JPH07207869A - 浴室・トイレ用手摺り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高齢者等が浴室やトイレでの生活行為を安
全、楽に、かつ快適に行えるようにする。 【構成】 室出入口側縁部（３）に、室内と室外に水平
方向に回動する手摺り（４）が取付け支持される。ま
た、トイレには、便座前方に、回動自在な手摺りが配置
され、立上がり動作を助けるようにする。さらには、カ
ンター前部にも手摺りが配置される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、浴室・トイレ用手摺
りに関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
高齢者や身障者が浴室、トイレでの生活行為を安全に、
かつ容易に行うことのできる手摺りに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】高齢化社会の到来とともに、高齢者や身
体障害者、さらには一般の人々にとっても、居住空間で
の生活により細やかな関心が持たれてきており、安全
に、楽に、しかも快適な生活行為がなされるように、居
住空間の改善が進められてきている。

【０００３】特に浴室、トイレでの生活行為は、高齢者
等にとっては苦痛をともない、かつ、細心の注意が要求
されることから、様々な手段による改善が図られてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での改善の試みにもかかわらず、現状は必ずしも満足で
きるものとはなっていない。このことは、高齢者等の生
活行動について細やかな検討と配慮が不足していたこと
に帰因するものであった。特に、浴室やトイレでは、水
まわり設備であることから、通常の床面に比べて段差を
もって配置されていることが多いため、歩行移動が難し
く、また、トイレでは便器への着座や立上り時が高齢者
等にとっては難しい。しかしながらこれら諸点につい
て、配慮の行き届いた手摺り配置が充分になされていな
いのが実情である。実際にも、浴室やトイレの出入口部
での歩行移動を安全かつ容易とするための手摺りや、ト
イレの弁座からの立上り、あるいはトイレ内の移動につ
いて、これを安全、かつ容易とするための手摺りはいま
だに実現されていない。

【０００５】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであって、従来の浴室、トイレの手摺り配置
やその構造の欠点を解消し、浴室・トイレでの生活行動
を安全に、楽に、しかも快適に行うことのできる、改善
された手摺りを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、室出入口部に配設された手摺り
であって、出入口側縁部に室外と室内に水平方向に回動
自在にその端部が取付け支持されていることを特徴とす
る浴室・トイレ用手摺りを提供する。また、この発明
は、一方の壁部に下端部が回動自在に取付け支持されて
立設された手摺りであって、回動時には、その上端部
は、対向壁部のカウンター部に当接支持され、手摺りが
便器の前方に水平配置されることを特徴とするトイレ用
手摺りを提供する。さらにこの発明は、カウンター前部
に並行配置された手摺りであって、カウンター裏面にお
いて固定支持されていることを特徴とするトイレ用手摺
りをも提供する。

【０００７】

【作用】この発明においては、まず、浴室・トイレ用出
入口部の手摺りが、前記の通り出入口側縁部に室外と室
内に水平方向に回動自在にその端部が取付け支持されて
いるため、浴室やトイレの出入口部床面に段差があって
も、また滑りやすいタイル面等であっても、この回動す
る手摺りにつかまることによって、高齢者等は、安全
に、楽に、身体を浴室やトイレの出入口部で移動させる
ことができる。

【０００８】また、トイレの使用時には、便座の前方に
回動して水平に配置した手摺りに手を乗せて楽に立上が
ることができ、カウンター前部に配置した手摺りをつた
って、手洗い等のために楽に身体を移動させることがで
きる。以上の特徴を、さらに実施例により詳しく説明す
る。

【０００９】

【実施例】添付した図面の図１は、この発明の出入口部
の手摺りを例示したものである。これまでにも、浴室内
には、この図１にも例示したように浴槽部（１）の内部
やその周囲近傍に浴槽手摺り（２）を配置した例は多い
が、浴室、あるいはトイレの出入口部での歩行移動に配
慮した例は多くない。

【００１０】そこでこの発明では、この図１に例示した
ように、出入口側縁部（３）に、室外と室内に水平方向
に回動自在にその端部取付け支持された手摺り（４）を
配置する。この手摺り（４）は、高齢者等が身体をあず
けるように歩行移動して出入することを助けるためのも
のである。水平回動による移動を安全、かつ楽なものと
し、その支持強度を保持するためには、その端部が回動
自在に取付け支持されているＵ字型のループ状形状から
なるものが好ましく使用される。このような形状とする
ことで、高齢者等は手摺りにつかまりやすく、しかも、
Ｕ字型ループ状とすることにより、高齢者等が安定して
身体をあずけるように歩行移動することが容易となる。
もちろん、支持強度を保持して回動容易とするために
は、必ずしもＵ字型とする必要はなく、バー形状、もし
くはその複数のものの組合わせ等も可能である。

【００１１】なお、浴室内に、この手摺り（４）の助け
により入室した高齢者等にとっては、様々に配置された
手摺り、たとえば、シャワーヘッドホルダーと兼用した
スライドバー手摺り（５）、照明付手摺り（６）、窓際
手摺り（７）等の助けによって浴室内の移動をスムーズ
に行うことができる。回動自在な手摺り（４）は、壁面
（８）と平行に配置された状態では、タオル掛けとして
利用することもできる。そしてこの手摺り（４）は、浴
室だけでなく、トイレの出入口部においても高齢者等の
動作を助けるものとなる。

