JPH07215768A - 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 - Google Patents
窒化ケイ素焼結体及びその製造方法Info
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- JPH07215768A JPH07215768A JP6033288A JP3328894A JPH07215768A JP H07215768 A JPH07215768 A JP H07215768A JP 6033288 A JP6033288 A JP 6033288A JP 3328894 A JP3328894 A JP 3328894A JP H07215768 A JPH07215768 A JP H07215768A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、低純度で安価なSi粉末から高強
度のSi3 N4 焼結体を得ることである。 【構成】 本発明による窒化ケイ素焼結体は、安価なS
i粉末を用い、該Si粉末、Si3 N4 粉末にY
2 O3 ,Al2 O3 粉末の助剤を配合し、助剤の配合比
を総重量に対して6.6〜12.0%に設定したもので
ある。Si粉末を用いることにより、材料費、製造コス
トを低減でき、1回目の反応焼成をした後、2回目の熱
処理工程を経ることによってSi3 N4 焼結体は機械的
強度が高強度になる。
度のSi3 N4 焼結体を得ることである。 【構成】 本発明による窒化ケイ素焼結体は、安価なS
i粉末を用い、該Si粉末、Si3 N4 粉末にY
2 O3 ,Al2 O3 粉末の助剤を配合し、助剤の配合比
を総重量に対して6.6〜12.0%に設定したもので
ある。Si粉末を用いることにより、材料費、製造コス
トを低減でき、1回目の反応焼成をした後、2回目の熱
処理工程を経ることによってSi3 N4 焼結体は機械的
強度が高強度になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、窒化ケイ素焼結体及
びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素は、Si粉末を反応焼
結することによって作製されているが、通常、その機械
的強度は低く、しかもその熱膨張係数はほぼ2〜3×1
0- 6/℃程度である。そして、従来、窒化ケイ素焼結
体としては、特開昭63−89462号公報、特開昭6
3−144169号公報、特開昭64−52678号公
報、特開平2−267168号公報に開示されたものが
ある。
結することによって作製されているが、通常、その機械
的強度は低く、しかもその熱膨張係数はほぼ2〜3×1
0- 6/℃程度である。そして、従来、窒化ケイ素焼結
体としては、特開昭63−89462号公報、特開昭6
3−144169号公報、特開昭64−52678号公
報、特開平2−267168号公報に開示されたものが
ある。
【0003】特開昭63−89462号公報に開示され
た窒化珪素質焼結体の製造方法は、珪素粉末に周期律表
第2a族、第3a族、Zr,Alからなる群から選択す
る少なくとも1種の元素の酸化物及び/又は酸化物前駆
物質を添加混合して原料混合粉末を得、該原料混合粉末
から成る成形体を10気圧以上の窒素雰囲気下で100
0〜1500℃の範囲の温度で処理し、次いで1気圧以
上の窒素ガス雰囲気下で1600〜2200℃の範囲の
温度で処理したものである。
た窒化珪素質焼結体の製造方法は、珪素粉末に周期律表
第2a族、第3a族、Zr,Alからなる群から選択す
る少なくとも1種の元素の酸化物及び/又は酸化物前駆
物質を添加混合して原料混合粉末を得、該原料混合粉末
から成る成形体を10気圧以上の窒素雰囲気下で100
0〜1500℃の範囲の温度で処理し、次いで1気圧以
上の窒素ガス雰囲気下で1600〜2200℃の範囲の
温度で処理したものである。
【0004】また、特開昭63−144169号公報に
開示されたセラミック反応焼結体は、セラミック反応焼
結体の基部と一体的に焼結された無気孔を形成する酸化
物系焼結助剤を含浸したセラミックス反応焼結体よりな
る表層とで構成されているものである。
開示されたセラミック反応焼結体は、セラミック反応焼
結体の基部と一体的に焼結された無気孔を形成する酸化
物系焼結助剤を含浸したセラミックス反応焼結体よりな
る表層とで構成されているものである。
【0005】特開昭64−52678号公報に開示され
た窒化珪素質焼結体の製造方法は、窒化珪素粉末40乃
至80wt%、シリコン粉末20乃至45wt%及び周
期律表第3a族元素化合物0.5乃至15wt%の割合
から成る混合物を主成分とする混合粉末を成形後、該成
形体を2乃至10気圧の窒素ガス加圧下で1150乃至
1400℃の温度で焼成してシリコンを窒化させた後、
1700乃至2100℃の窒素雰囲気で再焼成し、高密
度化したものである。
た窒化珪素質焼結体の製造方法は、窒化珪素粉末40乃
至80wt%、シリコン粉末20乃至45wt%及び周
期律表第3a族元素化合物0.5乃至15wt%の割合
から成る混合物を主成分とする混合粉末を成形後、該成
形体を2乃至10気圧の窒素ガス加圧下で1150乃至
1400℃の温度で焼成してシリコンを窒化させた後、
1700乃至2100℃の窒素雰囲気で再焼成し、高密
度化したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、窒化ケイ素
の製造方法として、Si,Al2 O3 ,Y2 O3 を主原
料とし、これに極微量のFeを添加して反応焼結後、低
圧焼成の二段焼成することによって組織を相対密度96
%程度に緻密化できるという報告がある。しかしなが
ら、窒化ケイ素の組織を緻密化において相対密度96%
程度の場合には、窒化ケイ素焼結体として高い強度は期
待できないものである。
の製造方法として、Si,Al2 O3 ,Y2 O3 を主原
