JPH07203612A - 皮剥装置 - Google Patents

皮剥装置

Info

Publication number
JPH07203612A
JPH07203612A JP6000342A JP34294A JPH07203612A JP H07203612 A JPH07203612 A JP H07203612A JP 6000342 A JP6000342 A JP 6000342A JP 34294 A JP34294 A JP 34294A JP H07203612 A JPH07203612 A JP H07203612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peeling
electric wire
pair
blades
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6000342A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2956466B2 (ja
Inventor
Tomoya Tominaga
智也 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP6000342A priority Critical patent/JP2956466B2/ja
Publication of JPH07203612A publication Critical patent/JPH07203612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2956466B2 publication Critical patent/JP2956466B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Removal Of Insulation Or Armoring From Wires Or Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】先端が自由端のいわゆる片持ち支持された電線
の先端部分の絶縁被覆を除去する皮剥装置であって、皮
剥時に、皮剥屑が刃から確実に離れるようにした装置を
提供すること。 【構成】電線先端の挿入方向に対し、順に、1対の皮剥
刃352、センター寄せガイド板353、カット刃35
1を設ける。また、1対のセンター寄せガイド板353
a,353bの間には、屑落とし板60を配置する。屑
落とし板60は、電線Pの進入方向に交差方向に、一定
間隔隔てて配置された2枚の厚板61,62を含む構成
にする。こうすると、進入する電線Pの先端が上下に曲
がっていても、電線Pの先端が厚板61,62と干渉せ
ず、スムーズな電線の挿入が可能になる。カット刃35
1,皮剥刃352が開く際、いずれかの刃にくっついた
皮剥屑は厚板61または62とぶつかり、刃から落とさ
れる。よって次の皮剥処理時に刃が皮剥屑がくっついて
いることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤーハーネス製
造における皮剥処理を行うための皮剥装置に関するもの
である。特に、皮剥時に発生する屑を落下させるための
屑落とし構造が改良された皮剥装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤーハーネスは、自動車、複写機等
に組み込まれる多数の電線、端子、コネクタ等からなる
電気配線システムである。このワイヤーハーネスの製造
には、電線の長さを計測し、所定の長さに切断する調尺
切断、所定の長さに切断した電線の両端の絶縁被覆を剥
ぐ皮剥、皮剥により露出した電線の端部に端子を圧着す
る端子圧着、端部に端子が圧着された電線を図板上に布
線する布線、および布線された電線端部の端子をコネク
タハウジングへ挿入する端子挿入等の多くの工程が含ま
れている。そのため、ワイヤーハーネスの製造には、多
大の労力および時間を要し、従来より製造工程の自動化
の要望が高かった。
【0003】そこで近年、種々のワイヤーハーネスの自
動化製造装置が提供されている。たとえば、特公平1−
42085号公報、特公平3−6670号公報、特開平
1−313870号公報等に従来のワイヤーハーネスの
自動化製造装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来提案さ
れているワイヤーハーネスの自動化製造装置は、2軸移
動可能な、専用に開発されたロボットを必要とするた
め、構造が複雑で設備コストが非常に高価になる上に大
型であった。しかも、構造が複雑であるゆえに、ワイヤ
ーハーネスの機種変更等に伴う段取り変え作業も、非常
に煩雑なものとなり、手間や時間がかかるといった問題
があった。
【0005】一方、ワイヤーハーネスの完成に至るまで
の、ある種の作業に関しては、作業の信頼性からして
も、現実問題として、人の手による組立作業に頼らざる
を得ないという一面がある。すなわち、現状では、ワイ
ヤーハーネスの製造工程には、ロボットにより自動化さ
れている部分と、人による組立ラインにかかる部分とが
含まれている。
【0006】ところで、ロボットにより自動化されてい
るワイヤーハーネスの製造工程では、上記の高価な設備
コストを償却するために、高速で製造作業を行うことが
要求される。しかも、頻繁に段取り変えを行うことは、
時間やコストをロスすることになるので、これを避ける
ため、1ロットで多数製造することになる。そして、こ
のようにして、ロボットにより高速で製造された多種、
多数の電線等を、それぞれ、人による組立ラインの所要
の位置へ運搬して、配備しておくことになる。
【0007】しかしながら、上記のように高価な自動化
製造装置で、いくら高速で製造したとしても、ワイヤー
ハーネスの製造速度としては、結局、人による組立ライ
ンの送り速度に制約されてしまう。また、製造工程内
に、自動化製造装置により製造された多種多数の在庫を
持つことにもなり、これがワイヤーハーネスの製造コス
トを押し上げる要因ともなる。すなわち、人による組立
作業を避けることが困難であるという現状においては、
上記のような、高価で複雑な自動化機を使用すること
は、非効率的である。
【0008】また、上記のような自動化機においては、
調尺切断、皮剥、端子圧着および布線が複数のステーシ
ョンで行われるため、ステーション移動時に電線の端部
の掴み換えが必要となる場合があり、この掴み換え時の
クランプ位置のずれに起因して、たとえば皮剥量や端子
圧着位置等に誤差を生じるおそれがあった。ところで、
1軸移動可能な架台上に、この1軸と直交する軸を中心
として回転自在な回転上腕部を設け、この回転上腕部に
1軸と直交する軸を中心として回転自在な回転前腕部を
設けた、1軸制御可能な汎用ロボットは、近年、安価に
なり広く普及してきている。
【0009】そこで、本願発明者等は、ワイヤーハーネ
スの製造装置を製作するにあたって、上記の1軸制御可
能な汎用ロボットを用いて、ワイヤーハーネスの製造工
程のうち、たとえば電線の調尺切断、皮剥、端子圧着お
