JPH07216480A - 繊維強化Al合金 - Google Patents

繊維強化Al合金

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JPH07216480A
JPH07216480A JP673494A JP673494A JPH07216480A JP H07216480 A JPH07216480 A JP H07216480A JP 673494 A JP673494 A JP 673494A JP 673494 A JP673494 A JP 673494A JP H07216480 A JPH07216480 A JP H07216480A
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JP
Japan
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alloy
content
heat treatment
aluminum borate
strength
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JP673494A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Mori
伸介 森
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホウ酸アルミニウムウィスカーを強化材とし
たAl合金において、最も好ましいCu含有量をもつ繊
維強化Al合金を提供する。 【構成】 本発明はAl合金をマトリックスとした繊維
強化Al合金において、強化材にホウ酸アルミニウムウ
ィスカーを用い、該ウィスカーの体積率を25〜30
%、Al合金中のCu含有量を4〜10wt%としたこ
とを特徴とする繊維強化Al合金であり、またこれにM
g含有量を0.5wt%とした繊維強化Al合金であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス繊維、特に
ホウ酸アルミニウムで強化したAl合金に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばエンジン部品にはAl合金が使
用されているが、エンジンの低燃費,高性能化の要求に
伴ない、軽量化とともに、熱間での機械的性質に優れ、
かつセラミックス繊維で強化した比強度の高い繊維強化
金属(以下、FRMとする)が用いられている。たとえ
ばピストンヘッド部をFRM化することにより、その部
分の肉厚を薄くし、またリング溝の耐摩性を向上させて
いる。さらにまた、シリンダーヘッドの燃焼室側をFR
M化することにより、厳しい燃焼状態に耐えるようにし
ている。なお類似技術として、強化繊維にアルミナ短繊
維を用い、マトリックスのAl合金中のCu,Mg成分
の含有量を特定の範囲として、最適の機械的性質を得よ
うとする技術などがある(特開昭61−27964
6)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FRMのマトリックス
となるAl合金には、一般にJIS規格による鋳造用又
は展伸用Al合金が使用されている。ところが、これら
の合金は、強化材にホウ酸アルミニウムウィスカーを用
いた場合、必ずしも最適の組成を有するものとは言えな
い。本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、プリ
フォームにホウ酸アルミニウムウィスカーを用いた場合
に、Al合金中のCu含有量を特定することによって、
前記問題点を解消した繊維強化Al合金を提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に添い、本発明
はAl合金をマトリックスとした繊維強化Al合金にお
いて、強化材にホウ酸アルミニウムウィスカーを用い、
該ウィスカーの体積率を25〜30%、Al合金中のC
u含有量を4〜10wt%とした繊維強化Al合金とす
ることによって前記課題を解消した。また本発明はAl
合金をマトリックスとした繊維強化Al合金において強
化材にホウ酸アルミニウムウィスカーを用い、該ウィス
カーの体積率を25〜30%、Al合金中のCu含有量
を6〜7wt%、Mg含有量を0.5wt%以下とした
繊維強化Al合金とすることによって前記課題を解消し
た。これによって熱処理効果が充分現われ、また,Al
合金とホウ酸アルミニウムウィスカーとの密着性が向上
する。
【0005】
【実施例】本発明では強化繊維に、繊維長10〜30μ
m ,繊維径0.5〜1.0μm のホウ酸アルミニウムウ
ィスカー(四国化成工業株式会社製「アルボレック
ス」)を用いる。このホウ酸アルミニウムウィスカーを
用いて、外形寸法80×80×25の長方体状のプリフ