料とし、これに極微量のFeを添加して反応焼結後、低
圧焼成の二段焼成することによって組織を相対密度96
%程度に緻密化できるという報告がある。しかしなが
ら、窒化ケイ素の組織を緻密化において相対密度96%
程度の場合には、窒化ケイ素焼結体として高い強度は期
待できないものである。
【0007】また、従来の窒化ケイ素焼結体として、エ
ンジンにおけるピストンピンのような高い曲げ強さと高
い熱膨張が要求される部材に適用するには、強度及び熱
膨張係数の点から不適当である。更に、従来のように、
Si粉末を反応焼結して作製した窒化ケイ素は、粒子の
サイズがμmオーダであり、しかもSiの純度の高い高
級なSi粉末を使用しているのが現状である。
ンジンにおけるピストンピンのような高い曲げ強さと高
い熱膨張が要求される部材に適用するには、強度及び熱
膨張係数の点から不適当である。更に、従来のように、
Si粉末を反応焼結して作製した窒化ケイ素は、粒子の
サイズがμmオーダであり、しかもSiの純度の高い高
級なSi粉末を使用しているのが現状である。
【0008】そこで、この発明の目的は、上記の問題を
解決するため、高い機械的強度を有する窒化ケイ素焼結
体を、高純度でない安価なSi粉末、或いは特定量の低
級な即ち低純度のSi3 N4 粉末、並びにAl2 O3 ,
Y2 O3 粉末からなる混合粉末によって成形体を作製
し、該成形体を反応焼結した後、低圧焼成して高強度の
焼結体を低コストで製造することができる窒化ケイ素焼
結体及びその製造方法を提供することである。
解決するため、高い機械的強度を有する窒化ケイ素焼結
体を、高純度でない安価なSi粉末、或いは特定量の低
級な即ち低純度のSi3 N4 粉末、並びにAl2 O3 ,
Y2 O3 粉末からなる混合粉末によって成形体を作製
し、該成形体を反応焼結した後、低圧焼成して高強度の
焼結体を低コストで製造することができる窒化ケイ素焼
結体及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、少なくともSi,N,Al,O,Yの全て
の元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,Al
2 O3 ,Y2 O3 として重量換算し、それらの重量割合
をx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し且つw/z1 が1以上
の組成であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体に関す
る。また、この窒化ケイ素焼結体において、Si,N,
Al,O,Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物
に換算して、少なくとも1wt%以上含まれているもの
である。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、少なくともSi,N,Al,O,Yの全て
の元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,Al
2 O3 ,Y2 O3 として重量換算し、それらの重量割合
をx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し且つw/z1 が1以上
の組成であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体に関す
る。また、この窒化ケイ素焼結体において、Si,N,
Al,O,Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物
に換算して、少なくとも1wt%以上含まれているもの
である。
【0010】又は、この発明は、少なくともSi,N,
Al,O,Yの全ての元素を含み、それらの元素をS
i,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3 として
重量換算し、それらの重量割合をx,y,z1 ,z2 ,
w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成であることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体に関する。また、この窒化
ケイ素焼結体において、Si,N,Al,O,Yの元素
以外の元素を含み、それらを酸化物に換算して、少なく
とも1wt%以上含まれているものである。
Al,O,Yの全ての元素を含み、それらの元素をS
i,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3 として
重量換算し、それらの重量割合をx,y,z1 ,z2 ,
w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成であることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体に関する。また、この窒化
ケイ素焼結体において、Si,N,Al,O,Yの元素
以外の元素を含み、それらを酸化物に換算して、少なく
とも1wt%以上含まれているものである。
【0011】或いは、この発明は、Si,Si3 N4 ,
Al2 O3 ,Y2 O3 から構成され、それぞれの配合比
を重量換算でx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0 の式を満足し、且つw/zが1以上である組成の混合粉
末から成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒
素雰囲気中で加熱することにより、SiをSi3N4 に
転化させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化さ
せたことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法に関
