JPH072115B2 - L―アミノ酸の製造法 - Google Patents
L―アミノ酸の製造法Info
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- JPH072115B2 JPH072115B2 JP16753586A JP16753586A JPH072115B2 JP H072115 B2 JPH072115 B2 JP H072115B2 JP 16753586 A JP16753586 A JP 16753586A JP 16753586 A JP16753586 A JP 16753586A JP H072115 B2 JPH072115 B2 JP H072115B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微生物を用いて5-置換ヒダントインから相当
するL−アミノ酸を製造する方法に関する。
するL−アミノ酸を製造する方法に関する。
従来、微生物を用いて5-置換ヒダントインからL-アミノ
酸を製造する方法としては、フラボバクテリウム属菌株
を用いたL-フェニルアラニンまたはL-トリプトファンの
製法(特公昭54-2274、特公昭54-8749)あるいはアリス
ロバクター属菌株を用いたL-フェニルアラニン,L-トリ
プトファンまたはL-チロシンの製法(特開昭60-21488
9)が知られている。このような芳香族系のL-アミノ酸
については5-置換ヒダントインからの製法が種々検討さ
れているが、脂肪族系のL-アミノ酸を5-置換ヒダントイ
ンから製造する方法については、いくつか報告があるも
のの(特公昭42-13850,農化第43巻第8号528頁,1969
年)、いずれも収率が低く実用的でない。また、5-置換
ヒダントインからのN-カルバミル‐L-アミノ酸の製法に
ついては従来知られていない。
酸を製造する方法としては、フラボバクテリウム属菌株
を用いたL-フェニルアラニンまたはL-トリプトファンの
製法(特公昭54-2274、特公昭54-8749)あるいはアリス
ロバクター属菌株を用いたL-フェニルアラニン,L-トリ
プトファンまたはL-チロシンの製法(特開昭60-21488
9)が知られている。このような芳香族系のL-アミノ酸
については5-置換ヒダントインからの製法が種々検討さ
れているが、脂肪族系のL-アミノ酸を5-置換ヒダントイ
ンから製造する方法については、いくつか報告があるも
のの(特公昭42-13850,農化第43巻第8号528頁,1969
年)、いずれも収率が低く実用的でない。また、5-置換
ヒダントインからのN-カルバミル‐L-アミノ酸の製法に
ついては従来知られていない。
N-カルバミルアミノ酸からのL-アミノ酸の製法としては
各種微生物を用いたL-メチオニンの製法(特公昭55-296
78)シュードモナス属菌株を用いたL-フェニルアラニ
ン,L-トリプトファン,L-チロシン,L-セリン,L-グルタミ
ン酸,L-バリン,L-イソロイシンまたはL-ヒスチジンの製
法(特開昭61-9292)あるいはアリスロバクター属菌株
によるL-フェニルアラニン,L-トリプトファンまたはL-
チロシンの製法(特開昭61-9293)が知られている。し
かし、その他のL-アミノ酸についてはN-カルバミルアミ
ン酸からの製法は知られていない。
各種微生物を用いたL-メチオニンの製法(特公昭55-296
78)シュードモナス属菌株を用いたL-フェニルアラニ
ン,L-トリプトファン,L-チロシン,L-セリン,L-グルタミ
ン酸,L-バリン,L-イソロイシンまたはL-ヒスチジンの製
法(特開昭61-9292)あるいはアリスロバクター属菌株
によるL-フェニルアラニン,L-トリプトファンまたはL-
チロシンの製法(特開昭61-9293)が知られている。し
かし、その他のL-アミノ酸についてはN-カルバミルアミ
ン酸からの製法は知られていない。
本発明の目的は、5-置換ヒダントインから直接L-バリ
ン,L-ロイシン,L-メチオニン,L-フェニルアラニン,L-ア
ラニンまたはL-シアノエチルグリシンを製造する方法を
提供することにある。
ン,L-ロイシン,L-メチオニン,L-フェニルアラニン,L-ア
ラニンまたはL-シアノエチルグリシンを製造する方法を
提供することにある。
本発明者らは上記の問題点を解決するために種種検討を
行なった結果、L体、D体またはDL体の5-置換ヒダント
インから相当するL-アミノ酸あるいはN-カルバミル‐L-
アミノ酸、またL体またはDL体のN-カルバミルアミノ酸
からL-アミノ酸を効率良く生産するバチルス属菌株を新
たに分離した。本発明に使用する微生物には以下のもの
がある。
行なった結果、L体、D体またはDL体の5-置換ヒダント
インから相当するL-アミノ酸あるいはN-カルバミル‐L-
アミノ酸、またL体またはDL体のN-カルバミルアミノ酸
からL-アミノ酸を効率良く生産するバチルス属菌株を新
