JPH07201A - 扁平型スリッパおよびその製法 - Google Patents

扁平型スリッパおよびその製法

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JPH07201A
JPH07201A JP14792093A JP14792093A JPH07201A JP H07201 A JPH07201 A JP H07201A JP 14792093 A JP14792093 A JP 14792093A JP 14792093 A JP14792093 A JP 14792093A JP H07201 A JPH07201 A JP H07201A
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Hidekazu Yamazaki
英一 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動製袋機によってきわめて安価に大量生産
が可能であり、また、輸送および保管コストが低廉であ
り、しかも携帯に便利な扁平型スリッパの提供。 【構成】 厚ボール紙からなる台紙2aの上面に熱可塑
性樹脂フィルム2bがラミネートされた底板2と、底板
の前記フィルム2b面上にヒートシールによってその周
辺5a、5b、5c、5dが貼着された熱可塑性樹脂製
不織布から形成されたカバー部材3とから構成されてお
り、カバー部材3に上方凸状のガセット部4が折曲形成
されるとともに中央部近辺に足入れ開口部7が形成され
ており、前記開口部7からややかかとよりの部位6にも
横方向のヒートシールが施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扁平型スリッパおよび
その製法に関する。さらに詳しくは、長距離バスや飛行
機などの乗り物、一般家庭、ホテルまたは病院などでた
とえば使い捨てにされるスリッパ、およびかかるスリッ
パを安価に大量生産できる扁平型スリッパの製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スリッパとは一般には足の甲が深く入る
ように作られた室内ばきをいい、足底となる底板と爪先
を入れ甲を覆う甲覆とからなっている。そして、底板と
甲覆はそれぞれ異なった使用条件が要求されている。す
なわち、底板は歩きやすいようにある程度の剛性とクッ
ション性が要求され、甲覆は爪先が入りやすいように爪
先押入口が開口状態を保てるような構造が要求される。
したがって、必然的に、甲覆に立体筒型構造が要求さ
れ、底板と甲覆の固着に平面的な接着などの簡単な方法
は採用されず、縫製か高周波ミシン接着などの人手を要
する間欠製造方式が取られている。
【0003】また、スリッパには高級品から低級品ま
で、皮革、ゴム、ビニル、合成皮革、織物、フェルトな
どの不織布、タオル生地、合成樹脂発泡材など多くの材
料が使われている。そして、底板と甲覆は前述の異なっ
た要求を満たすためにそれぞれ適応した素材で形成され
る。したがって、異なった素材を接合しなければならな
いとうことからも、スリッパの製造方式は間欠的に手作
業を組み込まなければならないということがいえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、スリッ
パの製造方式は間欠的に手作業を加える必要があり、製
造コストが非常に高くつくという問題がある。
【0005】また、比較的剛性の高い甲覆が筒状を呈し
ているため嵩だかであり、保管に多大な容積を必要と
し、輸送コストはもちろん、倉庫などの保管場所におい
ても無駄が多く、製品そのものの製造コスト以外のコス
トが高くつき、なかなか製品を安価で提供することがで
きないという問題がある。
【0006】本発明は、叙上の事情に鑑み、底板と甲覆
の接合が容易で、自動製袋機を用いることができ、大量
生産によって安価に製造がなされ、保管に場所を取らな
い扁平型スリッパおよびその製法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の扁平型スリッパ
は、少なくともその上面が熱可塑性を具備した底板と、
該底板の熱可塑性面に部分的に熱溶着された熱可塑性合
成樹脂からなるカバー部材とからなり、該カバー部材が
折曲されることにより、その長手方向に沿って上方に凸
