JPH07216270A - ハロゲンを含有しない磁性塗料用組成物 - Google Patents
ハロゲンを含有しない磁性塗料用組成物Info
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- JPH07216270A JPH07216270A JP1144894A JP1144894A JPH07216270A JP H07216270 A JPH07216270 A JP H07216270A JP 1144894 A JP1144894 A JP 1144894A JP 1144894 A JP1144894 A JP 1144894A JP H07216270 A JPH07216270 A JP H07216270A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】磁気テ−プ等の磁性記録媒体の磁性塗料用組成
物に関する。 【構成】塗布型の磁性塗料に於いて、燐含有量が0.0
1重量%以上である燐含有フェノキシ樹脂を必須成分と
して含有することを特徴とするハロゲンを含有しない磁
性塗料用組成物である。
物に関する。 【構成】塗布型の磁性塗料に於いて、燐含有量が0.0
1重量%以上である燐含有フェノキシ樹脂を必須成分と
して含有することを特徴とするハロゲンを含有しない磁
性塗料用組成物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テ−プ等の磁性記
録媒体の磁性塗料用組成物に関する。
録媒体の磁性塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オ−ディオ,ビデオ、コンピュ−タ−用
磁気記録テ−プ、カ−ド、ディスク等の磁気記録媒体
は、通常ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強
磁性粉末と結合剤、有機溶剤及び、必要に応じて、他の
添加剤等からなる磁性塗料を塗布し、磁性粉末を配向
後、乾燥、硬化させることによって製造される。磁性記
録媒体として要求される高感度、高記録密度、高S/N
比、高信頼度等優れた性能を得るためには、磁性塗料に
おいて強磁性粉末の樹脂中への分散性、塗膜の平滑性及
び支持体との密着性、機械的強度等の特性に優れていな
ければならない。
磁気記録テ−プ、カ−ド、ディスク等の磁気記録媒体
は、通常ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強
磁性粉末と結合剤、有機溶剤及び、必要に応じて、他の
添加剤等からなる磁性塗料を塗布し、磁性粉末を配向
後、乾燥、硬化させることによって製造される。磁性記
録媒体として要求される高感度、高記録密度、高S/N
比、高信頼度等優れた性能を得るためには、磁性塗料に
おいて強磁性粉末の樹脂中への分散性、塗膜の平滑性及
び支持体との密着性、機械的強度等の特性に優れていな
ければならない。
【0003】従来より一般に使用されている磁性記録媒
体に用いられる磁性塗料中の結合剤は、例えば塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコ−ル共重合体、ポリオ−ルとポリイソシアネ
−トとの反応によってできるポリウレタン樹脂、ビスフ
ェノ−ルA型フェノキシ樹脂とイソシアネ−ト等が広く
利用されていた。近年、特にVTR(ビデオテ−プレコ
−ダ−)用等の磁気記録媒体においては、磁性粉末の微
粒子化、高磁力化が図られるようになり、磁性層中に於
ける磁性粉末の充填密度を増大させる事により、高再生
出力を得る方法が取られて来た。その結果、磁性粉末の
比表面積の増大、高磁化による凝集力の増大により、従
来使用されていた磁性塗料の結合剤では磁性粉末の分散
性や塗膜の表面平滑性が得られなくなって来た。また、
塩化ビニル共重合体では、ハロゲンを含有するため、廃
棄処分時に環境汚染の問題がある。
体に用いられる磁性塗料中の結合剤は、例えば塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコ−ル共重合体、ポリオ−ルとポリイソシアネ
−トとの反応によってできるポリウレタン樹脂、ビスフ
ェノ−ルA型フェノキシ樹脂とイソシアネ−ト等が広く
利用されていた。近年、特にVTR(ビデオテ−プレコ
−ダ−)用等の磁気記録媒体においては、磁性粉末の微
粒子化、高磁力化が図られるようになり、磁性層中に於
ける磁性粉末の充填密度を増大させる事により、高再生
出力を得る方法が取られて来た。その結果、磁性粉末の
比表面積の増大、高磁化による凝集力の増大により、従
