JPH07207083A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH07207083A
JPH07207083A JP313894A JP313894A JPH07207083A JP H07207083 A JPH07207083 A JP H07207083A JP 313894 A JP313894 A JP 313894A JP 313894 A JP313894 A JP 313894A JP H07207083 A JPH07207083 A JP H07207083A
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weight
resin
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olefin
vinyl
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JP313894A
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Shinichi Yamauchi
伸一 山内
Yuusuke Araki
雄介 安良城
Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Masahide Ochiumi
雅英 落海
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂10〜9
0重量%と(B)スチレン系樹脂90〜10重量%の合
計量100重量部に対し、(C)下記の製造法で得られ
たビニル芳香族単量体・α−オレフィン−ビニルカルボ
キシレート共重合体の複合樹脂を1〜40重量部の割合
で配合してなる熱可塑性樹脂組成物。 (C)成分の製造法 炭素数が2〜10のα−オレフィン80〜99モル%
と、ビニルカルボキシレート20〜99モル%とのα−
オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体100重
量部の存在下に、ビニル芳香族単量体10〜400重量
部を重合して得られる複合樹脂。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、溶融流動性に優れ、
耐熱性、耐衝撃性、ウエルド強度、外観に優れる成形品
を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、剛性、耐熱
性に優れた成形体を与える成形性の良好な熱可塑性樹脂
組成物に関するものである。この熱可塑性樹脂組成物
は、自動車のホイールキャップ、インストルメントパネ
ル、把手、ドアトリム等、電子・電気機器のハウジン
グ、つまみ、ダイヤル等に有用である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂にABS、
SAN、ポリスチレン等のスチレン系樹脂を配合した樹
脂組成物は成形性、耐熱性、耐衝撃性の優れた材料とし
て知られている(特公昭52−504号、同58−46
269号、同62−39176号、特公平3−5993
9号、特開昭60−137959号、特開平2−227
455号公報等)。しかし、得られた成形品の広い温度
範囲での衝撃強度および射出成形品において生じる異方
向の樹脂流れの交差する部位であるウエルド部の強度が
十分でない欠点がある。
【0003】一方、特開昭63−83159号公報には
ポリカーボネート樹脂100重量部に、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のα−オレフィン−ビニルカルボキシ
レート共重合体を1〜40重量部配合した樹脂組成物
は、成形性が優れることを開示する。これより得られる
成形品は耐衝撃性の低下は見受けられないが、ウエルド
強度が弱く、また、デラミが発生し、成形品の外観も悪
い。
【0004】特公平3−74701号公報には、(A)
ゴム質重合体(a−1)、不飽和ジカルボン酸無水物
(a−2)および芳香族ビニル化合物、不飽和ニトリル
化合物および不飽和カルボン酸エステル化合物から選ば
れた一種以上の化合物(a−3)とからなるゴム変性不
飽和ジカルボン酸無水物系樹脂、(B)ポリカーボネー
ト、(C)ゴム質重合体(c−1)と芳香族ビニル化合
物、不飽和ニトリル化合物および不飽和カルボン酸エス
テル化合物より選ばれた一種以上の化合物(c−2)と
からなるゴム強化スチレン系樹脂、および(D)エチレ
ン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、
無水マレイン酸グラフトポリエチレン等の変性ポリオレ
フィンとからなり、(D)が(A)、(B)および
(C)の合計100重量部当り0.1〜100重量部で
あり、かつ(A)、(B)および(C)の合計100重
量部における各成分が(A)5〜50重量%、(B)3
0〜90重量%および(C)5〜50重量%であること
