JPH07216176A - 軟質塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

軟質塩化ビニル系樹脂フィルム

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JPH07216176A
JPH07216176A JP6011056A JP1105694A JPH07216176A JP H07216176 A JPH07216176 A JP H07216176A JP 6011056 A JP6011056 A JP 6011056A JP 1105694 A JP1105694 A JP 1105694A JP H07216176 A JPH07216176 A JP H07216176A
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JP
Japan
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film
vinyl chloride
chloride resin
terephthalic acid
pts
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JP6011056A
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Yasukazu Sugiura
靖和 杉浦
Takeshi Tashiro
健 田代
Kazuyoshi Murakami
主義 村上
Koji Hayashi
孝治 林
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム同士の付着を防止した軟質塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの提供 【構成】 塩化ビニル系樹脂に、下記の構造式〔I〕で
表されるテレフタル酸誘導体を配合してなる軟質塩化ビ
ニル系樹脂フィルム。 【化1】 (式中、N≧2、K≧2、M≧0、L≧0の各々整数を
示す。但し、M=L=0は除く)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟質塩化ビニル系樹脂
フィルムに関するものである。更に詳しくは、フィルム
同士の粘着を防ぎ、作業性が良好な軟質塩化ビニル系樹
脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂に可塑剤を配合した軟
質塩化ビニル系樹脂フィルムは、一般には押出成形法、
カレンダー成形法等によって連続的に製造され、ロール
状に巻き取られた後、運搬、保管、使用される。該フィ
ルムは、日用雑貨品(包装用)、農業用と用途は多岐に
わたり、その各々の用途に応じて、ウエルダー加工等の
いわゆる二次加工を、ロール状に巻き取られたフィルム
巻からフィルムを巻き戻しつつ行う。
【0003】しかしながら、ロール状に巻き取られたフ
ィルムは、多量の可塑剤が配合されているため、フィル
ム表面が粘着性を示しロール状に巻いたフィルムは表面
同士が相互に付着し易く、また、二次加工により得られ
た製品の表面同士が付着し、作業性が極めて劣るという
問題があった。この問題を解決するために従来より、フ
ィルムにエンボス加工を施したり、フィルム加工温度で
溶融しない無機フィラーに代表される固体微粒子を配合
することによって、表面を粗面化しフィルムの粘着性を
減少させ、作業性を向上させるという方法や、フィルム
製造時の巻取る前または一旦巻取ったフィルムを巻替え
ながらデンプン粉等を散布して、粘着を防止するという
方法や、アミド系等の滑剤を配合し、フィルム表面エネ
ルギーを低下させ、フィルムの粘着性を減少させる方法
が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フィルムにエ
ンボス加工を施したり、フィルム加工温度で溶融しない
無機フィラーに代表される固体微粒子を配合することに
よって、粘着性を減少させる方法には、フィルムの透明
性を損ない、農業用の場合にハウス内の作物が外から見
えなくなるという欠点があった。また、二次加工場でデ
ンプン粉等を散布して粘着を防止するという方法では、
デンプン粉等が短期間のうちにフィルム同士等の物理的
こすれ、あるいは雨水またはハウス内に発生する水滴の
流下によって除去されるのでフィルムの透明性は回復さ
れるが、二次加工場でデンプン粉等、粘着防止用の微粉
末が空気中に飛散して作業環境を著しく悪くするばかり
でなく、粉末の損失が大きいという欠点があった。そこ
で、この欠点を解決する手段として、フィルム製造時に
おいてフィルムをロール状に巻取る直前に、または一旦
巻取ったフィルムを巻替える時に、フィルムの表面にデ
ンプン粉、タルク等の粘着防止剤を散布するという方法
が考えられる。しかしデンプン粉の粒子は比較的大きい
ため、巻取り微粒子がフィルム表面にくいこみ、フィル
ムの表面平滑性が損なわれ透明性を損なうという欠点が
ある。又、タルクは軟質塩化ビニルフィルム表面から除
き難く、農業用途に用いられる場合の雨水またはハウス
内で発生する水滴の流下によってもフィルム面から除去
され難く、フィルムの透明性が回復され難いという欠点
があった。また、アミド系滑剤を配合する方法では作業
性を満足することはできなかった。
【0005】本発明は、上記の問題点を克服すべくなさ
れたものであり、二次加工場でデンプン粉等を散布する
ことなく、フィルムの粘着を防止する軟質塩化ビニル系
樹脂フィルムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、フィルム製造後速