する。また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法におい
て、上記Siが純度98.5%以下である。
Al2 O3 ,Y2 O3 から構成され、それぞれの配合比
を重量換算でx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0 の式を満足し、且つw/zが1以上である組成の混合粉
末から成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒
素雰囲気中で加熱することにより、SiをSi3N4 に
転化させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化さ
せたことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法に関
する。また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法におい
て、上記Siが純度98.5%以下である。
【0012】又は、この発明は、Si,Si3 N4 ,A
l2 O3 ,AlN,Y2 O3 から構成され、それぞれの
配合比を重量換算でx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)
とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成の混合粉末か
ら成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒素雰
囲気中で加熱することにより、SiをSi3 N4に転化
させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化させた
ことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法に関す
る。また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法において、
上記Siが純度98.5%以下である。
l2 O3 ,AlN,Y2 O3 から構成され、それぞれの
配合比を重量換算でx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)
とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成の混合粉末か
ら成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒素雰
囲気中で加熱することにより、SiをSi3 N4に転化
させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化させた
ことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法に関す
る。また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法において、
上記Siが純度98.5%以下である。
【0013】
【作用】この発明による窒化ケイ素焼結体及びその製造
方法は、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、この発明は、焼結体には若干の気孔が残留
しているが、気孔のサイズは5μm以下であり、十分な
強度を得ることができ、しかも低コストでSi3 N4 焼
結体を得ることができる。また、この窒化ケイ素焼結体
は、反応焼結後に、低圧焼成すれば、一層高強度の焼結
体を得ることができる。
方法は、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、この発明は、焼結体には若干の気孔が残留
しているが、気孔のサイズは5μm以下であり、十分な
強度を得ることができ、しかも低コストでSi3 N4 焼
結体を得ることができる。また、この窒化ケイ素焼結体
は、反応焼結後に、低圧焼成すれば、一層高強度の焼結
体を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明による窒化ケイ素焼結体及び
その製造方法の実施例を説明する。まず、この発明によ
るSi3 N4 焼結体の一実施例について説明する。この
窒化ケイ素焼結体は、少なくともSi,N,Al,O,
Yの全ての元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N
4 ,Al2 O3 ,Y2 O3 として重量換算し、それらの
重量割合をx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し且つw/z1 が1以上
の組成であり、その組成の混合粉末を焼結して作製され
ている。また、この窒化ケイ素焼結体は、Si,N,A
l,O,Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物に
換算して、少なくとも1wt%以上含まれている。
その製造方法の実施例を説明する。まず、この発明によ
るSi3 N4 焼結体の一実施例について説明する。この
窒化ケイ素焼結体は、少なくともSi,N,Al,O,
Yの全ての元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N
4 ,Al2 O3 ,Y2 O3 として重量換算し、それらの
重量割合をx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し且つw/z1 が1以上
の組成であり、その組成の混合粉末を焼結して作製され
ている。また、この窒化ケイ素焼結体は、Si,N,A
l,O,Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物に
