JPH07201857A - Al系薄膜の作製方法 - Google Patents

Al系薄膜の作製方法

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JPH07201857A
JPH07201857A JP33753493A JP33753493A JPH07201857A JP H07201857 A JPH07201857 A JP H07201857A JP 33753493 A JP33753493 A JP 33753493A JP 33753493 A JP33753493 A JP 33753493A JP H07201857 A JPH07201857 A JP H07201857A
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alloy thin
heating
alloy
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Soichiro Ozawa
聡一郎 小澤
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒径(グレインサイズ)を増大するための加
熱工程を含むAl薄膜の作製方法に関し、ヒロックとボ
イドの少ないアルミニウム薄膜の作製方法を提供する。 【構成】 Al薄膜を堆積する工程と、引続き、堆積さ
れたAl薄膜を加熱する工程とを含み、前記加熱工程を
Al薄膜表面における単位面積当たりのAl原子数に対
する、Al薄膜表面に飛来する、酸素原子の単位面積当
たりの積分数が1.5倍以下の状態を保っている時間内
に終了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al系薄膜の作製方法
に関し、特に粒径(グレインサイズ)を増大するための
加熱工程を含むAl系薄膜の作製方法に関する。
【0002】なお、「Al系」とはAlおよびAl−S
i、Al−Cu−Ti等のAlを主成分とするAl合金
を指す。
【0003】
【従来の技術】たとえば、半導体装置においては、低抵
抗の導電体としてAl系薄膜が多用されている。
【0004】Al系薄膜は、電子ビーム蒸着、スパッタ
リング等によって堆積されるが、薄膜中の粒径が小さい
と抵抗率が高くなり、またエレクトロマイグレーション
耐性やストレスマイグレーション耐性が悪化する。抵抗
率を下げ、エレクトロマイグレーション耐性やストレス
マイグレーション耐性を向上させるため、Al系薄膜内
の粒径を大きくすることが望まれる。そこで粒径を大き
くするための加熱工程が行なわれる。
【0005】ところで、Al系薄膜を加熱すると、突起
状に成長したヒロックや薄膜中に空所が生じるボイドが
発生することがある。これらはAl系薄膜中のAl原子
等がマイグレーション(移動)することによって生じる
ものと考えられる。
【0006】たとえば、粒界(グレインバウンダリ)に
沿ってAl原子等が移動し、3つの粒界が合流するトリ
プルジャンクションからヒロックが成長する等の解釈が
行なわれている。
【0007】また、Al系材料は極めて酸化され易い性
質を有する。Al系材料を空気中に放置すれば、その表
面は速やかに酸化膜によって覆われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】Al系薄膜中にボイド
が発生すると、ボイドは導電性を持たないであろうか
ら、Al系薄膜の抵抗は増加してしまう。また、ボイド
が発生すると、電流通路はその分狭くなり、Al系薄膜
の残りの領域での断線が生じ易くなる。
【0009】ヒロックは、それ自体でAl系薄膜の抵抗
を高める訳ではないが、ヒロックを形成するAl系材料
はAl系薄膜の電流伝達機能にはほとんど寄与しない。
また、ヒロックを形成するAl原子等が抜けた所にはボ
イドが発生し易いであろう。さらに、Al系薄膜表面上
にヒロックが発生すると、Al系薄膜表面上に凹凸が形
成される。
【0010】本発明の目的は、ヒロックやボイドの少な
い粒径の大きなAl薄膜と、ヒロックやボイドの少ない
粒径の大きなAl合金薄膜の作製方法を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のAl薄膜の作製
