JPH07206769A - アクリル酸又はメタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

アクリル酸又はメタクリル酸エステルの製造方法

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JPH07206769A
JPH07206769A JP1694094A JP1694094A JPH07206769A JP H07206769 A JPH07206769 A JP H07206769A JP 1694094 A JP1694094 A JP 1694094A JP 1694094 A JP1694094 A JP 1694094A JP H07206769 A JPH07206769 A JP H07206769A
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Japan
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water
organic solvent
acrylic acid
meth
amount
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JP1694094A
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English (en)
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Shigeru Iriyama
繁 圦山
Hiromi Shimizu
裕巳 清水
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YOTSUKAICHI GOSEI KK
Original Assignee
YOTSUKAICHI GOSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 (メタ)アクリル酸とアルコールとを共沸脱
水溶剤の存在下に酸性触媒で反応させ、未反応の(メ
タ)アクリル酸と酸性触媒をアルカリ水で中和して除去
した有機層より減圧蒸留で溶剤を除去してエステルを得
る方法において、溶剤除去を迅速に行ない、製品の着色
を防ぐ。 【構成】 減圧蒸留で溶剤の留出が遅くなったとき少量
の水を加えて蒸留を継続する。 【効果】 水の添加によって残りの溶剤の留出が促進さ
れ、従来の空気吹込み法に比して溶剤の留出が早く、且
つ製品の着色が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル酸又はメタクリ
ル酸{以下(メタ)アクリル酸と略記する}のエステル
の製造方法に関し、特に(メタ)アクリル酸と難水溶性
のアルコールとから、(メタ)アクリル酸エステル類を
製造する方法に関するものである。
【0002】本発明によって得られる(メタ)アクリル
酸エステルは、感光性の塗料やインキなどの反応性希釈
剤として、あるいは各種樹脂の改質剤、架橋剤として用
いられる。
【0003】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとを共沸脱
水溶剤として機能する有機溶剤に溶かし、分子状酸素、
重合防止剤及び酸性触媒の存在下に反応させ、その後未
反応の(メタ)アクリル酸と酸性触媒をアルカリ水で中
和して除き、有機溶剤を減圧留去することで、目的とす
る(メタ)アクリル酸エステルを得る方法が知られてい
る。
【0004】有機溶剤を減圧留去するには、製品の熱重
合を避ける為、60℃程度の比較的低い温度で実施せざる
をえず、非常に長い時間を必要とし、生産性が低くコス
ト上の不利があった。
【0005】この問題を解決するため従来、残存溶剤濃
度が10%以下になったころから系内に大量の空気を吹き
込み、溶剤の留出を促進するという方法がとられてき
た。しかしながらこの方法においては、製品が空気酸化
によって着色し、製品の利用上好ましくなく、また時間
短縮の効果も十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はエステ
ル化反応に使用した溶剤を、短時間で減圧留去して製品
の着色を防止する(メタ)アクリル酸エステルの製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは(メタ)ア
クリル酸エステルの製造方法を鋭意研究した結果、共沸
脱水溶剤として使用した有機溶剤を油層から減圧留去す
る際、その残存濃度が10%以下になると液の沸騰が止ま
り、表面蒸発のみとなって溶媒の留出速度が減少するこ
とを見出し、水を添加することによって共沸により溶媒
の留出を進行させ、上記問題を解決した。
【0008】すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸と
沸点が 180℃以上のアルコールとを脱水共沸溶剤の存在
下にエステル化反応させた後、アルカリ水溶液で中和し
て油層を分離し、脱水共沸溶剤として使用した有機溶剤
