JP3033717B2 - 面発光半導体レーザ素子 - Google Patents
面発光半導体レーザ素子Info
- Publication number
- JP3033717B2 JP3033717B2 JP21669497A JP21669497A JP3033717B2 JP 3033717 B2 JP3033717 B2 JP 3033717B2 JP 21669497 A JP21669497 A JP 21669497A JP 21669497 A JP21669497 A JP 21669497A JP 3033717 B2 JP3033717 B2 JP 3033717B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- quantum well
- surface emitting
- semiconductor laser
- laser device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Led Devices (AREA)
Description
処理用の光源として使われる量子井戸構造を用いた面発
光半導体レーザに関する
ことは、閾値電流密度が低いこと、閾値電流密度の温度
依存性が小さいこと、変調周波数が高いこと、および波
長チャーピングが小さいことなどである。これらの特性
は、通常30nmよりも薄い層からなる活性層を有する
量子井戸半導体レーザ素子によって向上する。
子井戸と称す小さいエネルギーバンドギャップをもつ層
と、バリア層と称す大きいエネルギーバンドギャップを
もつ層から構成されている。かかる量子井戸活性層にお
いては、電子と正孔は量子井戸に閉じ込められ、量子力
学に従った挙動をする。
井戸の格子定数をバリア層の格子定数より大きくし、量
子井戸に歪を導入することにより向上する。その理由
は、価電子帯の重い正孔は有効質量が薄膜層に水平な方
向で軽くなった状態で価電子帯の基底量子準位を形成す
ることになるからである。その結果、量子井戸層内では
電子と重い正孔との間の光学遷移が促進される。電子と
重い正孔とはほぼ等しい有効質量をもち、重い正孔の有
効質量が小さくなるためにレーザ発振に必要な反転分布
の形成が容易となるからである。なお、量子井戸層の歪
の大きさと層の厚さは、歪により転位が誘起されないよ
うに、ある臨界膜厚値以内にしなければならない。
として例えば図1(a)に示すものが知られている。こ
の従来の歪量子井戸半導体レーザ素子においては、n型
GaAs基板1上に、n型GaAsバッファ層2および
n型Ga0.6 Al0.4 Asクラッド層3が順次薄層さ
れ、次いで0.2μm厚さでAl成分が40%から0%
まで連続的に変化する傾斜領域5と6を両側に持ち、こ
れを挟んで歪を有する4nm厚さのGa0.63In0.37A
s量子井戸層4からなる活性層が横層され、さらに傾斜
領域6の上にp型Ga0.6 Al0.4 Asクラッド層7お
よびp型GaAsPキャップ層が順次積層され、最後
に、n型電極9およびp型電極10が蒸着された構造と
なっている。
が9.9μmであり、閾値電流密度は195Acm-2で
あった。第1図(b)は第1図(a)に対応するバンド
ギャップの伝導帯側を示している。
量子井戸半導体レーザ素子では、光ファイバ通信におい
て重要な波長である1.3μm乃至1.55μmの発振
を得ることができない。1.3μmまたはこれより長い
波長の発振をGa1-x Inx Asの活性層により得るた
めには、エネルギーバンドギャップの大きさから、X≧
0.5のIn組成でなければならない。しかしながらこ
のような高いXのGa1-x Inx Asでは格子定数が大
きくなり、図1(a)に示した従来の歪量子井戸レーザ
の量子井戸層4に適用せんとすると量子井戸層に臨界値
以上の大きな歪が生じ、それに伴う転位の発生によりレ
ーザ特性が劣化するという問題がある。
通信波長帯においては、2次元的な配列が可能な面発光
レーザが望まれているが、面発光レーザでは上述の状況
に加えて、端面出射型のしーザと比較すると高多層の量
子井戸構造を実現することが必要となるため、この波長
帯において面発光レーザを実現することはより困難であ
るとされていた。
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光
通信において重要な波長帯である1.3μm〜1.55
μmの長波長帯で発振する高性能な面発光半導体レーザ
素子を提供することにあり、その要旨は、InP基板上
に、量子井戸層とバリア層からなる活性層を含む3−5
族化合物半導体層を有する面発光半導体レーザ素子にお
いて、量子井戸層はその格子定数がInPの格子定数よ
りも大きく、バリア層はその格子定数がInPの格子定
数よりも小さく構成されており、かつ、量子井戸層、バ
リア層はGaInAsPの4元系半導体またはAlGa
InAsの4元系半導体により構成されていることを特
徴とする1.3〜1.55μm用面発光半導体レーザ素
子である。
の格子定数よりも大きく、バリア層の格子定数をInP
基板の格子定数よりも小さくし、かつ、量子井戸層、バ
