JPH07201644A - 磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
磁器コンデンサ及びその製造方法Info
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- JPH07201644A JPH07201644A JP5351744A JP35174493A JPH07201644A JP H07201644 A JPH07201644 A JP H07201644A JP 5351744 A JP5351744 A JP 5351744A JP 35174493 A JP35174493 A JP 35174493A JP H07201644 A JPH07201644 A JP H07201644A
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Abstract
に誘電損失の交流電圧特性が良好な誘電体磁器組成物を
誘電体層とした磁器コンデンサ及びその製造方法を提供
すること。 【構成】 誘電体磁器組成物が100.0重量部の基本
成分と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を
焼成したものからなり、該基本成分が、(1−α){(Ba
1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 +
βM1+ γM2(但し、RはLa〜Euから選択された1
種又は2種以上の元素、R′はSc〜Luから選択され
た1種又は2種以上の元素、M1 はP及び/又はV、M
2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから選択された1種
又は2種以上の元素)で表わされる物質からなり、該添
加成分がLi2 O又はB2 O3 とSiO2 とMO(但
し、MOはBaO,SrO,CaO,MgO及びZnO
から選択された1種又は2種以上の酸化物)とからな
る。
Description
磁器層を少なくとも2以上の内部電極によって各々挟持
させてなる単層又は積層構造の磁器コンデンサ及びその
製造方法に関するものである。
器原料粉末からなる未焼結磁器シート(グリーンシー
ト)に白金、パラジウム等の貴金属を主成分とする導電
性ペーストを所望パターンで印刷し、この未焼結磁器シ
ートを複数枚積み重ねて圧着し、酸化性雰囲気中におい
て1300℃〜1600℃の温度で焼成させることによ
って製造されている。
ジウム等の貴金属を主成分とするものを使用しているの
は、導電性ペーストとしてこれら貴金属を主成分とする
ものを使用すれば、積層磁器コンデンサを酸化性雰囲気
中において1300℃〜1600℃の高温で焼成させて
も導電性ペーストが酸化せず、所望の内部電極が得られ
るからである。しかし、白金、パラジウム等の貴金属は
高価な材料であるので、従来の積層磁器コンデンサはコ
スト高になるという問題があった。
を低下させるために、内部電極の材料としてニッケル等
の卑金属を使用した積層磁器コンデンサの開発が望まれ
ている。しかし、ニッケル等の卑金属を内部電極の材料
として用いると、大気中における1300℃〜1600
℃の焼成で内部電極の材料が酸化され、この酸化物が誘
電体層の材料と容易に反応してしまうので、内部電極を
形成することができない。
ては、還元性雰囲気中において焼成することが考えられ
るが、還元性雰囲気中において焼成すると、今度は誘電
体層の材料が著しく還元され、得られたものがコンデン
サとして機能しなくなるという問題があった。
における1300℃〜1600℃の温度の焼成によって
も所望の電気的特性が得られるような誘電体磁器組成物
を種々提案した。そして、これらの誘電体磁器組成物は
次に述べる特許公報に開示されている。
には、{(BaxCaySrz)O}k(TinZr1-n)O2 からなる基本成分
と、Li2 OとSiO2 とMO(但し、MOはBaO,
CaO及びSrOから選択された1種又は2種以上の酸
化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成物が開
示されている。
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}k(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B2 O3 とSiO2 とMOからなる添加成分とを
含む誘電体磁器組成物が開示されている。
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}k(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B2 O3 とSiO2 からなる添加成分とを含む誘
電体磁器組成物が開示されている。
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}K(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B2 O3 とSiO2 とMO(但し、MOはBa
O,CaO及びSrOから選択された1種又は2種以上
の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成物
が開示されている。
器組成物は、還元性雰囲気中における1200℃以下の
比較的低い温度の焼成で得ることができるものであり、
その比誘電率εは5000以上、抵抗率ρは1×106
MΩ・cm以上である。
る電子回路の小型化、高密度化への更なる追求にともな
い、磁器コンデンサの小型大容量化が強く求められ、誘
電体層(グリーンシート)の薄膜化及び積層数の増加に
よりこれを解決することが試みられている。
て、その誘電体磁器層を薄膜化することは、単位厚みあ
たりの交流電圧が増すことになり、誘電損失(tan
δ)が大きくなるという問題があった。
電体磁器組成物の電気的特性を維持し、更に誘電損失の
交流電圧特性が良好な誘電体磁器組成物を誘電体層とし
た磁器コンデンサ及びその製造方法を提供することを目
的とする。
