JPH07208873A - セラミック焼成台、及び焼成方法 - Google Patents

セラミック焼成台、及び焼成方法

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JPH07208873A
JPH07208873A JP6002573A JP257394A JPH07208873A JP H07208873 A JPH07208873 A JP H07208873A JP 6002573 A JP6002573 A JP 6002573A JP 257394 A JP257394 A JP 257394A JP H07208873 A JPH07208873 A JP H07208873A
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Mamoru Nishimura
養 西村
Masakazu Murata
雅一 村田
Kojiro Tokuda
浩次郎 徳田
Mitsuya Funabashi
満也 船橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成時に与えられる応力を最大限緩和し、ク
ラックの発生を防止できるトチ、及び該トチを使用した
セラミックの焼成方法を提供できるようにすることで作
業効率を改善することを目的とする。 【構成】 上端面2と下端面6に連なる流路を有したセ
ラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面2、6
の少なくともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部
からなる凸状段差部上端面4を備えたことを特徴とする
セラミック焼成台(トチと言う)を採用することで目的
を達成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック焼成に用い
られる焼成台と、該焼成台を使用した焼成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、まだ焼成されていない生素地成形
体を焼成してセラミック製品を製造する方法として、焼
成台(以下、トチと言う)を、生素地成形体と焼成棚板
との間に挟み込んで、クラックを防止するセラミック焼
成法が知られている。これは、セラミックが焼成時に、
収縮または膨張することで発生する応力を緩和するもの
であるが、従来は、セラミックの焼成時に同一材質、或
いは同一組成からなるトチを使用してきている。しかし
ながら、この方法では、繰り返し使用できないことか
ら、セラミックの焼成毎にトチを作製する必要があっ
た。
【0003】ところで、繰り返し使用できるトチとし
て、トチの外周部に面取りを施すことによって、特に焼
成時にハニカム構造のセラミックハニカム体の外縁部分
に発生するクラックを抑制するセラミック焼成法が提案
されてきている。これは、セラミックが焼成時に、収縮
することで発生する応力を緩和する構造のトチを応用し
たセラミック焼成法である。
【0004】このような技術を開示するものとして、特
公平1−54636号公報がある。しかしながら、前記
公報に記載された技術では、作業性が不十分であり、作
業効率の悪いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き状況を鑑みて、焼成時に与えられる応力を最大限緩和
し、クラックの発生を防止できるトチ、及び該トチを使
用したセラミックの焼成方法を提供できるようにするこ
とで作業効率を改善するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1は、上端面と下端面に連なる流路を有した
セラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面の少
なくともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部から
なる凸状段差部上端面を備えたことを特徴とするセラミ
ック焼成台を採用するものである。
【0007】また、請求項2は、上端面と下端面に連な
る流路を有したセラッミックハニカム板からなり、しか
も前記端面の少なくともいずれか一方の端面の内側に凸
状の段差部からなる凸状段差部上端面を備え、また前記
上端面から前記凸状段差部上端面への高さが、少なくと
も1mm以上であることを特徴とするセラミック焼成台
を、採用するものである。
【0008】更に、請求項3は、上端面と下端面に連な
る流路を有したセラッミックハニカム板からなり、しか
も前記端面の少なくともいずれか一方の端面の内側に凸
状の段差部からなる凸状段差部上端面を備えたセラミッ
ク焼成台の前記凸状段差部上端面の外縁部が、まだ焼成
されていない生素地成形体である被焼成体のセラッミッ
クハニカム体の前記凸状段差部上端面との接触面側の下
端面外縁部よりも、少なくとも3mm内側になるように
配置して焼成することを特徴とするセラッミックハニカ
ム体の焼成方法を採用するものである。
【0009】そして、請求項4は、上端面と下端面に連
なる流路を有したセラッミックハニカム板からなり、し
かも前記端面の少なくともいずれか一方の端面の内側に
凸状の段差部からなる凸状段差部上端面を備え、また前
記上端面から前記凸状段差部上端面への高さが、少なく
とも1mm以上であるセラミック焼成台の前記凸状段差
部上端面の外縁部が、まだ焼成されていない生素地成形
体である被焼成体のセラッミックハニカム体の前記凸状
段差部上端面との接触面側の下端面外縁部よりも、少な
くとも3mm内側になるように配置して焼成することを
特徴とするセラッミックハニカム体の焼成方法を採用す
るものである。
【0010】
【作用】上記手段を採用したことにより、即ち、請求項
1、2の採用により、被焼成体は、焼成時に、トチと被
焼成体の接触面で摩擦抵抗力を伴いながら下端面の重心
位置方向へと収縮する。この時、被焼成体の外縁部分が
最も長い距離を移動するために、トチと被焼成体の接触
面で発生する摩擦抵抗力を、被焼成体の外縁部分が最も
受けることになる。そのために、従来被焼成体の外縁部
分にクラックを発生しやすかったのである。しかしなが
ら、本発明のごとく、被焼成体の外縁とトチの凸状段差
部上端面の外縁との最短距離Lを3mm以上としたこと
から、焼成収縮する際、被焼成体の外縁部分のトチと被
焼成体の接触面で摩擦抵抗力を無くすことができるとと
もに、また上端面から凸状段差部上端面までの高さhを
1mm以上としたことから、被焼成体はグラグラ揺れる
こと無く安定して保持されるので、処理と取扱が容易と
なる。
【0011】また、請求項1ないし請求項2を採用した
請求項3ないし請求項4を採用することにより、クラッ
クのないセラッミックハニカム体の焼成が可能となる。
【0012】
【発明の効果】上記作用が奏功し、即ち、クラックの発
生を防止できるトチ、及び該トチを使用したセラミック
の焼成方法を提供できるようになる。
【0013】
【実施例】
(第1実施例)上記問題点について、本発明者等は課題
解決するために鋭意検討したが、その結果について、以
下に詳細を記す。尚、図に記した一実施例を参照しなが
ら説明する。
【0014】図1は、本発明の実施例であるトチを説明
するための外観斜視図で有る。図において、1は、トチ
であり、2は、上端面、3は、凸状段差部、4は、凸状
段差部上端面である。そして、前記トチ1は、前記上端
面2及び前記凸状段差部上端面4から、下端面6にわた
って、ハニカム構造のセル5からなる流路を有してい
る。また、前記トチ1は、被焼成体と同一材質、或いは
同一組成からなるセラミック材料で作製した。
【0015】また、図2において、図は、被焼成体の焼
成方法を側面から見た図を示したものである。7は、被
焼成体であるハニカム構造のセルを有したセラミック生
ハニカム体であり、コ−ジェライト或いはムライト等の
セラミック原料から作製されている。h(mm)は、前
記上端面2から前記凸状段差部上端面4までの高さであ
る。種々なる大きさのhを有した前記トチ1が作製さ
れ、前記トチ1上に前記被焼成体7を配置して焼成した
後、前記被焼成体7中のクラックの発生状況が検討され
た。また、L(mm)は、前記被焼成体7の外縁と前記
トチ1の前記凸状段差部上端面4の外縁との最短距離で
ある。前記被焼成体7は、種々なるLが設けられた前記
トチ1上に配置されて焼成された後、前記被焼成体7中
のクラックの発生状況が検討された。
【0016】図3は、種々なる高さh,及び種々なる最
短距離Lで、前記被焼成体7であるハニカム構造のセル
を有した前記セラミック生ハニカム体を焼成し、焼成さ
れた前記被焼成体7中に発生したクラックの発生状況を
記したグラフである。図中、○はクラックの発生「無
し」を示しており、また、×はクラックの発生「有り」
を示している。図から明らかなように、前記被焼成体7
の外縁と前記トチ1の前記凸状段差部上端面4の外縁と
の最短距離Lが3mm以上であり、また前記上端面2か
ら前記凸状段差部上端面4までの高さhが1mm以上で
あれば、焼成された前記被焼成体7中にクラックを認め
ることはできなっかった。
【0017】これは、次に記すような作用によるもので
あると解せられる。即ち、前記被焼成体7は、焼成時
に、前記トチ1と前記被焼成体7の接触面で摩擦抵抗力
を伴いながら下端面6の重心位置方向へと収縮する。こ
の時、前記被焼成体7の外縁部分が最も長い距離を移動
するために、トチと前記被焼成体7の接触面で発生する
摩擦抵抗力を、前記被焼成体7の外縁部分が最も受ける
ことになる。そのために、従来被焼成体の外縁部分にク
