JPH07204703A - ステンレス熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

ステンレス熱延鋼板の製造方法

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JPH07204703A
JPH07204703A JP537694A JP537694A JPH07204703A JP H07204703 A JPH07204703 A JP H07204703A JP 537694 A JP537694 A JP 537694A JP 537694 A JP537694 A JP 537694A JP H07204703 A JPH07204703 A JP H07204703A
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Seiki Hori
清貴 堀
Masao Koike
正夫 小池
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼の熱間圧延において、変形抵抗
が大きいような不利な条件下でも、焼付疵が発生せず、
また、過剰なスケール生成による押込み疵も発生しない
ような熱間圧延方法を提供する。 【構成】 Cr:11.0wt %以上Al: 0.1 〜6.0 wt%および
Si: 1.0 〜5.0 wt%を含有するステンレス鋼の熱間圧延
に際して、仕上圧延スタンド間において被圧延材の圧延
温度が950 ℃以下となる仕上げ圧延スタンド前で、前記
被圧延材に空気、酸素ガスおよび水蒸気のうちの1種以
上を吹き付けることにより、厚さ1〜7μmの酸化スケ
ールを生成させて仕上圧延し、次いで、25〜70 MPaの圧
力の高圧水で脱スケールすることを特徴とするステンレ
ス熱延鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延工程におい
て、被圧延材であるステンレス鋼の疵の発生を防止す
る、ステンレス熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は普通鋼と比較して外観の
平滑性が求められることが多いため、熱間圧延で発生す
る焼付疵、押込疵などの疵の発生防止が要請されてい
る。その一方で、ステンレス鋼は、熱間変形抵抗が高い
ため、圧延荷重が高くなり、ロールとの密着による焼付
疵を発生しやすい欠点を有している。疵が発生した場合
には、軽度なものは研磨で修正するが、重度のものは鋼
板ごとスクラップにせざるを得ないので、生産性や歩留
りが悪化する。さらに、圧延ロールにも焼付きが発生す
ると、ロール交換のためのコストも発生する。
【0003】近年の材料や工程条件の変化には、さらに
焼付疵を発生しやすくするものがある。例えば、自動車
排気系部品、ストーブ等の燃焼装置用材料として使用さ
れるステンレス鋼は、Cr、Al、Siの含有量が多く、その
高い変形抵抗のため、焼付きが発生しやすい材料であ
る。また、リジング対策等には、仕上圧延温度の低下
(≦950 ℃) が要求され、また薄物 (≦ 2.5mm) 圧延で
は、冷え方が早く圧延温度が低下するため、共に温度低
下による変形抵抗の上昇により、焼付きが発生しやすく
なっている。
【0004】ところで、ステンレス鋼の熱間圧延は、普
通鋼との兼用ミルで行われることが多い。通常の圧延方
法は、被圧延材を1200℃以上に加熱した後、1次スケー
ル(圧延前に生成したスケール)を剥離させ、2〜6ス
タンド (レバースミルを含む) の粗ミル、さらに引き続
く6〜7スタンドの仕上ミルにより圧延する。その後さ
らに焼鈍、ショットブラスト処理、酸洗浄を施し、冷間
圧延を行って冷延鋼板を得る。なお、ステンレス鋼は、
普通鋼に比べて脱スケールが困難なので、脱スケールは
通常前記の通り、ショットブラスト処理と酸洗浄が併用
される。酸洗浄液としては、硝酸と弗酸の混合液または