たに分離した。本発明に使用する微生物には以下のもの
がある。
上記微生物AJ 12299(FETM P-8837)は、下記の菌学的
性質を有している。
性質を有している。
(a)形態 1)細胞の形および大きさ: 桿菌、0.7〜0.9×2〜4μm 2)細胞の多形成の有無:なし 3)運動性の有無、鞭毛の着生状態:あり、周鞭毛 4)胞子の有無、形状、大きさ、部位: あり、卵円形、0.3×0.5×0.4〜0.6μm、 中立〜準端立胞子のうは膨張する。
5)グラム染色性:陽性 6)抗酸性:陰性 (b)各培地における生育状態 1)肉汁寒天平板培養: 中程度の生育、不規則状、扁平状、波状〜裂片状、バフ
色、半透明、バター質、水溶性色素生成しない。
色、半透明、バター質、水溶性色素生成しない。
2)肉汁寒天斜面培養 中程度の生育、拡布状、台状、鈍光、バフ色。
3)肉汁液体培養: かすかに濁る。均一、菌膜形成しない。沈澱はない。
4)肉汁ゼラチン穿刺培養: 層状に液化する。液化の程度は弱い。
5)リトマス・ミルク: アルカリ性になる。ペプトン化する。リトマスは還元さ
れない。
れない。
(c)生理学的性質 1)硝酸塩の還元:陽性 2)脱窒化反応:陰性 3)MRテスト:陰性 4)VPテスト:陰性 5)インドールの生成:陰性 6)硫化水素の生成:陰性 7)デンプンの加水分解:分解しない 8)クエン酸の利用: Koser培地で利用しない。
Christensen培地で利用する。
9)無機窒素源の利用: 硝酸塩を利用する アンモニウム塩を利用する。
10)色素の生成:生成しない 11)ウレアーゼ:極めて弱く生成する 12)オキシダーゼ:陽性 13)カタラーゼ:陽性 14)生育の範囲: 温度40°で生育するが45℃では生育しない。
pH7〜9 15)酸素に対する態度: 16)O−Fテスト(Hugh & Leifson法による): O,F 17)糖類から酸およびガスの生成の有無 酸の生成 ガスの生成 L-アラビノース − − D-キシロース − − D-グルコース − − D-マンノース − − D-フラクトース + − 酸の生成 ガスの生成 D-ガラクトース − − 麦芽糖 − − ショ糖 − − 乳糖 − − トレハロース − − D-ソルビット − − D-マンニット − − イノシット − − グリセリン − − デンプン − − 18)Ayev′s培地に於ける糖類から酸の生成 L-アラビノース − D-キシロース + D-グルコース + D-マンニット + トレハロース + 19)馬尿酸の分解:陰性 20)プロピオン酸の利用:陰性 21)食塩の耐性: 3%では生育するが5%では生育しない。
以上の菌学的性質を、バージェイ式分類〔Bergey′s Ma
nnual of Systematic Bacteriology,Volume 2(198
6)参照〕に基づいて検索した結果、上記AJ-12299菌株
はバチルス・ブレビス(Bacillusbrevis Migula 190
0)に該当するものと同定した。5-置換ヒダントインあ
るいはN-カルバミルアミノ酸からのL-アミノ酸の製造に
おいて、5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミ
ノ酸に本微生物を作用せしめる方法は、本微生物を5-置
換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸を含む培
地中に培養してもよいし、また本微生物の菌体または菌
体処理物を水溶液中で5-置換ヒダントインあるいはN-カ
ルバミルアミノ酸に接触せしめてもよい。
nnual of Systematic Bacteriology,Volume 2(198
6)参照〕に基づいて検索した結果、上記AJ-12299菌株
はバチルス・ブレビス(Bacillusbrevis Migula 190
0)に該当するものと同定した。5-置換ヒダントインあ
るいはN-カルバミルアミノ酸からのL-アミノ酸の製造に
おいて、5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミ
ノ酸に本微生物を作用せしめる方法は、本微生物を5-置
換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸を含む培
地中に培養してもよいし、また本微生物の菌体または菌
体処理物を水溶液中で5-置換ヒダントインあるいはN-カ
ルバミルアミノ酸に接触せしめてもよい。
本微生物を培養することにより5-置換ヒダントインある
いはN-カルバミルアミノ酸をL-アミノ酸に変換せしめる
方法としては培養当初より5-置換ヒダントインあるいは
N-カルバミルアミノ酸を含有する培地に本発明の微生物
を培養してもよいし、また培養途中に5-置換ヒダントイ
ンあるいはN-カルバミルアミノ酸を培地に添加してもよ
い。
いはN-カルバミルアミノ酸をL-アミノ酸に変換せしめる
方法としては培養当初より5-置換ヒダントインあるいは
