JPH07215824A - 養毛剤 - Google Patents

養毛剤

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JPH07215824A
JPH07215824A JP2893694A JP2893694A JPH07215824A JP H07215824 A JPH07215824 A JP H07215824A JP 2893694 A JP2893694 A JP 2893694A JP 2893694 A JP2893694 A JP 2893694A JP H07215824 A JPH07215824 A JP H07215824A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、育毛効果、脱毛予防効果に優れた養
毛剤を提供することにある。 【構成】下記一般式 【化1】 (式中R1 およびR2 はそれぞれ独立してハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基を表し、R3 は該1位に分枝鎖
を有する炭素数4〜7のアルキル基を表す。)で表され
るシアノグアニジン誘導体を含有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、育毛効果、脱毛予防効
果に優れた養毛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、トウガラシチンキおよびニコ
チン酸誘導体等の血行促進物質、センブリエキスあるい
は朝鮮ニンジンエキス等の頭皮の毛母細胞の賦活化物質
を配合してなる養毛化粧料が知られている。さらには、
皮脂腺の肥大化の抑制効果をもつ成分や、男性ホルモン
の抑制作用をもつ成分を配合する医療用養毛剤や養毛化
粧料が数多く提案されている。
【0003】しかし、従来より使用されている血行促進
物質は、皮膚刺激が強くその配合量に制限があったり、
血行促進の持続時間が短かいという欠点がある。また、
細胞の賦活化物質も、低濃度では皮膚への浸透性が低
く、かつ単独では効果が充分に発揮されないという問題
点がある。
【0004】ところで、男性型脱毛症は男性ホルモンの
過剰作用が原因の一つと言われているが、血行の不良や
毛母細胞の活性低下、皮脂腺の肥大化、頭皮の線維化等
の現象が複雑に絡みあって生じていると推察されてい
る。
【0005】したがって、男性ホルモンの過剰作用が原
因といわれる皮脂腺の肥大化を抑制するために、単に、
抗男性ホルモン剤等を育毛剤として用いても、育毛作用
を発現するまでには至らないのが現状である。また、毛
母細胞賦活剤や血行促進剤を単独で用いても、良好な成
績は得られない。
【0006】本発明の養毛剤の有効成分として使用する
化合物は、カリウムチャンネル開口作用を有する物質と
して既に開示されているシアノグアニジン誘導体であり
(特開平3−31250号公報)、優れた血管平滑筋の
弛緩作用を持ち血管拡張作用を有することから、高血圧
症等の循環器疾患の治療薬として有用であることが開示
されている。しかし、上記公報には養毛効果に関する記
述は全く無く、本化合物に関する養毛、育毛作用は全く
知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、育毛
効果および脱毛予防効果の優れた養毛剤を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、頭皮の末
梢血流促進及び毛母細胞の賦活化について種々検討した
結果、一般式(I)で表されるシアノグアニジン誘導体
を含有する養毛剤が優れた養毛、育毛効果を発現するこ
とを見いだし本発明を完成した。
【0009】
【化2】
【0010】本発明は、前記一般式(I)で表されるシ
アノグアニジン誘導体を含有することを特徴とする養毛
剤である。本発明にいう養毛剤とは、医療用、非医療用
を問わず、養毛、育毛または/および脱毛予防に使用さ
れるものをいう。したがって、本発明は医療用養毛剤お
よび養毛化粧料を包含する。本発明の養毛剤の有効成分
であるシアノグアニジン誘導体は、公知の物質であり特
開平3−31250号公報記載の方法で容易に製造する
ことができる。
【0011】前記一般式(I)において、R1 およびR