換算して、少なくとも1wt%以上含まれている。
【0015】また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法
は、主として、Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,Y2 O
3 から構成され、それぞれの配合比を重量換算でx,
y,z1,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し、且つw/z1 が1以
上である組成の混合粉末から成形体を作製し、該成形体
を1500℃以下の窒素雰囲気中で加熱してSiをSi
3 N4 に転化させ、次いで、1700℃以上で加熱して
緻密化させたものである。
は、主として、Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,Y2 O
3 から構成され、それぞれの配合比を重量換算でx,
y,z1,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し、且つw/z1 が1以
上である組成の混合粉末から成形体を作製し、該成形体
を1500℃以下の窒素雰囲気中で加熱してSiをSi
3 N4 に転化させ、次いで、1700℃以上で加熱して
緻密化させたものである。
【0016】上記式の根拠について、SiがSi3 N4
に転化した場合には、Siの比重を2.33とし、Si
3 N4 の比重を3.21とすると、重量は1.38倍に
なる。従って、上記式は、高強度のSi3 N4 を得るに
は、Si3 N4 と助剤との総重量に対して、助剤の重量
割合が、6.5〜12.0%の範囲になければならない
ことを示している。
に転化した場合には、Siの比重を2.33とし、Si
3 N4 の比重を3.21とすると、重量は1.38倍に
なる。従って、上記式は、高強度のSi3 N4 を得るに
は、Si3 N4 と助剤との総重量に対して、助剤の重量
割合が、6.5〜12.0%の範囲になければならない
ことを示している。
【0017】この窒化ケイ素焼結体の製造方法の一実施
例において、純度98.5%で、平均粒径15μmを有
するSi粉末、平均粒径2μmのSi3 N4 粉末及びA
l2O3 粉末、Y2 O3 粉末を上記の式を満足するよう
に所定量秤量して原料粉末を作った。これらの原料粉末
の配合については、低コスト(例えば、kgあたり、1
000円程度)になるように配合した。原料粉末をボー
ルミルで混合した後、混合物を造粒処理して粒状物を作
製し、粒状物を成形して成形体を作製した。成形体を脱
脂処理を行った後、該成形体を0.93MPaの窒素雰
囲気中で1500℃以下で反応焼成し、SiをSi3 N
4 に転化された。その後に、焼成したSi3 N4 を窒素
雰囲気中で1700℃の高温まで加熱して低圧焼結を行
ってSi3 N4 焼結体を得た。これらのSi3 N4 焼結
体について、4点曲げ平均強度(MPa)と相対密度を
測定した結果を表1に示す。
例において、純度98.5%で、平均粒径15μmを有
するSi粉末、平均粒径2μmのSi3 N4 粉末及びA
l2O3 粉末、Y2 O3 粉末を上記の式を満足するよう
に所定量秤量して原料粉末を作った。これらの原料粉末
の配合については、低コスト(例えば、kgあたり、1
000円程度)になるように配合した。原料粉末をボー
ルミルで混合した後、混合物を造粒処理して粒状物を作
製し、粒状物を成形して成形体を作製した。成形体を脱
脂処理を行った後、該成形体を0.93MPaの窒素雰
囲気中で1500℃以下で反応焼成し、SiをSi3 N
4 に転化された。その後に、焼成したSi3 N4 を窒素
雰囲気中で1700℃の高温まで加熱して低圧焼結を行
ってSi3 N4 焼結体を得た。これらのSi3 N4 焼結
体について、4点曲げ平均強度(MPa)と相対密度を
測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0018】表1から分かるように、相対密度が96%
以下の場合には、Si3 N4 焼結体の十分な高強度を期
待できないことが分かる。また、Al2 O3 とY2 O3
との助剤の重量割合が、6.5〜12.0%の範囲にな
ければ、Si3 N4 焼結体の十分な高強度を期待できな
いことが分かる。
以下の場合には、Si3 N4 焼結体の十分な高強度を期
待できないことが分かる。また、Al2 O3 とY2 O3
との助剤の重量割合が、6.5〜12.0%の範囲にな
ければ、Si3 N4 焼結体の十分な高強度を期待できな
いことが分かる。
【0019】次に、この発明によるSi3 N4 焼結体の
別の実施例について説明する。この窒化ケイ素焼結体
は、少なくともSi,N,Al,O,Yの全ての元素を
含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,Al2 O3 ,
AlN,Y2 O3 として重量換算し、それらの重量割合
をx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成であり、その
組成の混合粉末を焼結して作製されているものである。
また、この窒化ケイ素焼結体は、Si,N,Al,O,
Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物に換算し
て、少なくとも1wt%以上含まれている。
別の実施例について説明する。この窒化ケイ素焼結体
は、少なくともSi,N,Al,O,Yの全ての元素を
含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,Al2 O3 ,
AlN,Y2 O3 として重量換算し、それらの重量割合
をx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成であり、その
組成の混合粉末を焼結して作製されているものである。
また、この窒化ケイ素焼結体は、Si,N,Al,O,
