JPH07201527A - 導電性チップ型セラミック素子の製造方法 - Google Patents

導電性チップ型セラミック素子の製造方法

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JPH07201527A
JPH07201527A JP6001248A JP124894A JPH07201527A JP H07201527 A JPH07201527 A JP H07201527A JP 6001248 A JP6001248 A JP 6001248A JP 124894 A JP124894 A JP 124894A JP H07201527 A JPH07201527 A JP H07201527A
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JP
Japan
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ceramic
chip
electrode
conductive
layer
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JP6001248A
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Inventor
Hiroaki Nakajima
弘明 中島
Masami Koshimura
正己 越村
Yoshinori Fujimoto
義典 藤本
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便かつ迅速に内包電極及び絶縁性無機物層
を形成し、チップ状素体の寸法のばらつき及び素子の電
気的特性のばらつきが少ない。 【構成】 導電性セラミック焼結シート20の両面に内
包電極23を形成し、内包電極を形成した焼結シートを
ダイシングソーによりチップ状に切断してチップ状セラ
ミック素体22にする。内包電極を形成したセラミック
素体の全面に厚さ2〜10μmの絶縁性無機物層24を
被覆し、このセラミック素体の内包電極を有する両端部
表面に金属粉末と無機結合材を含む導電性ペースト25
を塗布する。このセラミック素体を無機物層の融点又は
軟化点より低い温度で焼成し、塗布したペーストの無機
結合材にそのペーストの下地部分の無機物層の一部を反
応溶融させることにより無機物層の一部を消滅させて外
包電極26を形成する。外包電極の表面にめっき層2
7,28を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント回路基板等に
表面実装されるチップ型のNTCサーミスタ、PTCサ
ーミスタ、バリスタ等の導電性のあるセラミック素子の
製造方法に関する。更に詳しくは両端部に内包電極を有
する導電性チップ型セラミック素子の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、本出願人はこの種の
チップ型セラミック素子の製造方法として、セラミック
グリーンシートからチップ体1を打抜く工程(a)と、前
記チップ体1を焼成してチップ状セラミック素体2にす
る工程(b)と、このセラミック素体2の両端面に内包電
極3を形成する工程(c)と、この内包電極3を形成した
セラミック素体の全面に厚さ2〜10μmの絶縁性無機
物層4を被覆する工程(d)と、この無機物層4を被覆し
たセラミック素体の両端部表面に金属粉末と無機結合材
を含む導電性ペースト5を塗布する工程(e)と、前記ペ
ーストを塗布したセラミック素体を前記無機物層の融点
又は軟化点より低い温度で焼成し、前記塗布したペース
トの無機結合材にそのペーストの下地部分の前記無機物
層の一部を反応溶融させることにより前記無機物層の一
部を消滅させて外包電極6を形成する工程(f)と、前記
外包電極の表面にめっき層7,8を形成する工程(g,h)
とを含む方法を特許出願した(特開平5−25121
0)。
【0003】内包電極3をセラミック素体2と外包電極
6の間に介在させることにより、セラミック素体と接触
する電極面積が一定となり、セラミック素子の電気的特
