JPH0722212B2 - 量子井戸レーザ - Google Patents
量子井戸レーザInfo
- Publication number
- JPH0722212B2 JPH0722212B2 JP60080823A JP8082385A JPH0722212B2 JP H0722212 B2 JPH0722212 B2 JP H0722212B2 JP 60080823 A JP60080823 A JP 60080823A JP 8082385 A JP8082385 A JP 8082385A JP H0722212 B2 JPH0722212 B2 JP H0722212B2
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- JP
- Japan
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- quantum well
- layer
- carrier
- thickness
- laser
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は光通信ないしは情報処理装置等に利用される量
子井戸レーザの改良に関する。
子井戸レーザの改良に関する。
<従来技術とその問題点> 量子井戸レーザは、低閾値高効率等の優れた特性を有す
るため盛んに研究が進められている。この量子井戸レー
ザにおける量子井戸の厚さは200Å以下と非常に薄く、
これにより電子の運動が膜厚方向で制限された量子効果
が発揮される。この量子井戸の厚さを200Åから徐々に
薄くした場合に発振閾値も徐々に小さくなる傾向にある
が、この量子井戸をある限度以上薄くした場合には電子
の注入効率の悪化のために発振閾値が増大することが知
られている。例えば、1983年秋季第44回応用物理学会学
術講演会講演予稿集29p−P−11記載のGRIN−SCH構造の
量子井戸レーザでは、量子井戸の厚みが60Å以下になる
と発振閾値が増大している。この注入効率の悪化は、量
子井戸に注入された電子が量子井戸の中のエネルギー準
位に緩和しないうちに通過してしまうために起こると考
えられる。
るため盛んに研究が進められている。この量子井戸レー
ザにおける量子井戸の厚さは200Å以下と非常に薄く、
これにより電子の運動が膜厚方向で制限された量子効果
が発揮される。この量子井戸の厚さを200Åから徐々に
薄くした場合に発振閾値も徐々に小さくなる傾向にある
が、この量子井戸をある限度以上薄くした場合には電子
の注入効率の悪化のために発振閾値が増大することが知
られている。例えば、1983年秋季第44回応用物理学会学
術講演会講演予稿集29p−P−11記載のGRIN−SCH構造の
量子井戸レーザでは、量子井戸の厚みが60Å以下になる
と発振閾値が増大している。この注入効率の悪化は、量
子井戸に注入された電子が量子井戸の中のエネルギー準
位に緩和しないうちに通過してしまうために起こると考
えられる。
この様に、従来の量子井戸レーザにおいては量子井戸を
非常に薄くした場合に発振閾値が増大するという欠点が
あった。このため量子井戸の厚さを非常に薄くすること
によって基底エネルギー準位と量子井戸の価電子帯下端
のエネルギー差を大きくし、発光波長の短波長化をねら
う場合には、発振閾値の増大を招くため実用上不都合と
なる問題があった。
非常に薄くした場合に発振閾値が増大するという欠点が
あった。このため量子井戸の厚さを非常に薄くすること
によって基底エネルギー準位と量子井戸の価電子帯下端
のエネルギー差を大きくし、発光波長の短波長化をねら
う場合には、発振閾値の増大を招くため実用上不都合と
なる問題があった。
<発明の目的> 本発明の目的は、このような問題を除去し、量子井戸を
非常に薄くした場合にも、短波長でかつ低閾値で発振す
る量子井戸レーザを提供することにある。
非常に薄くした場合にも、短波長でかつ低閾値で発振す
る量子井戸レーザを提供することにある。
<発明の構成> 本発明の量子井戸レーザは,主発光領域に少くとも1つ
以上の量子井戸層を有する量子井戸レーザにおいて、前
記量子井戸層の少くとも一方に接して設けられこの量子
井戸層の禁制帯幅より大きい禁制帯幅をもつキャリア導
入層と、このキャリア導入層に接して前記量子井戸層の
反対側に設けられこのキャリア導入層の禁制帯幅より大
きい禁制帯幅をもつキャリア閉じ込め層とを備え、前記
キャリア導入層の厚みが100オングストローム以下であ
ることを特徴とする。
以上の量子井戸層を有する量子井戸レーザにおいて、前
記量子井戸層の少くとも一方に接して設けられこの量子
井戸層の禁制帯幅より大きい禁制帯幅をもつキャリア導
入層と、このキャリア導入層に接して前記量子井戸層の
反対側に設けられこのキャリア導入層の禁制帯幅より大
きい禁制帯幅をもつキャリア閉じ込め層とを備え、前記
キャリア導入層の厚みが100オングストローム以下であ
ることを特徴とする。
<実施例> 次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例の量子井戸レーザの主要部の
断面図、第2図はそのエネルギーバンド図である。図
中、1はn型クラッド層(n−AlXc1Ga1-Xc1As,0.2≦Xc
1、好ましくは0.4≦Xc1≦0.7)、2は第1キャリア閉じ