方法は、Al薄膜を堆積する工程と、引続き、堆積され
たAl薄膜を加熱する工程とを含み、前記加熱工程をA
l薄膜表面における単位面積当たりのAl原子数に対す
る、Al薄膜表面に飛来する、酸素原子の単位面積当た
りの積分数が1.5倍以下の状態を保っている時間内に
終了させる。
【0012】また、本発明のAl薄膜の作製方法は、基
板上に形成したAl薄膜を真空容器中に配置し、表面層
をエッチして清浄表面を露出するエッチ工程と、引続
き、清浄化したAl薄膜表面上に残存している原子と、
新たに表面に付着した原子の単位面積当たりの積分個数
を、清浄なAl表面における、単位面積当たりの表面原
子数の1.5倍以下の状態を保っている間に、Al薄膜
を加熱する工程とを含む。
【0013】
【作用】極めて清浄な雰囲気中でAl薄膜を堆積し、引
続き加熱工程を行なうと、ヒロックやボイドが少なく、
粒径の大きなAl薄膜を得られることが実験的に判明し
た。加熱工程終了までの雰囲気は、Al薄膜表面の単位
面積当たりのAl原子数に対し、飛来する酸素原子の単
位面積当たりの積分数が1.5倍以下となるように制御
すればよい。
【0014】一旦表面に酸化膜等が発生したAl薄膜
も、清浄雰囲気中でその表面層をエッチし、清浄な表面
を露出すれば、加熱によって粒径を増大し、かつヒロッ
クやボイドの発生を防止できるものと考えられる。
【0015】
【実施例】本発明者は、ヒロックやボイドの発生を以下
のように考えた。Al薄膜表面に酸化膜がある状態でA
l薄膜を加熱する。加熱によってAl薄膜中のAl原子
は熱エネルギを得、マイグレーションを開始する。Al
薄膜表面においては、酸化膜によってAl原子の運動が
阻害される。このため、Al薄膜中に応力が蓄積され
る。この応力が臨界値を越えた部分で、Al原子の突発
的な移動が起こり、Al薄膜中にヒロックやボイドが発
生する。
【0016】なお、Al薄膜中の結晶粒の成長が十分で
はない場合に、多量のヒロックやボイドが発生すること
が発見された。また、一旦Al薄膜にヒロックやボイド
が発生すると、その後、Al薄膜を加熱してもヒロック
やボイドが消滅することはなかった。
【0017】Al薄膜表面に酸素原子等が付着すると、
どのようにヒロックやボイドの発生に影響を与えるかを
調べるため、以下のような実験を行なった。Al薄膜を
堆積する基板として、(001)面を有する4インチ径
Siウエハ表面に、約100nmの熱酸化膜を形成した
基板を用いた。
【0018】Al薄膜の堆積は、超高真空中で行なっ
た。到達真空度5×10-11 torrの真空容器を準備
し、その内部で電子ビームによるAl蒸着を行なった。
基板上のAl薄膜の堆積速度は0.08nm/秒とし、
厚さ370nmのAl薄膜を堆積した。なお、堆積中の
基板温度は18℃に保った。
【0019】Al薄膜の表面汚染方法として、上記真空
容器中で堆積したAl薄膜を所定時間放置する方法をと
った。放置時間に比例して、Al薄膜表面に飛来する酸
素原子の積分数は増大する。酸素原子がAl薄膜表面に
一旦付着し、Al酸化物を形成すれば、再び離脱するこ
とは少ないであろうと考えた。
【0020】Al薄膜を堆積し、所定時間放置した後の
Al薄膜を、同一真空容器中で加熱した。また、Al薄
膜を堆積した後、一旦大気暴露した後のAl薄膜を、再
び真空容器中に搬入し、大気暴露していないAl薄膜と
同一条件で加熱した。なお、加熱速度は30分間で46
0℃まで昇温するようにした。加熱温度としては、種々
の温度を試みた。
【0021】このようにして作製したAl薄膜は、全て
(111)配向をしていることが判明した。(111)
配向のAl薄膜の表面原子密度は、2.82×1019
/m 2 と算出される。
【0022】真空容器中での放置時間を変えて加熱工程
を行ない、その後のAl薄膜を観察した結果から、Al
薄膜表面におけるAl原子の表面密度に対し、Al薄膜
表面に飛来する酸素原子の単位面積当たりの積分された
数が1.5倍以下の状態を保っているとき、ヒロックや
ボイドがなく、粒径が大きく成長したAl薄膜を得られ
ることが判った。
【0023】Al薄膜表面に飛来する酸素原子の積分量
を増大させると、やがてヒロックやボイドが発生するよ
うになる。たとえば、Al薄膜表面におけるAl原子の
表面密度に対し、薄膜表面に飛来する酸素原子の単位面