やかに、フィルムの粘着防止成分がフィルム表面に凝集
してフィルム同士の粘着を防ぎ、また、水洗または展張
使用することにより透明性が回復する軟質塩化ビニル系
樹脂フィルムを完成するに至った。しかして、本発明の
要旨とするところは、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムに
下記の構造式〔I〕で表されるテレフタル酸誘導体を配
合してなる、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、N≧2,K≧2,M≧0,L≧0
の各々整数を示す。但し、M=L=0は除く) 以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、塩化
ビニル系樹脂として、ポリ塩化ビニルのほか塩化ビニル
を主体とした他のコモノマーとの共重合体、これらの混
合物またはこれらと他の重合体あるいは共重合体との混
合物を用いることができる。本発明の軟質塩化ビニル系
樹脂フィルムは、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり
30〜100重量部の可塑剤を含むものであるが、他に
必要に応じて通常の各種樹脂添加剤、例えば、無滴剤、
滑剤、防霧剤、保温剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料等を配合する
ことができ、これらの添加剤は通常の配合量、例えば、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、10重量部以
下で使用することができる。
【0009】使用しうる可塑剤としては、例えば、ジ−
n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート
等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルイソフタレート等
のイソフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジ
オクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジ−n−ブ
チルマレート等のマレイン酸誘導体、トリ−n−ブチル
シトレート等のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネー
ト等のイタコン酸誘導体、ブチルオレート等のオレイン
酸誘導体、グリセリルモノリシノレート等のリシノール
酸誘導体などがあげられる。
【0010】塩化ビニル系樹脂に可塑剤、各種樹脂添加
剤を混合するには通常の混合技術、例えばリボンブレン
ダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他、
従来から知られている混合機を使用すればよく、塩化ビ
ニル系樹脂混合物をフィルム化するにはTダイ法、イン
フレーション法等の押出成形法、カレンダー成形法、流
延法等の技術を用いることができる。更に、フィルムの
表面をグラビアコート法、リバースコート法等によって
アクリル樹脂等で被覆しても良い。
【0011】本発明で用いるテレフタル酸誘導体は、構
造式〔I〕で表されるものであればよく、製法は、テレ
フタル酸とグリコールとのエステル化による方法、テレ
フタル酸にアルキレンオキサイドを付加させる方法のい
ずれの方法を用いても良い。具体例を表−1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】粘着防止効果の発現は、フィルム製造後に
テレフタル酸誘導体がフィルム表面に凝集することによ
って生じるフィルム表面の微細な凹凸に起因する。これ
ら表面に凝集したテレフタル酸誘導体は白色であるが、
農業用の場合には、ハウス展張後に雨水、またはハウス
内に発生する水滴の流下によって、また、包装用の場合
には水洗により、表面の透明性を回復する。
【0014】アルキレンオキサイドの付加量が多くなる
につれ、テレフタル酸誘導体の水溶性が大きくなり、水
洗時またはハウス展張後の雨水、ハウス内水滴流下によ
る除去効果が大きくなり、速やかに透明性が回復する。
また、アルキレンオキサイドの付加量が少なくなるにつ
れ、テレフタル酸誘導体の融点が高くなり、特に高温負
荷時の作業性が良好となる。また、アルキレンオキサイ
ド部分の分子量が大きくなるにつれ、高温負荷時の作業
性が良好となる傾向がある。
【0015】本テレフタル酸誘導体は、基本配合、特に
可塑剤の種類および配合量や、厚み、使用条件(温度、
湿度等)等を勘案して選定されるが、特に好ましい構造
は、アルキレンオキサイド部分がエチレンオキサイドま
たはプロピレンオキサイドであり、付加量は2量体まで
の化合物である。配合量は塩化ビニル樹脂100重量部
に対し、0.3〜5重量部までの範囲が好ましく、作業
性を重視すると0.7〜5重量部が特に、また、水洗後
の透明性回復のためには0.5〜3重量部がさらに好ま
しい。また、本テレフタル酸誘導体は、数種の混合物と
して用いても良い。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に
限定されるものではない。 実施例1〜6、比較例1〜5
【表2】 軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの製造 ポリ塩化ビニル(重合度=1300) 100重量部 トリクレジルホスフェート 5重量部 エポキシ樹脂 2重量部 Ba−Zn系液状安定剤 2重量部 Ba−Zn系粉末安定剤 1重量部 ソルビタンモノパルミテート 1.5重量部 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 0.1重量部