よび布線を実現し、ロボットにより電線が布線された組
立用図板を、そのまま人による組立作業ラインへ送っ
て、ロボットでは作業が困難なたとえばジョイント電線
の布線、コネクタの装着、コルゲートの装着、テープ巻
き、グロメット通し、導通検査等の作業を人により行う
ようにした、ロボットによる作業と人による作業とが混
在し得るワイヤーハーネス製造ラインを実現すれば、高
価な設備コストや不要な在庫を削減でき、しかも、多品
種少量生産への適用性にも優れた設備ができるのではな
いかと考えた。
【0010】そして、これを実現するためには、電線が
汎用ロボットによって掴まれた状態で、電線端部の皮剥
が行われ、また、電線端部への端子圧着が行われなけれ
ばならない。この発明は、このような技術背景のもとに
なされたもので、汎用ロボットにより掴まれた電線端の
皮剥を精度良く確実に行うことのできる皮剥装置を提供
することである。
【0011】この発明は、異なる観点から見ると、先端
が自由端の電線端の皮剥を行う皮剥装置において、皮剥
時に生じる皮剥屑を刃から確実に外し、皮剥屑を確実に
始末することのできる皮剥装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
先端が自由状態の電線の先端部分の絶縁被覆を除去する
皮剥装置において、互いに寄り合ったり離れたりし得る
ように設けられ、互いに寄り合うことによって電線の先
端を切断する1対のカット刃、前記1対のカット刃と所
定の間隔をあけて配置され、互いに寄り合ったり離れた
りし得るように設けられ、互いに寄り合うことによっ
て、電線の先端から所定の長さ離れた位置の電線端部の
絶縁被覆に切れ目を付ける1対の皮剥刃、ならびに前記
1対のカット刃と1対の皮剥刃との間に配置され、皮剥
屑が前記カット刃または皮剥刃のいずれかにくっついた
まま変位しようとする時、該皮剥屑を刃から離す屑落と
し手段、を含むことを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の皮
剥装置において、前記屑落とし手段は、電線の進入方向
に交差方向に、所定の間隔をあけて配置された2枚の板
材を含むことを特徴とするものであ。請求項3の発明
は、請求項1記載の皮剥装置において、前記屑落とし手
段は、電線の進入開口が形成された1枚の板材を含むこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の皮剥装置において、前記屑落とし手段に含まれる
板材は、前記1対のカット刃と1対の皮剥刃との間の対
向間隔にほぼ等しい厚みの板材であることを特徴とする
ものである。請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれかに記載の皮剥装置において、さらに、前記1
対のカット刃に対して屑落とし手段が配置された側と反
対側には、前記皮剥屑を吸引する吸引手段が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
のいずれかに記載の皮剥装置において、さらに、前記カ
ット刃による電線先端の切断および皮剥刃による絶縁被
覆への切れ目付けに先立って、前記電線を1対のカット
刃の寄り合う中央および1対の皮剥刃の寄り合う中央に
沿わせるセンター寄せ手段を含み、該センター寄せ手段
は、互いに寄り合ったり離れたりし得る1対のガイド板
を含み、1対のガイド板のうちの一方のガイド板は前記
カット刃と屑落とし手段との間に配置されており、他方
のガイド板は前記屑落とし手段と皮剥刃との間に配置さ
れていることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1記載の皮剥装置によれば、1対のカッ
ト刃および1対の皮剥刃により電線先端の切断および皮
剥が実行される際に、皮剥屑がカット刃または皮剥刃の
いずれかにくっついたまま、1対のカット刃および1対
の皮剥刃が互いに離れようとするときに、いずれかの刃
にくっついた皮剥屑を屑落とし手段により確実に刃から
外すことができる。このため、次に皮剥が行われる際、
カット刃および皮剥刃には絶縁被覆がくっついておら
ず、次の皮剥処理時に先の皮剥屑が邪魔にならない。
【0017】請求項2記載の発明によれば、屑落とし手
段は2枚の板材を含んでいるから、皮剥のために挿入さ
れる電線の先端自由端が屑落とし手段と干渉することが
ない。請求項3記載の皮剥装置によれば、屑落とし手段
を1枚の板材で構成でき、屑落とし手段の位置決めや配
置等が容易に行える。
【0018】請求項4記載の皮剥装置によれば、カット
刃と皮剥刃との間の隙間は屑落とし手段によりほぼ満た
されるから、屑落とし手段により落とされた皮剥屑を吸
引ノズル等で吸引する際に、該吸引が良好に行える。す
なわち、吸引ノズルで吸引をする際に、カット刃、屑落
とし手段および皮剥刃の間の隙間が少ないから、その間
から空気が漏れず、皮剥屑を良好に吸引することができ
る。
【0019】請求項5記載の皮剥装置によれば、上記吸
引が行える。請求項6記載の皮剥装置によれば、さらに
センター寄せ手段が設けられているから、カット刃によ
る電線先端の切断および皮剥刃による絶縁被覆への切れ
目付けに先立って、電線端部がカット刃の寄り合う中央
および皮剥刃の寄り合う中央に沿わせられ、カット刃お
よび皮剥刃による切断および切れ目付けが良好に行え
る。
【0020】
【実施例】以下には、図面を参照して、この発明の一実
施例について詳細に説明をする。図1Aは、この発明の
一実施例を含むワイヤーハーネス製造装置の概略構成を
示す平面図であり、図1Bはその正面図である。図1
A,1Bを参照して、ワイヤーハーネス製造装置には、
直列に配列された、図において左から順に、第1ステー
ション1、第2ステーション2、第3ステーション3お
よび第4ステーション4が含まれている。
【0021】第1ステーション1では、電線Pが機械装
置である1対のロボットハンドR1,R2にクランプさ
れ、その状態で電線Pの調尺切断、電線両端の絶縁被覆
を除去する皮剥、皮剥により露出された電線端に端子を
圧着する端子圧着、および、端子圧着された電線の布線
が行われる。第2ステーション2では、人M1の手作業
により、ジョイント電線(複数の電線がジョイント端子
等で接続されて枝分かれをした電線)の布線、端子のコ
ネクタハウジングへの挿入、コルゲートの装着等が行わ
れる。
【0022】第3ステーション3では、人M2の手作業
により、テープ止め、グロメット通し、導通検査、外観
検査などが行われ、完成したワイヤーハーネスの取出が
行われる。第4ステーション4では、後述する組立用図
板5上の布線治具がセンサにより確認される。
【0023】これら4つのステーション間を、ワイヤー
ハーネスの製造に用いられる組立用図板5が搬送され
る。搬送は、図1Bに示すように、第1ステーション1
から第4ステーション4へ向けて組立用図板5が搬送さ
れ、各ステーションでは、組立用図板5の搬送が所定時
間停止されて、作業が行われる。そして第4ステーショ
ン4において、組立用図板5は降下され、その後第3ス
テーション3および第2ステーション2の下側を通って