性のばらつきが減少する。上記工程(c)の内包電極3の
形成は、具体的には図9(a)に示すようにセラミック
素体2を保持するための多数の保持孔9aが形成された
弾性材料からなる保持プレート9を用いる。保持孔9a
に相応して導入孔10aを有するローディングプレート
10を保持プレート9に重ね合わせてプレート9の下側
を真空ポンプ等により負圧にしてセラミック素体2を各
保持孔9aに入れる(図9(b))。導入孔10aはセ
ラミック素体2の端面が上面になるように広口に形成さ
れる。負圧状態を解除してから、孔の数だけ押出用ピン
11aを備えた押出具11を用いて、各ピン11aをプ
レート9の上側から各保持孔9aに一定の長さだけ挿入
しセラミック素体2をプレート9の下面から突出させ
る。この状態で保持プレート9を裏返して図9(c)に
示すように均一の高さに揃えられたセラミック素体2の
端面にスクリーン印刷する。図9(c)において、12
はスクリーン、13はスキージ、14は銀ペーストであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9に示す保
持プレート9、ローディングプレート10、押出具11
等の治具を用いて図8(c)に示す内包電極3を形成す
る方法は、チップ型セラミック素子がチップ型サーミス
タであって、サーミスタが長さ1〜2mm程度で厚さ
0.5〜0.8mm程度の極めて小型である場合に、サ
ーミスタ素体が保持孔9a又は導入孔10aに入りにく
く、サーミスタ素体の端面を上方に揃える修正作業を要
し、作業性が悪く、製造コストを押し上げる欠点があっ
た。また従来のチップ体の作製は、グリーンシートを打
抜く方法によるため、チップ状セラミック素体の寸法上
のばらつきが比較的大きく、これが内包電極とセラミッ
ク素体との接触面積のばらつきの一因となり、製品とな
るセラミック素子の電気的特性のばらつきを招来してい
る。
【0005】本発明の目的は内包電極を簡便かつ安価に
形成する導電性チップ型セラミック素子の製造方法を提
供することにある。本発明の別の目的は、絶縁性無機物
層を迅速に形成する導電性チップ型セラミック素子の製
造方法を提供することにある。本発明の更に別の目的
は、セラミック素体のばらつきが少なく、セラミック素
子の電気的特性のばらつきの少ない導電性チップ型セラ
ミック素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】図1及び図2に示すよ
うに、本発明の導電性チップ型セラミック素子の製造方
法は、導電性セラミック焼結シート20の両面に内包電
極23を形成する工程と、この内包電極23を形成した
焼結シート20をダイシングソーによりチップ状に切断
してチップ状セラミック素体22にする工程と、この内
包電極23を形成したセラミック素体22の全面に厚さ
2〜10μmの絶縁性無機物層24を被覆する工程と、
この無機物層24を被覆したセラミック素体22の内包
電極23を有する両端部表面に金属粉末と無機結合材2
5a(図4)を含む導電性ペースト25を塗布する工程
と、このペースト25を塗布したセラミック素体22を
無機物層24の融点又は軟化点より低い温度で焼成し、
塗布したペーストの無機結合材25aにそのペーストの
下地部分の無機物層の一部を反応溶融させることにより
前記無機物層24の一部を消滅させて外包電極26を形
成する工程と、この外包電極26の表面にめっき層2
7,28を形成する工程とを含む方法である。
【0007】以下、本発明を詳述する。 (a) 導電性セラミック焼結シートの製造 本発明の導電性セラミック焼結シートは次の方法により
作られる。先ずセラミック素子の用途に応じて金属酸化
物粉末を採取する。例えば、サーミスタであればMn,
Fe,Co,Ni,Cu,Al等の金属の酸化物粉末
を、またバリスタであればTi,Ce,Ca,Sb,N
b等の金属の酸化物粉末を1種又は2種以上採取して混
合する。2種以上混合するときは、所定の金属原子比に
なるように各金属酸化物を秤量する。この混合物を仮焼
し粉砕した後、有機結合材及び溶剤を加え混練してスラ
リーを調製する。次いでこのスラリーをドクターブレー