来使用されていた磁性塗料の結合剤では磁性粉末の分散
性や塗膜の表面平滑性が得られなくなって来た。また、
塩化ビニル共重合体では、ハロゲンを含有するため、廃
棄処分時に環境汚染の問題がある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明の要旨は、燐含
有量が0.01重量%以上である燐含有フェノキシ樹脂
を必須成分として含有することを特徴とするハロゲンを
含有しない磁性塗料用組成物である。すなわち、本発明
は、磁気テ−プ等の磁性記録媒体において、磁気記録層
に燐化合物含有フェノキシ樹脂をバインダ−成分として
含有させることにより、磁性粉の分散性や磁性層の表面
平滑性の改善を図り、得られる磁性記録媒体の耐久性、
磁気特性等の向上を図ろうとするものである。
有量が0.01重量%以上である燐含有フェノキシ樹脂
を必須成分として含有することを特徴とするハロゲンを
含有しない磁性塗料用組成物である。すなわち、本発明
は、磁気テ−プ等の磁性記録媒体において、磁気記録層
に燐化合物含有フェノキシ樹脂をバインダ−成分として
含有させることにより、磁性粉の分散性や磁性層の表面
平滑性の改善を図り、得られる磁性記録媒体の耐久性、
磁気特性等の向上を図ろうとするものである。
【0005】本発明において使用されるフェノキシ樹脂
は、例えばビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンとから
製造したり、フェノ−ル類エポキシ樹脂とビスフェノ−
ル類からの付加重合反応により製造される。フェノキシ
樹脂の原材料として用いられるビスフェノ−ル類は、代
表的には2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイドヒドロキノ
ンなどが挙げられる。ビスフェ−ル類エポキシ樹脂は、
上記ビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンから公知の方
法によって得られる。本発明のフェノキシ樹脂は、上記
のビスフェノ−ル類及びそのエポキシ樹脂、又はエピハ
ロヒドリンの反応モル数比率を調整することで公知の方
法で容易に製造することが出来る。あるいは、上記ビス
フェノ−ル類の組み合わせによって、共重合フェノキシ
樹脂も同様に得られる。
は、例えばビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンとから
製造したり、フェノ−ル類エポキシ樹脂とビスフェノ−
ル類からの付加重合反応により製造される。フェノキシ
樹脂の原材料として用いられるビスフェノ−ル類は、代
表的には2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイドヒドロキノ
ンなどが挙げられる。ビスフェ−ル類エポキシ樹脂は、
上記ビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンから公知の方
法によって得られる。本発明のフェノキシ樹脂は、上記
のビスフェノ−ル類及びそのエポキシ樹脂、又はエピハ
ロヒドリンの反応モル数比率を調整することで公知の方
法で容易に製造することが出来る。あるいは、上記ビス
フェノ−ル類の組み合わせによって、共重合フェノキシ
樹脂も同様に得られる。
【0006】本発明に於いて、前述のフェノキシ樹脂に
燐化合物を導入すると、磁性粉との高い親和性を示し、
磁性粉との分散性がより一層有効な効果を挙げる事が出
来る。フェノキシ樹脂に燐化合物を導入する方法とし
て、一つは主鎖に燐化合物を共重合により導入し、具体
的にはジヒドロキシ燐酸モノエステル、3,4,5,6
−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイ
ドヒドロキノンが挙げられる。一つは末端残存のエポキ
シ基に燐化合物を反応させ導入する,代表的にはモノヒ
ドロキシ燐酸エステル、3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイド等がある。
勿論、上記燐化合物及び上記以外のトリ燐酸エステル等
の添加もまた使用可能である。燐化合物の導入量は、全
樹脂量中の燐として0.01重量部から1重量部を含有
することが有効である。
燐化合物を導入すると、磁性粉との高い親和性を示し、
磁性粉との分散性がより一層有効な効果を挙げる事が出
来る。フェノキシ樹脂に燐化合物を導入する方法とし
て、一つは主鎖に燐化合物を共重合により導入し、具体
的にはジヒドロキシ燐酸モノエステル、3,4,5,6