第1ステーション1の下側へと搬送され、第1ステーシ
ョン1において、作業可能な位置へ上昇される。このよ
うに、各ステーションの下側を通って第4ステーション
4から第1ステーション1へ組立用図板5を戻すことに
より、搬送機構の省スペース化が図られている。なお、
搬送機構については、具体的に図示はしていないが、公
知のチェーン、プーリおよび駆動モータを含むチェーン
搬送機構その他が使用され得る。
【0024】第1ステーション1の左側(第2ステーシ
ョン2が連結された側とは反対側)には複数種の電線P
がストックされた複数の電線供給装置6および第1ステ
ーション1のロボットハンドR1,R2に渡す電線Pを
選択するための電線選択テーブル20が備えられてい
る。また、第1ステーション1の正面側には皮剥装置3
0および端子圧着装置40が配置されている。
【0025】図2は、上記第1ステーション1およびそ
れに隣接配置された各装置の概略構成を示す平面図であ
る。図2を参照して、複数の電線供給装置6から繰り出
された複数種の電線Pは、電線選択テーブル20へ送ら
れる。電線選択テーブル20には、送られてきた各電線
Pの巻き癖等を除去するための癖取り機構21、電線P
が送給方向Yと逆方向へ戻ることを防止するための逆送
防止機構22、癖取りされた電線PをロボットハンドR
1,R2に受渡し可能な状態で保持する電線受渡し機構
23、および、受渡される電線Pの後端を切断するため
の切断装置24が含まれている。
【0026】この電線選択テーブル20は、電線送給方
向Yに直交方向に配置されたレール25に搭載されてお
り、レール25の長さ方向に沿って、X1方向およびX
2方向に移動可能にされている。こうすることで、電線
選択テーブル20上の複数種の電線Pのうち、ロボット
ハンドR1およびR2が受け取るべき電線Pが常に一定
の位置(X1,X2方向における一定の位置)になるよ
う、電線選択テーブル20が制御される仕組みである。
【0027】ロボットハンドR1,R2は、それぞれ、
架台7,8に取り付けられており、各架台7,8は、第
1ステーション1の長さ方向(電線給送方向Y)に延び
るガイドレール9に案内され、第1ステーション1の長
さ方向に独立して移動可能である。つまり、ロボットハ
ンドR1,R2は、ガイドレール9に沿って1軸移動可
能な架台7,8上に取り付けられた汎用のロボットハン
ドである。
【0028】ロボットハンドR1は、切断された電線P
の前端(いわゆるA端)をクランプするために、電線選
択テーブル20の電線受渡し機構23上に移動する。こ
のとき、ロボットハンドR1は常に一定のクランプ位置
へ移動する。電線選択テーブル20はX1またはX2方
向へ移動し、ロボットハンドR1がクランプすべき電線
PをロボットハンドR1の下方に停止させる。そしてロ
ボットハンドR1は電線PのA端をクランプし、その電
線Pに必要な長さ分だけ電線送給方向Yへ移動する。次
いでロボットハンドR2が電線Pの後端となる部分(い
わゆるB端)をクランプするために移動し、ロボットハ
ンドR2が電線PのB端をクランプした後、切断装置2
4が電線Pを切断する。
【0029】ロボットハンドR1,R2によってクラン
プされた電線PのA端,B端は、それぞれ、ロボットハ
ンドR1,R2でクランプされたまま、この発明の一実
施例にかかる皮剥装置30へ与えられて電線端の被覆が
剥がれる。この皮剥装置30の具体的な構成は後述す
る。皮剥の後、端子圧着装置40へ与えられて電線端に
端子が圧着される。そして組立用図板5上に布線され
る。
【0030】端子圧着装置40にはプレスラム41およ
びプレスラム41に選択的に装着される複数のアプリケ
ータ42が備えられている。各アプリケータ42は、架
台43上に設けられたガイドレール44によってプレス
ラム41側へ進退自在となっている。また、架台43
は、進出させるべきアプリケータ42を所定位置へ移動
させるために、ガイドレール44と直交方向に延びるガ
イドレール45によってスライド自在に支持されてい
る。また、各アプリケータ42には、所要の端子帯Tが
供給されるようになっている。
【0031】図3は、ロボットハンドR1の全体構成を
説明するための斜視図である。図3を参照して、ロボッ
トハンドR1は、ガイドレール9上をスライド自在な架
台7上に固定された本体部10と、この本体部10に基
端部が鉛直軸を中心として回転自在に設けられた回転上
腕部11と、この回転上腕部11に基端部が鉛直軸を中
心として回転自在に設けられた回転前腕部12と、この
回転前腕部12の先端部に備えられたサーボモータ13
とを有する。そしてサーボモータ13によって上下動さ
れるロッド14の下端には、クランプ機構15が備えら
れている。
【0032】ロボットハンドR2も同様の構成である。
図4は、上記ロボットハンドR1のクランプ機構15部
分の詳細な構成を表わす部分斜視図である。次に、図3
および図4を参照して、クランプ機構15には、1対の
主クランプ爪C1と、1対の副クランプ爪C2と、ロッ
ド16,17を進退させることにより各クランプ爪C
1,C2をそれぞれ拡縮させるエアシリンダ18,19
とが含まれている。
【0033】各ロボットハンドR1,R2のクランプ機
構15に備えられた主クランプ爪C1は、電線を30〜
50mm程度の幅でクランプするものであり、副クラン
プ爪C2は、電線を5〜10mm程度の幅でクランプす
るものである。また、ロボットハンドR1のクランプ機
構15は、電線PのA端をクランプするためのものであ
るので、1対の主クランプ爪C1の一方の前端面には、
ストッパ板C3が固着されている。ストッパ板C3は、
電線受渡し機構23(図2参照)で保持された電線Pの
A端をクランプする際に、電線PのA端が上方へ反り上
がっている場合に、その反りを矯正して電線PのA端を
真っ直ぐな状態でクランプすることができるように設け
られたものである。
【0034】ロボットハンドR2のクランプ機構は、上
述のストッパ板C3が設けられていないだけで、図4に
示すクランプ機構15と同様の構成になっている。次
に、図5ないし図8を参照して、ロボットハンドR1,
R2による電線Pの調尺切断、皮剥および端子圧着処理
について説明をする。まず、図5Aに示すように、ロボ
ットハンドR1が電線選択テーブル20の電線受渡し機
構23上の予め定める位置へ移動される。これに合わせ
て、電線選択テーブル20がX1方向またはX2方向
(図2参照)へスライドされ、選択すべき電線Pがロボ
ットハンドR1のクランプ機構15下に位置決めされ
る。
【0035】次いで、図5Bに示すように、クランプ機
構15の主クランプ爪C1および副クランプ爪C2によ
って電線Pがクランプされる。そしてロボットハンドR
1は、電線PのA端をクランプしたまま電線給送方向Y
へ所定量だけ移動して、電線Pを所定の長さだけ引き出
す調尺処理を行う(図5C)。
【0036】次いで、図6Aに示すように、電線Pの後
端がロボットハンドR2のクランプ機構15でクランプ
される。その後、図6Bに示すように、切断装置24に
よって電線Pの後端が切断されてB端となる。この結
果、切断された電線PのA端およびB端が、それぞれ、
ロボットハンドR1,R2によってクランプされた状態