項1及び請求項2記載の発明は、誘電体磁器組成物から
なる1又は2以上の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層
を挟持している少なくとも2以上の内部電極とを備えた
磁器コンデンサにおいて、前記誘電体磁器組成物が、1
00.0重量部の基本成分と、0.2〜5.0重量部の
添加成分との混合物を焼成したものからなり、前記基本
成分が、(1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti1-yZry)O
2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2(但し、Rは、La,
Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから選択された
1種又は2種以上の元素、R′は、Sc,Y,Gd,D
y,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びLuから選択さ
れた1種又は2種以上の元素、M1 はP及び/又はV、
M2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから選択された1
種又は2種以上の元素、α,v,w,x,y,z,k,
β及びγは、 0.002≦α≦0.04 0.00≦v≦0.27 0.00≦w≦0.37 0.00≦x≦0.03 0.00<y<0.26 0.05≦0.6w+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 0.0005≦β≦0.01 0.0005≦γ≦0.01 を満足する数値)で表わされる物質からなる。
1-zR' z)O3/2 の割合、すなわちαの値を0.002≦α
≦0.04としたのは、αの値がこの範囲内にある場合
は所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得るこ
とができるが、0.002未満になった場合には、ta
nδが大幅に悪化し、抵抗率ρも1×103 MΩ・cm
未満と悪くなり、また、0.04を越えた場合には、焼
成温度が1250℃であっても、緻密な焼結体を得るこ
とができなくなるからである。
原子数の割合、すなわちvの値を0.00≦v≦0.2
7としたのは、vの値がこの範囲内にある場合には、所
望の電気的特性を有するとともに、温度特性が平坦で、
抵抗率ρの高い誘電体磁器組成物を得ることができる
が、0.27を越えた場合には、緻密な焼結体を得るた
めの焼成温度が1250℃を越えて高くなり過ぎ、比誘
電率εs も7000未満と悪くなるからである。
ンデンサの温度特性を平坦にし、また抵抗率ρの向上を
図るために使用する元素であるため、あえて含有させな
くても、すなわちvの値を零としても所望の電気的特性
を有する誘電体磁器組成物を得ることはできる。
≦0.6w+y≦0.26としたのは、関係式0.6w
+yの値がこの範囲内にある場合は、所望の電気的特性
を有する誘電体磁器組成物を得ることができるが、関係
式0.6w+yの値が0.05未満となったり、0.2
6を越えたりした場合は、いずれも比誘電率εs が70
00未満と悪くなるからである。
範囲を定めたのは、w,yで割合が示されるSr,Zr
はいずれもキュリー点を低温側にシフトさせる元素であ
り、全体として考慮する必要があるからである。但し、
Srのシフターとしての特性はZrを1とした場合に3
/5(=0.6)であるので、wには係数0.6を掛け
て補正した。
以下であっても、wの値が0.37を越えると、比誘電
率εs が7000未満と悪くなる。従って、関係式0.
6w+yの上限値は0.26であるが、同時に、wの上
限値は0.37としなければならない。このため、S
r,Zrの割合は、0.00≦w≦0.37及び0.0
0<y≦0.26を満足する範囲で、且つ、0.05≦
0.6w+y≦0.26を満足させる範囲としなければ
ならない。
原子数の割合、すなわちxの値を0.00≦x≦0.0
3としたのは、xの値がこの範囲内にある場合には所望
の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることがで
きるが、xの値が0.03を越えた場合には、誘電体磁
器組成物の比誘電率εs が急激に低下して7000未満
と悪くなるからである。
させるとともに、温度特性を平坦にする作用及び抵抗率
ρを向上させる作用を有するものであるため、Caと同
様、あえて含有させなくても、すなわちxの値を零とし
ても所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得る
ことはできる。
原子数の割合、すなわちzの値を0.5≦z≦0.9と
したのは、zの値がこの範囲内にある場合には所望の電
気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる
が、0.5未満になった場合、もしくは、0.9を越え
た場合には、高温CR積が1000F・Ωを割って悪く
なり、所望の電気的特性のものを得ることができないか
らである。
Pm,Sm及びEuはほゞ同様に働き、これ等から選択
された1つを使用しても、または複数を使用しても同様
な結果が得られる。また、R′成分のSc,Y,Gd,
Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びLuもほゞ同
様に働き、これ等から選択された1つを使用しても、ま
たは複数を使用しても同様な結果が得られる。
1-v-w-xCavSrwMgx)O} の割合、すなわちkの値を1.0
0≦k≦1.04としたのは、kの値がこの範囲内にあ
る場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成
物を得ることができるが、1.00未満になった場合に
は、抵抗率ρが1×106 MΩ・cm未満と、大幅に悪
くなり、1.04を越えた場合には、1250℃の焼成
でも緻密な焼結体を得ることができないからである。
割合、すなわちβの値を0.0005≦α≦0.01と
したのは、βの値がこの範囲内にある場合には、所望の
