JPH07210862A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07210862A
JPH07210862A JP1396394A JP1396394A JPH07210862A JP H07210862 A JPH07210862 A JP H07210862A JP 1396394 A JP1396394 A JP 1396394A JP 1396394 A JP1396394 A JP 1396394A JP H07210862 A JPH07210862 A JP H07210862A
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政志 比護
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スチル再生での使用等により優れた耐久性を持
つ磁気記録媒体、特に強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の
提供。 【構成】非磁性支持体上に、磁性層、磁性層を潤滑する
ための潤滑層をこの順に設けてなる磁気記録媒体また
は、非磁性支持体上に、磁性層、磁性層を保護・防錆す
るための保護層、磁性層を潤滑するための潤滑層をこの
順に設けてなる磁気記録媒体において、前記潤滑層を構
成する潤滑剤に陽イオンを保持したパーフルオロアルキ
ルポリエーテルを用いることを特徴とする磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク、磁気テー
プ、磁気シート等の磁気記録媒体に係り、特に支持体上
に強磁性金属薄膜を設けた磁気記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【発明の背景】従来、磁気記録媒体としては、支持体上
にγ−Fe23 、Co含有または被着のγ−Fe2
3 或いはCrO2 金属酸化物強磁性粉末、或いは、F
e、Co、Niなどを主成分とする金属強磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダー
中に分散せしめた磁性塗料を塗布乾燥することにより作
製される塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
【0003】一方、真空蒸着、スパッタリング、イオン
プレーティング等の方法によって形成される強磁性金属
薄膜も高密度記録用磁気記録媒体の磁性層で検討され一
部実用化されている。しかし、こうした強磁性金属薄膜
は、磁気ディスク、磁気テープなどの磁気記録媒体とし
て用いた場合に、記録再生時に磁気ヘッドと大きい相対
速度で摺接し、磁性金属が直接ヘッドに触れるため、上
記の塗布型のものに比べ磁性層が摩耗されやすいといっ
た欠点を持っていた。
【0004】磁気記録媒体の耐久性を改善するために、
磁性層表面に高級脂肪酸、脂肪酸エステル、或いはフッ
素系潤滑剤等の潤滑剤を塗布・乾燥させ潤滑層を形成す
る技術は公知である。しかし例えば、磁性層表面に脂肪
酸等を潤滑剤として塗布した場合は、使用始めは摩擦係
数は小さく十分な走行性が得られるが、長時間使用する
に連れて潤滑剤が擦り取られ消失するため、十分な耐久
性は得られなかった。
【0005】また、特開昭57−152543号、同5
8−77932号の各公報には、パーフルオロアルキル
カルボン酸またはその塩を潤滑剤として使用する技術が
開示されているが、耐食性に問題があり、使用中の摩擦
係数上昇が大きく耐久性向上の目的においてもまだ十分
とは言えない。磁気記録媒体の摺動耐久性を高めるに
は、摺動を繰り返しても摩擦挙動が安定し、かつ、この
ときの摩擦係数を小さく抑える潤滑剤の塗布が必要であ
る。
【0006】従来技術で提案されてきたパーフルオロア
ルキルポリエーテル系潤滑剤は、温度変化による粘度の
変化が小さいことや、熱的、化学的に安定であること等
から潤滑剤としての特性に優れ、更に、フッ素系素材の
特徴である撥水撥油性に優れていることから媒体の表面
エネルギーを低下させることで摩擦係数を低く抑える。
【0007】しかしこのオイルは、表面張力が極端に小
さいことから、媒体表面との相互作用が弱く、水分の影
響等により磁性層表面のオイルはやがてオイル同志で凝
集し島状構造をとるようになることで、潤滑性が低下す
るだけでなく磁気ヘッドや走行ピンに対して貼り付きや
すくなったり走行むらを起こすという欠点を持ってい
る。
【0008】そこで、潤滑剤が磁性層表面にて均一に存
在するようにするために、接着性の向上を図る目的で、
