JPH07222133A - 加入者端末のスクランブルデコーダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、視聴者の受信システムに格納され
た契約内容を短時間で迅速かつ正確に更新することがで
きる加入者端末のスクランブルデコーダ装置を提供する
ことを目的としている。 【構成】複数の加入者に対して、スクランブル処理され
た主データと、この主データに関連する情報を有する第
１の副データと、前記複数の加入者それぞれの契約内容
を示す第２の副データとを、第１の送信経路を介して送
出する送信手段から、特定の加入者の受信システムに対
して、該加入者に対応する第２の副データを、第１の送
信経路と異なる第２送信経路を介して伝送し格納させる
伝送手段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、データにスクランブ
ル処理を施して伝送するスクランブル放送システムに係
り、特にその伝送データに施されたスクランブル処理を
解除するための加入者端末のスクランブルデコーダ装置
の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、例えば衛星によるテレビ
ジョン放送システム等にあっては、放送事業者が広告料
と合わせて視聴者から料金を徴収するために、映像信号
にスクランブル処理を施して放送し、料金を支払って契
約した視聴者だけが映像信号のスクランブル処理を解除
して、番組を正しく視聴することができる方式が導入さ
れている。

【０００３】図３は、国内衛星放送の宅内受信システム
を示している。すなわち、符号１１は入力端子で、図示
しないパラボラアンテナで受信された１０ＧＨｚ帯の衛
星電波を、屋外ユニットにより１ＧＨｚ帯に周波数変換
してなる中間周波信号ＩＦが供給されている。この入力
端子１１に供給された中間周波信号ＩＦは、衛星放送チ
ューナ１２に供給される。

【０００４】この衛星放送チューナ１２は、入力された
中間周波信号ＩＦから所望のチャンネルを選局し、ベー
スバンド信号である検波信号ＤＳと、音声データ及びス
クランブル処理に関連するパケット信号の重疂されたビ
ットストリーム信号ＢＳとを生成する。この衛星放送チ
ューナ１２で生成された検波信号ＤＳとビットストリー
ム信号ＢＳとは、スクランブルデコーダ１３に供給され
る。

【０００５】このスクランブルデコーダ１３は、ビット
ストリーム信号ＢＳに基づいて契約条件が成立している
と判別された場合に、検波信号ＤＳ及び音声データにそ
れぞれデスクランブル処理を施して、映像信号ＰＳと音
声信号ＡＳとを生成する。そして、このスクランブルデ
コーダ１３で生成された映像信号ＰＳと音声信号ＡＳと
が、テレビジョン受像機１４に供給されて映像及び音声
の再生が行なわれ、ここに、スクランブル放送の受信が
行なわれる。

【０００６】図４は、上記スクランブルデコーダ１３の
詳細を示している。すなわち、入力端子１５に供給され
た検波信号ＤＳは、前処理回路１６によりディエンファ
シス処理及びディスパーサル除去処理が施されてビデオ
信号に変換される。この前処理回路１６から出力される
ビデオ信号は、Ａ／Ｄ（アナログ／デジタル）変換回路
１７によりデジタルビデオデータに変換された後、映像
デスクランブル回路１８に供給される。

【０００７】この映像デスクランブル回路１８は、セキ
ュリティ処理回路１９から出力される復元信号ＦＳ１に
基づいて、入力されたデジタルビデオデータにデスクラ
ンブル処理を施している。そして、この映像デスクラン
ブル回路１８によりデスクランブル処理が施されたデジ
タルビデオデータは、Ｄ／Ａ（デジタル／アナログ）変
換回路２０によりアナログの映像信号ＰＳに変換され
て、出力端子２１から取り出される。

【０００８】一方、入力端子２２には、上記ビットスト
リーム信号ＢＳが供給されている。このビットストリー
ム信号ＢＳは、図５に示すように、１ｍｓｅｃ（フレー
ム）単位で定義されており、伝送速度は２０４８ＭＨｚ
となっていて、音声を４チャンネル伝送できるＡモード
では、図６に示すようなデータマトリクスを構成してい
る。

