JPH0720323Y2 - 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置 - Google Patents

4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置

Info

Publication number
JPH0720323Y2
JPH0720323Y2 JP2205689U JP2205689U JPH0720323Y2 JP H0720323 Y2 JPH0720323 Y2 JP H0720323Y2 JP 2205689 U JP2205689 U JP 2205689U JP 2205689 U JP2205689 U JP 2205689U JP H0720323 Y2 JPH0720323 Y2 JP H0720323Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
rocker
rocker shaft
switching device
cylinders
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2205689U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02112904U (ja
Inventor
達也 新海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2205689U priority Critical patent/JPH0720323Y2/ja
Publication of JPH02112904U publication Critical patent/JPH02112904U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0720323Y2 publication Critical patent/JPH0720323Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は4サイクルエンジンの吸・排気バルブを駆動
する動弁装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に自動車、自動二輪車等の車両に搭載される4サイ
クルエンジンでは燃焼室上方に吸・排気バルブが配設さ
れており、動弁装置はこの吸・排気バルブを作動させる
ためのカムシャフトを具えている。そしてこのカムシャ
フトがエンジンの動力により回転すると、カムシャフト
に形成された固有のカムプロフィールを有するカムによ
って吸・排気バルブが所定のタイミングで上下動し混合
気の吸入と燃焼ガスの排気とを行う。
なお、上述した従来の動弁装置では、吸・排気バルブの
それぞれは、常に同一のカムプロフィールを有するカム
によって作動されており、このため、エンジンの回転数
に応じて設定される各バルブの開閉タイミング及びカム
の回転により上下動されるバルブのリフト量は変動する
ことなく常に一定である。
一方、自動二輪車等の車両に搭載される上述した4サイ
クルエンジンでは低回転数域から中・高回転数域にかけ
ての広い回転数域内で高い出力、すなわちパワーバンド
の広帯域化を獲得することが要求されている。
ところが上述した従来の動弁装置では、吸・排気バルブ
のそれぞれは、常に同一のカムプロフィールを有するカ
ムによって作動されるので各バルブの開閉タイミング及
びバルブのリフト量は変動することなく常に一定である
ので、エンジンの出力特性は概ねバルブを作動させるカ
ムのカムプロフィールにより制限され、特定のエンジン
回転数域でピーク値を有する出力特性となり、このた
め、低回転数域から中・高回転数域にかけての広い回転
数域で一層に高い出力を獲得することが出来なかった。
そこで、本願出願人は、上述した事情に鑑み、ロッカー
シャフトの回転により使用するカムを切替え、これによ
り低回転数域から中・高回転数域にかけての広い回転数
域内で出力を向上させるようにした4サイクルエンジン
のカム切替装置を提案した。
第9図は本願出願人が提案したカム切替装置1を示す要
部概念斜視図である。なお、このカム切替装置1は1シ
リンダに対し吸気弁側と排気弁側にそれぞれ一箇所づつ
計二箇所配設されている。
このカム切替装置1はカムプロィールが異なる2種類の
カム2、3が隣接して形成されたカムシャフト4と、こ
