JPH07209888A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07209888A
JPH07209888A JP1310894A JP1310894A JPH07209888A JP H07209888 A JPH07209888 A JP H07209888A JP 1310894 A JP1310894 A JP 1310894A JP 1310894 A JP1310894 A JP 1310894A JP H07209888 A JPH07209888 A JP H07209888A
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JP
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chlorogallium phthalocyanine
phthalocyanine crystal
photoconductor
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crystal
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JP1310894A
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English (en)
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Masakazu Iijima
正和 飯島
Katsumi Nukada
克己 額田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像形成プロセスにおいて、露光ビームによ
りスポット露光して静電濳像を形成する工程と、この静
電潜像を現像剤により現像する工程を用いる画像形成プ
ロセスに用いる電子写真感光体であって、その感度を、
鮮鋭な画質を得るために必要な露光光源に対応する感度
に調整が可能な電子写真感光体を提供する。 【構成】 電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層
を設けて構成され、その感光層に、X線回折スペクトル
において、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.1°
に最も強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシ
アニン結晶とブラッグ角(2θ±0.2°)の少なくと
も7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
に主たる回折ピークを有するクロロガリウムフタロシア
ニン結晶とが含有される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電荷発生機能が優れた特
定の結晶型のクロロガリウムフタロシアニンの組み合わ
せを電荷発生材料として用いた電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体における感光材料
としては、種々のものが提案されており、そして、感光
層を電荷発生層と電荷輸送層とに分離した積層型の電子
写真感光体、電荷発生能と電荷輸送能とを単一層に有す
る単層型の電子写真感光体に関しても、電荷発生材料と
して種々の有機化合物が提案されている。近年、従来提
案された有機光導電材料の感波長域を近赤外線の半導体
レーザー波長(780〜830nm)にまで伸ばし、レ
ーザープリンター等のデジタル記録用の感光体として利
用することの要求が高まっており、この観点から、スク
エアリリウム化合物(特開昭49−105536号及び
同58−21416号公報)、トリフェニルアミン系ト
リスアゾ化合物(特開昭61−151659号公報)、
フタロシアニン化合物(特開昭48−34189号及び
同57−148745号公報)等が、半導体レーザー用
の光導電材料として提案されている。半導体レーザー用
の感光材料として、有機光導電材料を使用する場合、ま
ず、感光波長が長波長まで伸びていること、次に、形成
される感光体の感度、耐久性がよいことなどが要求され
る。しかし、上記の有機光導電材料はこれらの諸条件を
十分に満足するものではない。これらの欠点を克服する
ために、種々の検討がなされているが、上記の有機光導
電材料のうち、例えば、フタロシアニン化合物について
は、電子写真感光体用材料、光記録用材料及び光導電変
換材料として使用することに関して、近年広範に検討さ
れており、特に結晶性と電子写真特性との関係が検討さ
れている。
【0003】一般に、フタロシアニン化合物は、製造方
法、処理方法の違いにより、幾つかの結晶型を示し、こ
の結晶型の違いはフタロシアニン化合物の光電変換特性
に大きな影響を及ぼすことが知られている。フタロシア
ニン化合物の結晶型については、例えば、銅フタロシア
ニンについてみてみると、安定型のβ型以外に、α、
ε、π、χ、ρ、γ、δ等の結晶型が知られており、こ
れらの結晶型は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理
及び熱処理等により相互に転移が可能であることが知ら
れている(例えば米国特許弟2,770,629号、同
第3,160,635号、同第3,708,292号及
び同3,357,989号明細書)。また、特開昭50
−38543号公報には、銅フタロシアニンの結晶型の
違いと電子写真特性との関係について、α、β、γ及び
ε型の比較ではε型が最も高い感度を示すことが記載さ
れている。さらにまた、クロロガリウムフタロシアニン
に関しては、電子写真学会誌;26(3),240,
(1987)に、特定のブラッグ角度に回折ピークを有
するクロロガリウムフタロシアニンの結晶型について記
載されており、一方、特開昭59−445053号公
報、信教技報CPM81−69,39(1981)等に
は、クロロガリウムフタロシアニン結晶の電子写真への
応用についての記載があり、また、特開平1−2214
59号公報には、特定のブラッグ角度に回折ピークを有
するクロロガリウムフタロシアニン及びそれを用いた電
子写真感光体が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子写
真感光体の感度は、用いる光導電材料により一義的に決
まるため、場合によっては、露光光源が必要とする光感
度と必ずしも一致せず、細線の太りや細り、またかぶり
の問題を起こす場合があり、したがって、高品位な画像
形成のために光導電材料として使用するには制約があっ
た。感光体の光感度を所望とする光感度に変化させるた
めには、例えば光導電材料を樹脂分散系で用いる場合、
使用する結着樹脂や有機溶剤を変更するなどの方法が知
られているが、結着樹脂や有機溶剤は感光体の構成上ま
た生産上の制約を受け、使用できるものが限られるた
め、実際に所望とする光感度に調整することは難しい。
また、複数のフタロシアニン結晶を混合して用いること
によって、感度調整を行うことも報告されている。例え
ば、特開昭62−27227号公報には、α型およびβ
型チタニルオキシフタロシアニンを用いることが、また
特開平2−183261号公報には、ブラッグ角(2
θ)=9.6°、11.7°、24.1°、27.2°
にピークを与える結晶型を有するチタニルオキシフタロ
シアニンと6.9°、15.5°、23.4°にピーク
を与える結晶型を有するチタニルオキシフタロシアニン
とを混合することが、また特開平5−173345号公
報には、ブラッグ角(2θ)=7.6°、10.2°、
12.6°、13.2°、15.2°、16.2°、1
8.4°、22.5°、24.2°、25.4°、2
8.7°にピークを与える結晶型を有するチタニルオキ
シフタロシアニンと27.3°にピークを与える結晶型
を有するチタニルオキシフタロシアニンとを混合するこ
とが記載されており、異なる結晶型のチタニルオキシフ
タロシアニンを混合し、その混合比率を変化させてその
感度を調整することが知られている。また、特開平2−
280169号公報には、チタニルオキシフタロシアニ
ンに無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンなどの多
種のフタロシアニン化合物を混合し、感度を調整するこ
とが示されている。しかしながら、上記の例で示される
感光体は、感度調整範囲が必ずしも十分ではなかった
り、また所望とする調整範囲が得られたとしても、これ
まで提案されている種々のフタロシアニン結晶の組合せ
では、樹脂分散系で使用する際に、分散性や分散液の安
定性が実用上必ずしも満足できるものではなかったり、
また繰り返し使用時の電位変動が大きかったり、さらに
は高湿および低湿環境下での特性が大きく変化する等の
問題があった。
【0005】本発明の目的は、画像形成プロセスにおい
て、露光ビームによりスポット露光して静電濳像を形成
する工程と、この静電潜像を現像剤により現像する工程
を用いる画像形成プロセスに用いる電子写真感光体であ
って、その感度を、鮮鋭な画質を得るために必要な露光
光源に対応する感度に調整が可能な電子写真感光体を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、樹脂分
散系において優れた分散性、分散液安定性と感光体特性
を具備した光導電材料を含有する電子写真感光体を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の問
題を解決し、上記の目的を達成するため鋭意検討を重ね
た結果、特定のX線回折スペクトルを有する2つのクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶の組み合わせを用いる
と、感度調整能に優れ、かつ樹脂分散系において、分散
性、分散液安定性に極めて優れた電子写真感光体が得ら
れることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発
明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、X線回折ス
ペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の2
7.1°に最も強い回折ピークを有するクロロガリウム
フタロシアニン結晶とブラッグ角(2θ±0.2°)の
少なくとも7.4°、16.6°、25.5°および2
8.3°に主たる回折ピークを有するクロロガリウムフ
タロシアニン結晶とを含有する感光層を設けてなること
を特徴とする。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を設けてな
るが、感光層は光導電層よりなる単層構造でも、電荷発
生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造であって
もよい。以下、主として積層構造の場合を中心に説明す
る。先ず、本発明において、光導電層または電荷発生層
に含有させるクロロガリウムフタロシアニン結晶につい
て説明する。本発明で用いられるクロロガリウムフタロ
シアニン結晶は、フタロシアニン化合物を合成する公知
の合成方法により製造される。例えば、ジイミノイソイ
ンドリンと金属塩化物とを有機溶媒の存在下で加熱する
ジイミノイソインドリン法、フタロニトリルと金属塩化
物とを加熱融解または有機溶媒の存在下で加熱するフタ
ロニトリル法、無水フタル酸と尿素および金属塩化物と
を加熱融解または有機溶媒の存在下で加熱するワイラー
法、シアノベンズアミドと金属塩とを高温で反応させる
方法、ジリチウムフタロシアニンと金属塩とを反応させ
る方法等により製造することができる。これらの合成方
法において使用する有機溶媒としては、α−クロロナフ
タレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレ
ン、メトキシナフタレン、ジフェニエタン、エチレング
リコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホア
ミド等の反応不活性な高沸点の溶媒が好ましい。すなわ
ち、本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶は、例
えばジイミノイソインドリンと塩化ガリウム化合物を上
記有機溶媒中で140℃〜300℃加熱撹拌して合成す
ることができる。また、ジイミノイソインドリンの代わ
りにフタロニトリルを使用することもできる。
【0008】上記の方法で製造したクロロガリウムフタ
ロシアニンの結晶は、大粒径である場合が多く、本発明
におけるブラッグ角(2θ±0.2°)27.1°に最
も強いX線回折ピークを有するクロロガリウムフタロシ
アニン結晶を得るためには、微細化することが必要であ
る。微細化は上記の方法で製造した比較的大粒径のもの
をサンドミル、遊星式ミル、ボールミル、振動式ボール
ミル、コボールミル、アトライター、ダイノミル等の機
械的方法で磨砕メディアと共に、溶剤中で湿式磨砕する
か、自動乳鉢、遊星式ミル、振動式ボールミル、竪型円
筒振動ミル、CFミル、ニーダー等の機械的処理法で乾
式磨砕するか、あるいは乾式磨砕後さらに磨砕メディア
と共に湿式磨砕することにより実施されるが、これらの
方法に限定されるものではない。上記の湿式磨砕処理に