ド法等により成膜乾燥してグリーンシートを形成し、こ
のグリーンシートを焼成することにより図1(a)に示
すセラミック焼結シート20が作られる。別の方法とし
て、所定の金属原子比になるように各金属酸化物を秤量
した金属酸化物粉末混合物と結合材とを均一に混合して
直方体に成形し、この成形体を焼成してセラミック焼結
ブロックにした後、前記ブロックをウエハ状に切断して
作られる。
【0008】(b) 内包電極の形成 図1(b)に示すようにセラミック焼結シート20の両
面に銀又は銀−パラジウム合金を含有するペーストを塗
布した後、乾燥し焼付けることにより内包電極23を形
成する。内包電極23の材料はセラミック焼結シート2
0と導電性を維持するものであれば銀又は銀−パラジウ
ム合金に限定されるものではなく、その他にも金、白金
或いはこれらを主成分とする金属材料でもよい。このペ
ーストを塗布は焼結シート20の表面にペーストが均一
な厚さになるようにスクリーン印刷により行われる。別
の方法として、焼結シート20の両面に溶射法により内
包電極を形成することもできる。
【0009】(c) チップ状セラミック素体の作製 図1(c)に示すように、ダイヤモンドブレード付き切
断機のようなダイシングソーを用いて矢印Mの方向に内
包電極23を両面に形成した焼結シート20を破線に沿
って切断し、短冊状のセラミック素体を形成する。次い
でこのセラミック素体を矢印Nの方向に破線に沿って切
断し、図1(d)及び図2(a)に示す多数のチップ状
セラミック素体22を得る。得られたチップ状セラミッ
ク素体はバレル研磨処理によりセラミック素体の角取り
をしておくことが望ましい。
【0010】(d) セラミック素体への絶縁性無機物層の
被覆 得られたセラミック素体22はその全面に厚さ2〜10
μm、好ましくは2〜5μm、より好ましくは2〜3μ
mの絶縁性無機物層24が被覆される。10μmより厚
いと、後述する外包電極の形成時に溶融した無機物層が
外包電極中に完全に吸収されず、無機物層が外包電極と
内包電極の界面に絶縁性皮膜として残留するため外包電
極と内包電極とが導通しない。また2μmより薄いと、
後述するめっき処理に際して、まためっき処理後のセラ
ミック素体の保護機能に劣る。この絶縁性無機物層24
を例示すると、SiO2膜、又は50重量%以上のSi
2と残部がAl23,MgO,ZrO2又はTiO2
いずれか1種又は2種以上の酸化物により構成された薄
膜、或いはSiO2,B23,Na2O,PbO,ZnO
又はBaOのいずれか1種又は2種以上の酸化物を主成
分とするガラスにより構成された薄膜が挙げられる。こ
の無機物層24は後述する外包電極を形成するときの焼
成温度より高い融点又は軟化点を有することが必要であ
る。例えば、外包電極としてAgのペーストを焼付ける
場合にはその焼成温度は600〜850℃であるため、
この温度より高い融点又は軟化点を有するものが選ばれ
る。この理由はペーストの焼付け温度より融点又は軟化
点が大幅に低いと、ペースト焼付け時に無機物層が電極
表面に浮き上がったり、或いはセラミック素体同士又は
素体と焼成治具との貼り付きが生じて歩留りが低下し易
いからである。
【0011】無機物層24は、この要件以外は耐めっき
性があって、後述する導電性ペーストに含まれる無機結
合材と反応して溶融する性質を有するものであれば特に
制限はなく、結晶質であっても非結晶質であってもよ
い。しかし、上記ガラスが結晶質であって、無機物層2
4を結晶化ガラスにするとセラミック素子の抗折強度が
高まり好ましい。このセラミック素体への無機物層の被
覆は真空蒸着法、スッパタリング法、イオンプレーティ
ング法のような物理蒸着法(PVD法)又は化学蒸着法
(CVD法)により行われる。この中でスパッタリング
法が量産に適しているため好ましい。このスパッタリン
グ装置は、図3に示すように互いに間隔をあけて水平に
設けられた一対に回転ローラ32及び33の間にバレル
内面にかき上げ用突起を有するバレル30を載せ、この
バレル中心部に絶縁性無機材料からなるターゲット31
がバレル30と独立して設けられる。この装置で無機物
層を被覆するには、バレル30の内部に多数のチップ状
セラミック素体を収容した後、一対の回転ローラ32及