を特徴とする耐衝撃性樹脂組成物が開示されている。
【0005】このものは、耐熱性、耐衝撃性が優れ、シ
ルバーストリークの無い外観の優れた成形品を与える
が、ウエルド強度の向上が乏しい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形時の流
動性に優れ、耐熱性、ウエルド強度、衝撃強度、外観に
優れる成形品を与える熱可塑性樹脂組成物の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)芳香族
ポリカーボネート樹脂10〜90重量%と(B)スチレ
ン系樹脂90〜10重量%の合計量100重量部に対
し、(C)下記の製造法で得られたビニル芳香族単量体
・α−オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体の
複合樹脂を1〜40重量部の割合で配合してなる熱可塑
性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】(C)成分の製造法 炭素数が2〜10のα−オレフィン80〜99モル%
と、ビニルカルボキシレート20〜99モル%とのα−
オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体100重
量部の存在下に、ビニル芳香族単量体10〜400重量
部を重合して得られる複合樹脂。
【0009】
【作用】(C)成分が(A)成分と(B)成分との相溶
性に優れるので、耐衝撃性、外観の優れた成形品を与え
る。又、(C)成分を配合することにより樹脂組成物の
溶融流動性が向上し、ウエルドライン強度の優れた成形
品が得られる。
【0010】(発明の具体的な説明)(A)成分 芳香族ポリカーボネート樹脂 (A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は種々のジヒ
ドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホ
スゲン法や、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニ
ルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエス
テル交換法等によって得られる重合体または共重合体で
あり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)とホス
ゲンから製造された芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げ
られる。
【0011】上記原料としてのジヒドロキシジアリール
化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒド
ロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロ
キシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジ
ヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒ
ドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0012】これらは単独または2種以上混合して使用
されるが、これらの他にピペラジン、ジピペリジルハイ
ドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル類を混合して使用してもよい。芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の重量平均分子量は、1×104 〜1×10
5 であることが好ましい。この(A)成分の芳香族ポリ
カーボネート樹脂は、耐熱性、寸法安定性に優れた成形
体を与えるのに寄与する。
【0013】(B)スチレン系樹脂 (B)成分のスチレン系樹脂としては、スチレンの単独
重合体;スチレンを主成分とし、これと他のビニル単量
体との共重合体;ポリブタジエンゴム、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、ポリアクリル酸アルキルエステル
エラストマー等のゴム物質5〜35重量%の存在下にス
チレン35〜80重量%と他のビニル単量体3〜40重
量%を共重合して得られる耐衝撃性スチレン系樹脂が利
用できる。
【0014】他のビニル単量体の例としては、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、パラ−t−ブチルスチレ
ン、パラクロロスチレン等のスチレン誘導体;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等シアン化ビニル化合
物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル;無水マレイン酸、メチルマレイミド、フェニルマレ