となる。
【0037】次いで、図7A,7Bに示すように、ロボ
ットハンドR1がA端を皮剥装置30に移動させて、A
端の皮剥が行われる。次いで、図8A,8Bに示すよう
に、ロボットハンドR1は、皮剥がされたA端を端子圧
着装置40に移動させ、A端に端子Tを圧着させる。A
端の皮剥および端子圧着が完了した後、同様に、ロボッ
トハンドR2がB端を皮剥装置30に移動させてB端の
皮剥が行われ(図7参照)、その後ロボットハンドR2
がB端を端子圧着装置40へ移動させてB端に端子Tが
圧着される(図8参照)。
【0038】これにより、電線PのA端およびB端にそ
れぞれ端子Tが圧着される。次いで、ロボットハンドR
1がA端を組立用図板5の所定の布線治具にクランプさ
せた後、クランプを解除し、次に、ロボットハンドR2
が、B端を所定の布線治具にクランプさせた後、クラン
プを解除する。そして両ロボットハンドR1,R2はホ
ームポジションに戻る。
【0039】図9は、この発明の一実施例にかかる皮剥
装置30の平面図である。また、図10は、皮剥装置3
0を電線挿入面側から見た正面図である。さらに、図1
1は、皮剥装置30の右側面図である。図9を主として
参照し、図10,図11を補助的に参照しながら、皮剥
装置30の構成について説明をする。
【0040】皮剥装置30はベースプレート31を備え
る。ベースプレート31上には載置台38が配置されて
いる。この載置台38はベースプレート31に対して平
行に、かつ、矢印A3,A4方向に変位し得るように、
ベースプレート31に取り付けられている。載置台38
上には1対のシリンダ32a,32bが固定されてい
る。1対のシリンダ32a,32bは、そのロッド33
a,33bが、互いに逆向きに、同一直線上に位置する
ように配置されている。各ロッド33a,33bには、
それぞれ、フレーム板34a,34bが連結されてい
る。1対のフレーム板34a,34bは、互いに平行に
配置されており、ロッド33a,33bの伸び縮みによ
り、その間隔が変化する。
【0041】フレーム板34a,34bの対向面側に
は、それぞれ、皮剥刃ユニット35a,35bが取り付
けられている。皮剥刃ユニット35aと皮剥刃ユニット
35bとは対をなしており、皮剥刃ユニット35aには
カット刃351a、皮剥刃352aおよびセンター寄せ
ガイド板353aが備えられている。同様に、皮剥刃ユ
ニット35bにはカット刃351b、皮剥刃352bお
よびセンター寄せガイド353bが備えられている。
【0042】シリンダ32a,32bの作用により、フ
レーム板34a,34bが矢印A2方向へ移動される
と、皮剥刃ユニット35a,35bが互いに中央に寄り
合い、両者に備えられたカット刃351a,351bに
よって電線先端が切断され、皮剥刃352a,352b
によって電線先端部の絶縁被覆に切れ目がつけられる。
また、先端の切断および絶縁被覆への切れ目づけに先立
って、後述するようにセンター寄せガイド板353a,
353bによって電線が中央に位置決めされる。
【0043】なお、図9および図10には示されていな
いが、中央に寄り合ったカット刃351a,351bお
よび皮剥刃352a,352bの間には、皮剥時に剥ぎ
取られた絶縁被覆等、すなわち皮剥屑を処理するための
屑落とし板(後に詳述する)が設けられている。対をな
すカット刃351a,351b、皮剥刃352a,35
2b、センター寄せガイド板353a,353bは、そ
れぞれ、図10に示すように、上下方向に3種類配列さ
れている。そしてたとえばこの実施例では、上段の刃お
よびセンター寄せガイド板は電線の導体断面積が1.2
5mm2 に適したものにされている。また、中段の刃お
よびセンター寄せガイド板は導体断面積が0.3mm2
の電線に適したものにされ、下段の刃およびセンター寄
せガイド板も導体断面積が0.3mm2 の電線に適した
ものにされている。中段の刃およびセンター寄せガイド
板と、下段の刃およびセンター寄せガイド板とは、同じ
太さ(導体断面積)の電線に適したものにされている
が、中段のものは、たとえば皮剥長さが相対的に長く設
定され、下段のものは皮剥長さが相対的に短く設定され
ている。このように、同じ導体断面積の電線でも、皮剥
長さが異なる場合は、それぞれ、カット刃、皮剥刃およ
びセンター寄せガイド板を設定することができる。
【0044】このような構成に代えて、カット刃、皮剥
刃およびセンター寄せガイド板は、それぞれ1種類の簡
単な構成としてもよい。あるいは、上記実施例よりもさ
らに多種類の電線に適するように、4種類以上の刃およ
びセンター寄せガイド板が上下に配列されていてもよ
い。さらに、対をなすクランプユニット36a,36b
がベースプレート31に取り付けられている(図10,
11参照)。そしてクランプユニット36aの左端部お
よびクランプユニット36bの右端部は、それぞれ、図
9に示すように、フレーム板34aおよび34bと係合
されている。このクランプユニット36a(36b)と
フレーム板34a(34b)との係合部は、矢印A3,
A4方向にずれ得るようにされている。つまり、図11
に示すように、フレーム板34a(34b)の先端部
(図において左端)には、長細い切れ込み341がつけ
られている。よって、フレーム板34a(34b)が矢
印A3,A4方向に変位しても、それに連動してクラン
プユニット36a(36b)は矢印A3,A4方向に変
位しない。
【0045】一方、図9を参照して、フレーム板34
a,34bが矢印A2方向に変位すると、クランプユニ
ット36a,36bは中央へ寄り合う。逆に、フレーム
板34a,34bが矢印A1方向に変位すると、クラン
プユニット36a,36bは両側へ離れる。クランプユ
ニット36a,36bには、対向面側にそれぞれクラン
プ361a,361bが備えられている。クランプユニ
ット36a,36bが中央に寄り合うと、クランプ36
1a,361b間で電線Pが挟持される。
【0046】クランプユニット36a,36bには、ま
た、挟持用ばね363a,363bが備えられている。
挟持用ばね363a(363b)は、フレーム板34a
(34b)に対してクランプ361a(361b)を中
央側へ弾力付勢する。それゆえ、1対のクランプ361
a,361bは互いに寄り合う方向に弾力付勢されてい
るから、クランプ361a,361bによって電線Pを
確実に挟持することができる。特に、電線Pの太さに関
わらず、電線Pを確実に挟持することができる。
【0047】クランプ361a,361bの手前側(図
9において下側)には、センター寄せラッパ37が配置
されている。このセンター寄せラッパ37はベースプレ
ート31に取り付けられている。ベースプレート31に
は、さらに、シリンダ39が取り付けられている。シリ
ンダ39のロッド391は矢印A3,A4方向に延び、
載置台38と連結されている。それゆえ、シリンダ39
によって載置台38を矢印A3,A4方向へ変位させる
ことができる。載置台38が矢印A3,A4方向に変位
すると、シリンダ32a,32bに連結されたフレーム
板34a,34bも矢印A3,A4方向へ変位する。そ
してフレーム板34a,34bが矢印A3,A4方向へ