のカムシャフト4の下方に配設された第1及び第2のロ
ッカーアーム5、6と、この各ロッカーアーム5、6の
各支持部5a、6a内に嵌挿し、かつ図示せぬ軸受部により
回動自在に支承されたロッカーシャフト7とから構成さ
れている。
このうち前記カムシャフト4に形成されたカム2はカム
リフト量が小さくかつバルブの開閉期間が短く設定され
た、いわゆる低速回転域においてエンジンの出力を向上
させるに好適なカムプロフィールを有するカム(以下低
速回転用カムと言う)であり、一方隣接して形成された
カム3は前記カム2とは対称的に全周に渡って前記カム
2よりもカムリフト量が大きくかつバルブの開閉期間が
長く設定された、いわゆる中・高速回転においてエンジ
ンの出力を向上させるに好適なカムプロフィールを有す
るカム(以下高速回転用カムと言う)である。
なお、前記第1及び第2のロッカーアーム5、6のうち
第1のロッカーアーム5はカムシャフト4に形成された
低速回転用カム2の下方に配設され、先端5b、5cは二股
に分岐して、図示せぬエンジンの燃焼室を開閉するバル
ブのバルブステム8、9頭部に直接接当するように配設
されている。また隣接する第2のロッカーアーム6はカ
ムシャフト4に形成された高速回転用カム3の下方に配
設され、先端6bは前記の第1のロッカーアーム5の先端
上面5dと係合するように配設されている。
一方、上述した第1及び第2のロッカーアーム5、6を
回動自在に支承するロッカーシャフト7には、このロッ
カーシャフト7の他の部分よりも径が大きく、しかも軸
心が他の部分の軸心から偏心したエキセントリック大径
部10が形成されており、このエキセントリック大径部10
は前記第2のロッカーアーム6の支持部6a内に嵌挿して
いる。そして、このエキセントリック大径部10は前記ロ
ッカーシャフト7に嵌挿したエキセントリックブッシュ
11と、このエキセントリックブッシュ11をロッカーシャ
フト7に固着させるピン12とにより構成されている。な
お、第9図の要部破断平面図で示す第10図のように、エ
キセントリックブッシュ11とロッカーシャフト7とには
寸法公差が厳密に管理され、しかも前記ピン12の径より
も若干径の小さい孔11a、7aが形成されており、この孔1
1a、7a内に前記ピン12を打ち込むことによりエキセント
リックブッシュ11とロッカーシャフト7とが互いに固着
される。
なお、第9図で符号13はそれぞれバルブクリアランス調
整用のネジ部であり、また符号14はバルブスプリングで
ある。
次に上述したカム切替装置1の動作を説明する。
図示せぬサーボモータ及びワイヤー等の回動手段によ
り、4サイクルエンジンの低回転数域で前記ロッカーシ
ャフト7を所定角度回転させ、第9図に示す位置に停止
させると、ロッカーシャフト7の軸心から最も遠ざかっ
たエキセントリックブッシュ11の表面11bが最下端に位
置するので、前記第2のロッカーアーム6の支持部6aの
みは前記第1のロッカーアーム5の支持部5aに対して相
対的に下方へ移動しそこに停止する。
このようなロッカーシャフト7の停止位置によると、第
2のロッカーアーム6の支持部6aのみが前記第1のロッ
カーアーム5の支持部5aに対して相対的に下方へ移動す
るので第9図の要部断面側面図で示す第11図のように、
カムシャフト4に形成された高速回転用カム3の周面
と、記第2のロッカーアーム6との間に隙間tが形成さ
れることとなり、このため高速回転用カム3と第2のロ
ッカーアーム6との周面との当接は解除され、高速回転
用カム3は空振り状態で回転することとなる。
なお、エキセントリックブッシュ11の外径及び偏心量は
上述した隙間tを形成すべく設定されることは言うまで
もない。
一方、第9図に示すロッカーシャフト7の停止位置によ
ると、前記第1のロッカーアーム5はバルブスプリング
14の付勢力によってロッカーシャフト7の軸心を中心と
して常時上方へ押し上げられているので、前記第1のロ
ッカーアーム5と低速回転用カム2の周面とは常時当接
し、このため第9図に示すロッカーシャフト7の停止位
置でカムシャフト4が回転すると、燃焼室を開閉するバ
ルブのバルブステム8、9は前記低速回転用のカム2の
カムプロフィールに追従して上下動するので、バルブは
低速回転で好適なバルブの開閉タイミング及びバルブの
リフト量を確保しつつ燃焼室を開閉することとなる。
一方、上述した図示せぬサーボモータ等の回転手段によ
り、4サイクルエンジンの中・高速回転数域で前記ロッ