イミド等のマレイン酸誘導体等が挙げられる。
【0015】具体的にスチレン系樹脂を挙げると、スチ
レン単独重合体、スチレン・α−メチルスチレン共重合
体、スチレン・α−メチルスチレン・メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン・α−メチルスチレン・マレイミ
ド共重合体、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、
スチレン・アクリロニトリル共重合体、ABS、AE
S、HIPS、スチレン・無水マレイン酸共重合体等で
ある。この(B)成分は、組成物の流動性の向上に寄与
する。
【0016】(C)複合樹脂 (C)成分の複合樹脂は、炭素数が2〜10のα−オレ
フィン80〜99モル%と、ビニルカルボキシレート2
0〜99モル%とのα−オレフィン−ビニルカルボキシ
レート共重合体100重量部の存在下に、ビニル芳香族
単量体10〜400重量部を重合して得られるもので、
ビニル芳香族単量体の重合物(C1 )、ビニル芳香族単
量体グラフトα−オレフィン−ビニルカルボキシレート
共重合体(C2 )およびα−オレフィン−ビニルカルボ
キシレート共重合体(C3 )の混合物である。
【0017】(C2 )のグラフト共重合体の量の確認
は、熱キシレンに可溶で、メチルエチルケトンに不溶で
ある分である。一般に5〜70重量%がグラフト共重合
体である。オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合
体のα−オレフィン成分としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1、3−メチルヘキセン−1などが挙げられる。これら
を単独または二種以上の共重合成分とすることができ
る。
【0018】ビニルカルボキシレートとしては酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルが挙げられる。好ましいα−オ
レフィン−ビニルカルボキシレート共重合体は、酢酸ビ
ニル含量が1〜18モル%、好ましくは2〜10モル
%、ASTM D1238(190℃、2.16kg荷
重)で測定したメルトインデックスが0.5〜200g
/10分、結晶化度が3〜70%、好ましくは20〜5
0%、重量平均分子量が1×104 〜5×105 のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体である。
【0019】上記共重合体を変性するビニル芳香族単量
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、パラクロルスチレン等であり、特にスチレンが
好適である。該ビニル芳香族化合物を重合条件に付す方
法の好適例として、特開昭52−86492号公報の技
術を用いることができる。すなわち、α−オレフィン−
ビニルカルボキシレート共重合体の粉末または粒状体1
00重量部を水100〜400重量部に撹拌により懸濁
させた水性懸濁液中に、重合開始剤を溶解したビニル芳
香族単量体10〜400重量部を添加し、共重合体粒子
にビニル芳香族単量体を含浸させた後、昇温してビニル
芳香族単量体の重合を開始させる方法である。該方法に
おいては、ビニル芳香族単量体の80重量%以上をα−
オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体粒子に均
一に含浸することが望ましい。
【0020】重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合
物等のラジカル発生剤としてよく知られたものを用いる
ことができる。これらの中でも変性オレフィン共重合体
中に、熱キシレン不溶分として測定されるゲル分の生成
が少ないジ−第三級ブチルパーオキサイド、第三級ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
1,3−ビス(第三級ブチルパーオキシ−イソプロピレ
ン)ベンゼン、ベンゾイルパーオキサイド、第三級ブチ
ルパーオキシベンゾエート、第三級ブチルパーオキシピ
バレートが好ましく、特に好ましいのは第三級ブチルパ
ーオキシベンゾエート、第三級ブチルパーオキシピバレ
ートおよびベンゾイルパーオキサイドである。
【0021】複合樹脂のゲル分は30重量%以下、好ま
しくは0〜10重量%である。(C)成分の複合樹脂を
得る他の方法は、α−オレフィン−ビニルカルボキシレ
ート共重合体粒子をキシレン、クロルベンゼン等の溶媒
に加熱溶解して、ビニル芳香族単量体および必要に応じ
て重合開始剤を添加して溶液重合反応をさせる方法であ
る。
【0022】また、他の方法として、二軸押出機にα−
オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体、ビニル
芳香族単量体および重合開始剤を供給して、溶融混練せ
しめて重合を行なうこともできる。α−オレフィン−ビ