ォーム(繊維成形体)を慣用の方法でバインダーを用い
ず成形した。また体積率(Vf)が18%以下では所期の
性能はえられず、30%以上となるとマトリックスのA
l合金量が少なくなり、好ましくないということから、
その体積率を20%に特定した。マトリックスとするA
l合金は、表1に示す種々の組成(試料N1〜N6)の
ものを用いた。
【0006】
【表1】
【0007】図4は、高圧鋳造法(溶湯鍛造法)によっ
て複合材料を製造する要領を示し、1は金型、2は金型
1の下型、3,4は金型1のサイド型、5は上パンチ、
6は金型1内にセットした前記要領で成形したプリフォ
ーム、7は金型1に注入した溶湯を示す。まず、金型1
内にプリフォーム6をセットし、金型1は予熱し、25
0℃の温度に設定しておく。次に、前記表1に示した試
料N1〜N6のAl合金を溶解し、温度800〜850
℃の溶湯を前記金型1内に注湯し、上パンチ5により、
1000 kgf/cm2の圧力にて加圧し、この加圧状態を
溶湯7が完全に凝固するまで続けた。このようにしてホ
ウ酸アルミニウムウィスカーを強化繊維とし、Al合金
をマトリックスとする複合材料を製造した。次に、この
複合材料を温度460〜520℃にて2〜8時間の溶体
化処理を施し、その後、150〜200℃にて2〜10
時間の時効処理を施した。これによって鋳造後のプリフ
ォーム部分は体積率25〜30%のものとした。この範
囲以下、または以上では目的とする好ましい性質を備え
た複合材料は得られない。以上のように処理したN1〜
N6の複合材料について、その強度,硬度(ロックウエ
ル硬度計による)の測定を行ない、その機械的性質と、
引張試験片の走査型電子顕微鏡(SEM)による破面の
観察をおこなった。
【0008】(1) 硬度について。 前記各材料について熱処理前のものと、熱処理後のもの
について、表2、即ち図1に示すような結果がえられ
た。すなわち、Cu含有量の増加につれて硬度は熱処理
前,後ともに増加した。また、Cu含有量が4%未満
(N1,N2,N3,N4)のものでは熱処理の前後に
おいても硬度はほぼ同程度であるが、4%以上(N5,
N6)となると、熱処理後の硬度は熱処理前の硬さを上
まわり、熱処理効果が認められた。
【0009】
【表2】
【0010】(2) 強度について。 a) マトリックス材のみの場合。熱処理前と、熱処理
後のものについて、表3即ち図2に示すような結果がえ
られた。熱処理前,後ともにCu含有量が増加するにつ
れて強度も増加した。Cu含有量が3.18%(N
4)、6.3%(N5)において、熱処理後の強度が熱
処理前の強度を上まわり、熱処理効果のあることが認め
られた。またCu含有量10.6%(N6)において熱
処理の前後において強度は同程度であった。
【0011】
【表3】
【0012】b) 複合材料(FRM)について。 熱処理前と熱処理後のものについて、表4即ち図3に示
すような結果がえられた。Cu含有量が0〜3.98%
の範囲では、熱処理前後の強度は同程度で、Cu含有量
が6.8%,10.1%において熱処理後の強度は熱処
理前の強度を上まわり、熱処理効果が認められた。Cu
含有量の増加に伴いマトリックス材の強度、FRM材の
硬さが増加しているのに対し(前記図1,図2参照)、
熱処理前のFRM材の強度はCu含有量が6.8%で
3.98%の強度と同程度であり、10.1%では低下
した。また、熱処理後もCu含有量6.8%で3.98
%の強度より増加するが、10.1%で6.8%と同程
度の強度となった。
【0013】
【表4】
【0014】以上の結果から、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーを強化材としたAl合金において、Al合金中の
Cu含有量が6〜7%をピークに4〜10%の範囲で充
分な複合化による強度,硬度また、熱処理効果が得られ
ることが判明した。また、SEMによる破面観察におい
ても、Cu含有量の増加につれてウィスカーのプルアウ
トもみられなくなり、良好な複合化状態が観察された。
【0015】次に強化材にホウ酸アルミニウムウィスカ
ーを用いたAl合金において、Mg含有量の影響につい
て検討した。そのため、表5に示す組成(試料M1〜M
6)のものについて前記と同じ要領で検討した。
【0016】
【表5】
【0017】その結果を図5及び図6に示す。まず強度
については、図5に示すように熱処理前のものでは、M
3(Mg含有量1.17%)の時に最低値を示した。以
後、Mg含有量の増加につれて向上した。熱処理後のも
のについては、M2(Mg含有量0.66%),M3
(同1.17%),M4(同3.10%)において最低
値を示した。またMg含有量が6.00%以上で熱処理
による効果が、熱処理をしないものと同程度となった。
したがって少なくとも試験結果からはM2(同0.66
%)以上のMg含有量は、熱処理の効果が期待できな
い。
【0018】また硬度については、図6に示すように熱
処理前のものについては、Mg量の増加につれて硬度も
増加した。一方、熱処理後のものでは、M2,M3,M
4において熱処理前の硬度を下まわった。特にM2(M
g含有量0.66%),M3(同1.17%)において
最低値を示した。
【0019】次に破面について、検討したところ、熱処
理後のFRM材について、Mg含有量がM3(同1.1
7%)以上の特に、ウィスカーのプルアウトした痕跡、
5〜10μm 程度のピンホールが顕著に認められた。以
上の結果から、ホウ酸アルミニウムウィスカーを強化材
としたAl合金において、M2に示すMg含有量以上と
なると複合化時、熱処理時(溶体化処理)に、Mgとホ
ウ酸アルミニウムウィスカー表面との間に過剰に反応が
生じ、しかも熱処理効果も認められず複合化による十分
な強度,硬度がえられない。即ち図5,図6から、M2
以下、即ちMg含有量は0.66%以下、好ましくは最
大でも0.5%とし、できれば無添加の方がよい。
【0020】最後に、ホウ酸アルミニウムウィスカーを
強化材としたAl合金において、該Al合金中に含まれ
るCuとMgとの共存によって前記試料N1〜N6及び
試料M1〜M2の試験結果に対する影響は認められなか
った。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、Cu含有量を前記特定
の範囲とすることによって熱処理効果が充分に現われる
ホウ酸アルミニウムウィスカーを強化材としたAl合金
がえられる。また、強化繊維にホウ酸アルミニウムウィ
スカーを用いることにより、この材料が他のセラミック
ス繊維よりも低価格であり、かつこのウィスカー自身も
柔かいため、複合後の加工もし易く、作業上有利であ
る。さらにMg含有量を前記特定の範囲とすることによ
ってマトリックスのAl合金とホウ酸アルミニウムウィ
スカーとの密着性が向上した繊維強化Al合金がえられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】FRM材についてCu含有量と硬度との関係を
示す図である。
【図2】マトリックス材についてCu含有量と強度との
関係を示す図である。
【図3】FRM材についてCu含有量と強度との関係を
示す図である。
【図4】本発明に係る繊維強化Al合金を製造する要領
を説明する図である。
【図5】FRM材についてMg含有量と強度との関係を
示す図である。
【図6】FRM材についてMg含有量と硬度との関係を
示す図である。
【符号の説明】
1 金型 6 プリフォーム 7 溶湯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金をマトリックスとした繊維強化
    Al合金において、強化材にホウ酸アルミニウムウィス
    カーを用い、該ウィスカーの体積率を25〜30%、A
    l合金中のCu含有量を4〜10wt%としたことを特
    徴とする繊維強化Al合金。
  2. 【請求項2】 前記Al合金中のCu含有量を6〜7w
    t%としたことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化
    Al合金。
  3. 【請求項3】 Al合金をマトリックスとした繊維強化
    Al合金において強化材にホウ酸アルミニウムウィスカ
    ーを用い、該ウィスカーの体積率を25〜30%、Al
    合金中のCu含有量を6〜7wt%、Mg含有量を0.
    5wt%以下としたことを特徴とする繊維強化Al合
    金。
JP673494A 1994-01-26 1994-01-26 繊維強化Al合金 Pending JPH07216480A (ja)

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JP673494A JPH07216480A (ja) 1994-01-26 1994-01-26 繊維強化Al合金

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008007524A1 (fr) * 2006-07-13 2008-01-17 Central Motor Wheel Co., Ltd. Matériau métallique composite et son procédé d'élaboration.
JP2008038172A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Taiheiyo Cement Corp アルミニウム合金基複合材料の製造方法
CN102426867A (zh) * 2011-08-25 2012-04-25 哈尔滨东大高新材料股份有限公司 晶须增强铜基电接触材料及制备方法

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