2 はそれぞれ独立してハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基を表わし、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原
子、フッ素原子等が挙げられる。R3 は該1位に分枝鎖
を有する炭素原子数4〜7のアルキル基を表わし、具体
例としてはt−ブチル基、t−ペンチル基、1,1−ジ
メチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、
1,1−ジエチルプロピル基、1,2,2−トリメチル
プロピル基および1,1,2−トリメチルプロピル基等
が挙げられる。本発明の養毛剤の有効成分として好まし
いシアノグアニジン誘導体には、前記一般式(I)にお
いてR1 およびR2 が臭素原子、R1 およびR2 が塩素
原子、あるいはR1 が塩素原子でR2 がシアノ基の各化
合物が挙げられる。本発明の養毛剤の有効成分として使
用される好ましいシアノグアニジン誘導体の具体例とし
ては、N−t−ブチル−N’−シアノ−N’’−(3,
5−ジクロロフェニル)−グアニジン、N−シアノ−
N’−(3,5−ジクロロフェニル)−N’’−(1,
1,2−トリメチルプロピル)グアニジン、N−シアノ
−N’−(3,5−ジクロロフェニル)−N’’−
(1,1−ジエチルプロピル)グアニジン、N−t−ブ
チル−N’−シアノ−N’’−(3,5−ジブロモフェ
ニル)グアニジン、N−シアノ−N’−(3,5−ジブ
ロモフェニル)−N’’−t−ペンチルグアニジン、N
−t−ブチル−N’−(3−クロロ−5−シアノフェニ
ル)−N’’−シアノグアニジン、N−(3−クロロ−
5−シアノフェニル)−N’−シアノ−N’’−t−ペ
ンチルグアニジン、N−(3−クロロ−5−シアノフェ
ニル)−N’−シアノ−N’’−(1,1,2−トリメ
チルプロピル)グアニジン、の各化合物が挙げられる。
また、前記一般式(I)で表されるシアノグアニジン誘
導体には種々の互変異性体が考えられるが、かかる異性
体を含有する養毛剤も本発明の養毛剤に包含される。
【0012】本発明の養毛剤において、前記一般式
(I)のシアノグアニジン誘導体の配合量は、養毛剤総
量を基準として、0.001〜5.0重量%が好まし
く、更に好ましくは0.01〜3.0重量%である。
【0013】本発明の養毛剤は、常法に従って、例えば
ヘアートニック、ヘアーローション、ヘアークリーム、
ヘアーコンディショナー、シャンプー、リンス、ヘアー
ジェル、ヘアーミスト、ヘアーフォーム等の剤型に製造
し、医療用養毛剤あるいは養毛化粧料として使用するこ
とが可能である。本発明の養毛剤は、養毛、育毛または
/および脱毛予防のために、それを目的とする局所(頭
皮)に、その剤型にしたがって塗布または噴霧して適用
される。本発明の養毛剤の1回当たりの適用量は、前記
一般式(I)で示されるシアノグアニジン誘導体換算
で、0.01〜100mgが好ましく、更に好ましくは
0.1〜50mgであり、通常この量を1日1〜2回適用
する。本発明の養毛剤の有効成分〔すなわち、前記一般
式(I)で表されるシアノグアニジン誘導体〕は毛母細
胞の賦活化および末梢血流の促進作用を有し、育毛効果
・脱毛予防効果等に優れるばかりでなく、その毒性が低
いので、本発明養毛剤は効果が高く、しかも安全な養毛
剤として有用である。
【0014】なお、本発明の養毛剤には、色素、香料、
殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗アンドロゲン剤、抗酸
化剤および経皮吸収促進剤等を本発明の目的を達成する
範囲で適宜配合することができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳説する。なお、実施例に示す%とは重量%である。
【0016】また、本発明において使用したマウス毛成
長促進効果試験法、毛乳頭細胞増殖性試験法、末梢血流
促進効果試験および本発明に係わる化合物の合成法は下
記の通りである。
【0017】(1)マウス毛成長促進効果試験法 C3H系マウス(雄・8週齢・平均体重35g )の背部
中央の皮膚を電気バリカンで刈った後、シェーバーによ
り完全に除毛した。翌日より実施例および比較例の各試
料を被験部皮膚に毎日1回、一匹当り0.2ml塗布し
た。一試料に対して動物は一群10匹を使用した。な
