JPH07211532A - 圧粉磁芯 - Google Patents
圧粉磁芯Info
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- JPH07211532A JPH07211532A JP6023213A JP2321394A JPH07211532A JP H07211532 A JPH07211532 A JP H07211532A JP 6023213 A JP6023213 A JP 6023213A JP 2321394 A JP2321394 A JP 2321394A JP H07211532 A JPH07211532 A JP H07211532A
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- powder
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- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/147—Alloys characterised by their composition
- H01F1/14766—Fe-Si based alloys
- H01F1/14791—Fe-Si-Al based alloys, e.g. Sendust
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 粘結剤と合金粉末が均一に分散し、成形によ
る圧縮歪が除去された高透磁率で充分な強度を有するF
e−Si−Al系合金粉末圧粉磁芯を供すること。 【構成】 合金粉末に粘結剤としてシリコーン樹脂を、
また成形助剤としてステアリン酸を特定量混合し、圧縮
成形して得られた圧粉体を非酸化雰囲気中、500〜1
000℃で熱処理することによって得られた圧粉磁芯。
る圧縮歪が除去された高透磁率で充分な強度を有するF
e−Si−Al系合金粉末圧粉磁芯を供すること。 【構成】 合金粉末に粘結剤としてシリコーン樹脂を、
また成形助剤としてステアリン酸を特定量混合し、圧縮
成形して得られた圧粉体を非酸化雰囲気中、500〜1
000℃で熱処理することによって得られた圧粉磁芯。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョークコイル等に用
いられる高性能な金属系圧粉磁芯に関する。
いられる高性能な金属系圧粉磁芯に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波で用いられるチョークコイルとし
て、フェライト磁芯や金属粉末圧粉磁芯が使用されてい
る。これらのうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小
さいという欠点を有している。これに対して、鉄(F
e)−珪素(Si)−アルミニウム(Al)合金系金属
粉末(以下、Fe−Si−Al合金粉末)を成形して作
製される圧粉磁芯は、軟磁性フェライトに比べて著しく
大きい飽和磁束密度を有し、且つ素材コストが安価であ
るという長所を有している。
て、フェライト磁芯や金属粉末圧粉磁芯が使用されてい
る。これらのうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小
さいという欠点を有している。これに対して、鉄(F
e)−珪素(Si)−アルミニウム(Al)合金系金属
粉末(以下、Fe−Si−Al合金粉末)を成形して作
製される圧粉磁芯は、軟磁性フェライトに比べて著しく
大きい飽和磁束密度を有し、且つ素材コストが安価であ
るという長所を有している。
【0003】こうしたFe−Si−Al合金粉末を圧縮
成形することによって作製される圧粉磁芯の透磁率は、
金属粉末の充填率、及び金属粉末と粘結剤(以下、バイ
ンダー)との均一分散度と相関関係にある。したがっ
て、高透磁率金属粉末圧粉磁芯を得るためには、圧縮成
形体中の金属粉末の充填率が高く、しかもバインダーと
均一に分布している事が好ましい。
成形することによって作製される圧粉磁芯の透磁率は、
金属粉末の充填率、及び金属粉末と粘結剤(以下、バイ
ンダー)との均一分散度と相関関係にある。したがっ
て、高透磁率金属粉末圧粉磁芯を得るためには、圧縮成
形体中の金属粉末の充填率が高く、しかもバインダーと
均一に分布している事が好ましい。
