JPH0721975B2 - 水走り防止材および通信用ケーブル - Google Patents

水走り防止材および通信用ケーブル

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JPH0721975B2
JPH0721975B2 JP61030510A JP3051086A JPH0721975B2 JP H0721975 B2 JPH0721975 B2 JP H0721975B2 JP 61030510 A JP61030510 A JP 61030510A JP 3051086 A JP3051086 A JP 3051086A JP H0721975 B2 JPH0721975 B2 JP H0721975B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水走り防止材および通信用ケーブルに関し、さ
らに詳しくは水走り防止型ケーブルに用いられるケーブ
ル用充填材料として極めて優れた性能を有し、かつ耐久
性に優れた水走り防止材および通信用ケーブルに関す
る。
(従来の技術) 従来の通信用ケーブルの構造は、一般に第2図に示すよ
うに、最中心部にコア1としてのテンションメンバーが
あり、その周りに複数本の通信用導線2が均等間隔で配
置され、その導線間の隙間および全体を包み込む形で充
填材料3が存在し、その外周にテープ4が被覆されて断
面が円形状に形成され、そしてさらに全体が外被層5で
包み込まれたものである。
従来、通信用ケーブルに使用されてきた充填材料として
は、麻やポリプロピレンを糸またはスプリットヤーンの
形状に形成したものなどが知られている。
しかるに、近年、通信用ケーブルは地下に埋設されるケ
ースが増加しており、従来の充填材料の要求特性、つま
り緩衝性能や充填容易性と共に水走り防止性が重要視さ
れるに到った。すなわち、埋設されたケーブルに何らか
の原因でシース(ケーブルの最外被層)にクラックが生
じ、埋設されたケーブル周辺の水が浸入してきてケーブ
ル内に浸透し、悪影響を及ぼす現象があり、この現象を
防止する特性が重要視されている。
そこで近年、地下ケーブルや海底ケーブル等の通信用ケ
ーブルにおいて水走り防止型のケーブルが開発されてき
た。水走り防止型ケーブルの内部充填材料としては、従
来、ペトラム系やポリブテン系のゼリーが使用されてき
た。そして該ゼリーは水走り防止性は優れているが、他
の面で多く問題点を有している。すなわち、ケーブル同
士を接続する際のコネクト作業性が劣ること、ケーブル
製造時にゼリー封入速度に限界があり、ケーブル生産性
が劣ること、極低温でのマイクロベンデイングによりロ
スが増加すること等である。
これらの問題を解決するために、近年、ポリアクリル酸
系あるいはカルボキシメチルセルロース系等の吸水性ポ
リマー粉末をケーブル内部に充填し水走り防止を企てる
ことが試みられている。この吸水ポリマー粉末をケーブ
ル内部に充填させる方法として、吸水性ポリマー粉末を
直接充填する方法、吸水性ポリマー粉末をワニス等とブ
レンドして紙や布等の支持体に塗布したものを充填する
方法が知られている。吸水性ポリマー粉末を直接充填し
た場合は該ポリマー粉末が固定されていないため、ケー
ブルを接続する際にポリマー粉末が脱落しやすくコネク
ト作業性が劣ること、およびケーブルの傾斜、振動等に
よってポリマー粉末がケーブル内を動く恐れがあり、長
期にわたってケーブル内に均一にポリマー粉末を存在さ
せることが難しいという問題があり、また、吸水性ポリ
マーを支持体に塗布した材料は吸水性ポリマーよりも吸
水性が劣るため、組織としての吸水性が低下することお
よび非水系のワニス等も同時に塗布されるため吸水性が
低下し、水走り防止性が低下するという問題がある。
また、上記の問題を解決するために、例えば特開昭52−
155218号公報に記載されているセルロース系の高吸水繊
維を用いることが考えられるが、本発明者らの検討によ
れば、このセルロース系高吸水繊維は水走り防止性およ
び被覆緩衝効果は優れていたが、水に濡れた状態では短
期間で腐敗が生じ、炭酸ガス、水素ガス等を発生して分
解し水走り防止性が失われてしまうという欠点があるこ
とが判った。
一方、高度情報化社会における通信用ケーブルの安全性
確保は重要であり、例えばケーブル火災が生じた場合そ
の被害は莫大なものになるため、通信用ケーブルにとっ
て難燃性は重要な要素となる。
従来の通信用ケーブルにおいて、水走り防止性、被覆緩