パーフルオロアルキルポリエーテルの末端に極性基を導
入したもの(特公昭60−10368号記載)が作られ
るようになった。これは、潤滑剤を磁性層表面に化学吸
着させるものである、この改良により潤滑性は維持さ
れ、磁気記録媒体の繰り返し再生での耐久性は大きく向
上した。しかし、末端が磁性層表面と化学結合できなか
った潤滑剤は、これまでと同様に潤滑層中でオイル同志
の凝集状態を作り、磁気ヘッドや走行ピンに対して貼り
付きやすくなるという点は問題点として残った。
【0009】このような理由から、パーフルオロアルキ
ルポリエーテル系の潤滑剤が長期間安定かつ有効に働く
潤滑剤として作用するためには、磁性層表面との吸着特
性のコントロールとは別に、フッ素系オイルの持つ低い
表面張力に起因する凝集しやすいという特性自体の改良
の必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題に鑑み、繰り返し使用や、スチル再生での使用等
に、より優れた耐久性を持つ磁気記録媒体、特に強磁性
金属薄膜型磁気記録媒体を提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成される。 1.非磁性支持体上に、磁性層、磁性層を潤滑するため
の潤滑層をこの順に設けてなる磁気記録媒体または、非
磁性支持体上に磁性層、磁性層を保護・防錆するための
保護層、磁性層を潤滑するための潤滑層をこの順に設け
てなる磁気記録媒体において、前記潤滑層を構成する潤
滑剤に陽イオンを保持したパーフルオロアルキルポリエ
ーテルを用いることを特徴とする磁気記録媒体。 2.陽イオンが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金
属イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオンの
いずれか一種類または複数種類よりなる前記1記載の磁
気記録媒体。 3.陽イオンの濃度が、パーフルオロアルキルポリエー
テルに対して100から10000ppmである前記1
又は2記載の磁気記録媒体。 4.磁性層が、強磁性金属薄膜よりなる前記1、2又は
3記載の磁気記録媒体。 5.非磁性支持体において、非磁性支持体上に50〜1
000Åの微粒子を有機バインダー中に分散したものを
塗布し、微粒子の分布が103 〜1010個/mm2 とな
るような下引き層を設けて成るか、又は高分子フィルム
中に粒径50〜3000Åの微粒子を包含、分散させて
成る前記1、2、3又は4記載の磁気記録媒体。
【0012】以下本発明を詳述する。本発明に基づく陽
イオンを保持させたパーフルオロアルキルポリエーテル
は、オイルの潤滑性を長時間維持し、オイルの凝集等に
よる磁気ヘッドや走行ピンに対する貼り付きを抑え、長
時間安定した特性を与えるものである。
【0013】陽イオンを保持したパーフルオロアルキル
ポリエーテルが潤滑層中での凝集性を改善し得た理由に
付いては必ずしも明らかではないが、恐らくはオイルの
ポリエーテル鎖の酸素原子による配位結合が陽イオンを
取り囲むように安定に保持し、このためにオイルは静電
的にプラスの電荷を持ち、静電的な反発力によりオイル
の凝集性が改善されたものと思われる。
【0014】オイル中に保持し効果のある陽イオンとし
ては、Li、Na、K、Rbといったアルカリ金属イオ
ン、Be、Mg、Ca、Sr、Baといったアルカリ土
類金属イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオ
ンが挙げられる。特にKイオン、Caイオン等は効果が
高い。これらの陽イオンは、KOH、Ca(OH)
Mg(OH)の如き水酸化物、CaCl、AlCl
、NH4Clの如き塩化物、更にKF、CaF、N
aF、BaFの如きフッ化物などの陽イオン化合物に
より与えられる。オイル中に保持し効果のある陽イオン
濃度はパーフルオロアルキルポリエーテルに対して10
0から10000ppmの量であり、更に好ましくは2
00から4000ppmである。
【0015】本発明で有効なパーフルオロアルキルポリ
エーテルは、分子構造の鎖の部分を構成するエーテルの
単位骨格として、−[CF(CF3 )CF2 O]−,−
(CF2 CF2 CF2 O)−,−(CF2 CF2 O)−
と−(CF2 O)−との共重合体、あるいは、−[CF
(CF3 )CF2 O]−と−(CF2 O)−との共重合
体等の構造を持つオイルで、陽イオンを保持させる工程
は、上記陽イオン化合物を水やメタノール等に溶解させ
た溶液と共に溶媒抽出により行い、具体的にはそれぞ
れ、デュポン社製Krytox Oil、ダイキン工業