【0017】以上挙げた樹脂原料、樹脂添加物と表−2
に示す量のジオクチルフタレートと表−2に示す種類と
量のテレフタル酸誘導体を各々秤量し、これらをスーパ
ーミキサーで10分間攪拌混合した後、165℃に加熱
したロール上で混練し、L型カレンダー装置によって、
幅100cm、厚さ0.10mmの透明な軟質塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを製造した。
【0018】得られたフィルムについて、粘着性、表面
凝集物の流出性、表面平滑性の評価を行い、結果を表−
2に示した。 粘着性の評価 製膜1週間後に、ロール状物から、幅40cm×長さ2
00cmのフィルムを切り取り、幅方向に5cm間隔で
つづら折りにし、さらに長さ方向に3等分に折り曲げ、
オーブン内(40℃、60℃)に1.5hr保管し、2
3℃の環境下で、該サンプルを開き、フィルム同士の粘
着性を評価する。なお、評価結果は次の意味を有する。 ○・・・粘着性ほとんど無し △・・・粘着性若干有り ×・・・粘着性著しく有り
【0019】 表面凝集物の流出性の評価(透明性回
復) 製膜1週間後に、ロール状物から、フィルムを切りと
り、天井が20°の傾斜角を有する、温水の入った水槽
の天井部に展張して水槽を密閉した。この水槽全体を恒
温室中に入れ、温水を50℃に保持し、恒温室温度(水
槽の外気温度)を20℃に保持して6時間処理した。次
いでフィルムの表裏を逆にして再び水槽を密閉し、同一
条件で6時間処理した。処理終了後、フィルムをはずし
て乾燥させ、フィルムの透明性を目視で判定した。な
お、評価結果は次の意味を有する。 ○・・・透明性良好 △・・・透明性若干劣る ×・・・透明性劣る
【0020】 表面平滑性の評価 ロール状物から50cm角のフィルムを切りとり、これ
を4つに折って重ね、この上に30kgの荷重をかけ、
40℃に保持した雰囲気下で24時間放置した後、除荷
し、フィルムを水洗し、フィルムの表面を肉眼で観察し
た。なお、評価結果は次の意味を有する。 ○・・・表面は平滑である。 △・・・表面に若干の凹凸が認められる。 ×・・・表面にかなりの凹凸が認められる。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明の軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
は、フィルム製造後に粘着防止成分がフィルム表面に凝
集するため粘着性が無く、また表面凝集物の流出性も良
好であるので、二次加工の際にデンプン粉等を散布しな
くても作業性が良く、また水洗または展張後、フィルム
本来の透明性を回復することができ、包装用または農業
用フィルムとしての利用価値が極めて大きいものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 孝治 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化成ビニル株式会社名古屋工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂に、下記の構造式
    〔I〕で表されるテレフタル酸誘導体を配合してなる軟
    質塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化1】 (式中、N≧2、K≧2、M≧0、L≧0の各々整数を
    示す。但し、M=L=0は除く)
  2. 【請求項2】 構造式〔I〕で表されるテレフタル酸誘
    導体が、 N=2,3、K=2,3、M=0,1,2、L=0,
    1,2(但し、M=L=0は除く)である請求項1記載
    の軟質塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、テレフタル酸誘導体を0.3〜5重量部配合してな
    る請求項1または2記載の軟質塩化ビニル系樹脂フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 農業に用いる請求項1ないし請求項3い
    ずれかの項記載の軟質塩化ビニル系樹脂フィルム。
JP6011056A 1994-02-02 1994-02-02 軟質塩化ビニル系樹脂フィルム Pending JPH07216176A (ja)

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JP6011056A JPH07216176A (ja) 1994-02-02 1994-02-02 軟質塩化ビニル系樹脂フィルム

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234983A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 C I Kasei Co Ltd 農業用ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234983A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 C I Kasei Co Ltd 農業用ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム

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