ニルカルボキシレート共重合体100重量部に対するビ
ニル芳香族単量体の使用量は10〜400重量部、好ま
しくは30〜150重量部である。10重量部未満では
ウエルド強度の改良効果が小さい。400重量部を越え
ると耐衝撃性が低下する。
【0023】組成本発明の樹脂組成物における成分
(A)、(B)、および(C)の組成比は、得られる成
形体の機械的強度、成形性、耐熱性等の観点から(A)
芳香族ポリカーボネート10〜90重量%と(B)スチ
レン系樹脂90〜10重量%の合計量100重量部に対
し、(C)成分の複合樹脂が1〜40重量部、好ましく
は10〜30重量部である。
【0024】成分(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
と、成分(B)のスチレン系樹脂の配合割合は、成分
(A)を90〜10重量%の範囲で、使用目的に応じて
選ぶ。成形品が高い耐衝撃性を要する場合には成分
(A)90〜50重量%が好ましく、(A)成分は高流
動性を要する場合には50〜10重量%が好ましい。
又、(C)成分は、これを多量に配合すると衝撃強度は
飽和に達しているのでこれ以上の向上はなく、一方耐熱
性が低下するので実用的でない。又、成分(C)が少量
であると衝撃強度、ウエルド強度の向上が小さい。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物には必要によ
り、この樹脂組成物の樹脂分100重量部に対し、ヒン
ダートフェノール化合物、亜リン酸エステル等の酸化防
止剤、耐候性改良剤、造核剤、難燃剤を0.5〜5重量
部、可塑剤、流動性改良剤等を5〜20重量部、有機お
よび無機充填剤例えばガラス繊維、マイカ、タルク、ワ
ラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シ
リカ等5〜50重量部、及び着色剤の分散剤を0.5〜
5重量部配合することもできる。
【0026】組成物の調整法及び成形法 本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための方法は、溶融
法、溶液法、懸濁法等、特に限定されないが、実用的に
は溶融混練する方法が好ましい。溶融混練の方法として
は、熱可塑性樹脂について一般に使用されている混練方
法が適用できる。例えば、粉状又は粒状の各成分を、必
要であれば、付加的成分の項に記載の添加物等と共に、
ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダ
ー等により均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出
機、ロール、バンバリーミキサー等で混練することがで
きる。
【0027】混練は(A)成分と(B)成分を最初に混
練したのち、(C)成分を後から加える逐次混練法、ま
たは(A)(B)および(C)を一緒に混練する一括混
練法等が有効である。混練温度は150℃以上400℃
以下、好ましくは200℃以上、300℃以下である。
【0028】
【実施例】本実施例において使用された各種試料は次の
通りである。 芳香族ポリカーボネート樹脂: 三菱瓦斯化学(株)製“ユーピロンS2000”(商品
名) ABS: 三菱化成(株)製“タフレックス410”(商品名) ポリスチレン: 三菱化成ポリテック(株)製“ダイヤレックスHF7
7”(商品名) スチレン−アクリロニトリル共重合体: 三菱モンサント化成(株)“サンレックスSAN−A”
(商品名) エチレン−酢酸ビニル共重合体: 三菱油化(株)製“三菱ポリエチEVA 25K”(商
品名;酢酸ビニル含量4モル%、結晶化度22%、メル
トインデックス3.5g/10分) エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重
合体: 住友化学工業(株)製“ボンドファーストB”(商品
名)
【0029】スチレン・エチレン−酢酸ビニル共重合体
の製造例 撹拌器を備える10リットル容量のオートクレーブ内
に、純水3キログラム、懸濁剤としてリン酸三カルシウ
ム90グラムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.09グラムを投入し、水性媒質として、これにエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(三菱油化(株)製、商品名
三菱ポリエチEVKA25K)500グラムを添加し、
撹拌して水性懸濁液とした。
【0030】次に、重合開始剤として第三級ブチルパー
オキシピバレート7.2グラム、およびベンゾイルパー
オキサイド2.5グラムをスチレン500グラムに溶解
した溶液を前述の水性懸濁液に添加し、系内を窒素置換
した後、オートクレーブ内温度を50℃に上げ、この温
度で撹拌しながら3時間放置し、スチレンをエチレン−
酢酸ビニル共重合体粒子に完全に含浸させた。
【0031】ついで、この水性懸濁液を75℃に昇温
し、2時間撹拌し、さらに、90℃に昇温して3時間撹