Yの元素以外の元素を含み、それらを酸化物に換算し
て、少なくとも1wt%以上含まれている。
【0020】また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法
は、Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3
から構成され、それぞれの配合比を重量換算でx,y,
z1 ,z2 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成の混合粉末か
ら成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒素雰
囲気中で加熱することにより、SiをSi3 N4に転化
させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化させた
ものである。
は、Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3
から構成され、それぞれの配合比を重量換算でx,y,
z1 ,z2 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成の混合粉末か
ら成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒素雰
囲気中で加熱することにより、SiをSi3 N4に転化
させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化させた
ものである。
【0021】この窒化ケイ素焼結体の製造方法の別の実
施例において、純度98.5%のSi粉末、平均粒径2
μmのSi3 N4 粉末、及びAl2 O3 粉末、AlN粉
末、Y2 O3 粉末を上記の式を満足するように所定量秤
量して原料粉末を作った。これらの原料粉末の配合につ
いては、低コスト(例えば、kgあたり、1000円程
度)になるように配合した。原料粉末をボールミルで混
合した後、混合物を造粒処理して粒状物を作製し、粒状
物を成形して成形体を作製した。成形体を脱脂処理を行
った後、該成形体を0.93MPaの窒素雰囲気中で1
500℃以下で反応焼成し、SiをSi3 N4 に転化さ
れた。その後に、焼成したSi3 N4 を窒素雰囲気中で
1700℃の高温まで加熱して低圧焼結を行ってSi3
N4 焼結体を得た。
施例において、純度98.5%のSi粉末、平均粒径2
μmのSi3 N4 粉末、及びAl2 O3 粉末、AlN粉
末、Y2 O3 粉末を上記の式を満足するように所定量秤
量して原料粉末を作った。これらの原料粉末の配合につ
いては、低コスト(例えば、kgあたり、1000円程
度)になるように配合した。原料粉末をボールミルで混
合した後、混合物を造粒処理して粒状物を作製し、粒状
物を成形して成形体を作製した。成形体を脱脂処理を行
った後、該成形体を0.93MPaの窒素雰囲気中で1
500℃以下で反応焼成し、SiをSi3 N4 に転化さ
れた。その後に、焼成したSi3 N4 を窒素雰囲気中で
1700℃の高温まで加熱して低圧焼結を行ってSi3
N4 焼結体を得た。
【0022】これらのSi3 N4 焼結体について、4点
曲げ平均強度(MPa)と相対密度を測定した結果、S
i,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3 の配合
比を重量換算でx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とし
た時に、上記式の条件を満足することが必要なことが分
かった。この時、Siの純度が99%以下であること
が、低コストでSi3 N4 焼結体を得ることができる。
曲げ平均強度(MPa)と相対密度を測定した結果、S
i,Si3 N4 ,Al2 O3 ,AlN,Y2 O3 の配合
比を重量換算でx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とし
た時に、上記式の条件を満足することが必要なことが分
かった。この時、Siの純度が99%以下であること
が、低コストでSi3 N4 焼結体を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】この発明による窒化ケイ素焼結体及びそ
の製造方法は、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、低純
度のSi粉末及びSi3 N4 粉末を使用したので、低コ
ストでSi3 N4 焼結体を得ることができる。また、助
剤として、Y2 O3 とAl2 O3 、或いは、Y2 O3 、
Al2 O3 及びAlNの重量を、総重量に対して6.5
〜12.0%の範囲で配合しているので、相対密度をア
ップでき、高強度のSi3 N4 焼結体を得ることができ
る。そして、Si粉末を用いることができ、材料費、製
造コストを低減することができる。また、混合物からな
る成形体の1回目の反応焼結では、熱収縮が小さく、ま
た、焼成体の2回目の熱処理工程では、焼成体の気孔の
大きさや気孔分布の不均一さを低減することができ、特
に、焼結体を高強度に構成することができる。
の製造方法は、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、低純
度のSi粉末及びSi3 N4 粉末を使用したので、低コ
ストでSi3 N4 焼結体を得ることができる。また、助
剤として、Y2 O3 とAl2 O3 、或いは、Y2 O3 、
Al2 O3 及びAlNの重量を、総重量に対して6.5
〜12.0%の範囲で配合しているので、相対密度をア
ップでき、高強度のSi3 N4 焼結体を得ることができ
る。そして、Si粉末を用いることができ、材料費、製
造コストを低減することができる。また、混合物からな
る成形体の1回目の反応焼結では、熱収縮が小さく、ま
た、焼成体の2回目の熱処理工程では、焼成体の気孔の