ラックを発生しやすかったのである。しかしながら、本
発明のごとく、前記被焼成体7の外縁と前記トチ1の前
記凸状段差部上端面4の外縁との最短距離Lを3mm以
上としたことから、焼成収縮する際、前記被焼成体7の
外縁部分の前記トチ1と前記被焼成体7の接触面で摩擦
抵抗力を無くすことができるとともに、また前記上端面
2から前記凸状段差部上端面4までの高さhを1mm以
上としたことから、前記被焼成体7はグラグラ揺れるこ
と無く安定して保持されるので、処理と取扱が容易とな
る。また、前記トチ1を前記被焼成体7と同一材質、或
いは同一組成からなる生セラミック材料で作製したこと
から、前記被焼成体7と前記トチ1との間に発生する焼
成収縮による摩擦抵抗力を軽減することができる。
【0018】上記の実施例では、板状の凸状段差部上端
面4を有したトチ1の例を記したが、環状の凸状段差部
上端面4を有したトチ1であっても同様な効果を有す
る。このような他の実施例の一例を図4に記す。また、
図5は、被焼成体の焼成方法を側面から見た図を示した
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(ア)は、本発明の実施例であるトチの構造を
説明するための外観斜視図である。(イ)は、本発明の
実施例であるトチの構造を説明するための外観側面図で
ある。
【図2】本発明の実施例であるトチを用いて焼成する方
法を側面から見た図である。
【図3】本発明の実施例であるトチを用いて焼成した結
果(クラック発生状況)を記したグラフである。
【図4】(ア)は、本発明の他の実施例であるトチの構
造を説明するための外観斜視図である。(イ)は、本発
明の他の実施例であるトチの構造を説明するための概略
断面図である。
【図5】本発明の他の実施例であるトチを用いて焼成す
る方法を側面方向から見た概略断面図である。
【符号の説明】
1 トチ 2 上端面 3 凸状段差部 4 凸状段差部上端面 5 セル 6 下端面 7 被焼成体であるセラミック生ハニカム体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船橋 満也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端面と下端面に連なる流路を有したセ
    ラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面の少な
    くともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部からな
    る凸状段差部上端面を備えたことを特徴とするセラミッ
    ク焼成台。
  2. 【請求項2】 上端面と下端面に連なる流路を有したセ
    ラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面の少な
    くともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部からな
    る凸状段差部上端面を備え、また前記上端面から前記凸
    状段差部上端面への高さが、少なくとも1mm以上であ
    ることを特徴とするセラミック焼成台。
  3. 【請求項3】 上端面と下端面に連なる流路を有したセ
    ラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面の少な
    くともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部からな
    る凸状段差部上端面を備えたセラミック焼成台の前記凸
    状段差部上端面の外縁部が、まだ焼成されていない生素
    地成形体である被焼成体のセラッミックハニカム体の前
    記凸状段差部上端面との接触面側の下端面外縁部より
    も、少なくとも3mm内側になるように配置して焼成す
    ることを特徴とするセラッミックハニカム体の焼成方
    法。
  4. 【請求項4】 上端面と下端面に連なる流路を有したセ
    ラッミックハニカム板からなり、しかも前記端面の少な
    くともいずれか一方の端面の内側に凸状の段差部からな
    る凸状段差部上端面を備え、また前記上端面から前記凸
    状段差部上端面への高さが、少なくとも1mm以上であ
    るセラミック焼成台の前記凸状段差部上端面の外縁部
    が、まだ焼成されていない生素地成形体である被焼成体
    のセラッミックハニカム体の前記凸状段差部上端面との
    接触面側の下端面外縁部よりも、少なくとも3mm内側
    になるように配置して焼成することを特徴とするセラッ
    ミックハニカム体の焼成方法。
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