を、回収した油層より減圧蒸溜によって留去する際、有
機溶剤の留出速度が低下した時、少量の水を添加して減
圧蒸留を継続することを特徴とするアクリル酸又はメタ
クリル酸エステルの製造方法である。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明において(メタ)アクリル
酸の使用量はアルコール性水酸基 1モルに対して 1〜3
モルの範囲である。 1モル以下では、原料アルコールが
未反応で多く残り、一方 3モル以上では過剰の(メタ)
アクリル酸の除去が面倒になる。本発明において原料と
なるアルコールには各種の一価アルコール並びに多価ア
ルコールが使用できるが、本発明が生かされるのは難水
溶性のアルコールで、通常その沸点が 180℃以上であ
る。この種のアルコールとして、フェニルグリコール及
びこれらの同族体、ビスフェノールA のアルキレンオキ
シド付加物、ネオペンチルグリコール、1.6 ヘキサンジ
オール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール
及びこれらのアルキレンオキシド付加物が例示される。
【0010】エステル化反応に使用される脱水共沸溶剤
としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキ
サン等の有機溶剤があげられ、その使用量は、原料アル
コールと(メタ)アクリル酸の合計量に対し、10〜200
重量%の範囲である。
【0011】重合防止剤は、ヒドロキノン、ヒドロキノ
ンモノメチルエーテル(MEHQ)等が使用され、これら重
合防止剤の使用量はアクリル酸の重量に対し0.01〜1
%、好ましくは 0.1〜0.5 %の範囲にある。また、少量
の分子状酸素の存在は原料の(メタ)アクリル酸や生成
するエステルの重合防止に有効で、少量の空気が反応容
器の底部から気泡状で供給される。
【0012】エステル化反応に用いられる触媒は硫酸、
ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスホン酸、メタンスル
ホン酸等が挙げられる。これら触媒の使用量は原料アル
コールに対し 1〜10重量%、好ましくは 2〜6 重量%で
ある。
【0013】エステル化反応は、アクリロイル基が熱重
合を起こさない温度、一般的には80〜140 ℃の範囲で、
還流管より水を分離しながら行われる。80℃以下では反
応に長時間を要し、また 140℃以上では重合反応が起こ
り好ましくない。なお反応中は重合を防止するため、分
子状酸素、典型的には空気が連続的に反応系内に吹き込
まれる。また、その反応時間は触媒量、反応温度に影響
されるが、慨ね 3〜20時間で、水の留出がなくなるまで
行なわれる。
【0014】反応終了後、反応液をアルカリ水溶液で中
和し、水性層を分離して未反応の(メタ)アクリル酸及
び触媒を除去する。得られた油層から溶媒を留去するた
めに、減圧下におよそ60℃で加熱撹拌して溶剤を留出さ
せる。
【0015】溶剤の留出は、残存液中の有機溶剤濃度が
10%以下になるとその留出速度が低下する。本発明の方
法においては、留出速度が低下したとき系内に水を添加
して減圧加熱を継続することによって溶剤の留出を促進
する。水の添加量は残存溶剤量の50〜300 %、好ましく
は 100〜200 %で、水の添加量が50%以下であると有機
溶剤が十分留去されないうちに、水がなくなり、効果が
十分得られないおそれがある。また、 300%以上の添加
は、有機溶剤が留去された後も水が残り、これを除去す
るのに時間とエネルギーを要し経済的に不利となる。残
存有機溶剤量はそれまでの留出速度より推定される。
【0016】なお、減圧加熱撹拌する際、製品の熱重合
を避けるため連続して最少量(例えば20l反応器で 5〜
10ml/分)の空気を液中に吹き込む。
【0017】溶剤を減圧留去した後、残液を濾過するこ
とにより無色の(メタ)アクリル酸エステル得ることが
できる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 水抜き管付き還流冷却器、温度計、空気吹き込み管、気
密撹拌機を備えたグラスライニング製の100l容反応器
に、ビスフェノールA のエチレンオキシド付加物(水酸
基価 278、平均付加モル数 4)20.2kg、アクリル酸8.7k
g 、トルエン29kg、MEHQ 35g及びp-トルエンスホン酸80
0gを仕込み、空気を吹き込みながら油浴上で加熱撹拌し
た。液温 110℃で水が留出し始め、約 5時間後 128℃で
水の留出が終了した。留出した水の量から算出したエス
テル化反応率は99%であった。
【0020】このエステル化液にアルカリ水溶液を加え
て過剰のアクリル酸及びp-トルエンスホン酸を水性層に
抽出し、油層53kgを得た。蒸気留出管、温度計、空気吹
き込み管、気密撹拌機を備えた 20l容オートクレープ
に、上記で得た油層10kgを仕込み、60℃、 100〜30mmHg
で減圧蒸溜してトルエンを留去した。トルエンの留出が
遅くなったところで水を350g添加し、減圧蒸留を続け、
およそ 2時間で残存トルエン量が 0.5%以下となった。
