JPH07208225A - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JPH07208225A
JPH07208225A JP6022150A JP2215094A JPH07208225A JP H07208225 A JPH07208225 A JP H07208225A JP 6022150 A JP6022150 A JP 6022150A JP 2215094 A JP2215094 A JP 2215094A JP H07208225 A JPH07208225 A JP H07208225A
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Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Tomoyuki Hirao
知之 平尾
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Mazda Motor Corp
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K28/00Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions
    • B60K28/10Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle 
    • B60K28/16Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle  responsive to, or preventing, skidding of wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2720/00Output or target parameters relating to overall vehicle dynamics
    • B60W2720/10Longitudinal speed
    • B60W2720/106Longitudinal acceleration

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジントラクション制御実行中の低スリッ
プ状態のときの加速不良を防止しつつエンジン駆動力が
過大になるのを防止する。 【構成】 燃料カットと点火時期リタードを介して行う
スリップ制御において、スリップ制御中(制御フラグC
FL=1)に、平均駆動輪速Vdが車体速Vに接近した
低スリップ状態の継続時間をタイマTmにより計時し、
その計時時間Tが計時時間しきい値Th1(=250m
s)、Th2(=1000ms)、Th3(=2000m
s)になったときには、夫々、スリップ制御の現在の制
御レベルFC(k)を小さく補正して(S175)駆動
力を高め、加速性を向上させる。但し、スリップ制御に
より制御レベルが駆動力アップ方向へ変更されたとき
(S169:Yes )には、その変更毎に計時時間しきい
値Th1,Th2,Th3をΔt(=250ms)だけ大きく
補正する(S170)ことで、前記補正を抑制し、駆動
力が過大になるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のトラクションコ
ントロール装置に関し、特に、低スリップ状態における
加速性不良を防止しつつ、エンジン駆動力が過剰になる
のを防止するように改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の加速時において、駆動輪が
過大駆動トルクによりスリップして走行性能が低下する
ことを防止する為に、駆動輪のスリップ率又はスリップ
量(以下、スリップ値という)を検出し、駆動輪のスリ
ップ値が目標スリップ値となるように、エンジン駆動力
や車輪に対する制動力を制御(エンジン駆動力を低下さ
せる、又は制動力を増大させる)ように構成した車両の
トラクション制御技術は一般に実用化されている。
【0003】この種の車両のトラクション制御において
は、4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサが設けら
れ、駆動輪車輪速と従動輪車輪速とから駆動輪のスリッ
プ値が演算され、また、受動輪車輪速から決まる車体速
と路面摩擦係数とに応じて目標スリップ値が設定され
る。そして、前記路面摩擦係数は、受動輪車輪速と、そ
の加速度とから推定される(特開昭60−99757号
公報参照)。前記駆動輪のスリップ抑制の為に、エンジ
ン駆動力を抑制する技術としては、点火時期のリタード
及び/又は燃料カット、又は、吸気通路の副スロットル
弁を介しての吸気量の減少側への調節、等が適用され
る。
【0004】前記制動力を制御する技術としては、駆動
輪のブレーキ装置を作動させるのが一般的であるが、ブ
レーキ装置の耐久性に鑑みて、スリップ値が小さいとき
には、エンジントラクション制御によりエンジン駆動力
を低下させ、また、スリップ値が大きいときには、エン
ジン駆動力を低下させつつ、ブレーキトラクション制御
により制動力を増強させるトラクション制御技術も提案
されている(特開昭63−166649号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なトラクション制御実行中に、摩擦係数の小さな低μ路
から摩擦係数の大きな高μ路に移行した場合に、駆動輪
車輪速が従動輪車輪速に接近した低スリップ状態が発生
する。この低スリップ状態におけるスリップ値は、目標
スリップ値よりも格段に小さいために、駆動輪から路面
への駆動力伝達の効率が低くなりやすいことから、アク
セルペダルを踏み込んで加速する際の加速性が低下する
という問題がある。
【0006】そこで、低スリップ状態発生時に、加速性
を高める為にエンジンの駆動力を増強するようにエンジ
ンを制御することが考えられるが、低スリップ状態発生
時には、トラクション制御により、エンジン駆動力を増
強する方向へ制御が実行されることもあるので、前者の
加速性向上の為の駆動力の増強と、トラクション制御に
よる駆動力の増強とで、2重にエンジン駆動力を増強し
まうという虞がある。
【0007】特に、燃料カット方式のエンジントラクシ
ョン制御を採用している場合には、低スリップ状態発生
時における駆動力増強をトラクション制御のみに依存す
ると、トラクション制御の遅れにより、迅速な駆動力増
強を期待できない。即ち、燃料カットによりエンジン駆
動力を制御する場合には、駆動力の変化幅も大きく、ま
た、エンジンのクランク軸が2〜3回転しないと、燃料
カットを介してのエンジン制御の影響がエンジン駆動力
に顕れないからである。本発明の目的は、トラクション
制御実行中の低スリップ状態における加速不良を防止し
つつエンジン駆動力が過大になるのを防止できるような
車両のトラクションコントロール装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両のトラク
ションコントロール装置は、図1の機能ブロック図に示
すように、駆動輪の路面に対するスリップ値が目標スリ
ップ値となるようにエンジンの駆動力を制御する車両の
トラクションコントロール装置において、駆動輪と従動
輪の車輪速を夫々検出する車輪速検出手段と、前記従動
輪の検出車輪速を用いて目標スリップ値を演算する目標
スリップ値演算手段と、従動輪と駆動輪の検出車輪速か
ら駆動輪のスリップ値を演算するスリップ値演算手段
と、前記スリップ値演算手段で演算された駆動輪のスリ
ップ値が、目標スリップ値演算手段で演算された目標ス
リップ値となるように、エンジンの駆動力を制御するエ
ンジン制御量を演算する制御量演算手段と、従動輪と駆
動輪の検出車輪速を受け、駆動輪車輪速と従動輪車輪速
との差が所定値以下である低スリップ状態の継続時間を
計時する計時手段と、前記計時手段で計時された計時時
間の増大に応じてエンジンの駆動力が増大するように、
制御量演算手段で求めたエンジン制御量を補正する制御
量補正手段と、前記計時手段で計時中に、制御量演算手
段で求めるエンジン制御量が駆動力増加方向へ変更され
たとき、制御量補正手段によるエンジン制御量の補正を
抑制する補正抑制手段とを備えたものである。 尚、前
記目標スリップ値は、目標スリップ率又は目標スリップ
量を意味し、また、駆動輪のスリップ値は、駆動輪のス
リップ率又はスリップ量を意味する。
【0009】ここで、走行中の路面の路面摩擦係数を検
知する路面摩擦検知手段を設け、前記目標スリップ値演
算手段は、路面摩擦検知手段で求めた路面摩擦係数と、
前記従動輪の検出車輪速とに基いて、前記目標スリップ
値を演算するように構成してもよい(請求項1に従属の
請求項2)。前記制御量演算手段は、エンジンの燃料カ
ットを介して駆動力を制御するエンジン制御量を演算す
るように構成してもよい(請求項1又は請求項2に従属
の請求項3)。前記補正抑制手段は、前記エンジン制御
量の補正を実行する時期を所定時間遅延させるように構
成してもよい(請求項3に従属の請求項4)。
【0010】前記補正抑制手段は、計時手段の計時時間
を所定時間遅延させるように構成してもよい(請求項3
に従属の請求項5)。前記制御量補正手段は、計時時間
の増大に応じて段階的に設定された複数の計時時間しき
い値毎に、エンジン制御量を補正するように構成され、
前記補正抑制手段は、複数の計時時間しきい値の夫々
に、エンジン回転数の増大に応じて短くなる所定の設定
時間を加算するように構成されてもよい(請求項3に従
属の請求項6)。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両のトラクション
コントロール装置においては、車輪速検出手段により、
駆動輪と従動輪の車輪速が夫々検出され、目標スリップ
値演算手段は、従動輪の検出車輪速を用いて目標スリッ
プ値を演算し、スリップ値演算手段は、従動輪と駆動輪
の検出車輪速から駆動輪のスリップ値を演算し、制御量
演算手段は、駆動輪のスリップ値が目標スリップ値とな
るように、エンジンの駆動力を制御するエンジン制御量
を演算する。
【0012】計時手段は、一連のトラクション制御の実
行中に、駆動輪車輪速と従動輪車輪速との差が所定値以
下である低スリップ状態の継続時間を計時し、制御量補
正手段は、前記計時時間の増大に応じてエンジンの駆動
力が増大するように、制御量演算手段で求めたエンジン
制御量を補正し、補正抑制手段は、計時手段で計時中
に、エンジン制御量が駆動力増加方向へ変更されたと
き、制御量補正手段によるエンジン制御量の補正を抑制
する。
【0013】車両が低μ路から高μ路に移行して低スリ
ップ状態が発生したような場合に、計時手段が低スリッ
プ状態の継続時間を計時し、制御量補正手段により、低
スリップ状態の継続時間の増大に応じてエンジンの駆動
力が増大するように、エンジン制御量を補正するので、
加速不良を防止して加速性を確保できる。しかも、補正
抑制手段は、計時手段で計時中に、トラクション制御に
よりエンジン制御量が駆動力増加方向へ変更されたと
き、制御量補正手段によるエンジン制御量の補正を抑制
するので、エンジン駆動力が過大になるのを確実に防止
することができる。
【0014】請求項2の車両のトラクションコントロー
ル装置においては、路面摩擦検知手段により路面摩擦係
数が検知され、前記目標スリップ値演算手段は、路面摩
擦係数と従動輪の検出車輪速とに基いて目標スリップ値
を演算するため、路面摩擦係数に応じた目標スリップ値
を求めることができる。請求項3の車両のトラクション
コントロール装置においては、制御量演算手段は、エン
ジンの燃料カットを介して駆動力を制御するエンジン制
御量を演算するが、燃料カットを介してエンジン駆動力
を制御する場合には、駆動力の変化幅も大きく、また、
エンジンのクランク軸が2〜3回転しないと、燃料カッ
トを介してのエンジン制御の影響がエンジン駆動力に顕
れないことから、低スリップ状態の発生時における加速
不良が生じやすいが、制御量補正手段を介して、加速性
を高める効果が顕著になる。
【0015】請求項4の車両のトラクションコントロー
ル装置においては、補正抑制手段は、前記エンジン制御
量の補正を実行する時期を所定時間遅延させることで、
エンジン制御量の補正を抑制する。この場合、簡単な制
御により、エンジン制御量の補正を抑制できる。請求項
5の車両のトラクションコントロール装置においては、
補正抑制手段は、計時手段の計時時間を所定時間遅延さ
せることで、エンジン制御量の補正を抑制する。この場
合、簡単な制御により、エンジン制御量の補正を抑制で
きる。
【0016】請求項6の車両のトラクションコントロー
ル装置においては、制御量補正手段は、計時時間の増大
に応じて段階的に設定された複数の計時時間しきい値毎
に、エンジン制御量を補正し、補正抑制手段は、複数の
計時時間しきい値の夫々に、エンジン回転数の増大に応
じて短くなる所定の設定時間を加算することで、エンジ
ン制御量の補正を抑制する。
【0017】即ち、燃料カットを介してのエンジン駆動
力調節の影響は、エンジンのクランク軸が2〜3回転し
ないと顕れないが、そのクランク軸が2〜3回転する時
間は、エンジン回転数の増大に応じて短くなるなること
から、複数の計時時間しきい値の夫々に、エンジン回転
数の増大に応じて短くなる所定の設定時間を加算するこ
とで、制御量補正手段によるエンジン制御量の補正を確
実に抑制することができる。つまり、トラクション制御
による駆動力増強の影響がエンジン駆動力に顕れて、低
スリップ状態が解消すれば、制御量補正手段による補正
が実行されなくなるので、エンジン駆動力が過大になる
のを防止できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。本実施例は、後輪駆動型の車両のトラク
ションコントロール装置に、本発明を適用した場合の一
例である。第2図に示すように、この車両においては、
左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆動輪
とされ、車体の前部に搭載されたV型6気筒のエンジン
5の駆動トルクが、トクルコンバータと遊星歯車式変速
ギヤ機構を含む自動変速機6からプロペラシャフト7、
差動装置8及び左右の後輪駆動軸9,10を介して左右
の後輪3,4に伝達されるように構成してある。
【0019】前記エンジン5の左右のバンク間の上側に
は、吸気管11に接続されたサージタンク12が配設さ
れ、6つの分岐吸気管13の夫々は、サージタンク12
の側部から延びて反対側のバンクの吸気ポートに接続さ
れ、各分岐吸気管13には、分岐吸気管13又は吸気ポ
ート内へ燃料を噴射するインジェクタ14が装着され、
吸気管11には、アクセルペダル15に連動連結された
スロットル弁16が設けられている。 左右の前輪1,
2と後輪3,4には、車輪と一体的に回転するディスク
21a〜24aと、ブレーキ油圧の供給を受けて、これ
らディスク21a〜24aの回転を制動するキャリパ2
1b〜24bとからなるブレーキ装置21〜24が夫々
設けられ、これらのブレーキ装置21〜24を作動させ
るブレーキ制御システムが設けられている。
【0020】このブレーキ制御システムでは、運転者に
よるブレーキペダル25の踏込力が倍力装置26により
倍力されて倍力装置26から加圧されたブレーキ油圧が
タンデム型のマスターシリング27に供給される。この
マスターシリング27から延びる前輪用制動圧供給管2
8,29が左右の前輪1,2のブレーキ装置21,22
のキャリパ21b,22bに夫々接続されている。
【0021】左右の後輪3,4のブレーキ油圧供給系に
ついては、倍力装置26から延びる制動圧供給管30が
途中で左後輪用制動圧供給管34と右後輪用制動圧供給
管35とに分岐し、左後輪用制動圧供給管34と右後輪
用制動圧供給管35は、左右の後輪3,4のブレーキ装
置23,24のキャリパ23b,24bに夫々接続され
ている。前記制動圧供給管30には、電磁開閉弁31が
接続されるとともに、この電磁開閉弁31と並列の油圧
供給管32には、倍力装置26からブレーキ油圧の供給
を許すチェック弁33が接続されている。
【0022】左後輪3のブレーキ装置23に通じる左後
輪制動圧供給管34には、電磁開閉弁36が介設され、
この開閉弁36の下流側において左後輪制動圧供給管3
4には、電磁開閉弁37が装着されたリリーフ通路38
が接続されている。右後輪4のブレーキ装置24に通じ
る右後輪制動圧供給管35には、電磁開閉弁39が介設
され、この開閉弁39の下流側において右後輪制動圧供
給管35には、電磁開閉弁40が装着されたリリーフ通
路41が接続されている。尚、電磁開閉弁36,37,
39,40は、デューティソレノイドを介して駆動され
る構成のものである。
【0023】更に、リザーバタンク42の油をポンプ4
3で加圧した油圧が油圧供給管44により倍力装置26
に供給され、この油圧供給管44のうちのポンプ43の
下流側から分岐部48に油圧供給管45が接続され、こ
の油圧供給管45に電磁開閉弁46が介設されている。
尚、倍力装置26からオーバーフローした油は、戻り管
47によりリザーバタンク42に戻される。更に、左後
輪制動圧供給管34には、その油圧を検出する油圧セン
サ55が接続され、また、右後輪制動圧供給管35に
は、その油圧を検出する油圧センサ56が接続されてい
る。
【0024】左前輪1の車輪速を検出する車輪速センサ
51と、右前輪2の車輪速を検出する車輪速センサ52
と、左後輪3の車輪速を検出する車輪速センサ53と、
右後輪4の車輪速を検出する車輪速センサ54と、操舵
ハンドル57の舵角を検出する舵角センサ58と、ブレ
ーキペダル25の操作時にONとなるブレーキスイッチ
59等のセンサ類が設けられるとともに、エンジン5に
対するエンジントラクション制御と、左右の後輪3,4
のブレーキ装置23,24に対するブレーキトラクショ
ン制御とを行うトラクション制御装置50が設けられて
いる。
【0025】前記各車輪速センサ51〜54は、ブレー
キディスク21a〜24a又はその近傍のディスクに形
成された複数の検出部を電磁ピックアップで検出する構
成のものである。前記トラクション制御装置50に対し
て、車輪速センサ51〜54からの検出信号と、油圧セ
ンサ55,56からの検出信号と、舵角センサ58から
の検出信号と、ブレーキスイッチ59からの検出信号、
エンジン回転数センサ18からの検出信号等が供給さ
れ、また、トラクション制御装置50からは、エンジン
制御装置60に対してエンジントラクション制御の制御
信号が供給されるとともに、電磁開閉弁31,46,3
6,37,39,40に適宜駆動信号が供給される。
尚、エンジン制御装置60は、トラクション制御の制御
信号に基いて、6つのインジェクタ14を介して燃料カ
ットの制御を行ない、エンジン5のイグナイタ17を介
して点火時期リタードの制御を行うことになる。
【0026】前記トラクション制御装置50は、車輪速
センサ51〜54からの検出信号をを波形整形する波形
整形回路、油圧センサ55,56からの検出信号をA/
D変換するAD変換器、舵角センサ58からの検出信号
をA/D変換するAD変換器、エンジン回転数センサ1
8からの検出信号を波形整形する波形整形回路、入力出
力インターフェース、マイクロコンピュータ、電磁開閉
弁31,46,36,37,39,40の為の駆動回
路、及び複数のタイマ等で構成され、マイクロコンピュ
ータのROMには、後述のスリップ制御の制御プログラ
ムやテーブル等が予め格納され、RAMには種々のワー
クメモリが設けられている。
【0027】本願は、エンジントラクション制御に特徴
を有するものであるため、ブレーキ制御については簡単
に説明すると、ブレーキトラクション制御を実行しない
ときには、電磁開閉弁31を開き且つ電磁開閉弁46を
閉じると、制動時に倍力装置26からブレーキ油圧がブ
レーキ装置21〜24に供給される。ブレーキトラクシ
ョン制御時には、電磁開閉弁31を閉じ且つ電磁開閉弁
46を開き、電磁開閉弁36,37,39,40を適宜
デュティ制御することで、左右の後輪3,4のブレーキ
装置23,24のブレーキ油圧を所望の圧力に制御する
ことができる。
【0028】前記トラクション制御装置50により実行
されるスリップ制御(エンジントラクション制御)の概
要について説明しておくと、先ず、前記センサ類からの
検出信号を用いて実旋回半径Rr、舵角対応旋回半径R
i、車体速V(以下、車速Vと略称する)、路面摩擦係
数μを求め、次に横加速度Gを求め、その横加速度Gに
基いてスリップ判定用しきい値と制御目標値Tとを横加
速度Gが大きくなる程低くなるように補正する補正係数
kを求める。その後、スリップ量の演算、スリップ判
定、制御目標値Tの設定、エンジンの駆動力を調節する
為の制御レベルFCの演算などを実行し、燃料カットに
よる燃料制御と点火時期リタードによる点火時期制御を
実行させる為のスリップ制御の制御信号をエンジン制御
装置60に出力する。
【0029】以下、トラクション制御装置50により実
行されるスリップ制御について、図3以降の図面を参照
しつつ説明するが、最初に、スリップ制御の全体につい
て説明し、最後に、このスリップ制御のうちの本願特有
の低スリップ状態における制御レベル補正兼補正抑制制
御について説明する。尚、フローチャート中の符号Si
(i=1、2、3、・・)は各ステップを示すものであ
る。
【0030】図3のメインルーチンは、所定の微小時間
(例えば、10ms)おきに実行されるルーチンであ
り、この図3のフローチャートにおいて、エンジン5の
始動とともにこのスリップ制御が開始され、最初に、R
AMの種々のワークメモリをクリアする等の初期設定が
実行され、次に、センサ51〜54,58及びブレーキ
スイッチ59で検出された種々の必要な検出信号が読み
込まれる(S1)。次にS2において実旋回半径Rr、
舵角対応旋回半径Ri、車速V、路面摩擦係数μを求め
る演算が実行される。前記実旋回半径Rrは、車輪速セ
ンサ51,52により検出される従動輪1,2の車輪速
V1,V2により、次の(1)式により演算される。
尚、Min(V1,V2)は、V1とV2のうちの小さ
い方を示し、Tdは車両のトレッド(例えば、1.7
m)である。
【0031】 Rr=Min(V1,V2)×Td÷|V1−V2|+0.5Td (1) 前記舵角対応旋回半径Riは、ニュートラルステアリン
グにおける旋回半径に略対応するもので、これは前記舵
角センサ58で今回検出された制御用舵角θの絶対値に
基いて、次の表1に示すテーブルから線形補完にて求め
られる。
【0032】
【表1】
【0033】前記車速Vは、検出された従動輪1,2の
車輪速V1、V2のうちの高い方の値として求められ
る。前記路面摩擦係数μは、車速Vとその加速度Vgと
に基いて演算される。この路面摩擦係数μの演算には、
100msカウントのタイマと、500msカウントの
タイマとを用い、スリップ制御開始から車体加速度Vg
が十分に大きくならない500ms経過までは100m
s毎に100ms間の車速Vの変化から次の(2)式に
より車体加速度Vgを求め、また、車体加速度Vgが十
分に大きくなった500ms経過後は、100ms毎に
500ms間の車速Vの変化から次の(3)式により車
体加速度Vgを求める。尚、V(k)は現時点、V(k
−100)は100ms前、V(k−500)は500
ms前の各車速でありK1、K2は夫々所定の定数であ
る。尚、msは、msecのことである。
【0034】 Vg=K1×〔V(k)−V(k−100)〕 (2) Vg=K2×〔V(k)−V(k−500)〕 (3) 前記路面摩擦係数μは、前記のように求めた車速Vと、
車体加速度Vgとを用いて表2に示したμテーブルから
3次元補完により演算する。
【0035】
【表2】
【0036】次に、S3において横加速度Gと横加速度
対応補正係数kが演算されるが、このルーチンについて
図4により説明する。前記横加速度Gは旋回半径と車速
Vとから決まるが、横加速度Gを求めるのに実旋回半径
Rrと舵角対応旋回半径Riとを選択的に用いることと
する。路面状態と運転状態に基いて、車両が旋回走行す
るときに舵角対応旋回半径Riでの走行ラインから外れ
る傾向の大きさを判定し、その傾向が大きいときには舵
角対応旋回半径Riを選択し、またその傾向が大きくな
いときには実旋回半径Rrを選択するものとする。
【0037】図4のフローチャートにおいて、今回の制
御用舵角θの絶対値が所定値θo以上で、かつ車速Vが
所定値Vo以上で、かつ路面摩擦係数μが所定値μo以
下のときには、舵角対応旋回半径Riを用いて横加速度
Gを演算し(S41〜S44)、また前記の条件が成立
しないときには実旋回半径Rrを用いて横加速度Gを演
算し(S41〜S43、S45)、その後横加速度Gに
基づく補正係数kを演算する(S46)。
【0038】前記横加速度Gは、次の(4)式により、
車速Vと旋回半径R(舵角対応旋回半径Ri又は実旋回
半径Rr)から演算される。 G=V×V×(1/R)×(1/127) (4) 次に、S46において、横加速度Gに基づく補正係数k
が予め設定された表3の補正係数テーブルから演算され
る。
【0039】
【表3】
【0040】次に、図3のフローチャートのS4におい
て、スリップ判定用しきい値が設定される。このスリッ
プ判定用しきい値は、基本しきい値×補正係数k、に設
定され、基本しきい値は、車速Vと路面摩擦係数μとを
パラメータとして、表4の基本しきい値テーブル1(ス
リップ制御開始用)又は表5の基本しきい値テーブル2
(スリップ制御継続用)から3次元補完で演算される
が、表4の基本しきい値テーブル1はスリップ制御を開
始すべきか否かを、表5の基本しきい値テーブル2はス
リップ制御を継続すべきか否かを夫々判定する為のもの
である。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】次に、S5において、スリップ量(スリッ
プ値に相当する)の演算が実行される。このスリップ量
の演算について図5のフローチャートに基いて説明する
と、左右の後輪3,4のスリップ量SL、SRは、左右
の後輪3,4の車輪速V3,V4から車速Vを減算する
ことにより演算され(S51)、次に平均スリップ量S
Avがスリップ量SL、SRの平均値から演算され(S
52)、次に最高スリップ量SHiがスリップ量SL、
SRの高い方の値として演算される(S53)。次に、
S6ではスリップ判定が実行される。このスリップ判定
において、最高スリップ量SHiとスリップ判定用しき
い値とに基いて次の(5)式が成立するときにスリップ
制御必要と判定してスリップフラグSFLが1にセット
される。
【0044】 SHi≧スリップ判定用しきい値 (5) この場合、スリップ判定用しきい値を求める基本しきい
値としては、S9のルーチンを示す図6のフローチャー
トのS134のステップにおいて非制御状態(制御フラ
グCFL=0)が判定されているときには、前記表4の
開始用の基本しきい値が使用され、またスリップ制御中
(制御フラグCFL=1)と判定されているときには表
5の継続用の基本しきい値が使用される。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】次に、S7において制御フラグCFL=1
か否か判定し、CFL=0(スリップ制御実行中でな
い)のときは直ぐにリターンする。一方、S7において
CFL=1(スリップ制御実行中)と判定したときに
は、S8へ移行する。次に、S8において制御目標値T
が設定される。この制御目標値Tは、後輪3,4のスリ
ップ量として目標とする値(目標スリップ量、つまり、
目標スリップ値)で、車速Vと路面摩擦係μとをパラメ
ータとして表6の制御目標基本値テーブルから3次元補
完により求めた制御目標基本値と補正係数kから次の
(6)式により演算される。 制御目標値T=制御目標基本値×k (6)
【0048】次に、S9において制御レベルFCが演算
される。この制御レベルFCについては、平均スリップ
量SAvの制御目標値Tからの偏差ENとその変化率D
ENとに基いて表7から基本制御レベルFCBを決定
し、これに前回値FC(k−1)のフィードバック補正
と初回補正を加味して、0〜15の範囲に設定する。前
記初回補正は、平均スリップ量SAvの変化率DSAv
が最初に0になるまでは(+5)であり、そこから初回
フラグSTFLが0になるまでが(+2)である。この
S9のルーチンについて、図6のフローチャートに基い
て説明する。先ず、S131において、偏差ENとその
偏差変化率DENが次の(7)式と(8)式により夫々
演算される。
【0049】 偏差EN=SAv(k)−制御目標値T (7) 偏差変化率DEN=DSAv=SAv(k)−SAv(k−1) (8) 次に、S132において前記偏差ENと偏差変化率DE
Nとに基いて今回の基本制御レベルFCB(k)が、表
7の基本制御レベルテーブルから演算される。次に、S
133において今回の基本制御レベルFCB(k)に前
回の制御レベルFC(k−1)を加算して今回の制御レ
ベルFC(k)を求めるフィードバック補正が実行さ
れ、次にS134においてスリップ制御判定が実行さ
れ、次にS135において初回スリップ制御判定が実行
され、次にS136において後輪3,4のスリップが初
めて判定されてからこの最初のスリップ判定がなくなる
までの間制御レベルを強制的に高める初回補正量が演算
される。
【0050】S134のスリップ制御判定のルーチンに
ついて、図7のフローチャートに基いて説明する。先
ず、S140において、スリップフラグSFL=1で且
つ非ブレーキ状態8ブレーキスイッチ59がOFF)で
あるか否か判定され、これらの条件が成立しているとき
には、S141においてスリップ制御中を示す制御フラ
グCFLがセットされ、S135に移行する。一方、S
140でNoと判定されたときには、S142におい
て、トラクション制御装置50内に設けられ、スリップ
フラグSFL=0の信号の継続時間を計時する第1タイ
マのカウント値t1と、FC≦3で且つDSAv≦0.
3gとなる条件が成立している継続時間を計時する第2
タイマのカウント値t2とが夫々読出され、カウント値
t1が1000ms以上のとき(S143:Yes )、或
いはカウント値t2が500ms以上のときには(S1
45:Yes )、制御フラグCFLがリセットされ、S1
35に移行する。
【0051】S135の初回スリップ制御判定のルーチ
ンについて、図8のフローチャートに基いて説明する。
先ず、S150において、今回の制御フラグCFL
(k)=1で且つ前回の制御フラグCFL(k−1)=
0であるか否か判定され、これらの条件が成立している
ときには、S151において初回フラグSTFLが1に
セットされ、S136に移行する。一方、S150でN
oと判定されたときには、S152において、今回のス
リップフラグSFL(k)=0で且つ前回のスリップフ
ラグSFL(k−1)=1であるか否か判定され、これ
らの条件が成立しているときには、S153において初
回フラグSTFLが0にリセットされ、S136に移行
する。尚、S150・S152で夫々Noと判定されたと
きには、S136へ移行する。
【0052】S136において、前記初回フラグSTF
L信号と、前記(8)式に示す平均スリップ量変化率D
SAvとに基いて、STFL=1で且つDSAv<0の
とき初回補正量(+2)を決定する。次にS137にお
いて、フィードバック補正にて求められた今回の制御レ
ベルFC(k)に前記初回補正量があるときにはその初
回補正量を加算して今回の最終制御レベルFC(k)が
演算される。次に、図3のS10において、今回の最終
制御レベルFC(k)を、図10と図11のマップに適
用して、点火リタード量が演算されるとともに、今回の
最終制御レベルFC(k)と表8のテーブルと図12の
マップに基いて、燃料カットパターンが決定され、前記
求めた点火リタード量と、燃料カットパターンを指示す
るスリップ制御の制御信号がエンジン制御装置60に対
して出力され、その後リターンする。
【0053】ここで、図10のマップは、制御レベルF
Cと点火リタード量との関係を設定したものであり、図
11のマップは、点火リタード量の最大値を設定し、エ
ンジン回転数が高い領域では、点火リタードを規制する
ように設定したものである。図12のマップは、燃料カ
ット禁止領域を設定したものである。また、表8中×印
は、各気筒の燃料カットを示すものである。
【0054】
【表8】
【0055】図15のタイムチャートに示すように、ス
リップ制御開始用のしきい値は、比較的高いしきい値S
hに設定され、外乱等によって駆動輪の車輪速が高くな
ってもしきい値Shを超えない限りはスリップ制御が開
始されない。駆動輪の車輪速がしきい値Shを超える
と、スリップフラグSFLがセットされ、ブレーキが非
作動状態であれば制御フラグCFLと初回フラグSTF
Lがセットされてスリップ制御が開始され、初回フラグ
STFLのセット中には、初回補正が加味されるため、
スリップは急速に減少するが、その後スリップ量が制御
用継続しきい値Sc以下となるようにスリップ制御が継
続され、スリップが十分に収束して、前記の所定のスリ
ップ制御終了条件が成立すると、スリップ制御が終了し
て、制御フラグCFLがリセットされることになる。
【0056】次に、本願特有の低スリップ状態における
制御レベル補正兼補正抑制制御について、図9のフロー
チャートと図12を参照しつつ説明する。但し、この制
御は、スリップ制御に含まれるもので、前記図3のメイ
ンルーチンに対する所定微小時間(例えば、10ms)
おきのインターバル割り込み処理にて実行される。この
制御の概要について説明しておくと、一連のスリップ制
御中に、路面の摩擦状態が低μ路から高μ路に変化した
場合等には、スリップ制御により駆動輪3,4のスリッ
プが極度に抑制されていたために、駆動輪3,4の車輪
速V3,V4が、従動輪1,2の車輪速V1,V2に接
近した低スリップ状態となる。
【0057】この低スリップ状態における加速不良を防
止する為に、この低スリップ状態の継続時間をタイマT
で計時し、その計時時間Tが、予めテーブルに段階的に
設定した3つの計時時間しきい値Th1(例えば、250
ms)、Th2(例えば、1000ms)、Th3(例え
ば、2000ms)になる毎に、現在の制御レベルFC
(k)を「1」だけ小さく補正して、〔FC(k)−
1〕にすることで、エンジン駆動力を高めて加速不良を
防止する。しかし、低スリップ状態の継続中には、図3
のメインルーチンのスリップ制御のフィードバック制御
を介して、制御レベルFCが小さくなる方へ修正される
こともあるが、このように修正された場合には、前記補
正を抑制することで、エンジン駆動力が過大になるのを
防止する。
【0058】次に、図9のフローチャートを参照しつつ
説明する。この割り込み処理が開始されると、最初に各
種信号が読み込まれる(S160)。この各種信号は、
検出された駆動輪車輪速V3,V4、車速V、制御フラ
グCFL、後述のタイマTmのカウント時間T、前記メ
インルーチンの初期設定時にテーブルから読み込んでメ
モリに記憶された計時時間しきい値Th1,Th2,Th3、
前回の制御レベルFC(k−1)、今回の制御レベルF
C(k)、フラグF、等である。
【0059】次に、駆動輪3,4の平均駆動輪速Vdが
左右の駆動輪車輪速V3,V4の平均値として演算され
(S161)、次に制御フラグCFLが1か否か、つま
り、一連のスリップ制御中か否か判定し(S162)、
その判定が No のときには、低スリップ状態の継続時間
を計時するタイマTmがリセットされ(S163)、次
にフラグFが0にリセットされ(S164)、その後リ
ターンする。一方、S162の判定の結果、制御フラグ
CFLが1の場合には、S165において、平均駆動輪
速Vd≦(V+0.5Km/h)か否か、つまり、低ス
リップ状態か否か判定され、その判定が No のときはS
163へ移行するが、低スリップ状態であるときには、
S166へ移行する。
【0060】S166では、タイマTmのスタートを示
すフラグFが1か否か判定し、F=0のときには、タイ
マTmがスタートされ(S167)、次にフラグFが1
にセットされ(S168)、その後リターンする。低ス
リップ状態が継続しており、フラグFがセット済みのと
きには、その後の割り込み時には、S166からS16
9に移行し、今回の制御レベルFC(k)が前回の制御
レベルFC(k−1)よりも小さいか否か、即ち、スリ
ップ制御のメインルーチンのフィードバック制御を介し
て、エンジン駆動力アップが実行されたか否か判定する
(S169)。
【0061】S169の判定がYes の場合には、S17
0へ移行して、計時時間しきい値Th1,Th2,Th3に夫
々所定時間Δt(例えば、Δt=250ms)を加算し
て計時時間しきい値Th1,Th2,Th3が大きく変更され
(S170)、その後S171へ移行する。即ち、計時
時間しきい値Th1,Th2,Th3を大きく変更するのは、
スリップ制御のメインルーチンのフィードバック制御を
介して、エンジン駆動力アップが実行された場合には、
この制御による補正を抑制し、エンジン駆動力が過大に
なるのを防止する為である。
【0062】これに対して、S169の判定が No の場
合、つまり、スリップ制御のメインルーチンのフィード
バック制御を介して、エンジン駆動力アップが実行され
ていないときには、S169から直接S171へ移行す
る。S171では、タイマTmの計時時間T<計時時間
しきい値Th1、か否か判定し、Yes のときにはリターン
し、 No のときにはS172において、計時時間T=計
時時間しきい値Th1、か否か判定し、その判定がYes の
ときには、S175において、エンジン駆動力アップの
為に、制御レベルFC(k)が「1」だけ小さく補正さ
れ、次に、S176において、その補正した制御レベル
〔FC(k)−1〕に基づく制御信号が、前記図3のS
10と同様に、エンジン制御装置60に対して出力さ
れ、その後リターンする。
【0063】一方、その後時間が経過して、計時時間T
>計時時間しきい値Th1になると、S172の判定が N
o となるので、S172からS173へ移行し、S17
3において計時時間T=計時時間しきい値Th2、か否か
判定し、その判定がYes のときには、S175へ移行
し、前記同様に、制御レベルFC(k)が「1」だけ小
さく補正され、次に、前記同様にS176が実行され、
その後リターンする。そして、更に時間が経過して、計
時時間T>計時時間しきい値Th2になると、S173の
判定が No となるので、S173からS174へ移行
し、S174において計時時間T=計時時間しきい値T
h3、か否か判定し、その判定がYes のときには、S17
7へ移行し、前記同様に、制御レベルFC(k)が
「1」だけ小さく補正され、次に、前記同様にS176
が実行され、その後リターンする。尚、S174の判定
が No のとき、つまり、計時時間T>計時時間しきい値
Th3のときには、S174からリターンする。
【0064】以上説明したスリップ制御のうちの本願特
有の制御レベル補正兼補正抑制制御の作用について説明
する。平均駆動輪速Vdが車速V(つまり、従動輪速)
に接近した低スリップ状態の継続時間がタイマTmで計
時され、その計時時間Tが計時時間しきい値Th1になる
と、制御レベルFC(k)がFC(k)−1に補正さ
れ、その補正後の制御レベルに基づく制御信号がエンジ
ン制御装置60へ出力されてエンジン駆動力アップが図
られる。
【0065】その後、計時時間Tが計時時間しきい値T
h2になると、前記同様にエンジン駆動力アップが図ら
れ、その後、計時時間Tが計時時間しきい値Th3になる
と、前記同様にエンジン駆動力アップが図られることに
なる。従って、低スリップ状態における加速不良を解消
して加速性を確実に高めることができる。
【0066】但し、低スリップ状態の継続中に、図3の
メインルーチンのスリップ制御により、制御レベルFC
(k)が小さく変更されて駆動力のアップがなされた場
合には、その駆動力アップ毎にS170のステップを介
して、計時時間しきい値Th1,Th2,Th3をΔtだけ大
きく変更し、前記制御レベルFC低減方向への補正、つ
まりエンジン駆動力増強の為の補正を抑制することによ
り、駆動力増強が2重に作用して、エンジン駆動力が過
大になるのを確実に防止できる。
【0067】次に、図9の制御レベル補正兼補正抑制制
御の変更例について説明する。 1〕 前記S170におけるΔtは、エンジン回転数と
関係なく設定したが、燃料カットのパターンを変更した
場合に、その変更の影響は、エンジンのクランク軸が2
〜3回転してからエンジン駆動力に顕れることから、図
14のマップに示すように、エンジン回転数が大きくな
る程、Δtが小さくように設定し、低回転数域ではΔt
が約250ms、高回転数域ではΔtが約1000ms
となるように設定することが望ましい。
【0068】2〕 前記S170の代わりに、タイマT
mの計時時間Tから前記所定時間Δtを減算したり、或
いは、タイマTmの計時を前記所定時間Δtの間停止さ
せるように構成してもよい。
【0069】3〕 前記S170の代わりに、S176
の実行を所定時間Δtだけ遅延させるように構成しても
よい。 4〕 前記平均駆動輪速Vdの代わりに、左右の駆動輪
速V3,V4のうちの大きい方の値又は小さい方の値を
適用してもよい。 5〕 前記S176を省略して、エンジン制御装置60
への制御信号の出力は、図3のメインルーチンで実行す
るように構成してもよい。
【0070】6〕 図9の制御レベル補正兼補正抑制制
御は、図3のメインルーチンに対する割り込み処理で実
行したが、図3のメインルーチンに組み込んでもよい。 7〕 前記実施例は、後輪駆動型の車両に本発明を適用
した場合の例について説明したが、前輪駆動型の車両の
スリップ制御にも、本発明を同様に適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の車両のトラクションコントロール装
置の機能ブロック図である。
【図2】実施例に係る車両のトラクションコントロール
装置の全体構成図である。
【図3】スリップ制御のメインルーチンのフローチャー
トである。
【図4】図3のS3のステップのフローチャートであ
る。
【図5】図3のS5のステップのフローチャートであ
る。
【図6】図3のS9のステップのフローチャートであ
る。
【図7】図6のS134のスリップ制御判定のフローチ
ャートである。
【図8】図6のS135の初回スリップ制御判定のフロ
ーチャートである。
【図9】制御レベル補正兼補正抑制制御のフローチャー
トである。
【図10】制御レベルに対する点火リタード量のマップ
の線図である。
【図11】最大点火リタード量を設定したマップの線図
である。
【図12】燃料カット禁止領域を設定したマップの説明
図である。
【図13】計時時間しきい値と制御レベル補正量等を説
明した図表である。
【図14】Δtの特性を設定したマップの線図である。
【図15】一連のスリップ制御の動作タイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 5 エンジン 14 インジェクタ 17 イグナイタ 18 エンジン回転数センサ 50 トラクション制御装置 51〜54 車輪速センサ 58 舵角センサ 59 ブレーキスイッチ 60 エンジン制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の路面に対するスリップ値が目標
    スリップ値となるようにエンジンの駆動力を制御する車
    両のトラクションコントロール装置において、 駆動輪と従動輪の車輪速を夫々検出する車輪速検出手段
    と、 前記従動輪の検出車輪速を用いて目標スリップ値を演算
    する目標スリップ値演算手段と、 従動輪と駆動輪の検出車輪速から駆動輪のスリップ値を
    演算するスリップ値演算手段と、 前記スリップ値演算手段で演算された駆動輪のスリップ
    値が、目標スリップ値演算手段で演算された目標スリッ
    プ値となるように、エンジンの駆動力を制御するエンジ
    ン制御量を演算する制御量演算手段と、 従動輪と駆動輪の検出車輪速を受け、駆動輪車輪速と従
    動輪車輪速との差が所定値以下である低スリップ状態の
    継続時間を計時する計時手段と、 前記計時手段で計時された計時時間の増大に応じてエン
    ジンの駆動力が増大するように、制御量演算手段で求め
    たエンジン制御量を補正する制御量補正手段と、 前記計時手段で計時中に、制御量演算手段で求めるエン
    ジン制御量が駆動力増加方向へ変更されたとき、制御量
    補正手段によるエンジン制御量の補正を抑制する補正抑
    制手段と、 を備えたことを特徴とする車両のトラクションコントロ
    ール装置。
  2. 【請求項2】 走行中の路面の路面摩擦係数を検知する
    路面摩擦検知手段を設け、前記目標スリップ値演算手段
    は、路面摩擦検知手段で求めた路面摩擦係数と、前記従
    動輪の検出車輪速とに基いて、前記目標スリップ値を演
    算するように構成されたことを特徴とする請求項1に記
    載の車両のトラクションコントロール装置。
  3. 【請求項3】 前記制御量演算手段は、エンジンの燃料
    カットを介して駆動力を制御するエンジン制御量を演算
    するように構成されたことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の車両のトラクションコントロール装
    置。
  4. 【請求項4】 前記補正抑制手段は、前記エンジン制御
    量の補正を実行する時期を所定時間遅延させるように構
    成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両のトラ
    クションコントロール装置。
  5. 【請求項5】 前記補正抑制手段は、計時手段の計時時
    間を所定時間遅延させるように構成されたことを特徴と
    する請求項3に記載の車両のトラクションコントロール
    装置。
  6. 【請求項6】 前記制御量補正手段は、計時時間の増大
    に応じて段階的に設定された複数の計時時間しきい値毎
    に、エンジン制御量を補正するように構成され、前記補
    正抑制手段は、複数の計時時間しきい値の夫々に、エン
    ジン回転数の増大に応じて短くなる所定の設定時間を加
    算するように構成されたことを特徴とする請求項3に記
    載の車両のトラクションコントロール装置。
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