N-カルバミルアミノ酸を含有する培地に本発明の微生物
を培養してもよいし、また培養途中に5-置換ヒダントイ
ンあるいはN-カルバミルアミノ酸を培地に添加してもよ
い。
本微生物の培養のために用いられる培地は5-置換ヒダン
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸を含むほかは通常
の炭素源,窒素源,無機イオン更に必要ならば有機栄養
源を含む通常の培地である。
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸を含むほかは通常
の炭素源,窒素源,無機イオン更に必要ならば有機栄養
源を含む通常の培地である。
炭素源としては、グルコース等の炭化水素、グリセロー
ル等のアルコール類、有機酸その他が適宜使用される。
窒素源としては、アンモニアガス、アンモニア水、アン
モニウム塩、その他が用いられる。無機イオンとして
は、マグネシウムイオン、燐酸イオン、カリウムイオ
ン、鉄イオン、マンガンイオン、その他が必要に応じ適
宜使用される。有機栄養源としては、ビタミン、アミノ
酸等及びこれらを含有する酵母エキス、ペプトン、肉エ
キス、コーンスティープリカー、カゼイン分解物その他
が適宜用いられる。
ル等のアルコール類、有機酸その他が適宜使用される。
窒素源としては、アンモニアガス、アンモニア水、アン
モニウム塩、その他が用いられる。無機イオンとして
は、マグネシウムイオン、燐酸イオン、カリウムイオ
ン、鉄イオン、マンガンイオン、その他が必要に応じ適
宜使用される。有機栄養源としては、ビタミン、アミノ
酸等及びこれらを含有する酵母エキス、ペプトン、肉エ
キス、コーンスティープリカー、カゼイン分解物その他
が適宜用いられる。
培養は好気的条件下に、pH5ないし8、温度25ないし40
℃の適当な範囲に制御しつつ行えば望ましい結果が得ら
れる。
℃の適当な範囲に制御しつつ行えば望ましい結果が得ら
れる。
かくして1ないし10日間も培養を行えば、5-置換ヒダン
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸はL-アミノ酸のみ
に効率よく変換される。
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸はL-アミノ酸のみ
に効率よく変換される。
一方、本微生物の菌体または菌体の処理物を、水溶液中
にて5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸
と接触せしめて作用せしめる場合には、5-置換ヒダント
インあるいはN-カルバミルアミノ酸と菌体または菌体の
処理物を溶解またはけん濁した水溶液を温度10〜70℃、
好ましくは20〜50℃、pH5〜11、好ましくは6.5〜9に保
ちつつ暫時静置または撹拌すればよい。5-置換ヒダント
インあいはN-カルバミルアミノ酸の濃度は0.1〜30%、
好ましくは0.5〜10%であり、必要ならば5-置換ヒダン
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸は反応の間追補添
加される。
にて5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸
と接触せしめて作用せしめる場合には、5-置換ヒダント
インあるいはN-カルバミルアミノ酸と菌体または菌体の
処理物を溶解またはけん濁した水溶液を温度10〜70℃、
好ましくは20〜50℃、pH5〜11、好ましくは6.5〜9に保
ちつつ暫時静置または撹拌すればよい。5-置換ヒダント
インあいはN-カルバミルアミノ酸の濃度は0.1〜30%、
好ましくは0.5〜10%であり、必要ならば5-置換ヒダン
トインあるいはN-カルバミルアミノ酸は反応の間追補添
加される。
菌体としては、菌体を含む培養液をそのまま用いてもよ
い。また、これを一旦培養液より分離して洗滌または洗
滌せずに使用してもよい。菌体処理物としては、機械的
摩砕菌体、超音波にて処理した菌体、凍結乾燥菌体、ア
セトン乾燥菌体、リゾチーム等の酵素で処理した菌体、
界面活性剤、トルエン等で処理した菌体、菌体の蛋白画
分、その他が適宜用いられる。
い。また、これを一旦培養液より分離して洗滌または洗
滌せずに使用してもよい。菌体処理物としては、機械的
摩砕菌体、超音波にて処理した菌体、凍結乾燥菌体、ア
セトン乾燥菌体、リゾチーム等の酵素で処理した菌体、
界面活性剤、トルエン等で処理した菌体、菌体の蛋白画
分、その他が適宜用いられる。
このような菌体を得る方法は前記の培地及び培養方法が
そのまま採用できる。培地には更に本発明の5-置換ヒダ
ントインあるいはN-カルバミルアミノ酸を少量添加すれ
ば、5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸
をL-アミノ酸に変換する活性の高い菌体が得られる場合