拌してスチレンの重合を完結した。冷却後、固形分を分
離、水洗して減圧乾燥し、複合樹脂970グラムを得
た。該複合樹脂の沸騰キシレン不溶分(ゲル分)は7重
量%であった。さらに、メチルエチルケトン中に再沈澱
して得た可溶分は、13重量%のポリスチレンであり、
その重量平均分子量は2.85×104 であった。これ
らのことから添加されたスチレンの約60重量%はエチ
レン−酢酸ビニル共重合体にグラフトしたポリスチレン
と考えられる。
【0032】実施例1 芳香族ポリカーボネート樹脂60重量部、ABS40重
量部および複合樹脂5重量部をドレイブレンドした後、
東洋精機社製ラボプラストミルを用い、温度250℃、
ローター回転数180rpmの条件で5分間混練した。
混練終了後、試料(樹脂組成物)を粉砕機で粉砕して粒
状物とした。粒状物の試料をカスタム・サイエンティフ
ィック社製CS−183MMXミニマックス射出成形機
を用いて、温度300℃で物性評価用の試験片を成形し
た。なお、混練に際して、芳香族ポリカーボネート樹脂
はあらかじめ120℃、6時間、熱風乾燥したものを用
いた。また、物性評価用試験片は120℃で2時間熱処
理をした後2〜6日間、23℃の部屋に置かれたデシケ
ータ内に保存した後、評価した。
【0033】(測定および評価法)各物性試験法は、そ
れぞれ次に示す方法によった。 <アイゾット衝撃強度>長さ31.5mm、幅6.2m
m、厚さ3.2mmの試験片を射出成形し、カスタム・
サイエンティフィック社製ミニマックスアイゾット試験
機CS−138TI型を用いて、深さ1.27mm、先
端曲率0.25mmR、角度45度、ノッチ付きアイゾ
ット衝撃強度を測定した。測定雰囲気温度は23℃であ
る。
【0034】<層剥離評価>上記の衝撃強度試験片の表
面にセロハンテープ(日東電工社製粘着テープ、商品
名:ジムパックNO.1)を充分に圧着し、試験片表面
を約30度に保って手前に一気に引き剥し、剥離しなか
った部分の面積を求め、下式より剥離しなかった部分の
面積を層剥離保持率として百分率で示した。 層剥離保持率(%)=(剥離しなかった部分の面積)×
100/(試験片表面の面積)
【0035】<ウエルド引張強度>両側から樹脂が流入
できるランナーを有する金型を用いて中央部につき当て
ウエルドを有する成形品を得た。この成形品より平行部
の長さ7mm、平行部の直径1.5mmのダンベル型試
験片を作成し、引張試験機(カスタムサイエンティフィ
ック社製CS−183TE型)を用いて、引張速度10
mm/分で破断強度を測定した。
【0036】<流動性>JIS K−7210に準拠し
て、280℃、2.16kg荷重のメルトフローレート
(g/10分)を測定して、成形流動性の指標とした。
【0037】<耐熱性>耐熱剛性の指標として、長さ5
1.5mm、幅5.3mm、厚さ2.6mmの試験片を
射出成形し、レオメトリックス社製固体粘弾性アナライ
ザーRSA2型を用いて、三点支持により周波数1ヘル
ツで5℃/分の昇温速度により行い、貯蔵弾性率
(E′)の温度依存性を測定し、120℃におけるE′
値を求めた。結果を表1に示す。
【0038】実施例2〜6、比較例1〜8 表1または表2に示す樹脂組成物を用い、実施例1と同
様に評価した。結果を表1および表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、溶融流動性に優
れ、耐熱性、体衝撃性、ウエルド強度、外観に優れる成
形品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落海 雅英 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂10
    〜90重量%と(B)スチレン系樹脂90〜10重量%
    の合計量100重量部に対し、(C)下記の製造法で得
    られたビニル芳香族単量体・α−オレフィン−ビニルカ
    ルボキシレート共重合体の複合樹脂を1〜40重量部の
    割合で配合してなる熱可塑性樹脂組成物。 (C)成分の製造法 炭素数が2〜10のα−オレフィン80〜99モル%
    と、ビニルカルボキシレート20〜99モル%とのα−
    オレフィン−ビニルカルボキシレート共重合体100重
    量部の存在下に、ビニル芳香族単量体10〜400重量
    部を重合して得られる複合樹脂。
JP313894A 1994-01-17 1994-01-17 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH07207083A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017039849A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 日油株式会社 Pc/abs樹脂組成物、及び樹脂成形品

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