硫酸が使用されている。
【0005】上記工程のうち、ステンレス鋼の熱間圧延
の課題である焼付疵が発生するのは、圧延温度が下がる
仕上ミル圧延時である。この防止策としては、被圧延材
の加熱温度を高めて圧延温度を上昇させ、変形抵抗を下
げる方法が知られている。しかし、リジング対策上の制
約や、高温加熱時に1次スケールが厚く生成するため圧
延前の脱スケールが十分行われず、残存スケールが熱間
圧延時に押込み疵をつくる問題点、高温加熱により粗大
化した結晶粒が圧延後も残存するため、製品のプレス成
形時に肌荒れを生じるといった問題点がある。
【0006】これらを解決する方法として、フェライト
系ステンレス鋼の場合に粗圧延のスタンド間あるいは粗
圧延と仕上圧延の間で被圧延材に空気、酸素、および水
蒸気を吹き付ける方法が特公平4−42082 号公報に、ま
た、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合に仕上圧延前
に被圧延材に空気、酸素、蒸気を吹き付ける方法が特公
昭60−50522 号公報に示されている。これらはいずれ
も、仕上げ圧延前に酸化ガスを吹き付けスケールを生成
させる方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に仕上げ圧延で最
も焼付きが発生しやすいのは、圧力の大きい第2および
第3スタンドであるが、ステンレス鋼では最終スタンド
まで焼き付く場合もある。上述の公知技術のように仕上
げ圧延前にスケールを生成させると、仕上圧延されるに
伴いスケールのない新生面が生成し、最終スタンドで
は、スケールの効果が少なくなる。そこで、実際の圧延
工程にこれらを適用した場合、厚めにスケールを生成さ
せ新生面の生成を防ぐこととなる(例えば特公昭60−50
522 号公報では8〜14μmである)。しかしこの方法に
は、スケールが厚くなった分、圧延中にスケールが剥離
しやすくなり、剥離したスケールが、後工程の圧延で脱
落、押込み疵等の表面欠陥を生じるという重大な欠点が
ある。
【0008】かくして、本発明の目的は、ステンレス鋼
の熱間圧延において、Cr、Al、Si含有量が多く、鋼温度
が低く、変形抵抗が大きいという不利な条件下でも、焼
付疵が発生せず、また、過剰なスケール生成による押込
み疵も発生しないような熱間圧延方法を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成すべく種々検討の結果、焼付疵が発生する直前
の適切な温度域および位置で、厚すぎずまた薄すぎない
適切な厚みのスケールを生成させることにより、焼付疵
および押込み疵の発生を共に防止できるのではないかと
の着想を得、スケール生成温度域と、被圧延材表面の適
正スケール厚みについて、各種ステンレス鋼を用いて圧
延温度、雰囲気、吹き付けガスを変化させ、系統的なテ
ストを行い、次の知見を得、本発明を完成させた。
【0010】即ち、仕上スタンド間において950 ℃以下
の温度域で圧延される前に厚さ1〜7μmの薄い酸化ス
ケールを生成させることにより、今まで完全には両立で
きなかった焼付疵防止効果とスケール押込み疵防止の両
立が図れることが分かった。
【0011】また、材料成分 (Cr、Al、Si等) が変化
し、スケール生成能が変化した場合にも上記スケール厚
み範囲内であれば、焼付疵防止効果が発揮され、同時に
スケール押込み防止が図れることも確認した。
【0012】さらに、仕上圧延後、コイラー巻取り前に
25〜70 MPaの圧力の高圧水で脱スケールすると、後工程
の酸洗浄時に必要であったショットブラスト処理による
脱スケールが省略できることも確認した。
【0013】ここに、本発明は、Cr含有量が11.0wt%以
上のステンレス鋼の熱間圧延に際して、仕上圧延スタン
ド間において被圧延材の圧延温度が950 ℃以下となる仕
上げ圧延スタンド前で、前記被圧延材に空気、酸素ガス
および水蒸気のうちの1種以上を吹き付けることによ
り、厚さ1〜7μmの酸化スケールを生成させて仕上圧
延をすることを特徴とするステンレス熱延鋼板の製造方
法である。
【0014】別の面からは本発明は、上記の方法による
ステンレス鋼の仕上圧延の後、ダウンコイラー巻取り前
に、25〜70 MPaの圧力の高圧水で脱スケールして巻取る
ことを特徴とするステンレス熱延鋼板の製造方法であ
る。
【0015】本発明の別の好適態様によれば、上記いず
れかのステンレス熱延鋼板の製造方法において、前記被
圧延材がさらにAl: 0.1 〜6.0 wt%および/またはSi:
1.0〜 5.0wt%を含有するステンレス鋼であることを特
徴とする製造方法である。
【0016】また、好ましくは、スケール生成を仕上げ
ミルの第1スタンドと第2スタンドとの間、または第2
スタンドと第3スタンドとの間で行う。なお、このスケ
ール厚みは、特に断らない限り、仕上げ圧延で酸化ガス
を吹き付け、スケールを生成させ終わった直後の厚みで
ある。
【0017】
【作用】以下に各構成要件の限定理由を示す。
【0018】鋼組成の限定理由 本発明が対象とする鋼は、一般的にはCr:11.0 wt%以
上、好ましくはさらにAl: 0.1 〜6.0 wt%および/また
はSi: 1.0 〜 5.0wt%を含むものである。
【0019】ステンレス鋼は一般に普通鋼と比較し、焼
付疵が発生し易い傾向にあるため、本発明ではCr含有量
11.0wt%以上のステンレス鋼全鋼種を対象とする。Cr含
有量13.0wt%以上のステンレス鋼、さらにCr含有量16.0
wt%以上のステンレス鋼は、より焼付疵が発生し易いた
め、それらに適用する場合はさらに大きな効果がある。
本発明はCr含有量が11.0wt%未満の場合にも適用できる
が、焼付疵が発生しにくいので適用するまでもない。
【0020】Si、Alを含むステンレス鋼は、耐酸化性が
高くスケールの生成が少ないことにより焼付疵が発生し
やすいため、本発明の効果が大きく、特に適用するのが
好ましい材料である。Al含有量の下限を0.1 % 、Si含
有量の下限を1.0 %としたのは、これが耐酸化性を確保
するうえでの下限であるからである。Al含有量の上限を
6.0 %、Si含有量の上限を5.0 %としたのは、実用上こ
れを越えると靱性が劣化し、熱延時破断が発生し製造が
困難になるからである。
【0021】スケール生成時の温度と位置の限定理由 図1に示す熱間転動試験装置でステンレス鋼の焼付き現
象のシミュレーションを行い、酸化ガスを吹き付けスケ
ールをつける温度域および厚みについて、焼付防止の臨
界的条件を決定した。
【0022】図1(a) は、その熱間転動試験装置の側面
図、図1(b) は図1(a) のII−II線の断面図であって、
圧延ロールの材質の円筒型試験片9 (直径100 ×厚さ30
mm)、被圧延材の材質の試験片10 (直径115 ×厚さ10mm)
を圧延荷重に相当する押付荷重Pを掛けながら接触さ
せ転動させる装置である。被圧延材試験片10は高周波コ
イル12により所定温度に加熱する。
【0023】この熱間転動試験装置には、被圧延材試験
片に積極的にスケールを生成させるため、さらに酸化ガ
ス吹き付け装置11を配した。テスト条件としては、押付
け荷重=2000N、回転数=200 rpm (ロール材試験片と
被圧延材試験片は同一回転数で連動させた)で50分の転
動とした。なお、今回の熱間転動試験では、ロール材質
をHi−Cr材、被圧延材として18Cr、18Cr−8Ni、20Cr材
の3種類を用いた。
【0024】図2に代表例として、18Crステンレス鋼を
被圧延材として用い、酸化ガス吹き付ける時の鋼温度を
変え、スケール厚さを変えたときの焼付疵の発生状況を
グラフで示す。なお、酸化ガス吹き付け時間とスケール
厚みの関係は試験用焼鈍炉を用いて確認した。
【0025】図2によると、被圧延材の温度が950 ℃を
越える領域では、焼付疵の発生もなく良好であるが、95
0 ℃以下の温度域では、スケールが1μmより薄いと焼
付疵が発生した。
【0026】本発明では、焼付疵の発生温度域の直前
に、被圧延材にスケールを生成させることが重要なの
で、酸化ガス吹き付けは 鋼温度950 ℃以下の温度域が
よい。また 950℃以下でスケールを生成させた確認試験
の結果は良好であった。つまり、このことは実際の仕上
げ圧延スタンドにあてはめて考えると 950℃以下の温度
で圧延が行われる仕上げ圧延スタンドの直前で酸化ガス
吹付けによるスケール生成を行えばよいことを意味す
る。この場合、酸化ガス吹付けによる温度低下も考慮し
て、950 ℃以下で圧延をするスタンド前で、スケールを
生成させればよい。具体的には例えば、仕上げ圧延の第
1、第2スタンド間または第2、第3スタンド間の位置
が好ましい。さらに、第1〜第3の各スタンド間でスケ
ール生成を行うのも好ましい。なお、本明細書では仕上
げスタンドを粗圧延側から第1、第2、第3スタンド…
と数える。
【0027】スケール厚みについて 本発明では、焼付疵の発生温度域の直前にスケールを生
成させるので、ロールによる新生面の生成が少なく、ス
ケール厚みは最小限でよい。図2から、最低限1μm以
上あれば効果があることがわかる。一方、生成させるス
ケールが厚くなり過ぎるとスケール押込み疵になる。こ
の試験により7μmを越えるとスケール押込み疵が発生
することが判明したため、本発明で必要なスケール厚範
囲を1〜7μmとした。好ましくは4〜6μmである。
なお、ここにスケール厚さは、実質上仕上げ圧延の各ス
タンド間で生成したスケールの厚さである。
【0028】一般にステンレス鋼の仕上げ圧延での合計
圧下率は80〜90%程度であり、スケール厚さが1μm以
上であれば新生面が生じることはない。なお、第1スタ
ンドでの圧下率はそのうちの35〜45%を占める。
【0029】スケール生成用酸化ガスについて スケールを生成させる方法としては、同装置により各種
酸化ガスをテストした結果、安全かつ安価という観点か
ら空気、酸素、水蒸気を吹き付けることが有効であるこ
とを見い出した。また、鋼組成などによってスケール生
成能が低い場合は、空気+水蒸気、酸素+水蒸気の組み
合わせがさらに有効である。スケール厚みは、吹き付け
時間または回数によって調節すればよい。
【0030】圧延後の脱スケールについて 熱間圧延された一般の鋼板は、酸洗浄により2次スケー
ルを除去し、表面を清浄化する。しかし、ステンレス熱
延鋼板は酸洗浄のみでは脱スケールが困難であるため、
一般に酸洗浄の前にショットブラスト処理が施されてい
る。なお、2次スケールとは、1次スケール除去後の圧
延時およびその後に生じたスケールを示す。
【0031】別の面からは本発明は、上述の仕上げ圧延
後ダウンコイラー巻取り前に25〜70MPa の圧力の高圧水
で脱スケールを施すことを特徴とするが、そのような構
成を採用することにより、酸洗浄前のショットブラスト
処理の省略が可能となり、また、酸洗浄時間も60秒以下
に短縮する。以下にこの条件の設定のために行った試験
について記載する。
【0032】被圧延材を加熱炉から抽出後、圧延前に既
に生成している1次スケールを15MPa の圧力で脱スケー
ルし、板厚3mmに圧延した。圧延終了後、各圧力条件に
て脱スケールを実施した。被圧延材の脱スケール性の評
価は、ステンレス鋼冷却後の硝酸、弗酸の混合液の酸洗
浄により完全に脱スケールできた時間で行った。
【0033】なお、加熱炉は電気炉ではあるが、実際の
工程中のガス燃焼加熱炉と同じ雰囲気になるように調整
し、被圧延材は、18Cr系および、18Cr−8Ni系であっ
て、寸法が厚み30mm、幅100 mm、長さ200 mmのステンレ
ス鋼板を用いた。
【0034】図3に結果の1例として、18Cr材の場合の
脱スケール圧力と酸洗浄による脱スケール時間の関係を
示す。図3から分かるように、通常実施されるショット
ブラスト処理の代わりに高圧脱スケールを行った場合、
脱スケール圧力を25MPa 以上にすると、酸洗浄による脱
スケール時間の短縮ができる。脱スケール圧力をさらに
上昇させていった場合、70MPa を超えると脱スケール時
間短縮の効果がなくなることが判明した。
【0035】従って、本発明では、熱間仕上圧延後の脱
スケール性を向上する適正脱スケール圧力範囲を25〜70
MPa とした。なお、脱スケール後の2次スケール発生を
抑制するため、低温で2次スケールを除去し、巻取り時
のステンレス鋼板の温度は600 ℃以下とするのが望まし
い。このときのデスケール装置はダウンコイラー巻取前
に設ける。
【0036】
【実施例】
(実施例1)次に本発明例と比較例を示して説明を行
う。図4に示す熱間圧延ラインを用い、本発明例と比較
例を試験した。このラインは、加熱炉1、脱スケール装
置2および2'、6組のスタンドからなる粗ミル3、7組
のスタンドからなる仕上ミル4、コイラー5、酸化ガス
吹付ノズル6により構成されている。酸化ガス吹付けノ
ズル6は仕上圧延1、2スタンド間および2、3スタン
ド間に設けられている。
【0037】表1に示す化学成分(すべて本発明の範囲
内)を有する厚み 200mm、幅1000mmのステンレス鋼の被
圧延材を加熱温度1200℃で抽出し、粗ミル3、仕上ミル
4と圧延した。その途中、仕上圧延1、2スタンド間に
設けた酸化ガス吹付装置6または2、3スタンド間に設
けた酸化ガス吹付装置6により、酸化ガスを20 MPaの圧
力で吹き付け、スケール生成を行なった。最終的に厚み
5mmの薄板に仕上た後、コイラー5により巻取った。な
お、本実施例では図中の脱スケール装置2'は用いなかっ
た。表2にスケール生成条件および圧延後の疵発生有無
の判定結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】被圧延材は表1に示すように各々Cr、Si、
Al量が異なっているが、表2のNo.1〜11に示すように95
0 ℃以下の温度域で空気、酸素、水蒸気の酸化ガスある
いはこれらを組み合わせたガスを被圧延材に吹き付ける
ことにより、厚さ1〜7μmのスケールを生成させ仕上
圧延を実施した結果、焼付疵もスケール押込み疵もない
製品を得ることができた。これに対して、本発明の積極
的なスケール生成を実施しなかったNo.12 〜14ではスケ
ールが薄く仕上圧延でいずれも焼付疵が発生した。
【0041】一方、No.15 、16は酸化ガス吹き付け時間
を長くすることにより、生成スケールを厚くした。その
結果、焼付疵の発生は見られなかったが、スケール押込
み疵が発生した。
【0042】No.17 は、酸化ガス吹き付け位置を仕上圧
延ミルの直前に変更した。その結果、部分的ではあるが
焼付疵が発生した。これは前にも述べたように、第1ス
タンドでの圧下率は一般に全圧下率の約40%を占めるた
め7μmと厚めのスケールをつけても後段のスタンドで
は仕上圧延により、新生面が生成したためと考えられ
る。なお、圧延後、通常のショットブラスト処理を施し
酸洗浄したが、仕上スタンド間でスケール生成を行わな
い従来のものと同じように脱スケールできた。
【0043】(実施例2)実施例1と同じ条件で熱間圧
延し、厚さ5mmに仕上げた後、図4に示す仕上圧延後脱
スケール装置2'により脱スケールを実施し、コイラー5
により巻き取った。なお、本例でも実施例1に準じて仕
上ミルスタンド間に本発明の酸化ガス吹き付けを行っ
た。さらに、脱スケール性評価のため、熱間酸洗ライン
でショットブラスト処理工程を省略し硝酸、弗酸の混合
液槽で60秒間の酸洗浄を実施した。
【0044】表3にスケール生成条件、仕上圧延後の脱
スケール圧力および圧延・酸洗浄後の疵発生有無、スケ
ール残有無の判定結果を示す。なお、表3の本発明例は
仕上げ圧延までは実施例1の表2と同じである。また、
酸化ガスはいずれも20 MPaで吹き付けた。
【0045】
【表3】
【0046】被圧延材は表1に示すように各々Cr、Si、
Al量が異なっているが、表3のNo.1〜11は表2と同様、
焼付き疵もスケール押込み疵もない製品を得ることがで