−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイ
ドヒドロキノンが挙げられる。一つは末端残存のエポキ
シ基に燐化合物を反応させ導入する,代表的にはモノヒ
ドロキシ燐酸エステル、3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイド等がある。
勿論、上記燐化合物及び上記以外のトリ燐酸エステル等
の添加もまた使用可能である。燐化合物の導入量は、全
樹脂量中の燐として0.01重量部から1重量部を含有
することが有効である。
【0007】本発明にかかる磁性塗料用組成物は上記燐
含有フェノキシ樹脂に、他のバインダ−樹脂、硬化剤、
磁性粉、他の添加剤(例えば、帯電防止剤、潤滑剤、研
磨剤等)、有機溶剤などの成分を必要に応じて添加して
構成されている。そして、この磁性塗料用組成物を非磁
性支持体上に塗布して磁性層を形成する。したがって、
磁性層の1例としては、強磁性粉末を本発明の燐含有フ
ェノキシ樹脂と硬化剤であるイソシアネ−トを有機溶剤
に溶かし調整された磁性塗料をポリエステルフィルムの
非磁性支持体の表面に塗布し、配向、乾燥、硬化させて
形成させる。
含有フェノキシ樹脂に、他のバインダ−樹脂、硬化剤、
磁性粉、他の添加剤(例えば、帯電防止剤、潤滑剤、研
磨剤等)、有機溶剤などの成分を必要に応じて添加して
構成されている。そして、この磁性塗料用組成物を非磁
性支持体上に塗布して磁性層を形成する。したがって、
磁性層の1例としては、強磁性粉末を本発明の燐含有フ
ェノキシ樹脂と硬化剤であるイソシアネ−トを有機溶剤
に溶かし調整された磁性塗料をポリエステルフィルムの
非磁性支持体の表面に塗布し、配向、乾燥、硬化させて
形成させる。
【0008】以下に、磁性塗料用組成物の成分について
説明する。本発明の主要部分である燐含有フェノキシ樹
脂は、分子内に燐化合物を導入することにより極性を増
し、磁性粉と親和性を向上させ、イソシアネ−トとの硬
化反応よる架橋密度を高め、耐久性のある塗膜を形成さ
せることが出来る。また、分子内側鎖水酸基を有してい
るため、非磁性支持体層との密着性を備えており、磁性
粉の分散性、引いては電磁交換特性及び塗膜の表面平滑
性をもたらす作用がある。上記燐含有フェノキシ樹脂
は、バインダ−としての働きを有している点で、他のバ
インダ−樹脂(例えばポリウレタン樹脂等)と併用する
ことが出来る。
説明する。本発明の主要部分である燐含有フェノキシ樹
脂は、分子内に燐化合物を導入することにより極性を増
し、磁性粉と親和性を向上させ、イソシアネ−トとの硬
化反応よる架橋密度を高め、耐久性のある塗膜を形成さ
せることが出来る。また、分子内側鎖水酸基を有してい
るため、非磁性支持体層との密着性を備えており、磁性
粉の分散性、引いては電磁交換特性及び塗膜の表面平滑
性をもたらす作用がある。上記燐含有フェノキシ樹脂
は、バインダ−としての働きを有している点で、他のバ
インダ−樹脂(例えばポリウレタン樹脂等)と併用する
ことが出来る。
【0009】硬化剤成分は、燐含有フェノキシ樹脂の側
鎖の水酸基と反応するイソシアネ−トが使用可能である
が、このイソシアネ−トによる硬化を促進するために、
有機スズ系或いはアミン系の触媒を使用することも出来
る。併用ポリウレタン樹脂としては、ポリオ−ルとポリ
イソシアネ−トとの反応によって合成出来る。使用可能
なポリオ−ルとしては、フタル酸、アジピン酸、二量化
リノレイン酸、マレイン酸等の有機二塩基酸とエチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル等のグリコ−ル類もしくはト
リメチロ−ルプロパン、ヘキサトリオ−ル、グリセリ
ン、ヘキサトリオ−ル、トリメチロ−ルメタン、ペタエ
リスリト−ル等の多価アルコ−ル類もしくはこれらのグ
リコ−ル類及び多価アルコ−ル類の中から選ばれた任意
の二種以上のポリオ−ルとの反応によって合成されたポ
リエステルポリオ−ル;又は、s−カプロラクタム、α
−1−カプロラクタムなどのカプロラクタム類から合成
されるラクトン系ポリエステルポリオ−ル;エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等から合成されるポリ
エステルポリオ−ル等が挙げられる。
鎖の水酸基と反応するイソシアネ−トが使用可能である
が、このイソシアネ−トによる硬化を促進するために、
有機スズ系或いはアミン系の触媒を使用することも出来
る。併用ポリウレタン樹脂としては、ポリオ−ルとポリ
イソシアネ−トとの反応によって合成出来る。使用可能
なポリオ−ルとしては、フタル酸、アジピン酸、二量化