変位すると、皮剥刃ユニット35a,35bも矢印A
3,A4方向に変位する。
【0048】一方、クランプユニット36a,36b
は、前述のように、フレーム板34a,34bの変位に
追従せず、そのままの状態である。さらに、カット刃3
51a,351bの寄り合う中央位置の後方側(図9に
おいて上側)には、吸引ノズル393の先端が臨まされ
ている。吸引ノズル393は、皮剥された絶縁電線等の
屑を吸い込むためのものである。
【0049】図12は、皮剥装置の要部拡大平面図であ
り、皮剥する電線Pが挿入され、カット刃対351a,
351b、センター寄せガイド板の対353a,353
b、および、皮剥刃の対352a,352bが中央に寄
り合った状態が示されている。図示のように、センター
寄せガイド板353a,353bは、それぞれカット刃
351bおよび皮剥刃352aに近接されており、互い
に一定隙間D離れて配置されている。そしてこの隙間D
にはセンター寄せガイド板353a,353bに平行
に、屑落とし板50が配置されている。
【0050】屑落とし板50は、図13に示すように、
たとえば薄板で構成されており、電線Pが挿入される孔
51があけられている。この実施例では、対をなすカッ
ト刃351a,351b、皮剥刃352a,352b、
センター寄せガイド板353a,353bが、それぞ
れ、図10に示すように上下方向に3種類配列されてい
ることに対応して、上下に3つの孔51,52,53が
形成されている。屑落とし板50は、その下端部が曲成
されて取付部54が形成され、取付部54には取付用長
孔55が形成されている。この取付部54および取付用
長孔55は、たとえば図9に示す載置台38に固着され
ている。
【0051】屑落とし板50を、このように1枚の薄板
をプレス加工等で型抜きし、曲成することにより構成す
ると、安価に構成できるという利点がある。また、屑落
とし板50は、たとえば厚みがほぼ上記隙間D程度の厚
板を用いてもよい。屑落とし板50の作用は次のとおり
である。図12,13を参照して、ロボットハンドのク
ランプ機構15に備えられた主クランプ爪C1および副
クランプ爪C2によって保持された電線Pの先端自由端
は、A3方向に進入される。このため、電線Pの先端
は、まずセンター寄せラッパ37を通って奥へと進み、
図13に示すように、屑落とし板50の孔51へ挿入さ
れる。そして予め定める位置まで挿入されると、図12
に示すように対をなすカット刃351a,351b、セ
ンター寄せガイド板353a,353b、および、皮剥
刃352a,352bが、それぞれ、互いに交差して、
電線Pのセンター寄せおよび電線Pの先端のカット、絶
縁被覆への切れ目付けが行われる。そしてその状態でカ
ット刃351a,351b、センター寄せガイド板35
3a,353b、皮剥刃352a,352b、および、
屑落とし板50は矢印A3方向にずれることによって皮
剥が達成される。その後カット刃351a,351b、
センター寄せガイド板353a,353b、および、皮
剥刃352a,352bが左右方向へ開く。この場合に
おいて、剥がされた絶縁被覆等、すなわち皮剥屑は吸引
ノズル393で吸い込まれる。
【0052】ところが、カット刃351a,351bお
よび皮剥刃352a,352bが開く際に、皮剥屑が左
右いずれかのカット刃351a,351bまたは皮剥刃
352a,352bに付着して、左右へ開く刃と一緒に
移動するという事態が生じることがある。これを放置し
ておくと、皮剥屑は吸引ノズル393は皮剥屑を吸い込
めない。そこで、カット刃351a,351bおよび皮
剥刃352a,352bが左右へ開く際に、いずれかの
刃に皮剥屑がくっついていた場合、その皮剥屑を刃から
外すように作用するのが屑落とし板50である。すなわ
ち、屑落とし板50に刃と一緒に変位しようとする皮剥
屑がぶつかることで、皮剥屑は刃から外れる。屑落とし
板50によって刃から外された皮剥屑は吸引ノズル39
3により吸い込まれる。
【0053】図12および図13に示す屑落とし板50
は、皮剥後、カット刃351a,351bまたは皮剥刃
352a,352bにくっついている皮剥屑を該刃から
落とすという機能面からは十分なものである。ところが
反面、電線Pの先端を挿入する孔51,52,53の径
が小さい場合、もし電線Pの先端が図13に一点鎖線で
示すように曲がっている場合は、電線Pの先端と板50
とが干渉し、孔51に入らないという欠点がある。ま
た、図12に示すように、センター寄せガイド板353
a,353bの隙間Dに対し、屑落とし板50が薄い場
合は、センター寄せガイド板353a,353bと屑落
とし板50との隙間のために、吸引ノズル393による
吸引時に空気漏れが生じ、皮剥屑の吸い込みが良くない
という問題もある。
【0054】そこで、このような問題を解決するため
に、図12,図13に示す屑落とし板50に代えて、図
14,図15に示すものを採用してもよい。図14は、
図12と同様に皮剥装置の要部拡大平面図であり、図1
5は、図14に採用されている他の実施例にかかる屑落
とし板60の斜視図である。この屑落とし板60の特徴
は、上下方向に延びる、左右に配置された長細い2枚の
厚板61,62と、2枚の厚板61,62の上端に連結
され、2枚の厚板61,62を一定間隔で保持するため
の保持部材63とを備えていることである。保持部材6
3は平面形状が略コ字状をしている。そして取付用長孔
64が形成されている。この保持部材63は、たとえば
吸引ノズル393を保持する吸引ノズルステー57にね
じ65で取り付けられている。このような屑落とし板6
0を用いると、クランプ機構15の爪C1,C2で保持
されて挿入される電線Pの先端の自由端が多少曲がって
いても、それによって電線Pの挿入が妨げられることは
ない。すなわち、2枚の厚板61,62の間隔は十分に
広く、しかも、2枚の厚板61,62は左右を区画する
だけで、2枚の厚板61,62で挟まれた空間の上下方
向は全く遮るものがない。よって、電線Pの先端自由端
は厚板61,62と干渉することなく、電線を確実に所
定の位置まで挿入できる。
【0055】一方、屑落とし板60は、上述のように、
カット刃351a,351bおよび皮剥刃352a,3
52bが左右に開こうとする場合に、いずれかの刃に皮
剥屑がくっついたままの皮剥屑が右または左へ移動しよ
うとするのを防止する役目をする。この屑落とし板60
を用いると、刃が開くのに伴い、その刃にくっついた皮
剥屑が右または左へ変位しようとしても、厚板61また
は62とぶつかって、開こうとする刃から外される。よ
って、この実施例の屑落とし板60でも、その機能は全
く損なわれてはいない。
【0056】また、屑落とし板60で落とされた皮剥屑
は吸引ノズル393で吸引される。この場合、屑落とし
板60の厚板61,62の厚みはセンター寄せガイド板
353a,353bの隙間Dとほぼ等しくされている。
よって、吸引ノズル393による吸引時に、空気漏れが
なく、良好な皮剥屑の吸引が実現される。図15に示す
屑落とし板60では、2枚の厚板61,62は上端部で
保持部材63により保持されているが、保持部材63は
下端部に設けてもよい。
【0057】また、屑落とし板は、図15に示すような