社製DemnumOil、モンテカチーニ社製Fomb
lin Z Oil、FomblinY Oil等の一
部のものが該当する。これらオイルの中、陽イオンを保
持していないものは、上記の陽イオン化合物を用いて陽
イオンを保持させればよい。勿論、これらのオイルを用
いることに限定されない。尚、上記オイルの中、陽イオ
ン濃度が本発明3の濃度に達していないものについて
は、上記陽イオン化合物を用いて本発明3の濃度に達す
るように処理すればよい。
【0016】本発明はオイルの凝集性を改善するもので
あることから、磁性層と潤滑層との間に磁性層を保護・
防錆する目的で保護層を設けた磁気記録媒体においても
同様に有効に働く。
【0017】本発明の化合物は、溶剤(例えばCFC−
113、HCFC−123、FC−77、アセトン、メ
タノール等)に溶解またはエマルジョンの状態とし、こ
の液を磁性層に塗布または吹き付け或いはこの溶液中に
磁性層を浸漬し、乾燥する方法により潤滑層とすること
ができる。また、本発明の化合物を蒸着等の方法により
直接被着させても良い。
【0018】本発明に係る磁気記録媒体は、図1(a)
に示すように、支持体a−1の上に磁性層a−2を設け
さらにその上に磁性層を潤滑するための潤滑層a−4を
設けたものである。磁性層a−2は単層構造或いは2層
又はそれ以上の多層構造であっても良い。
【0019】上記各層以外に走行性を向上させるために
非磁性支持体裏面にバックコート層a−3や非磁性支持
体上に下引き層(図示せず)を設けても良い。特に、下
引き層を支持体上に設けることは、磁性層の表面形状を
コントロールするという点において重要であり、本発明
の潤滑剤との組合せにより、より効果的な走行性の確保
や耐久性の向上が得られる。この時の下引き層の有効な
表面粗さとしては、中心線平均粗さRaが0.0005
〜0.03μm(測定長1mm、カットオフ値7.5μ
m)が好ましい。
【0020】また図1(b)は、磁性層b−2上に保護
層b−5を設けさらにその上に潤滑層b−4を設けた例
を図示したものである。尚、b−1は支持体、b−3は
バックコート層である。
【0021】前記支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、芳香族系
ポリアミド類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂等のフ
ィルムが挙げられる。上記支持体には、みみず状突起お
よび/または粒状突起を形成し、後記の強磁性金属薄膜
表面の表面粗さあるいは形状をコントロールすることが
できる。このみみず状突起は、例えば支持体上に高分子
物質を塗布し乾燥して後延伸することにより形成され
る。
【0022】一方、上記粒状突起は、高分子フィルム製
膜時に高分子フィルム中に粒径50〜3000Å程度の
無機又は有機微粒子を包含、分散させるか、またはバイ
ンダー中に有機微粒子あるいはシリカ、金属又は金属の
酸化物の如き微粒子等を分散させ、支持体の下引き層と
して塗布又は付着させることにより形成する。この粒状
突起の高さは50〜1000Åが好ましく、さらに好ま
しくは100〜500Åである。密度は103 〜1010
個/mm2 であることが好ましい。これらの突起を形成
することにより耐久性・走行性をさらに改善することが
可能である。
【0023】一方磁性層については、支持体上に、F
e、Co、Ni、Co−Ni合金、Co−Cr合金、F
e−Co合金等の強磁性金属材料を用いて、真空蒸着法
やスパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空
薄膜形成技術によって連続的に強磁性薄膜を形成する方
法のもの、あるいは、磁性粉としてγ−Fe23 、C
o含有または被着のγ−Fe23 或いはCrO2 等の
金属酸化物強磁性粉末、或いは、Fe、Co、Niなど
を主成分とする合金強磁性粉末等の粉末磁性材料を用
い、これを他の添加剤とともに塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布乾燥す
ることにより作製される塗布方式のものがある。本発明
の態様としては前者の方式がより好ましい。
【0024】上記真空蒸着法は、10-4Torr以下の
真空下で強磁性金属材料を電子ビーム加熱等で蒸発させ
支持体上に被着させる方法であり、さらに平面方向の抗
磁力を上げること及び表面硬化のための上記強磁性金属
材料を支持体上に斜めに被着させたり、酸素雰囲気中で
蒸着を行い、強磁性金属薄膜を部分酸化させたり、2重
層以上の多層構成にすることも可能である。
【0025】このような強磁性薄膜を形成する際に、使
用される強磁性金属材料は、前記したものの中で、Co
−Ni合金のNi含有率が30wt%以下のものが性能
上より好ましい。また磁性層の膜厚は、単層構造のもの
あるいは多重層構造のものにおいて、共に500〜10
000Åが好ましく、さらに好ましくは800〜300
0Åである。
【0026】また、支持体の強磁性金属薄膜が設けられ
る反対の面にバックコート層を形成する場合には、該バ
ックコート層は塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等のバイン
ダー樹脂を一種類以上用い、導電性カーボンブラックを
一種類あるいは粒径または化学的性質の違う複数種類の
カーボンブラックを一緒に分散させるかまたは別々に分
散させた塗液を支持体上に塗布して、形成する。
【0027】この分散時に使用される有機溶媒として
は、例えばシクロヘキサノン、トルエン、メチルエチル
ケトン、ベンゼン等が挙げられる。また、表面性または
耐久性改善のために無機顔料をカーボンブラックと共に
分散させてもよい。
【0028】潤滑層には、公知の潤滑剤や添加剤を併用
してさらに潤滑性や耐食性といった信頼性の向上を図っ
てもよい。このような化合物には、高級脂肪酸またはそ
の金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロ
アルキルカルボン酸エステル、パーフルオロアルキルス
ルホン酸、ジメチルポリシロキサン、末端又は側鎖変性
ジメチルポリシロキンサン(変性基:−OH、アルコキ
シド基、アミノ基、−COOH、エポキシ基、ビニルメ
ルカプト基等)、酸性燐酸エステル、燐酸エステル、亜
燐酸エステル、ホスホン酸、防錆剤(例えばアルキルフ
ェノール、ハイドロキノン、クレゾール、ナフトール、
トリアゾール、メルカプト化合物等)等が挙げられる。
【0029】さらに、潤滑層と磁性層との間に保護層を
設けることは耐食性を向上させたり、磁性層の耐摩耗性
をさらに向上させるのに有効となる。保護層としては、
プラズマCVD法により形成された硬質炭素膜や、ゾル
−ゲル法により形成された無機保護皮膜等が挙げられ
る。
【0030】本発明に基づいて形成される潤滑層中の陽
イオンを保持したパーフルオロアルキルポリエーテル
は、0.3〜6.0mg/m2 の範囲の塗布量が好まし
く、さらに好ましくは1.0〜4.0mg/m2 の塗布
量である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。 実施例1〜11、比較例1〜11 7μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに酸素
を導入しながら斜め蒸着法によりCo−Ni合金を被着
させ、膜厚2000Åの強磁性金属薄膜を形成した。
【0032】次にこの強磁性金属薄膜表面に、本発明に
係る化合物および比較例とした化合物をそれぞれ表1に
従い塗布し、さらに支持体の裏面には塩化ビニル−ポリ
ウレタン樹脂バインダー中にカーボンブラックを分散し
たバックコート層を設け、これを8mm幅に裁断してサ
ンプルテープを作製した。
【0033】実施例12〜15、比較例12〜15、参
考例1〜2 7μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに酸素
を導入しながら斜め蒸着法によりCo−Ni合金を被着
させ、膜厚2000Åの強磁性金属薄膜を形成した。
【0034】次にこの強磁性金属薄膜表面に、プラズマ
CVDにより以下の条件で硬質炭素保護層を形成した。
製膜条件は、原料ガスにベンゼン・アルゴン1:1(モ
ル比)混合ガスを用い、10Paのガス圧で、基盤に−
2KVのバイアス電圧をかけプラズマ発生のRF出力を
0.5Kwとして製膜を行い、炭素保護層膜厚が100
Åとなるようにした。その上に、本発明に係る化合物お
よび比較例とした化合物をそれぞれ表1に従い塗布し、
さらに支持体の裏面には塩化ビニル−ポリウレタン樹脂
バインダー中にカーボンブラックを分散したバックコー
ト層を設け、これを8mm幅に裁断してサンプルテープ
を作製した。
【0035】実施例10、11、14、15および比較
例10、11、14、15については蒸着を行う前にフ
ィルム上に下引き層を以下のように製膜した。粒径が2
50Åのコロイダルシリカ(OSCAL1434、触媒
化成工業社製)をポリエステル樹脂(バイロン200、
東洋紡社製)と共にMEK(メチルエチルケトン)/ト
ルエン溶液中で分散し、これを、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に塗布した。この時の下引き層の膜厚
は100Åとし、粒子の密度は107 個/mm2 となる
ようにした。
【0036】各サンプルテープについて、耐久性の試験
および走行性のテストを行った。耐久性の試験は40℃
20%RHの条件下で、市販の8mmVTRデッキを用
い、はじめにカラーバー信号を録画しその後5分間の再
生を繰り返し行って再生出力が初期値より−3db低下
するまでの再生回数で評価した。
【0037】また走行性のテストは、40℃80%RH
の条件下で、録画・再生等の走行性において、貼り付き
や走行むらが認められるかどうかにより判断した。結果
を下記の記号にて表2に表示した。
【0038】耐久性テスト A:300パス以上OK B:250パス以上300パス未満OK C:200パス以上250パス未満OK D:150パス以上200パス未満OK E:100パス以上150パス未満OK F:100パス未満OK
【0039】走行性テスト G:問題無し H:走行むら発生 I:テープ貼り付き発生 結果を以下に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】表2の結果から明らかなように、陽イオ
ンを保持したパーフルオロアルキルポリエーテルを潤滑
剤で用いた本発明は、耐久性、走行性の両方を共に改善
する結果を与える。特に走光性において、貼り付きや走
行むらのなど、潤滑剤の存在状態により大きく結果が左
右される特性において顕著な改善効果が得られることが
分かる。
【0043】尚、実施例10において、下引層を有する
フィルムに代えて次のフィルムを用いた。即ち、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの製膜前の原料に、粒径
が250Åのコロイダルシリカを分散してから製膜し、
フィルム表面の粒子密度10個/mmとなったフィ
ルムを用いたことのみ異ならせたところ、実施例10と
同じ結果が得られた。
【0044】本発明による磁気記録媒体は、スチル再生
での使用等に、より優れた耐久性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
a−1 支持体 a−2 磁性層 a−3 バックコート a−4 潤滑層 b−1 支持体 b−2 磁性層 b−3 バックコート層 b−4 潤滑層 b−5 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 康二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 比護 政志 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 上田 国博 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、磁性層、磁性層を潤滑
    するための潤滑層をこの順に設けてなる磁気記録媒体ま
    たは、非磁性支持体上に磁性層、磁性層を保護・防錆す
    るための保護層、磁性層を潤滑するための潤滑層をこの
    順に設けてなる磁気記録媒体において、前記潤滑層を構
    成する潤滑剤に陽イオンを保持したパーフルオロアルキ
    ルポリエーテルを用いることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】陽イオンが、アルカリ金属イオン、アルカ
    リ土類金属イオン、アルミニウムイオン、アンモニウム
    イオンのいずれか一種類または複数種類よりなることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】陽イオンの濃度が、パーフルオロアルキル
    ポリエーテルに対して100から10000ppmであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】磁性層が、強磁性金属薄膜よりなることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】非磁性支持体が、非磁性支持体上に50〜
    1000Åの微粒子を有機バインダー中に分散したもの
    を塗布し、微粒子の分布が103 〜1010個/mm2
    なるような下引き層を設けて成るか、又は高分子フィル
    ム中に粒径50〜3000Åの微粒子を包含、分散させ
    て成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    磁気記録媒体。
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