お、対照群として基剤単独を塗布した。実験開始後15
日目に動物を屠殺し、被験部皮膚の写真撮影を行った。
つぎに、写真を画像解析装置に取り込み、最初に毛刈り
した面積(A)と、発毛面積(B)を求め、さらに 発毛率(%)=〔(B)/(A)〕×100 を個々の動物について算出した。最後に、実施例または
比較例の各群の平均値を対照群の平均値により除した値
を毛成長促進効果として判定に用いた。
【0018】(2)毛乳頭細胞増殖性試験 ヒト毛乳頭を用いた細胞増殖性試験をMTT法〔MT
T:3−(4,5−ジメチルチアゾイル−2−イル)−
2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド〕により
実施した。ヒト由来の毛乳頭細胞を96穴プレートに2
000cells/well播きし、37℃、24h
r、CO2 インキュベーターで培養を行った。その後培
養液を除去し、試験試料を終濃度で0.01、0.1、
1.0、10.0μg/ml含む培地を200μl 添加した
(各濃度共n=6)。さらに、一定期間(24〜48h
r)37℃、CO2 インキュベーターで培養後、各we
llにMTT試薬50μl(2mg/ml )加え4hr、3
7℃、CO2 インキュベーターにて培養した。つぎに、
培養液を除去しジメチルスルホキシド(DMSO)10
0μl 加えて抽出し、生成したformazanをマイ
クロプレートリーダーによりOD550nmにおける吸光
度を測定した。また、1回の試験について各試料濃度共
n=6として平均値を求め、同じ試験を2〜4回繰り返
し実施した。本発明に係わる化合物の試料をエタノール
で溶解した後培地にて希釈した。このとき、ヒト毛乳頭
細胞は2.0重量%ウシ胎児血清(FCS)含有培地で
希釈して(試料濃度:0.01〜10μg/ml)、エタノ
ール含量は、各濃度とも最終的に1重量%となるように
した。
【0019】(3)末梢血流促進効果試験 SD系ラット(オス、10週齢、350〜380g )を
ウレタン(1.42g/kg)により麻酔した。その後バリ
カンで腹部を毛刈りし、除毛クリームで脱毛した。除毛
クリームを水道水により洗浄した後、体毛をドライヤー
で乾燥させた。つぎに、レーザードップラー血流計(ア
ドバンス社、ALF21D)の非接触型プローブを腹部
2ヶ所に取り付け、血流量が安定するまで約1時間放置
した。その後、15μlの5重量%試料溶液(プロピレ
ングリコール:エタノール:水=15:65:20)お
よび対照溶液をそれぞれ塗布した。この時点より血流量
(単位:ml/min/100g )変化を測定した。試料塗布より
30分ごと300分にわたり皮膚血流量を測定(レンジ
500mV)し、塗布直後の血流量を0として各時間に
おける試料溶液および対照溶液塗布部の血流量を算出し
た。本実験を3匹の動物について同様に実施し、両部位
の血流量の平均値を算出し、末梢血流促進効果について
評価した。
【0020】(4)本発明に係わる化合物の合成法 実施例に使用した本発明に係わる化合物は、特開平3−
31250号公報記載の方法に準じて合成した。すなわ
ち、前記一般式(I)においてR1 およびR2はそれぞ
れ独立したハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基を表
わし、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子および
フッ素原子等であり、R3 は該1位に分枝鎖を有する炭
素数4〜7のアルキル基を表わし、具体例としてはt−
ブチル基、t−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル
基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1−ジエ
チルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基お
よび1,1,2−トリメチルプロピル基の各化合物を合
成し、マウス毛成長促進効果試験に使用した。
【0021】実施例1〜22、比較例1 90%エタノール水溶液に表1および表2に記載の通
り、有効成分を配合した実施例の試料養毛剤および有効
成分無配合の比較養毛剤を調製し、前記の試験法に基づ
きマウス毛成長促進効果試験を実施した。その結果を表