び33を回転させることによりバレル30をゆっくり回
転させる。この状態でターゲット31に高電圧を印加し
て無機材料からなる粒子を叩き出す。これによりバレル
内のセラミック素体の全面に絶縁性無機物層が形成され
る。ターゲット31は、例えば無機物層がSiO2膜で
あれば石英ガラスを用い、またSiO2,Al23,M
gO,ZrO2,TiO2,B23,Na2O,PbO,
ZnO,BaO等の複合酸化物膜であれば、これらを粉
末冶金でディスク状に成形するか、或いはこれらを溶融
後冷却しディスク状の複合ガラスにして用いる。
【0012】(e) 外包電極の形成 図2(c)に示すように、絶縁性無機物層24を被覆し
たセラミック素体22の両端部表面に金属粉末と無機結
合材を含む導電性ペースト25を塗布する。この塗布は
導電性ペースト中にセラミック素体の両端部を浸漬させ
るディッピング法が好ましい。導電性ペースト25に含
まれる金属粉末も内包電極と同種のAg,Au,Pd,
Pt等の貴金属、又はこれらを混合した粉末が挙げられ
る。導電性ペーストに含まれる無機結合材を例示すれ
ば、SiO2,B23,Na2O,PbO,ZnO又はB
aOのいずれか1種又は2種以上の酸化物を主成分とす
る、ほうけい酸系ガラス、ほう酸亜鉛系ガラス、ほう酸
カドミウム系ガラス、けい酸鉛亜鉛系ガラス等のガラス
微粒子が挙げられる。
【0013】図4に示すように、塗布された導電性ペー
スト25中には無機結合材25aが均一に分散してお
り、この無機結合材25aは導電性ペーストの焼付け時
にペースト25に接触する無機物層24と反応して、図
5に示すようにこの無機物層24を溶融させる性質を有
することが必要である。図2(d)及び図5に示すよう
に導電性ペースト25は焼付けによって外包電極26を
形成し、この外包電極26はその焼付け時に無機物層2
4の一部が消滅することによって、内包電極23に電気
的に接続する。
【0014】(f) めっき層の形成 外包電極26の表面にめっき層が電解バレルめっき法に
より形成される。このめっき層は図2(e)に示すよう
にNiめっき層27を形成した後、図2(f)に示すよ
うにSnめっき層28を形成して二重構造にすることが
好ましい。Niめっき層27ははんだ耐熱性を向上し
て、はんだによる焼付け電極層の電極食われを防止し、
Snめっき層28ははんだ付着性を向上する。図6及び
図7に示すように、内包電極23、外包電極26、めっ
き層27及び28により端子電極29が形成される。
【0015】
【作用】外包電極用の導電性ペーストを塗布したセラミ
ック素体を無機物層の融点又は軟化点より低い温度で焼
成すると、図2(d)及び図5に示すように外包電極2
6が形成される。即ち、この焼成時にはペースト中に均
一に分散した無機結合材25aが無機物層24の一部と
反応してこれを溶融させる。流動化した無機物層24の
無機物は金属が焼結する際にできる外包電極26内の細
孔に侵入する。無機物層24の厚さは2〜10μmに設
定されているため、無機物層24の一部は焼成の過程で
上記細孔内に吸収されて内包電極23の表面から部分的
に消滅する。この結果、外包電極26と内包電極23は
無機物層24の消滅した部分を通じて直接接着し、互い
に電気的に導通する。内包電極23はセラミック素体2
2と導電性を維持するように形成されているから、外包
電極層26とセラミック素体22とは電気的に導通す
る。
【0016】また、セラミック素体22と外包電極層2
6に挟まれて、内包電極23が存在しない部分の無機物
層24では、溶融した無機物層24はその一部が外包電
極26中に吸収されるが、無機物層24の厚さが2μm
以上あるためその大部分がセラミック素体22上に残留
する。このためセラミック素体22と外包電極層26と
は部分的に接合する。しかしその接合が部分的であるた
め、外包電極層26とセラミック素体22との導電性は
内包電極23が介在する部分での導電性に比べて無視で
きるほど小さく、電流は外包電極26、内包電極23、
セラミック素体22を通じて流れる。一方、外包電極用
の導電性ペーストが塗布されていない無機物層24の部
分はペーストを焼付けても、その無機物層の融点又は軟
化点が焼成温度より高いため、何ら変化を生じることな