リノレイン酸、マレイン酸等の有機二塩基酸とエチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル等のグリコ−ル類もしくはト
リメチロ−ルプロパン、ヘキサトリオ−ル、グリセリ
ン、ヘキサトリオ−ル、トリメチロ−ルメタン、ペタエ
リスリト−ル等の多価アルコ−ル類もしくはこれらのグ
リコ−ル類及び多価アルコ−ル類の中から選ばれた任意
の二種以上のポリオ−ルとの反応によって合成されたポ
リエステルポリオ−ル;又は、s−カプロラクタム、α
−1−カプロラクタムなどのカプロラクタム類から合成
されるラクトン系ポリエステルポリオ−ル;エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等から合成されるポリ
エステルポリオ−ル等が挙げられる。
【0010】これらのポリオ−ルは、トリレンジイソシ
アネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メチレン
ジイソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシアネ−ト等
のイソシアネ−ト化合物と反応せしめ、それによってウ
レタン化したポリエステルポリウレタン、ポリエ−テル
ポリウレタンが合成される。また、遊離したイソシアネ
−ト基及び/又はヒドロキシル基を含有するウレタン樹
脂、またはウレタンプレポリマ−の形でも、或いは、こ
れらの反応性末端基を有しないものであってもよい。ポ
リウレタン、ウレタンプレポリマ−、ウレタンエラスト
マ−は、公知の方法で作られる。これらのうち、遊離イ
ソシアネ−トを含有するものは、燐含有フェノキシ樹脂
の硬化剤としても作用する。
アネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メチレン
ジイソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシアネ−ト等
のイソシアネ−ト化合物と反応せしめ、それによってウ
レタン化したポリエステルポリウレタン、ポリエ−テル
ポリウレタンが合成される。また、遊離したイソシアネ
−ト基及び/又はヒドロキシル基を含有するウレタン樹
脂、またはウレタンプレポリマ−の形でも、或いは、こ
れらの反応性末端基を有しないものであってもよい。ポ
リウレタン、ウレタンプレポリマ−、ウレタンエラスト
マ−は、公知の方法で作られる。これらのうち、遊離イ
ソシアネ−トを含有するものは、燐含有フェノキシ樹脂
の硬化剤としても作用する。
【0011】磁性層に用いられる強磁性粉末には、強磁
性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、
六方晶系バリウムフェライト微粒子、窒化鉄、メタル粉
等が挙げられる。さらに、上記磁性層には、他の添加剤
として分散剤、滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が
加えられてもよい。
性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、
六方晶系バリウムフェライト微粒子、窒化鉄、メタル粉
等が挙げられる。さらに、上記磁性層には、他の添加剤
として分散剤、滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が
加えられてもよい。
【0012】これらの構成材料は有機溶剤に溶かし調整
されるが,代表的には、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸グリコ−ルモノ
エチルエ−テル等のエステル類、グリコ−ルジメチルエ
−テル、ジオキサン等のエ−テル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素類、塩素化炭化水素類及びその混合
溶媒が挙げられる。以上の構成成分からなる磁性塗料は
磁性粉100重量部に対して、バインダ−樹脂成分5〜
400重量部、好ましくは10〜200重量部の範囲で
使用される。
されるが,代表的には、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸グリコ−ルモノ
エチルエ−テル等のエステル類、グリコ−ルジメチルエ
−テル、ジオキサン等のエ−テル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素類、塩素化炭化水素類及びその混合
溶媒が挙げられる。以上の構成成分からなる磁性塗料は
磁性粉100重量部に対して、バインダ−樹脂成分5〜
400重量部、好ましくは10〜200重量部の範囲で
使用される。
【0013】本発明の磁性塗料を支持体に塗布する方法
としては、塗料一般の塗装方法を利用することが出来
る。塗布された磁性層は、必要により層中の磁性粉を配
向させる処理を施した後、形成した磁性層を乾燥硬化す
ることにより本発明の磁性塗料を使用した磁性粉との分
散性に優れた表面平滑性、耐久性に優れた磁気記録媒体
を得ることが出来る。
としては、塗料一般の塗装方法を利用することが出来
る。塗布された磁性層は、必要により層中の磁性粉を配
向させる処理を施した後、形成した磁性層を乾燥硬化す
ることにより本発明の磁性塗料を使用した磁性粉との分
散性に優れた表面平滑性、耐久性に優れた磁気記録媒体
を得ることが出来る。
【0014】
【作用】本発明の磁性塗料用組成物中の結合剤である燐
含有フェノキシ樹脂は、分子中に極性基として、水酸
基、燐化合物等を含有することにより、磁性粉末に対す
る親和性が大幅に向上し、微粒化された磁性粉末を良好
に分散される。また、他のバインダ−成分や硬化剤成分
との相溶性にも優れているため、硬化架橋後の塗膜の強
度と表面平滑性、耐久性が得られる。また、フェノキシ
樹脂にハロゲンを含有しないため、使用時の脱ハロゲン
や、廃棄時のハロゲンによる環境汚染問題もなくなる。
含有フェノキシ樹脂は、分子中に極性基として、水酸
基、燐化合物等を含有することにより、磁性粉末に対す
る親和性が大幅に向上し、微粒化された磁性粉末を良好
に分散される。また、他のバインダ−成分や硬化剤成分
との相溶性にも優れているため、硬化架橋後の塗膜の強
度と表面平滑性、耐久性が得られる。また、フェノキシ
樹脂にハロゲンを含有しないため、使用時の脱ハロゲン
や、廃棄時のハロゲンによる環境汚染問題もなくなる。
【0015】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。 合成例1 エポキシ当量186.5g/eq.のビスフェノ−ルA
型エポキシ樹脂YD−128(東都化成製)251.3
部とビスフェノ−ルA(以下BPAと略す)146.3
部をシクロヘキサノン(以下アノンと略す)200部に
溶解し、窒素雰囲気中撹拌しながら昇温する。触媒とし
てトリメチルアンモニウムクロライド0.1部を添加し
てから160℃で5時間反応させた後にトルエン200
部で希釈し、100℃まで冷却してから酸価272のジ
ブチルホスフェ−ト2.4部を加え、さらに2時間反応
を行った後,メチルエチルケトン200部を添加し、
0.09%燐含有フェノキシ樹脂を得た。
する。 合成例1 エポキシ当量186.5g/eq.のビスフェノ−ルA
型エポキシ樹脂YD−128(東都化成製)251.3
部とビスフェノ−ルA(以下BPAと略す)146.3
部をシクロヘキサノン(以下アノンと略す)200部に
溶解し、窒素雰囲気中撹拌しながら昇温する。触媒とし
てトリメチルアンモニウムクロライド0.1部を添加し
てから160℃で5時間反応させた後にトルエン200
部で希釈し、100℃まで冷却してから酸価272のジ
ブチルホスフェ−ト2.4部を加え、さらに2時間反応
を行った後,メチルエチルケトン200部を添加し、
0.09%燐含有フェノキシ樹脂を得た。
【0016】合成例2 YD−128、254.4部,BPA、146.4部,
アノン200部を仕込み、合成例1と同様に5時間反応
させた後、トルエン200部で希釈し、100℃まで冷
却してから、燐含有率13%、酸価430のモノイソデ
シルホスフェ−ト2.2部を徐々に滴下した。さらに2
時間反応させた後、メチルエチルケトン200部で希釈
した。得られた樹脂は、燐含有量0.07%であった。
アノン200部を仕込み、合成例1と同様に5時間反応
させた後、トルエン200部で希釈し、100℃まで冷
却してから、燐含有率13%、酸価430のモノイソデ
シルホスフェ−ト2.2部を徐々に滴下した。さらに2
時間反応させた後、メチルエチルケトン200部で希釈
した。得られた樹脂は、燐含有量0.07%であった。
【0017】合成例3 YD−128、251.8部とBPA、144.8部,
アノン200部を仕込み、合成例1と同様に反応させた
のち、燐含有14.3%の3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイド3.4部を
加え、さらに4時間撹拌した。その後トルエン200部
とメチルエチルケトン200部それぞれ添加した。得ら
れたフェノキシ樹脂の燐含有量は0.13%であった。
アノン200部を仕込み、合成例1と同様に反応させた
のち、燐含有14.3%の3,4,5,6−ジベンゾ−
1,2−オキサホスファン−2−オキサイド3.4部を