きた。さらに、仕上圧延後で25〜70MPa の高圧水で高圧
脱スケールを実施することにより60秒間の酸洗浄で完全
に脱スケールすることができ、スケール残はなかった。
【0047】これに対して、No.12 〜16では仕上圧延後
の脱スケールは各々25〜70MPa の範囲で実施したため、
酸洗浄後のスケール残はなかったが、本発明の酸化ガス
吹付けを実施しなかったNo.12 〜14ではスケールが薄く
仕上圧延でいずれも焼付き疵が発生した。一方、No.15
、16は酸化ガス吹付け時間を長くすることにより、生
成スケールを厚くした。その結果、焼付き疵の発生は見
られなかったが、スケール押込み疵が発生した。
【0048】また、No.17 、18では仕上圧延で所定のス
ケール厚を確保したため、疵の発生はなかったが、仕上
圧延後脱スケール圧力が低く、60秒の酸洗浄ではスケー
ル残が生じた。
【0049】さらに、No.19 では、酸化ガス吹付け時間
を長くすることにより、生成スケールが厚くなった結
果、焼付き疵の発生は見られなかったが、スケール押込
み疵が発生したうえに、仕上圧延後の脱スケール圧力も
低かったため、酸洗浄後のスケール残も生じた。No.20
ではスケールが薄く仕上圧延でいずれも焼付き疵が発生
したうえに、仕上圧延後の脱スケール圧力も低かったた
め、酸洗浄後のスケール残も生じた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼の熱間圧
延において、Cr、Al、Si含有量が高く、鋼温度が低く、
変形抵抗が大きいような不利な条件下であっても、焼付
疵、スケール押込み疵のない良好な製品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明のスケールを生成させる温度と
厚みを限定するための、熱間転動試験装置の側面図、図
1(b) は図1(a) のII−II線の断面図である。
【図2】本発明のスケールを生成させる温度と厚みを限
定するための、熱間転動試験結果を説明するグラフであ
る。
【図3】圧延後、仕上圧延後の( 酸洗浄前) の高圧脱ス
ケールにより、酸洗浄による最終的な脱スケールの時間
が短縮することを説明するグラフである。
【図4】本発明の方法を実施する熱間圧延ラインの概要
図である。
【符号の説明】
1:加熱炉 2:圧延前脱スケール装置 2':仕上圧延後脱スケー
ル装置 3:粗圧延ミル 4:仕上げ圧延ミル 5:コイラー 6:酸化ガス吹付ノズル 7:押付荷重P 8:圧延ロール冷却水 9:ロール材試験片 10:被圧延材試験片 11:酸化ガス 12:高周波コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr含有量が11.0wt%以上のステンレス鋼
    の熱間圧延に際して、仕上圧延スタンド間において被圧
    延材の圧延温度が950 ℃以下となる仕上げ圧延スタンド
    前で、前記被圧延材に空気、酸素ガスおよび水蒸気のう
    ちの1種以上を吹き付けることにより、厚さ1〜7μm
    の酸化スケールを生成させて仕上圧延をすることを特徴
    とするステンレス熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の仕上圧延に次いで、25〜
    70 MPaの圧力の高圧水で脱スケールしてから巻取ること
    を特徴とするステンレス熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記被圧延材がさらにAl: 0.1 〜6.0 wt
    %および/またはSi: 1.0 〜5.0 wt%を含有するステン
    レス鋼であることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載のステンレス熱延鋼板の製造方法。
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