状を呈するガセット部が形成されており、底板とカバー
部材とが少なくともその周辺で熱溶着されるとともに、
前記カバー部材の略中央部に足入れのための開口部が形
成されてなることを特徴としている。
【0008】前記カバー部材が熱可塑性樹脂からなる不
織布から形成されるのが好ましい。
【0009】そして、前記底板が厚ボール紙と、該厚ボ
ール紙の片面に形成された熱可塑性合成樹脂層とからな
るのが好ましい。
【0010】また、前記熱可塑性合成樹脂層が、熱可塑
性樹脂からなる不織布から形成されてなるのが一層好ま
しい。
【0011】加えて、前記扁平型スリッパの後端辺に切
り込みまたはミシン目が形成されることにより、靴べら
として使用しうる舌片部が形成されてなるのが好まし
い。
【0012】本発明の扁平型スリッパの製法は、(a)
少なくともその上面が熱可塑性を具備したシート材と、
折曲されることにより少なくとも1本の箱ひだ状ガセッ
ト部が形成されたカバー部材とを用意し、(b)前記シ
ート材の熱可塑性面上にカバー部材を重ね合わせ、その
中央部に長手方向に沿ってガセット部が位置する状態で
スリッパの略所定外形状に沿ってシート材とカバー部材
とを熱溶着し、(c)前記スリッパの所定外形状におけ
る略中央部で、前記カバー部材のみを切断することによ
り足入れ開口部を形成するとともに、所定スリッパ形状
に切断または打ち抜くことを特徴としている。
【0013】
【作用】本発明の扁平型スリッパでは、いわゆる甲覆と
なる部分が箱ひだ状に折り畳まれているため、足入れ開
口部を開かせやすく、しかも平面的に収納できるため保
管に場所をとらない。さらに製造がきわめて簡単であ
る。したがって、材料コストおよび製造コストが低廉で
あるばかりでなく、輸送コストおよび保管コストもきわ
めて低くなる。
【0014】また、舌片部を設けておくと靴べらとして
用いることができ、靴に履き替えるときにも便利であ
る。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の扁平型
スリッパおよびその製法を説明する。
【0016】図1は本発明の扁平型スリッパの一実施例
を示す斜視図、図2は本発明の扁平型スリッパの他の実
施例を示す平面図、図3は図2の扁平型スリッパの使用
例を示す斜視図、図4は本発明の扁平型スリッパの製法
の一実施例を示す説明図である。
【0017】図1に示すように、扁平型スリッパ1は、
底板2とカバー部材3とから構成されている。
【0018】底板2は四隅が丸くされた長方形板状のも
のである。
【0019】カバー部材3は熱可塑性合成樹脂からなる
不織布から形成されており、熱溶着(以下、ヒートシー
ルという)によって前記底板2に貼着されている。
【0020】したがって、底板2の上面(カバー材3が
貼着される面)は熱可塑性を具備している。すなわち、
底板2はその全体をポリオレフィン系樹脂など、熱可塑
性樹脂シートから形成しうるのはもちろんのこと、たと
えば厚板紙の上面に熱可塑性樹脂をコーティングした
り、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたものを用い
てもよい。
【0021】本実施例では、坪量が350〜550g/
2 の厚ボール紙の台紙2aの上面に、厚さが15〜5
0μmのポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂フィルム
(以下、単にフィルムという)2bをラミネートしたも
のが用いられている。なお、フィルム2bに代えて、熱
可塑性合成樹脂繊維からなる不織布をラミネートしたも
のを用いれば、やわらかく、かつ吸湿性にすぐれるた
め、履き心地のよいスリッパがえられる。
【0022】また、カバー部材3は肌ざわり、通気性お
よび吸湿性にすぐれた不織布が用いられている。
【0023】カバー材3は、左右対象かつ平行の、いわ
ば箱ひだ状のガセット部4を有している。すなわち、ガ
セット部4は、表側のひだ山4aが左右端側を向き、裏
側のひだ山4bが中央側を向くように形成されており、
ひだ山4aの稜線が底板2の長手方向を向くように底板
2に貼着される。図1では、底板2と同じ大きさのカバ
ー部材3を用いて、その4辺5a、5b、5c,5dお
よび中央から若干足のかかとに対応する部分よりの部位
6を底板にヒートシールしている。カバー部材3の中央
部を幅方向に底板2に達しないように切り込み7aを入
れることにより、爪先を挿入する開口部7を備えた甲覆
8を形成している。この開口部7を形成するための切り
込み7aは、図2に示されるように、両側のシール部分
5b、5cにかからないことが好ましい。この部分が、
たとえば折り畳みなどによってカバー材の剥がれやすい
部分であり、保護する必要があるからである。また、シ
ール部5b、5cまで切り込みを伸長させると、歩行に
よる上下方向の圧力がここに集中し、接着力が弱いばあ
いに剥がれる虞れがあるからである。
【0024】また、カバー部材3は底板2にヒートシー
ルする必要があるため、熱可塑性合成樹脂からなるフィ
ルム、織物または不織布から形成されるが、とくに、ヒ
ートシール時の充分な接着強度を有し、切口のほつれが
なく、また肌ざわり、通気性および吸湿性にすぐれたポ
リオレフィン系合成樹脂からなる不織布(たとえばユニ
チカ(株)、商品名エルベス)が好ましい。また、カバ
ー部材3における、甲覆8など所望部位に商標、模様な
どを施したり、彩色が施されたカバー部材を用いること
も商品価値向上の点で好ましい。
【0025】さらに図2に示されるように、後端側(い
わばかかと側)5dに2つの略平行な切り込み9a、9
bを設けることにより、かかとの中央部に短冊状の舌片
部10を形成すると、この舌片部10を靴べらのかわり
に使用でき、スリッパ1から靴に履き替えるときに便利
である(図3参照)。この切り込みは切断可能に形成さ
れたミシン目でもよい。さらに、舌片部10を本体から
切り取り可能なようにミシン目を入れておくことも可能
である。しかし、切り取らないほうが再度使用できて経
済的である。また、切り込みの位置および本数は図2〜
3に限定されず、たとえば、一本の切り込みのみで、後
端側部を舌片部とすることも可能である。
【0026】つぎに本発明の扁平型スリッパの製法を図
4を参照しつつ説明する。
【0027】まず図4(a)に示すように、台紙2aと
フィルム2bとをラミネート加工した長方形状の底板2
を用意し、さらに、箱ひだ状に折り込むことによりガセ
ット部4が形成された不織布製のカバー部材3を用意す
る。
【0028】つぎに、図4(b)に示すように、カバー
部材3を底板2のフィルム2b面上に重ね合わせ、たが
いの両側辺5b、5cをヒートシールにより貼着する。
【0029】つづけて図4(c)に示すごとく、前後辺
5a、5dおよび中央よりややかかと寄りの部位6を横
方向にヒートシールする。ついでカバー部材3の略中央
部を、底板2を切らないように横方向に切断(いわゆる
ハーフカット)する。このばあいの切断線は両側辺のシ
ール部5b、5cには至らぬようにする。
【0030】最後に図4(d)に示すように、貼着され
たカバー部材3と底板2との四隅を丸くトリミングす
る。なお、かかるトリミングと前記カバー部材3中央部
の切断との順序は入れ替えても問題はない。
【0031】また、図2〜3に示す舌片部10を形成す
るばあい、その切断は図4(c)または図4(d)にお
いて行えばよい。
【0032】なお、以上の工程におけるカバー部材のガ
セットの形成および底板とカバー部材とのヒートシール
は従来公知の自動製袋機によって行うことができるた
め、製造工程が簡単かつ短時間となる。
【0033】また、叙上の製法はスリッパ1個分につい
て説明しているが、本発明ではとくに1個ずつの製法に
限定されない。むしろ複数個のスリッパを同時に製造す
る方がコスト低減が図れるので好ましい。
【0034】そのばあいは、底板をその長手方向に複数
個連ねられた長さの底板材と、同一長さのカバー部材
(ガセット部がその長手方向に沿って形成されたもの)
を重ね合わせ、両側辺およびスリッパ1個の長さごとに
横方向にヒートシールし、さらに、各スリッパ部の中央
よりややかかと寄りの部位を横方向にヒートシールし、
中央部をハーフカットする。最後に所定形状に打ち抜く
か、または切断して、複数個のスリッパを製造する。
【0035】また、前述のごとくスリッパをその長手方
向に連ねた状態から製造するだけでなく、たとえば縦お
よび横方向に連らねた状態から製造してもよい。すなわ
ち、広い底板材のフィルム面に、複数本の平行なガセッ
ト部が形成されたカバー部材を重ね合わせ、所定部位を
連続してヒートシールし、ハーフカットしたのちに所定
形状に打ち抜き、切断する。
【0036】前記実施例においては、中央よりややかか
とよりの部位6をもヒートシールしたが、本発明はかか
る部位6のヒートシールを有さないスリッパおよびその
製法をも含む。かかる部位6のヒートシール部を有さな
いスリッパは、カバー部材3の前方および後方のいずれ
をも甲覆8として使用できる。すなわち、いずれの方に
も足を入れて履くことができる。一方、前記部位6のヒ
ートシールを有するスリッパは、たとえば携帯のために
2つ折りにしたとき、カバー部材3のかかと側がめくれ
上がることがないため、使用時に足を入れ易く、かつ履
き心地がより好ましいものとなる。
【0037】叙上のごとく構成されたスリッパは、きわ
めて安価に提供できるため、たとえば空港、長距離バス
ターミナル、特急列車、病院などにおいて自動販売機に
より販売したり、また、無料で提供するサービスに適し
ている。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の扁平型ス
リッパおよびその製法によると、ヒートシールにより底
板とカバー部材とを簡単に接合できるため、大量生産が
可能であり、しかも廉価な材料費と相まって、製造コス
トを大幅に低減できる。
【0039】また、甲覆が箱ひだ状を呈しているため開
口部を開かせやすく、しかも平面的に収納できるため大
きい保管場所を必要としない。したがって、輸送コスト
および保管費用なども安くすることが可能である。
【0040】さらに、舌片部を設けておくと靴に履き替
えるのに便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平型スリッパの一実施例を示す斜視
図である。
【図2】本発明の扁平型スリッパの他の実施例を示す斜
視図である。
【図3】図2の扁平型スリッパの使用例を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明の扁平型スリッパの製法の一実施例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 扁平型スリッパ 2 底板 3 カバー部材 4 ガセット部 4a、4b ひだ山 4c ひだ山の稜線 5a、5b、5c,5d 辺 7 開口部 7a 切り込み 8 甲覆 9a、9b 切り込み 10 舌片部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともその上面が熱可塑性を具備し
    た底板と、該底板の熱可塑性面に部分的に熱溶着された
    熱可塑性合成樹脂からなるカバー部材とからなり、該カ
    バー部材が折曲されることにより、その長手方向に沿っ
    て上方に凸状を呈するガセット部が形成されており、底
    板とカバー部材とが少なくともその周辺で熱溶着される
    とともに、前記カバー部材の略中央部に足入れのための
    開口部が形成されてなる扁平型スリッパ。
  2. 【請求項2】 前記カバー部材が熱可塑性樹脂からなる
    不織布から形成されてなる請求項1記載の扁平型スリッ
    パ。
  3. 【請求項3】 前記底板が厚ボール紙と、該厚ボール紙
    の片面に形成された熱可塑性合成樹脂層とからなる請求
    項1記載の扁平型スリッパ。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性合成樹脂層が、熱可塑性樹
    脂からなる不織布から形成されてなる請求項3記載の扁
    平型スリッパ。
  5. 【請求項5】 その後端辺に切り込みまたはミシン目が
    形成されることにより、靴べらとして使用しうる舌片部
    が形成されてなる請求項1記載の扁平型スリッパ。
  6. 【請求項6】 (a)少なくともその上面が熱可塑性を
    具備したシート材と、折曲されることにより少なくとも
    1本の箱ひだ状ガセット部が形成されたカバー部材とを
    用意し、(b)前記シート材の熱可塑性面上にカバー部
    材を重ね合わせ、その中央部に長手方向に沿ってガセッ
    ト部が位置する状態でスリッパの略所定外形状に沿って
    シート材とカバー部材とを熱溶着し、(c)前記スリッ
    パの所定外形状における略中央部で、前記カバー部材の
    みを切断することにより足入れ開口部を形成するととも
    に、所定スリッパ形状に切断し、または打ち抜くことを
    特徴とする扁平型スリッパの製法。
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