がある。また培養時間はこの場合、微生物が充分増殖す
ればよいので、12ないし48時間程度で培養を終えてもよ
い。
そのまま採用できる。培地には更に本発明の5-置換ヒダ
ントインあるいはN-カルバミルアミノ酸を少量添加すれ
ば、5-置換ヒダントインあるいはN-カルバミルアミノ酸
をL-アミノ酸に変換する活性の高い菌体が得られる場合
がある。また培養時間はこの場合、微生物が充分増殖す
ればよいので、12ないし48時間程度で培養を終えてもよ
い。
水溶液には必要に応じ界面活性剤、補酸素、ヒドロキシ
ルアミン、コバルトイオンその他の金属イオン等が添加
されると反応収率が向上する場合がある。
ルアミン、コバルトイオンその他の金属イオン等が添加
されると反応収率が向上する場合がある。
かくして5ないし100時間も経過すれば、水溶液中には
多量のL-アミノ酸が生成蓄積される。
多量のL-アミノ酸が生成蓄積される。
このようにして得られたL-アミノ酸を培養液又は水溶液
より採取する方法は、本発明の方法によれば、D-アミノ
酸が副生しないので、イオン交換樹脂を用いる方法、等
電点にて沈澱せしめる方法等、通常の方法が採用でき
る。
より採取する方法は、本発明の方法によれば、D-アミノ
酸が副生しないので、イオン交換樹脂を用いる方法、等
電点にて沈澱せしめる方法等、通常の方法が採用でき
る。
L-アミノ酸の定量は、液体クロマトグラフィーとロイコ
ノストック・メセンテロイデスATCC8042を用いる微生物
定量法によった。
ノストック・メセンテロイデスATCC8042を用いる微生物
定量法によった。
また、本微生物の菌体または菌体の処理物を水溶液中に
て5-置換ヒダントインと接触せしめて作用させる場合に
おいて、水溶液のpHを5.5〜6.5に保つあるいは菌体処理
物を分画したものを用いる等の方法により5-置換ヒダン
トインよりN-カルバミル‐L-アミノ酸を製造することが
できる。得られたN-カルバミル‐L-アミノ酸を水溶液よ
り採取するには、本発明の方法によれば、N-カルバミル
‐D-アミノ酸が副生しないので、イオン交換樹脂を用い
る方法、等電点にて沈澱せしめる方法等、通常の方法が
採用できる。N-カルバミル‐L-アミノ酸の定量は、p-ジ
メチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液を加え比色
定量する方法によった。
て5-置換ヒダントインと接触せしめて作用させる場合に
おいて、水溶液のpHを5.5〜6.5に保つあるいは菌体処理
物を分画したものを用いる等の方法により5-置換ヒダン
トインよりN-カルバミル‐L-アミノ酸を製造することが
できる。得られたN-カルバミル‐L-アミノ酸を水溶液よ
り採取するには、本発明の方法によれば、N-カルバミル
‐D-アミノ酸が副生しないので、イオン交換樹脂を用い
る方法、等電点にて沈澱せしめる方法等、通常の方法が
採用できる。N-カルバミル‐L-アミノ酸の定量は、p-ジ
メチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液を加え比色
定量する方法によった。
生成した各アミノ酸あるいはN-カルバミルアミノ酸がL
体である事は、それぞれの結晶につきNMRスペクトル、
X線回折スペクトル、液体クロマトグラフィー、バイオ
アッセイの定量値(N-カルバミルアミノ酸については化
学的方法によりアミノ酸に変換した後の定量値)および
比旋光度などのデータがいずれもL-アミノ酸あるいはN-
カルバミル‐L-アミノ酸の標品のそれらと一致する事に
より確認した。
体である事は、それぞれの結晶につきNMRスペクトル、
X線回折スペクトル、液体クロマトグラフィー、バイオ
アッセイの定量値(N-カルバミルアミノ酸については化
学的方法によりアミノ酸に変換した後の定量値)および
比旋光度などのデータがいずれもL-アミノ酸あるいはN-
カルバミル‐L-アミノ酸の標品のそれらと一致する事に
より確認した。
一般に有機合成法で製造される5-置換ヒダントインある
いはN-カルバミルアミノ酸はラセミ体であるが、本発明
の方法によれば、ラセミ体の5-置換ヒダントインを相当
するL-アミノ酸あるいはN-カルバミル‐L-アミノ酸に、
またラセミ体のN-カルバミルアミノ酸を相当するL-アミ
ノ酸にそれぞれ変換できるものである。
いはN-カルバミルアミノ酸はラセミ体であるが、本発明
の方法によれば、ラセミ体の5-置換ヒダントインを相当
するL-アミノ酸あるいはN-カルバミル‐L-アミノ酸に、
またラセミ体のN-カルバミルアミノ酸を相当するL-アミ
ノ酸にそれぞれ変換できるものである。
実施例1 グリセロール2.0g/dl、(NH4)2SO40.5g/dl、KH2PO40.1g
/dl、K2HPO40.3g/dl、MgSO4・7H2O0.05g/dl、FeSO4・7
H2O1mg/dl、MnSO4・4H2O1mg/dl、酵母エキス1.0g/dl、
