 回転子組立体 90 固定子組立体 100 固定子組立体 120 固定子組立体 130 回転子組立体 150 ポンプケーシング組立体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢本 耕司 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 上井 圭太 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 宮崎 義晶 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの固定子内周部に設けられた固定
    子キャンを備え、ポンプの主流が固定子キャンの内周側
    を流れるように構成したキャンドモータポンプにおい
    て、主軸の一端にモータの回転子を配置し、他端にポン
    プ羽根車を配置し、且つ、上記回転子と羽根車の間に全
    ての軸受を備えたことを特徴とするキャンドモータポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記軸受を固定する軸受ブラケットに戻
    り羽根を設けたことを特徴とする請求項1記載のキャン
    ドモータポンプ。
  3. 【請求項3】 前記モータ固定子の電源用口出線をポン
    プ部側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    キャンドモータポンプ。
  4. 【請求項4】 前記軸受の一部をモータ回転子の内周側
    に入り込ませたことを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載のキャンドモータポンプ。
  5. 【請求項5】 前記回転子を支持する回転子支持環の外
    輪部を回転子内周部に係合させ、かつ回転子支持環のボ
    ス部を主軸に固定し、且つ、前記外輪部とボス部を複数
    のリブで接合したことを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載のキャンドモータポンプ。
  6. 【請求項6】 前記回転子支持環のリブに軸流羽根形状
    を付与したことを特徴とする請求項5記載のキャンドモ
    ータポンプ。
  7. 【請求項7】 前記固定子を含む固定子組立体と前記回
    転子を含む回転子組立体と前記羽根車を収容するポンプ
    ケーシング組立体からなる3つの組立体と、締結用部材
    とで全体を構成し、各々の組立体は独立した工程で組立
    可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
    1項に記載のキャンドモータポンプ。
  8. 【請求項8】 前記3つの組立体をポンプ完成品として
    組立てる際、固定子組立体を基準にして、回転子組立体
    及びポンプケーシング組立体を同一方向から組立可能で
    あることを特徴とする請求項7記載のキャンドモータポ
    ンプ。
  9. 【請求項9】 前記回転子の回転子キャン側板と前記回
    転子支持環を密封溶接し、且つ、回転子キャンと回転子
    キャン側板を密封溶接したことを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載のキャンドモータポンプ。
  10. 【請求項10】 前記回転子のエンドリングの内周側に
    添って、回転子キャン側板をテーパー状に形成して、流
    体を滑らかに導くようにしたことを特徴とする請求項9
    記載のキャンドモータポンプ。
  11. 【請求項11】 モータの固定子内周部に設けられた固
    定子キャンを備え、ポンプの主流が固定子キャンの内周
    側を流れるように構成したキャンドモータポンプにおい
    て、固定子キャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放す
    るとともに、他端に取扱液が通過するノズルを一体に設
    けたことを特徴とするキャンドモータポンプ。
  12. 【請求項12】 前記モータのモータフレームをカップ
    形状とし、該モータフレームの底部に前記ノズルと適合
    する穴を設けたことを特徴とする請求項11記載のキャ
    ンドモータポンプ。
  13. 【請求項13】 前記ノズルに配管接続用部材を取付け
    たことを特徴とする請求項11又は12に記載のキャン
    ドモータポンプ。
  14. 【請求項14】 前記ノズルと配管接続用部材にて、モ
    ータフレームを挟持することを特徴とする請求項13記
    載のキャンドモータポンプ。
  15. 【請求項15】 前記ノズルとモータフレームに両者間
    の相対回転を防止するための廻り止め機構を設けたこと
    を特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載
    のキャンドモータポンプ。
  16. 【請求項16】 前記モータフレームと前記ノズルを直
    接又は間に配管接合部材を介して接合することを特徴と
    する請求項11乃至14のいずれか1項に記載のキャン
    ドモータポンプ。
  17. 【請求項17】 モータの固定子外周部に嵌着するモー
    タフレームとモータの固定子内周部に設けられた固定子
    キャンを備え、ポンプの主流が固定子キャンの内周側を
    流れるように構成したキャンドモータポンプにおいて、
    固定子キャンの軸方向の一端をポンプ部側に開放すると
    ともに、他端をモータフレームに接合し、且つ、モータ
    フレームにノズルを接合することを特徴とするキャンド
    モータポンプ。
  18. 【請求項18】 回転子室の空気抜き兼水抜き用の穴を
    軸受ブラケットに設けたことを特徴とする請求項1乃至
    17のいずれか1項に記載のキャンドモータポンプ。
  19. 【請求項19】 主軸の一端に動力伝達のための結合部
    を設け、主軸の他端にモータ回転子を固定し、上記結合
    部とモータ回転子の中間部分に軸方向に間隔をおいた2
    ヶ以上の固定側軸受を設け、該固定側軸受の外径に対応
    するハウジング内に、ディスタンスピースを設けること
    によって軸受間距離を確保するように構成したことを特
    徴とするモータおよびポンプ装置。
  20. 【請求項20】 前記固定側軸受が滑り軸受からなるこ
    とをことを特徴とする請求項19記載のモータおよびポ
    ンプ装置。
  21. 【請求項21】 前記固定側軸受がセラミックスからな
    ることを特徴とする請求項19又は20記載のモータお
    よびポンプ装置。
  22. 【請求項22】 前記モータがキャンドモータであるこ
    とを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記
    載のモータおよびポンプ装置。
  23. 【請求項23】 主軸の端部に設けられた主羽根車とモ
    ータの固定子内周部に設けられたポンプ主流路を備えた
    キャンドモータポンプにおいて、モータの固定子内周部
    に係合する回転子支持環と、主軸に係合するボスと、前
    記回転子支持環とボスとを接続する軸流羽根とを設けた
    ことを特徴とするキャンドモータポンプ。
  24. 【請求項24】 前記回転子を前記回転子支持環と、回
    転子キャン側板と、回転子キャンにて密封し、且つ、前
    記回転子キャン側板はポンプ主流を滑らかに導くための
    テーパを有していることを特徴とする請求項23記載の
    キャンドモータポンプ。
  25. 【請求項25】 前記回転子の後流側に配置される軸受
    ブラケットの軸受固定部と該軸受ブラケットの外周部と
    をリブで接続すると共に、該リブにポンプ主流を滑らか
    に導くための案内形状を付与したことを特徴とする請求
    項23又は24に記載のキャンドモータポンプ。
  26. 【請求項26】 主軸の端部に遠心羽根からなる主羽根
    車を設け、モータの回転子内周部にポンプ主流路と共
    に、軸流羽根を設けたキャンドモータポンプにおいて、
    前記遠心羽根単独の流量特性範囲よりも、前記軸流羽根
    単独の流量特性範囲が小水量側になるようにしたことを
    特徴とするキャンドモータポンプ。
  27. 【請求項27】 前記軸流羽根の翼に、部分的に穴を設
    けることによって、軸流羽根の流れの剥離を防止するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項26記載のキャン
    ドモータポンプ。
  28. 【請求項28】 前記軸流羽根の翼を分割翼にて形成
    し、軸流羽根の流れの剥離を防止するように構成したこ
    とを特徴とする請求項26記載のキャンドモータポン
    プ。
JP31589394A 1993-12-08 1994-11-25 キャンドモータポンプ Pending JPH07222401A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023042556A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 三相電機株式会社 キャンドモータポンプの軸受構造

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