JPH07204940A - ワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出方法

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JPH07204940A JP1578994A JP1578994A JPH07204940A JP H07204940 A JPH07204940 A JP H07204940A JP 1578994 A JP1578994 A JP 1578994A JP 1578994 A JP1578994 A JP 1578994A JP H07204940 A JPH07204940 A JP H07204940A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤカット放電加工機のプログラムの修正
を行うことなく、加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切
断動作のみを行って加工開始穴に関する異常を検出する
方法を提供する。 【構成】 ワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出
方法において、ワイヤカット放電加工機によりワークの
加工を行うためのプログラムの内で、加工プログラム以
外のプログラムブロックであって自動結線機能に関係す
るプログラムのみを選択して実行して、実際の加工を行
う前にあらかじめ加工開始穴の異常を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤカット放電加工
機の自動結線機能に関し、特に、ワイヤカット放電加工
機の自動結線の異常を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤカット放電加工機は、ワイヤ電極
(以下、ワイヤという)を走行させながら、該ワイヤに
張力を与え、該ワイヤとワークとの間に放電を発生させ
て、ワークに所望の加工を施すものである。そして、該
ワイヤは、ワイヤ供給リールからワークを経てワイヤ回
収箱にいたるワイヤ経路にブレーキローラとフィードロ
ーラ等からなるワイヤの送り機構を通して設けられ、両
ローラ間においてフィードローラの牽引力に対するブレ
ーキローラの制動力により張力が付与されている。
【0003】このようなワイヤカット放電加工機におい
ては、ワイヤカット放電加工機の加工を無人化するため
の一機能として自動結線機能を有している。この自動結
線機能は、あらかじめセットされた複数個の加工経路に
ついて自動的に順次加工を行うための機能であり、一加
工経路の加工が完了して加工物が抜け落ちる前にその経
路の加工を中断してワイヤを切断・除去し、次の加工経
路の開始穴でワイヤを張架してその経路の加工を開始す
るものであり、このワイヤを除去し張架する自動結線機
能を繰り返すことにより、多数の加工経路を連続して自
動加工することができる。従来、このような自動結線機
能において、放電加工プログラム自体のプログラムミス
や加工開始穴の穴位置や穴径の加工ミス、またはワーク
の取付けミスや穴内に異物が混入する等の異常があった
場合、結線動作が完了せず加工を開始することができな
いため、結線動作を規定回数繰り返しても結線されない
場合には、次の加工開始穴に移動して自動結線、加工を
行う処理を施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動結線機能におい
て、放電加工プログラム自体のプログラムミスや加工開
始穴の穴位置や穴径の加工ミス、またはワークの取付け
ミスや穴内に異物が混入する等の異常があった場合、結
線動作が完了せず加工を開始することができないため、
結線動作を規定回数繰り返しても結線されない場合に
は、次の加工開始穴に移動して自動結線、加工を行う処
理を施している。そのため、あらかじめ設定しておいた
加工が完了しないことになり、ワイヤカット放電加工機
による加工品の歩留りが悪化する。そこで、あらかじ
め、放電加工プログラム自体のプログラムミスや加工開
始穴の穴位置や穴径の加工ミス、またはワークの取付け
ミスや穴内に異物が混入する等の加工開始穴に関する異
常検出を行うために、実際の加工は行わずに、加工開始
穴への移動、ワイヤ結線、切断の動作のみを行う必要が
ある。この加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断の動
作のみを行う場合には、通常の加工プログラムを修正し
て加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断動作のみを行
うプログラムを再度作成しなければならないという問題
点を有している。図13は、加工プログラムから自動結
線異常検出用のプログラムを作成する手順を説明する図
である。一般に、ワイヤカット放電加工機のプログラム
は、加工プログラムのブロックと自動結線機能等の加工
プログラム以外のブロックを有しており、加工開始穴へ
の移動、ワイヤ結線、切断動作のみを行うプログラムを
作成するには、このワイヤカット放電加工機のプログラ
ムを修正して新たに自動結線異常検出用のプログラムを
作成しなければならない。この自動結線異常検出用のプ
ログラムを作成する手順としては、例えば、図13にお
いて、ワイヤカット放電加工機のプログラムが、加工プ
ログラムブロックと加工プログラム以外のブロックA,
B,C,・・・により構成され、その加工プログラム以
外のブロックA,B,C,・・・の内でブロックA,
C,・・・が自動結線機能に関係するプログラムとする
と、このプログラムの中から加工プログラムブロックと
自動結線機能に関係しないブロックBを除外して、ブロ
ックA,C,・・・からなるプログラムを新たに作成す
るものである。そこで、本発明は前記した従来のワイヤ
カット放電加工機の自動結線異常検出方法における問題
点を解決し、ワイヤカット放電加工機のプログラムの修
正を行うことなく、加工開始穴への移動、ワイヤ結線、
切断動作のみを行って加工開始穴に関する異常を検出す
る方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワイヤカット
放電加工機の自動結線異常検出方法において、ワイヤカ
ット放電加工機によりワークの加工を行うためのプログ
ラムの内で、加工プログラム以外のプログラムブロック
であって自動結線機能に関係するプログラムのみを選択
して実行して、実際の加工を行う前にあらかじめ加工開
始穴の異常を検出することにより、前記目的を達成す
る。本発明における加工開始穴の異常は、ワイヤの自動
結線が困難となるような事態を生じさせるものであり、
例えば、放電加工プログラム自体のプログラムミスや加
工開始穴の穴位置や穴径の加工ミス、またはワークの取
付けミスや穴内に異物が混入する等がある。本発明のワ
イヤカット放電加工機の自動結線異常検出に用いるプロ
グラムは、ワイヤカット放電加工機による実際の加工に
用いるものと同一のプログラムであり、そのプログラム
において自動結線は、加工開始穴への移動、ワイヤ結
線、および切断動作の一連の動作が行われ、この動作を
各加工開始穴において行うことによりワーク上の全ての
加工開始穴についての自動結線が可能となるものであ
る。また、加工開始穴の異常検出の結果は、加工開始穴
の位置データとともに表示することができる。
【0006】
【作用】本発明によれば、自動結線異常の検出において
は、ワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出に用い
るそのプログラムの中から加工プログラムをスキップ
し、さらに加工プログラム以外のプログラムブロックの
中から自動結線機能に関係しないプログラムをスキップ
することにより、自動結線機能に関係するプログラムの
みを選択して実行するものである。そして、プログラム
の終了により全てあるいは一部の加工開始穴の異常検出
の結果を、加工開始穴の位置データとともに表示するこ
とができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例の構成)始めに、図3を用いて本発明の一実施
例を実施するためのワイヤカット放電加工機のブロック
図について説明する。図3において、ワイヤ放電加工機
本体は対向配置された上下の機枠部(図示されていな
い)間にワイヤ2が張られている。ワイヤ2は図示しな
いワイヤ巻き上げユニットのワイヤ送り出しボビンか
ら、図3に示すようなブレーキ及びブレーキシュー1
1、上電極ピン12、上ガイド組立13、ワーク8、下
ガイド組立14、下電極ピン15、下ガイドローラ部
3、フィードローラ9を介して図示しないワイヤ引込み
ユニットに至る経路を有しており、ワイヤ巻き上げユニ
ットから供給され、ワイヤ送りのためのローラ機構によ
って送り出され、ワイヤ送り機構1を通ってワイヤ引込
みユニットに巻き取られる。このローラ機構は、ブレー
キ部のブレーキローラ及びブレーキピンチローラからな
り、該ブレーキローラは定電流回路4により駆動される
ブレーキによって制動が掛けられ、ブレーキローラのブ
レーキシュー11とワイヤ2との接触によりワイヤ2の
送り制御が行われる。ブレーキは、例えば、パウダーブ
レーキを用いることができ、ブレーキローラにパウダー
クラッチを接続してブレーキローラの自由回転を制動す
る。パウダークラッチは、通常電磁式のものが使用さ
れ、供給される電流の大きさに応じて原動側と従動側と
の結合度を調整するものであり、原動機側を加工機本体
側に固定することによりブレーキ作用を奏することがで
きる。また、ブレーキローラにはエンコーダ7が取り付
けられ、ブレーキローラ、及びブレーキシュー11の回
転量を検出する。
【0008】また、ワイヤ引込みユニットには、定電圧
回路6から電圧の供給を受けたフィードモータ5によっ
て駆動されるフィードローラ9があり、設定された速度
でのワイヤ2の走行により巻き取りを行う。以上のよう
なワイヤ送り機構の構成により、ワイヤ巻き上げユニッ
トとワイヤ引込みユニットによりワイヤ緊張手段が構成
され、ワイヤ2とワーク8との間に電圧を印加して該ワ
イヤ2とワーク8との間に放電を生じさせて、ワーク8
に対し所望の形状を加工する。また、下ガイド組立14
は、下パイプジェットによってワイヤ送り出されたワイ
ヤを受け取り、フィードローラ9側に送る機能を有して
いる。また、上ガイド組立上部にはワイヤの切断を行う
AWF組立17が取りつけられており、付属の切断装置
によって切断してワイヤを処理することができる。これ
ら上ガイド組立13、下ガイド組立14、AWF組立1
7、およびワイヤ送り機構によって自動結線機構が構成
されている。この自動結線機構の各部には、異常検出手
段(図示していていない)が設けられ、例えば、加工開
始穴の穴詰まり等の異常を検出する。この異常検出手段
は異常検出回路70に接続されている。
【0009】前記定電流回路4、定電圧回路6、エンコ
ーダ7、及び異常検出回路70は、入出力回路20(以
下、DI/DOという)を通して、バス21に接続され
ており、このDI/DO20を通してCPUから定電流
回路4、及び定電圧回路6への制御信号の送信、エンコ
ーダ7からCPUへの計測信号の送信、および異常検出
回路70からCPUへの異常検出信号の送信を行ってい
る。また、バス21には、DI/DO20の他に、プロ
グラマブルコントローラ(以下、PMCという)のCP
U30、数値制御装置(以下、CNCという)のCPU
40、及びCRT表示装置50が接続されている。そし
て、PMCのCPU30、及びCNCのCPU40には
それぞれROM31,41とRAM32,42が接続さ
れ、また、CRT表示装置50はCRTの入出力装置
(以下、CRT/MDIという)51が接続されてい
る。CRT表示装置50は、種々の形態でワイヤ送り機
構のモニタ情報、あるいはその他の情報を表示する表示
装置であり、ROM31に格納されている表示プログラ
ムに応じて、自動結線異常状態等をCRT画面に表示す
る。ROM31はプログラムメモリとして使用され、自
動結線異常を表示するためのプログラムや、ワイヤ放電
加工機の各部及びワイヤ放電加工機制御装置自身を制御
するための種々のプログラムが格納されている。また、
RAM32はデータメモリとして使用され、加工プログ
ラムに付随した位置データ、その他の加工条件を定める
各種設定データに加えて、自動結線の結果が格納される
とともに、CPU30が行う各種計算のためのデータ一
時記憶用のメモリとして利用される。また、エンコーダ
7の出力パルスを計数するレジスタ領域を有している。
また、ROM41はワークテーブルの位置制御を行うた
めのCNC装置のプログラムメモリとして使用され、R
AM42はデータメモリとして使用され加工プログラム
に付随した位置データ等の格納、あるいはCPU40が
行う各種計算のためのデータ一時記憶用のメモリとして
利用される。なお、図3において表示装置としてCRT
表示装置50を示しているが、表示手段としてCRTに
限定されるものではなく、液晶表示装置等その他の表示
装置を用いることができる。
【0010】前記構成のワイヤカット放電加工機におい
て、放電加工は図4のプログラム概略図に示すようなプ
ログラムによって行われる。図4に示すプログラムは、
ワイヤカット放電加工機による加工を行うための加工プ
ログラムブロックa,b,・・・や、加工プログラム以
外のプログラムブロックA,B,・・・等の複数個のプ
ログラムブロックにより構成されている。本発明のワイ
ヤカット放電加工機の自動結線異常検出方法において
は、プログラムの中から、加工を行うための加工プログ
ラムと自動結線機能に関係しないブロックをスキップし
て、自動結線機能に関係するプログラムブロック(図中
のハッチングを施したブロック)のみを実行することに
より、ワイヤカット放電加工機のプログラムの修正を行
うことなく、加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断動
作のみを行って加工開始穴に関する異常を検出するもの
である。ここで、図5のプログラム構成図を用いて、加
工プログラム以外のプログラムブロックの構成について
説明する。図5の(b)に示すように、プログラム(図
5の(a))中の加工プログラム以外のプログラムブロ
ックには、加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断動作
を行わせるための加工穴移動指令、ワイヤ結線指令、ワ
イヤ切断指令の各指令、およびプログラムを終了させる
ためのプログラム終了指令が含まれている。
【0011】加工穴移動指令は、ワイヤに対してワーク
を移動させることによりあらかじめ設定されている加工
穴の位置とワイヤとの位置合わせを行わせる指令であ
り、ワイヤ結線指令は、上ガイド組立13、下ガイド組
立14、およびウォータージェット組立17等の自動結
線機構を駆動してワイヤ結線を行わせる指令であり、ま
た、ワイヤ切断指令は、同様に自動結線機構を駆動して
ワイヤ切断、除去を行わせる指令である。そして、これ
らの加工穴移動指令、ワイヤ結線指令、およびワイヤ切
断指令の一連の指令を順に実施し、その指令の実施中に
おいて自動結線機構の各部に設けられた異常検出手段か
らの異常検出信号を異常検出回路70を介して監視する
ことにより、実際の加工を行うことなく加工開始穴に関
する異常を検出することができる。そして、この加工開
始穴に関する異常の検出をプログラムの加工順に従って
全ての加工穴について行うことにより、ワークに施す予
定の全ての加工穴について穴詰まりやプログラムミス等
の異常を検出することができる。なお、加工穴移動指
令、ワイヤ結線指令、およびワイヤ切断指令の一連の指
令はプログラム中において、例えばGXX,・・・,M
XX・・・等の各指令に特有のコードにより表すことが
できる。なお、GやMの符号の後に続くXXは、GやM
で表れるコードの下位にある指令を表すものであり、番
号等で指定することができる。図6は、加工穴移動指令
のコードの一例であり、G00のコードによりワーク上
の予定される加工穴の位置をワイヤの位置に移動する指
令例であり、そのコード後に続くX90.Y20.等の
数値によりその移動先の座標を示し、「;」の符号によ
り、一つの指令を終わりを示している。また、図7は、
本発明のワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出方
法において、検出した自動結線異常の結果を記憶してお
くメモリの概略構成を示す図であり、図3に示すワイヤ
カット放電加工機の構成図中のRAM32等のメモリ中
に記憶される。図7に示すメモリにおいて、加工ワーク
中の加工開始穴位置と自動結線の成否のデータをA
(a,b)により記憶される。加工ワーク中の加工開始
穴位置を、例えば図8に示すようなワーク中の加工開始
穴とすると、各加工開始穴番号iに対して加工開始穴位
置XをA(1,i)、加工開始穴位置YをA(2,i)
によって表し、その加工開始穴における自動結線の成否
をA(3,i)によって表している。なお、図8におけ
る加工開始穴位置Xおよび加工開始穴位置Yの座標値
は、ワーク上の基準点Pからの値として表されている。
【0012】(実施例の作用)次に、前記構成のワイヤ
カット放電加工機による本発明の作用について、図1の
本発明の一実施例の作用を説明するフローチャート、お
よび図2の本発明のサブフローチャートを用いて説明す
る。前記構成において、加工が開始すると、PMCのC
PU30は設定された放電加工条件で放電加工電源を駆
動させるとともに、設定されたワイヤ走行速度指令をフ
ィードモータ駆動装置に出力し、設定ワイヤ張力の指令
をブレーキ装置のパウダークラッチの駆動装置に出力
し、ワイヤ2を設定速度でかつ設定張力で走行させると
ともに、CNCのCPU40はRAM42に格納された
加工プログラムに従って軸制御回路を介してX,Y,
Z,U,V軸のサーボモータを駆動しワイヤ2に対して
ワーク8を相対移動させながら放電加工を行う。この放
電加工中において、CPU30はワイヤ送り機構の消耗
部品の消耗度合いをモニタし、モニタ結果をCRT表示
装置50に表示する。以下、ワイヤカット放電加工機の
自動結線異常検出を所定周期毎に行う処理について、図
1,図2のフローチャートを用いて説明する。なお、図
のフローチャートにおいては、ステップS、ステップ
T、ステップU、およびステップVの符号を用いて説明
する。
【0013】ステップS1:はじめに、自動結線異常検
出を行うためにiおよびjに「1」を設定する。ここ
で、iは図7で示した自動結線結果メモリおよび図8の
ワーク中の加工開始穴の番号を示し、jはプログラムの
ブロックを順に読み込むためのものである。 ステップS2:図5に示すプログラムにおいて、該プロ
グラムを構成するブロックを始めから順に読み込む。こ
の読み込みのために、前記ステップS1あるいはステッ
プS5で設定したjの値に対応するプログラムのj行目
のブロックを読み込む。ステップS1により設定したj
の値の場合は、その値が「1」であるためプログラムの
1行目が読み込まれ、ステップS5によりjの値が
「1」増加された場合には、プログラムの次の行が読み
込まれる。ここで、j行目のブロックは、図6に示すよ
うな各指令特有のコードで始まり「;」で終了するもの
であり、必ずしもプログラムの行数と対応するものでは
なく、ブロックに対応するものである。 ステップS3:次に、読み込んだブロックが加工プログ
ラムブロックか加工プログラム以外のプログラムブロッ
クかの判定を行う。自動結線異常検出を行うためには、
加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断動作等の自動結
線機能に関係するプログラムブロックのみを実行する必
要がある。そこで、この工程において、、読み込んだブ
ロックが加工プログラムブロックか加工プログラム以外
のプログラムブロックかの判定を行い、読み込んだブロ
ックが加工プログラムブロックの場合にはステップS4
に進み、加工プログラム以外のプログラムブロックの場
合にはステップS6以下の工程に進む。この判定は、プ
ログラム中のブロックの先頭にあるコードの種類を判別
することにより行うことができる。前記図6に示したよ
うに、各ブロックの先頭にはコードがあり、このコード
は指令の種類を示すものであるため、このコードの種類
を判別することにより読み込んだブロックが加工プログ
ラムブロックか加工プログラム以外のプログラムブロッ
クかの判定を行うことができる。以下、ステップS6,
8,15,および16の判定の工程においては、このコ
ードの種類を判別することにより各判定を行う。
【0014】ステップS4:読み込んだブロックが加工
プログラムブロックの場合には、このブロックは自動結
線異常検出には不要であるため無視して実行しない。 ステップS5:jに「1」を加算して前記ステップS2
に戻り、プログラムの次のブロックについて読み込みと
判定を行う。 ステップS6:前記ステップS3において、読み込んだ
ブロックが加工プログラム以外のプログラムブロックの
場合には、図5に示すようにこのブロックが加工穴移動
指令、ワイヤ結線指令、ワイヤ切断指令、あるいはプロ
グラム終了指令かの指令内容の判定を、この工程、およ
び以下のステップS8、ステップS15、ステップS1
8の判定により行う。ステップS6ではブロックが加工
穴移動指令か否かの判定を行う。この判定においては、
図6に示すようにブロックを構成するコードの種類を判
定することにより行うことができる。 ステップS7:前記ステップS6において、読み込んだ
ブロックが加工穴移動指令である場合には、このブロッ
クの指令を実行し、ワークを移動してワイヤ2の位置に
加工開始穴を移動する。この移動される加工開始穴は、
ステップS1あるいはステップS17で設定されるiの
値で定まる加工開始穴であり、プログラムで設定される
加工開始穴の順に対応することになる。この工程の終了
後は、ステップS5においてjの値を「1」増加させ、
ステップS2に戻る。
【0015】ステップS8:また、前記ステップS6に
おいて、読み込んだブロックが加工穴移動指令でない場
合には、そのブロックがワイヤ結線指令か否かの判定を
行う。この判定においては、図6に示すようにブロック
を構成するコードの種類を判定することにより行うこと
ができる。 ステップS9:前記ステップS8において、読み込んだ
ブロックがワイヤ結線指令である場合には、ワイヤ結線
を行う加工開始穴の位置座標をメモリに記憶する。この
加工開始穴のX軸の座標はメモリ中のA(1,i)に記
憶され、Y軸の座標はメモリ中のA(2,i)に記憶さ
れる。 ステップS10:次に、ブロックの指令を実行してワイ
ヤの結線動作を行う。
【0016】ステップS11:前記ステップS10にお
いて行ったワイヤの結線の結果の判定を行う。このワイ
ヤ結線の成否は、図3中の異常検出回路の出力により行
うことができる。 ステップS12:ワイヤ結線が成功した場合には、メモ
リ中のA(3,i)に例えば「1」を入力することによ
りその成功した結果を記憶する。なお、このA(3,
i)に記憶する値は、任意に設定することができる。こ
の工程の終了後は、ステップS5においてjの値を
「1」増加させ、ステップS2に戻る。 ステップS13:ワイヤ結線が失敗した場合には、結線
アラームを出力してワイヤ結線の失敗を表示する。この
結線アラームは、表示装置50への表示あるいは警報等
の種々のアラーム手段を用いることができる。 ステップS14:そして、メモリ中のA(3,i)に例
えば「0」を入力することによりその成功した結果を記
憶する。このA(3,i)に記憶する値は、前記ステッ
プS12で入力する値以外の任意の値に設定することが
できる。この工程の終了後は、ステップS5においてj
の値を「1」増加させ、ステップS2に戻る。
【0017】ステップS15:前記ステップS8におい
て、読み込んだブロックがワイヤ結線指令でない場合に
は、そのブロックがワイヤ切断指令か否かの判定を行
う。この判定においては、図6に示すようにブロックを
構成するコードの種類を判定することにより行うことが
できる。 ステップS16:前記ステップS15において、読み込
んだブロックがワイヤ切断指令である場合には、このブ
ロックの指令を実行してワイヤの切断を行う。このワイ
ヤ切断の処理としては、図2に示すフローチャートのよ
うな幾つかの方法がある。以下、図2のフローチャート
に従って説明する。図2の(a)に示すフローチャート
のステップT1では、ワイヤ切断の指令をそのまま実行
する。ステップS8のワイヤ結線指令によりワイヤの結
線が行われその結線が成功した場合には、この処理によ
り結線されたワイヤの切断が行われる。また、ステップ
S8のワイヤ結線指令によりワイヤの結線が行われその
結線が失敗した場合には、この処理により結線されたワ
イヤの切断の処理が行われるが、実際にはワイヤは結線
されていないのでワイヤの切断の動作のみが行われるこ
とになる。また、図2の(b)に示すフローチャート
は、自動結線機構がワイヤ結線が行われていてない場合
に切断処理を無視する機能を持つ場合である。自動結線
機構は、ステップU1においてワイヤ結線が行われてい
るか否かの判定を行い、ワイヤ結線が行われている場合
にはワイヤ切断の指令を実行し(ステップU2)、ワイ
ヤ結線が行われていない場合にはワイヤ切断の指令を無
視する(ステップU3)。また、図2の(c)に示すフ
ローチャートは、メモリの内容を判定することによりワ
イヤ切断の指令を実行、あるいは無視を行うものであ
る。ステップV1において、メモリのA(3,i)の値
を判定してその値が「1」の場合には、ワイヤ結線が成
功しているのでワイヤの切断の指令を実行する(ステッ
プV2)。また、ステップV1において、メモリのA
(3,i)の値を判定してその値が「0」の場合には、
ワイヤ結線が失敗しているのでワイヤの切断の指令を無
視する(ステップV3)。
【0018】ステップS17:前記図2のフローチャー
トによりワイヤ切断の処理が終了すると、iの値に
「1」を加算して次の加工開始穴についての処理を行
う。この工程の終了後は、ステップS5においてjの値
を「1」増加させ、ステップS2に戻る。 ステップS18:前記ステップS15において、読み込
んだブロックがワイヤ切断指令でない場合には、そのブ
ロックがプログラム終了指令か否かの判定を行う。この
判定においては、図6に示すようにブロックを構成する
コードの種類を判定することにより行うことができる。
プログラム終了指令の場合には次のステップS19に進
み、プログラム終了指令以外の指令の場合にはステップ
S5においてjの値を「1」増加させ、ステップS2に
戻る。 ステップS19:前記ステップS18において、読み込
んだブロックがプログラム終了指令の場合にはメモリに
記憶してある自動結線の結果を表示装置50に表示す
る。
【0019】次に、ステップS19における自動結線結
果の表示について、図9〜図12の表示例を用いて説明
する。図9は、自動結線結果の第1の表示画面例であ
り、加工開始穴番号、加工開始穴位置のX座標,Y座
標、および自動結線の成否を表として表示するものであ
る。自動結線の成否は、例えば成功の場合には「○」印
により表示し、失敗の場合には「×」印により表示する
ことができるが、その他の表示記号あるいは文字により
任意に表すことができる。図10〜図12は、自動結線
結果の第2、第3、及び第4の表示画面例であり、加工
開始穴番号、加工開始穴位置のX座標,Y座標、および
自動結線の成否を2次元座標上に表示するものである。
加工開始穴位置のX座標,Y座標は各基準点からの座標
の値として表し、自動結線の成否は、例えば成功の場合
には「○」印により表示し、失敗の場合には「×」印に
より表示することができるが、その他の表示記号あるい
は文字により任意に表すことができる。ここで、図10
は座標の基準点(図中で●印で表す)を座標の原点位置
とし、図11は座標の基準点(図中で●印で表す)を加
工開始穴の一つとし、また、図12は座標の基準点(図
中で●印で表す)を2次元座標上の任意の位置としてい
る。なお、この基準位置の選択およびその基準位置によ
る自動結線結果の表示図の選択は、例えば図3のCRT
/MDI51からの入力により行うことができる。
【0020】(実施例の変形例)自動結線の異常を表示
する画面において、自動結線の成否の表示のための印
を、例えば色表示等の前記実施例で示した印以外の任意
のものとすることができる。また、自動結線異常の結果
は、自動結線異常結果を記憶したメモリを選択して読み
だすことにより、その一部のみを選択して表示すること
もでき、異常のある加工開始穴のみ表示することもでき
る。また、自動結線異常の結果の表示において、加工開
始穴の該穴を表す番号等の表示を同時に表示することも
できる。
【0021】(実施例の効果)本発明の実施例によれ
ば、自動結線の異常を画面上にワーク上の任意の基準に
対する座標とともに表示することができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤカット放電加工機のプログラムの修正を行うこと
なく、加工開始穴への移動、ワイヤ結線、切断動作のみ
を行って加工開始穴に関する異常を検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の作用を説明するフローチャ
ートである。
【図2】本発明の一実施例の作用を説明するサブフロー
チャートである。
【図3】本発明の一実施例を実施するためのワイヤカッ
ト放電加工機のブロック図である。
【図4】プログラム概略図である。
【図5】プログラム構成図である。
【図6】加工穴移動指令のコードの一例を説明する図で
ある。
【図7】自動結線異常の結果を記憶しておくメモリの概
略構成図である。
【図8】ワーク中の加工開始穴を説明する図である。
【図9】本発明の自動結線異常検出方法の自動結線結果
の第1の表示画面例である。
【図10】本発明の自動結線異常検出方法の自動結線結
果の第2の表示画面例である。
【図11】本発明の自動結線異常検出方法の自動結線結
果の第3の表示画面例である。
【図12】本発明の自動結線異常検出方法の自動結線結
果の第4の表示画面例である。
【図13】加工プログラムから自動結線異常検出用のプ
ログラムを作成する手順を説明する図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ送り機構 2 ワイヤ 3 下ガイドローラ部 4 定電流回路 5 フィードモータ 6 定電圧回路 7 エンコーダ 8 ワーク 9 フィードローラ 11 ブレーキ及びブレーキシュー 12 上電極ピン 13 上ガイド 14 下ガイド 15 下電極ピン 16 ベアリング 17 ウォータージェット組立 20 DI/DO 30,40 CPU 31,41 ROM 32,42 RAM 50 CRT表示装置 70 異常検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤカット放電加工機において、ワー
    クの加工を行うためのプログラム内容の内から、加工プ
    ログラム以外のプログラムブロックであって自動結線機
    能に関係するプログラムのみを選択して実行することに
    より、実際の加工を行う前にあらかじめ加工開始穴の異
    常を検出することを特徴とするワイヤカット放電加工機
    の自動結線異常検出方法。
  2. 【請求項2】 加工開始穴の異常検出の結果を、加工開
    始穴の位置データとともに表示する請求項1記載のワイ
    ヤカット放電加工機の自動結線異常検出方法。
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