【０００９】すなわち、Ａモードの場合、３２ｋＨｚの
サンプリングになっているので、１フレーム中に３２ポ
イントの音声データが存在し、３２行となっている。す
なわち、１列目には、１６ビットのフレーム同期信号と
１６ビットの制御符号とが存在し、２列目には、音声１
〜音声４にそれぞれ８ビットづつが対応している３２ビ
ットのレンジビットが存在している。３列目〜１２列
目，１３列目〜２２列目，２３列目〜３２列目，３３列
目〜４２列目は、それぞれ音声１，２，３，４の領域と
なっている。

【００１０】４３列目〜５７列目は、独立データ領域と
なっている。この独立データとしては、スクランブルシ
ステム関連のパケット信号や、データ放送の信号等が含
まれる。また、行単位に誤り訂正符号が７ビット付加さ
れている。これにより、１行が６４ビットとなる。伝送
順序は、インターリーブ化されており、列の順序で送出
されることにより、図５に示すフォーマットが得られ
る。

【００１１】スクランブルシステムの関連パケット信号
は、図７に示すように、番組単位の情報を示す番組情報
パケットと、デコーダ識別番号（ＩＤ番号）により区別
される契約情報を示す個別情報パケットとがあり、それ
ぞれ２８８ビットである。これらのパケット信号は、独
立データ領域に図８に示すように斜めインターリーブさ
れて配置されており、１ｍｓｅｃで３２ビットを伝送す
ることができるので、１パケットを伝送するのに９ｍｓ
ｅｃを必要とする。

【００１２】ここで、再び図４に戻って、入力端子２２
に供給されたビットストリーム信号ＢＳは、デインター
リーブ回路２３によりデータマトリクスの行データがデ
コードされる。このデインターリーブ回路２３から出力
される行データは、斜めデインターリーブ回路２４によ
りパケット信号がデコードされてセキュリティ処理回路
１９に供給されるとともに、音声デスクランブル回路２
５に供給される。

【００１３】この音声デスクランブル回路２５は、セキ
ュリティ処理回路１９から出力される復元信号ＦＳ２に
基づいて、入力されたデジタル音声データにデスクラン
ブル処理を施している。そして、この音声デスクランブ
ル回路２５によりデスクランブル処理が施されたデジタ
ル音声データは、Ｄ／Ａ変換回路２６によりアナログの
音声信号ＡＳに変換されて、出力端子２７から取り出さ
れる。

【００１４】上記したスクランブルデコーダ１３は、セ
キュリティ処理回路１９が復元信号ＦＳ１，ＦＳ２を出
力したことが、取りも直さず契約成立が判別されてデス
クランブル処理が許可されたことを示している。

【００１５】個別情報パケット信号は、デコーダ識別番
号毎に異なる鍵で暗号化されているので、それぞれ異な
るパケット信号となっている。放送センターからは、登
録されている数の個別情報パケット信号が送出されてい
る。スクランブルデコーダ１３は、該当する個別情報パ
ケット信号を受信すると、そのデータを更新してセキュ
リティ処理回路１９に格納している。

【００１６】一方、番組情報パケット信号は、例えば１
秒毎に送出されるもので、このデータは個別情報に含ま
れている鍵を使用して更新することができる。そして、
セキュリティ処理回路１９は、番組情報と個別情報との
比較により、契約の成立及び非成立を判定している。

【００１７】しかしながら、上記のような従来のスクラ
ンブルデコーダでは、先にも述べたように、１パケット
の個別情報パケット信号を伝送するのに９ｍｓｅｃの時
間を必要とするので、例えば１千万世帯の個別情報を送
出するためには約２５時間もの時間がかかり、各世帯の
スクランブルデコーダに格納された契約内容を更新する
場合等に、待ち時間が長すぎるという問題が生じてい
る。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
スクランブルデコード手段では、各視聴者毎の契約内容
を示す個別情報を伝送するのに時間を要するため、加入
者数が多くなるほど宅内受信システムに格納された契約
内容を更新するのに待ち時間が長くかかるという問題を
有している。

【００１９】そこで、この発明は上記事情を考慮してな
されたもので、視聴者の受信システムに格納された契約
内容を短時間で迅速かつ正確に更新することができる極
めて良好な加入者端末のスクランブルデコーダ装置を提
供することを目的とする。