くセラミック素体22の表面に残留し、その絶縁保護機
能を保持する。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、従来の製造方法で
は、小型のセラミック素子の場合、内包電極の形成工程
が複雑で、作業性が悪かったものが、本発明の製造方法
によれば、簡単な薄膜形成方法により簡便に内包電極を
形成できるため、量産に適し、電極形成コストが安価に
なる。またバレル中心に無機材料からなるターゲットを
配置してスパッタリングすることにより本発明のセラミ
ック素体の全面に絶縁性無機物層を迅速に形成すること
ができる。またダイシングソーによりチップ状に切断す
るため、セラミック素体の寸法上のばらつきが少なく、
電気的特性にばらつきの少ない導電性チップ型セラミッ
ク素子が得られる。特に本発明の製造方法により作製さ
れた導電性チップ型セラミック素子は、電極が接触する
部分を除いてセラミック素体が絶縁性無機物層で被覆さ
れ、セラミック素体がこの無機物層で保護されているた
め、めっき処理してもめっき液の素体への浸食やめっき
付着による特性の変化がない。焼付け電極層の表面にめ
っき層を形成することにより、はんだ耐熱性とはんだ付
着性に優れた効果を奏する。また内包電極を設けた導電
性チップ型セラミック素子は、抵抗値のばらつきが小さ
く、外包電極の材料を広く選定できる利点がある。
【0018】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明を実施例に基づいて説明する。以下に述べる実施例は
本発明の技術的範囲を限定するものではない。 <実施例1>次の方法により導電性チップ型セラミック
素子として、図6及び図7に示すチップ型サーミスタを
作製した。先ず市販の炭酸マンガン、炭酸ニッケル、炭
酸コバルトを出発原料とし、これらをMnO2:Ni
O:CoOに換算して金属原子比が所定の割合になるよ
うにそれぞれ秤量した。秤量物をボールミルで16時間
均一に混合した後に脱水乾燥した。次いでこの混合物を
900℃で2時間仮焼し、この仮焼物を再びボールミル
で粉砕して脱水乾燥した。粉砕物に有機結合材を加え、
均一に混合した後、混合物を直方体に圧縮成形した。こ
の圧縮成形物を大気圧下、1200℃で4時間焼成し、
たて約35mm、よこ約50mm、厚さ約10mmのセ
ラミック焼結ブロック(図示せず)を作製した。次にこ
のブロックをバンドソーでウエハ状に切断し、たて約3
5mm、よこ約50mm、厚さ約1.9mmの焼結シー
トを得た。
【0019】次にこの焼結シートの両面に銀ペーストを
スクリーン印刷法により塗布し、乾燥した。乾燥後、大
気圧下、800℃で焼付けて、図1(b)に示すように
焼結シート20の両面に内包電極23を形成した。続い
て図1(c)及び(d)に示すように上記バンドソーを
用いて焼結シート20をダイシングし、長さ1.9m
m、幅1.2mm、厚さ0.5mmのチップ状サーミス
タ素体22を得た。図2(b)に示すようにこのサーミ
スタ素体22を図3に示すスパッタリング装置を用いて
その表面全体に厚さ2μmのSiO2膜からなる絶縁性
無機物層24を形成した。
【0020】次の方法によりサーミスタ素体22の両端
部に電極を設けた。この電極は、内包電極23と外包電
極26とNiめっき層27とSnめっき層28により構
成される。先ず無機物層を形成したサーミスタ素体の両
端部表面に導電性ペーストをディッピング法により塗布
した(図2(c))。導電性ペーストは市販の銀ペース
トであって、 Ag粉末と、SiO2,TiO2,B
23,Na2O及びK2Oからなるガラス微粒子と、有機
ビヒクルとからなる。導電性ペーストを塗布したセラミ
ック素体を大気圧下、乾燥した後、30℃/分の速度
で、820℃まで昇温しそこで10分間保持し、30℃
/分の速度で室温まで降温してAgからなる外包電極2
6を得た(図2(d))。
【0021】次いで電解バレルめっき法で電極26の表
面に厚さ2〜3μmのNiめっき層27を形成し、続い
て厚さ1〜2μmのSnめっき層28を形成し、図6及
び図7に示すチップ型サーミスタを得た。 <比較例1>実施例1と同じ炭酸マンガン、炭酸ニッケ