加え、さらに4時間撹拌した。その後トルエン200部
とメチルエチルケトン200部それぞれ添加した。得ら
れたフェノキシ樹脂の燐含有量は0.13%であった。
【0018】合成例4 YD−128、251.7部とBPA、142.3部,
燐含有量9.5%の3,4,5,6−ジベンゾ−1,2
−オキサホスファン−2−オキサイドヒドロキノン6部
とアノン200部を仕込み、触媒トリメチルアンモニウ
ムクロライド0.1部を加え、160℃で5時間反応さ
せた後にトルエンとMEKをそれぞれ200部で希釈し
た。得られたフェノキシ樹脂の燐含有量は0.14%で
あった。 合成例5 合成例1のジブチルホスフェ−トを加えない以外は同様
に合成した。上記合成例による各バインダ−樹脂を使用
した磁性塗料を比較例と共に説明する。
燐含有量9.5%の3,4,5,6−ジベンゾ−1,2
−オキサホスファン−2−オキサイドヒドロキノン6部
とアノン200部を仕込み、触媒トリメチルアンモニウ
ムクロライド0.1部を加え、160℃で5時間反応さ
せた後にトルエンとMEKをそれぞれ200部で希釈し
た。得られたフェノキシ樹脂の燐含有量は0.14%で
あった。 合成例5 合成例1のジブチルホスフェ−トを加えない以外は同様
に合成した。上記合成例による各バインダ−樹脂を使用
した磁性塗料を比較例と共に説明する。
【0019】実施例と比較例の塗料配合は、下記に示す
各組成物として調整した。 磁性粉(Co−γ−Fe2O3) 80部 合成樹脂(合成例及び比較例の樹脂) 10部 ポリウレタン 10部 シクロヘキサノン 25部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 75部 上記の各組成物をペイントコンディショナ−で4時間充
分混合分散し、均一に混合して磁性塗料をそれぞれ作成
した。この磁性塗料をポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムの片面に、乾燥塗膜5μmとなるように塗布した。
かくして得られた試料を60℃で24時間乾燥し、その
塗膜の光沢を測定した。光沢は高い程分散性が優れてい
ることを示す。得られた結果を表1に記載する。なお、
表1における表示は次ぎの通りである。 *Iは、市販されているBPA型フェノキシ樹脂(YP
−50 東都化成社製) *IIは、市販されている塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂
(VAGH UCC社製) ○印は、相溶する ×印は、相溶しない
各組成物として調整した。 磁性粉(Co−γ−Fe2O3) 80部 合成樹脂(合成例及び比較例の樹脂) 10部 ポリウレタン 10部 シクロヘキサノン 25部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 75部 上記の各組成物をペイントコンディショナ−で4時間充
分混合分散し、均一に混合して磁性塗料をそれぞれ作成
した。この磁性塗料をポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムの片面に、乾燥塗膜5μmとなるように塗布した。
かくして得られた試料を60℃で24時間乾燥し、その
塗膜の光沢を測定した。光沢は高い程分散性が優れてい
ることを示す。得られた結果を表1に記載する。なお、
表1における表示は次ぎの通りである。 *Iは、市販されているBPA型フェノキシ樹脂(YP
−50 東都化成社製) *IIは、市販されている塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂
(VAGH UCC社製) ○印は、相溶する ×印は、相溶しない
【0020】
【表1】
【0021】
【効果】以上述べたように、本発明において磁性塗料と
して、ビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンまたはジグ
リシジルエ−テルからなるフェノキシ樹脂に燐化合物を
含有させることによって、磁性粉体の分散性を良好し、
その結果、高感度、高記録密度、高耐久性、高信頼度な
ど優れた特性を有する磁性記録媒体を得ることが出来る
等の効果を奏する。
して、ビスフェノ−ル類とエピハロヒドリンまたはジグ
リシジルエ−テルからなるフェノキシ樹脂に燐化合物を
含有させることによって、磁性粉体の分散性を良好し、
その結果、高感度、高記録密度、高耐久性、高信頼度な
ど優れた特性を有する磁性記録媒体を得ることが出来る
等の効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 塗布型の磁性塗料に於いて、燐含有量が