ペプトン1.0g/dl、DL-5-イソプロピルヒダントイン0.2g
/dl、炭酸カルシウム4.0g/dl(別殺菌)を含む培地(pH
7.0)を500ml容フラスコに50ml入れ、120℃で15分間殺
菌した。
/dl、K2HPO40.3g/dl、MgSO4・7H2O0.05g/dl、FeSO4・7
H2O1mg/dl、MnSO4・4H2O1mg/dl、酵母エキス1.0g/dl、
ペプトン1.0g/dl、DL-5-イソプロピルヒダントイン0.2g
/dl、炭酸カルシウム4.0g/dl(別殺菌)を含む培地(pH
7.0)を500ml容フラスコに50ml入れ、120℃で15分間殺
菌した。
これにブイヨン寒天培地で30℃にて24時間培養したバチ
ルス・エスピーAJ-12299を1白金耳接種し30℃で16時間
培養した。この培養液より菌体を遠心分離により採取
し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗浄し、菌体を集
めた。この菌体をL-、D-またはDL-イソプロピルヒダン
トインを1g/dl含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)5mlに5g/
dlになるように添加し、48時間、30℃に保持反応した。
反応終了後遠心分離により菌体を除いた。
ルス・エスピーAJ-12299を1白金耳接種し30℃で16時間
培養した。この培養液より菌体を遠心分離により採取
し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗浄し、菌体を集
めた。この菌体をL-、D-またはDL-イソプロピルヒダン
トインを1g/dl含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)5mlに5g/
dlになるように添加し、48時間、30℃に保持反応した。
反応終了後遠心分離により菌体を除いた。
生成したL-バリンをバイオアッセイ法で測定したところ
L-,D-,DL-イソプロピルヒダントインからそれぞれ0.21g
/dl,0.23g/dl,0.22g/dlのL-バリンが生成した。
L-,D-,DL-イソプロピルヒダントインからそれぞれ0.21g
/dl,0.23g/dl,0.22g/dlのL-バリンが生成した。
実施例2 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を第1
表に示すヒダントイン化合物1g/dlを含む0.1Mリン酸緩
衝液(pH7.5)5mlに5g/dlとなるように添加し、48時
間、30℃に保持反応した。反応終了後、遠心分離により
菌体を除いた。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を第1
表に示すヒダントイン化合物1g/dlを含む0.1Mリン酸緩
衝液(pH7.5)5mlに5g/dlとなるように添加し、48時
間、30℃に保持反応した。反応終了後、遠心分離により
菌体を除いた。
上清中に存在する各アミノ酸を前記の方法で測定した結
果を第1表に示す。また、これらのアミノ酸を分離精製
し、NMRスペクトル、X線回折スペクトル、バイオアッ
セイ、液体クロマトグラフィー及び比旋光度測定などの
方法で分析した結果いずれもL-アミノ酸標品と一致する
事を認めた。
果を第1表に示す。また、これらのアミノ酸を分離精製
し、NMRスペクトル、X線回折スペクトル、バイオアッ
セイ、液体クロマトグラフィー及び比旋光度測定などの
方法で分析した結果いずれもL-アミノ酸標品と一致する
事を認めた。
実施例3 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液にDL
-5-イソプロピルヒダントインを0.2g/dlとなるように無
菌的に添加し、さらに30℃にて24時間培養した。この結
果培養液中には0.1g/dlのL-バリンが生成していた。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液にDL
-5-イソプロピルヒダントインを0.2g/dlとなるように無
菌的に添加し、さらに30℃にて24時間培養した。この結
果培養液中には0.1g/dlのL-バリンが生成していた。
実施例4 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離により採取し、培養液と同量の生理食塩
水で一回洗浄し、菌体を集めた。この菌体をL体または
DL体のN-カルバミルバリンを1g/dl、コバルトイオンを1
00ppm含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)5mlに5g/dlとなる
ように添加し、24時間、30℃に保持反応した。反応終了
後遠心分離により菌体を除いた。生成したL-バリンをバ
イオアッセイ法で測定したところL体、DL体のN-カルバ
