JPH07204989A - 工具の負荷異常検出システム - Google Patents

工具の負荷異常検出システム

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JPH07204989A
JPH07204989A JP1582994A JP1582994A JPH07204989A JP H07204989 A JPH07204989 A JP H07204989A JP 1582994 A JP1582994 A JP 1582994A JP 1582994 A JP1582994 A JP 1582994A JP H07204989 A JPH07204989 A JP H07204989A
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善明 間瀬
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幸宏 榊原
Munetaka Yogo
宗孝 余吾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工具ホルダに取付けたドリル等が加工中に折
損及び過負荷になった時、直ちに異常を検知できる工具
の負荷異常検出システムを得る。 【構成】 ホルダ体2に工具保持体11を円周方向と軸
方向に移動自在に支持し、ホルダ体2に工具保持体11
を軸方向前方へ付勢する第1ばねと第2ばねを夫々設
け、ホルダ体2と工具保持体11の外周には互いに臨み
合う変位検出子25と基準検出子31を夫々設け、変位
検出子25が、工具12の負荷状態に対応して負荷位置
から過負荷位置まで円周方向にずれるとともに、正常加
工時には適位置範囲にあるようにしてある工具ホルダ1
と、この検出子間に生じる円周方向のずれを検出して変
位検出子25が適位置範囲を外れたか否かを判別する検
出装置とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切削加工中の工具、
特にドリル等の折損及び過負荷を検知する検出装置を備
えた工具の負荷異常検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】過負荷トルクと過負荷スラストを検出す
るものとして特開平3−245950号がある。これは
工具保持体がホルダ軸に回動自在に支持されており、切
削加工中に過負荷が工具保持体の工具に加わると、内蔵
したねじりコイルばね又はスラスト設定ばねのばね力に
抗して工具保持体がホルダ軸に対して無負荷位置から過
負荷位置まで所定量相対回動し、互いに臨み合う検出子
間の円周方向の相対位置が変化して両検出子によって形
成される検出域の円周方向長さが変わり、この変化した
検出域を近接スイッチなどのセンサで検出し、パルス発
生器により生成される基準パルスの数をカウンターでカ
ウントし、このカウントしたパルス数と予め設定されて
いる許容値を比較回路で比較し、工具保持体とホルダ軸
の回転ずれを検出して、過負荷信号を出力していた。
又、他に工具の異常を検知するものとして特公昭63−
28742号がある。これは工具ホルダに設けられた空
気通路に圧力空気を供給し工具にかかるスラスト力によ
って軸方向に移動させられる弁体が圧力空気の通路を切
換えたことを圧力スイッチで検出して工具の異常を検知
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の従来の技術では
工具保持体とホルダ軸の回転のずれで工具の過負荷だけ
を検出していたので、加工時に過負荷やスピンドルのガ
タ、ワーク、治具、テーブル等の固定不良、工具の取付
不良との原因で工具が折損して無負荷状態になると、工
具保持体の検出子位置は正常負荷で加工中と変らない無
負荷位置となるために異常と判断できず、未加工の部品
を次工程へ送ってしまう恐れがあった。従ってこのよう
な過負荷検出ホルダを用いても、工具の折損を検知する
工具折損検出装置を全く別に設けなければならない上
に、折損検出のために別に時間がかかる問題があった。
又、前者の従来技術では、過負荷トルクの設定値変更の
ための検出リングが、検出リングとホルダ体の間に介装
される前記各ばねと別の付勢ばねによって工具保持体に
