JPH0721641U - 吸着具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はテーブルリフター上に積載される小
幅の単板や欠損のある単板を確実に移送できる吸着具を
提供するものである。 【構成】 本考案の吸着具ａは、単板などの薄板状材料
を吸着する吸着面が長方形状に形成されて成る吸着具に
おいて、該吸着面４に複数の吸引口８を分割開口し、各
個の吸引口８に開閉弁９を配設し、吸着面４の何れかの
一辺に平行に所要数の刺針１３を垂下併設して成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は薄板状材料の取扱いの分野に属し、気体圧力を利用した真空吸着具に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から薄葉単板の移送手段は、所定の吸引口を開口した真空吸着具や刺針を 垂下した吊下具などが提案されているが、上記移送手段は大面積の単板の場合で は、十分にその目的を達成できる。 しかし、小幅の単板や欠損のある単板を寄せ集めてリフターに積載しフィーダ ーに移送する場合には、吸着或いは突き刺し個所が必ずしも各単板の中央に位置 するものではなく、配列間に跨がったり、欠損個所に合致することもあるため全 面開口状態の吸着具や刺針のみによる吊下具では移送の確実性に欠けるものであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はテーブルリフター上に積載される小幅の単板や欠損のある単板を確実 に移送できる吸着具を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の吸着具は、単板などの薄板状材料を吸着する吸着面が長方形状に形成 されて成る吸着具において、該吸着面に複数の吸引口を分割開口し、各個の吸引 口に開閉弁を配設し、該吸着面の何れかの一辺に平行に所要数の刺針を垂下併設 して成るものである。

【０００５】

【作用】

開閉弁の吸引口が単板で閉塞された状態で開き、閉塞されないときは閉じ、刺 針は単板を吊下するとともに、吸引時の単板を位置決めするものであるから、吸 引力によるずれなどがなく、吸引時間が短縮されるほか、刺針に対しても吸引力 による単板の張力が作用して保持力を増すなど、吊下力としても相乗作用がある 。

【０００６】

【実施例】

本考案を一実施例により説明すると、図１、図２に示すように取付け軸部１の 下端には受け座２を周設し、受け座２の下面に正面末広がり状で所定の奥行きの 吸着部３を接合し、吸着部３の下端を側面方向で若干絞って形成した長方形状の 吸着面４とし、吸着部３の内部空間５を取付け軸部１の通気路６に連通し、吸着 面４に仕切り壁７で分割した所要の吸引口８を開口し、各個の吸引口８に開閉弁 ９を開閉自在に軸支し、開閉弁９の下面には押上げ用の脚１０を垂下し、吸着部 ３の背面には取付け座１１を接合し、取付け座１１には吊下板１２を取着し、吊 下板１２の下面には所要数の刺針１３を垂下して成る。

【０００７】 このようにして成る吸着具ａは、図３、図４に示す単板の移送装置ｂに使用さ れ、テーブルリフター１４上の単板１５を刺針１３で突き刺すとともに、吸引フ ァン１６によって所要の真空度に減圧された吸引口８に吸着し、刺針１３と吸引 口８の共働作用により単板１５を所要に移送する。 すなわち、吸着具ａは図５に示すように、昇降体１７の下端に取付け軸部１を 螺着し、昇降体１７は内部に通気路を貫設してその下端を吸着具ａの通気路６に 連通し、上端を吸引ファン１６に接続する吸引ホース１８に連通接続し、左右の 周面には横断面コ字形の案内体１９を接合するとともに、上部の前後面には受け 座２０を突設し、案内体１９の下方には吸着座ａの受け座２と同径のリング２１ を摺動自在に外嵌し、リング２１と受け座２間にスプリング２２を外嵌して成る 。

【０００８】 このようにして成る昇降体１７は横梁２３の下面に所要の間隔で垂下した案内 板２４にその左右の案内体１９を嵌入案内し、かつ、左右の昇降用の油圧シリン ダー２５のロッド２６に係着して昇降する受け体２７の上面に受け座２０を載置 し、横梁２３の両端にアーム２８を一体に接合し、アーム２８の上端を上部フレ ーム２９より垂下した支持座３０に揺動自在に軸支するとともに、同軸上に昇降 用の油圧シリンダー２５をも揺動自在に軸支して成り、さらに、前記受け体２７ の両端には図６に示すように、油圧シリンダー２５のロッド２６の軸支点におい て、縦フレーム３１に回動自在に軸支した揺動用の油圧シリンダー３２のロッド ３３をピン接合して成る。

【０００９】 したがって、単板１５の移送に際しては、昇降用の油圧シリンダー２５を操作 してロッド２６を降下させると、各昇降体１７は自重で単板１５上に落下し、次 いでロッド２６の降下とともに受け体２７がリング２１を押圧することとなり、 リング２１はスプリング２２を圧縮して昇降体１７の下端に接合した吸着具ａを 押圧し、かくて刺針１３は単板１５を突き刺し、吸引口８においては脚１０を介 して開閉弁９が押上げられ、開口状態の吸引口８に単板１５を吸着し、単板１５ の節穴や欠損などで脚１０の当接しない個所での吸引口８は閉塞状態で減圧効率 を高め、かつ、刺針１３と単板１５の接触周面に吸引力による緊張力を付与し、 確実に単板１５を保持した状態でロッド２６を始動位置に上昇させ、次いで揺動 用の油圧シリンダー３２を操作してロッド３３を引き下げ、単板１５の先端をロ ールフィーダー３４に向けて進入させ、単板移送後はロッド３３を押し出し、前 述の動作を順次に繰返してテーブルリフター１４上の単板１５を移送する。

【００１０】 なお、極端に小幅の単板１５を移送する場合には、図７に示すように、刺針１ ３の配列方向に対して吸着面４の長手方向を直角方向に配列した吸着具ａも提供 され、また、昇降体１７の揺動手段としては、昇降用の油圧シリンダー２５のロ ッド２６に摺動体を摺動自在に外嵌し、該摺動体に揺動用の油圧シリンダー３２ のロッド３３を係着するなどの手段も提供され得る。

【００１１】

【考案の効果】

本発明の吸着具ａによれば、刺針が吸着時の単板を位置決めすることになり、 吸着時の吸引による単板のずれがなく、素早く吸着できるとともに、刺針に対し ては単板吸着時の吸引力による張力が作用してその保持力が増強されるなど、刺 針と吸引口との共働作用により確実に単板を移送できる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる吸着具ａの吸引口を開口した状
態の正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】本考案の吸着具ａを使用した単板の移送装置ｂ
の要部の正面図である。

【図４】図３の要部右側面図である。

【図５】単板の移送装置ｂの要部部分拡大図である。

【図６】図５の右側面図である。

【図７】吸着具ａの他の実施例における平面図である。

【符号の説明】

１ 取付け軸部 ２ 受け座 ３ 吸着部 ４ 吸着面 ５ 内部空間 ６ 通気路 ７ 仕切り壁 ８ 吸引口 ９ 開閉弁 １０ 脚 １２ 吊下板 １３ 刺針 １４ テーブルリフター １６ 吸引ファン １７ 昇降体 ２０ 受け座 ２１ リング ２２ スプリング ２３ 横梁 ２５ 油圧シリンダー ２７ 受け体 ３２ 油圧シリンダー ａ 吸着具 ｂ 単板の移送装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 単板などの薄板状材料を吸着する吸着面
   が長方形状に形成されて成る吸着具において、該吸着面
   に複数の吸引口を分割開口し、各個の吸引口に開閉弁を
   配設し、該吸着面の何れかの一辺に平行に所要数の刺針
   を垂下併設して成る吸着具。