【００２０】

【課題を解決するための手段】この発明に係る加入者端
末のスクランブルデコーダ装置は、複数の加入者に対し
て、スクランブル処理された主データと、この主データ
に関連する情報を有する第１の副データと、複数の加入
者それぞれの契約内容を示す第２の副データとを、第１
の送信経路を介して送出する送信手段と、複数の加入者
がそれぞれ備えるもので、送信手段から第１の送信経路
で送出された第２の副データのうち、自己に対応する副
データを識別して格納する格納手段と、この格納手段に
格納された第２の副データと送信手段から主データとと
もに送出される第１の副データとを比較して、主データ
に対するデスクランブル処理の実行の可否を判別する判
別手段とよりなる受信手段とを有するスクランブル送信
システムにおいて、送信手段から、特定の加入者の格納
手段に対して、該加入者に対応する第２の副データを、
第１の送信経路と異なる第２送信経路を介して伝送し格
納させる伝送手段を備えるようにしたものである。

【００２１】

【作用】上記のような構成によれば、例えば契約更新等
によって変更された新たな第２の副データを第２の送信
経路を介して視聴者の受信システムに直接送出して格納
させるようにしたので、視聴者の受信システムに格納さ
れた契約内容を短時間で迅速かつ正確に更新することが
できる。

【００２２】

【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して詳細に説明する。図１において、図３と同一部分
には同一符号を付して示している。すなわち、衛星放送
チューナ１２から出力されるビットストリーム信号ＢＳ
は、個別情報配布回路２８に供給されている。この個別
情報配布回路２８には、放送センター２９から電話回線
３０を介して送出される個別情報が供給されている。こ
の個別情報配布回路２８は、放送センター２９から電話
回線３０を介して送出される個別情報を、ビットストリ
ーム信号ＢＳの形態に変換する。

【００２３】そして、個別情報配布回路２８は、衛星放
送チューナ１２から出力されるビットストリーム信号Ｂ
Ｓと、電話回線３０を介して入力された個別情報を変換
して得たビットストリーム信号ＢＳとを、選択的にスク
ランブルデコーダ１３のビットストリーム信号ＢＳの入
力端に供給している。

【００２４】図２は、この個別情報配布回路２８を示し
ている。すなわち、衛星放送チューナ１２から出力され
るビットストリーム信号ＢＳは、入力端子３１を介して
切替スイッチ３２の第１の固定接点３２ａに供給され
る。また、放送センター２９から電話回線３０を介して
送出される個別信号は、入力端子３３に供給され、入出
力インターフェース３４を介して制御回路３５に取り込
まれる。

【００２５】この制御回路３５は、入力された個別情報
を斜めインターリーブ変換回路３６に出力し、図７及び
図８に示したフォーマットに基づくビットストリーム信
号ＢＳに変換して、切替スイッチ３２の第２の固定接点
３２ｂに供給している。そして、切替スイッチ３２は、
第１及び第２の固定接点３２ａ，３２ｂに供給されるビ
ットストリーム信号ＢＳを、制御回路３５の制御に基づ
いて選択し、出力端子３７を介してスクランブルデコー
ダ１３に導いている。

【００２６】この場合、制御回路３５は、通常、第１の
固定接点３２ａに供給されるビットストリーム信号ＢＳ
を選択するように、切替スイッチ３２を制御しており、
電話回線３０を介して個別情報が供給されたときに、第
２の固定接点３２ｂに供給されるビットストリーム信号
ＢＳを選択するように、切替スイッチ３２を制御してい
る。

【００２７】上記のような構成において、まず、視聴者
は、契約内容の更新を行ないたい旨を、電話により放送
センター２９に連絡する。すると、放送センター２９
は、その視聴者の受信システムに対し契約更新した新た
な個別情報を電話回線３０を介して送出する。このた
め、制御回路３５は、斜めインターリーブ変換回路３６
から出力される新たな個別情報に対応したビットストリ
ーム信号ＢＳを選択するように切替スイッチ３２を切替
制御し、ここに、契約更新した新たな個別情報がスクラ
ンブルデコーダ１３内に格納されるようになる。

【００２８】したがって、上記実施例のような構成によ
れば、契約更新した新たな個別情報を電話回線３０を介
して視聴者の受信システムに直接送出して格納させるよ
うにしたので、視聴者の受信システムに格納された契約
内容を短時間で迅速かつ正確に更新することができる。