衝性、非腐敗性、難燃性、ケーブル作成時の容易性等を
併せもった通信用ケーブル水走り防止材はまだ報告され
ていない。
ここで水走り防止性とは、例えば第1図に見られるよう
な通信用ケーブルにおいて、何らかの形で外被が破られ
水が浸入した場合、ケーブルの長手方向に伝わろうとす
る水を瞬時のうちに吸水膨潤し遮水する性能をいう。水
走り防止性は遮水性能を表わし、ここでは24時間で水が
何mm伝播するかを数値化したもので表わし、この値が小
さいほど水走り防止性がよいことを示す。
被覆緩衝性とは、ケーブルに対する外力から通信ケーブ
ル心線を保護する外力緩和効果をいう。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、水走り防止性、被覆緩衝性等に優れ、
ケーブルコネクト作業時およびケーブル製造時のケーブ
ル成形性に優れた、腐敗の起こりにくい通信ケーブル用
水走り防止材およびこれを用いた通信用ケーブルを提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明は、通信ケーブル用水
走り防止材であって、水膨潤度が5〜200cc/gの高吸水
アクリル系繊維を重量比で50wt%以上含み、かつ水膨潤
度(cc/g)と高吸水アクリル繊維の含有重量(%)の積
が500以上であることを特徴とする通信ケーブル用水走
り防止材である。また本発明は、水膨潤度が5〜200cc/
gの高吸水アクリル系繊維を重量比で50重量%以上含
み、かつ水膨潤度(cc/g)と高吸水アクリル繊維の含有
重量(%)の積が500以上である水走り防止材が、詰込
密度が0.04g/cc以上で、かつ詰込密度と高吸水繊維の水
膨潤度(cc/g)とその混合比率の3者の積が300以上で
あるように装填されてなることを特徴とする通信用ケー
ブルである。
本発明において、アクリル系高吸水繊維が、アクリロニ
トリル65〜90重量%と、リチウム、カリウム、ナトリウ
ムおよびアンモニウムの中から選ばれた少なくとも1種
の物質のカルボン酸塩との共重合体からなり、かつ前記
カルボン酸塩が均一に分布することが望ましい。
本発明において、ケーブルの水走り防止性を得るには、
水の浸入と共に水走り防止材全体が瞬時のうちに吸水膨
潤し水はそれ以上浸入しないことが必要である。水走り
防止効果の良否を判定するには、例えば内径5mmφのガ
ラス管に水走り防止材を、長さ30cm間充填し、水平に置
き、その先を垂直に立てた内径10mmφのガラス管とゴム
管でつなぎ、垂直に立てたガラス管に水平に置いたガラ
ス管から高さ1mのところまで水を満たし、24時間後に水
平に置いたガラス管中の水走り防止材への水の浸入長さ
を、水走り長さまたは水走り性として評価する。水走り
防止効果のよいものは、侵入による吸水部分の長さが短
く、瞬時に膨潤して水走りを防止する。
水走り防止効果は、アクリル系高吸水繊維の水膨潤度、
水走り防止材中に占めるアクリル系高吸水繊維の含有
率、ガラス管への水走り防止材の詰込密度に関連する。
アクリル系高吸水繊維の水膨潤度は、高いほど水走り防
止効果がよく、およそ5〜200cc/g、好ましくは10〜150
cc/gがよい。
水膨潤度が5cc/g未満のものでは、100%吸水アクリル系
繊維で作成した水走り防止材を用いても水走り防止性が
大幅に低下してしまい、また200cc/gを超えると水走り
防止材の強力が大幅に低下するため、ケーブル作成時の
作業性が低下する。
水走り防止材中に含まれるアクリル系高吸水繊維の重量
割合は、およそ50wt%以上であればよく、好ましくは70
〜100%のものがよい。水走り防止材中にアクリル系高
吸水繊維以外の繊維(膨潤しない繊維)が多くなると、
水は膨潤しない繊維を伝わり浸透する。
水走り防止性には、水走り防止材の充填密度にも関連
し、充填密度が高くなるほど水走り防止効果は高くな
る。充填密度はおよそ0.1〜0.3g/cm3以上は必要であ
る。
水走り防止材の形態は、ケーブルの構造、およびケーブ
ル作成の容易性から、紡績糸およびテープ材のものが好
ましい。
本発明の水走り防止材を用いた好ましい一例を光ケーブ
ルの場合を例にして第1図により説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す層撚タイプの光通信ケ
ーブルの断面図である。このケーブルは、テンションメ
ンバー1と、その外側に順次設けられた吸水テープ6、
光ファイバ心線2、本発明による水走り防止用吸水紡績
糸3A、水走り防止用吸水押え巻きテープ4Aおよび外被5
とからなる。
このようにしてつくられた光ケーブルは外被5にクラッ
クが生じて水が浸入してきても吸水紡績糸3Aと吸水テー
プ6が瞬時のうちに膨潤し、水の浸入をわずかにとど
め、さらにそれ以上の浸入を長期間にわたって防ぐこと
ができる。
本発明においてアクリル系高吸水繊維とは、例えばアク
リロニトリル65〜90wt%と、リチウム、カリウム、ナト
リウム、およびアンモニウムの中から選ばれた少なくと
も1種の物質のカルボン酸塩0.5〜4.5mmol/gよりなる繊
維をいうが、これはアクリル系高吸水繊維の好適例の1
つであり、何ら本発明を限定するものではない。
本発明で用いるアクリル系高吸水繊維は、例えばアクリ
ル系繊維を加水分解してシアノ基をカルボキシル基に転
換した後、カルボキシル基の末端をアルカリ金属または
アンモニウムで置換する方法、またはアクリロニトリル
とアクリロニトリルに共重合可能な活性二重結合を有
し、かつカルボキシル基を有する単量体を共重合した
後、カルボキシル基の末端をアルカリ金属またはアンモ
ニウムで置換する方法等により得られる。
これらの方法のうち、前者の加水分解による方法では加
水分解が繊維表面から進み、また紡績等の実用加工性を
維持させるためには加水分解を一定範囲に抑制しなけれ
ばならないため、繊維の外層部はカルボン酸塩が多くな
り、内層部は未加水分解のためカルボン酸塩を含まない
2層構造体となり、良好な難燃性が得られないことがあ
る。これに対し後者の共重合による方法は、カルボン酸
塩の分布が均一になり、良好な難燃性が得られるので好
ましい。
アクリル系高吸水繊維の難燃性は、アクリロニトリルと
カルボン酸塩が均一に分布している場合、カルボン酸塩
の割合が大きいほど高くなる。例えば、カルボン酸ナト
リウムが3mmol/gであれば難燃性を表す限界酸素指数LOI
は30〜33となり、レギュラーアクリル繊維であるカシミ
ロン(旭化成工業(株)社製アクリル系短繊維の登録商
標)が、LOI19、特開昭52−155218号公報のセルロース
系高吸水繊維が、LOI24であるのに比べ大幅に難燃性が
向上している。
なお、限界酸素指数(LOI)は連続して燃焼するために
最低限必要な酸素の濃度(%)であり、この値が大きい
ほど難燃性が高い。
本発明において難燃性と水走り防止性とは直接の関連は
ないが、難燃性高吸水アクリル系繊維を用いて水走り防
止材を作成する場合は、組合わせる素材も当然のことで
あるが、難燃素材を用いなければ難燃性水走り防止材を
得ることはできない。このため、本発明は特に難燃性水
走り防止材に好適である。
本発明に用いる水走り防止用吸水紡績糸は通常の紡績方
法により容易に製造できる。
また、水走り防止用テープは、通常の不織布製造方法に
よってつくられた吸水不織布を通常のスリット法による
テープ製造方法でスリットすることにより容易に製造で
きる。水走り防止用テープは必要に応じて不織布に裏貼
り後スリットすることにより、補強しケーブル作成の容
易性を高めることも可能である。
本発明品を用いて水走り防止効果を得るためには、一定
量以上の詰込密度でケーブル内に装填する必要がある。
本発明者らの実験結果では、詰込密度は0.04g/cc以上
で、かつ詰込密度と高吸水繊維の水膨潤度とその混合比
率の3者の積が300以上、好ましくは400以上あれば優れ
た水走り防止効果が得られることが判った。これは、い
かに水膨潤度の高いものでも膨潤に一定時間を要するた
め、0.04g/cc未満の詰込密度では高吸水繊維が膨潤して
水走り防止効果を示す前に繊維の隙間から水が大量に通
過してしまうためである。ただし、前記3者間の積が30
0以上あれば、水走り長さにかかわりなく、最終的には
水走り防止効果は得られる。したがって当然のことなが
ら効率よく水走り防止効果を得るためには、水走り防止
材の形態はバルキーで広がりのあるものがよく、初期の
吸水速度の速いものほどよい。
次に本発明の水走り防止材の被覆緩衝性について述べ
る。
紡績糸は、撚を加えて糸にするため、通常丸みをもって
いる。丸い通信ケーブル心線を被覆すると部分的に糸層
がずれ、通信ケーブル心線が露出する場合がある。紡績
糸の嵩高度を適当に調節することにより通信ケーブル心
線の露出を防ぎ、外力に対し緩衝性の優れた通信ケーブ
ル遮水用紡績糸を得ることができる。本発明においてケ
ーブル遮水用紡績糸の嵩高度は3cm3/g以上、望ましく
は5〜10cm3/gにすることにより、通信ケーブル心線の
露出を防ぎ、外力に対して緩衝性の優れた通信ケーブル
遮水用紡績糸を得ることができる。嵩高度が3cm3/g未
満では通信ケーブル心線が露出しやすく、10cm3/gを超
えると強力の低下が大きくケーブル製造時の工程性が低
下する。
このような紡績糸を得る方法は、梳毛紡績方式および紡
毛紡績方式において撚系数α=40〜100にすることで容
易に得られる。繊維配列はどちらかというと均一にそろ
えるよりランダム化するほうがよい。また、スフ紡績お
よびオープンエンド紡績方式であってもよい。ここでい
う嵩高度とは、紡績糸を綛に巻き恒温室(20℃×60RH
%)に1日以上放置し、切断してBOX(4cm×5cm×4cm)
に入れ蓋板をして、14.4g/cm2の圧力を加え、1分放置
後目盛(h:高さ)を読み次式から算出される。
(5.458は蓋とBOXの厚みを表す) (発明の効果) 本発明による水走り防止材は、繊維状であるため、優れ
た物性を持つ水走り防止用吸水紡績糸、吸水テープなど
から容易に得られ、吸水ポリマー、吸水ゼリー等を使用
した場合と比べてケーブル作成が極めて容易である。
また本発明の水走り防止材は、紡績糸、テープを構成す
る素材そのものが膨潤するため、膨潤しない紡績糸、テ
ープ等に吸水ポリマー、吸水ゼリー等を付与した水走り
防止材等と比べ水走り防止効果が一段と優れたものとな
る。
本発明の水走り防止材は、それぞれ紡績糸とテープの形
態で使用できるが、素材か繊維状であるため、いずれも
弾力性があり、被覆緩衝性の優れた通信ケーブルが容易
に得られる。
また本発明の水走り防止材は、アクリル系繊維からなる
ため、従来のセルロース系高吸水繊維による水走り防止
材に較べて腐敗しにくいという特長がある。すなわち、
従来のセルロース系高吸水繊維による材料は水に濡れた
状態では短期間で腐敗が生じ、水素ガスを発生し水走り
防止性を失うと共に伝送損失が発生するという欠点を有
しているが、本発明による水走り防止材は水で濡れた状
態で長期間放置していてもほとんど腐敗は起こらず、吸
水性が低下することもなく、水素ガスの発生もないた
め、伝送損失も発生しない。
本発明における腐敗テスト方法は次のとおりである。
テストサンプル4gを以下に述べる土壌抽出液200ccと混
ぜ、第3図に示す容器12にテストサンプル14を4g入れ、
土壌抽出液(13)200ccと混合し、30℃で日陰に保存
し、定期的に容器のコック10を開き、空気の部分から2
〜4cc程度の空気を抜き取り、ガスクロマトグラフで発
生ガスを分析すると共に肉眼で溶液の色や状態を観察
し、さらに膨潤度を調べる。
土壌抽出液の作成は以下のように行なった。
(1)土は落葉などのあり、草のはえている一般の所か
ら採取する。
(2)500gの土を2000ccの純水に混ぜて攪拌する。
(3)12時間放置後上ずみ液を濾過し、濾過液50ccに純
水150ccを加え土壌抽出液とする。
(4)土および土壌抽出液は試験のバッチ毎に新しく採
取、抽出する。
本発明において水膨潤度は、下記の方法で測定されたも
のである。
ポリエステルネットに入れた試料を20℃の水中に一定時
間浸漬し、空中に10分間吊した後、試料をネットより取
出し重量を測定する。このときの重量をAとし次式によ
り求める。
B:80℃に調整した熱風乾燥器中で重量変化のなくなるま
で乾燥した後の重量。
したがって本水膨潤度は、繊維の自重の何倍の水を吸収
保有するかを示す数値である。充填密度とは、内径5mm
φのガラス管に充填した水走り防止材の密度のことであ
り、ケーブル中の水走り防止材の充填密度に相当する。
以下、具体的実施例によって本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
実施例1〜7および比較例1、2 中和条件を種々変更して作製した水膨潤度が5〜200cc/
gの高吸水アクリル系繊維(3d、70〜127mm)と、水膨潤
度が0.2cc/gの従来のアクリル系繊維(3d、70〜127mm)
を混紡して梳毛紡績方法により1/3Nm、α=60の紡績糸
を得た。これらを内径5mmφのガラス管に充填密度0.5g/
ccで充填し、蒸留水を用いて水圧1m下で水走り性の試験
を行なった結果を第1表に示す。
実施例に示すごとく水膨潤度5cc/g以上の高吸水繊維を5
0%以上含み、かつ水膨潤度(倍)×高吸水繊維の混率
(%)が500以上では、水走り長さは短く、一定長さで
止まっているが、比較例のごとくその範囲からずれる場
合は水走り長さは長く完全には遮水しないことがわか
る。
実施例8〜11および比較例3、4 水膨潤度が100cc/gの高吸水アクリル系繊維(3d×70〜1
27mm)と、水膨潤度が0.2cc/gの従来のアクリル系繊維
(3d×70〜127mm)を混紡して梳毛紡績方式により1/3N
m、α=60の紡績糸を得た。これを内径5mmφのガラス管
に、第2表に示すごとく密度を変えて充填し、蒸留水を
用いて水圧1m下で水走り防止性テストを行なった。結果
を第2表に示す。
第2表に示すごとく、いかに水防止性に優れた水走り防
止材であっても、水走り防止効果を得るためには一定量
以上の詰込密度が必要である。我々の実験結果では詰込
密度と高吸水繊維の水膨潤度と混率の3者間の積が300
以上、好ましくは400以上ないと水走り防止性が得られ
にくい。
ただし詰込密度は最低0.04g/cc以上あるほうがよい。こ
れはいかに水膨潤度の高いものでも膨潤に一定時間を要
するため、0.04g/cc未満の詰込密度では高吸水繊維が膨
潤し水走り防止効果を示す前に、繊維の隙間から水が大
量に通過してしまうためである。ただし、前記3者の積
が300以上あれば、水走り長さにかかわりなく、最終的
には水走り防止効果は得られる。
実施例12 実施例1に用いた水走り防止用紡績糸と、水膨潤度が10
0cc/gであるセルロース系高吸水繊維による吸水不織布
について腐敗テストを行なった。
その結果セルロース系高吸水繊維は10日経過後には空気
中の酸素が大幅に減少し、水素ガスの割合が大幅に増加
し腐敗が進行しているのが明らかになる。また肉眼によ
る判定でも試料がドロドロに分解しており腐敗の進行し
ていることがうかがえる。
これに対し、本発明の水走り防止用紡績糸は、アクリル
系高吸水繊維の混率が100%、70%、50%の3点共に、
3ケ月経過後もガスの成分にほとんど変化は認められ
ず、肉眼による判定でもほとんど変化はなく、3ケ月経
過後の試料の水膨潤度もテスト前と同等の膨潤度を示
し、本発明の水走り防止材は腐敗の起きにくいことがわ
かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の水走り防止材を充填した光ファイバ
ケーブルを示す横断面図、第2図は、従来の光ファイバ
ケーブルを示す横断面図、第3図は、腐敗テスト用装置
を示す側面図である。 1…テンションメンバー、2…光ファイバ心線、3…充
填材、3A…水走り防止用吸水紡績糸、4…水走り防止用
押さえ巻きテープ、4A…水走り防止用吸水押さえ巻きテ
ープ、5…外被、6…水走り防止用吸水テープ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/44 381 8102−2K (56)参考文献 特開 昭59−191211(JP,A) 特開 昭52−155218(JP,A) 特開 昭60−90314(JP,A) 特開 昭56−93210(JP,A) 特開 昭62−222214(JP,A) 実開 平1−97306(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信ケーブル用水走り防止材であって、水
    膨潤度が5〜200cc/gの高吸水アクリル系繊維を重量比
    で50重量%以上含み、かつ水膨潤度(cc/g)と高吸水ア
    クリル繊維の含有重量(%)の積が500以上であること
    を特徴とする水走り防止材。
  2. 【請求項2】アクリル系高吸水繊維が、アクリロニトリ
    ル65〜90重量%と、リチウム、カリウム、ナトリウムお
    よびアンモニウムの中から選ばれた少なくとも1種の物
    質のカルボン酸塩との共重合体からなり、かつ前記カル
    ボン酸塩が均一に分布することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の水走り防止材。
  3. 【請求項3】水膨潤度が5〜200cc/gの高吸水アクリル
    系繊維を重量比で50重量%以上含み、かつ水膨潤度(cc
    /g)と高吸水アクリル繊維の含有重量(%)の積が500
    以上である水走り防止材が、詰込密度が0.04g/cc以上
    で、かつ詰込密度と高吸水繊維の水膨潤度(cc/g)とそ
    の混合比率の3者の積が300以上であるように装填され
    てなることを特徴とする通信用ケーブル。
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