大きさや気孔分布の不均一さを低減することができ、特
に、焼結体を高強度に構成することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくともSi,N,Al,O,Yの全
ての元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,A
l2 O3 ,Y2 O3 として重量換算し、それらの重量割
合をx,y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0の式を満足し且つw/z1 が1以上
の組成であることを特徴とする窒化ケイ素焼結体。 - 【請求項2】 少なくともSi,N,Al,O,Yの全
ての元素を含み、それらの元素をSi,Si3 N4 ,A
l2 O3 ,AlN,Y2 O3 として重量換算し、それら
の重量割合をx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とした
時に、 6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成であることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体。 - 【請求項3】 Si,N,Al,O,Yの元素以外の元
素を含み、それらを酸化物に換算して、少なくとも1w
t%以上含まれていることを特徴とする請求項1及び2
のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結体。 - 【請求項4】 Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,Y2 O
3 から構成され、それぞれの配合比を重量換算でx,
y,z1 ,w(wt%)とした時に、 6.5≦(z1 +w)×100/(1.38x+y+z
1 +w)≦12.0 の式を満足し、且つw/zが1以上である組成の混合粉
末から成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒
素雰囲気中で加熱することにより、SiをSi3N4 に
転化させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化さ
せたことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 Si,Si3 N4 ,Al2 O3 ,Al
N,Y2 O3 から構成され、それぞれの配合比を重量換
算でx,y,z1 ,z2 ,w(wt%)とした時に、
6.5≦(Z+w)×100/(1.38x+y+Z+
w)≦12.0 但し、Z=z1 +z2 の式を満足する組成の混合粉末か
ら成形体を作製し、該成形体を1500℃以下の窒素雰
囲気中で加熱することにより、SiをSi3 N4に転化
させ、次いで、1700℃以上で加熱して緻密化させた
ことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項6】 上記Siが純度98.5%以下であるこ
とを特徴とする請求項4及び5のいずれかに記載の窒化
ケイ素焼結体の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6033288A JPH07215768A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
EP19950101096 EP0666246B1 (en) | 1994-02-07 | 1995-01-27 | Silicon nitride based sintered product |
DE1995601970 DE69501970T2 (de) | 1994-02-07 | 1995-01-27 | Sinterprodukt auf Siliciumnitridbasis |
US08/384,981 US5591687A (en) | 1994-02-07 | 1995-02-07 | Silicon nitride based sintered product |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6033288A JPH07215768A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215768A true JPH07215768A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=12382356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6033288A Pending JPH07215768A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07215768A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7588628B2 (en) | 2002-08-28 | 2009-09-15 | Noritake Co., Limited | Microporous ceramic materials |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP6033288A patent/JPH07215768A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7588628B2 (en) | 2002-08-28 | 2009-09-15 | Noritake Co., Limited | Microporous ceramic materials |
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