【００１２】図２は、この発明のトイレ用の回動自在な
手摺り（１０）を例示したものである。この手摺り（１
０）は、一方の壁部（１１）に固定された支持バー（１
２）に、その下端部が回動自在に取付け支持されて立設
されている。そして、回動時には、その上端部は、対向
壁部（１３）のカウンター部（１４）に当接支持され、
手摺り（１０）が、便器（１５）前方の、つまり着座し
た時の使用者の前に水平配置される。便器（１５）への
着座時には、壁部（１１）の手摺り（１６）等によって
比較的容易に着座できるものの、立上りは、これらの手
摺り（１６）等だけによっては容易でないのが普通であ
る。高齢者等にとっては、この立上り時が難しい。

【００１３】そこで、この発明の手摺り（１０）は、通
常は、図２の通り、壁部（１１）に沿って、弾性体や係
止機構等により立設された状態とされているが、使用者
が便器（１５）の着座状態から立上がろうとする時に
は、これを回動させて、上端部をカウンター部（１４）
に当接支持し、両手を乗せて、身体を支えつつ比較的楽
に立上がることができるようにしている。

【００１４】手のひらをこの手摺り（１０）に乗せやす
いようにするためには、この手摺り（１０）は、図２の
例のように板状体とするのが好ましいが、片手による支
え等の場合には、バー形状のものとすることも考慮され
る。もちろん、図１の例とともに、この手摺り（１０）
の回動のための支持構造は、適宜なものとすることがで
きる。

【００１５】図３は、さらに別の、トイレ内の手摺り
（２０）を例示したものである。この手摺り（２０）
は、カウンター（２１）の前部に並行配置され、カウン
ター（２１）の裏面において固定支持されている。この
手摺り（２０）は、便器（２２）から立上がり、これを
伝って手洗い（２３）等へ移動することを容易としてい
る。

【００１６】あるいはまた、この手摺り（２０）は、カ
ウンター（２１）を伝って移動し、この手摺り（２０）
を握りながら便器（２２）に着座することを容易として
もいる。図４および図５に例示したように、この手摺り
（２０）は、カウンター（２１）の裏面に、支持具（２
４）により固定し、その配置高さは、カウンター（２
１）表面と略同等となるようにするのが好ましい。これ
は、カウンター（２１）の利用を障げないための措置で
もある。

【００１７】また、この手摺り（２０）については、前
記の通りのこの発明手摺り（４）（１０）等とともに、
トイレ等における使用時に汚れやすい部位にある場合に
は、手摺りの表面にシート材を着脱自在に取付けてもよ
く、たとえば図６に例示したように、手摺り（３０）の
表面にシート材（３１）を巻き付け、溝部（３２）に差
し込みブロック（３３）を差し込んで取付けるようにし
てもよい。その他各種の手段でのシート材（３１）の取
り替え可能な取付けが考慮される。

【００１８】

【発明の効果】以上、詳しく説明した通り、この発明に
より、浴室、トイレにおける高齢者等の生活行為を安全
に、楽に、しかも清潔感があって快適に行うことのでき
る手摺りが実現される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の出入口部の手摺りを例示した斜視図
である。

【図２】この発明のトイレ用手摺りを例示した斜視図で
ある。

【図３】トイレ用のカウターンの取付け手摺りを例示し
た斜視図である。

【図４】図３の手摺りの取付け例を示した要部斜視図で
ある。

【図５】図３の手摺りの側面図である。

【図６】表面シート材の取付けを例示した要部分解斜視
図である。

【符号の説明】

１ 浴槽部 ２ 浴槽手摺り ３ 出入口側縁部 ４ 手摺り ５ スライドバー手摺り ６ 照明付き手摺り ７ 窓際手摺り ８ 壁面 １０ 手摺り １１ 壁部 １２ 支持バー １３ 壁部 １４ カウンター部 １５ 便器 １６ 手摺り ２０ 手摺り ２１ カウンター ２２ 便器 ２３ 手洗い ２４ 支持具 ３０ 手摺り ３１ シート材 ３２ 溝部 ３３ 差し込みブロック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 喜世子 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 島ノ江 繁吉 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室出入口部に配設された手摺りであっ
   て、出入口部側縁部に室外と室内に水平方向に回動自在
   にその端部が取付け支持されていることを特徴とする浴
   室・トイレ用手摺り。
2. 【請求項２】 端部が回動自在に取付け支持されている
   請求項１のＵ字型ループ状の浴室・トイレ用手摺り。
3. 【請求項３】 一方の壁部に下端部が回動自在に取付け
   支持されて立設された手摺りであって、回動時には、そ
   の上端部は、対向壁部のカウンター部に当接支持され、
   手摺りが便器の前方に水平配置されることを特徴とする
   トイレ用手摺り。
4. 【請求項４】 板状体手摺りからなる請求項３のトイレ
   用手摺り。
5. 【請求項５】 カウンター前部に並行配置された手摺り
   であって、カウンター裏面において固定支持されている
   ことを特徴とするトイレ用手摺り。
6. 【請求項６】 表面に着脱取替え自在にシート材が取付
   けられている浴室・トイレ用手摺り。