使用する溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、n
−ブタノール、n−プロパノール、iso−プロパノー
ル等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール、α−フェニルエチルアルコール等の
芳香族アルコール類、グリセリン、ポリエチレングリコ
ール等の脂肪族多価アルコール類、フェノール、クレゾ
ール、カテコール等のフェノール類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメ
チルスルホキシド、プロパンスルトン等の含硫黄化合
物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチル
エーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドフラン等のエ
ーテル類、塩化メチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素
類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族ハロ
ゲン化炭化水素類、水等があげられ、これらの単独もし
くは2種以上の混合溶剤から選択することができる。使
用する溶剤の量は、クロロガリウムフタロシアニン1重
量部に対して1〜200重量部、好ましくは10〜10
0重量部の範囲で用いられる。また湿式磨砕の処理時間
は3時間以上が好ましく、処理温度は0℃〜溶剤の沸点
以下、好ましくは10〜60℃で処理される。また、乾
式磨砕の際、必要に応じて食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を
用いることもできる。乾式磨砕の処理時間は2時間以上
が好ましい。処理後のクロロガリウムフタロシアニン結
晶は、1次粒子径の最長径が、長軸で0.6μm以下、
短軸で0.3μm以下となるが、長軸で0.4μm以
下、短軸で0.2μm以下のものを用いるのが好まし
い。
【0009】本発明におけるブラッグ角(2θ±0.2
°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°お
よび28.3°に主たる回折ピークを有するクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶は、例えば特開平5−9818
1号公報、特開平5−194523号公報および特開平
5−194523号公報で開示している機械的磨砕処理
および特定の溶剤処理を行うことにより得ることができ
る。例えば、上記合成によって得られたクロロガリウム
フタロシアニンを機械的に粉砕した後、ベンジルアルコ
ール、フェネチルアルコール等の芳香族アルコール類或
いはジメチルスルホキシド等を用いて処理することによ
って製造することができる。処理後のクロロガリウムフ
タロシアニン結晶は、1次粒子径の最長径が、長軸で
0.6μm以下、短軸で0.3μm以下となるが、長軸
で0.4μm以下、短軸で0.2μm以下のものを用い
るのが好ましい。
【0010】本発明においては、クロロガリウムフタロ
シアニン結晶が、如何なる製造方法により製造されるも
のであっても、それがX線回折スペクトルにおいて、ブ
ラッグ角(2θ±0.2°)の27.1°に最も強い回
折ピークを与える結晶型を示し、図2または図3で示さ
れるX線回折スペクトルを有する結晶型(以下フタロシ
アニン(A)という)と結晶学的に同じ結晶型に属する
もの、およびブラッグ角(2θ±0.2°)の少なくと
も7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
に主たる回折ピークを示し、図4,5にX線回折スペク
トルを示した結晶型(以下、フタロシアニン(B)とい
う)と結晶学的に同じ結晶型に属するものの両者である
限り、使用することが可能である。
【0011】光導電層または電荷発生層を形成するため
には、これらの結晶型の異なる2つのクロロガリウムフ
タロシアニン結晶を混合して分散媒中で分散処理し、最
終的に結着樹脂と混合して、感光層を形成するための塗
布液を調製するか、もしくは各々のクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶を各々分散媒中で分散処理し、さらに結
着樹脂を混合して塗布液を調製する。結着樹脂として
は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホ
ルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセト
アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニル
ブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
アリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合
体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変
性ポリエーテル型ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼ
イン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシル
変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変
性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルッキ
ド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性
樹脂をあげることができる。また、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビンルピレ
ン等の有機光導電性ポリマーから選択することもでき
る。しかし、これらの絶縁性樹脂、或いは有機光導電性
ポリマーに限定されるものではない。またこれらの結着
樹脂は単独もしくは2種以上混合して用いることができ
る。
【0012】結着樹脂を溶解する溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパ
ノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の
スルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
エチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等の環状または直鎖状のエーテル類、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエチレン、ト
リクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、リ
グロイン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
等の芳香族炭化水素類などがあげられ、それらは単独ま
たは2種以上混合して用いることができる。
【0013】クロロガリウムフタロシアニン結晶を分散
処理する方法としては、公知の方法、例えば、ボールミ
ル、サンドグラインドミル、遊星ミル、コボールミル、
ロールミル等の方法を用いることができる。結着樹脂と
クロロガリウムフタロシアニン結晶の混合方法として
は、例えばクロロガリウムフタロシアニン結晶を分散処
理中に結着樹脂を粉末のまま、もしくはポリマー溶液と
して加え、同時に分散する方法、分散液を結着樹脂のポ
リマー溶液中に混合する方法、あるいは逆に分散液中に
ポリマー溶液を混合する方法等のいずれの方法を用いて
もかまわない。結晶型の異なるクロロガリウムフタロシ
アニン結晶、フタロシアニン(A)とフタロシアニン
(B)の含有比率は、フタロシアニン(A)が1重量部
に対してフタロシアン(B)が0.1重量部〜10重量
部の範囲になるように使用される。各々の結晶型のクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶を分散媒中で分散処理
し、各々調製された液を混合して感光層を塗布するため
の塗布液とする場合の各々調製された液の混合方法とし
ては、メカニカルスターラー、ホモミキサー、ホモジナ
イザーなどを用いて混合する方法、もしくは、超音波を
印加して混合する方法、その他、公知のいずれの方法を
用いても差し支えない。次に得られた分散液は、塗布時
に適した液物性とするためのに、種々の溶剤を用いて希
釈してもかまわない。用いる溶剤としては、例えば前記
分散媒として例示した溶剤を用いることができる。クロ
ロガリウムフタロシアニン結晶と結着樹脂との割合は特
に制限はないが、一般的には樹脂100重量部に対して
クロロガリウムフタロシアニン結晶が5〜500重量部
の範囲で使用される。また、この分散液において、クロ
ロガリウムフタロシアニンの濃度は、0.1重量%〜2
0重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0014】また、感光層が単層構造の場合には、必要
に応じて電荷輸送材料を含むことができる。電荷輸送材
料としては、例えば、2,5−ビス−(p−ジエチルア
ミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾル等のオキ
サジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾ
リン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチル
アミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルア
ミン、ベンジルアニリン等の芳香族第三級モノアミン化
合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(m−ト
リル)ベンジジン等の芳香族第三級ジアミン化合物、3
−(p−ジエチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(p
−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の
1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−2,2−ジフェニルヒドラゾン等のヒ
ドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾリ
ン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ
(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラ
ン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N
−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、トリ
フェニルメタン誘導体あるいはこれらの化合物からなる
基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与物質
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。電
荷輸送層は、上記の電荷輸送材料と必要に応じて配合さ
れた結着樹脂とより構成される。電荷輸送材料として
は、前記電荷輸送材料として例示した材料を用いること
ができる。結着樹脂としては、例えば前記結着樹脂とし
て例示したものを使用することができる。電荷輸送材料
と結着樹脂との割合は、結着樹脂100重量部に対して
電荷輸送材料が5〜500重量部の範囲で使用される。
【0015】このようにして調製された分散液を用い
て、導電性支持帯上に電荷発生層を形成させ、その上に
電荷輸送層を積層させて感光層を形成する、或いは、導
電性支持体上に電荷輸送層を形成し、その上に前記分散
液を用いて電荷発生を形成し感光層を形成する、あるい
は、導電性支持体上に前記分散液を用いて電荷発生層を
形成させて感光層とする、のいずれかの構造で感光層を
形成することができる。電荷発生層の膜厚は電荷輸送層
と積層させて感光層を形成する場合0.1μm〜10μ
mの範囲が好ましく、電荷輸送層の膜厚は5μm〜60
μmが好ましい。電荷発生層のみの単層構成で感光層を
形成する場合の膜厚は5μm〜60μmの範囲が好まし
い。感光層には必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各
種添加剤を含んでもよい。
【0016】導電性支持体としては、電子写真感光体と
して使用可能なものならば、如何なるものも使用するこ
とができる。具体的には、アルミニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス鋼等の金属類、アルミニウム、チタニ
ウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウ
ム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を被覆し
たプラスチックフィルム等、或いは導電性付与剤を塗布
または含浸させた紙、プラスチックフィルム等があげら
れる。導電性支持体と感光層との間には通常使用される
ような公知の下引層が設けられてもよい。下引層として
は、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコ
ール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、セルロース類、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱
粉、アミノ澱粉、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミ
ド等の有機層、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニ
ウムアルコキシド化合物、チタニルキレート化合物、チ
タニルアルコキシド化合物等の有機金属化合物、シラン
カップリング剤等の公知のものを用いることができる。
下引層の膜厚は0.1μm〜20μmの範囲が好まし
く、0.1μm〜10μmの範囲で使用されるのが最も
効果的である。
【0017】本発明は、さらに必要に応じて、感光層表
面に保護層を被覆してもよい。保護層は導電性材料を適
当な結着樹脂中に含有させて形成される。導電性材料と
しては、ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリ
ル)ベンジジン等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモ
ン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ−
酸化アンチモン等の金属酸化物を用いることができる
が、これらに限定されるものではない。また、この保護
層に用いる結着樹脂としては、例えば前記結着樹脂とし
て例示したものを使用することができる。上記保護層は
その電気抵抗が109 〜1014Ω・cmとなるように構
成することが好ましい。この保護層の膜厚は0.5μm
〜20μm、好ましくは1μm〜10μmの範囲に設定
される。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらに限定されるものではない。なお、実施
例および比較例において「部」は重量部を意味する。 合成例(クロロガリウムフタロシアニンの合成) 窒素雰囲気下、室温で三塩化ガリウム8.3部をジメチ
ルスルホアミド(DMSO)230部中に添加し、次い
で1,3−ジイミノイソインドリン30部を加え、15
0℃において4時間反応させた後、生成物を熱時ろ過
し、DMSO次いで蒸留水で洗浄した。次いで、湿ケー
キを減圧乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶2
3.3部を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶の粉末X線回折図を図1に示す。(理学電機社
製:Rotaflex;X線回折装置CN2726A
1、Tube電圧40kV、Tube電流30mAにて
測定した。以下同様。)
【0019】製造例1.合成例で得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶5.0部を遊星式ボールミル(F
RITSCH社製:P−5型)を用いて10mmφメノ
ウボール63部、ブタノール75部と共に140時間湿
式磨砕した後、メノウボールと分散液を分離し、分散液
を遠心沈降機(KONTRON/HERMLE社製:C
ENTRIKON H−401)にかけ、得られた湿ケ
ーキを酢酸エチル10部で洗浄し、減圧乾燥してクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶0.46部を得た。得られ
たクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図
を図2に示す。ここで得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の一次粒子径を透過電子顕微鏡(日立社製:
H−9000NA型、加速電圧150kV)で観察した
ところ、長軸0.05μm、短軸0.02μm〜長軸
0.35μm、短軸0.16μmの粒子径分布であっ
た。
【0020】製造例2.合成例で得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶5.0部を振動ミル(中央加工機
製:MB−1型)で40部の30mmφアルミナボール
と共に24時間乾式磨砕し、得られたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶0.5部を1mmφガラスビーズ60
部と共に、室温下ブタノール20部中で24時間ボール
ミリング処理した後、ガラスビーズと分散液を分離し、
分散液を遠心沈降機(KONTRON/HERMLE社
製:CENTRIKON H−401)にかけ、得られ
た湿ケーキを酢酸エチル10部で洗浄し、減圧乾燥して
クロロガリウムフタロシアニン結晶0.45部を得た。
得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線
回折図を図3に示す。ここで得られたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶の一次粒子径を透過電子顕微鏡(日立
社製:H−9000NA型、加速電圧150kV)で観
察したところ、長軸0.06μm、短軸0.03μm〜
長軸0.2μm、短軸0.1μmの粒子径分布であっ
た。
【0021】製造例3.合成例で得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶5.0部を振動ミル(中央加工機
製:MB−1型)で40部の30mmφアルミナボール
と共に180時間乾式磨砕し、得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶5部を1mmφアルミナビーズ26
部と共に、室温下DMSO20部中で0.5時間コボー
ルミル(FRYMA社製:MS−18型)を用いて処理
した後、分散液を遠心沈降機(KONTRON/HER
MLE社製:CENTRIKON H−401)にか
け、得られた湿ケーキを蒸留水150部で洗浄し、減圧
乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶4.2部を
得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉
末X線回折図を図4に示す。ここで得られたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶の一次粒子径を透過電子顕微鏡
(日立社製:H−9000NA型、加速電圧150k
V)で観察したところ、長軸0.04μm、短軸0.0
259μm〜長軸0.12μm、短軸0.10μmの粒
子径分布であった。
【0022】製造例4.合成例で得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶5.0部を振動ミル(中央加工機
製:MB−1型)で40部の30mmφアルミナボール
と共に190時間乾式磨砕し、得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶0.5部を1mmφガラスビーズ6
0部と共に、室温下ベンジルアルコール20部中で24
時間ボールミリング処理した後、ガラスビーズと分散液
を分離し、分散液を遠心沈降機(KONTRON/HE
RMLE社製:CENTRIKON H−401)にか
け、得られた湿ケーキをイソプロピルアルコール10部
で洗浄し、減圧乾燥してクロロガリウムフタロシアニン
結晶0.42部を得た。得られたクロロガリウムフタロ
シアニン結晶の粉末X線回折図を図5に示す。ここで得
られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の一次粒子径
を透過電子顕微鏡(日立社製:H−9000NA型、加
速電圧150kV)で観察したところ、長軸0.038
μm、短軸0.025μm〜長軸0.09μm、短軸
0.07μmの粒子径分布であった。
【0023】実施例1.製造例1で得られたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶0.8部と製造例3で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶0.2部を、ポリビ
ニルブチラール樹脂(積水化学社製:エスレックBM−
1)1部および酢酸ブチル100部と共に混合し、1/
8inchスチール球250部と共にペイントシェイカ
ーにて2時間分散した後、得られた塗布液を浸漬コーテ
ィング法でアルミニウム基盤上に塗布し、100℃にお
いて10分間加熱乾燥し、膜厚0.18μmの電荷発生
層を形成した。次に下記構造式(1)
【化1】 で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−
(m−トリル)ベンジジン2部と下記構造式(2)
【化2】 で示される[1,1′−ジ−(p−フェニレン)シクロ
ヘキサンカーボネート]3部をクロロベンゼン20部に
溶解し、得られた塗布液を電荷発生層が形成されたアル
ミニウム基坂上に浸漬コーティング法で塗布し、115
℃において1時間加熱して、膜厚20μmの電荷輸送層
を形成した。このようにして得られた感光体を感光体A
とする。
【0024】実施例2.実施例1において用いたクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例
1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
2部、製造例3で得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶を0.8部とした他は、実施例1と同様にして感
光体を作製した。このようにして得られた感光体を感光
体Bとする。 実施例3.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例1で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.4部、製造例
4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
6部とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。このようにして得られた感光体を感光体Cとする。 実施例4.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例1で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.2部、製造例
4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
8部とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。このようにして得られた感光体を感光体Dとする。
【0025】実施例5.実施例1において用いたクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例
2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
8部、製造例3で得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶を0.2部とした他は、実施例1と同様にして感
光体を作製した。このようにして得られた感光体を感光
体Eとする。 実施例6.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例2で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.2部、製造例
3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
8部とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。このようにして得られた感光体を感光体Fとする。 実施例7.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例2で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.4部、製造例
4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
6部とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。このようにして得られた感光体を感光体Gとする。 実施例8.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例2で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.2部、製造例
4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.
8部とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。このようにして得られた感光体を感光体Hとする。
【0026】比較例1.実施例1において用いたクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶の混合比にかえて、製造例
1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を1部
とした他は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
このようにして得られた感光体を感光体Iとする。 比較例2.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例2で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を1部とした他は、
実施例1と同様にして感光体を作製した。このようにし
て得られた感光体を感光体Jとする。 比較例3.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例3で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を1部とした他は、
実施例1と同様にして感光体を作製した。このようにし
て得られた感光体を感光体Kとする。 比較例4.実施例1において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の混合比に代えて、製造例4で得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶を1部とした他は、
実施例1と同様にして感光体を作成した。このようにし
て得られた感光体を感光体Lとする。
【0027】(実施例1〜8および比較例1〜4の感光
体評価)上記のようにして作製された電子写真感光体の
電気特性を以下のようにして測定した。静電複写紙試験
装置(川口電気社製:エレクトロスタッティクアナライ
ザーEPA−8100)を用いて常温常湿(20℃、5
0%RH)の環境下に−6kVのコロナ放電により感光
体を帯電させた後、タングステンランプの光をモノクロ
メータを用いて800nmの単色光に分光し、感光体表
面上で1μW/cm2 になるように調整し照射した。そ
して、その初期表面電位V0 (ボルト)、V0 の1/2
になるまでの半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を測
定し、その後10luxのタングステン光を1秒間感光
体表面に照射し、残留電位VRP(ボルト)を測定した。
また、減衰率DDR(%)についても測定した。さら
に、上記の帯電、露光を2000回繰り返した後のV0
、E1/2 、DDR、VRPを測定した。結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例9.アルミニウム基板上にアルコー
ル可溶性ナイロン樹脂(大日本インキ化学社製:ラッカ
マイドL−5003)1部とメタノール10部からなる
溶液を浸漬コーティング法で塗布し、120℃において
10分間加熱乾燥し、膜厚0.5μmの下引層を形成し
た。次いで、実施例1で用いたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶と同様の混合比率のクロロガリウムフタロシ
アニン結晶混合物1部を、ポリビニルブチラール樹脂
(積水化学社製:エスレックBM−S)1部および酢酸
n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズと共にサン
ドミルで3時間処理して樹脂溶液中に分散させた。得ら
れた分散液を浸漬コーティング法で上記下引層上に塗布
し、100℃おいて10分間乾燥して膜厚0.15μm
の電荷発生層を形成した。次に、前期構造式(1)で示
されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−
トリル)ベンジジン2部と前記構造式(2)で示される
ポリ[1,1−ジ−(p−フェニレン)シクロヘキサン
カーボネート]3部をクロロベンゼン20部に溶解し、
得られた塗布液を電荷発生層が形成されたアルミニウム
基板上に塗布し、120℃において1時間加熱乾燥して
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0030】実施例10.実施例9において用いたクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶に代えて、実施例2で用
いたクロロガリウムフタロシアニン結晶と同様の混合比
率のクロロガリウムフタロシアニン結晶混合物1部を用
いた他は、実施例9と同様にして感光体を作製した。 実施例11.実施例9において用いたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶に代えて、実施例3で用いたクロロガ
リウムフタロシアニン結晶と同様の混合比率のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶混合物1部を用いた他は、実
施例9と同様にして感光体を作製した。 実施例12.実施例9において用いたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶に代えて、実施例4で用いたクロロガ
リウムフタロシアニン結晶と同様の混合比率のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶混合物1部を用いた他は、実
施例9と同様にして感光体を作製した。
【0031】実施例13.実施例9において用いたクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶に代えて、実施例5で用
いたクロロガリウムフタロシアニン結晶と同様の混合比
率のクロロガリウムフタロシアニン結晶混合物1部を用
いた他は、実施例9と同様にして感光体を作製した。 実施例14.実施例9において用いたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶に代えて、実施例6で用いたクロロガ
リウムフタロシアニン結晶と同様の混合比率のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶混合物1部を用いた他は、実
施例9と同様にして感光体を作製した。 実施例15.実施例9において用いたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶に代えて、実施例7で用いたクロロガ