積当たりの数が約10倍以上となると、ヒロックやボイ
ドを発生させることなく、粒径を増大させることは困難
となる。
【0024】また、加熱温度としては、160−630
℃の温度範囲が好ましいことが判った。630℃を越え
る温度とすると、Al薄膜がSiウエハの熱酸化膜上か
ら剥離してしまった。また、160℃未満の温度では、
加熱による粒径増大の効果が少ない。
【0025】なお、160℃の温度で加熱を行なうと、
十分な時間が経過した後に得られる最大平均粒径は、6
30℃において十分な加熱を行なったときに得られる最
大平均粒径の約0.5倍である。最大平均粒径は、加熱
温度によって定まるため、粒径増大のための加熱工程に
おけるこの温度は、臨界的な意味を有するものと考えら
れる。
【0026】Al薄膜表面上へ飛来する酸素原子の積分
数が4.23×1019個/m2 、加熱温度460℃の場
合の加熱工程後のAl薄膜表面の結晶構造を表す走査電
子顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。
【0027】図1(A)は倍率2000倍の写真であ
り、下部に示す目盛りの両端間の距離が15μmであ
る。図1(B)は、図1(A)の一部を拡大した写真で
ある。図1(B)の倍率は30000倍であり、下部に
示した目盛り両端間の距離が1μmである。写真から明
らかなように、粒径が十分発達し、かつヒロックやボイ
ドは観察されない。
【0028】上述の酸素原子の積分飛来数4.23×1
19個/m2 は、Al薄膜の表面原子密度2.82×1
19個/m2 の約1.5倍である。すなわち、単位面積
当たりの酸素原子の積分飛来数が、Al薄膜表面の原子
数の1.5倍以下であれば、このような良好な加熱工程
が行なえ、ヒロックやボイドを発生させることなく、粒
径を増大させることができるものと考えられる。
【0029】比較のため、Al薄膜堆積後、一旦大気中
に暴露し、再び真空容器中に搬入し、同様の加熱を行な
った場合の結果を図2に示す。図2は、図1と同様のS
EM写真であり、図2(A)は倍率2000倍、図2
(B)は倍率30000倍である。このAl薄膜表面
は、図1に示したAl薄膜表面と比べ凹凸が激しく、た
とえば図2(B)の写真から明らかなように、ボイドが
発生している。また、ヒロックと考えられる明るい領域
が観察される。
【0030】図1に示すAl薄膜と、図2に示すAl薄
膜はその作製工程において大気暴露を含むか含まないか
の差のみがある。Al薄膜を大気暴露すると、Al薄膜
表面上には酸化膜が形成され、この酸化膜がヒロックや
ボイドの発生の原因となったものと考えられる。
【0031】なお、図1に示すAl薄膜は、その後、何
回加熱を行なってもヒロックもボイドも発生しなかっ
た。一旦粒径が十分成長したAl薄膜は、ヒロックやボ
イドが発生しにくいものと考えられる。
【0032】また、図2に示すAl薄膜は、その後、何
回加熱を行なってもヒロックもボイドも消滅しなかっ
た。表面が汚染されたAl薄膜は、加熱を行なってもそ
の電気的性能はあまり向上しないものと考えられる。
【0033】この考察を検証するため、さらに次の実験
を行なった。図1に示すAl薄膜と同一の条件で、Al
薄膜を超高真空中で堆積し、真空中で所定時間放置し、
460℃で加熱を行なった。なお、加熱工程終了までの
薄膜表面への酸素原子の積分飛来数は4.23×1019
個/m2 であり、図1のAl薄膜と同様である。
【0034】その後、加熱工程を終えたAl薄膜を大気
中に暴露した。Al薄膜表面は、酸化されたものと考え
られる。一旦大気暴露したAl薄膜を、再び真空容器中
に搬入し、大気暴露する前と同一の条件で再度加熱を行
なった。
【0035】図3は、このようにして作製したAl薄膜
の結晶構造を示すSEM写真である。図3(A)は倍率
2000倍のSEM写真であり、図3(B)は倍率30
000倍のSEM写真である。
【0036】図2と図3を比較すると、大気暴露後に加
熱を行なった点は同一であるが、Al薄膜表面の結晶構
造は大幅に異なることが判る。図3のAl薄膜は、表面
は平坦であり、粒径が大きい。ヒロックやボイドは図3
のAl薄膜にも発生しているが、その数は少ない。
【0037】したがって、一旦粒径を増大させたAl薄
膜は、酸化膜等の表面変質層の影響を受けにくいことが
確認された。なお、上述の実験結果はAl薄膜について
