JPH07216918A - 沈埋トンネルの施工方法 - Google Patents

沈埋トンネルの施工方法

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JPH07216918A
JPH07216918A JP6013511A JP1351194A JPH07216918A JP H07216918 A JPH07216918 A JP H07216918A JP 6013511 A JP6013511 A JP 6013511A JP 1351194 A JP1351194 A JP 1351194A JP H07216918 A JPH07216918 A JP H07216918A
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rubber gasket
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Masuhiro Ohira
益弘 大平
Shinji Hayashi
信治 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より信頼性の高い接続構造を備えた沈埋トン
ネルを、従来同様の水圧接合により施工し得る施工方法
を提供する。 【構成】 隣接する沈埋函1,1をゴムガスケット2を
挟んで水圧接合した後、この接合部を固定するととも
に、止水ゴム6,7でシールした沈埋函1の中断部12
にばね部材8を介装して、本継手部Aを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沈埋トンネルの施工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】海底ある
いは河底等にトンネルを構築するために、水中で水圧を
利用して沈埋函を多数接続する方法が採られる。沈埋函
相互間は、沈埋函の端部に取り付けられたシール用のゴ
ムガスケット(ジーナガスケット)により接続される。
具体的にはまず、水底の所定位置に1つの沈埋函を設置
し、つぎにこの既設の沈埋函の前方に新たな沈埋函を置
く。
【0003】つぎにこの新たな沈埋函を、ジャッキ等を
用いて既設の沈埋函の方向に引き寄せ、いずれかの沈埋
函の端部に取り付けたゴムガスケットを挟んで両沈埋函
を接合すると、このゴムガスケットが一次圧縮されて、
両沈埋函間がシールされる。ゴムガスケットは、既設あ
るいは新設の沈埋函のいずれに取り付けておいてもよ
い。
【0004】つぎに、両沈埋函に囲まれた部分の海水を
ポンプ等で排水すると、静水圧によって、新設の沈埋函
が既設の沈埋函の方向へさらに引き寄せられ、ゴムガス
ケットが二次圧縮されてシールが完了する(水圧接
合)。以上の工程を繰り返して順次沈埋函をつなげて行
けば、沈埋トンネルが完成する。
【0005】上記沈埋トンネルにおいて、ゴムガスケッ
トは、上記のように二次圧縮により大きく変形して両沈
埋函間をシールするため、たとえば水圧変化や、温度変
化によるコンクリートの乾燥、収縮、あるいは地震によ
る不等沈下等によって沈埋函間の間隔が僅かに拡がって
もシールを維持することができる。ところが、とくに軟
弱地盤等において、地震によって沈埋函間の間隔が大き
く拡がった際にはシールを維持できず、沈埋トンネル内
に水が侵入する事故が発生する危険性がある。
【0006】また上記ゴムガスケットは、通常、天然ゴ
ムを主体とするソリッドタイプのゴムで構成されるた
め、長期間圧縮され続けると永久変形を起こしてしま
い、その後は、沈埋函間の間隔が僅かでも拡がるとシー
ルが破られてしまう危険性がある。また、永久変形を起
こしたゴムガスケットは硬くかつ脆くなるため、たとえ
ば地震の際に沈埋函から衝撃を受けると破損して、沈埋
函間の間隔が拡がらなくてもシールが破られてしまう危
険性がある。
【0007】さらにゴムガスケットは、上記シール機能
の他に、両沈埋函の弾性的連結状態を維持し、たとえば
地震の際に沈埋函間に衝撃が伝達されるのを防止する衝
撃吸収の機能をも担っているが、前記のように大きく変
形したゴムガスケットは、衝撃を十分に吸収できないお
それがあるだけでなく、場合によっては衝撃を受けて破
損してしまうおそれもある。とくに前述のように、長期
間圧縮され続けて永久変形を起こしたゴムガスケットは
弾性を失い、衝撃吸収の機能を発揮できなくなるため、
場合によっては沈埋函の破損等の重大な事故が発生する
危険性もある。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、より信頼性の高い接続構造を備えた沈埋ト
ンネルを、従来同様の水圧接合により施工し得る施工方
法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の沈埋トンネルの施工方法は、少なくとも一
方の端面にゴムガスケットを配置し、かつ長手方向の途
中に、沈埋トンネルの施工後に本継手部となる、止水ゴ
ムでシールした中断部を設けた沈埋函を、上記中断部を
仮固定した状態で水底に設置し、隣接する沈埋函の相対
向する端面間をゴムガスケットを挟んで水圧接合した
後、当該ゴムガスケットによる接合部を固定するととも
に、各沈埋函の中断部の仮固定を解除し、ばね部材を介