リア層を構成する材料としてGaInAsPの4元系半
導体またはAlGaInAsの4元系半導体を採用する
ことにより、各量子井戸層の膜厚を低閾値電流、低チャ
ーピングなどの効果が得られる膜厚(2.5〜30n
m)とし、かつ、量子井戸層中の価電子帯における重い
正孔の膜面に水平方向の有効質量が小さくなり、低キャ
リアにて反転分布がおこり、実用可能な注入電流でレー
ザ発振が可能となるように量子井戸層中に圧縮歪が印加
された量子井戸構造を、光通信において重要な波長帯で
ある1.3〜1.55μmにおいて面発光レーザとして
実現することが可能となることを見いだしたものであ
る。
形成された、垂直キャビティーを構成する活性層構造に
あり、例えば垂直キャビティー両端に設ける反射鏡構造
や、レーザ駆動のための電極構造など、活性層構造以外
の部分については周知の面発光レーザと同様の構造を採
用することができるので、ここでは本発明の要点である
活性層構造について詳述する。
〜30nmである(n−1)層のバリア層で交互に隔て
られた各層の厚さ2.5〜30nmのn層の量子井戸層
から構成されている。この場合には、活性層の両側面は
量子井戸層になるが、(n+1)層のバリア層を配し
て、活性層の両側面をバリア層にしてもよい。量子井戸
層の組成は、図2における発振波長1.3μmに相当す
る等バンドギャップ線C上にあり、かつ、格子定数がI
nP基板よりも大きいPT間のTに近い組成、GaX1I
n1-X1AsY1P1-Y1(0<X1,Y1<1)の4元系半
導体実線Lとの交点Pよりも左側のL線上の組成となっ
ている。なお、LはInPととする。
の値は歪の誘起する転位の発生によって決まり、組成T
に対しては20〜30nmである。
井戸層のバンドギャップよりも大きく、かつ、格子定数
がInPの格子定数よりも小さくなる組成を選択する。
即ち、図2において斜線が入っていない領域で、等バン
ドギャップ線Cよりも左側の組成から選択する。
なることによる長波長化と、電子の量子閉じ込めによる
短波長化の影響を受けるために、発振波長は1.3μm
から若干ずれることになる。発振波長を1.3μmに厳
密に一致させるには、上記の歪によるバンドギャップ縮
小の効果と量子閉じ込め効果によるバンドギャップ拡大
の効果とを勘案して組成を第2図のC線から多少ずらし
て調整すればよい。
て重要な1.3μm帯で発振し、低関値密度、低チャー
ピングが実現できる活性層構造を、量子井戸層およびバ
リア層の層数が数百まで、歪の誘起する転位を生じるこ
となく成長させることが可能となり、このことにより、
垂直キャビティをもつ面発光レーザを1.3μm帯で実
現することが可能となる。
層とバリア層の厚みと組成を調整することによって、I
nPの格子定数に等しくすることができる。また、本発
明の面発光半導体レーザは、量子井戸層、バリア層をA
lGaInAsの4元系半導体で構成することもでき
る。ここで、量子井戸層をAlGaInAsの4元系半
導体とする場合は、図3におけるL' 線(InPとの格
子定数線)よりもInAsよりの領域、即ち図3中の斜
線領域からバンドギャップ波長1.3μmの組成を選択
すれば良く、バリア層をAlGaInAsの4元系半導
体とする場合は、図3におけるL' 線のGaAsまたは
AlAsよりの領域、即ち図3中の斜線の無い領域から
バンドギャップ波長が1.3μm以下の組成を選択すれ
ばよい。
GaInAsPの4元系半導体とするタイプ、量子井戸
をGaInAsPの4元系半導体とし、バリア層をAl
GaInAsの4元系半導体とするタイプ、量子井戸層
をAlGaInAsの4元系半導体とし、バリア層をG
aInAsPの4元系半導体とするタイプ、量子井戸
層、バリア層ともにAlGaInAsの4元系半導体と
するタイプの4つのタイプの面発光レーザを実現するこ
とができる。
帯において発振する面発光半導体レーザ装置について説
明したが、1.3〜1.55μm帯においても上述と同
様にして、本発明の構成を得ることができることは当業
者に明らかである。
1.3〜1.55μm帯の発振波長を有し、高性能であ
る量子井戸半導体レーザが得られるという優れた効果が
ある。
ャップの伝導帯側を示す図(b)
Claims (1)
- 【請求項1】 InP基板上に、量子井戸層とバリア層
からなる活性層を含む3−5族化合物半導体層を有する
面発光半導体レーザ素子において、量子井戸層はその格
子定数がInPの格子定数よりも大きく、バリア層はそ
の格子定数がInPの格子定数よりも小さく構成されて
おり、かつ、量子井戸層、バリア層はGaInAsPの
4元系半導体またはAlGaInAsの4元系半導体に
より構成されていることを特徴とする1.3〜1.55
μm用面発光半導体レーザ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21669497A JP3033717B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 面発光半導体レーザ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21669497A JP3033717B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 面発光半導体レーザ素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63285549A Division JP2898643B2 (ja) | 1988-11-11 | 1988-11-11 | 量子井戸半導体レーザ素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1070342A JPH1070342A (ja) | 1998-03-10 |
JP3033717B2 true JP3033717B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=16692465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21669497A Expired - Lifetime JP3033717B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 面発光半導体レーザ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3033717B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10230217B2 (en) * | 2016-10-31 | 2019-03-12 | Sumitomo Electric Device Innovations, Inc. | Semiconductor laser diode having multi-quantum well structure |
-
1997
- 1997-08-11 JP JP21669497A patent/JP3033717B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
1988年 第49回応用物理学会学術講演会予稿集 第3分冊 5p−ZC−12,P861 |
Appl.Phys.Lett.53[15](1988)p1378〜1380 |
J.Appl.Phys.59[7](1986)p1845〜1855 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1070342A (ja) | 1998-03-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3504742B2 (ja) | レーザダイオード | |
JPH05283791A (ja) | 面発光型半導体レーザ | |
JPH05235470A (ja) | レーザダイオード | |
JP2898643B2 (ja) | 量子井戸半導体レーザ素子 | |
JP2012129243A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JP2815769B2 (ja) | 半導体レーザの製造方法 | |
JP3145718B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP3041381B2 (ja) | 量子井戸半導体レーザ素子 | |
JP3033717B2 (ja) | 面発光半導体レーザ素子 | |
JP2706411B2 (ja) | 歪量子井戸半導体レーザ | |
JP2812273B2 (ja) | 半導体レーザ | |
EP0528439B1 (en) | Semiconductor laser | |
JP2901921B2 (ja) | 半導体レーザ装置 | |
JPH08288586A (ja) | 2μm帯半導体レーザ | |
JPH04350988A (ja) | 量子井戸構造発光素子 | |
US5363394A (en) | Quantum wire laser | |
JPH09237933A (ja) | 半導体レーザ,及びその製造方法 | |
JP6120903B2 (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JP2556288B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JP2508625B2 (ja) | 半導体レ−ザ− | |
JP2653986B2 (ja) | 半導体レーザー | |
JPH09148682A (ja) | 半導体光素子 | |
JP2001308452A (ja) | 半導体レーザ装置 | |
JPH06104534A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JPH0278290A (ja) | 半導体レーザ素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218 Year of fee payment: 9 |