カーシャフト7を第9図に示す位置から所定角度回転さ
せ、第9図と同一部分を同一符号で示す第12図に位置に
停止させると、ロッカーシャフト7の軸心から最も遠ざ
かったエキセントリックブッシュ11の表面11bが最上端
に位置するので、前記第2のロッカーアーム6の支持部
6aのみが前記第1のロッカーアーム5の支持部5aと同等
の位置へ上昇しそこに停止する。
このようなロッカーシャフト7の停止位置によると、第
2のロッカーアーム6の支持部6aのみが前記第1のロッ
カーアーム5の支持部5aに対して相対的に上方へ移動す
るので第12図の要部側断面図で示す第13図のように、カ
ムシャフト4に形成された高速回転用カム3の周面と前
記第2のロッカーアーム6とが当接することとなる。
一方、第12図に示すカムシャフト4に形成された高速回
転用カム3の周面と前記第2のロッカーアーム6とが当
接すると、当該高速回転用カム3の方が低速回転用のカ
ム2よりもカムリフト量が大きく確保されるように形成
されており、また前記第2のロッカーアーム6の先端6b
が前記の第1のロッカーアーム5の先端上面5dと係合す
るように配設されていることから、第12図に示すロッカ
ーシャフト7の停止位置でカムシャフト4が回転する
と、低速回転用のカム2は空振り状態で回転するととも
に第1のロッカーアーム5は第2のロッカーアーム6の
先端6bに押されて作動するので、燃焼室を開閉するバル
ブのバルブステム8、9は前記高速回転用カム3のカム
プロフィールに追従して上下動することとなり、このた
めバルブは高速回転で好適なバルブの開閉タイミング及
びバルブのリフト量を確保しつつ燃焼室を開閉すること
となる。
上述したカム切替装置1によると、エンジンの各回転域
に応じてバルブを作動させるカムのカムプロフィールを
高速回転用と低速回転用の2種類のカムの中から選択す
ることが出来るため、各バルブの開閉タイミング及びバ
ルブのリフト量をエンジン回転数域に応じて最適な値に
変動させることが出来、このため低回転数域から中・高
回転数域にかけての広い回転数域内で4サイクルエンジ
ンの出力を向上させることが出来る。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述したカム切替装置1を4サイクル並列4
気筒エンジンに適用する場合は、第14図の概念平面図で
示すように、シリンダヘッドの吸・排気側にそれぞれ一
本づつロッカーシャフト7を配設するとともに、そこに
前記高速回転用と低速回転用のカム2、3とにより作動
されるカム切替装置1の第1と第2のロッカーアーム
5、6を気筒の数に応じた数だけ支承させ、この吸・排
気側に各一本づつ配設されたロッカーシャフト7を図示
せぬ独立した駆動装置(例えばサーボモータ及びワイヤ
ー)によってそれぞれ独立に回動させ、これにより複数
のカム切替装置1の操作を吸・排気側ごとに一時におこ
なわせるが考えられる。
なお、第14図では図示が省略されているが、吸気側の各
ロッカーアーム5、6の上部には吸気側のロッカーアー
ムを全て駆動する一本のカムシャフト4が、また排気側
の各ロッカーアーム5、6の上部には排気側のロッカー
アームを全て駆動する別の一本のカムシャフト4とがそ
れぞれ配設されていることは言うまでもない。
なお、吸・排気側の各バルブは開閉タイミングがれぞれ
異なるので、シリンダヘッドの吸・排気側双方に配設さ
れた複数のカム切替装置1全てをを同時に切り替えるこ
とは出来ず、従って、吸・排気側に配設された各ロッカ
ーシャフト7はそれぞれ作動タイミングが異なった独立
した駆動装置を使用して吸・排気側に位置する前記各一
対のロッカーシャフト7をそれぞれ独立して回動せざる
を得ない。
一方、並列4気筒エンジンでは通常♯1と♯2シリンダ
間のクランク回転角は180°であり、また♯3、♯4シ
リンダ間のクランク回転角も180°であるので、このた
め吸・排気側にそれぞれ配設された複数のロッカーアー
ムを作動させるために、該ロッカーアームの上部に配設
されたカムシャフト4には、各気筒間のクランク回転角
度の位相差に応じて各ロッカーアームを駆動する複数個
(並列4気筒では一本のカムシャフトに高速用及び低速
用のカムが各4個づつ計8個)のカムがそれぞれ形成さ
れている。これを、例えば高速回転用カム3を例にとる
と第14図のA視による拡大側面図で示す第15図のように
各気筒のロッカーアームの作動時期に対応し、高速用カ
ム3はそれぞれ180°づつ位相をずらして同一のカムシ
ャフト4に計4個形成されている。なお、第15図で、符
号3(♯1)は♯1シリンダに配設されたカム切替装置
1のロッカーアームを作動させるための高速用カム3
を、3(♯2)は♯2シリンダに配設されたカム切替装
置1のロッカーアームを作動させるための高速用カム3
を、(♯3)は♯3シリンダに配設されたカム切替装置
1のロッカーアームを作動させるための高速用カム3
を、3(♯4)は♯4シリンダに配設されたカム切替装
置1のロッカーアームを作動させるための高速用カム3
をそれぞれ示している。
ところが、第15図に示すように180°づつ位相をずらし
て形成された各カム3(♯1)、3(♯2)、3(♯
3)、3(♯4)に対し所定の中・高回転数域でロッカ
ーシャフト7を回転させ、そのエキセントリック大径部
10(第12図)により各シリンダごとに配設された複数の
第2のロッカーアーム6を同時に上方へ移動させようと
すると、いずれかのシリンダに対応する第2のロッカー
アーム6が高速用カム3のバルブリフト時におけるカム
プロフィールと当接することが考えられる。このように
第2のロッカーアーム6が高速用カム3のバルブリフト
時におけるカムプロフィールと当接すると、その際のカ
ムの押圧力により、ロッカーシャフト7の回転動作に大
きな負荷を与え、このためカム切換え時におけるロッカ
ーシャフト7のスムーズな回転を確保することができな
くなるばかりでなく、その際のカムの押圧力により、ロ
ッカーアーム6及びロッカーシャフト7に大きなストレ
スを与え、極端な場合はロッカーアーム6とロッカーシ
ャフト7に損傷を与える虞もある。
この考案は上述した事情に鑑み、ロッカーシャフトの回
動により使用するカムを切替えるカム切替装置を装着し
た4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置において、
使用するカムを切替える際に、ロッカーシャフトに対し
ストレスを与えることなくその回動を許容させるととも
に、回動するロッカーシャフトの確実な位置決めを図る
ようにしたものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決するため、この考案では、4サイク
ル並列4気筒エンジンのシリンダヘッド吸・排気側に、
それぞれロッカーシャフトの回動によりロッカーアーム
を駆動するカムを切替えるカム切替装置を配設するよう
にした4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置におい
て、前記ロッカーシャフトを♯1、♯2シリンダの吸気
側に配設された前記カム切替装置のみを操作する第1の
ロッカーシャフトと、♯1、♯2シリンダの排気側に配
設された前記カム切替装置のみを操作する第2のロッカ
ーシャフトと、♯3、♯4シリンダの吸気側に配設され
た前記カム切替装置のみを操作する第3のロッカーシャ
フトと、♯3、♯4シリンダの排気側に配設された前記
カム切替装置のみを操作する第4のロッカーシャフト
と、前記第1乃至第4のロッカーシャフトの各周面円周
方向であって、該第1乃至第4のロッカーシャフトを支
承する軸受孔に対応する位置に形成された所定長の溝
と、先端が前記軸受孔の内に突出し、前記溝内に係合す
るストッパボルトとからなり、前記第1乃至第4のロッ
カーシャフトの所定角度以上の回動を規制するととも
に、各ロッカーシャフトの軸方向に対する移動を規制す
るストッパー手段とを具え、これにより前記各分離され
た前記4本のロッカーシャフトをそれぞれ所定のタイミ
ングで独立に所定の回転角度回動させるようにしてい
る。
〔作用〕
上述した動弁装置によると、4サイクル並列4気筒エン
ジンでは♯1、♯2シリンダは互いに180°位相がずれ
たクランク回転角を有しており、また♯3、♯4シリン
ダも同様に180°位相がずれたクランク回転角を有して
いるので、♯1、♯2シリンダと、♯3、♯4シリンダ
の各吸・排気側にそれぞれ一対づつ配設されたカム切替
装置の各ロッカーアームをそれぞれ作動させるカム間に
は、互いのカムプロフィール上で無リフト、即ち双方の
カムともロッカーシャフトに対し無負荷の状態で回転す
る区間があり、♯1、♯2シリンダと♯3、♯4シリン
ダの各吸・排気側に配設されたそれぞれ4本の独立した
ロッカーシャフトをそれぞれ上述した区間内に独立して
回転させると、各ロッカーシャフトはストレスを受ける
ことなく回転しカム切替装置のカム切替操作がスムーズ