装して本継手部を構成することを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成からなる、本発明の沈埋トンネルの施
工方法によれば、従来同様に、ゴムガスケットを使用し
た水圧接合によって、隣接する沈埋函を接合すること
で、沈埋トンネルが構築される。また沈埋函の接合後、
上記ゴムガスケットによる接合部を固定し、代わって、
沈埋函の長手方向の途中に設けた、止水ゴムでシールし
た中断部にばね部材を介装することで、ゴムガスケット
を一切使用しない本継手部が構成される。
【0011】そして上記本継手部を構成する止水ゴム
は、ゴムガスケットのように、隣接する沈埋函に単に圧
接されて両沈埋函間をシールするものではなく、両沈埋
函のそれぞれに鍔部が固定された状態で、当該鍔部間を
繋ぐ弾性の胴部によって両沈埋函間をシールするもので
あるため、地震によって沈埋函間の間隔が大きく拡がっ
てもシールを維持することができる。
【0012】また上記止水ゴムは、ゴムガスケットのよ
うに圧縮、変形されていないので、長期間使用しても柔
軟性を保持しており、シール性を長期間に亘って維持で
きる上、たとえば地震の際に沈埋函から衝撃を受けても
破損するおそれがない。さらに止水ゴムとともに本継手
部を構成するばね部材は、シール機能を兼ねるゴムガス
ケットのように大きく変形させる必要がないので、衝撃
を十分に吸収できる状態で、中断部に介装される。この
ため上記ばね部材は、圧縮状態で永久変形したり、ある
いは衝撃を受けて破損したりするおそれがなく、長期に
亘って高い衝撃吸収性を維持できる。
【0013】したがって本発明によれば、種々の問題を
有するゴムガスケットを使用しない、より確実で信頼性
の高い接続構造を備えた沈埋トンネルを施工することが
可能となる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を、その一実施例を示す図面を
参照しつつ説明する。まず本発明の沈埋トンネルの施工
方法によって施工される沈埋トンネルについて、その要
部を示す図1に基づき説明する。同図にみるように隣接
する沈埋函1,1は、その相対向する端面10,10に
ゴムガスケット2を挟んだ状態で接続されている。また
このゴムガスケット2による接合部は、それぞれの端面
10,10より内側(図では下側)に設けた段部11,
11から、沈埋トンネルの長手方向に2本ずつ突出され
たケーブル3,3の先端をカプラー4で締結すること
で、その間隔が拡がらないように規制されているととも
に、上記段部11,11の空間にコンクリート5を充填
することで、その間隔が縮まないように規制されてい
る。そしてこの両者の働きにより、上記ゴムガスケット
2による接合部は固定されている。
【0015】なお、図において左側の沈埋函1の段部1
1から突出された2本のケーブル3,3のうち内側の1
本は、左方向に延長されて、その先端が、後述する中断
部12の右側の段部12eから中断部12内に突出して
おり、左側の段部12eから突出されたケーブル3とカ
プラー4によって締結されることで、中断部12の間隔
が拡がらないように規制する働きをも担っている。
【0016】各沈埋函1の、長手方向の途中には中断部
12が設けられており、その中断部12を2つの止水ゴ
ム6,7でシールし、かつばね部材8を介装すること
で、本継手部Aが構成されている。中断部12は、その
最も接近した側壁面12a,12aより内側(図では下
側)に、沈埋函1の長手方向内側へ凹ませた2段の段部
12c,12eを備えている。
【0017】第1の止水ゴム6は、一対の鍔部61,6
1と、当該鍔部61,61間を繋ぐ弾性の胴部62とを
備えており、上記鍔部61を、中断部12の側壁面12
aと第1の段部12cとの段差面12bに固定すること
で、中断部12を、その外側(図では上側)の水Wから
シールしている。また第2の止水ゴム7は、上記第1の
止水ゴム6より大型で、一対の鍔部71,71と、当該
鍔部71,71間を繋ぐ弾性の胴部72とを備えてお
り、上記鍔部71を、中断部12の第1の段部12cと
第2の段部12eとの段差面12dに固定することで、
中断部12を、上記第1の止水ゴム6の内側でシールし
ている。
【0018】上記第1および第2の止水ゴム6,7は、
いずれも、上記一対の鍔部と胴部とを、合成ゴム等で一
体成形することで形成されているとともに、その内部に
は、図示していないが、ナイロン等の強化繊維が埋設さ
れている。また、止水ゴム7の内側、相対向する段部1
2e,12e間には、本継手部Aの弾性的連結状態を維
持するばね部材8が介装されている。
【0019】ばね部材8としては、たとえばスチールコ
イルばね等の通常のばね部材がいずれも使用可能である
が、とくに複数枚の鉄板をゴム中に埋め込んだゴムばね
が、好適に使用される。上記ゴムばねは、スチールコイ
ルばね等の従来のばね部材に比べて、 鉄板がゴムで覆われているので錆びることがなく、
メンテナンス不要、 ゴムのヒステリシスロスにより、地震の際の沈埋函
の振動を小さくできる可能性がある、 剪断変位と垂直変位、回転等の複合変位に対して安
定した性能を示す、 函体に対して荷重を均等に加えることができる、 等の利点がある。
【0020】さらに上記段部12e,12eからは、前
述したように、沈埋トンネルの長手方向にケーブル3,
3が突出されており、その先端をカプラー4で締結する
ことで、中断部12の間隔が拡がらないように規制され
ている。つぎに、上記図1の接続構造を有する沈埋トン
ネルを、本発明の施工方法に基づいて施工する場合を説
明する。
【0021】まず図2に示すように、沈埋函1の端面1
0にゴムガスケット2を取り付けるとともに、中断部1
2に止水ゴム6,7を取付けてシールする。また、上記
中断部12の相対向する段部12e,12eから突出さ
れたケーブル3,3の先端をカプラー4で締結して、中
断部12の間隔が拡がらないように規制するとともに、
上記中断部12にジャッキ等の仮受け材9を挿入して、
その間隔が縮まないように規制することで、当該中断部
12を仮固定する。
【0022】なお図において符合1aは、沈埋函1内に
水が侵入するのを防ぐ水密構造の仕切りである。つぎ
に、上記のように中断部12を仮固定した沈埋函1を順
次水中に沈めて行き、隣接する沈埋函1,1のうち後か
ら沈めた沈埋函1を、ジャッキ等を用いて、既設の沈埋
函1の方向に引き寄せることで、図3に示すように、相
対向する端面10,10間にゴムガスケット2を挟んで
接合して、両端面10,10間をシールする。ゴムガス
ケット2は、既設あるいは新設の沈埋函のいずれに取り
付けておいてもよい。
【0023】つぎに、上記ゴムガスケット2、沈埋函1
および仕切り1aによって囲まれた領域内の水wを、図
中白矢印で示すように排水すると、水圧によってゴムガ
スケット2が二次圧縮されて、隣接する沈埋函1,1が
仮接合(水圧接合)される。つぎに、上記領域内の水w
を概ね排出した段階で仕切り1aを取り除き、左右両沈
埋函1,1の段部11,11から2本ずつ突出したケー
ブル3,3の先端をカプラー4で締結する〔図4〕。
【0024】そして、上記段部11,11の空間にコン
クリート5を充填し、養生硬化させて、ゴムガスケット
2による接合部を固定した後〔図5〕、段部12e,1
2e間から仮受け材9を取り外し、代わってばね部材8
を介装すると、図1に示す状態となり、以上の工程を繰
り返して順次沈埋函1をつなげて行けば、各沈埋函1
が、上記図1の接続構造で接続された沈埋トンネルが施
工される。
【0025】なお本発明の沈埋トンネルの施工方法の構
成は、以上で説明した実施例には限定されない。たとえ
ば以上で説明した実施例では、隣接する沈埋函1,1間
を、2つの本止水ゴム2,3によって二重にシールして
いたが、本止水ゴムによるシールは一重であってもよ
く、三重以上であっても構わない。
【0026】ゴムガスケットによる接合の固定、中断部
の仮固定の解除およびばね部材の介装等の作業は、沈埋
函を接合する度毎に行ってもよく、全ての沈埋函を接合
した後に一度に行ってもよい。その他、本発明の要旨を
変更しない範囲で、種々の設計変更を施すことができ
る。
【0027】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の沈埋トン
ネルの施工方法によれば、種々の問題を有するゴムガス
ケットを使用しない、より確実で信頼性の高い接続構造
を備えた沈埋トンネルを、ゴムガスケットを使用する従
来と同様の工程で施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施工方法によって施工された沈埋トン
ネルの要部としての、沈埋函間の接続部分および本継手
部を拡大した断面図である。
【図2】図1の接続構造を有する沈埋トンネルを、本発
明の施工方法にしたがって施工する際に使用される沈埋
函の、一方の端部と仮固定した中断部の近傍を示す部分
拡大断面図である。
【図3】図1の接続構造を有する沈埋トンネルを、本発
明の施工方法にしたがって施工する工程を示す断面図で
ある。
【図4】図1の接続構造を有する沈埋トンネルを、本発
明の施工方法にしたがって施工する工程を示す断面図で
ある。
【図5】図1の接続構造を有する沈埋トンネルを、本発
明の施工方法にしたがって施工する工程を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 沈埋函 10 端面 12 中断部 2 ゴムガスケット 6 止水ゴム 7 止水ゴム 8 ばね部材 A 本継手部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の端面にゴムガスケットを
    配置し、かつ長手方向の途中に、沈埋トンネルの施工後
    に本継手部となる、止水ゴムでシールした中断部を設け
    た沈埋函を、上記中断部を仮固定した状態で水底に設置
    し、隣接する沈埋函の相対向する端面間をゴムガスケッ
    トを挟んで水圧接合した後、当該ゴムガスケットによる
    接合部を固定するとともに、各沈埋函の中断部の仮固定
    を解除し、ばね部材を介装して本継手部を構成すること
    を特徴とする沈埋トンネルの施工方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211487A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Osamu Kiyomiya 沈埋函の柔継手部位の耐火被覆構造

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4957646A (ja) * 1972-10-05 1974-06-04

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