電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができ
るが、βの値が0.0005未満になると交流電圧20
0V/mmにおける誘電損失tanδが5.0%を越え
て悪くなり、βの値が0.01を越えると抵抗率ρが
1.0×104 MΩ・cm以下と悪くなってしまうから
である。
き、0.0005≦α≦0.01を満足する範囲ではP
とVのうち一方または両方を使用することが出来る。
割合、すなわちγの値を0.0005≦β≦0.01と
したのは、γの値がこの範囲内にある場合には、所望の
電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができ
るが、γの値が0.0005未満になると交流電圧20
0V/mmにおける誘電損失tanδが5.0%を越え
て悪くなり、γの値が0.01を越えると比誘電率が7
000未満と悪くなってしまうからである。
o,Niはそれぞれほぼ同様に働き、これらから選択さ
れた一つを使用しても、または複数を組み合わせて使用
しても同様な結果が得られる。
阻害しない範囲で微量の鉱化剤を添加し、焼結性を向上
させてもよい。また、その他の物質を必要に応じて添加
してもよい。また、基本成分を得るための出発原料とし
ては、実施例で示した以外の酸化物を使用してもよい
し、水酸化物又はその他の化合物を使用してもよい。
の基本成分に対して0.2〜5.0重量部としたのは、
添加成分の添加量がこの範囲内にある場合は1190〜
1200℃の焼成で所望の電気的特性を有する誘電体磁
器組成物を得ることができるが、0.2重量部未満にな
ると、焼成温度が1250℃であっても緻密な焼結体を
得ることができなくなるし、また、5.0重量部を越え
ると、比誘電率εs が7000未満と悪くなるからであ
る。
成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MOはBa
O,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択された
1種又は2種以上の酸化物)とからなり、前記Li2 O
と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲が、これらの組
成をモル%で示す三角図における、前記Li2 Oが1モ
ル%、前記SiO2 が80モル%、前記MOが19モル
%の組成を示す第一の点Aと、前記Li2 Oが1モル
%、前記SiO2 が39モル%、前記MOが60モル%
の組成を示す第二の点Bと、前記Li2 Oが30モル
%、前記SiO2 が30モル%、前記MOが40モル%
の組成を示す第三の点Cと、前記Li2 Oが50モル
%、前記SiO2 が50モル%、前記MOが0モル%の
組成を示す第四の点Dと、前記Li2 Oが20モル%、
前記SiO2 が80モル%、前記MOが0モル%の組成
を示す第五の点Eとをこの順に結ぶ5本の直線で囲まれ
た領域内にあるものである。
iO2 −MOの組成比をモル%で示す三角図において、
前記した点A〜Eをこの順に結ぶ5本の直線で囲まれた
領域内としたのは、添加成分の組成をこの範囲内のもの
とすれば、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、添加成分の組成をこの範囲外とすれ
ば、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることがで
きなくなるからである。なお、MO成分となるBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOは適当な比率で使用
してもよい。
分がB2 O3 とSiO2 とMO(但し、MOはBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOから選択された1種
又は2種以上の酸化物)とからなり、前記B2 O3 と前
記SiO2 と前記MOとの組成範囲が、これらの組成を
モル%で示す三角図において、前記B2 O3 が1モル
%、前記SiO2 が80モル%、前記MOが19モル%
の組成を示す第六の点Fと、前記B2 O3 が1モル%、
前記SiO2 が39モル%、前記MOが60モル%の組
成を示す第七の点Gと、前記B2 O3 が30モル%、前
記SiO2 が0モル%、前記MOが70モル%の組成を
示す第八の点Hと、前記B2 O3 が90モル%、前記S
iO2 が0モル%、前記MOが10モル%の組成を示す
第九の点Iと、前記B2 O3 が90モル%、前記SiO
2 が10モル%、前記MOが0モル%の組成を示す第十
の点Jと、前記B2 O3 が20モル%、前記SiO2 が
80モル%、前記MOが0モル%の組成を示す第十一の
点Kとをこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあ
るものである。
iO2 −MOの組成比をモル%で示す三角図において、
前記した点F〜Kをこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた
領域内としたのは、添加成分の組成をこの範囲内のもの
とすれば、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、添加成分の組成をこの範囲外とすれ
ば、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることがで
きなくなるからである。なお、MO成分となるBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOは適当な比率で使用
してもよい。
求項4記載の発明は、前記の基本成分と添加成分とから
なる未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製する工程
と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形成する工
程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以上の導電
性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工程と、前
記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する工程と、
前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中において熱処
理する工程とを備えたものである。
の発明のもの(Li2 O−SiO2−MO)及び請求項
2記載の発明のもの(B2 O3 −SiO2 −MO)のい
ずれか一方を使用することができる、また、非酸化性雰
囲気としては、H2 やCOなどの還元性雰囲気のみなら
ず、N2 やArなどの中性雰囲気であってもよい。ま
た、非酸化性雰囲気中における焼成温度は、電極材料を
考慮して種々変更することができる。ニッケルを内部電
極とする場合には、1050℃〜1200℃の範囲でニ
ッケル粒子の凝集をほとんど生じさせることなく焼成す
ることができる。
度は、非酸化性雰囲気中における焼成温度より低い温度
であればよく、500〜1000℃の範囲が好ましい。
酸化性雰囲気としては、大気雰囲気に限定することな
く、例えば、N2 に数ppmのO2 を混合したような低
酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃度の雰囲気を使用す
ることができる。どのような温度あるいはどのような酸
素濃度の雰囲気にするかは、電極材料(ニッケル等)の
酸化と誘電体磁器層の酸化とを考慮して種々変更する必
要がある。後述する実施例ではこの熱処理の温度を60
0℃としたが、この温度に限定されるものではない。
中における焼成と、酸化性雰囲気中における熱処理を1
つの連続したプロフィールの中で行なっているが、もち
ろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸化性雰囲
気中における熱処理工程とを独立した工程に分けて行な
うことも可能である。
を使用しているが、電極の焼き付け条件を選択すること
によりNi,Ag,Cu等の電極を用いることができる
のはもちろんであるし、Ni外部電極を未焼成積層体の
端面に塗布して積層体の焼成と外部電極の焼き付けを同
時に行なうこともできる。
一般的な単層の磁器コンデンサにももちろん適用可能で
ある。
る。基本成分の調製 表1に示す化合物を各々秤量し、これらの化合物を、複
数個のアルミナボール及び2.5リットルの水ととも
に、ポットミルに入れ、15時間撹拌混合して、混合物
を得た。
記基本成分の組成式 (1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2 …(1) (但し、RはLu,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及び
Euから選択された1種又は2種以上の元素、R´は、
Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm
及びLuから選択された1種又は2種以上の元素、M1
はP及び/又はV、M2 はCr,Mn,Fe,Ni及び
Coから選択された1種又は2種以上の元素)における
第一項の{(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti1-yZry)O2が {(Ba0.84Ca0.07Sr0.08Mg0.01)0}1.01(Ti0.90Zr0.10)O2 となるように計算して求めた値である。
に入れ、熱風式乾燥器を用い、150℃で4時間乾燥
し、この乾燥した混合物を粗粉砕し、この粗粉砕した混
合物をトンネル炉を用い、大気中において約1200℃
で2時間仮焼し、上記基本成分の組成式(1) における第
一項の成分(第一基本成分)の粉末を得た。
に、1−αが0.98モル、αが0.02モルとなるよ
うに、98モル部(984.08g)の第一基本成分の
粉末と、2モル部(15.92g、うち、Dy2 O3 が
11.55g、Pr2 O3 が4.37g)の第2基本成
分(基本成分の組成式(1) における第2項(R1-zR' z)O
3/2 の成分)の秤量を行なった。
om%(PO5/2 が0.031g)の第三基本成分(基本
成分の組成式(1) における第三項βM1の成分)、1atom
%(CrO3/2 が3.294g)の第四基本成分(基本
成分の組成式(1) における第四項γM2の成分)の秤量を
行なった。そして、秤量したこれらすべての基本成分の
粉末を混式ポットミルで攪拌混合し、150℃で乾燥さ
せ、基本成分の粉末を得た。
リエチレンポットに、複数個のアルミナボール及び30
0ミリリットルのアルコールとともに加え、10時間攪
拌混合して、混合物を得た。
Li2 Oが1モル%、SiO2 が80モル%、MOが1
9モル%{BaO(3.8モル%)+CaO(9.5モ
ル%)+MgO(5.7モル%)}の組成となるように
計算して求めた値である。また、MOのうちでBaO,
CaO及びMgOの占める割合は、BaOが20モル
%、CaOが50モル%、MgOが30モル%である。
00℃の温度で2時間仮焼し、これをアルミナポットに
複数個のアルミナボール及び300ミリリットルの水と
ともに入れ、15時間粉砕し、その後、150℃で4時
間乾燥させ、前記組成の添加成分の粉末を得た。
2重量部(20g)の前記添加成分とをボールミルに入
れ、更に、これらの基本成分と添加成分との合計重量に
対して15重量%の有機バインダーと50重量%の水を
入れ、これらを混合及び粉砕して誘電体磁器組成物の原
料となるスラリーを得た。ここで、有機バインダーとし
ては、アクリル酸エステルポリマー、グリセリン及び縮
合リン酸塩の水溶液からなるものを使用した。
この脱泡処理したスラリーをポリエステルフィルム上に
リバースコータを用いて所定の厚さで塗布し、この塗布
されたスラリーをこのポリエステルフィルムとともに1
00℃で加熱して乾燥させ、厚さ約18μmの長尺な未
焼結磁器シートを得た。そして、この長尺な未焼結磁器
シートを裁断して10cm角の未焼結磁器シートを得
た。
チルセルロース0.9gをブチルカルビトール9.1g
に溶解させたものとを攪拌機に入れて10時間攪拌し、
内部電極用の導電性ペーストを得た。
の導電性ペーストからなるパターン(長さ14mm、幅
7mm)を50個、スクリーン印刷法によって形成さ
せ、乾燥させた。
るパターンが形成されている側を上にして2枚積層し
た。この積層の際、隣接する上下の未焼結磁器シート間
において、導電性ペーストからなるパターンが長手方向
に半分程ずれるようにした。そして、更に上記のように
して積層したものの上下両面に厚さ60μmの未焼結磁
器シートを各々4枚ずつ積層して積層物を得た。
向から約40トンの荷重を加えて、この積層物を構成し
ている未焼結磁器シート相互を圧着させた。そして、こ
の積層物を格子状に裁断して、50個の積層体チップを
得た。
れ、この炉内を大気雰囲気にし、100℃/hの速度で
600℃まで昇温させ、未焼結磁器シート中の有機バイ
ンダーを燃焼除去させた。
元雰囲気{H2(2体積%)+N2(98体積%)}に変
え、炉内の温度を600℃から1160℃まで、100
℃/hの速度で昇温させ、1160℃の温度を3時間保
持し、その後、100℃/hの速度で降温させ、炉内の
雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)に変え、600℃
の温度を30分間保持して酸化処理を行い、その後、室
温まで冷却して積層焼結体チップを得た。
内部電極の端部が露出している側面に一対の外部電極を
形成し、図1に示すような、3層の誘電体磁器層12,
12,12と2層の内部電極14,14とからなる積層
焼結体チップ15の端部に一対の外部電極16,16が
形成された積層磁器コンデンサ10が得られた。
とガラスフリット(glass frit)とビヒクル(vehicle) と
からなる導電性ペーストを塗布し、この導電性ペースト
を、乾燥後、大気中において550℃の温度で15分間
焼き付けて亜鉛電極層18とし、更にこの亜鉛電極層1
8の上に無電解メッキ法で銅層20を形成し、更にこの
銅層20の上に電気メッキ法でPb−Sn半田層22を
設けることによって形成した。
体磁器層12の厚さは0.012mm、一対の内部電極
14,14の対向面積は5mm×5mm=25mm2 で
ある。また、焼結後の誘電体磁器層12の組成は、焼結
前の基本成分及び添加成分の混合物の組成と実質的に同
じである。
その平均値を求めたところ、表5に示すように、比誘
電率εs が15400、tanδが1.4%、抵抗率ρ
が4.80×106 MΩ・cm、高温CR積が1930
F・Ω、交流電圧特性tanδが3.1%であった。
圧(実効値)1.0Vの条件で静電容量を測定し、この
測定値と、一対の内部電極14,14の対向面積(25
mm2 )と一対の内部電極14,14間の誘電体磁器層
12の厚さ(0.012mm)から計算で求めた。 (B) 誘電体損失tanδ(%)は、上記した比誘電率ε
s の測定の場合と同一の条件で測定した。 (C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてD
C100Vを1分間印加した後に、一対の外部電極1
6,16間の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基
づいて計算で求めた。 (D) 高温CR積(F・Ω)は、温度125℃、周波数1
kHz、電圧(実効値)1.0Vの条件で静電容量を測
定し、また、DC100Vを1分間印加した後に、一対
の外部電極16,16間の抵抗値〔MΩ〕を測定し、計
算で求めた。 (E) 交流電圧200V/mmでの誘電損失tanδ
(%)は、温度20℃、周波数1kHz、電圧(実行
値)2.4Vの条件で測定した。
たが、No.2〜91の試料の場合についても、基本成
分の組成を表3〜表3に示すように変え、添加成分
の組成を表4〜表4に示すように変え、還元性雰囲
気中における焼成温度を表5〜表5に示すように変
えた他は、No.1の試料の場合と全く同一の条件で積
層磁器コンデンサを作成し、同一の方法で電気的特性を
測定した。No.1〜91の試料の場合の焼成温度及び
電気的特性は表5〜表5に示す通りとなった。
基本成分の組成式における第一項の{(Ba1-v-w-xCavSrwM
gx)O}k(Ti1-yZry)O2の割合が、1−v−w−xの欄には
基本成分の組成式の第一項におけるBaの原子数の割合
が、vの欄には基本成分の組成式の第一項におけるCa
の原子数の割合が、wの欄には基本成分の組成式の第一
項におけるSrの原子数の割合が、xの欄には基本成分
の組成式の第一項におけるMgの原子数の割合が、1−
yの欄には基本成分の組成式の第一項におけるTiの原
子数の割合が、yの欄には基本成分の組成式の第一項に
おけるZrの原子数の割合が、w+yの欄には基本成分
の組成式の第一項におけるSr+Zrの原子数の割合
が、kの欄には基本成分の組成式の第一項における{(Ba
1-v-w-xCavSrwMgx)O} の割合が、αの欄には基本成分の
組成式の第二項の(R1-zR'Z)O3/2 の割合が、1−zの欄
には基本成分の組成式の第二項のRの原子数の割合が、
zの欄には基本成分の組成式における第二項のR′の原
子数の割合が、βの欄には基本成分の組成式における第
三項のP2 O5 及び/又はV2 O5 の原子数の割合が、
γの欄には基本成分の組成式における第四項のCr,M
n,Fe,Ni及びCoから選択された1種又は2種以
上の元素の原子数の割合が示されている。
の内容の欄において、添加量重量部の欄には基本成分1
00重量部に対する添加成分の添加量が重量部で示さ
れ、組成の欄にはLi2 O,B2 O3 ,SiO2 及びM
Oの割合がモル%で示され、MOの内容の欄にはBa
O,SrO,CaO,MgO及びZnOの割合がモル%
で示されている。
び表5〜表5において、No.1〜24の試料によ
る実験は添加成分であるガラスの適正範囲を明らかに
し、No.25〜30の試料による実験は添加成分であ
るガラスの添加量の適正範囲を明らかにし、No.31
〜36の試料による実験はCaの原子数の割合であるv
値の適正範囲を明らかにし、No.37〜52の試料に
よる実験はSrの原子数の割合であるw値と、Zrの原
子数の割合であるy値の適正範囲を明らかにし、No.
53〜58の試料による実験はMgの原子数の割合であ
るx値の適正範囲を明らかにし、No.59〜68の試
料による実験はR′の原子数の割合であるz値の適正範
囲を明らかにし、No.69〜74の試料による実験は
(R1-zR'z)O3/2 成分の割合であるα値の適正範囲を明ら
かにし、No.75〜79の試料による実験は{(Ba
1-v-w-xCavSrwMgx)O} 成分の割合であるk値の適正範囲
を明らかにし、No.80〜85の試料による実験はM
1 の原子数の割合であるβ値の適性範囲を明らかにし、
No.86〜91の試料による実験はM2 の原子の割合
であるγ値の適正範囲を明らかにするものである。
従う試料によれば、非酸化性雰囲気中における1200
℃以下の焼成で、比誘電率εs が7000以上、誘電体
損失tanδが2.5%以下、抵抗率ρが1×106 M
Ω・cm以上、125℃下におけるCR積が1000F
・Ω以上、交流電圧特性tanδが5%以下の電気的特
性を有する誘電体磁器組成物を備えた磁器コンデンサを
得ることができるものである。
25,30,36,37,42,50,52,58,5
9,68,69,74,75,79,80,85,86
及び91の試料によれば、所望の電気的特性を有する磁
器コンデンサを得ることができない。従って、これらの
No.の試料は本発明の範囲外のものである。
られている誘電体磁器組成物の組成範囲の限定理由につ
いて、表3〜表3、表4〜表4及び表5〜表
5に示す実験結果を参照しながら説明する。
原子数の割合、すなわちvの値について説明する。vの
値が、試料No.35に示すように、0.27の場合に
は、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、試料No.36に示すように、0.3
0の場合には、焼成温度が1250℃と高くなり、比誘
電率εs も7000未満と悪くなる。従って、vの上限
値は0.27である。
び抵抗率ρを向上させる作用を有するが、vの値が、試
料No.31に示すように、零であっても所望の電気的
特性の誘電体磁器組成物を得ることができる。従って、
vの下限値は零である。
原子数の割合であるwの値と、Zrの原子数の割合であ
るyの値を、関係式0.6w+yの値で表わした場合に
ついて説明する。関係式0.6w+yの値が、試料N
o.43に示すように、0.05の場合には、所望の電
気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができる
が、試料No.37に示すように、0.015の場合に
は、比誘電率εs が7000未満と悪くなる。従って、
関係式0.6w+yの下限値は0.05である。
o.49,51に示すように、0.260の場合は、所
望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることが
できるが、試料No.50,52に示すように、0.2
6を越えて0.290になった場合には、比誘電率εs
が7000未満と悪くなる。従って、関係式0.6w+
yの上限値は0.26である。
以下であっても、試料No.42に示すように、wの値
が0.37を越えて0.40になった場合は、比誘電率
εsが7000未満と悪くなる。従って、関係式0.6
w+yの上限値は0.26であるが、同時に、wの上限
値は0.37としなければならない。
リー点を低温側にシフトさせ、室温における比誘電率を
増大させる同様の作用を有し、0≦w≦0.37及び0
<y≦0.26を満足する範囲で、且つ、0.05≦
0.6w+y≦0.26を満足させる範囲で使用するこ
とができる。
原子数の割合、すなわちxの値の適正範囲について検討
する。xの値が、試料No.57に示すように0.03
の場合には、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成
物を得ることができるが、試料No.58に示すよう
に、0.03を越えた場合には、比誘電率εs が急激に
低下して7000未満と悪くなる。従って、xの上限値
は0.03である。
させるとともに、温度特性を平坦にする作用及び抵抗率
ρを向上させる作用を有するが、xの値が、試料No.
53に示すように0であっても、所望の電気的特性を有
する誘電体磁器組成物を得ることができる。従って、x
の下限値は0である。
(R1-z R′z )の割合、すなわちαの値について説明
する。αの値が、試料No.70に示すように、0.0
02の場合には所望の電気的特性を有する誘電体磁器組
成物を得ることができるが、試料No.69に示すよう
に、0.001の場合には、誘電体損失tanδが大幅
に悪化し、抵抗率ρも1×103 MΩ・cm未満と悪く
なる。従って、αの下限値は0.002である。
うに、0.04の場合には所望の電気的特性を有する誘
電体磁器組成物を得ることができるが、試料No.74
に示すように、0.06の場合には、焼成温度が125
0℃であっても緻密な焼結体を得ることができない。従
って、αの上限値は0.04である。
るR′の原子数の割合、すなわちzの値について説明す
る。zの値が、試料No.60に示すように、0.5の
場合には所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を
得ることができるが、試料No.59に示すように、
0.40の場合には、高温CR積が悪化し、1000未
満となる。従って、zの下限値は0.5である。
に、0.9の場合には、所望の電気的特性の誘電体磁器
組成物を得ることができるが、試料No.68に示すよ
うに、0.95の場合には、高温CR積は悪化し、10
00未満となる。従って、zの下限値は0.90であ
る。
Pm,Sm,Euはほゞ同様に働き、これ等から選択さ
れた1つを使用しても、または複数を使用しても同様な
結果が得られる。また、R′成分のSc,Y,Dy,H
o,Er,Ybもほゞ同様に働き、これ等から選択され
た1つを使用しても、または複数を使用しても同様な結
果が得られる。
原子数の割合、すなわちβの値の適性範囲について検討
する。βの値が、試料No.81に示すように、0.0
005の場合には所望の電気的特性を有する誘電体磁器
組成物を得ることができるが、試料No.80に示すよ
うに、0.0002の場合には交流電圧200V/mm
におけるtanδが5.0%以上と悪化する。従って、
βの下限値は0.0005である。
うに、0.01の場合には所望の電気的特性を有する誘
電体磁器組成物を得ることができるが、試料No.85
に示すように、0.015の場合には、抵抗率ρが1×
104 MΩ・cm未満と悪化する。従って、βの上限値
は0.01である。
き、0.0005≦β≦0.01を満足する範囲では、
PとVのうち一方または両方を使用することができる。
子数の割合、すなわちγの値の適性範囲について検討す
る。γの値が、試料No.87に示すように、0.00
05の場合には所望の電気特性を有する誘電体磁器組成
物を得ることができるが、試料No.86に示すよう
に、0.0002の場合には、交流電圧200V/mm
におけるtanδが5.0%以上と悪化する。従って、
γの下限値は0.0005である。
に、0.01の場合には、所望の電気特性を有する誘電
体磁器組成物を得ることができるが、試料No.91に
示すように、0.015の場合には、比誘電率が700
0未満と悪化する。従って、γの上限値は0.01であ
る。
及びCoはそれぞれほぼ同様に働き、これらから選択さ
れた一つを使用しても、また、複数を組み合わせて使用
しても同様な効果が得られるものである。
討する。まず、添加成分がLi2 O−SiO2 −MOの
場合、添加成分の好ましい組成範囲は、Li2 O−Si
O2 −MOの組成比をモル%で示す図2の三角図に基づ
いて決定することができる。
o.1に示すように、Li2 Oが1モル%、SiO2 が
80モル%、MOが19モル%の組成を示し、第二の点
Bは、試料No.2に示すように、Li2 Oが1モル
%、SiO2 が39モル%、MOが60モル%の組成を
示し、第三の点Cは、試料No.3に示すように、Li
2 Oが30モル%、SiO2 が30モル%、MOが40
モル%の組成を示し、第四の点Dは、試料No.4に示
すように、Li2 Oが50モル%、SiO2 が50モル
%、MOが0モル%の組成を示し、第五の点Eは、試料
No.5に示すように、Li2 Oが20モル%、SiO
2 が80モル%、MOが0モル%の組成を示す。
成分の組成範囲が、Li2 O−SiO2 −MOの組成比
をモル%で示す三角図(図2)の第一〜五の点A〜Eを
順に結ぶ5本の直線で囲まれた範囲内であれば所望の電
気的特性を得ることができるが、試料No.6〜8に示
されるように、添加成分の組成を上記範囲外とすれば、
緻密な焼結体を得ることができない。
Oの場合、添加成分の好ましい組成範囲は、B2 O3 −
SiO2 −MOの組成比をモル%で示す図3の三角図に
基づいて決定することができる。
o.9に示すように、B2 O3 が1モル%、SiO2 が
80モル%、MOが19モル%の組成を示し、第七の点
Gは、試料No.10に示すように、B2 O3 が1モル
%、SiO2 が39モル%、MOが60モル%の組成を
示し、第八の点Hは、試料No.11に示すように、B
2 O3 が30モル%、SiO2 が0モル%、MOが70
モル%の組成を示し、第九の点Iは、試料No.12に
示すように、B2 O3 が90モル%、SiO2が0モル
%、MOが10モル%の組成を示し、第十の点Jは、試
料No.14に示すように、B2 O3 が90モル%、S
iO2 が10モル%、MOが0モル%の組成を示し、第
十一の点Kは、試料No.15に示すように、B2 O3
が20モル%、SiO2 が80モル%、MOが0モル%
の組成を示す。
加成分の組成範囲が、B2 O3 −SiO2 −MOの組成
比をモル%で示す三角図(図3)の第六〜十一の点F〜
Kを順に結ぶ6本の直線で囲まれた範囲内にあれば所望
の電気的特性を得ることができるが、試料No.16〜
18に示されるように、添加成分の組成を上記範囲外と
すれば、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を
得ることができないか、又は緻密な焼結体を得ることが
できない。
体層を構成している誘電体磁器組成物の組成を前述した
ように構成したので、非酸化性雰囲気中における120
0℃以下の焼成であるにもかかわらず、その比誘電率ε
s を7200〜18900と飛躍的に向上させることが
でき、従って、磁器コンデンサの小型大容量化を図るこ
とができるという効果がある。
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物の組成を前述
したように構成したので、高温におけるCR積を高める
ことができ、従って、磁器コンデンサの高温における信
頼性を高めることができるという効果がある。
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物の組成を前述
したように構成したので、誘電損失の交流電圧特性が良
好な磁器コンデンサを得ることができるという効果があ
る。
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物を非酸化性雰
囲気中で焼結させるので、内部電極をニッケル等の安価
な卑金属の導電性ペーストで形成することができ、従っ
て、磁器コンデンサの小型大容量化とあいまって、磁器
コンデンサの低コスト化を図ることができるという効果
がある。
面図である。
する誘電体組成物の添加成分(Li2 O−SiO2 −M
O)の組成範囲を示す三角図である。
する誘電体組成物の添加成分(B2 O3 −SiO2 −M
O)の組成範囲を示す三角図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 誘電体磁器組成物からなる1又は2以上
の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している少
なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサに
おいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
したものからなり、 前記基本成分が、(1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti
1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2(但し、R
は、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから
選択された1種又は2種以上の元素、R′は、Sc,
Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びL
uから選択された1種又は2種以上の元素、M1 はP及
び/又はV、M2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから
選択された1種又は2種以上の元素、α,v,w,x,
y,z,k,β及びγは、 0.002≦α≦0.04 0.00≦v≦0.27 0.00≦w≦0.37 0.00≦x≦0.03 0.00<y<0.26 0.05≦0.6w+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 0.0005≦β≦0.01 0.0005≦γ≦0.01 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
前記MOが19モル%の組成を示す第一の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
前記MOが60モル%の組成を示す第二の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
%、前記MOが40モル%の組成を示す第三の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第四の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第五の点Eとをこ
の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
徴とする磁器コンデンサ。 - 【請求項2】 誘電体磁器組成物からなる1又は2以上
の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している少
なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサに
おいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
したものからなり、 前記基本成分が、(1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti
1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2(但し、R
は、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから
選択された1種又は2種以上の元素、R′は、Sc,
Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びL
uから選択された1種又は2種以上の元素、M1 はP及
び/又はV、M2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから
選択された1種又は2種以上の元素、α,v,w,x,
y,z,k,β及びγは、 0.002≦α≦0.04 0.00≦v≦0.27 0.00≦w≦0.37 0.00≦x≦0.03 0.00<y<0.26 0.05≦0.6w+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 0.0005≦β≦0.01 0.0005≦γ≦0.01 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がB2 O3 とSiO2 とMO(但し、MO
はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記B2 O3 と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記B2 O3 が1モル%、前記SiO2 が80モル%、
前記MOが19モル%の組成を示す第六の点Fと、 前記B2 O3 が1モル%、前記SiO2 が39モル%、
前記MOが60モル%の組成を示す第七の点Gと、 前記B2 O3 が30モル%、前記SiO2 が0モル%、
前記MOが70モル%の組成を示す第八の点Hと、 前記B2 O3 が90モル%、前記SiO2 が0モル%、
前記MOが10モル%の組成を示す第九の点Iと、 前記B2 O3 が90モル%、前記SiO2 が10モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第十の点Jと、 前記B2 O3 が20モル%、前記SiO2 が80モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第十一の点Kとを
この順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあることを
特徴とする磁器コンデンサ。 - 【請求項3】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する
工程と、前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中にお
いて熱処理する工程とを備え、 前記未焼結の磁器粉末からなる混合物が、100.0重
量部の基本成分と、0.2〜5.0重量部の添加成分と
からなり、 前記基本成分が、(1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti
1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2(但し、R
は、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから
選択された1種又は2種以上の元素、R′は、Sc,
Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びL
uから選択された1種又は2種以上の元素、M1 はP及
び/又はV、M2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから
選択された1種又は2種以上の元素、α,v,w,x,
y,z,k,β及びγは、 0.002≦α≦0.04 0.00≦v≦0.27 0.00≦w≦0.37 0.00≦x≦0.03 0.00<y<0.26 0.05≦0.6w+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 0.0005≦β≦0.01 0.0005≦γ≦0.01 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
前記MOが19モル%の組成を示す第一の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
前記MOが60モル%の組成を示す第二の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
%、前記MOが40モル%の組成を示す第三の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第四の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第五の点Eとをこ
の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
徴とする磁器コンデンサの製造方法。 - 【請求項4】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する
工程と、前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中にお
いて熱処理する工程とを備え、 前記未焼結の磁器粉末からなる混合物が、100.0重
量部の基本成分と、0.2〜5.0重量部の添加成分と
からなり、 前記基本成分が、(1−α){(Ba1-v-w-xCavSrwMgx)O}k(Ti
1-yZry)O2+α(R1-zR' z)O3/2 + βM1+ γM2(但し、R
は、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから
選択された1種又は2種以上の元素、R′は、Sc,
Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びL
uから選択された1種又は2種以上の元素、M1 はP及
び/又はV、M2 はCr,Mn,Fe,Ni,Coから
選択された1種又は2種以上の元素、α,v,w,x,
y,z,k,β及びγは、 0.002≦α≦0.04 0.00≦v≦0.27 0.00≦w≦0.37 0.00≦x≦0.03 0.00<y<0.26 0.05≦0.6w+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 0.0005≦β≦0.01 0.0005≦γ≦0.01 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がB2 O3 とSiO2 とMO(但し、MO
はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記B2 O3 と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記B2 O3 が1モル%、前記SiO2 が80モル%、
前記MOが19モル%の組成を示す第六の点Fと、 前記B2 O3 が1モル%、前記SiO2 が39モル%、
前記MOが60モル%の組成を示す第七の点Gと、 前記B2 O3 が30モル%、前記SiO2 が0モル%、
前記MOが70モル%の組成を示す第八の点Hと、 前記B2 O3 が90モル%、前記SiO2 が0モル%、
前記MOが10モル%の組成を示す第九の点Iと、 前記B2 O3 が90モル%、前記SiO2 が10モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第十の点Jと、 前記B2 O3 が20モル%、前記SiO2 が80モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第十一の点Kとを
この順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあることを
特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
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