JPH0720817U - ウエスト調節用緊緩金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ズボンやスカート等のウエスト部に取り付けら
れた合成樹脂製のレール上をスライドしてウエスト寸法
の調節を行う緊緩金具において、緊緩金具とレールとの
かみ合いをより確実にし、レールの凸部が容易に損傷し
ないようにすると共に、装着時のウエスト部の不用意な
緩みを防止する。 【構成】抱持体３に回動可能に取り付けられた回動体２
の基端側と先端側にそれぞれ係止片５，７を屈曲形成
し、両係止片５，７がそれぞれレールの異なる凸部間に
入り込むことにより、ひとつの凸部にかかる力を軽減す
ると共に、より確実にその移動を阻止するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スカートやズボン等のウエスト部に縫着された合成樹脂製レール上 を移動すると共に、任意の位置で該レールに不動に係合することにより、ウエス ト寸法を調節するのに用いられる緊緩金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の緊緩金具としては、図１０及び図１１に示す実開昭６０−１８ ９５１１号に示される考案があった。この考案は、図１０に示したように一端を 屈曲して係止片５を形成した回動体２を断面略コ字形の抱持体３に枢着して成る 緊緩金具１を、図１１に示すように所定間隔毎に凸部１２を形成した合成樹脂製 のレール１１に挿入し、該緊緩金具１をレール１１で移動可能に保持すると共に 、所定位置で回動体２を回動させることにより、その後端の係止片５がレール１ １の凸部１２，１２間に入り込み、抱持体３との間でレール１１を挟み込んで該 緊緩金具１を不動に固定するようにしたものであり、このことで該緊緩金具１と 掛合雄体１５を介して連結された衣服ベルト部の上前部分１４ｂを、上記レール １１が固定されたベルト部の下前部分１４ａに対して移動させ、ウエスト寸法の 調節を行うものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の緊緩金具では、回動体一端の係止片がレールの凸部間に嵌まり 込み、緊緩金具の移動を規制しているのみなので、過大な力が加わった際に該係 止片がレールの凸部を乗り越えて滑り、ズボンやスカートの締めつけが緩む恐れ があり、又、該レールは合成樹脂材で形成されているので、このような滑りが生 じると次第にその凸部が摩滅し、所定位置で固定するという本来の機能を果たさ なくなる恐れがあるという問題点を有していた。本考案は、これら従来の問題点 の解決を課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、抱持体に枢着された回動体の指掛部となる先端側にもレールの凸 部間に嵌まり込み、緊緩金具の移動を阻止する第二の係止片を形成することによ り、上記従来の課題を解決した。

【０００５】

【作用】

抱持体に枢着された回動体を抱持体と接合する方向に回動させると、その先端 側に形成された第二の係止片は、基端側に形成された第一の係止片と共にレール の凸部間の異なる位置にそれぞれ嵌まり込み、緊緩金具が引っ張られた際に該レ ールのひとつの凸部にかかる力を分散させるように作用する。

【０００６】

【実施例】

図１は実施例の斜視図、図２、図３、図４は、それぞれその平面図、正面図、 側面図である。尚、図中従来例と同一箇所には、同一符号を付している。図示し たように本考案の緊緩金具１は、上下両端を内方に屈曲して対向耳片８，８を形 成した側面視略コ字状の抱持体３と、該抱持体３に回動可能に枢着された略板状 の回動体２とから成る。この抱持体３は、従来のものと同様に一対の対向耳片８ ，８にそれぞれ後述する回動体の突子を保持する軸孔９，９を形成すると共に、 表面の所定位置を背方に切抜曲設して他方側の金具（図示せず）を掛止する掛止 部１０を形成したものである。

【０００７】 又、上述した回動体２は、従来のものと同様に一側寄りの両端にそれぞれ突子 ４，４を外向きに突出させると共に、該突子４，４間の一辺（基端側）を内方に 折り曲げ、係止片５を形成したものであるが、ここにおいて本考案の緊緩金具で は、該回動体２の先端側もその一部を下向きに屈曲して第二の係止片７を形成し ている。尚、この基端側の第一の係止片５と、先端側の第二の係止片７との間隔 は、後述するレールの凸部間の間隙を整数倍した寸法とする。又、図において符 号６は、回動体２の先端部の一部を上向きに屈曲して形成した指掛部を示す。

【０００８】 上記構成を有する本考案の緊緩金具１は、図６に示すように抱持体３と回動体 ２との間に所定間隔毎に凸部１２を列設したナイロンやポリプロピレン等の合成 樹脂製のレール１１を該レール１１の周縁を縫着した帯状布片１３と共に挿入し て取り付けられ、該布片１３は図７に示すようにズボンやスカート等のウエスト 部１４の重なり合った下前部分１４ａに、その両端が縫い付けられて固定される ものである。そして、上記緊緩金具１の背面に形成された掛止部１０には、ウエ スト部１４の上前部分１４ｂを挿通した他方側金具１５の爪片１６が掛合するこ とにより、該上前部分１４ｂが上記緊緩金具１に一体的に連結固定され、取り付 けが完了する。このようにして取り付けられた本考案の緊緩金具１は、従来の緊 緩金具と同様に先端の指掛部６を利用して、回動体２を引き起こすと、レール１ １上を自由に移動でき、所望の位置で該回動体２を抱持体３と接合する方向に回 動させると、図８に示すように後部（図中右方）の係止片５がレール１１の凸部 １２，１２間に嵌まり込み、下側の抱持体３との間で該レール１１を挟み込んで 不動に固定される。尚、この時、上記係止片５は容易に回動復帰しないようにや や鈍角に屈曲形成されているものとする。よって、該緊緩金具１に連結された衣 服の上前部分１４ｂは、下前部分１４ａとの相対位置が位置ずれ不可に固定され 、ウエスト寸法の調節がなされるものであるが、この時、本考案の緊緩金具１で は、回動体２の先端にも第二の係止片７が屈曲形成され、両係止片５，７の間隔 はレール１１の凸部１２，１２間の間隔を整数倍した位置に設定されているので 、該第二の係止片７も図８に示すようにレール１１の他の凸部１２，１２間に入 り込むこととなり、緊緩金具１は両係止片５，７でより確実に係止位置に位置ず れ不可に固定されるものである。

【０００９】 図９は、本考案の他の実施例を示しており、この例では、回動体２の先端の係 止片７を中央部に形成すると共に、その両側を指掛部６としたものである。又、 この例では、抱持体３の表面所定位置を打ち抜き、透孔１０’を形成すると共に 、該透孔１０’に続く部分を凹設してフック状の雄金具（図示せず）を掛止する 掛止部１０を形成している。

【００１０】 このように本考案の緊緩金具では、回動体の前後にそれぞれ係止片が形成され 、両係止片で緊緩金具が位置ずれ不可に固定されるものであれば良く、掛止部は 他方側の金具を単に掛止するだけであっても或いは両者を一体的に連結固定する ものであっても良く、その形状は例示したものに限定されるものではない。

【００１１】

【考案の効果】

以上の通り、本考案の緊緩金具では、抱持体に枢着された回動体の前後両端に レールの凸部間に嵌まり込む係止片を設けたので、該緊緩金具はより確実にレー ルの所定位置に固定され、容易に位置ずれを生ぜず、スカートやズボンなどのウ エスト部の不用意な緩みが防止される。又、スカートやズボンなどの装着時に緊 緩金具に作用する力は、両係止片で分散されてレールの異なる凸部にかかるので 、合成樹脂製の該凸部には過大な力が作用せず、その破損が防止され、長年にわ たって本来の機能を発揮し得るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】同上、平面図である。

【図３】同上、正面図である。

【図４】同上、側面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ’線断面図である。

【図６】緊緩金具をレールに取り付けた状態の斜視図で
ある。

【図７】ズボンのウエスト部を示す簡略図である。

【図８】図７のＢ−Ｂ’線拡大断面図である。

【図９】他の実施例の斜視図である。

【図１０】従来例の裏面図である。

【図１１】同上、使用状態の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 緊緩金具 ２ 回動体 ３ 抱持体 ４ 突子 ５ 第一の係止片 ６ 指掛部 ７ 第二の係止片 ８ 対向耳片 ９ 軸孔 １０ 掛止部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スカートやズボン等のウエスト部の任意
   箇所に、凸部を所定間隔毎に列設した帯状の合成樹脂製
   レールを縫着し、該レールをその背面側を抱持する抱持
   体と該抱持体に枢着された回動体との間で摺動且つ係止
   可能に挟み、ウエスト寸法の調節を行うようにしたウエ
   スト調節用緊緩金具において、上記抱持体は、上下両端
   に軸孔を有する対向耳片が屈曲形成されると共に、表面
   の所定位置に他方側の金具を掛止する掛止部が切抜曲設
   され、上記回動体は、基端に上記レールの凸部間に圧接
   する第一の係止片が屈曲形成されると共に、先端の指掛
   部の一部に該係止片から上記レールの凸部間の間隔を整
   数倍した寸法と対応する位置に第二の係止片が屈曲形成
   されたことを特徴とするスカートやズボン等のウエスト
   調節用緊緩金具。