1および表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1および表2に記載の通り、比較例1に
比較して実施例1〜22の本発明の養毛剤は、高い毛成
長促進効果を示した。特に、N−t−ブチル−N’−シ
アノ−N’’−(3,5−ジクロロフェニル)−グアニ
ジン(実施例1)、N−シアノ−N’−(3,5−ジク
ロロフェニル)−N’’−(1,1,2−トリメチルプ
ロピル)グアニジン(実施例3)、N−シアノ−N’−
(3,5−ジクロロフェニル)−N’’−(1,1−ジ
エチルプロピル)グアニジン(実施例6)、N−t−ブ
チル−N’−シアノ−N’’−(3,5−ジブロモフェ
ニル)グアニジン(実施例8)、N−シアノ−N’−
(3,5−ジブロモフェニル)−N’’−t−ペンチル
グアニジン(実施例12)、N−t−ブチル−N’−
(3−クロロ−5−シアノフェニル)−N’’−シアノ
グアニジン(実施例16)、N−(3−クロロ−5−シ
アノフェニル)−N’−シアノ−N’’−t−ペンチル
グアニジン(実施例17)、N−(3−クロロ−5−シ
アノフェニル)−N’−シアノ−N’’−(1,1,2
−トリメチルプロピル)グアニジン(実施例19)、の
各化合物を配合した養毛剤が顕著に高い促進作用を示し
た。なお、いずれの実施例の養毛剤を用いた場合にも、
マウスに炎症その他副作用と考えられる症状は発現せ
ず、本発明の養毛剤は安全性にも優れることが明らかで
あった。
【0025】上記のマウス毛成長促進効果試験において
良好な成績を示した実施例9〜12の有効成分(N−シ
アノ−N’−(3,5−ジブロモフェニル)−N’’−
t−ペンチルグアニジン)に関して、前記試験法に基づ
き毛乳頭細胞増殖性試験を実施した。その結果を表3に
示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3の通り、本発明の養毛剤の有効成分
(N−シアノ−N’−(3,5−ジブロモフェニル)−
N’’−t−ペンチルグアニジン)は、高いヒト毛乳頭
細胞の増殖促進作用を示し、毛乳頭細胞の賦活作用が高
いことが確かめられた。
【0028】さらに、上記のマウス毛成長促進効果試験
において良好な成績を示した実施例9〜12の有効成分
(N−シアノ−N’−(3,5−ジブロモフェニル)−
N’’−t−ペンチルグアニジン)に関して、前記試験
法に基づき末梢血流促進効果試験を実施した。その結果
を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4の通り、本発明に係わる化合物は、皮
膚血流が顕著に促進されたのに対して、対照の試料を含
まない対照溶液では全く血流が促進されなかった。この
結果より明らかなように、本発明に係わる化合物は顕著
な末梢血流促進効果を有することが分かった。
【0031】
【発明の効果】本発明の養毛剤は、頭皮の末梢血流を向
上させ、毛母細胞の賦活化作用を有し、育毛効果、脱毛
予防効果および安全性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 典昭 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 鐘 紡株式会社化粧品研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中R1 およびR2 はそれぞれ独立してハロゲン原
    子、シアノ基、ニトロ基を表わし、R3 は、該1位に分
    枝鎖を有する炭素原子数4〜7のアルキル基を表す。)
    で表されるシアノグアニジン誘導体を含有することを特
    徴とする養毛剤。
  2. 【請求項2】 シアノグアニジン誘導体が一般式(I)
    において、R1 およびR2 が臭素原子の化合物である請
    求項1に記載の養毛剤。
  3. 【請求項3】 シアノグアニジン誘導体が一般式(I)
    において、R1 およびR2 が塩素原子の化合物である請
    求項1に記載の養毛剤。
  4. 【請求項4】 シアノグアニジン誘導体が一般式(I)
    において、R1 が塩素原子でR2 がシアノ基の化合物で
    ある請求項1に記載の養毛剤。
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