のものであるが、Al合金薄膜も主成分がAlであり、
酸化され易さ等、同様の性質を有するため、同様の結論
が得られるものと考えられる。
【0038】図4は、本発明の実施例によるAl系薄膜
の作製方法を説明するための概略断面図である。図4
(A)は、Al系薄膜の堆積工程、加熱工程を行なうA
l系薄膜作製装置を示す。真空容器1a、1bは、液体
窒素温度のクライオパネル、イオンポンプ若しくはタイ
バックポンプ、荒挽き用ターボポンプもしくはドライテ
ルポンプ等の組み合わせによる排気装置2a、2bにバ
ルブVa、Vbを介して接続され、10-11 torrオ
ーダの排気が可能である。
【0039】真空容器1a、1b間は、ゲートバルブG
Vを介して接続されている。図示しない搬送機構により
両真空容器間で基板を移動させることができる。真空容
器1a内には、るつぼ4が配置され、るつぼ4内にはA
l系材料5が配置される。るつぼ4側面には、図示しな
い電子銃が設けられ、電子ビームによってAl系材料5
を加熱、蒸発させることができる。
【0040】真空容器1a内のるつぼ4と対向する位置
には、恒温槽を備えたサセプタ7が配置され、その下面
上にAl系薄膜を堆積するための基板8が配置されてい
る。なお、サセプタ7の恒温槽により基板8を一定温度
に保持される。
【0041】図4(B)は、図4(A)の装置によって
Al系薄膜9を基板8上に堆積した状態を概略的に示
す。Al系薄膜9内には、平均粒径が比較的小さいグレ
インG1が形成されている。
【0042】堆積工程に続いて加熱工程を行なう。基板
8をサセプタ7から外し、ゲートバルブGVを通して他
の真空容器1b中にタングステンヒータ6近傍に配置す
る。ヒータ6で基板8を160−630℃の温度範囲に
加熱し、Al系薄膜9の粒径増大を行なう。この時、A
l系薄膜9表面に飛来する酸素原子の積分数が、Al系
薄膜表面の原子密度の1.5倍を越えないようにする。
【0043】加熱工程によって、Al系薄膜9は、図4
(C)のように変化する。すなわち、図4(B)の時の
粒径G1は、図4(C)の粒径G2のように増大する。
このようにグレインを成長することにより、結果として
得られるAl系薄膜は安定化し、抵抗は低減する。
【0044】なお、堆積と加熱を別の真空容器中で別工
程として行なう場合を説明したが、同一真空容器中で行
なってもよい。さらに、同一工程で行なうことも可能で
あろう。
【0045】図4(D)は、このような堆積−加熱を行
なう装置を示す。基板8はヒータ6近傍に配置され、る
つぼ4と対向する。基板8を加熱しながら堆積を行な
う。堆積を開始した後に加熱を開始してもよい。
【0046】図5は、本発明の他の実施例によるAl系
薄膜の作製方法を概略的に示す断面図である。図5(A
1)は、Al系薄膜の表面清浄化工程を示す。真空容器
1は、図4の実施例と同様、超高真空の排気能力を有す
る排気装置2に接続されている。本実施例においては、
真空容器1の一部に入射するレーザ光を透過させること
のできる窓11が備えられている。真空容器1外側にA
rFエキシマレーザ12が配置され、ArFレーザ光1
3はミラー14によって反射され、真空容器1内に入射
する。
【0047】なお、ミラー14を回転させることによ
り、レーザ光を走査することもできる。真空容器1内の
サセプタ7上に、一旦大気暴露したAl系薄膜を有する
基板8が配置される。
【0048】図5(A2)は、基板8上のAl系薄膜9
を概略的に示す。Al系薄膜9は、大気暴露され、表面
に酸化膜等の変質層18を有する。Al系薄膜9自身の
グレインG1は、未だ十分な大きさを有していない。
【0049】このようなAl系薄膜を有する基板8を真
空容器1のサセプタ7上に配置し、真空容器1内を10
-11 torrオーダの超高真空に排気する。この超高真
空を保ったまま、Al系薄膜9表面にArFレーザ光を
照射し、表面の変質層18を除去する。変質層18が除
去されると、真空容器1内は超高真空に保たれているた
め、Al系薄膜表面は清浄に保たれる。
【0050】図5(B1)は、続いて行なわれる加熱工
程を示す。サセプタ7内に配置されているヒータ6を加
熱することにより、基板8を加熱し、基板8上のAl系
薄膜の粒径増大を行なう。
【0051】図5(B2)は、基板8上のAl系薄膜9
の状態を概略的に示す。図5(A2)に示すグレインG
1が次第に成長し、図5(B2)に示すように、大きな
グレインG2に変化する。この粒径増大の工程におい
て、Al系薄膜9表面は清浄に保たれているため、ヒロ
ックやボイドの発生を有効に防止することができる。
【0052】なお、表面変質層を除去した後、加熱工程
を終了するまでにAl系薄膜9表面に残存している変質
層の原子数および入射する酸素原子の積分原子数は、A
l系薄膜表面上の原子密度の1.5倍以下とする。
【0053】このように、Al系薄膜の表面を清浄化し
た後、加熱工程を行なうことにより、ヒロックやボイド
の発生を防止しつつ、粒径を増大させることができるで
あろう。
【0054】なお、一旦ヒロックやボイドが発生してい
ても、清浄な表面を形成し、さらに加熱を行なえば、A
l系薄膜内の原子が自由にマイグレーションし、ヒロッ
クやボイドを消滅させる可能性もある。
【0055】なお、表面変質層を除去する手段としてA
rFレーザ光を用いる場合を説明したが、他の手段を用
いて表面変質層を除去することもできる。たとえば、他
のレーザ光、電子ビーム等を用いることもできる。さら
に、超高真空の真空容器内にゲートバルブを設け、予備
室を形成し、予備室内でスパッタリングを行ない、表面
変質層を除去することも考えられる。
【0056】以上、シリコン酸化膜上にAl系薄膜を形
成した場合を説明したが、他の材料で形成した下地表面
上にAl系薄膜を形成する場合にも同様の工程を行なう
こともできる。この場合、加熱温度の上限は融点以下で
あろう。有効な加熱下限温度は下地材料に応じて変化す
るであろうが、630℃の最大平均粒径の0.5倍の最
大平均粒径を得られる温度であればよいであろう。
【0057】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボイドを発生させることなく、Al系薄膜の粒径を増大
させることができる。
【0059】さらに、ヒロックやボイドを発生させるこ
となく、Al系薄膜の粒径を増大し、抵抗を低減化させ
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験によって得たAl薄膜の表面の結晶構造を
示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】実験によって得たAl薄膜の表面の結晶構造を
示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図3】実験によって得たAl薄膜の表面の結晶構造を
示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図4】本発明の実施例によるAl系薄膜の作製方法を
説明するための断面図である。
【図5】本発明の他の実施例によるAl系薄膜の作製方
法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 排気装置 4 るつぼ 5 Al系材料 6 ヒータ 7 サセプタ 8 基板 9 Al系薄膜 11 窓 12 レーザ 13 レーザ光 14 ミラー G グレイン V バルブ GV ゲートバルブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al薄膜を堆積する工程と、 引続き、堆積されたAl薄膜を加熱する工程と を含み、前記加熱工程をAl薄膜表面における単位面積
    当たりのAl原子数に対する、Al薄膜表面に飛来す
    る、酸素原子の単位面積当たりの積分数が1.5倍以下
    の状態を保っている時間内に終了させるAl薄膜の作製
    方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱工程を160−630℃の温度
    範囲で行なう請求項1記載のAl薄膜の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱工程を、630℃で得られる最
    大平均粒径の0.5倍以上の最大平均粒径が得られる温
    度以上、Al薄膜の融点以下で行なう請求項1記載のA
    l薄膜の作製方法。
  4. 【請求項4】 Al合金薄膜を堆積する工程と、 引続き、堆積されたAl合金薄膜を加熱する工程とを含