リウムフタロシアニン結晶と同様の混合比率のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶混合物1部を用いた他は、実
施例9と同様にして感光体を作製した。 実施例16.実施例9において用いたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶に代えて、実施例8で用いたクロロガ
リウムフタロシアニン結晶と同様の混合比率のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶混合物1部を用いた他は、実
施例9と同様にして感光体を作製した。
【0032】比較例5.実施例9において用いたクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶に代えて、比較例1で用い
たクロロガリウムフタロシアニン結晶と同様のクロロガ
リウムフタロシアニン結晶1部を用いた他は、実施例9
と同様にして感光体を作製した。 比較例6.実施例9において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶に代えて、比較例2で用いたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶と同様のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶1部を用いた他は、実施例9と同様にして
感光体を作製した。 比較例7.実施例9において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶に代えて、比較例3で用いたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶と同様のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶1部を用いた他は、実施例9と同様にして
感光体を作製した。 比較例8.実施例9において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶に代えて、比較例4で用いたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶と同様のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶1部を用いた他は、実施例9と同様にして
感光体を作製した。 比較例9.実施例9において用いたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶に代えて、チタニルフタロシアニン結晶
0.8部とバナジルフタロシアニン結晶0.2部を用い
た他は、実施例9と同様にして感光体を作製した。
【0033】(実施例9〜16および比較例5〜9の分
散液安定性および感光体画質評価)上記のように作製し
た分散液を室温で静置保管し、30日、60日、120
日後に、各々、スライガラス上にワイヤーバーコーティ
ング法により塗布し、100℃、10分間の乾燥した
後、光学顕微鏡により塗膜を観察した。また、上記のよ
うに作製された電子写真感光体を半導体レーザープリン
ター(富士ゼロックス社製:FX XP−5)に装着し
て複写画像を形成し、複写を2万回繰り返した。以上の
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体においては、光
導電材料として、特定の結晶型を有する2つのクロロガ
リウムフタロシアニン結晶を組み合わせて用いたので、
その光導電材料が樹脂分散系において優れた分散性、分
散液安定性と感光体特性を有し、そしてまた、特定の結
晶型を有する2種のクロロガリウムフタロシアニン結晶
の混合比率を変えることにより広範囲にわたって感光体
感度を調整することができる。したがって、本発明の電
子写真感光体は、780nm〜800nm近辺の長波長
光に対して十分な感度を有するものであり、そして、画
像形成プロセスにおいて露光ビームによりスポット露光
して静電濳像を形成する工程と、この静電潜像を現像剤
により現像する工程を用いる画像形成プロセスに用いる
電子写真感光体として用いる場合、その感度を、鮮鋭な
画質を得るために必要な露光光源に対応する感度に容易
に調整したものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例で得られたクロロガリウムフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 製造例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図3】 製造例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図4】 製造例3で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図5】 製造例4で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、X線回折スペクトル
    において、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.1°
    に最も強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシ
    アニン結晶とブラッグ角(2θ±0.2°)の少なくと
    も7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
    に主たる回折ピークを有するクロロガリウムフタロシア
    ニン結晶とを含有する感光層を設けてなることを特徴と
    する電子写真感光体。
JP1310894A 1994-01-12 1994-01-12 電子写真感光体 Pending JPH07209888A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016091030A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置、並びに、クロロガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016091030A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置、並びに、クロロガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法

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