におこなえるとともに、ロッカーシャフトはストッパ手
段により所定の回転位置に正確に位置決め停止されるこ
ととなる。
〔実施例〕
以下、この考案に係わる4サイクル並列4気筒エンジン
の動弁装置の一実施例を詳述する。
第1図はこの考案に係わる動弁装置を装着した4サイク
ル並列4気筒エンジンのシリンダヘッド40の概念平面図
で、第9図乃至第15図と同一部分を同一符号で示す。
この4サイクル並列4気筒エンジンのシリンダヘッドで
は、♯1、♯2、♯3、♯4シリンダの吸・排気側に
は、ロッカーシャフトの回動により、使用するカムの種
類を切替えることが出来るカム切替装置1がシリンダ数
に対応して8カ所(吸気側4カ所、排気側4カ所)配設
されている。そしてこのカム切替装置1を作動させるロ
ッカーシャフトは♯1、♯2シリンダの吸気側に配設さ
れた2個のカム切替装置1のみを操作する第1のロッカ
ーシャフト21と、♯1、♯2シリンダの排気側に配設さ
れた2個のカム切替装置1のみを操作する第2のロッカ
ーシャフト22と、♯3、♯4シリンダの吸気側に配設さ
れた2個のカム切替装置1のみを操作する第3のロッカ
ーシャフト23と、♯3、♯4シリンダの排気側に配設さ
れた2個のカム切替装置1のみを操作する第4のロッカ
ーシャフト24とにそれぞれ分離独立している。
従って、第1乃至第4の各ロッカーシャフト21、22、2
3、24はそれぞれ独立に回動することができ、また独立
して第1乃至第4の各ロッカーシャフト21、22、23、24
を回動させると、各シリンダの吸・排気側ごとに配設さ
れたそれぞれ各2個のカム切替装置1が独立して操作さ
れることとなる。
なお、上述した第1乃至第4の各ロッカーシャフト21、
22、23、24は第9図で示すロッカーシャフト7と同一の
機能を果たすことは言うまでもない。
一方、上述した4サイクル並列4気筒エンジンでは♯
1、♯2シリンダは180°位相がずれたクランク回転角
を有しており、また♯3、♯4シリンダも同様に互いに
180°位相がずれたクランク回転角を有していることか
ら、例えば第1図のB視で示す第2図の要部拡大側面図
のすように、♯1、♯2シリンダの吸気側上に配設され
たカムシャフト4に形成された、一対の高速回転用カム
3(♯1)、3(♯2)を例にとって説明すると、高速
回転用カム3(♯1)、3(♯2)間には互いのカムプ
ロフィール上で無リフト、即ち双方のカム3(♯1)、
3(♯2)とも第2のロッカーアーム6に対し無負荷の
状態で回転する区間Lがある。
そこで、所定の中・高回転数域で、この区間Lを高速回
転用カム3(♯1)、3(♯2)が通過する期間内に、
第3図で示すように第1のロッカーシャフト21を回転さ
せ、そのエキセントリック大径部10により♯1、♯2シ
リンダの吸気側に配設された2個の第2のロッカーアー
ム6(第1図)を同時に上方へ移動させると、各ロッカ
ーアーム6は各高速回転用カム3(♯1)、3(♯2)
から負荷を受けること無く上昇するので、第1のロッカ
ーシャフト21はストレスを受けることなく回転し、この
ため第1のロッカーシャフト21の回転による吸気側の一
対のカム切替装置1の切替操作がスムーズに行われるこ
ととなる。
なお、上述したカム切替装置1を構成する第2のロッカ
ーシャフト6に対し、無負荷の状態で一対の高速回転用
カム3が回転する区間Lが形成されるタイミングは、♯
1、♯2シリンダ側と♯3、♯4シリンダ側とでは相異
なり、また吸・排気側とでもそれぞれ相異なるが、第1
図で示すようにカム切替装置1を切換えるロッカーシャ
フトをそれぞれ吸・排気側と、さらに♯1、♯2シリン
ダと♯3、♯4シリンダとにそれぞれ分離して配設して
いるので、この分離された第1乃至第4の各ロッカーシ
ャフト21、22、23、24を、タイミングは異なるが対応す
るカムシャフトに形成された一対の高速回転用カム3同
士が第2のロッカーシャフト6に対し無負荷の状態で高
速用カムが回転する区間Lを形成する時期に回転させれ
ば、4サイクル並列4気筒エンジンのシリンダヘッドに
配設されたカム切替装置1の切替動作をおこなう第1乃
至第4の各ロッカーシャフト21、22、23、24の回転操作
が全てスムーズに行われることとなる。
また、上述した第1乃至第4の各ロッカーシャフト21、
22、23、24を回動させるには、第1図で示すように、シ
リンダヘッド40の中央に形成されたカムチェーン室41側
に位置する第1乃至第4の各ロッカーシャフト21、22、
23、24の端部に一体にピニオン21a、22a、23a、24aを形