構成に代え、1枚の厚板で構成し、その厚板の中央部に
上下に延びる大きな窓を形成したものであってもよい。
このように、図14,15に示す屑落とし板60を採用
すると、電線Pの先端自由端が多少曲がっていても、電
線Pの挿入時に、屑落とし板60と電線先端とが干渉せ
ず、電線Pを良好に皮剥位置へ挿入することかできる。
特に電線Pの先端が上下方向に曲がっていても、全く干
渉は生じない。また、吸引ノズル393による吸引効果
を向上させることができる。
【0058】図16は、皮剥時におけるセンター寄せガ
イド板353a,353b、カット刃351a,351
bおよび皮剥刃352a,352bの動作を説明するた
めの図である。次に、図9、14および16を参照し
て、この皮剥装置30の全体的な動作について説明す
る。皮剥刃ユニット35a,35bが互いに寄り合って
いない状態、すなちシリンダ32a,32bによってフ
レーム板34a,34bが矢印A2方向に変位されてい
ない状態で、ロボットハンドR1,R2によってクラン
プされた電線Pの自由端部が皮剥装置30へ挿入され
る。挿入された電線Pの自由端部は、センター寄せラッ
パ37を通り、その奥に設けられた屑落とし板60の厚
板61,62間を通り、皮剥装置30の奥へと入る。こ
のとき、ロボットハンドR1(R2)は、皮剥装置30
に対して予め定められた位置まで移動する。
【0059】電線Pの端部が挿入された後、皮剥装置3
0では、まず、シリンダ32a,32bが作動される。
そしてロッド33a,33bに連結されたフレーム板3
4a,34bが矢印A2方向へ変位される。これによ
り、クランプユニット36a,36bが中央方向へ互い
に寄り合い、ロボットハンドR1(R2)でクランプさ
れた電線の根元部分がしっかりと挟持される。
【0060】と同時に、皮剥刃ユニット35a,35b
も、中央に寄り合い、対応するカット刃351a,35
1b、センター寄せガイド板353a,353b、およ
び、皮剥刃352a,352bが、それぞれ、互いに交
差して、電線P先端のカット、電線Pのセンター寄せお
よび電線Pの絶縁被覆への切れ目づけが行われる。この
場合において、1対のセンター寄せガイド板353a,
353bは、互いの間隔が最も狭い。また、次に間隔が
狭いのは1対のカット刃351a,351bであり、最
も間隔が広いのは1対の皮剥刃352a,352bであ
る。したがって、皮剥刃ユニット35a,35bが互い
に寄り合うとき、図16(a)に示すように、まずセン
ター寄せガイド板353a,353bが交差を始める。
センター寄せガイド板353a,353bは、その名前
のとおり、電線Pの先端を中央へ沿わせるための部材で
ある。センター寄せガイド板353a,353bの交差
量が増加すると、電線は横方向に深いガイド溝354に
よって囲まれ、中央へ誘導される。
【0061】また、センター寄せガイド板353a,3
53bの交差量の増加とともに、1対のカット刃351
a,351bが交差を始める。図17に、カット刃35
1a,351bの斜視図を示す。図17に示すように、
カット刃351a,351bの刃先は平面がV字状にな
っている。それゆえカット刃351a,351bが互い
に近接し、V字状の刃先の底部が交差すると、その中に
挿入されている電線先端の切断が行われる。皮剥刃35
2a,352bも、同様に刃先がV字状の1対の刃とな
っている。
【0062】一方、皮剥刃352a,352bは、両者
が最も近接した状態で、V字形の刃先の底部が完全に重
なり合わないように取り付けられている。つまり、皮剥
刃352a,352bは、完全に交差してしまうと、電
線Pを切断してしまう。それゆえ、電線Pの絶縁被覆に
切れ目は入るが、電線Pの芯線には刃先が届かない程度
に交差するようにされている(図16(b)参照)。
【0063】以上のように、皮剥刃ユニット35a,3
5bが互い寄り合うことにより、センター寄せガイド板
353a,353bで電線先端部がセンター寄せされな
がら、カット刃351a,351bによって先端部の不
要な長さ部分が切断され、さらに電線Pの切断された先
端から絶縁被覆の皮剥に必要な長さだけ入り込んだ部分
の絶縁被覆に皮剥刃352a,352bによって切れ目
が入れられる。
【0064】次に、この皮剥刃ユニット35a,35b
が互いに寄り合った状態で、シリンダ39が駆動され
て、載置台38が矢印A3方向へ変位される。これによ
り、載置台38に取り付けられた1対のシリンダ32
a,32b、1対のシリンダ32a,32bに連結され
たフレーム板34a,34bおよびフレーム板34a,
34bに取り付けられた皮剥刃ユニット35a,35b
が変位される。すなわち、カット刃351a,351
b、センター寄せガイド板353a,353bおよび皮
剥刃352a,352bが矢印A3方向へ変位される。
【0065】この場合において、クランプユニット36
a,36bは、互いに寄り合っており、電線Pを挟持し
ている。しかし、このクランプユニット36a,36b
は矢印A3,A4方向に関しては、フレーム板34a,
34bと一緒には移動しない。それゆえ、電線Pはクラ
ンプ体361a,361bでしっかりと挟持されたま
ま、皮剥刃ユニット35a,35bおよび屑落とし板6
0は矢印A3方向へ変位される。これにより、電線Pの
先端部の皮剥が実現される。
【0066】この実施例のようにクランプユニット36
a,36bで電線を挟持した状態で、皮剥刃ユニット3
5a,35bを変位させて皮剥処理を行うようにする
と、皮剥時にロボットハンドR1(R2)に力が加わら
ない。すなわち、クランプユニット36a,36bを設
けなければ、皮剥刃ユニット35a,35bが矢印A3
方向へ変位する際に、電線Pの根元部はロボットハンド
R1(R2)でクランプされているから、電線Pの根元
部をクランプしたロボットハンドに対して電線Pを矢印
A3方向へ引っ張る力が加わる。ロボットハンドR1
(R2)のクランプ力は、あまり強くないから、クラン
プされた電線Pはそのまま矢印A3方向へ引っ張られ、
皮剥がうまく行われないことがある。このような弊害を
除いて確実に皮剥処理が行われるようにするためには、
ロボットハンドR1(R2)のクランプ力を強化する必
要がある。しかしロボットハンドR1(R2)のクラン
プ力の強化は容易ではない。また、たとえロボットハン
ドR1(R2)のクランプ力を強化したとしても、ロボ
ットハンドR1(R2)によりクランプされた電線の先
端部が引っ張られる際に、ロボットハンドR1(R2)
自体が引っ張られて位置ずれを起こすおそれもある。
【0067】そこでこの実施例では、皮剥処理が確実に
行われるように、上述のクランプユニット36a,36
bが備えられている。その後、1対のシリンダ32a,
32bが駆動されて、皮剥刃ユニット35a,35bが
左右に開かれるように変位される。このとき、上述した
ようにカット刃351a,351b、皮剥刃352a,
352bのいずれかの刃に皮剥屑がくっついたまま右ま
たは左へ移動しようとすることがある。しかし、刃に付
着した皮剥屑は、屑落とし板60の厚板61または62
にぶつかり、付着していた刃から落とされる。そしてこ
のとき、吸引ノズル393によって吸引が行われている
