JPH0721794Y2 - 開放角度可変型ステー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、建物本体などの固定枠体に対して開閉される
天窓などの可動枠体を所定の開放角度で固定保持するス
テー装置に関するものである。

［従来の技術］ 実開昭63-69275号公報に開示されたステー装置では、長
尺棒状の第１ステー部材の外周に長さ方向に間隔を置い
て複数個のボール嵌合溝を設け、第１ステー部材を摺動
自在に挿入する長尺の第２ステー部材の先端部にボール
収納孔を設け、第２ステー部材の外側にソケットを嵌合
し、ボールをボール嵌合溝に向って押し出すカム面およ
び嵌合溝からの抜去を許容する凹部をソケットに設けて
いる。

このステー装置では、ソケットの摺動によってソケット
の凹部を第２ステー部材のボール収納孔と第１ステー部
材のボール嵌合溝の位置に合せた後、第１ステー部材を
第２ステー部材に対して摺動させるとき、この摺動の当
初段階でボールがボール嵌合溝の底面に押されてボール
嵌合溝から押し出される。このようにしてボールがボー
ル収納孔と凹部の双方に嵌合することによって、第２ス
テー部材に対する第１ステー部材の錠止が解除され、第
１ステー部材は可動枠体の開放回転に伴なって第２ステ
ー部材の長さ方向に摺動する。

可動枠体を開放状態に保持するときには、ソケットを逆
向きに摺動してボールをソケットのカム面によって前記
凹部から押し出し、ボールを前記ボール収納孔とボール
嵌合溝の双方に嵌合させる。これによって第２ステー部
材に対する第１ステー部材の摺動が阻止され、可動枠体
は当該開放位置に固定される。可動枠体の開放固定角度
は、ボールが嵌合する相手のボール嵌合溝を適宜選択す
ることによって、変更することが可能である。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、この従来の開放角度可変型ステー装置で
は、可動枠体を開放位置に固定するには、ソケットのボ
ール収納孔と第１ステー部材の選択したボール嵌合溝が
合致した状態においてソケットを逆向きに摺動操作する
必要があるが、該ボール嵌合溝はソケット内側に隠蔽さ
れているため、ボール収納孔とボール嵌合溝の合致の成
否をソケットの外側から確認することは容易でなく、可
動枠体の固定保持の操作に手間どったり、所望角度から
ずれた位置で可動枠体を固定保持することが多い。

従って本考案の目的は、可動枠体の固定保持を所望の開
放角度において簡単な操作によって的確に行なえる開放
角度可変型ステー装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると、本考
案の開放角度可変型ステー装置では、一端部を固定枠体
３と可動枠体４の一方に枢着される細長い第１ステー部
材１と第２ステー部材２を長さ方向に摺動案内して互い
に嵌合し、第１ステー部材１に長さ方向に沿って複数個
の受孔５を列設し、第２ステー部材２に設けた螺子孔６
に操作軸７を螺合する。

受孔５に先端部8aが係脱する係止体８を第１ステー部材
１に向って移動案内して第２ステー部材２に装備し、操
作軸７の先端部7aを係止体８に当接させ、バネ９によっ
て係止体８を第１ステー部材１に向って押圧する。

［作用］ 第１図に示したように一使用例として第１ステー部材１
の一端部を枢軸16によって固定枠体３に枢着し、第２ス
テー部材２の一端部を枢軸17によって可動枠体４に枢着
し、可動枠体４を蝶番軸18を中心に開放回転させると、
第１ステー部材１と第２ステー部材２は前記枢軸16,17
を中心に回転しながら長さ方向に相対的に摺動し、枢軸
16と枢軸17間の距離を増大させる。

可動枠体４の開放回転に伴なって、係止体８の先端部8a
はバネ９の押圧作用によって第１ステー部材側の複数個
の受孔５と順次に係脱し、明瞭な係合音が発生する。

可動枠体４が所望の角度まで開放回転した段階で、操作
軸７を回転操作して係止体８の先端部8aをそのとき係合
していた受孔５に深く押付け係合させる。これによって
係止体８が受孔５からの抜脱を堅固に阻止されるため、
第１ステー部材１と第２ステー部材２は相対摺動不能に
錠止され、可動枠体４は開放位置に固定保持される。可
動枠体４の固定保持を解除するには、操作軸７を逆回転
させて、操作軸７の先端部7aによる係止体８の締付けを
緩めればよい。

［実施例］ 図示の実施例では、可動枠体４は天窓で構成され、固定
枠体３は建物本体19に固着された支持台枠で構成されて
いる。第１ステー部材１の枢軸16は、固定枠体３の側壁
板20に固着した軸受ブラケット21に支持されている。第
２ステー部材２の枢軸17は、可動枠体３の上面板22に固
着した軸受ブラケット23に支持されている。

ステンレス綱板製の第１ステー部材１は、両側縁部に
字形の案内板部1a,1bを折曲げ形成してあり、列設され
た複数個の受孔５は横断方向の溝孔状に形成されてい
る。ステンレス綱板製の第２ステー部材２は、両側縁部
にアングル形の補強板部2a,2bを折曲げ形成してある。
第１ステー部材１と第２ステー部材２は、前記案内板部
1a,1bに該補強板部2a,2bを係合させることによって長さ
方向に摺動案内されている。

螺子孔６は第２ステー部材２の端部中央をバーリング加
工して形成されている。ステンレス綱板製の係止体８は
先端部8aが山形断面となるように２枚折りされ、基端部
にはバネ受棒部10と誘導板部11が設けられている。第２
ステー部材２には、螺子孔６の両側に２個の透孔12,12
の間に横断方向の溝孔13を設けてある。

係止体８のバネ受棒部10を該透孔12に挿入し、誘導板部
11を該溝孔13に挿入することによって、係止体８は第１
ステー部材１に対して進退するように移動案内されてい
る。圧縮コイル型のバネ９は前記バネ受棒部10に嵌合さ
れ第２ステー部材２の背面に圧接している。

操作軸７の螺子軸部の先端部には環状溝14を設けてあ
り、環状溝14に嵌合したＣ形止め輪15は、操作軸７が螺
子孔６から脱出するのを阻止している。螺子孔６から第
２ステー部材２の正面側に突出した操作軸７の基端部に
は、回転操作用ノブ7bが一体的に固着されている。

［考案の効果］ 以上のように本考案の開放角度可変型ステー装置では、
第２ステー部材２の螺子孔６に操作軸７を螺合し、第１
ステー部材１の受孔５に係脱する係止体８に操作軸７の
先端部7aを当接させ、バネ９によって係止体８を第１ス
テー部材１に向って押圧したので、可動枠体４の開放回
転に伴なって第１ステー部材１と第２ステー部材２が相
対的に摺動し、係止体８の先端部8aが複数個の受孔５に
係脱する際に発生する係合音が明瞭なものとなるため、
この係合音に基いて第１ステー部材１と第２ステー部材
２の相対摺動を停止することによって、可動枠体４の固
定保持を所望の開放角度において的確に行なうことがで
きる。

また、操作軸７の回転によって係止体８の先端部8aを選
択された受孔５に深く押付け係合させるので、可動枠体
４の固定保持の操作が簡単であり、固定保持が強固にな
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の開放角度可変型ステー装置を使用した
天窓構造の縦断面図であり、第２図は該ステー装置の斜
視図であり、第３図は該ステー装置の要部分解斜視図で
あり、第４図は該ステー装置の錠止状態の要部縦断面図
である。 １……第１ステー部材、２……第２ステー部材、３……
固定枠体、４……可動枠体、５……受孔、６……螺子
孔、７……操作軸、８……係止体、９……バネ、10……
バネ受棒部、11……誘導板部、12……透孔、13……溝
孔、14……環状溝、15……止め輪、16……枢軸、17……
枢軸、18……蝶番軸、19……建物本体、20……側壁板、
21……軸受ブラケット、22……上面板、23……軸受ブラ
ケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端部を固定枠体３と可動枠体４の一方に
   枢着される細長い第１ステー部材１と第２ステー部材２
   を長さ方向に摺動案内して互いに嵌合し、第１ステー部
   材１に長さ方向に沿って複数個の受孔５を列設し、第２
   ステー部材２に設けた螺子孔６に操作軸７を螺合し、受
   孔５に先端部8aが係脱する係止体８を第１ステー部材１
   に向って移動案内して第２ステー部材２に装備し、操作
   軸７の先端部7aを係止体８に当接させ、バネ９によって
   係止体８を第１ステー部材１に向って押圧した開放角度
   可変型ステー装置。