【００２９】また、上記実施例では、電話回線３０を介
して個別情報を視聴者の受信システムに格納させるよう
にしたが、これに限らず、例えば個別情報をバーコード
印刷されたカードや、個別情報を記憶した磁気カード及
びメモリカード等を視聴者に配布し、視聴者が入出力イ
ンターフェース３４を介してこれらのカードの内容を読
み込ませることで、格納された個別情報の更新を行うよ
うにしてもよい。さらに、上記のカード以外に、例えば
キーボード等を用いて直接個別情報を入力することも考
えられる。なお、この発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変
形して実施することができる。

【００３０】

【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
視聴者の受信システムに格納された契約内容を短時間で
迅速かつ正確に更新することができる極めて良好な加入
者端末のスクランブルデコーダ装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すブロック構成図。

【図２】同実施例の個別情報配布回路を示すブロック構
成図。

【図３】衛星放送における宅内受信システムを示すブロ
ック構成図。

【図４】同宅内受信システムにおけるスクランブルデコ
ーダを示すブロック構成図。

【図５】ビットストリーム信号のデータフォーマットを
示す図。

【図６】同ビットストリーム信号のデータマトリクスを
示す図。

【図７】同ビットストリーム信号中のパケット信号のデ
ータフォーマットを示す図。

【図８】同パケット信号のビットストリーム信号中への
配置を示す図。

【符号の説明】

１１…入力端子、１２…衛星放送チューナ、１３…スク
ランブルデコーダ、１４…テレビジョン受像機、１５…
入力端子、１６…前処理回路、１７…Ａ／Ｄ変換回路、
１８…映像デスクランブル回路、１９…セキュリティ処
理回路、２０…Ｄ／Ａ変換回路、２１…出力端子、２２
…入力端子、２３…デインターリーブ回路、２４…斜め
デインターリーブ回路、２５…音声スクランブル回路、
２６…Ｄ／Ａ変換回路、２７…出力端子、２８…個別情
報配布回路、２９…電話回線、３０…放送センター、３
１…入力端子、３２…切替スイッチ、３３…入力端子、
３４…入出力インターフェース、３５…制御回路、３６
…斜めインターリーブ変換回路、３７…出力端子。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の加入者に対して、スクランブル処
   理された主データと、この主データに関連する情報を有
   する第１の副データと、前記複数の加入者それぞれの契
   約内容を示す第２の副データとを、第１の送信経路を介
   して送出する送信手段と、 前記複数の加入者がそれぞれ備えるもので、前記送信手
   段から第１の送信経路で送出された前記第２の副データ
   のうち、自己に対応する副データを識別して格納する格
   納手段と、この格納手段に格納された第２の副データと
   前記送信手段から前記主データとともに送出される第１
   の副データとを比較して、前記主データに対するデスク
   ランブル処理の実行の可否を判別する判別手段とよりな
   る受信手段とを備えたスクランブル送信システムにおい
   て、 前記送信手段から、特定の加入者の前記格納手段に対し
   て、該加入者に対応する前記第２の副データを、前記第
   １の送信経路と異なる第２送信経路を介して伝送し格納
   させる伝送手段を具備してなることを特徴とする加入者
   端末のスクランブルデコーダ装置。
2. 【請求項２】 前記伝送手段は、前記第１の送信経路を
   介して送出される前記第２の副データと、前記第２の送
   信経路を介して送出される前記第２の副データとを、選
   択的に前記格納手段に導く切替手段を備えていることを
   特徴とする請求項１記載の加入者端末のスクランブルデ
   コーダ装置。
3. 【請求項３】 前記切替手段は、前記送信手段から第２
   の送信経路を介して前記第２の副データが送出されたと
   きに、前記第２の送信経路を介して送出される前記第２
   の副データを前記格納手段に導くように切り替えられる
   ことを特徴とする請求項２記載の加入者端末のスクラン
   ブルデコーダ装置。
4. 【請求項４】 前記第２の送信経路は、電話回線である
   ことを特徴とする請求項１記載の加入者端末のスクラン
   ブルデコーダ装置。
5. 【請求項５】 前記第２の送信経路は、前記第２の副デ
   ータが記録された記録媒体であることを特徴とする請求
   項１記載の加入者端末のスクランブルデコーダ装置。