から、刃から落とされた皮剥屑は吸引ノズル393に吸
い込まれ、図示しない屑入れに導かれる。よって、皮剥
ユニット35a,35b付近に多数の皮剥屑が散乱する
ことがない。その後皮剥装置30は元の位置に戻る。
【0068】以上の実施例では、皮剥装置30は、1対
の皮剥刃ユニット35a,35bを互いに寄り合う方向
へ移動させるのに、2つのシリンダ32a,32bを用
いた例を示したが、単一のシリンダによって1対の皮剥
ユニット35a,35bが互いに寄り合い、かつ離れる
ような機構としてもよい。なお、上述の実施例では、電
線種類が変わり、装着しているカット刃や皮剥刃を用い
ることができなくなったときには、その変わった電線に
最適な皮剥が行えるようにカット刃351a,351b
および皮剥刃352a,352bを交換することができ
る。
【0069】また、上述の実施例では、センター寄せガ
イド板353a,353bは、カット刃351a,35
1bと皮剥刃352a,352bとの間に配置した例を
示したが、ここに限らず、センター寄せガイド板353
a,353bを皮剥刃352a,352bの手前側(電
線Pの挿入方向手前側)に設けてもよい。この発明は以
上の実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨
を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができ
る。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の皮剥装置によれば、先端
が自由状態に保持されたいわゆる片持ち電線の先端部の
絶縁被覆を除去する皮剥を行うにあたって、1対のカッ
ト刃および1対の皮剥刃で皮剥を良好に行うことができ
る。しかも、皮剥屑がカット刃または皮剥刃のいずれか
にくっついていても、屑落とし手段で該刃から離される
ので、続いて行われる皮剥処理において、先に行われた
皮剥処理において生じた皮剥屑が邪魔になる等の心配が
ない。また、刃から外された皮剥屑を吸引ノズル等によ
り吸引するようにし、所定の屑入れに導かれるようにす
れば(請求項第5項)、カット刃や皮剥刃の付近に皮剥
屑が散乱することがない。
【0071】請求項2記載の皮剥装置によれば、電線の
先端自由端を進入させる際に、電線の先端が少し曲がっ
ていても、電線の先端と屑落とし手段とが干渉せず、電
線の進入が妨げられない。請求項3記載の皮剥装置によ
れば、屑落とし手段が1枚の板材を含む構成であるか
ら、この板材を皮剥装置の所定の位置に配置固定すれば
よく、屑落とし手段の位置決めおよび装着が容易に行え
る。
【0072】請求項4記載の皮剥装置によれば、屑落と
し手段で落とされた皮剥屑を吸引ノズル等で吸引する際
に、吸引が良好に行える。請求項5記載の皮剥装置によ
れば、上記の吸引が実現できる。請求項6記載の皮剥装
置によれば、センター寄せガイド板により、カット刃お
よび皮剥刃で皮剥処理がされる前の電線がカット刃およ
び皮剥刃に沿わされるから、精度の良い皮剥が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはこの発明の一実施例にかかるワイヤーハー
ネス製造装置の概略構成を示す平面図である。Bはその
正面図である。
【図2】第1ステーション1およびそれに隣接配置され
た各装置の概略構成を示す平面図である。
【図3】ロボットハンドR1の全体構成を説明するため
の斜視図である。
【図4】ロボットハンドR1のクランプ機構15の詳細
な構成を表わす部分斜視図である。
【図5】ロボットハンドR1による電線PのA端のクラ
ンプを説明するための図である。
【図6】ロボットハンドR2による電線PのB端のクラ
ンプを説明するための図である。
【図7】ロボットハンドR1による皮剥処理を説明する
ための図である。
【図8】ロボットハンドR1による端子圧着を説明する
ための図である。
【図9】この発明の一実施例にかかる皮剥装置30の平
面図である。
【図10】この発明の一実施例にかかる皮剥装置30を
電線挿入面側から見た正面図である。
【図11】この発明の一実施例にかかる皮剥装置30の
右側面図である。
【図12】この発明の一実施例にかかる皮剥装置の要部
拡大平面図である。
【図13】この発明の一実施例に採用された屑落とし板
50の構成を説明するための斜視図である。
【図14】この発明の他の実施例にかかる皮剥装置の要
部拡大平面図である。
【図15】この発明の他の実施例に採用された屑落とし
板の構成を説明するための斜視図である。
【図16】この発明の一実施例にかかる皮剥装置30に
おける皮剥時のセンター寄せガイド板353a,353
b、カット刃351a,351bおよび皮剥刃352
a,352bの動作を説明するための図である。
【図17】カット刃352a,352bの斜視図であ
る。
【符号の説明】
30 皮剥装置 35a,35b 皮剥刃ユニット 351a,351b カット刃 352a,352b 皮剥刃 353a,353b センター寄せガイド板 393 吸引ノズル 50 屑落とし板 51,52,53 孔 60 屑落とし板 61,62 厚板 63 保持部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が自由状態の電線の先端部分の絶縁被
    覆を除去する皮剥装置において、 互いに寄り合ったり離れたりし得るように設けられ、互
    いに寄り合うことによって電線の先端を切断する1対の
    カット刃、 前記1対のカット刃と所定の間隔をあけて配置され、互
    いに寄り合ったり離れたりし得るように設けられ、互い
    に寄り合うことによって、電線の先端から所定の長さ離
    れた位置の電線端部の絶縁被覆に切れ目を付ける1対の
    皮剥刃、ならびに前記1対のカット刃と1対の皮剥刃と
    の間に配置され、皮剥屑が前記カット刃または皮剥刃の
    いずれかにくっついたまま変位しようとする時、該皮剥
    屑を刃から離す屑落とし手段、を含むことを特徴とする
    皮剥装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の皮剥装置において、 前記屑落とし手段は、電線の進入方向に交差方向に、所
    定の間隔をあけて配置された2枚の板材を含むことを特
    徴とするものであ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の皮剥装置において、 前記屑落とし手段は、電線の進入開口が形成された1枚
    の板材を含むことを特徴とするものである。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の皮剥装置におい
    て、前記屑落とし手段に含まれる板材は、前記1対のカ
    ット刃と1対の皮剥刃との間の対向間隔にほぼ等しい厚
    みの板材であることを特徴とするものである。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の皮剥
    装置において、 さらに、前記1対のカット刃に対して屑落とし手段が配