成し、かつ、それぞれ独立して駆動されるラック30、3
1、32、33を前記各ピニオン21a、22a、23a、24aに歯合
させ、このラック30、31、32、33をそれぞれ各シリンダ
の吸・排気側ごとに配設された一対の高速回転用カム3
同士が第2のロッカーシャフト6に対し無負荷の状態で
回転する区間Lが形成される時期に回動させればよい。
なお、上述したカム切替装置1によると使用するカムを
確実に選択するには、エキセントリック大径部10を第9
図及び第12図で示す適正な位置に回転移動させることが
必要で、このため各ロッカーシャフト21、22、23、24は
使用するカムを切り替えるべく、一定の回転角度の範囲
内で回動させねばならない。また各ロッカーシャフト2
1、22、23、24の軸方向への移動も規制することも必要
である。
そこで、本願考案では、さらに上述した各ロッカーシャ
フト21、22、23、24の回動規制と、軸方向への移動規制
とを行うため、以下に示すストッパー手段が採用されて
いる。
即ち、第1図に示すようにそれぞれカムシャフトを回動
自在に支承するカムハウジング50の下部に形成された軸
受孔51内には各ロッカーシャフト21、22、23、24が嵌挿
し、そこに回動自在に支承されているが、この各カムハ
ウジング50のうち、カムチェーン室41と反対側に位置す
るカムハウジング50(4箇所)には、各ロッカーシャフ
ト21、22、23、24の回動及びその軸方向への移動とを規
制するストッパー手段60が配設されている。
このストッパー手段60は、代表的にロッカーシャフト24
を支承するカムハウジング50の部分に形成されたもので
説明すると、第1図のCC拡大断面図で示す第4図のよう
に、カムハウジング50に形成されたカムシャフト4を支
承する軸受孔周面52とロッカーシャフト24を回動自在に
支承する軸受孔51との間を貫通して形成されたネジ孔53
と、このネジ孔53内に螺着するストッパボルト54から構
成されている。
なお、前記ネジ孔53の上部には、前記ストッパボルト54
が螺着した際に、そのボルト54の頭部54aが、前記軸受
孔周面52内に突出しないように、ボルト54の頭部54aを
収容する大径部53aが形成されている。また前記ボルト5
4の下部には、後述するロッカーシャフト24の周面円周
方向に沿って形成された溝内に係合する円筒形の突起54
bが形成されている。
一方、カムハウジング50の軸受孔51内に嵌挿するロッカ
ーシャフト24の周面には第5図の拡大平面図及び第5図
のDD断面図で示す第6図のように、前記エキセントリッ
ク大径部10の一定回転角度範囲内での回動を許容し、そ
の範囲外での回転を規制するための溝24bが所定長に渡
って形成されている。
なお、第4図で符号54cは、図示せぬ六角レンチ等の工
具が嵌着する工具嵌挿用の穴であり、符号61は図示せぬ
カムハウジング50の上蓋を締結するためのボルトを螺着
させるためのネジ穴である。
次に、上述したストッパー手段60の作用を説明する。
各ロッカーシャフト21、22、23、24をストッパー手段60
が配設されたカムハウジング50の軸受孔51内に嵌挿した
のち、前記ネジ孔53内に前記ストッパボルト54を螺着し
て締結すると、第4図と同一部分を同一符号で示す第7
図及び第8図のように、ストッパボルト54の突起54bが
ロッカーシャフト24の溝24b内に突出し、当該溝24bと係
合する。そして、第7図で示すように、ロッカーシャフ
ト24を時計方向に回転させると、ネジ54の頭部54bとロ
ッカーシャフト24の溝24bの一方の端部とが係合し時計
方向おける所定角度以上の回動が規制される。また第8
図に示すようにロッカーシャフト24を反時計方向に回転
させると、ネジ54の頭部54bとロッカーシャフト24の溝2
4bの他端部とが係合し反時計方向における所定角度以上
の回動が規制されることとなる。
従って、上述したストッパー手段60によると使用するカ
ムを切替えるため、各ロッカーシャフトを回転すると、
その回転がストッパボルト54の頭部54bとロッカーシャ
フト24に形成された溝24bの各端部との係合により規制
され正確な回転位置に各ロッカーシャフトが停止するこ
ととなる。また、ストッパボルト54の頭部54bとロッカ
ーシャフト24の周面に形成された溝24bとの係合によ
り、勿論、当該ロッカーシャフト24の軸方向に対する移
動も同時に規制されることとなる。また、そのストッパ
ー手段をカムシャフトを支承するカムハウジング内に設