ミルバリンからそれぞれ0.21g/dl、0.20g/dlのL-バリン
が生成した。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離により採取し、培養液と同量の生理食塩
水で一回洗浄し、菌体を集めた。この菌体をL体または
DL体のN-カルバミルバリンを1g/dl、コバルトイオンを1
00ppm含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)5mlに5g/dlとなる
ように添加し、24時間、30℃に保持反応した。反応終了
後遠心分離により菌体を除いた。生成したL-バリンをバ
イオアッセイ法で測定したところL体、DL体のN-カルバ
ミルバリンからそれぞれ0.21g/dl、0.20g/dlのL-バリン
が生成した。
実施例5 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を5g/d
lの濃度になるように100ppmのコバルトイオンを含むリ
ン酸緩衝液(pH7.5)に添加し、10kcの超音波にて10分
間処理をした。この処理物を遠心し上清液を取得した。
この上清液5mlに第2表に示すN-カルバミル‐DL-アミノ
酸を1g/dlとなるように添加しpHを7.5に補正したのち30
℃で24時間反応させた。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を5g/d
lの濃度になるように100ppmのコバルトイオンを含むリ
ン酸緩衝液(pH7.5)に添加し、10kcの超音波にて10分
間処理をした。この処理物を遠心し上清液を取得した。
この上清液5mlに第2表に示すN-カルバミル‐DL-アミノ
酸を1g/dlとなるように添加しpHを7.5に補正したのち30
℃で24時間反応させた。
反応液中に存在する各種アミノ酸を前記の方法で測定し
た結果を第2表に示す。またこれらのアミノ酸を分離精
製しNMRスペクトル、X線回折スペクトル、バイオアッ
セイ、液体クロマトグラフィー及び比旋光度測定などの
方法で分析した結果、いずれもL-アミノ酸標品と一致す
る事を認めた。
た結果を第2表に示す。またこれらのアミノ酸を分離精
製しNMRスペクトル、X線回折スペクトル、バイオアッ
セイ、液体クロマトグラフィー及び比旋光度測定などの
方法で分析した結果、いずれもL-アミノ酸標品と一致す
る事を認めた。
実施例6 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液にN-
カルバミル‐DL-バリンを0.2g/dlとなるように無菌的に
添加しさらに30℃にて24時間培養した。この結果培養液
中には0.06g/dlのL-バリンが生成していた。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液にN-
カルバミル‐DL-バリンを0.2g/dlとなるように無菌的に
添加しさらに30℃にて24時間培養した。この結果培養液
中には0.06g/dlのL-バリンが生成していた。
実施例7 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離により採取し、培養液と同量の生理食塩
水を洗浄し、菌体を集めた。この菌体をL-、D-、または
DL-イソプロピルヒダントインを1g/dl含む0.1Mリン酸緩
衝液(pH6.0)5mlに5g/dlになるように添加し、24時
間、30℃に保持反応した。反応終了後遠心分離により菌
体を除いた。生成したN-カルバミル‐L-アミノ酸をp-ジ
メチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液の添加によ
り比色定量したところ、基質がL体の場合98mg/dl、D
体の場合35mg/dl、DL体の場合96mg/dlであった。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離により採取し、培養液と同量の生理食塩
水を洗浄し、菌体を集めた。この菌体をL-、D-、または
DL-イソプロピルヒダントインを1g/dl含む0.1Mリン酸緩
衝液(pH6.0)5mlに5g/dlになるように添加し、24時
間、30℃に保持反応した。反応終了後遠心分離により菌
体を除いた。生成したN-カルバミル‐L-アミノ酸をp-ジ
メチルアミノベンズアルデヒドの濃塩酸溶液の添加によ
り比色定量したところ、基質がL体の場合98mg/dl、D
体の場合35mg/dl、DL体の場合96mg/dlであった。
実施例8 バチルス・エスピーAJ-12299を実施例1の培地を用い実
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を0.05
Mトリス緩衝液(pH7.0)に懸濁し10kcの超音波にて10分
間処理をした。この処理物を遠心し上清液を同じ緩衝液
で透析した後陰イオン交換クロマトグラフィーにより分