向けて圧接されて工具保持体と一体となっている構造で
あるので、過負荷トルクが発生して工具保持体がホルダ
体に対して相対回転するときに、付勢ばねがねいられ、
このねじり力が、工具保持体のホルダ体に対する回転抵
抗となって、小径ドリルの場合に、微小なトルク増大を
正確に検知できないという問題もあった。又、圧力空気
を利用して圧力スイッチで工具の異常を検出するもの
は、過負荷スラスト、適正スラスト、刃具異常摩耗(又
は折れ)が検知可能だが、空気の特性上、応答時間が遅
い上に、過負荷トルクは全く検出できない。
【0004】この発明の課題は、別途工具折損検出装置
を設けること無く、過負荷トルク、過負荷スラストの検
出とともに工具折損も検出できる工具の負荷異常検出シ
ステムを得ることにある。また、本発明の他の課題は、
前記課題に加えて、過負荷トルクをより正確に検知でき
る負荷異常検出システムを得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明はこの課題解決
のためにホルダ体に工具保持体を円周方向と軸方向とに
移動自在に支持し、ホルダ体と工具保持体間に、工具保
持体の軸方向後方移動を工具回転方向と逆方向に変換す
る変換機構を介在させ、ホルダ体と工具保持体を、ホル
ダ体に対して工具保持体を工具回転方向に付勢するトル
ク伝達ばねで連結すると共に、工具保持体を軸方向前方
へ付勢するスラスト設定ばねを設け、ホルダ体と工具保
持体の外周には、互いに臨みあう検出子を夫々設け、工
具保持体の、ホルダ体に対する相対回転により、一方の
検出子が他方の検出子に対して、工具の無負荷状態に対
応する無負荷位置から過負荷状態に対応する過負荷位置
まで円周方向にずれるようにしてある工具ホルダと、こ
の検出子間に生じる円周方向ずれを検出する検出装置と
を備え、前記スラスト設定ばねを、正常加工時には、一
方の検出子が他方の検出子に対して、前記無負荷位置と
過負荷位置との間の適正負荷範囲に対応する適位置範囲
内に位置する状態となるようなばねとし、検出装置は、
切削加工中にこの適正負荷範囲の下限又はそれより小さ
い第1しきい値及び上限としての過負荷を示す第2しき
い値に夫々対応する第1,第2設定値と検出子間の円周
方向ずれとを比較する比較手段を含むことを特徴とす
る。又、他の課題の解決のために請求項2の発明では更
に、スラスト設定ばねを、無負荷から第1しきい値まで
を負担する第1ばねと、第1しきい値より大きい負荷範
囲を負担する第2ばねとから構成し、工具回転軸線上
に、第2ばねにより前方へ付勢されると共に前方への移
動を所定位置に位置規制された付勢部材と、この付勢部
材との間に第1ばねを介在させて前方へ付勢された中間
付勢部材とを配置し、この中間付勢部材の先端を工具保
持体の摺接面に摺接させて工具保持体を前方へ付勢し、
中間付勢部材と付勢部材間には、無負荷時に所定の軸方
向隙間を生じるように構成し、かつ、前記工具保持体
に、検出子を形成した検出リングを一体固着してあるこ
とを特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1記載の工具の負荷異常検出システムで
は、工具が正常加工時は工具保持体を軸方向前方へ付勢
するスラスト設定ばねにより一方の検出子が他方の検出
子に対して無負荷位置と過負荷位置との中間の適位置に
保たれる。検出装置は検出子間の円周方向のずれが、第
1しきい値、第2しきい値に対応する第1、第2設定値
から適位置範囲にあることを比較手段により検知して正
常と判断する。工具に過負荷トルク、又はスラストが生
じ、或は工具が折損して無負荷になって、一方の検出子
がホルダ体に対して相対回動して適位置範囲を外れる
と、このことを検出手段の比較手段が第1、第2設定値
との比較から検出して負荷異常信号を出力し、折損と過
負荷スラスト過負荷トルクを検知する。
【0007】又、請求項2では、トルク発生時には、ト
ルク伝達ばねがねじれるのみなので、従来より正確なト
ルク検知ができる。
【0008】
【実施例】次に図面において、本願の工具の負荷異常シ
ステムの実施例について説明する。図1に示すように工
具ホルダ1のホルダ体2は、工作機MCの主軸SPに嵌
着されるテーパーシャンク3aが形成されたホルダ本体
3の後部にプルスタッド4を、ホルダ本体3の長手中間
にホルダ体側検出リング5を夫々螺合して構成されてい
る。ホルダ本体3の中心孔3dには、工具回転軸線上に
付勢部材6が軸方向へ移動自在に嵌着され、この付勢部
材6はプルスタッド4の取付穴4aとの間に設けた第2
ばね8により前方に付勢されるとともに、ホルダ本体3
の中心孔3d前面に圧接して前方への位置規制が行なわ
れている。第2ばね8は後述の第1ばね14とともにス
ラスト設定ばねを構成し、そのばね強さは、工具保持体
11に保持された工具12にかかるスラスト荷重の適正
負荷範囲の下限(第1しきい値と一致)以上の負荷範囲
を負担するように設定してある。この状態は図6のばね
特性図に示され、適正負荷範囲とは使用される工具12
に対応して設定され、異常のない工具による正常加工中
にその工具に生じるスラスト荷重範囲を示し、その下限
値は正常工具で加工可能な最低スラスト荷重、その上限
値は許容最大スラスト荷重である。又、ホルダ本体3の
中心より前方に突出する支持筒部3b内の摺動穴3cに
は、中間付勢部材13が軸方向移動自在に挿通されてい
る。中間付勢部材13は図2に示すように、付勢部材6
の内部穴6a内に設けた第1ばね14により前方に付勢
され、その先端が後述の工具保持体11の一部を構成す
るコレットチャック部15の工具回転軸線上の摺接面1
5aに当接して工具保持体11を前方へ付勢している。
【0009】中間付勢部材13の後端面13aと付勢部
材6の内面6bとの間には、工具12が無負荷のときに
所定間隔L1 (本実施例では0.5mmに設定)の隙間が
生じるようにしてある。第1ばね14は、無負荷状態で
工具保持体11を前方に付勢して前記間隔L1 を生じさ
せる弱いばね力でよく、中間付勢部材13の軸方向移動
により第1ばね14が押圧されて後方に前記所定間隔L
1 たわんだとき、そのばね力が適正負荷範囲の下限値と
なるようにしてあり、無負荷から下限値までのスラスト
荷重を負担している。
【0010】次に、工具保持体11は工具12を保持す
るコレットチャック部15後端に、支持スリーブ16の
フランジ部16aをねじ止めして構成されている。この
支持スリーブ16内周面と、前記支持筒部3b外周面の
間にはころがり軸受15が介在され、ホルダ体2に対し
て工具保持体11は回動自在かつ軸方向移動自在に支持
され、抜止リング17aで抜止されている。尚、このこ
ろがり軸受17は多数のボール18を剛性の高い保持器
18aで転動自在に保持し螺旋状に配列した周知のもの
である。また、支持スリーブ16のフランジ部16aと
前記ホルダ体側検出リング5は、ホルダ体2の回転を工
具保持体11へ伝えるトルク伝達ばね19により連結さ
れ、ホルダ体2に対して工具保持体11を工具ホルダ1
の回転方向と同方向(図3矢印Z)へ付勢している。こ
のトルク伝達ばね19は、一部が前記ころがり軸受17
の外側を囲むように即ち前記ころがり軸受17の外側で
一部が軸線方向位置を重ねて配設されており、従って工
具ホルダ1は比較的全長が短く、小型軽量となる。前記
支持スリーブ16のフランジ部16aには後方に伸びる
保持筒側検出リング22がボルト23により一体固着し
てあり、所定量Mだけ軸方向に移動可能となっている。
前記トルク伝達ばね19のねじり強さは、前記締付用の
ボルト23を取外して検出リング22を工具保持体11
から外し、その状態でホルダ体2に対して工具保持体1
1を円周方向へ回動した後、前記締付用ボルト23を締
付けて、検出リング22を取付けることにより調整さ
れ、使用される工具12と対応する過負荷トルク荷重が
設定される。
【0011】図3〜5に示すように前記保持体側の検出
リング22後端部には複数個の変位検出子25が円周方
向等ピッチ(120度間隔)で3つ設けられている。1
つの変位検出子25は隣合うホルダ体側検出リング5の
基準検出子31間に臨んでいる。この変位検出子25の
円周方向両縁が後述の近接スイッチ42による検出開始
又は検出終了を示す検出表示部27,28となってい
る。また、前記ホルダ体側検出リング5の前端部には、
複数の基準検出子31が円周方向に等ピッチ(120度
間隔)で3つ形成されている。この基準検出子31の円
周方向両縁が後述の近接スイッチ42による検出開始又
は検出終了を示す一対の検出表示部33,34となって
