JPH06103559A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06103559A
JPH06103559A JP25288692A JP25288692A JPH06103559A JP H06103559 A JPH06103559 A JP H06103559A JP 25288692 A JP25288692 A JP 25288692A JP 25288692 A JP25288692 A JP 25288692A JP H06103559 A JPH06103559 A JP H06103559A
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magnetic recording
integer
fluorine
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JP25288692A
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Toshio Ishida
寿男 石田
Masanori Satake
正紀 佐武
Tsutomu Okita
務 沖田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行性、耐久性および保存性に優れた塗布型
の磁性層を有する磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体上の少なくとも一方の面に強磁
性粉末と結合剤を主体とする磁性層を有する磁気記録媒
体において、下記の一般式(1)もしくは(2)で表さ
れるパーフルオロアルキル基を少なくとも2個と−O
H、−COOM、−PO3 2 、−OPO3 2 、−O
(CH2 b SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属、
アンモニウム、bは0から4の整数)の群から選ばれた
1個以上の極性基を有するフッ素系化合物のうちの少な
くとも1種を磁性層中に含む磁気記録媒体。 【化1】 ただし、nは2〜10、mは1〜18、n+mは6〜2
6の整数である。 【効果】 高度な潤滑性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性および保存性に
優れた磁気記録媒体に関し、とくに強磁性金属粉末を含
有した合成樹脂の組成物を非磁性支持体上に塗布した磁
気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体では、潤滑剤層を磁性層表面に形成すること
によって、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性および
走行耐久性を改善するために使用している。とくに、磁
気記録媒体では記録の高密度化により磁性層表面はより
平滑になり、また磁気記録媒体はさまざまな環境で使用
され、かつ記録された情報は数年から数十年にわたって
保存される。そのため多様な環境下での走行耐久性およ
び保存安定性が要求されており、従来の潤滑剤では十分
な効果を発揮し得なくなっている。さらに、カムコーダ
すなわちカメラ一体型ビデオテープレコーダや小型のビ
デオテープレコーダは、外部で使用されることが多く、
磁気記録媒体には幅広い環境条件での使用に耐える潤滑
性能が必要とされている。
【0003】高密度記録のため非磁性支持体上に金属薄
膜を形成した強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体が実用さ
れているが、磁気記録密度は大きいが長期間保存での走
行性、磁気特性の劣化が懸念されている。一方、強磁性
金属粉末の組成物を非磁性支持体上に塗布した塗布型磁
性層は高密度記録に有利であり、今後のハイビジョン
化、デジタル化等の磁気記録密度向上が期待されてい
る。強磁性金属の磁気特性の経時変化を小さくするため
に表面に酸化層を形成することが行われるが、酸化層の
形成は電磁変換特性を劣化させるので高密度記録化のた
めには好ましくなく、強磁性金属粉末の塗布型磁性層で
は保存性を改善するための保護層および潤滑層が待ち望
まれている。
【0004】パーフルオロアルキル基を含むフッ素系化
合物は、疎水性であると同時に疎油性の性質も有してお
り、水および油中においても界面活性剤としての性質を
発揮することはよく知られている。また、表面エネルギ
ーを低下させる特性も有しており、これらの性質を利用
して有機フッ素化合物を塗布して材料の滑り性や潤滑性
を改善することが行われている。これらのフッ素系化合
物は高性能潤滑剤としては期待されながらも、溶剤への
溶解性が不足し通常の炭化水素系溶剤に溶解しないので
塗布型磁気記録媒体への使用は現実的には不可能であっ
た。
【0005】例えば極性基としてスルホン酸金属塩、連
結基にエステル基、分子末端は2個のフッ素置換アルキ
ル基を有する化合物を磁性粉末を分散した塗料液中に混
合して塗布することが特開昭58−100228号公報
に記載されているが、極性基としてスルホン酸金属塩等
を含んでおり、これらの極性基は極性が大きく酸として
の性質を強く有しているので、強磁性金属粉末や高密度
記録のために使用される薄膜ヘッドを腐食する等の問題
があり、とくに、極性基がスルホン酸金属塩の場合に