込め層(AlXg1Ga1-Xg1As,Xg1<Xc1,厚さ0.5μm以下、
好ましくは0.2≦Xg1≦0.3,厚さ0.1〜0.2μm)、3は第
1キャリア導入層(AlX1Ga1-X1As,Xw<X1<Xg1,厚さ10
0Å以下)、4は量子井戸層(AlXwGa1-XwAs,Xw<X1,Xw
<X2,厚さ200Å以下、典型的にはXw=0(すなわちGaA
s),厚さ100Å以下)、5は第2キャリア導入層(AlX2
Ga1-X2As,Xw<X2<Xg2,厚さ300Å以下、典型的には厚
さ100Å以下)、6は第2キャリア閉じ込め層(AlXg2Ga
1-Xg2As,X2<Xg2<Xc2,厚さ<0.5μm以下、典型的に
は0.2≦Xg2≦0.3,厚さ=0.1〜0.2μm)、7はp型クラ
ッド層(p−AlXc2Ga1-Xc2As,0.2≦Xc2、好ましくは0.4
≦Xc2≦0.7)である。
断面図、第2図はそのエネルギーバンド図である。図
中、1はn型クラッド層(n−AlXc1Ga1-Xc1As,0.2≦Xc
1、好ましくは0.4≦Xc1≦0.7)、2は第1キャリア閉じ
込め層(AlXg1Ga1-Xg1As,Xg1<Xc1,厚さ0.5μm以下、
好ましくは0.2≦Xg1≦0.3,厚さ0.1〜0.2μm)、3は第
1キャリア導入層(AlX1Ga1-X1As,Xw<X1<Xg1,厚さ10
0Å以下)、4は量子井戸層(AlXwGa1-XwAs,Xw<X1,Xw
<X2,厚さ200Å以下、典型的にはXw=0(すなわちGaA
s),厚さ100Å以下)、5は第2キャリア導入層(AlX2
Ga1-X2As,Xw<X2<Xg2,厚さ300Å以下、典型的には厚
さ100Å以下)、6は第2キャリア閉じ込め層(AlXg2Ga
1-Xg2As,X2<Xg2<Xc2,厚さ<0.5μm以下、典型的に
は0.2≦Xg2≦0.3,厚さ=0.1〜0.2μm)、7はp型クラ
ッド層(p−AlXc2Ga1-Xc2As,0.2≦Xc2、好ましくは0.4
≦Xc2≦0.7)である。
本実施例において注入された電子は、キャリア導入層と
キャリア閉じ込め層との間の界面において反射されやす
いため、量子井戸層4を通過したキャリアもこの界面で
反射されて再び量子井戸層4に注入される様になる。こ
のため量子井戸層4に注入された電子にとって、等価的
な量子井戸層4の厚みが大きくなるため、キャリアの量
子井戸層4への注入効率が改善される。
キャリア閉じ込め層との間の界面において反射されやす
いため、量子井戸層4を通過したキャリアもこの界面で
反射されて再び量子井戸層4に注入される様になる。こ
のため量子井戸層4に注入された電子にとって、等価的
な量子井戸層4の厚みが大きくなるため、キャリアの量
子井戸層4への注入効率が改善される。
また、キャリア導入層の厚さがあまり厚いとこのキャリ
ア導入層でキャリアが再結合してしまう恐れがあるた
め、本実施例では100Å以下と薄くしている。
ア導入層でキャリアが再結合してしまう恐れがあるた
め、本実施例では100Å以下と薄くしている。
この様に、本実施例の量子井戸レーザにおいては、電子
の注入効率の悪化という問題は生じずに低い閾値電流で
レーザ発振を行なうことが出来る。
の注入効率の悪化という問題は生じずに低い閾値電流で
レーザ発振を行なうことが出来る。
次に本実施例の製作方法について説明する。
まず最初に、半導体基板10(n−GaAs)上にn型クラッ
ド層1、第1キャリア閉じ込め層2、第1キャリア導入
層3、量子井戸層4、第2キャリア導入層5、第2キャ
リア閉じ込め層6、p型クラッド層7、キャップ層8
(p−GaAs)を順次結晶成長する。この結晶成長方法は
MBE法を用いたが、他の例えばMO−CVD法等の方法によっ
ても良い。次に、SiO2膜9を形成しホトエッチング法に
よってストライプ状に電流通路13を形成する。次にp型
電極12及びn型電極11を形成し、最後に劈開を用いて共
振面を形成し電極にワイヤ等を取付けて完成する。
ド層1、第1キャリア閉じ込め層2、第1キャリア導入
層3、量子井戸層4、第2キャリア導入層5、第2キャ
リア閉じ込め層6、p型クラッド層7、キャップ層8
(p−GaAs)を順次結晶成長する。この結晶成長方法は
MBE法を用いたが、他の例えばMO−CVD法等の方法によっ
ても良い。次に、SiO2膜9を形成しホトエッチング法に
よってストライプ状に電流通路13を形成する。次にp型
電極12及びn型電極11を形成し、最後に劈開を用いて共
振面を形成し電極にワイヤ等を取付けて完成する。
以上の実施例においては、キャリア閉じ込め層を膜厚方
向において組成が均一なものを用いたが、これに限らず
この領域をグレイデッド領域としたいわゆるGRIN−SCH
構造を採用することも出来る。また、ストライプ構造を
本実施例では酸化膜ストライプ構造としたが、これに限
らず他の構造例えばプレーナストライプ構造,リッジウ
エイブガイド構造,埋込み構造等あらゆるストライプ構
造の量子井戸レーザに適用出来る。また、本実施例にお
いては量子井戸層が単一のものについて説明したが、多
重量子井戸レーザについても適用出来る。さらに、本実
施例においては材料としてAlGaAs/GaAs系材料を用いた
が、これに限らずInGaAsP/InP,InGaAlAs/InP系材料等の
他の材料も適用出来る。
向において組成が均一なものを用いたが、これに限らず