【0004】一般に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
塩ビ樹脂等の有機系樹脂は、接着強度が高く、圧縮成形
性も良好であるため、圧粉磁芯のバインダーとして広く
利用されている。しかし、これらの有機系樹脂をバイン
ダーとして使用した圧粉磁芯は、これら有機系樹脂の分
解温度が、大部分の軟磁性合金の圧縮歪除去温度領域よ
りも低いため、圧縮歪除去のための熱処理が不可能であ
り、材料の特性を充分に活用することが困難である。
塩ビ樹脂等の有機系樹脂は、接着強度が高く、圧縮成形
性も良好であるため、圧粉磁芯のバインダーとして広く
利用されている。しかし、これらの有機系樹脂をバイン
ダーとして使用した圧粉磁芯は、これら有機系樹脂の分
解温度が、大部分の軟磁性合金の圧縮歪除去温度領域よ
りも低いため、圧縮歪除去のための熱処理が不可能であ
り、材料の特性を充分に活用することが困難である。
【0005】これら有機系樹脂に対し、水ガラス等の無
機ガラス材や、シリコーン系樹脂は、分解温度が比較的
高く、圧縮成形体(圧粉体)の歪み取り熱処理が可能な
場合もあるが、無機ガラス材は接着強度が弱く、圧粉体
の強度を充分に確保することが難しい。一方、シリコー
ン系樹脂は、粘性が高く、圧縮成形性に劣るため、金属
粉末の高い充填密度を得るためには、高い成形圧力を必
要とする等の問題点が存在する。
機ガラス材や、シリコーン系樹脂は、分解温度が比較的
高く、圧縮成形体(圧粉体)の歪み取り熱処理が可能な
場合もあるが、無機ガラス材は接着強度が弱く、圧粉体
の強度を充分に確保することが難しい。一方、シリコー
ン系樹脂は、粘性が高く、圧縮成形性に劣るため、金属
粉末の高い充填密度を得るためには、高い成形圧力を必
要とする等の問題点が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
技術的課題は、圧粉磁芯を構成する軟磁性合金粉末の圧
縮成形によって生じる圧縮歪が除去され、かつ粘結剤と
合金粉末とが均一に分散して、高透磁率で充分な強度を
有する圧粉磁芯を供することである。
技術的課題は、圧粉磁芯を構成する軟磁性合金粉末の圧
縮成形によって生じる圧縮歪が除去され、かつ粘結剤と
合金粉末とが均一に分散して、高透磁率で充分な強度を
有する圧粉磁芯を供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】Fe、SiおよびAlを
主成分とする合金粉末に、シリコーン系樹脂およびステ
アリン酸の合金粉末に対する重量比をおのおのX%およ
びY%としたときに、X、及びYが0.5≦X≦10、
0.1≦Y≦3.0で規定され、しかも、X≧Yとなる範
囲でシリコーン樹脂およびステアリン酸を合金粉末に混
合して圧縮成形した後、この圧縮成形体を、非酸化性雰
囲気中、500〜1000℃で熱処理することにより、
高透磁率の圧粉磁芯が得られる。
主成分とする合金粉末に、シリコーン系樹脂およびステ
アリン酸の合金粉末に対する重量比をおのおのX%およ
びY%としたときに、X、及びYが0.5≦X≦10、
0.1≦Y≦3.0で規定され、しかも、X≧Yとなる範
囲でシリコーン樹脂およびステアリン酸を合金粉末に混
合して圧縮成形した後、この圧縮成形体を、非酸化性雰
囲気中、500〜1000℃で熱処理することにより、
高透磁率の圧粉磁芯が得られる。
【0008】
【作用】Fe−Si−Al合金粉末に、シリコーン樹
脂、及びステアリン酸の両方を複合して混合し圧縮成形
することにより、Fe−Si−Al合金粉末とシリコー
ン樹脂が均一に分布した圧縮成形体を得ることが可能と
なる。更に、この圧縮成形体を適当な温度範囲で熱処理
を行うことにより圧縮歪の開放、Fe−Si−Al合金
相の安定化に加え、シリコーン樹脂分解にともなう体積
収縮により、Fe−Si−Al系合金粉末の充填率が向
上し、高透磁率の圧粉磁芯を得ることが可能となる。
脂、及びステアリン酸の両方を複合して混合し圧縮成形
することにより、Fe−Si−Al合金粉末とシリコー
ン樹脂が均一に分布した圧縮成形体を得ることが可能と
なる。更に、この圧縮成形体を適当な温度範囲で熱処理
を行うことにより圧縮歪の開放、Fe−Si−Al合金
相の安定化に加え、シリコーン樹脂分解にともなう体積
収縮により、Fe−Si−Al系合金粉末の充填率が向
上し、高透磁率の圧粉磁芯を得ることが可能となる。