いる。そして円周方向120度の間に一対の検出表示部
27,28と一対の検出表示部33,34との間で一対
の回転ずれの検出域35,36が形成され、そして円周
方向全周ではこのような検出域35,36が三対設けて
あり、これらの検出域35,36を検出した時近接スイ
ッチ42はOFFとなる。尚、検出域は検出表示部33
とこれに続く検出表示部27の間を第1の検出域とし、
この検出表示部27と次の検出表示部33の間を第2の
検出域としてもよく、この場合、各検出域は、近接スイ
ッチ42の検出信号がONから次のONまでの間とな
る。各基準検出子31の低段部37一側面には、トルク
伝達ばね19のばね力で変位検出子25の一側に形成し
た斜面38と係合する斜面41が設けてあり、両斜面3
8,41の係合により過負荷スラスト荷重で変位検出子
25が軸線方向後方へ移動するとき、これを変位検出子
25の工具ホルダ回転方向と逆方向の回動に変換するよ
うになっている。そして、無負荷時に両斜面38,41
が係合した状態では、検出域35,36と各検出子2
5,31の円周方向長さは同一(30°)になってい
て、変位検出子25は図3に示す無負荷位置Aに保持さ
れ、また、過負荷トルク、又は過負荷スラスト(適正負
荷範囲の上限値に対応した工具保持体11の軸方向移動
量L2 を越える値)が生じたときには、変位検出子25
は、その検出表示部28が図5に示す過負荷位置Cまで
無負荷位置Aから直接、あるいは斜面38,41の係合
で円周方向に回転量β以上ずれ、更に、トルク、スラス
トが適正負荷範囲であるときには、前記間隔L1 だけ工
具保持体11が軸方向後退したときに、前記斜面38,
41により生じる相対回動位置(回動量α)から過負荷
位置C(回動量β)までの適位置範囲B(図4に示す)
内に位置するようになっている。尚、図1に示すように
近接スイッチ42はスピンドルヘッド43の前面にブラ
ケット44を介して取付けられている。
【0012】次に、検出装置50は、図7に示す制御プ
ログラムなどを記憶した記憶部52、制御プログラムに
基づいて、演算、制御を行う演算部53などから構成さ
れている。制御プログラムでは、特開平3−24595
0号に開示されているように、近接スイッチ42が、前
述の一対の検出域35,36の内、回転方向前方の検出
域35を検出しているときに、図示しない基準パルス発
生器で発生される細かな基準パルスを積算し、これに続
いて回転方向後方の検出域36を検出しているときに、
カウントした基準パルス数の積算値から基準パルスを減
算していくことで、検出域35,36での相対回動量の
倍の検出ずれ量Xを求めるようにしてある(ステップS
1)。また、前記記憶部52には、適正負荷範囲の上限
値(第2しきい値)と下限値(第1しきい値)とに対応
して生じる前記ずれ量として、パルス数により第1設定
値a(軸方向移動量L1 (ここでは0.5ミリ)に対応
する回動量αの倍の検出ずれ量)と第2設定値b(軸方
向移動量L2 (ここでは1.75ミリ)に対応する回動
量βの倍の検出ずれ量)が、入力部51から入力、記憶
してあり、比較手段としての、制御プログラムのステッ
プS3で、近接スイッチ42からの信号に基づく変位検
出子25の基準検出子32に対する検出ずれ量Xと、こ
の第1、第2設定値a,bを比較し、ステップ4〜6で
折損、正常、過負荷の各判別信号を出力し、工具12の
状態をステップS9で表示部54に表示すると共に、工
具12の負荷異常(折損、過負荷)に対しては、工作機
の機台制御装置55に、対応する指令を出力し、加工を
中止して機台を停止させ(ステップ7,8)、あるい
は、主軸ヘッドをステップバック制御し(ステップS1
0〜12)、工具交換装置56を必要に応じて制御する
(ステップS13)ようになっている。
【0013】前記の構成による工具の負荷異常検出シス
テムの作用を図7に示すフローチャートにより説明す
る。工具ホルダ1が回転するとホルダ体2の回転はトル
ク伝達ばね19を介して工具保持体11を回転させる。
近接スイッチ42からの検出子検出信号が検出装置50
に入力されて前述の如く検出ずれ量Xが求められる(ス
テップS1)。機台制御装置55からの主軸SPの位置
情報により、工具12の先端がワークに接触しているタ
イミングであるかどうかを判別することにより加工中で
あるかを判別する(ステップS2)。工具折損の無いと
き、主軸ヘッドが下降して工具12の先端がワークに接
触すると、抜止リング17aから支持スリーブ16の前
端が離れて、工具保持体16はトルク伝達ばね19のね
じり力のみを受ける。そして軸方向に移動量L1 送られ
ると、中間付勢部材13の後端面13aが付勢部材6の
内面6bに当接して、工具12に加わるスラスト力が切
削可能な最低スラスト荷重(適正負荷範囲の下限値)と
なり、加工が開始される。このとき、トルクが正常であ
れば斜面38,41の係合により、変位検出子25は無
負荷位置Aから回動量αだけ回転し、検出ずれ量Xは2
αとなる。そして、ステップS3で検出ずれ量Xと第
1,第2設定値a,bを比較する。変位検出子25の円
周方向の検出ずれ量Xが第1設定値aよりも大きく、第
2設定値bよりもちいさければ、適位置範囲と判断さ
れ、ステップS5で適正負荷の判別信号を出力し、表示
部に正常と表示し(ステップS9)切削加工を続行す
る。また、工具12の切味が低下してスラスト力が適正
負荷範囲の上限値を越えると検出ずれ量Xは2β以上に
なり、この検出ずれ量Xが第2設定値bよりも大となる
ので過負荷信号を出力し(ステップS6)、それを表示
し(ステップS9)、ステップバックし(ステップS1
0)、その回数が計数され(ステップS11)、所定回
数以上になれば機台の制御装置55に工具交換指令が出
力され工具交換装置56により工具の交換が行なわれて
後(ステップS12)、再加工が行なわれる。この場合
ステップバック回数が所定回数以下であれば、工具交換
せずに再加工が行なわれる。又、加工中に工具12が折
損すると、工具保持体11は、加工中に生じていたスラ
スト荷重でたわんでいた第1ばね14のばね力で無負荷
の状態となり、変位検出子25は無負荷位置Aに戻るの
で、検出ずれ量Xが第1設定値aよりも小さくなり、工
具折損と判断され(ステップS4)、加工を中止し(ス
テップS7)機台を停止し(ステップS8)、これを表
示する(ステップS9)。
【0014】次に加工中に過負荷トルクが生じたときに
は、加工に先立って、工具12の先端がワークに接触し
て第1ばね14に抗して後退し、抜止リング17aから
支持スリーブ16の前端が離れているために、この部分
にスラスト設定ばねのばね力による回転抵抗が無く、ト
ルク伝達ばね19のみをねじることで、変位検出子25
がずれるので、過負荷トルクの検出が正確となる。
【0015】本実施例ではスラスト設定ばねを2つのば
ねに分割したが、これを1つの連続したスラスト設定ば
ねとしても実施可能である。しかし、このようにした時
には、過負荷を越えるスラスト荷重領域までを負担する
ような強いばねによって、無負荷から過負荷の全域を負
荷されるため、例えば、切味の極めて良いドリルによっ
て、スラスト力が、予定していたスラスト力以下の状態
で、加工を行なうといった場合には、信号としては無負
荷で加工をしていると同じとなり、このような時には折
損していないのに折損が検知され、不都合が生じること
もあるので、本実施例のように、第1ばねを極めて弱い
ばねとして、第1しきい値をできるだけ小さい値に設定
できるようにし、切味の極めて良いドリルであって、ス
ラスト力が予定よりも小さいようなときでも、一定の軸
方向移動量がえられるようにしてあることが好ましい。
【0016】尚、本実施例では、適正負荷範囲の下限と
第1しきい値とを一致させたが、適正負荷範囲の下限よ
り小さい第1しきい値に設定してあってもよく、この場
合は、第1ばね14がたわんで第1しきい値となっても
ただちに切削可能とならず、その後、スラスト力が適正
負荷範囲の下限を越えた時点で切削が開始されることに
なる。
【0017】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、過負荷トルクを検出し得る工具ホルダのスラスト設
定ばねを、正常加工時には、一方の検出子が無負荷位置
と過負荷位置との中間の適位置範囲に位置する状態とな
るようなばねとし、検出装置は切削加工中にこの適正負
荷範囲の下限又はそれより小さい第1しきい値及び上限
としての過負荷を示す第2しきい値に対応して夫々予め
設定された第1設定値、第2設定値と検出子間の円周方