    み、前記加熱工程をAl合金薄膜表面における単位面積
    当たりのAl合金原子数に対する、Al合金薄膜表面に
    飛来する、酸素原子の単位面積当たりの積分数が1.5
    倍以下の状態を保っている時間内に終了させるAl合金
    薄膜の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱工程を160−630℃の温度
    範囲で行なう請求項4記載のAl合金薄膜の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱工程を、630℃で得られる最
    大平均粒径の0.5倍以上の最大平均粒径が得られる温
    度以上、Al合金薄膜の融点以下で行なう請求項4記載
    のAl合金薄膜の作製方法。
  7. 【請求項7】 基板上に形成したAl薄膜を真空容器中
    に配置し、表面層をエッチして清浄表面を露出するエッ
    チ工程と、 引続き、清浄化したAl薄膜表面上に残存している原子
    と、新たに表面に付着した原子の単位面積当たりの積分
    個数を、清浄なAl表面における、単位面積当たりの表
    面原子数の1.5倍以下の状態を保っている間に、Al
    薄膜を加熱する工程とを含むAl薄膜の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱工程を160−630℃の温度
    範囲で行なう請求項7記載のAl薄膜の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱工程を、630℃で得られる最
    大平均粒径の0.5倍以上の最大平均粒径が得られる温
    度以上、Al薄膜の融点以下で行なう請求項7記載のA
    l薄膜の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記エッチ工程がAl薄膜上にレーザ
    光または電子線を照射することを含む請求項7記載のA
    l薄膜の作製方法。
  11. 【請求項11】 基板上に形成したAl合金薄膜を真空
    容器中に配置し、表面層をエッチして清浄表面を露出す
    るエッチ工程と、 引続き、清浄化したAl合金薄膜表面上に残存している
    原子と、新たに表面に付着した原子の単位面積当たりの
    積分個数を、清浄なAl合金表面における、単位面積当
    たりの表面原子数の1.5倍以下の状態を保っている間
    に、Al合金薄膜を加熱する工程とを含むAl合金薄膜
    の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記加熱工程を160−630℃の温
    度範囲で行なう請求項11記載のAl合金薄膜の作製方
    法。
  13. 【請求項13】 前記加熱工程を、630℃で得られる
    最大平均粒径の0.5倍以上の最大平均粒径が得られる
    温度以上、Al合金薄膜の融点以下で行なう請求項11
    記載のAl合金薄膜の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記エッチ工程がAl合金薄膜上にレ
    ーザ光または電子線を照射することを含む請求項11記
    載のAl合金薄膜の作製方法。
JP33753493A 1993-12-28 1993-12-28 Al系薄膜の作製方法 Withdrawn JPH07201857A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011077203A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Fuji Electric Systems Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2016178214A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 豊田合成株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法

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