けたため、取付けのためのスペース増大が阻止される。
なお、上記各実施例では本願考案に係わるカム切替装置
1を、吸・排気側にそれぞれ2つのバルブを有するいわ
ゆる4バルブ式のエンジンに適用した場合についてのべ
たが、本考案は上記実施例に限定されることなく、吸・
排気側にそれぞれ一つのバルブを有するいわゆる2バル
ブ式の4サイクル並列4気筒エンジンに本願に係わる動
弁装置を適用してもよい。
さらに、上記実施例ではエキセントリック大径部10をエ
キセントリックブッシュ11とピン12とにより構成した
が、この考案は上記実施例に限定されることなく、エキ
セントリック大径部10をロッカーシャフト7と一体に形
成しても良い。
〔考案の効果〕 以上説明したように、この考案の動弁装置によると、4
サイクル並列4気筒エンジンのシリンダヘッドに配設さ
れたカム切替装置作動用のロッカーシャフトをそれぞれ
吸・排気側と、さらに♯1、♯2シリンダと♯3、♯4
シリンダとにそれぞれ分離して4本配設するようにした
ので、♯1、♯2シリンダと♯3、♯4シリンダの各の
吸・排気側ごとに配設された一対の高速回転用カムがロ
ッカーアーム対し無負荷の状態で回転する際にロッカー
シャフトを回動させてカム切替装置のカムを切換えるこ
とが出来、このため4サイクル並列4気筒エンジンに配
設されたカム切替装置を作動させる際に、ロッカーシャ
フトに対しストレスを与えることなくその回転を許容
し、スムーズなカムの切替操作をおこなわせることが出
来るとともに、またカム切替装置の信頼性及び耐久性の
著しい向上を図ることが出来る。
また回動するロッカーシャフトの回転角度及び軸方向の
移動を規制するストッパー手段を設けたため、ロッカー
シャフトをカムを切替えるべき所定の回転角度に回転さ
せ、そこに確実に停止させることが出来るので確実なカ
ムの切替え動作を行なわせることも出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願考案に係わる動弁装置を装着した4サイク
ル並列4気筒エンジンのシリンダヘッドの概念平面図、
第2図及び第3図は第1図のB視による概念拡大側面
図、第4図乃至第8図はストッパー手段の構成及び作用
を示す概念図、第9図はこの考案の動弁装置に適用され
るカム切替装置の概念斜視図、第10図は第9図に要部破
断平面図、第11図は第9図の要部側断面図、第12図はカ
ム切替装置の動作を示す概念斜視図、第13図は第12図の
要部側断面図、第14図は4サイクル並列4気筒エンジン
のシリンダヘッドの概念平面図、第15図は第14図のA視
による概念拡大側面図である。 1……カム切替装置、2……低速回転用カム、3……高
速回転用カム、4……カムシャフト、5、6……ロッカ
ーアーム、21……第1のロッカーシャフト、22……第2
のロッカーシャフト、23……第3のロッカーシャフト、
24……第4のロッカーシャフト、♯1、♯2、♯3、♯
4……シリンダ、60……ストッパー手段。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】4サイクル並列4気筒エンジンのシリンダ
    ヘッド吸・排気側に、それぞれロッカーシャフトの回動
    によりロッカーアームを駆動するカムを切替えるカム切
    替装置を配設するようにした4サイクル並列4気筒エン
    ジンの動弁装置において、 前記ロッカーシャフトを♯1、♯2シリンダの吸気側に
    配設された前記カム切替装置のみを操作する第1のロッ
    カーシャフトと、 ♯1、♯2シリンダの排気側に配設された前記カム切替
    装置のみを操作する第2のロッカーシャフトと、 ♯3、♯4シリンダの吸気側に配設された前記カム切替
    装置のみを操作する第3のロッカーシャフトと、 ♯3、♯4シリンダの排気側に配設された前記カム切替
    装置のみを操作する第4のロッカーシャフトと 前記第1乃至第4のロッカーシャフトの各周面円周方向
    であって、該第1乃至第4のロッカーシャフトを支承す
    る軸受孔内に嵌挿する位置に形成された所定長の溝と、
    先端が前記軸受孔内に突出し前記溝に係合するストッパ
    ボルトとからなり、前記第1乃至第4のロッカーシャフ
    トの所定角度以上の回動を規制するとともに、各ロッカ
    ーシャフトの軸方向に対する移動を規制するストッパー
    手段とを具え 前記各分離された前記4本のロッカーシャフトをそれぞ
    れ所定のタイミングで独立に所定の回転角度回動させる
    ようにしたことを特徴とする4サイクル並列4気筒エン
    ジンの動弁装置。
JP2205689U 1989-02-27 1989-02-27 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置 Expired - Lifetime JPH0720323Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2205689U JPH0720323Y2 (ja) 1989-02-27 1989-02-27 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2205689U JPH0720323Y2 (ja) 1989-02-27 1989-02-27 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02112904U JPH02112904U (ja) 1990-09-10
JPH0720323Y2 true JPH0720323Y2 (ja) 1995-05-15

Family

ID=31239831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2205689U Expired - Lifetime JPH0720323Y2 (ja) 1989-02-27 1989-02-27 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0720323Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02112904U (ja) 1990-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0646005B2 (ja) 動弁用カム軸の軸受構造
JPH09280084A (ja) エンジンの回転検出装置
JP3198772B2 (ja) 内燃機関の動弁装置におけるカム切替機構
JPH0720323Y2 (ja) 4サイクル並列4気筒エンジンの動弁装置
JPH10121925A (ja) 内燃機関用バルブ駆動装置
JP2663556B2 (ja) 4サイクル多気筒エンジンの動弁装置
JP3330635B2 (ja) エンジンのバルブタイミング可変装置
JP2663555B2 (ja) 4サイクル多気筒エンジンの動弁装置
JP2819589B2 (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JP2624165B2 (ja) ロッカアームの支持構造
JP2813709B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
JP2001207814A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2621049B2 (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JP2827427B2 (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JPS61160508A (ja) 4弁式エンジン
EP0750098B1 (en) Internal combustion engine and method for controlling the valve actuation
JPH0247244Y2 (ja)
JPH0138241Y2 (ja)
JPH0452408Y2 (ja)
JP2926457B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
JPH0220406Y2 (ja)
JP3479983B2 (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JP2755025B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH02221620A (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JPH09296715A (ja) 可変バルブタイミング・リフト機構