【0009】一般に、ステアリン酸等の成形助剤を圧縮
成形性を向上させるために添加すると、圧縮成形体(圧
粉体)密度は向上しても圧粉体強度が著しく低下する傾
向にあるが、本発明においては、圧粉体の熱処理温度範
囲で、ステアリン酸が分解揮発するため、熱処理後圧粉
体における強度は損なわれない。加えて、ステアリン酸
混合により得られた、Fe−Si−Al系合金粉末とシ
リコーン樹脂の均一な分布が、熱処理後の圧粉体中でも
そのまま維持されているため、シリコーン樹脂を単独で
使用した圧粉磁芯と比較すると、Fe−Si−Al粉末
の充填率が同等でも、高い透磁率を得ることが可能とな
る。
成形性を向上させるために添加すると、圧縮成形体(圧
粉体)密度は向上しても圧粉体強度が著しく低下する傾
向にあるが、本発明においては、圧粉体の熱処理温度範
囲で、ステアリン酸が分解揮発するため、熱処理後圧粉
体における強度は損なわれない。加えて、ステアリン酸
混合により得られた、Fe−Si−Al系合金粉末とシ
リコーン樹脂の均一な分布が、熱処理後の圧粉体中でも
そのまま維持されているため、シリコーン樹脂を単独で
使用した圧粉磁芯と比較すると、Fe−Si−Al粉末
の充填率が同等でも、高い透磁率を得ることが可能とな
る。
【0010】
【実施例】以下実施例について述べる。
【0011】(実施例1)真空溶解炉で、10wt%S
i−5wt%Al−残部Fe合金インゴットを作製し、
ジョークラッシャー、ディスクミルを使用して粉砕し、
これを、100μm以下に分級し、インゴット粉砕合金
粉末を得た。
i−5wt%Al−残部Fe合金インゴットを作製し、
ジョークラッシャー、ディスクミルを使用して粉砕し、
これを、100μm以下に分級し、インゴット粉砕合金
粉末を得た。
【0012】次に、この合金粉末に対し、加熱分解後の
残存量が、約80%であるシリコーン樹脂を、合金粉末
の重量に対して、0.1、0.3、0.5、1.0、2.
0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.
0、10.0、12.0、および15.0各重量%、同じ
く、ステアリン酸を、0、0.01、0.02、0.0
3、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、
0.7、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、
7.0、8.0、9.0、10.0、12.0、および15.
0各重量%の全ての組合せで混合した後、成形圧力10
ton/cm2で、外径20mm、内径10mmで、高
さ5mmのリング状の合金粉末圧縮成形体(圧粉体)を
得た。
残存量が、約80%であるシリコーン樹脂を、合金粉末
の重量に対して、0.1、0.3、0.5、1.0、2.
0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.
0、10.0、12.0、および15.0各重量%、同じ
く、ステアリン酸を、0、0.01、0.02、0.0
3、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、
0.7、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、
7.0、8.0、9.0、10.0、12.0、および15.
0各重量%の全ての組合せで混合した後、成形圧力10
ton/cm2で、外径20mm、内径10mmで、高
さ5mmのリング状の合金粉末圧縮成形体(圧粉体)を
得た。
【0013】次に、これら圧粉体を、Ar雰囲気中、7
00℃で2時間熱処理を行った後、JISZ2507規
格にしたがって、圧粉体の圧環強度を測定し、圧環強度
が1.0kg/cm2以上の圧粉体について、実用的に充
分な強度を有するものと判定した。その結果を表1に示
す。
00℃で2時間熱処理を行った後、JISZ2507規
格にしたがって、圧粉体の圧環強度を測定し、圧環強度
が1.0kg/cm2以上の圧粉体について、実用的に充
分な強度を有するものと判定した。その結果を表1に示
す。
【0014】
【表1】
【0015】表1より、シリコーン樹脂の混合量が、F
e−Si−Al合金粉末の重量に対して0.5%より少
ない範囲では、ステアリン酸の混合量にかかわらず、圧
粉成形体の実用的な強度を得ることができない。また同
様に、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂の混合
量より多くなるか、Fe−Si−Al合金粉末の重量に
対して、5.0%を越えると、圧粉体の実用的な強度を
得ることができない。
e−Si−Al合金粉末の重量に対して0.5%より少
ない範囲では、ステアリン酸の混合量にかかわらず、圧
粉成形体の実用的な強度を得ることができない。また同
様に、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂の混合
量より多くなるか、Fe−Si−Al合金粉末の重量に
対して、5.0%を越えると、圧粉体の実用的な強度を
得ることができない。
【0016】尚、本実施例では、熱処理温度700℃の
結果のみについて述べているが、同様の実験を、500
℃〜1200℃の熱処理温度範囲で行った結果、本実施
例と同等の結果を得ることができた。
結果のみについて述べているが、同様の実験を、500
℃〜1200℃の熱処理温度範囲で行った結果、本実施
例と同等の結果を得ることができた。
【0017】(実施例2)実施例1と同様の条件で成
形、熱処理した圧粉体のうち、Fe−Si−Al合金粉
末重量に対する、シリコーン樹脂の混合量が重量比で
0.5〜15%、ステアリン酸の混合量が重量比で0.0
1〜5%で、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂
の混合量を越えない範囲の組合せとなる各圧粉体に巻線
し圧粉磁芯として、YHP製インピーダンスアナライザ
ーを使用して、周波数100KHzでの透磁率(μ)を
測定した。
形、熱処理した圧粉体のうち、Fe−Si−Al合金粉
末重量に対する、シリコーン樹脂の混合量が重量比で
0.5〜15%、ステアリン酸の混合量が重量比で0.0
1〜5%で、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂
の混合量を越えない範囲の組合せとなる各圧粉体に巻線
し圧粉磁芯として、YHP製インピーダンスアナライザ
ーを使用して、周波数100KHzでの透磁率(μ)を
測定した。
【0018】図1に、シリコーン樹脂の混合量が異なる
各圧粉磁芯における、ステアリン酸の混合量と、圧粉磁
芯のμの関係をしめす。
各圧粉磁芯における、ステアリン酸の混合量と、圧粉磁
芯のμの関係をしめす。
【0019】いずれの試料においても、ステアリン酸の
混合量は0.1%以上でμの向上が見られ、0.5%付近
でほぼ最大値をしめしている。更にステアリン酸の混合
量を増加させると、1.0%以上からμが減少し始め、
3.0%を越えて混合したものでは、かえってステアリ
ン酸を混合しないものよりも低い値となっている。
混合量は0.1%以上でμの向上が見られ、0.5%付近
でほぼ最大値をしめしている。更にステアリン酸の混合
量を増加させると、1.0%以上からμが減少し始め、
3.0%を越えて混合したものでは、かえってステアリ
ン酸を混合しないものよりも低い値となっている。
【0020】尚、図1では、代表として、シリコーン樹
脂の混合量が、Fe−Si−Al合金粉末重量に対し
て、重量%で0.5%(曲線a)、1.0%(曲線b)、
3.0%(曲線c)、5.0%(曲線d)、10.0%
(曲線e)、15.0%(曲線f)の結果をしめしてい
るが、その他の、シリコーン樹脂を0.5〜15.0%の
範囲で混合した試料においても、同様の結果が得られて
いる。
脂の混合量が、Fe−Si−Al合金粉末重量に対し
て、重量%で0.5%(曲線a)、1.0%(曲線b)、
3.0%(曲線c)、5.0%(曲線d)、10.0%
(曲線e)、15.0%(曲線f)の結果をしめしてい
るが、その他の、シリコーン樹脂を0.5〜15.0%の
範囲で混合した試料においても、同様の結果が得られて
いる。
【0021】前述したように、シリコーン樹脂のいずれ
の混合量においても、ステアリン酸の混合量が、Fe−
Si−Al合金粉末重量に対して約0.5wt%付近
で、μの値が極大をしめしている。そこで、ステアリン
酸混合量0.5wt%の各圧粉磁芯について、シリコー
ン樹脂の混合量と、圧粉磁芯のμの関係を調べた。その
結果を図2に示す。
の混合量においても、ステアリン酸の混合量が、Fe−
Si−Al合金粉末重量に対して約0.5wt%付近
で、μの値が極大をしめしている。そこで、ステアリン
酸混合量0.5wt%の各圧粉磁芯について、シリコー
ン樹脂の混合量と、圧粉磁芯のμの関係を調べた。その
結果を図2に示す。
【0022】図2より、シリコーン樹脂の混合量がFe
−Si−Al合金粉末重量に対して10.0%を越える
と、μの値が、シリコーン樹脂の0.5%混合圧粉磁芯
の約1/2以下となり、実用上有益なものではないと判
断することができる。
−Si−Al合金粉末重量に対して10.0%を越える
と、μの値が、シリコーン樹脂の0.5%混合圧粉磁芯
の約1/2以下となり、実用上有益なものではないと判
断することができる。
【0023】(実施例3)実施例1で作製したFe−S
i−Al合金粉末に、この合金粉末の重量に対して重量
比でシリコーン樹脂を5.0%、ステアリン酸を0.5%
混合し、実施例1と同様の方法で圧縮成形した圧粉体を
作製し、Ar雰囲気中で、300℃、400℃、500
℃、600℃、700℃、800℃、900℃、100
0℃、1100℃、1200℃の各温度で熱処理を行っ
た。
i−Al合金粉末に、この合金粉末の重量に対して重量
比でシリコーン樹脂を5.0%、ステアリン酸を0.5%
混合し、実施例1と同様の方法で圧縮成形した圧粉体を
作製し、Ar雰囲気中で、300℃、400℃、500
℃、600℃、700℃、800℃、900℃、100
0℃、1100℃、1200℃の各温度で熱処理を行っ
た。
【0024】次に、これら熱処理済みの圧粉体に巻線を
して圧粉磁芯とし、YHP製インピーダンスアナライザ
ーを用いて、圧粉磁芯の周波数100KHzにおけるμ
を測定し、圧粉磁芯のμと、熱処理温度との関係につい
て求めた。その結果を第3図にしめす。
して圧粉磁芯とし、YHP製インピーダンスアナライザ
ーを用いて、圧粉磁芯の周波数100KHzにおけるμ
を測定し、圧粉磁芯のμと、熱処理温度との関係につい
て求めた。その結果を第3図にしめす。
【0025】図3より、熱処理温度が500℃未満で
は、圧粉磁芯のμが、熱処理を施さないものと著しい差
が認められないことがわかる。また、熱処理温度が10
00℃を越えると、圧粉磁芯のμが著しく低下すること
がわかる。
は、圧粉磁芯のμが、熱処理を施さないものと著しい差
が認められないことがわかる。また、熱処理温度が10
00℃を越えると、圧粉磁芯のμが著しく低下すること
がわかる。
【0026】以上の実施例の結果を纒めると、1)シリ
コーン樹脂の混合量については、0.5%未満では、他
の処理の有無にかかわらず、実用上充分な強度を有する
圧粉成形体が得られず、また、シリコーン樹脂の混合量
が10%を越える範囲では、0.5%混合の圧粉磁芯と
比較して、圧粉磁芯の透磁率が1/2以下となり、工業
上有益なものではないと判断される。 2)ステアリン酸の混合量については、0.1%未満で
は、ステアリン酸混合による透磁率向上効果が見られ
ず、3%を越えると、かえって透磁率の低下がおこり、
ステアリン酸を混合しないものよりも低い値となる。 3)また、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂の
混合量を越えた場合、シリコーン樹脂の混合量が、Fe
−Si−Al粉末重量に対して3%以下の領域では、ス
テアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂よりも多くなる
と、圧粉成形体の強度が、実用上充分な値を下回る。
コーン樹脂の混合量については、0.5%未満では、他
の処理の有無にかかわらず、実用上充分な強度を有する
圧粉成形体が得られず、また、シリコーン樹脂の混合量
が10%を越える範囲では、0.5%混合の圧粉磁芯と
比較して、圧粉磁芯の透磁率が1/2以下となり、工業
上有益なものではないと判断される。 2)ステアリン酸の混合量については、0.1%未満で
は、ステアリン酸混合による透磁率向上効果が見られ
ず、3%を越えると、かえって透磁率の低下がおこり、
ステアリン酸を混合しないものよりも低い値となる。 3)また、ステアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂の
混合量を越えた場合、シリコーン樹脂の混合量が、Fe
−Si−Al粉末重量に対して3%以下の領域では、ス
テアリン酸の混合量が、シリコーン樹脂よりも多くなる
と、圧粉成形体の強度が、実用上充分な値を下回る。
【0027】
【発明の効果】Fe−Si−Al合金粉末に有機バイン
ダーとしてシリコーン系樹脂を合金粉末重量に対し0.
5〜10wt%、更にシリコーン系樹脂量を越えない範
囲で成形助剤としてステアリン酸を合金粉末重量に対し
0.1〜3wt%含んだ圧縮成形体を500〜1000
℃で熱処理することにより、充分な強度と高い透磁率を
有するFe−Si−Al合金粉末圧粉磁芯が得られる。
ダーとしてシリコーン系樹脂を合金粉末重量に対し0.
5〜10wt%、更にシリコーン系樹脂量を越えない範
囲で成形助剤としてステアリン酸を合金粉末重量に対し
0.1〜3wt%含んだ圧縮成形体を500〜1000
℃で熱処理することにより、充分な強度と高い透磁率を
有するFe−Si−Al合金粉末圧粉磁芯が得られる。
【0028】尚、実施例においては、合金粉末として、
10wt%Si−5wt%Al−残部Fe合金粉末の結
果、及び、加熱分解後の残存量約80wt%のシリコー
ン樹脂を使用した圧粉磁芯の結果について述べている
が、本発明は、これのみに限定されるものではなく、同
様の主成分系合金や、それに他元素を添加した合金組成
系の金属粉末、及び、その他同様のシリコーン樹脂を使
用しても、同様の結果が得られることは、当業者であれ
ば容易に理解できる。
10wt%Si−5wt%Al−残部Fe合金粉末の結
果、及び、加熱分解後の残存量約80wt%のシリコー
ン樹脂を使用した圧粉磁芯の結果について述べている
が、本発明は、これのみに限定されるものではなく、同
様の主成分系合金や、それに他元素を添加した合金組成
系の金属粉末、及び、その他同様のシリコーン樹脂を使
用しても、同様の結果が得られることは、当業者であれ
ば容易に理解できる。
【図1】実施例2における、シリコーン樹脂の混合量が
異なる各圧粉磁芯の、ステアリン酸混合量と、圧粉磁芯
のμの関係を示す特性図。
異なる各圧粉磁芯の、ステアリン酸混合量と、圧粉磁芯
のμの関係を示す特性図。
【図2】実施例2における、シリコーン樹脂混合量と周
波数100KHzにおける、圧粉磁芯の透磁率の関係を
示す特性図。
波数100KHzにおける、圧粉磁芯の透磁率の関係を
示す特性図。
【図3】実施例3における、熱処理温度と、圧粉磁芯の
周波数100KHzにおけるμの関係をしめしている。
周波数100KHzにおけるμの関係をしめしている。
a シリコーン樹脂混合量が0.5wt%の場合を示
す曲線 b シリコーン樹脂混合量が1.0wt%の場合を示
す曲線 c シリコーン樹脂混合量が3.0wt%の場合を示
す曲線 d シリコーン樹脂混合量が5.0wt%の場合を示
す曲線 e シリコーン樹脂混合量が10.0wt%の場合を
示す曲線 f シリコーン樹脂混合量が15.0wt%の場合を
示す曲線
す曲線 b シリコーン樹脂混合量が1.0wt%の場合を示
す曲線 c シリコーン樹脂混合量が3.0wt%の場合を示
す曲線 d シリコーン樹脂混合量が5.0wt%の場合を示
す曲線 e シリコーン樹脂混合量が10.0wt%の場合を
示す曲線 f シリコーン樹脂混合量が15.0wt%の場合を
示す曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 D
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄、珪素およびアルミニウムを主成分と
する合金粉末とこれらを結着する有機バインダとしてシ
リコーン系樹脂およびステアリン酸を含む圧粉磁芯にお
いて、前記シリコーン系樹脂の含有量は合金粉末重量に
対し重量%で0.5%以上10%以下であり、前記ステ
アリン酸の含有量は合金粉末重量に対し重量%で0.1
%以上3.0%以下であって、かつ前記ステアリン酸の
含有量は前記シリコーン樹脂の含有量以下である前記合
金粉末と有機バインダーの混合物の圧縮成形体が非酸化
性雰囲気中、500〜1000℃で熱処理されているこ
とを特徴とする圧粉磁芯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6023213A JPH07211532A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 圧粉磁芯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6023213A JPH07211532A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 圧粉磁芯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07211532A true JPH07211532A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=12104393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6023213A Pending JPH07211532A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 圧粉磁芯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07211532A (ja) |
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-
1994
- 1994-01-24 JP JP6023213A patent/JPH07211532A/ja active Pending
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