なおこれらの減圧蒸溜中、製品の重合を防止するため最
小量の空気を連続的に導入した。
【0021】この残液を濾過し、無色の製品(APHA 20
、エステル価 210)4.5kg を得た。
【0022】実施例2 実施例1と同じ反応器に、フェノキシエタノール(水酸
基価 406)13.8kg、アクリル酸 8.7kg、トルエン25kg、
MEHQ 30g及びp-トルエンスホン酸550gを仕込み、空気を
吹き込みながら油浴上で加熱撹拌した。液温 105℃で水
が留出し始め、約 5時間後 125℃で水の留出が終了し
た。留出した水の量から算出したエステル化反応率は99
%であった。
【0023】このエステル化液にアルカリ水溶液を加え
て混合後静置して過剰のアクリル酸及びp-トルエンスホ
ン酸を水性層に抽出し、油層43kgを得た。実施例1で減
圧蒸留で用いたと同じオートクレープに、上記で得た油
層10kgを仕込み、最小量の空気を連続的に導入しなが
ら、60℃、 100〜30mmHgで減圧蒸溜しトルエンを留去し
た。トルエンの留出が遅くなったところで水を350g添加
し減圧蒸溜を続ける。およそ 2時間で残存トルエン量が
0.5%以下となった。
【0024】この残液を濾過し無色の製品(APHA20、エ
ステル価 283)4.1kg を得た。
【0025】実施例3 実施例1と同じ反応器に、フェノキシエタノール(水酸
基価 406)13.8kg、メタクリル酸11.2kg、トルエン25k
g、MEHQ 30g及びp-トルエンスホン酸550gを仕込み、空
気を吹き込みながら油浴上で加熱撹拌した。液温 105℃
で水が留出し始め、約 8時間後 125℃で水の留出が終了
した。留出した水の量から算出されるエステル化反応率
は97%であった。
【0026】このエステル化液にアルカリ水溶液を加え
て混合後静置して過剰のアクリル酸及びp-トルエンスホ
ン酸を水性層に抽出し、油層46kgを得た。
【0027】この油層10kgを用いて実施例1と同様にし
て残存トルエン量が 0.5%以下となるまで減圧蒸留し
た。
【0028】この残液を濾過し、無色の製品(APHA15、
エステル価 264)4.3kg を得た。
【0029】比較例1 実施例1においてトルエンの留出が遅くなったところ
で、水を添加する代わりに、空気導入量を500 ml/分に
高めて減圧蒸留を続けた。およそ 9時間で残存トルエン
量が 0.5%以下となった。
【0030】この残液を濾過し、黄色の製品(APHA 18
0、エステル価 210)4.5kg を得た。
【0031】比較例2 実施例2においてトルエンの留出が遅くなったところ
で、水を添加する代わりに、空気導入量を500 ml/分に
高めて減圧蒸留を続けた。およそ10時間で残存トルエン
量が 0.5%以下となった。
【0032】この残液を濾過し、黄色の製品(APHA 15
0、エステル価 282)4.3kg を得た。
【0033】比較例3実施例3においてトルエンの留出
が遅くなったところで、水を添加する代わりに、空気導
入量を500 ml/分に高めて減圧蒸留を続けた。およそ10
時間で残存トルエン量が 0.5%以下となった。
【0034】この残液を濾過し、黄色の製品(APHA 15
0、エステル価 265)4.3kg を得た。
【0035】
【発明の効果】本発明によればエステル化反応に使用し
た溶剤を短時間で効率よく留去でき、製品の着色が防止
されると共に、工程が短縮される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸又はメタクリル酸と沸点が 1
    80℃以上のアルコールとを脱水共沸溶剤の存在下にエス
    テル化反応させた後、アルカリ水溶液で中和して油層を
    分離し、脱水共沸溶剤として使用した有機溶剤を、回収
    した油層より減圧蒸溜によって留去する際、有機溶剤の
    留出速度が低下した時、少量の水を添加して減圧蒸留を
    継続することを特徴とするアクリル酸又はメタクリル酸
    エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 水の添加量が残存有機溶剤の50〜300 %
    である、請求項1に記載の方法。
JP1694094A 1994-01-18 1994-01-18 アクリル酸又はメタクリル酸エステルの製造方法 Pending JPH07206769A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006290741A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Toagosei Co Ltd (メタ)アクリル酸エステル中の揮発性物質の除去方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006290741A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Toagosei Co Ltd (メタ)アクリル酸エステル中の揮発性物質の除去方法

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