0.01重量%以上である燐含有フェノキシ樹脂を必須
成分として含有することを特徴とするハロゲンを含有し
ない磁性塗料用組成物。 - 【請求項2】 燐含有フェノキシ樹脂がモノヒドロキシ
燐酸エステルを導入したものである請求項1に記載の磁
性塗料用組成物。 - 【請求項3】 燐含有フェノキシ樹脂がジヒドロキシ燐
酸エステルを導入したものである請求項1に記載の磁性
塗料用組成物。 - 【請求項4】 燐含有フェノキシ樹脂が3,4,5,6
−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイ
ドヒドロキノンを導入したものである請求項1に記載の
磁性塗料用組成物。 - 【請求項5】 燐含有フェノキシ樹脂が3,4,5,6
−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイ
ドを導入したものである請求項1に記載の磁性塗料用組
成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01144894A JP3385437B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | ハロゲンを含有しない磁性塗料用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01144894A JP3385437B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | ハロゲンを含有しない磁性塗料用組成物 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002294138A Division JP3873253B2 (ja) | 2002-10-07 | 2002-10-07 | 燐含有フェノキシ樹脂 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216270A true JPH07216270A (ja) | 1995-08-15 |
JP3385437B2 JP3385437B2 (ja) | 2003-03-10 |
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ID=11778383
Family Applications (1)
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JP01144894A Expired - Fee Related JP3385437B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | ハロゲンを含有しない磁性塗料用組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3385437B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003711A (ja) * | 2000-06-21 | 2002-01-09 | Toto Kasei Co Ltd | 熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂を含有する硬化性樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-02-03 JP JP01144894A patent/JP3385437B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003711A (ja) * | 2000-06-21 | 2002-01-09 | Toto Kasei Co Ltd | 熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂を含有する硬化性樹脂組成物 |
JP4530187B2 (ja) * | 2000-06-21 | 2010-08-25 | 新日鐵化学株式会社 | 熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂を含有する硬化性樹脂組成物 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3385437B2 (ja) | 2003-03-10 |
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