は、溶剤へ溶解しにくくなり、強磁性金属粉末の組成物
中に添加しても十分に強磁性金属粉末に吸着せず、強磁
性金属粉末を含有する塗料液を塗布した場合には、磁性
層表面に白い粉が析出する白粉と称される現象が現れ
る。
【0006】さらに、強磁性金属粉末を含有する組成物
中に上記のフッ素系化合物を含有させずに、磁性層を形
成の後に磁性層上にフッ素系化合物の溶液を塗布する場
合には、溶解性の大きなフッ素系の溶剤が必要となるの
で、フッ素系の有機溶剤の溶解性は形成した磁性層を溶
解させるという問題も生じる。さらに、フッ素系有機溶
剤の使用は、環境問題を引き起こし、また潤滑剤そのも
のが加水分解を受け易く長期間の保存には耐えないもの
である。
【0007】特開昭61−253634号には、(Cn
2n+1m O)k =O(OX)3-kで表される潤滑剤が
記載されており、連結基は燐酸エステル、フッ素鎖の連
結には、アルキレン基、アルキレンオキサイド、スルホ
ンアミド、を開示しているが、非フッ素系溶剤には溶解
しないという問題がある。
【0008】特公昭60−48047号には、親油性部
と親水性部の長さの比を特定したフッ素系界面活性剤が
記載されており、具体的にはC8 17SO2 NCH2
2O(CH2 CH2 O)n H、Cn 2n+1CH2 CH
2 OHが記載されているが、摩擦係数の低減効果は小さ
く、とくに高温の条件下では十分に低減することはでき
ない。
【0009】特公平3−19602号、特開昭54−7
9366号には、−SO3 Na、−SO3 K、−SO3
H、−COOH等を有するフッ素系炭化水素化合物から
なる潤滑剤について記載されており、C8 17SO
2 F、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンの末端
OH、SO3 H、Rf CONH(CH2 3 の末端ベタ
イン構造などが具体的に示されているが、μ値、スチル
耐久性、保存性のいずれもが不十分で、炭化水素系溶剤
には溶解しないものである。特開昭62−92227号
には、フルオロアルキル基と脂肪族アルキル基を有する
化合物を強磁性金属薄膜上へ塗布することが記載されて
いるが、これらのものはアルキル基の導入によって、イ
ソプロパノールによる塗布が可能となったが、μ値、ス
チル耐久性、保存性が不十分であった。
【0010】上記潤滑剤を磁気記録層に塗布することの
他に、例えばパーフルオロアルキルポリエーテルおよび
その誘導体(特開昭60−61918号、特開昭61−
107528号、米国特許第3778308号、特公昭
60−10368号、米国特許第4897211号等)
を使用することが記載されているが、これらのフッ素系
有機化合物の潤滑剤は、テープが摺動する相手部材との
低速の摩擦係数は高く不十分でありかつ保存性について
も亜硫酸ガス等の酸性ガス腐食については磁性層離脱を
起こし、実用に耐え得る磁気記録媒体とはなり得ない。
【0011】また脂肪酸および脂肪酸エステル等(特公
昭28−28367号、特公昭51−39081号、特
公昭51−30981号、特開昭56−80828号、
特開昭61−24017号)は、磁気ヘッドとの高速摩
擦が高く不十分であり、かつ亜硫酸ガス等の酸性ガス腐
食についても不十分である。また上記の潤滑剤の多く
は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アル
コール類、トルエン等の通常の炭化水素系の有機溶剤に
は溶解せず、塗布に当たってはフッ素系の有機溶剤を使
用する必要があった。ところが、フッ素系有機溶剤は高
価であり、オゾン層破壊の問題を起こしたり、作業環境
の悪化をおこしたりして極めて生産適性のないものであ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般の炭化
水素系有機溶剤に溶解し、フッ素系有機溶剤を使用する
必要がないフッ素系有機化合物からなる潤滑剤を提供す
ることを目的とし、磁性層が極めて平滑な高密度記録媒
体に走行性、耐久性、保存性を付与した磁気記録媒体を
提供することを目的とするものである。また、強磁性金
属粉末の組成物を塗布した塗布型の磁気記録媒体の塗布
液中に添加して使用することができる高性能な潤滑剤に
関するものであり、また磁性層上に炭化水素系溶剤によ
って塗布することができる高性能潤滑剤を提供するもの
である。さらに、屋外での使用環境においても十分な走
行性と耐久性を有する磁気記録媒体を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上の少なくとも一方の面に強磁性粉末と結合剤を主体と
する磁性層を有する磁気記録媒体において、下記の一般
式(1)もしくは(2)で表されるパーフルオロアルキ
ル基を少なくとも2個と−OH、−COOM、−PO3
2 、−OPO3 2 、−O(CH2 b SO3 M(M
は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、bは0から
4の整数)の群から選ばれた1個以上の極性基を有する
フッ素系化合物のうちの少なくとも1種を磁性層中に含
む磁気記録媒体である。
【0014】
【化3】
【0015】ただし、nは2〜10、mは1〜18、n
+mは6〜26の整数である。
【0016】とくに、フッ素系化合物が下記の一般式
(3)〜(6)で表される化合物のうちの少なくとも一
種であることが好ましい。
【0017】
【化4】
【0018】ただし、Rf は、一般式(1)または
(2)で表されるパーフルオロアルキル基であり、Yは
2価の連結基、Xは、−OH、−COOM、−PO3
2 、−OPO3 2 、−O(CH2 b SO3 M(Mは
水素原子、アルカリ金属、アンモニウム)bは0〜4の
整数であり、R1 は、CH、CH2C、(CH3 )Cで
あり、R2 はCH2 、CH2 CH2 、CH2 CH2 CH
2 、CH(CH3 )であり、R3 はC、CH2 C、CH
2 CH2 Cをあらわし、kは0から2の整数を表すが、
同一分子中での、Rf 、X、Y、R1 、R2 、kは同一
でなくてもよい。
【0019】しかしながら、一般式(3)〜(6)に記
載のフッ素系化合物において、同一の分子中のRf 、Y
は、長さが同じである方が、磁性層表面に配位したとき
の規則性に優れ、配向性が良くなり潤滑性が向上するの
で好ましい。また、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ
化学的に安定なものが好ましく、炭化水素基であること
が好ましい。kが3以上になると、極性基Xとパーフル
オロアルキル分子鎖の間が大きく開いてしまうために、
f の配向性が低下するので好ましくない。
【0020】さらに、一般式(1)ないし(2)に記載
のパーフルオロアルキル基において、分子末端は、CF
3 であることが好ましく、極性基としては−SO3 Mを
含む場合には、直接に炭化水素鎖に結合するものは炭化
水素系有機溶剤への溶解性が小さいので適当ではなく、
−O(CH2 b SO3 Mのように、−O(CH2 b
が存在し(ただし、bは0から4の整数)、分子の配向
性、結晶性が弱まったために、溶解性が大きく磁性層表
面へ析出が生じにくいものが好ましい。また、mが大き
い場合も小さい場合もいずれの場合も、有機溶剤に対す
る溶解性が低下するので、mは1〜18の範囲であるこ
とが好ましい。
【0021】2価の連結基であるYには、アミド、エス
テル、チオール、エーテル、スルホキシド、スルホンが
好ましい。とくに、好ましくはnは4〜8、mは2〜1
1、n+mは8〜19 Yは−OCO−、−COO−、 Xは−OH、−O(CH2 b SO3 M、−PO3 2 Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、bは0〜4の整
数 R1 は、CH、CH2C R2 は、CH2 、CH2 CH23 はC、CH2 C kは0から2の整数 ただし、同一分子中において、Rf 、X、Y、R1 、R
2 、kは同一でなくてもよい。
【0022】本発明の磁気記録媒体において、上記フッ
素系化合物を磁性層中に含有させずに、フッ素系化合物
含有層を磁性層上へ形成する場合には、炭化水素系溶剤
に溶解して塗布することによって行うことができる。こ
の利点は、本発明におけるフッ素系化合物がパーフルオ
ロアルキル基中に炭化水素基を含有するという構造的特
徴に由来するものであるが、炭化水素系溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール等を用いることができる。特に、溶解力、
工程の安全性という見地からは、メチルエチルケトン、
メチルイソメチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロ
パノールが望ましい。
【0023】本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性
微粉末としては、特に限定されることはなく、例えば、
γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe2 3 、Fe
3 4 、Co含有γ−Fe3 4 、バリウムフェライト
等の六方晶マグネトプランバイト型フェライト、Cr2
3 等の酸化物系微粉末、Fe、Co、Ni等よりなる
金属あるいは合金微粉末等の従来公知の各種強磁性微粉
末をあげることができる。
【0024】強磁性粉末の中でも本発明の前述の効果が
最も有効に発揮されるのは、従来、高度な分散性や充填
度と高い走行耐久性との両立に問題が多かった金属ある
いは合金微粉末である。
【0025】すなわち、強磁性金属粉末は、活性に富み
表面に錆が発生し易く、錆の発生によって電磁変換特性
が劣化し、磁気記録媒体の耐久性が低いという問題点が
あったが、本発明のフッ素系化合物を潤滑剤として強磁
性金属粉末を含有する組成物に混合することによって、
強磁性金属粉末の錆の発生を抑制することができるの
で、磁気特性が高く高密度記録に適した磁気記録媒体を
与えるという強磁性金属粉末の優れた点を利用すること
ができる。
【0026】前記強磁性金属粉末は、少なくともFeを
含むことが必要であり、具体的には、Fe、Fe−C
o、Fe−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属
単体あるいは合金である。本発明の磁気記録媒体を高記
録密度化するために、粒子サイズが小さいことが必要で
あると同時に磁気特性としては、飽和磁気は少なくとも
110emu/g以上、望ましくは120emu/g以
上である。又、抗磁力としては、800Oe(エルステ
ッド)以上、900Oe以上である。磁性体の粒子の大
きさは、長軸が0.2〜0.2μm、アスペクト比が5
〜10が好ましい。 本発明の磁気記録媒体に用いられ
る結合剤樹脂における酸性基あるいは酸性基の塩として
は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、リン酸エ
ステル、ホスホン酸等の酸性基、あるいはこれらの酸性
基とアルカリ金属やアンモニウムイオン等の塩をあげる
ことができる。なかでも、スルホン酸、リン酸エステ
ル、ホスホン酸は、本発明の磁気記録媒体における強磁
性微粉末の粒子表面との相互作用が大きいので好まし
い。
【0027】結合剤の分子骨格には特に制限はなく、従
来から公知の各種のものを使用することができ、例え
ば、塩化ビニル、ビニルエスル、(メタ)アクリル酸エ
ステル、スチレン等の付加重合系のポリマー、ポリエス
テル、ポリウレタン等の縮重合系のポリマー等があげら
れる。
【0028】本発明の磁気記録媒体における結合剤樹脂
は、単独あるいは他の結合剤樹脂と併用して用いること
ができる。他の結合剤樹脂としては従来公知のポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂などの縮合
系の樹脂や、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、
アクリロニトリル、ブタジエン、ビニルエステル、アク
リルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの重合あ
るいは共重合体がある。
【0029】更に、耐久性を向上させるために、硬化性
樹脂を含ませることも可能であり、その例としては、ポ
リイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物などの熱
硬化性の樹脂、化合物や不飽和二重結合を含有する紫外
線・電子線硬化樹脂、化合物がある。
【0030】結合剤分子中には、より優れた分散性と耐
久性を得るためには必要に応じ、COOM、SO3 M、
S 3 M、P=O(OM)2 、O−P=O(O
M)2 、(Mは水素原子、またはアルカリ金属)、O
H、NR2 、N+ 3 (Rは炭化水素基)、エポキシ
基、SH、CNなどから選ばれる少なくともひとつ以上
の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用い
ることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜1
-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/
gである。
【0031】強磁性粉末と結合剤との混合割合は、重量
比で強磁性粉末100重量部に対し、結合剤樹脂8ない
し25重量部が好ましい。結合剤樹脂が少ないと分散性
や耐久性が劣り、また結合剤が多すぎると磁性層の充填
度が減少し望ましくない。
【0032】本発明の磁気記録媒体の磁性層には更に従
来公知の各種の潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤を含んでも
良い。潤滑剤の例としては、ポリシロキサンなどのシリ
コンオイル、カーボンブラック、グラファイト、二硫化
モリブデンなどの無機粉末、ポリエチレン、ポリテトラ
フルオロエチレンなどのプラスチック微粉末、高級脂肪
酸、高級脂肪酸エステル、フルオロカーボンなどがあげ
られる。これらは単独あるいは混合して用いることがで
きる。これらの添加量は用いる結合剤量100重量部に
対し0.2ないし20重量部の範囲で用いることが好ま
しい。
【0033】研磨剤の例としては、モース硬度が5以上
望ましくは9以上の非磁性無機微粉末があげられ、具体
的には酸化アルミニウム(α−アルミナ、熔融アルミ
ナ、コランダムなど)、酸化クロム(Cr2 3 )、酸
化鉄(α−Fe2 3 )、二酸化ケイ素、二酸化チタン
などの酸化物、炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化物、
ダイヤモンドなどの微粉末をあげることができる。これ
らの平均粒子径は0.05ないし1.0μmが望まし
く、強磁性微粉末100重量部に対し0.5ないし20
重量部の範囲で添加することができる。
【0034】帯電防止剤としてはカーボンブラック、と
くに平均粒径が19〜300nmのものが好ましく、グ
ラファイト、カーボンブラックグラフトポリマーなどの
導電性粉末、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活
性剤、カチオン系界面活性剤などが使用される。
【0035】磁性層の形成は、通常、強磁性微粉末や結
合剤などを溶媒に浸漬、溶解し公知の分散機で分散後、
非磁性支持体上に塗布することによって行われる。溶媒
としては有機溶剤が望ましく、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類、セルソルブ、テトラヒドロフラン
などのエーテル類、トルエンなどの芳香族系炭化水素
類、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類などの溶
剤をあげることができる。分散に関しては、サンドミル
など各種の分散機を用いることができ、詳しくはT.
C.Patton著“Paint Flow and
Pigment Dispersion”(1964年
John Willey & Sons社)などに記載
されている方法を用いることができる。
【0036】本発明の磁気記録媒体の非磁性支持体とし
ては、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹脂、ガラ
ス、セラミックス等の無機材料、非磁性の金属などがあ
げられ、テープ、シート、カード、ディスク、ドラムな
どの形状で使用される。非磁性支持体上に磁性層を形成
する方法としては、従来公知の方法を用いることがで
き、詳しくは「コーティング工学」(昭和46年朝倉書
店)等に記載されている方法を用いることができる。
【0037】またこのようにして非磁性支持体上に形成
された磁性層は、必要により磁性層中の磁性粉末を配向
する処理をした後、乾燥され、カレンダリング処理(加
圧成形処理)などの表面処理を施される。磁性層の厚さ
は特に制限はないが、通常、0.5〜6μm、さらには
2〜4μmである。磁性層を重層等の多層構造にする場
合はさらに一層が0.2〜1μmと薄くても良い。
【0038】本発明の磁気記録媒体に、使用するフッ素
系化合物は、さらに好ましくは、R 1 が(CH3 )Cで
ある場合には、R2 はCH(CH3 )でないことが好ま
しい。 また、前記したフッ素系化合物の製造は、酸と
アルコール等を原料として容易に製造することができ
る。
【0039】例えばイタコン酸とパーフルオロアルキル
エチルアルコールとの反応生成物にNaHSO3 を付加
する方法、マレイン酸無水物とパーフルオロアルキルブ
チルエルコールとの反応生成物にNaHSO3 を付加す
る方法、酒石酸とパーフルオロアルキルブチルエルコー
ルとの反応、クエン酸とパーフルオロアルキルペンチル
エルコールとの反応、更に得られた複数のパーフルオロ
アルキル鎖を有するこれらの化合物にブタンサルトンを
反応させてをスルホン酸に変性する方法なども適用する
ことができる。
【0040】
【作用】本発明は、非磁性支持体上の少なくとも一方の
面に強磁性粉末と結合剤を主体とする磁性層を有する磁
気記録媒体において、パーフルオロアルキル基を少なく
とも2個と−OH、−COOM、−PO3 2 、−OP
3 2 、−O(CH2b SO3 M(Mは水素原子、
アルカリ金属、アンモニウム、bは0から4の整数)の
群から選ばれた1個以上の極性基を有するフッ素系化合
物のうちの少なくとも1種を磁性層中に含む磁気記録媒
体であり、フッ素系化合物が一般的な炭化水素系の有機
溶剤に溶解するので、強磁性粉末と結合剤の組成物を非
磁性支持体上へ塗布する塗布液の形成が容易であり、ま
た、あらかじめ形成した磁性層上へも炭化水素系の有機
溶剤に溶解して塗布することができる。さらに、本発明
のフッ素系化合物は潤滑性とともに強磁性金属粉末の防
錆にも大きな効果を発揮し、強磁性金属粉末を使用した
磁気記録媒体の保存性、耐久性を大きく高める。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に説明する。 実施例および比較例 強磁性合金粉末(組成:Fe 94%、Zn 4%、N
i 2%、Hc 1500Oe、結晶子サイズ20n
m)100重量部をオープンニーダーで10分間粉砕
し、次いでSO3 Na含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオ
ン製 MR110)を10部及びメチルエチルケトン6
0部を加えて混練し、次いで SO3 Na含有ウレタン樹脂(東洋紡 UR8200) 10部(固形分) 研磨剤 (アルミナ 粒子サイズ 0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部 加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート (日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部(固形分) 表1および表2記載の潤滑剤 仕込量は表に記載 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を
調整した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.0μ
mになるように10μ厚のポリエチレンテレフタレート
支持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
【0042】磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁
性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配
向を行い、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロールの5
段のカレンダー処理を行った後8mm幅にスリットし
て、磁気テープを製造した。なお、実施例9は潤滑剤な
しでテープを作成した後エタノールに溶解した潤滑剤を
磁性層表面にオーバーコートした。
【0043】得られた磁気テープを下記の評価方法に基
づいて評価をし、その結果を表1に記載する。 〔評価方法〕 摩擦係数の測定 磁気テープとステンレスポールとを50gの張力
(T1 )で巻きつ付け角180度で接触させて、磁気テ
ープを3.3cm/秒の速度で走行させるのに必要な張
力(T2 )を測定した。下記計算式により磁気テープの
摩擦係数μをもとめた。
【0044】μ=1/π・ln(T2 /T1 ) 摩擦係数は、A)そのままのもの(保存前)とB)60
℃ 90%RHの環境に7日間保存したものを23℃
70%RHで測定した。なお保存前のものは5℃ 80
%RH、40℃ 80%RHでも測定した。
【0045】スチル耐久性の測定 スチル耐久性は、8mmVTR(富士写真フィルム
(株)製 FUJIX−8M6型)を使用してスチル制
限機構を動作させないでスチル状態で画像を再生し、画
像が出なくなるまでの時間を測定して評価した。
【0046】スチル耐久性は、A)そのままのもの(保
存前)と B)60℃ 90%RHの環境に7日間保存
したものを5℃ 10%RHで測定した。
【0047】保存後の再生出力低下測定 前述の8mmVTRで7MHzの信号を記録し、60℃
90%RHの環境に7日間保存し、保存前の再生出力を
0dBとして、保存後の出力を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】従来の潤滑剤では得られなかった高度な
保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術が得
られ、高密度磁気記録媒体を実現した。これは本発明に
開示した特定構造の潤滑剤が強磁性粉末へ吸着し、複数
のパーフルオロアルキル鎖の持つ撥水・撥油性が保護層
として表面エネルギーを低下させ良好な潤滑性を付与し
たものである。特にパーフルオロアルキル鎖と炭化水素
部分を1個の分子内に併せ持つことにより炭化水素系の
有機溶剤への溶解性が向上し、炭化水素系の有機溶剤を
使用した磁性粉末の組成物による保護層の形成が可能と
なり、潤滑性と同時に磁性粉末の防錆効果が大きく、ま
た潤滑性を発現するパーフロロアルキル鎖と磁性層への
吸着性を発現する極性基の比率が、従来公知の化合物は
1であったのに対し本発明は2以上であり、1個の吸着
基で2以上の潤滑性を示しきわめて高い潤滑性を示すの
ものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の少なくとも一方の面に
    強磁性粉末と結合剤を主体とする磁性層を有する磁気記
    録媒体において、下記の一般式(1)もしくは(2)で
    表されるパーフルオロアルキル基を少なくとも2個と−
    OH、−COOM、−PO3 2 、−OPO3 2 、−
    O(CH2 b SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金
    属、アンモニウム、bは0から4の整数)の群から選ば
    れた1個以上の極性基を有するフッ素系化合物のうちの
    少なくとも1種を磁性層中に含むことを特徴とする磁気
    記録媒体。 【化1】 ただし、nは2〜10、mは1〜18、n+mは6〜2
    6の整数である。
  2. 【請求項2】 フッ素系化合物が下記の一般式(3)〜
    (6)で表される化合物のうちの少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 【化2】 ただし、Rf は、一般式(1)または(2)で表される
    パーフルオロアルキル基であり、Yは2価の連結基、X
    は、−OH、−COOM、−PO3 2 、−OPO3
    2 、−O(CH2 b SO3 M(Mは水素原子、アルカ
    リ金属、アンモニウム、bは0から4の整数)、R
    1 は、CH、CH2C、(CH3 )Cであり、R2 はC
    2 、CH2 CH2 、CH2 CH2 CH2 、CH(CH
    3 )であり、R3 はC、CH2 C、CH2 CH2 Cをあ
    らわし、kは0から2の整数を表すが、同一分子中で
    の、Rf 、X、Y、R1 、R2 、kは同一でなくてもよ
    い。
  3. 【請求項3】 強磁性粉末が強磁性金属粉末である請求
    項1もしくは2記載の磁気記録媒体。
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