画を行なった。5-置換ヒダントインをN-カルバニル‐L-
アミノ酸に変換する活性を有する画分を回収し、第3表
に示すヒダントイン化合物を最終的に1g/dl含む0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)に添加し、24時間30℃に保持反応
した。上清中に存在する各N-カルバミルアミノ酸を前記
の方法で測定した結果を第3表に示す。また、これらの
N-カルバミルアミノ酸を分離精製し、NMRスペクトル、
X線回折スペクトル、液体クロマトグラフィー、及び比
旋光度などの方法で分析した結果、いずれもN-カルバミ
ル‐L-アミル酸標品と一致する事を認めた。
施例1と同様に30℃、16時間培養した。この培養液より
菌体を遠心分離し、培養液と同量の生理食塩水で一回洗
浄し、更に遠心分離して菌体を集めた。この菌体を0.05
Mトリス緩衝液(pH7.0)に懸濁し10kcの超音波にて10分
間処理をした。この処理物を遠心し上清液を同じ緩衝液
で透析した後陰イオン交換クロマトグラフィーにより分
画を行なった。5-置換ヒダントインをN-カルバニル‐L-
アミノ酸に変換する活性を有する画分を回収し、第3表
に示すヒダントイン化合物を最終的に1g/dl含む0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)に添加し、24時間30℃に保持反応
した。上清中に存在する各N-カルバミルアミノ酸を前記
の方法で測定した結果を第3表に示す。また、これらの
N-カルバミルアミノ酸を分離精製し、NMRスペクトル、
X線回折スペクトル、液体クロマトグラフィー、及び比
旋光度などの方法で分析した結果、いずれもN-カルバミ
ル‐L-アミル酸標品と一致する事を認めた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07)
Claims (1)
- 【請求項1】5−置換ヒダントインをL−アミノ酸に変
換する能力を有するバチルス(Bacillus)属に属する微
生物の培養液、菌体または菌体処理物を下記一般式I: NCCH2CH2−で表される基を示す) で表される5−置換ヒダントインのL体、D体またはDL
体に作用せしめて相当するL−アミノ酸に変換せしめ、
これを採取することを特徴とするL−アミノ酸の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16753586A JPH072115B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | L―アミノ酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16753586A JPH072115B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | L―アミノ酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6324895A JPS6324895A (ja) | 1988-02-02 |
JPH072115B2 true JPH072115B2 (ja) | 1995-01-18 |
Family
ID=15851495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16753586A Expired - Fee Related JPH072115B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | L―アミノ酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH072115B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1179599A3 (en) | 2000-07-13 | 2003-07-09 | Ajinomoto Co., Inc. | Method for producing lysine derivative |
JP4529338B2 (ja) | 2001-03-08 | 2010-08-25 | 味の素株式会社 | ヒダントイナーゼをコードするdna、n−カルバミル−l−アミノ酸ハイドロラーゼをコードするdna、組み換えdna、形質転換された細胞、タンパク質の製造方法および光学活性アミノ酸の製造方法 |
-
1986
- 1986-07-16 JP JP16753586A patent/JPH072115B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6324895A (ja) | 1988-02-02 |
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