向ずれとを比較する比較手段も含むので、過負荷トル
ク、スラストの検出に加えて、加工中に工具の折損検知
を行なうことができ、工具折損検出装置を別に設ける必
要が無く、折損検出に要する時間が省け、加工効率を向
上できる。
【0018】又、請求項2の発明によれば、トルク発生
時にはトルク伝達ばね以外にねじれるばねは全くなく、
トルク検出が正確となる上に、スラスト設定ばねを2つ
に分割して一方を無負荷から第1しきい値までを負担す
る第1ばねとし、他方を第1しきい値以上の負荷範囲を
負担する第2ばねとしたので、連続した1つのスラスト
設定ばねを用いる場合に比べ、第1しきい値を小さな値
とするスラスト設定ばねを容易に選定でき、切味が良い
工具の折損も確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工具の負荷異常検知システムの説明図
である。
【図2】図1のII部詳細説明図である。
【図3】変位、基準検出子の円周方向展開図である。
【図4】変位、基準検出子の作用説明図である。
【図5】変位、基準検出子の作用説明図である。
【図6】スラスト設定ばね荷重の作用説明図である。
【図7】負荷異常検出システムのフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 工具ホルダ、 2 ホルダ体、 3 ホルダ本体、
5 検出リング、6 付勢部材、 8 第2ばね(ス
ラスト設定ばね)、 11 工具保持体、12 工具、
13 中間付勢部材、14 第1ばね(スラスト設定
ばね)、 19 ねじりコイルばね、25 変位検出子
(検出子)、 31 基準検出子(検出子)、50 検
出装置、 a 第1しきい値、 b 第2しきい値

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルダ体に工具保持体を円周方向と軸方
    向とに移動自在に支持し、ホルダ体と工具保持体間に、
    工具保持体の軸方向後方移動を工具回転方向と逆方向に
    変換する変換機構を介在させ、ホルダ体と工具保持体
    を、ホルダ体に対して工具保持体を工具回転方向に付勢
    するトルク伝達ばねで連結すると共に、工具保持体を軸
    方向前方へ付勢するスラスト設定ばねを設け、ホルダ体
    と工具保持体の外周には、互いに臨みあう検出子を夫々
    設け、工具保持体の、ホルダ体に対する相対回転によ
    り、一方の検出子が他方の検出子に対して、工具の無負
    荷状態に対応する無負荷位置から過負荷状態に対応する
    過負荷位置まで円周方向にずれるようにしてある工具ホ
    ルダと、この検出子間に生じる円周方向ずれを検出する
    検出装置とを備え、前記スラスト設定ばねを、正常加工
    時には、一方の検出子が他方の検出子に対して、前記無
    負荷位置と過負荷位置との間の適正負荷範囲に対応する
    適位置範囲内に位置する状態となるようなばねとし、検
    出装置は、切削加工中にこの適正負荷範囲の下限又はそ
    れより小さい第1しきい値及び上限としての過負荷を示
    す第2しきい値に夫々対応する第1,第2設定値と検出
    子間の円周方向ずれとを比較する比較手段を含むことを
    特徴とする工具の負荷異常検出システム。
  2. 【請求項2】 工具ホルダにおいて、スラスト設定ばね
    を、無負荷から第1しきい値までを負担する第1ばね
    と、第1しきい値より大きい負荷範囲を負担する第2ば
    ねとから構成し、工具回転軸線上に、第2ばねにより前
    方へ付勢されると共に前方への移動を所定位置に位置規
    制された付勢部材と、この付勢部材との間に第1ばねを
    介在させて前方へ付勢された中間付勢部材とを配置し、
    この中間付勢部材の先端を工具保持体の摺接面に摺接さ
    せて工具保持体を前方へ付勢し、中間付勢部材と付勢部
    材間には、無負荷時に所定の軸方向隙間を生じるように
    構成し、かつ、前記工具保持体に、検出子を形成した検
    出リングを一体固着してあることを特徴とする請求項1
    記載の工具の負荷異常検出システム。
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