ル、炭酸コバルトの混合物を仮焼した後、仮焼物を脱水
乾燥し粉砕した物に有機結合材を加え、均一に混合して
スラリーを調製した。このスラリーをドクターブレード
法により成膜乾燥して厚さ0.62mmのグリーンシー
トを形成した。このシートから2.34mm×1.48
mmの大きさのチップ体を打抜き、大気圧下、1200
℃で4時間焼成し、長さ1.9mm、幅1.2mm、厚
さ0.5mmの実施例1と同形同大のチップ状サーミス
タ素体を得た。
【0022】このサーミスタ素体の両端面に図9に示す
スパッタリング装置を用いて実施例1と同一の銀ペース
トをスクリーン印刷し、実施例1と同様に乾燥し、焼付
け内包電極を形成した。以下実施例1と同様にしてチッ
プ型サーミスタを得た。
【0023】<比較試験と結果>実施例1と比較例1の
チップ状サーミスタ素体をそれぞれ100個採取し、実
施例1と比較例1のそれぞれのチップ状サーミスタ素体
の寸法のばらつきと、得られたチップ型サーミスタの2
5℃におけるゼロ負荷抵抗値のばらつきを比較試験し
た。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、実施例1は比較
例1に比べてサーミスタ素体の寸法のばらつきが小さ
く、サーミスタでは電気的特性のばらつきが小さいこと
が判明した。
【0026】<実施例2>実施例1と同じ炭酸マンガ
ン、炭酸ニッケル、炭酸コバルトの混合物を仮焼した
後、仮焼物を脱水乾燥し粉砕した物に有機結合材を加
え、均一に混合してスラリーを調製した。このスラリー
をドクターブレード法により成膜乾燥してグリーンシー
トを形成した。このグリーンシートを1200℃、4時
間焼成し、たて約35mm、よこ約50mm、厚さ約
0.95mmのサーミスタ焼結シートを得た。次に実施
例1と同様にして焼結シートの両面に内包電極を形成
し、バンドソーを用いて焼結シートをダイシングし、長
さ0.95、幅0.45mm、厚さ0.45mmのチッ
プ状サーミスタ素体を得た。以下、実施例1と同様にし
てサーミスタ素体の表面全体に絶縁性無機物層を形成
し、サーミスタ素体の両端部に内包電極と外部電極とN
iめっき層とSnめっき層とをこの順に形成し、チップ
型サーミスタを得た。
【0027】<比較例2>比較例1と同様にして実施例
2と同形同大のチップ型サーミスタを作製した。
【0028】<比較試験と結果>実施例2と比較例2の
チップ状サーミスタ素体をそれぞれ100個採取し、実
施例2と比較例2のそれぞれのチップ状サーミスタ素体
の寸法のばらつきと、得られたチップ型サーミスタの2
5℃におけるゼロ負荷抵抗値のばらつきを比較試験し
た。また実施例2と比較例2のサーミスタ素体の各10
00個についての内包電極を形成するに要した時間を測
定した。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、実施例1より更
に小型の実施例2についても、比較例2と比べてサーミ
スタ素体では寸法のばらつきが小さく、サーミスタでは
電気的特性のばらつきが小さいことが判明した。またこ
の形状寸法ではチップ状素子の端面にスクリーン印刷す
る比較例2の方法と比べて、焼結シート表面にスクリー
ン印刷する実施例2の方法の方が内包電極を形成するの
に要する時間が大幅に短縮され、製造コストの面でも実
施例2の方法が優れていることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック焼結シートからチップ状セ
ラミック素体を作るまでの工程における斜視図。
【図2】本発明のチップ状セラミック素体からチップ型
セラミック素子を作るまでの工程における斜視図。
【図3】そのセラミック素体表面に絶縁性無機物層を被
覆するためのスパッタリング装置の概略斜視図。
【図4】そのセラミック素体に導電性ペーストを塗布し
た状態の要部拡大断面図。
【図5】その導電性ペーストを焼付けた状態の要部拡大
断面図。
【図6】本発明のチップ型セラミック素子の要部破断斜
視図。
【図7】その中央断面図。
【図8】従来例のチップ状セラミック素体からチップ型
セラミック素子を作るまでの工程における斜視図。
【図9】従来例のセラミック素体端面に内包電極用の銀