    置された側と反対側には、前記皮剥屑を吸引する吸引手
    段が設けられていることを特徴とするものである。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の皮剥
    装置において、さらに、前記カット刃による電線先端の
    切断および皮剥刃による絶縁被覆への切れ目付けに先立
    って、前記電線を1対のカット刃の寄り合う中央および
    1対の皮剥刃の寄り合う中央に沿わせるセンター寄せ手
    段を含み、該センター寄せ手段は、互いに寄り合ったり
    離れたりし得る1対のガイド板を含み、1対のガイド板
    のうちの一方のガイド板は前記カット刃と屑落とし手段
    との間に配置されており、他方のガイド板は前記屑落と
    し手段と皮剥刃との間に配置されていることを特徴とす
    るものである。
JP6000342A 1994-01-06 1994-01-06 皮剥装置 Expired - Fee Related JP2956466B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6000342A JP2956466B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 皮剥装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6000342A JP2956466B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 皮剥装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07203612A true JPH07203612A (ja) 1995-08-04
JP2956466B2 JP2956466B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=11471207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6000342A Expired - Fee Related JP2956466B2 (ja) 1994-01-06 1994-01-06 皮剥装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2956466B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4519222B2 (ja) * 1999-07-19 2010-08-04 宇部日東化成株式会社 光ファイバケーブル用スペーサの解体処理装置用分離ガイド
CN107598661A (zh) * 2017-09-26 2018-01-19 太仓贝斯特机械设备有限公司 一种防粘型剥皮推头
CN116316313A (zh) * 2023-05-16 2023-06-23 浙江品恩泰克科技有限公司 一种太阳能光伏直流电缆加工设备

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4519222B2 (ja) * 1999-07-19 2010-08-04 宇部日東化成株式会社 光ファイバケーブル用スペーサの解体処理装置用分離ガイド
CN107598661A (zh) * 2017-09-26 2018-01-19 太仓贝斯特机械设备有限公司 一种防粘型剥皮推头
CN116316313A (zh) * 2023-05-16 2023-06-23 浙江品恩泰克科技有限公司 一种太阳能光伏直流电缆加工设备
CN116316313B (zh) * 2023-05-16 2023-10-17 浙江品恩泰克科技有限公司 一种太阳能光伏直流电缆加工设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2956466B2 (ja) 1999-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1069684A (en) Manufacture of wiring harness
US8528199B2 (en) Manufacturing apparatus for wiring harnesses and a manufacturing method for wiring harnesses
JP2870761B2 (ja) 電気ハーネスの製造装置
US4980958A (en) Electrical cable-making apparatus
JPH0315118A (ja) ワイヤハーネス用自動圧接布線装置
US5797299A (en) Wire cutting and stripping mechanism
JPH02278679A (ja) 自動圧接機におけるシールドリボンケーブルの切断処理方法及びその装置
JP2852527B2 (ja) ワイヤハーネスの製造方法および装置
US5226224A (en) Method of removing sheath from electric wire in intermediate region
JPS63166110A (ja) 電線束自動製造装置
JPH07203612A (ja) 皮剥装置
JPH0765652A (ja) ワイヤーハーネスの製造方法およびその方法を実現するためのワイヤーハーネス製造装置
ES8506509A1 (es) Un aparato desprendedor paradesnudar alambres electricos recubiertos
US6353993B1 (en) Cable finishing and resistance testing machine
JPH0787642A (ja) 皮剥装置
JP4094188B2 (ja) 被覆電線の皮剥き方法および装置
WO1987000354A1 (en) Apparatus for assembling an electrical connector to a cable
EP0453311B2 (en) Method and apparatus for inserting stator coil lead wires into terminals having wire-receiving channels
US20210249832A1 (en) Foil peeling apparatus and foil peeling method
JPS6345780A (ja) 端子付電線の插入装置
JP7429328B1 (ja) 電線切断皮剥き装置、端処理電線製造装置、及び、端処理電線の製造方法
JPH0555994B2 (ja)
JPH0244474Y2 (ja)
GB2096027A (en) Mechanism for the treatment of electrical conductors
JPS61147412A (ja) 枝付電線加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees