JPH06221198A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH06221198A
JPH06221198A JP5034176A JP3417693A JPH06221198A JP H06221198 A JPH06221198 A JP H06221198A JP 5034176 A JP5034176 A JP 5034176A JP 3417693 A JP3417693 A JP 3417693A JP H06221198 A JPH06221198 A JP H06221198A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 登坂時のエンジンストール防止と加速性の向
上、操縦安定性の向上を図り得るような車両のスリップ
制御装置を提供する。 【構成】 登坂走行時、スリップ制御によってエンジン
回転数Nが低下するときには、高μ状態と判定し、μ判
定フラグFを「1」に設定し、フラグFが「1」の間は
スリップ制御を中断し、最低回転数の時点B1からα
(α=200rpm)だけ回転数が増加後に、スリップ
制御に復帰する。フラグFが「1」の間もスリップ制御
の最終制御レベルFC(k)の演算を継続し、スリップ
制御に復帰時には、FC(k)の演算値に所定時間ta
の間第1補正値aを加算してスリップ抑制を強化する。
エンジン回転数Nの増加率が大きいとき低μ状態と判定
してμ判定フラグFを「2」に設定してスリップ制御を
実行するが、この低μ状態判定時所定時間tbの間第2
補正値bを加算してスリップ抑制を強化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置に関し、特に登坂時におけるエンジンストール防止と
加速性の向上を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の加速時において、駆動輪が
過大駆動トルクによりスリップして加速性が低下するこ
とを防止する為に、駆動輪のスリップ量を検出し、駆動
輪のスリップ量が目標値となるように、エンジン出力や
車輪に対する制動力の付与を制御(エンジン出力を低下
させる、又は制動力を増大させる)ように構成したトラ
クション制御技術は一般に実用化され、また、アンチス
キッド制御装置とトラクション制御装置とを備えたもの
も少なくない(例えば、特開平1−197160号公報
参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】登坂時に、駆動輪のス
リップ量が大きくなると、トラクション制御が開始さ
れ、エンジン出力が抑制され、その結果エンジン回転数
が低下し、加速性が低下したり、エンジンストールが生
じたりするという問題がある。そこで、エンジン回転数
低下時に、トラクション制御を中止するように構成した
場合、そのトラクション制御中止の解除時に、エンジン
出力抑制が不十分故に、再度スリップ量が大きくなって
加速性が低下するという問題もある。本発明の目的は、
登坂走行時におけるエンジンストール防止と加速性の向
上とを達成し得る車両のトラクション制御装置を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両のスリッ
プ制御装置は、エンジンの出力を抑制することにより路
面に対する駆動輪のスリップを抑制するトラクション制
御を行うトラクション制御手段を備えた車両のスリップ
制御装置において、登坂走行時におけるトラクション制
御の実行中に、エンジン回転数の減少傾向から路面摩擦
状態が高μ状態であると判定する第1判定手段と、前記
第1判定手段により高μ状態であると判定され、かつエ
ンジン回転数が設定回転数以下のときに、トラクション
制御の制御量を制限する制限手段と、前記制限手段によ
る制限中に、エンジン回転数が最低回転数より所定回転
数だけ上昇後に制限手段の制限を解除する解除手段とを
備えたものである。
【0005】ここで、前記制限手段による制限に伴うエ
ンジン回転数の増加率が、所定値以上のときに路面摩擦
状態が低μ状態であると判定する第2判定手段を設けた
構成(請求項2)、前記トラクション制御手段は、制限
手段による制限実行中にも、トラクション制御の制御量
の演算を継続しておき、前記解除手段による制限解除時
に、継続的に演算したきた制御量に基いて制御するよう
にした構成(請求項3)、前記車両は、手動操作式の変
速機を備えた構成(請求項4)、前記第2判定手段によ
る低μ状態判定後は、現在実行中のトラクション制御終
了まで第1判定手段による高μ状態判定を禁止する禁止
手段を設けた構成(請求項2に従属の請求項5)、等種
々の態様に構成することができる。
【0006】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両のスリップ制御
装置では、第1判定手段と、制限手段と、解除手段とを
設け、登坂走行時におけるトラクション制御の実行中
に、エンジン回転数の減少傾向から路面摩擦状態が高μ
状態であると判定し、その高μ状態であると判定され、
かつエンジン回転数が設定回転数以下のときに、トラク
ション制御の制御量を制限し、また、その制限中にエン
ジン回転数が最低回転数より所定回転数だけ上昇後に制
限を解除するように構成したので、登坂走行時にトラク
ション制御に起因する加速性の低下やエンジンストール
の発生を確実に防止して、加速性を高め、エンジンスト
ールを防止できる。
【0007】ここで、請求項3では、トラクション制御
手段は、制限手段による制限実行中にも、トラクション
制御の制御量の演算を継続しておき、解除手段による制
限解除時に、継続的に演算してきた制御量に基いて制御
することで、トラクション制御に復帰時のスリップを抑
制することができる。請求項4では、手動操作式の変速
機を備えた車両の場合、エンジンストールが発生しやす
いが、そのエンジンストールを防止できる。請求項5で
は、低μ状態判定後には、高μ状態判定を禁止すること
で、前記制限手段による制限を実行しないようにして、
エンジンストール防止や加速性向上に優先させて、スリ
ップ抑制を図り、操縦安定性を高めることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1に示すように、車両1は左右の前輪
2a、2bが駆動輪で、また左右の後輪3a、3bが従
動輪である。車体前部にV型6気筒エンジン4が搭載さ
れ、このエンジン4からの駆動トルクが手動操作式の変
速機5と差動装置6を経て左駆動軸7aを介して左前輪
2aにまた右駆動軸7bを介して右前輪2bに夫々伝達
されるように構成してある。
【0009】前記エンジン4の燃料噴射制御と点火時期
制御とこの車両のスリップ制御(エンジントラクション
制御に相当する)等を実行する制御装置8が設けられ、
この制御装置8には燃料噴射制御と点火時期制御を実行
するエンジン制御部と、スリップ制御を実行するスリッ
プ制御部とが設けられている。また、センサ類として、
エンジン4の回転数を検出するエンジン回転数センサ、
ハンドルの舵角を検出する舵角センサ10、前記4輪2
a、2b、3a、3bの制動状態を検出するブレーキセ
ンサ、前記4輪2a、2b、3a、3bの車輪速を検出
する車輪速センサ9a、9b、9c、9d等が設けら
れ、これらセンサ類からの検出信号が制御装置8に供給
されている。
【0010】前記制御装置8は、前記センサ類からの検
出信号を受け入れる入力インターフェースと、CPUと
ROMとRAMとを含む2つのマイクロコンピュータ
と、出力インターフェースと、イグナイタや燃料噴射用
インジェクタの為の駆動回路等で構成され、前記エンジ
ン制御部のマイクロコンピュータのROMには、前記燃
料噴射制御や点火時期制御の制御プログラム及びこれに
付随するテーブルやマップが予め格納され、また前記ス
リップ制御部のマイクロコンピュータのROMには、後
述のスリップ制御の制御プログラム及びこのスリップ制
御の為の種々のテーブルやマップが予め格納され、RA
Mには種々のメモリやソフトカウンタ等が設けられてい
る。
【0011】前記制御装置8のスリップ制御部により実
行するスリップ制御の概要について説明しておくと、先
ず、前記センサ類からの検出信号を用いて実旋回半径R
r、舵角対応旋回半径Ri、車速V(車体速)、路面摩
擦係数μを求め、次に横加速度Gを求め、その横加速度
Gに基いてスリップ判定用しきい値と制御目標値Tとを
横加速度Gが大きくなる程低くなるように補正する補正
係数kを求める。その後、スリップ量の演算、スリップ
判定、制御目標値Tの設定、エンジン出力を調節する為
の制御レベルFCの演算などを実行し、燃料制御と点火
時期制御に対してスリップ制御の制御信号を出力する。
【0012】このスリップ制御は、主として登坂発進や
登坂時における、高μ状態のときのエンジンストール防
止と加速性の向上、低μ状態のときのスリップ抑制と操
縦安定性の向上、等を特徴とするものである。以下、ス
リップ制御部において実行されるスリップ制御(エンジ
ントラクション制御)について図2以降の図面に基いて
説明する。但し、図中符号Si(i=1、2、3、・
・)は各ステップを示すものである。エンジン4の始動
とともにこのスリップ制御が開始され、センサ類から検
出舵角θなどの種々の検出信号が読み込まれる(S
1)。
【0013】次にS2において実旋回半径Rr、舵角対
応旋回半径Ri、車速V、路面摩擦係数μを求める演算
が実行される。前記実旋回半径Rrは、車輪速センサ9
c、9dにより検出される従動輪3a、3bの車輪速V
1、V2により数式1により演算される。尚、Tdは車
両のトレッド(例えば、1.7m)である。
【0014】
【数1】Rr=Min(V1,V2)×Td÷|V1−
V2|+0.5Td 前記舵角対応旋回半径Riは、ニュートラルステアリン
グにおける旋回半径に略対応するもので、これは前記補
正舵角演算処理で求められた今回の制御用舵角θの絶対
値に基いて、次の表1に示すテーブルから線形補完にて
求められる。
【0015】
【表1】
【0016】前記車速Vは、前記車輪速センサ9c、9
dから検出される従動輪3a、3bの車輪速V1、V2
のうちの高い方の値として求められる。前記路面摩擦係
数μは、車速Vとその加速度Vgとに基いて演算され
る。この路面摩擦係数μの演算には、100msecカ
ウントのタイマと、500msecカウントのタイマと
を用い、スリップ制御開始から車体加速度Vgが十分に
大きくならない500msec経過までは100mse
c毎に100msec間の車速Vの変化から次の数式2
により車体加速度Vgを求め、また、車体加速度Vgが
十分に大きくなった500msec経過後は、100m
sec毎に500msec間の車速Vの変化から次の数
式3により車体加速度Vgを求める。尚、V(k)は現
時点、V(k−100)は100msec前、V(k−
500)は500msec前の各車速でありK1、K2
は夫々所定の定数である。
【0017】
【数2】Vg=K1×〔V(k)−V(k−100)〕
【数3】Vg=K2×〔V(k)−V(k−500)〕 前記路面摩擦係数μは、前記のように求めた車速Vと、
車体加速度Vgとを用いて表2に示したμテーブルから
3次元補完により演算する。
【0018】
【表2】
【0019】次に、S3において横加速度Gと横加速度
対応補正係数kが演算されるが、このルーチンについて
図3により説明する。前記横加速度Gは旋回半径と車速
Vとから決まるが、横加速度Gを求めるのに実旋回半径
Rrと舵角対応旋回半径Riとを選択的に用いることと
する。路面状態と運転状態に基いて、車両が旋回走行す
るときに舵角対応旋回半径Riでの走行ラインから外れ
る傾向の大きさを判定し、その傾向が大きいときには舵
角対応旋回半径Riを選択し、またその傾向が大きくな
いときには実旋回半径Rrを選択するものとする。
【0020】図3のフローチャートにおいて、今回の制
御用舵角θの絶対値が所定値θo以上で、かつ車速Vが
所定値Vo以上で、かつ路面摩擦係数μが所定値μo以
下のときには、舵角対応旋回半径Riを用いて横加速度
Gを演算し(S41〜S44)、また前記諸条件が成立
しないときには実旋回半径Rrを用いて横加速度Gを演
算し(S41〜S43、S45)、その後横加速度Gに
基づく補正係数kを演算する(S46)。
【0021】前記横加速度Gは、次式により前記検出さ
れた車速Vと旋回半径R(舵角対応旋回半径Ri又は実
旋回半径Rr)から演算される。
【数4】G=V×V×(1/R)×(1/127) 次に、S46において、横加速度Gに基づく補正係数k
が予め設定された表3の補正係数テーブルから演算され
る。
【0022】
【表3】
【0023】次に、図2のフローチャートのS4におい
て、スリップ判定用しきい値が設定される。このスリッ
プ判定用しきい値は、基本しきい値×補正係数k、に設
定され、基本しきい値は、車速Vと路面摩擦係数μとを
パラメータとして、表4の基本しきい値テーブル1(ス
リップ制御開始用)又は表5の基本しきい値テーブル2
(スリップ制御継続用)から3次元補完で演算される
が、表4の制御目標基本しきい値テーブル1はスリップ
制御を開始すべきか否かを、表5の制御目標基本しきい
値テーブル2はスリップ制御を継続すべきか否かを夫々
判定する為のものである。
【0024】
【表4】
【表5】
【0025】次に、S5において、スリップ量の演算が
実行される。このスリップ量の演算について図4のフロ
ーチャートに基いて説明すると、左右の前輪2a、2b
のスリップ量SL、SRは、左右の前輪2a、2bの車
輪速Vha、Vhbから車速Vを減算することにより演
算され(S51)、次に平均スリップ量SAvがスリッ
プ量SL、SRの平均値から演算され(S52)、次に
最高スリップ量SHiがスリップ量SL、SRの高い方
の値から演算される(S53)。次に、S6では、スリ
ップ判定が実行される。このスリップ判定において、最
高スリップ量SHiとスリップ判定用しきい値とに基い
て次の数式6が成立するときにスリップ制御必要と判定
してスリップフラグSFLが1にセットされる。
【0026】
【数6】SHi≧スリップ判定用しきい値 この場合、スリップ判定用しきい値としては、S10の
ルーチンを示す図5のフローチャートのS134のステ
ップにおいて非制御状態(CFL=0)が判定されてい
るときには、前記表4の開始用の制御目標基本しきい値
が使用され、またスリップ制御中(CFL=1)と判定
されているときには表5の継続用の制御目標基本しきい
値が使用される。
【0027】
【表6】
【表7】
【0028】次に、S7において制御フラグCFL=1
か否か判定し、CFL=0(スリップ制御実行中でな
い)のときは直ぐにリターンする。一方、S7において
CFL=1(スリップ制御実行中)と判定したときに
は、S8へ移行する。次に、S8において制御目標値T
が設定される。この制御目標値Tは、前輪2a、2bの
スリップ量として目標とする値で、車速Vと路面摩擦係
μとをパラメータとして表6の制御目標基本値テーブル
から3次元補完により求めた制御目標基本値と補正係数
kから次式により演算される。
【数7】制御目標値T=制御目標基本値×k
【0029】次に、S9において制御レベルFCが演算
される。この制御レベルFCについては、平均スリップ
量SAvの制御目標値Tからの偏差ENとその変化率D
ENとに基いて基本制御レベルFCBを決定し、これに
前回値FC(K−1)のフィードバック補正と初回補正
を加味して、0〜15の範囲に設定する。前記初回補正
は、平均スリップ量SAvの変化率DSAvが最初に0
になるまでは(+5)であり、そこから初回フラグST
FLが0になるまでが(+2)である。このS9のルー
チンについて、図5のフローチャートに基いて説明す
る。先ず、S131において、偏差ENとその偏差変化
率DENが次式により演算される。
【数8】偏差EN=SAv(K)−制御目標値T
【数9】偏差変化率DEN=DSAv=SAv(K)−
SAv(K−1)
【0030】次に、S132において前記偏差ENと偏
差変化率DENとに基いて基本制御レベルFCBが、表
7の基本制御レベルテーブルから演算される。次に、S
133において、今回の制御レベルFC(K)に前回の
制御レベルFC(K−1)を加算するフィードバック補
正が実行され、次にS134においてスリップ制御判定
が実行され、次にS135において初回スリップ制御判
定が実行され、次にS136において前輪2a、2bの
スリップが初めて判定されてからこの最初のスリップ判
定がなくなるまでの間制御レベルを強制的に高める初回
補正量が演算される。
【0031】S134のスリップ制御判定のルーチンに
ついて、図6のフローチャートに基いて説明する。先
ず、S140において、スリップフラグSFL=1で且
つ非ブレーキ状態であるか否か判定され、これらの条件
が成立しているときには、S141においてスリップ制
御中を示す制御フラグCFLがセットされ、S135に
移行する。一方、S140でNoと判定されたときに
は、S142において、スリップ制御部内に設けられ、
スリップフラグSFL=0の信号の継続時間をカウント
する第1カウンタのカウント値t1と、FC≦3で且つ
DSAv≦0.3gとなる条件が成立している継続時間
をカウントする第2カウンタのカウント値t2とが夫々
読出され、カウント値t1が1000msec以上のと
き(S143:Yes )、或いはカウント値t2が500
msec以上のときには(S145:Yes )、制御フラ
グCFLがリセットされ、S135に移行する。
【0032】S135の初回スリップ制御判定のルーチ
ンについて、図7のフローチャートに基いて説明する。
先ず、S150において、今回の制御フラグCFL
(K)=1で且つ前回の制御フラグCFL(K−1)=
0であるか否か判定され、これらの条件が成立している
ときには、S151において初回フラグSTFLがセッ
トされ、S136に移行する。一方、S150でNoと
判定されたときには、S152において、今回のスリッ
プフラグSFL(K)=0で且つ前回のスリップフラグ
SFL(K−1)=1であるか否か判定され、これらの
条件が成立しているときには、S153において初回フ
ラグSTFLがリセットされ、S136に移行する。
尚、S150・S152で夫々Noと判定されたときに
は、S136へ移行する。
【0033】S136において、前記初回フラグSTF
L信号と、数式9に示す平均スリップ量変化率DSAv
とに基いて、STFL=1で且つDSAv<0のとき初
回補正量(+2)を決定する。次のS137とS138
の処理は、本願特有の処理であり、S137では、S1
38において用いるμ判定フラグFを設定するフラグ設
定処理(図8の処理)が実行され、次にS138におい
て、フィードバック補正された制御レベルFCに前記初
回補正量を加算して最終制御レベルFCを演算するとと
もに、図10に示すフローチャートにより、μ判定フラ
グFに応じた最終制御レベルFCを演算する。
【0034】次に、前記S137のフラグ設定処理につ
いて、図8のフローチャートに基いて説明する。μ判定
フラグFは、登坂発進や登坂走行時におけるスリップ制
御中に、エンジン回転数の変化から路面の摩擦状態が高
μ状態か低μ状態かを判定し、その判定の結果、
「0」、「1」、「2」の値に選択的に設定されるフラ
グである。最初に、1サイクルのスリップ制御実行中を
示す制御フラグCFLについて判定し(S160)、制
御フラグCFLがリセットであってスリップ制御実行中
でないときは、フラグFが「0」に設定され(S16
1)、その後リターンする。
【0035】制御フラグCFLがセットされている場合
には、S162において、後退フラグFgBがセットさ
れているか否かの判定がなされる。この後退フラグFg
Bは、登坂発進時に、一旦後退走行してから前進する場
合にセットされるものであり、図9の登坂発進時の後退
判定処理(これは、割り込み処理にて別途実行される)
に基いて決定されるものである。後退フラグFgBがリ
セットのときは、エンジン回転数Nが2500rpm以
下か否か判定し(S163)、YesのときはS165
へ移行し、また、NoのときはS176へ移行する。一
方、後退フラグFgBがセットのときは、登坂発進時
に、後退移動したことから、エンジンストールが発生し
やすく、加速性が低下しやすいことに鑑み、エンジン回
転数Nが2800rpm以下か否か判定し(S16
4)、YesのときはS165へ移行し、また、Noの
ときはS176へ移行する。
【0036】次に、μ判定フラグFが「2」か否か判定
し(S165)、YesのときはS161へ移行する
が、NoのときはS166において、エンジン回転数N
の増加率dN/dtがある程度大きな正の所定値C以上
か否か判定する。前記増加率dN/dtが所定値C以上
の場合には、路面摩擦状態が低μ状態故に、駆動輪のス
リップに起因してエンジン回転数Nが急増したものと判
断されるから、低μ状態であると判定して、μ判定フラ
グFが「2」に設定され(S167)、その後リターン
する。尚、μ判定フラグFが、一旦「2」に設定される
と、それ以降S165からS161へ移行するので、以
後高μ状態と判定されることはない。
【0037】前記増加率dN/dtが所定値C以上でな
い場合には、S168へ移行し、エンジン回転数Nの変
化率dN/dtが負か否か判定される。登坂走行状態に
おいて、スリップ制御によるエンジン出力抑制の結果、
路面状態が高μ状態のときには、エンジン回転数Nが減
少することになる。そこで、これに着目して、変化率d
N/dtが負のときには、高μ状態であると判定して、
μ判定フラグFが「1」に設定され(S169)、その
後リターンする。ここで、S169のステップでμ判定
フラグFが「1」に設定後には、後述するように、スリ
ップ制御によるエンジン出力抑制を中断(但し、スリッ
プ制御の演算は継続する)するため、エンジン回転数N
が減少から増加に転ずることになるため、S168から
S169へ移行するのを複数回繰り返した後には、S1
68からS170へ移行して、変化率dN/dtが零か
否か判定される。エンジン回転数Nが最低のときの最低
回転数Nmを記憶するために、この判定を実行し、変化
率dN/dtが零のときには、S171において最低回
転数Nmに今回のエンジン回転数Nの値が与えられ、S
172へ移行する。
【0038】エンジン回転数Nが最低となると、その後
は増加し始めるため、最低回転数Nmの時点以降には、
S170からS172へ移行することになる。S172
では、μ判定フラグFが「1」か否か判定し、Noのと
きはリターンし、YesのときはS173へ移行して後
退フラグFgBがセットか否か判定する。登坂発進時に
後退しなかった場合には、後退フラグFgBがリセット
であり、この場合には、S174においてエンジン回転
数Nが(Nm+α)か否か、つまり、最低回転数Nmか
らα(例えば、α=200rpm)だけ増加したか否か
判定し、エンジン回転数Nが(Nm+α)まで増加する
までは、Noと判定され、μ判定フラグFが「1」に保
持されるが、回転数Nが(Nm+α)まで増加すると、
S174からS176へ移行し、μ判定フラグFが
「0」に変更され、通常のTRC(トラクション)制
御、つまり、通常のスリップ制御に切り換えられ、その
後リターンする。
【0039】一方、後退フラグFgBがセットのとき
は、S173からS175へ移行し、S175におい
て、エンジン回転数Nが(Nm+β)か否か、つまり、
最低回転数Nmからβ(例えば、β=300rpm)だ
け増加したか否か判定し、回転数Nが(Nm+β)まで
増加するまでは、Noと判定され、μ判定フラグFが
「1」に保持されるが、回転数Nが(Nm+β)まで増
加すると、S175からS176へ移行し、μ判定フラ
グFが「0」に変更され、通常のTRC制御に切り換え
られ、その後リターンする。以上説明したμ判定フラグ
Fの設定の概要は、図11にも示されている。
【0040】次に、登坂発進時の後退判定処理につい
て、図9に基いて説明する。イグニションスイッチ(I
gSW)のONから所定時間(例えば、60秒)内か否
か判定し(S180)、Noのときはリターンし、ま
た、Yesのときは、車速Vが正(但し、車輪速センサ
の特性上後退時にも車速Vは正となる)か否か判定し
(S181)、車速Vが正のときは、S182において
フラグFgAがセットか否か判定し、最初は、Noなの
でそのままリターンするのを繰り返えしていくが、後退
移動が停止して前進に転ずる際には、S181の判定が
Noとなって、S184へ移行して車速Vが「0」か否
か判定され、車速Vが「0」のときにはS185におい
てフラグFgAがセットされ、その後リターンする。
【0041】そして、自動車が前進し始めて、車速Vが
再び正になると、S181からS182へ移行し、次に
S183へ移行して、後退判定フラグFgBがセットさ
れ、その後リターンする。このようにして、登坂発進時
に後退してから前進したことを示す後退フラグFgBが
セットされる。但し、登坂発進時に後退しない場合に
は、後退フラグFgBはセットされない。
【0042】次に、最終制御レベルFCを設定する処理
について、図10に基いて説明するが、図中、FC
(k)は今回の最終制御レベル、FC(k−1)はフィ
ードバック量としての前回の最終制御レベル、δは今回
加算される基本制御レベルFCBに相当するものである
が、初回補正量を含むこともある。μ判定フラグFが
「0」に保持されて 通常のスリップ制御が実行される
ときには、S190、S193、S197のステップを
経る処理が実行される。これに対して、μ判定フラグF
が「1」に設定されている場合(高μ状態)には、S1
90、S191を経てS192へ移行し、最終制御レベ
ルFC(k)が「0」に設定され、スリップ制御を中断
してエンジン出力を抑制しない状態に設定される。
【0043】即ち、スリップ抑制の為にエンジン出力を
抑制すると、高μ状態故にエンジン回転数Nが低下し
て、エンジンストールが発生したり、加速性が低下した
りするので、エンジンストールの発生を防止し、加速性
を高める為に、スリップ制御を中断してエンジン出力を
抑制しない状態に設定する。但し、この場合、演算処理
上得られた今回の最終制御レベルFC(k)は記憶保持
され、制御信号の出力段階で、最終制御レベルFC
(k)が「0」として処理されることになる。それ故、
次回の最終制御レベルFC(k+1)は、記憶保持され
た今回の最終制御レベルFC(k)を用いて演算される
ことになる。
【0044】次に、エンジン回転数Nが、(Nm+α)
又は(Nm+β)となってμ判定フラグFが「1」から
「0」に切り換えられると、S190からS193に移
行し、μ判定フラグFが「1」から「0」に変化後所定
時間(図11のta)経過したか否か判定される。尚、
この判定は、図示外のソフトカウンタにより別途計時さ
れるものとする。μ判定フラグFが「1」から「0」に
変化直後には、S193の判定がNoとなり、S194
へ移行して、後退フラグFgBがセットか否か判定さ
れ、登坂発進時に後退しなかった場合には、後退フラグ
FgBがリセット状態なので、S195において、スリ
ップを抑制して加速性を高める為に、今回の最終制御レ
ベルFC(k)が第1補正値a(例えば、a=+1)を
加算して、図示の演算式にて設定される。つまり、μ判
定フラグFが「1」から「0」に変化後所定時間ta経
過するまでの間だけ、第1補正量aが加算されることに
なる。
【0045】これに対して、後退フラグFgBがセット
されている場合には、発進時に後退したことから大きな
駆動力が必要なので、S196において、今回の最終制
御レベルFC(k)が第1補正量a(例えば、a=−
1)を加味して、図示の演算式にて設定される。尚、S
192、S195、S196からは夫々リターンする。
次に、μ判定フラグFが「1」から「0」に変化後所定
時間ta経過後には、S193からS197に移行し、
S197において、今回の最終制御レベルFC(k)
が、通常のスリップ制御と同様に、図示の演算式にて設
定される。但し、最初にS197に移行したとき、前記
第1補正値aの値が減算補正(S195の場合)又は加
算補正(S196の場合)される。
【0046】次に、μ判定フラグFが「2」のとき、つ
まり、低μ状態であると判定されている場合には、S1
90からS191を経てS198へ移行して、μ判定フ
ラグFが「2」に変化してから所定時間(図11のt
b)経過したか否か判定され、最初のうちはNoと判定
されるため、S198からS200に移行する。S20
0では、低μ状態故にスリップを強力に抑制する為に、
今回の最終制御レベルFC(k)が、第2補正値b(例
えば、b=+2)を加算して図示の演算式にて設定され
る。この第2補正値bを加算することで、スリップを抑
制して、加速性を高めることができる。前記第2補正値
bは、図12の所定時間tbの間だけ加算されることに
なる。
【0047】所定時間tbの経過後には、S198から
S199へ移行し、S199において、今回の最終制御
レベルFC(k)が、通常のスリップ制御と同様に、図
示の演算式にて設定される。但し、最初にS199に移
行したとき、前記第2補正値bの値が減算補正される。
尚、S200、S199からは、夫々リターンする。
【0048】次に、図2のフローチャートのS10にお
いて、スリップ制御部からエンジン制御部へスリップ制
御の制御信号が出力される。この制御信号には、点火時
期をリタードさせる制御信号と、燃料カットを指令する
制御信号とが含まれている。点火時期については、図1
2に示すマップに基いて、前記制御レベルに応じたリタ
ード量を決定し出力する。この場合、図13に示すマッ
プに基いてエンジン回転数が高い領域では最大リタード
量を制限するようになっている。燃料カットについて
は、前記制御レベルFCに基いて、表8の燃料カットテ
ーブルのうちのパターン0〜12の1つを選択すること
になる。そして、制御レベルFCが高くなる程パターン
番号も大きくなる。尚、表8中×印は、燃料カットを示
すものである。この場合、図14に示すように、エンジ
ン回転数が低い領域では燃料カットが制限されるよう
に、各制御レベル毎に燃料カット禁止条件が付けられて
いる。
【0049】
【表8】
【0050】以上説明したスリップ制御のうちの本願特
有の構成から得られる作用について説明する。図11の
タイムチャートに示すように、登坂発進時や登坂時に、
スリップ制御によるエンジン出力抑制で、エンジン回転
数Nが低下し、所定回転数(2500rpm又は、28
00rpm)以下の状態になると、特に本実施例の自動
車のように、手動操作式の変速機を備えた自動車の場合
には、エンジンストールが発生したり、加速性が極度に
低下する虞がある。そこで、エンジンストールの発生を
防止し、加速性を高める為に、スリップ制御実行中にお
けるエンジン回転数Nの挙動から、路面摩擦状態を判定
して、その路面摩擦状態に応じてμ判定フラグFを設定
し、そのフラグFに基いて最終制御レベルFC(k)を
設定することとした。
【0051】エンジン回転数Nが所定回転数以下で、ス
リップ制御によりエンジン回転数Nが低下傾向の時には
高μ状態と判定し、フラグFを「1」に設定し、スリッ
プ制御を中断してエンジン出力を高め、エンジンストー
ルを防止するようにした。そのスリップ制御の中断によ
り、エンジン回転数Nが最低回転数の時点B1から回復
し始め、最低回転数Nmから所定回転数α(α=200
rpm)だけ増加した時点で、フラグFを「0」に戻
し、再びスリップ制御を続行する。但し、フラグFが
「1」の期間中にも、最終制御レベルFC(k)の値を
記憶保持し、その演算を継続していき、スリップ制御の
再開時には、記憶保持し演算を継続してきた最終制御レ
ベルFC(k−1)を用いて、所定時間taの間は第1
補正値aを加算又は減算して、再開時の最終制御レベル
FC(k)を設定するため、スリップ制御の再開の初期
から高い制御レベルでもってスリップ抑制を強化し、加
速性を一層高めることができる。
【0052】一方、エンジン回転数Nが最低回転数とな
った時点B2以降における回転数Nの増加率が所定値C
以上になった時点Pにおいて、低μ状態であると判定
し、μ判定フラグFを「2」に設定し、低μ状態におけ
るスリップ抑制を強化する為、記憶保持し演算を継続し
てきた最終制御レベルFC(k−1)を用いて、所定時
間tbの間は第2補正値bを加算して、再開時の最終制
御レベルFC(k)を設定するため、スリップ制御の再
開の初期から高い制御レベルでもってスリップ抑制を強
化して操縦安定性を高め、加速性を一層高めることがで
きる。
【0053】更に、登坂発進において僅かに後退移動し
た場合には、エンジンストール防止と加速性アップの機
能を強化する為に、所定回転数を2800rpmまで高
め、且つ最低回転数Nmから前記所定回転数αよりも高
い所定回転数β(β=300rpm)だけ回転数Nが増
加した時点で、フラグFを「0」に設定するように構成
してある。このように、2重3重の対策により、登坂時
のエンジンストール防止と加速性の強化、スリップ抑制
による操縦安定性の向上を図っている。
【0054】ここで、前記図8と図10のルーチンに関
連する補足説明として、坂道の勾配が大きく、積載荷重
が重く、海抜が高く、エンジンの冷却水温度低くなるの
に応じてエンジンストールが発生しやすくなることか
ら、これらのパラメータに基いてエンジンストールが発
生しやすくなるのに応じて、所定回転数(2500rp
m又は2800rpm)を大きく設定したり、第1補正
値aをエンジン出力増大側へ変更したり、第2補正値b
をスリップ抑制側に変更したり、することが望ましい。
【0055】更に、前記実施例におけるスリップ制御の
全体的な作用について補足説明すると、図15のタイム
チャートに示すように、スリップ制御開始用のしきい値
は、比較的高いしきい値Shに設定され、外乱等によっ
て駆動輪の車輪速が高くなってもしきい値Shを超えな
い限りはスリップ制御が開始されない。駆動輪の車輪速
がしきい値Shを超えると、スリップフラグSFLがセ
ットされ、ブレーキが非作動状態であれば制御フラグC
FLと初回フラグSTFLがセットされてスリップ制御
が開始されることになる。
【0056】車両の旋回走行において、アンダステア傾
向が大きいと判定されたときは舵角対応旋回半径Riを
用いて車両の横加速度Gが演算されるが、舵角対応旋回
半径Riは実旋回半径Rrよりも小さいため、横加速度
Gが大きく、補正係数kが小さくなるため、開始判定用
しきい値Shは低くなる。従って、スリップ制御が早期
に開始され、駆動輪の駆動トルクの早期低下により過度
のアンダステア傾向が出る前にこれを抑制できる。一
方、アンダステア傾向が大きくないときは、実旋回半径
Rrを用いて横加速度Gが演算されるから、スリップ判
定用しきい値と制御目標値Tは実際の横加速度に合致さ
せて正確に補正される。
【0057】尚、前記実施例は、手動操作式の変速機を
備えた自動車に限らず、自動変速機を備えた自動車のス
リップ制御装置にも同様に適用できることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る車両のスリップ制御装置の全体構
成図である。
【図2】スリップ制御のルーチンのフローチャートであ
る。
【図3】図2のS3のステップのフローチャートであ
る。
【図4】図2のS5のステップのフローチャートであ
る。
【図5】図2のS9のステップのフローチャートであ
る。
【図6】図5のS134のスリップ制御判定のフローチ
ャートである。
【図7】図5のS135の初回スリップ制御判定のフロ
ーチャートである。
【図8】図5のS137のステップのフローチャートで
ある。
【図9】後退判定処理のルーチンのフローチャートであ
る。
【図10】図5のS138のステップのフローチャート
である。
【図11】登坂走行時のエンジン回転数やμ判定フラグ
等のタイムチャートである。
【図12】制御レベルに対する点火リタード量のマップ
の線図である。
【図13】エンジン回転数に対する点火リタード量のマ
ップの線図である。
【図14】制御レベルとエンジン回転数に対する燃料カ
ット禁止領域の説明図である。
【図15】スリップ制御の全体的な動作タイムチャート
である。
【符号の説明】
4 エンジン 8 制御装置 9a、9b、9c、9d 車輪速センサ 10 舵角センサ FC 制御レベル FCB 基本制御レベル Sh スリップ制御開始用しきい値 Sc スリップ制御継続用しきい値

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力を抑制することにより路
    面に対する駆動輪のスリップを抑制するトラクション制
    御を行うトラクション制御手段を備えた車両のスリップ
    制御装置において、 登坂走行時におけるトラクション制御の実行中に、エン
    ジン回転数の減少傾向から路面摩擦状態が高μ状態であ
    ると判定する第1判定手段と、 前記第1判定手段により高μ状態であると判定され、か
    つエンジン回転数が設定回転数以下のときに、トラクシ
    ョン制御の制御量を制限する制限手段と、 前記制限手段による制限中に、エンジン回転数が最低回
    転数より所定回転数だけ上昇後に制限手段の制限を解除
    する解除手段と、 を備えたことを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制限手段による制限に伴うエンジン
    回転数の増加率が、所定値以上のときに路面摩擦状態が
    低μ状態であると判定する第2判定手段を設けたことを
    特徴とする請求項1に記載の車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記トラクション制御手段は、制限手段
    による制限実行中にも、トラクション制御の制御量の演
    算を継続しておき、前記解除手段による制限解除時に、
    継続的に演算してきた制御量に基いて制御するように構
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のスリ
    ップ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記車両は、手動操作式の変速機を備え
    たことを特徴とする請求項1に記載の車両のスリップ制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記第2判定手段による低μ状態判定後
    は、現在実行中のトラクション制御終了まで第1判定手
    段による高μ状態判定を禁止する禁止手段を設けたこと
    を特徴とする請求項2に記載の車両のスリップ制御装
    置。
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