ペーストを塗布する状況を示すセラミック素体の保持プ
レートの断面図。
【符号の説明】
20 セラミック焼結シート 22 チップ状セラミック素体 23 内包電極 24 絶縁性無機物層 25 導電性ペースト 25a 無機結合材 26 外部電極 27 Niめっき層 28 Snめっき層 30 バレル 31 ターゲット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01C 17/12 (72)発明者 藤本 義典 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性セラミック焼結シート(20)の両面
    に内包電極(23)を形成する工程と、 前記内包電極(23)を形成した焼結シート(20)をダイシン
    グソーによりチップ状に切断してチップ状セラミック素
    体(22)にする工程と、 前記内包電極(23)を形成したセラミック素体(22)の全面
    に厚さ2〜10μmの絶縁性無機物層(24)を被覆する工
    程と、 前記無機物層(24)を被覆したセラミック素体(22)の内包
    電極(23)を有する両端部表面に金属粉末と無機結合材(2
    5a)を含む導電性ペースト(25)を塗布する工程と、 前記ペースト(25)を塗布したセラミック素体(22)を前記
    無機物層(24)の融点又は軟化点より低い温度で焼成し、
    前記塗布したペーストの無機結合材(25a)にそのペース
    トの下地部分の前記無機物層(24)の一部を反応溶融させ
    ることにより前記無機物層(24)の一部を消滅させて外包
    電極(26)を形成する工程と、 前記外包電極(26)の表面にめっき層(27,28)を形成する
    工程とを含む導電性チップ型セラミック素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 導電性セラミック焼結シート(20)が金属
    酸化物粉末と結合材とを混合して調製されたスラリーを
    成膜乾燥してグリーンシートを形成した後、前記グリー
    ンシートを焼成して作られる請求項1記載の導電性チッ
    プ型セラミック素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性セラミック焼結シート(20)が金属
    酸化物粉末と結合材とを混合して直方体に成形し、前記
    成形体を焼成してセラミック焼結ブロックにした後、前
    記ブロックをウエハ状に切断して作られる請求項1記載
    の導電性チップ型セラミック素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 チップ状セラミック素体(22)への絶縁性
    無機物層(24)の被覆がスパッタリングリング法により行
    われ、 前記スパッタリング法は前記チップ状セラミック素体(2
    2)を回転軸が水平で内面にかき上げ用突起を有するバレ
    ル(30)に収容し、前記バレル中心部に前記バレル(30)と
    独立して設けられた絶縁性無機材料からなるターゲット
    (31)に前記バレル(30)を回転しながら高電圧を印加して
    前記無機材料からなる粒子を叩き出すことにより前記セ
    ラミック素体(22)の全面に絶縁性無機物層(24)を形成す
    る方法である請求項1記載の導電性チップ型セラミック
    素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100292444B1 (ko) * 1996-05-14 2001-09-17 가타오카 마사타카 칩전자부품및서지업소버의제조방법
JP2020009967A (ja) * 2018-07-11 2020-01-16 三菱マテリアル株式会社 サーミスタ及びその製造方法
JP2020136570A (ja) * 2019-02-22 2020-08-31 三菱マテリアル株式会社 サーミスタの製造方法

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