この領域をグレイデッド領域としたいわゆるGRIN−SCH
構造を採用することも出来る。また、ストライプ構造を
本実施例では酸化膜ストライプ構造としたが、これに限
らず他の構造例えばプレーナストライプ構造,リッジウ
エイブガイド構造,埋込み構造等あらゆるストライプ構
造の量子井戸レーザに適用出来る。また、本実施例にお
いては量子井戸層が単一のものについて説明したが、多
重量子井戸レーザについても適用出来る。さらに、本実
施例においては材料としてAlGaAs/GaAs系材料を用いた
が、これに限らずInGaAsP/InP,InGaAlAs/InP系材料等の
他の材料も適用出来る。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明によれば、量子井戸層の厚
さが非常に薄くなっても、キャリア注入が効率良く行な
われるために、短波長で発振しかつ低閾値の量子井戸レ
ーザが得られる。
さが非常に薄くなっても、キャリア注入が効率良く行な
われるために、短波長で発振しかつ低閾値の量子井戸レ
ーザが得られる。
第1図は本発明の一実施例の断面図、第2図は第1図の
エネルギーバンド図である。図において1……n型クラ
ッド層、2……第1キャリア閉じ込め層、3……第1キ
ャリア導入層、4……量子井戸層、5……第2キャリア
導入層、6……第2キャリア閉じ込め層、7……p型ク
ラッド層、8……キャップ層、9……SiO2膜、10……半
導体基板、11……n型電極、12……p型電極、13……電
流通路、である。
エネルギーバンド図である。図において1……n型クラ
ッド層、2……第1キャリア閉じ込め層、3……第1キ
ャリア導入層、4……量子井戸層、5……第2キャリア
導入層、6……第2キャリア閉じ込め層、7……p型ク
ラッド層、8……キャップ層、9……SiO2膜、10……半
導体基板、11……n型電極、12……p型電極、13……電
流通路、である。
Claims (1)
- 【請求項1】主発光領域に少くとも1つ以上の量子井戸
層を有する量子井戸レーザにおいて、前記量子井戸層の
少くとも一方に接して設けられこの量子井戸層の禁制帯
幅より大きい禁制帯幅をもつキャリア導入層と、このキ
ャリア導入層に接して前記量子井戸層の反対側に設けら
れこのキャリア導入層の禁制帯幅より大きい禁制帯幅を
もつキャリア閉じ込め層とを備え、前記キャリア導入層
の厚みが100オングストローム以下であることを特徴と
する量子井戸レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60080823A JPH0722212B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | 量子井戸レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60080823A JPH0722212B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | 量子井戸レーザ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61239689A JPS61239689A (ja) | 1986-10-24 |
JPH0722212B2 true JPH0722212B2 (ja) | 1995-03-08 |
Family
ID=13729146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60080823A Expired - Lifetime JPH0722212B2 (ja) | 1985-04-16 | 1985-04-16 | 量子井戸レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0722212B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4989213A (en) * | 1989-10-30 | 1991-01-29 | Polaroid Corporation | Narrow divergence, single quantum well, separate confinement, algaas laser |
JPH05275798A (ja) * | 1992-03-25 | 1993-10-22 | Eastman Kodak Japan Kk | レーザダイオード |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60202980A (ja) * | 1984-03-28 | 1985-10-14 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 量子井戸型半導体レ−ザ |
-
1985
- 1985-04-16 JP JP60080823A patent/JPH0722212B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61239689A (ja) | 1986-10-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |