JPH0720127U - コーヒー抽出器 - Google Patents

コーヒー抽出器

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JPH0720127U
JPH0720127U JP4938893U JP4938893U JPH0720127U JP H0720127 U JPH0720127 U JP H0720127U JP 4938893 U JP4938893 U JP 4938893U JP 4938893 U JP4938893 U JP 4938893U JP H0720127 U JPH0720127 U JP H0720127U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成でコーヒー粉への給湯の際最初から
高温の湯を供給して短時間抽出ができると共に、水漏れ
の恐れがなく、かつ、給湯経路及び湯流切換え装置の配
置に格別な配設スペースを要しないコーヒー抽出器を得
ることにある。 【構成】水タンク15を縦に貫通して給湯経路30を設け
る。この経路30の固定給湯経路31と可動給湯経路32とを
接続して水タンク15の底部に配置される湯流切換え装置
35を、その本体ケース36内に、湯流制御体37とバイアス
ばね38と形状記憶合金製ばね39とを収納して形成する。
水タンク15の水温が低い時に湯流制御体37の弁体54を前
記ばね38の力で湯を導入する前記経路31の上端から離し
て、導入された湯を本体ケース15の湯流出口45を通して
タンク15に還流し、タンク15の水温が高くなった時にば
ね39の力で弁体54を前記経路31の上端に接触させて、前
記還流をなくして前記経路32から高温の湯を導出するこ
とを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、水タンク内の水を加熱して得た湯をコーヒー抽出部内のコーヒー粉 に供給してコーヒーを抽出するコーヒー抽出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー粉への給湯の際、最初から高温の湯を供給するとともに、抽出時間を 短くして美味しいコーヒーが抽出できるようにしたコーヒー抽出器として、貯湯 式のものと、特公昭63−37659号公報および特公平2−36089号公報 等に示されたものとが知られている。
【0003】 貯湯式のものは、常時湯を溜めておくために抽出のつど新鮮な湯を使用できな いとともに、常時保温するために消費電力が大きいという問題がある。 一方、特公昭63−37659号公報および特公平2−36089号公報のコ ーヒー抽出器は、使用のたびに抽出量に応じた水量を水タンクに収納し、このタ ンク外に配置した加熱部で水タンク内の水を加熱するとともに、加熱された湯を 水タンク内に戻す循環を繰返して、水タンク内の水温を所定温度まで高めた後に 、加熱部から噴出される湯の流路を切換えて高温の湯を給湯経路に通してコーヒ ー抽出部に供給するから、貯湯式のコーヒー抽出器のような問題がなく、美味し いコーヒーを抽出できる。
【0004】 なお、このような水タンクへの湯の還流を行うことなく抽出時間を短くする方 法として、加熱部の消費電力を大きくすることが考えられる。しかし、コーヒー 抽出器はその使用場所の電気容量の制約(加熱部にボイラーを用いるもので12K W程度)があり、この制約を越えてしまうとともに、最初の給湯動作の際には加 熱部の上方にある給湯経路内の低温の水がコーヒー抽出部に供給されてしまうの で、実際的な対策ではない。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、特公昭63−37659号公報のものでは、加熱部と水タンクとの間 に湯を循環させるためのバイパス管、このバイパス管と給湯管路とを切換える流 路切換え装置、およびこの装置の切換え動作時期を水タンクから加熱部に至る導 水経路で検出する熱感知素子等を、夫々水タンクの外部に設けている。そのため 、部品点数が多く構造が複雑であるという問題があるとともに、流路切換え装置 等の故障でそこから水漏れを生じると、外部へ漏れ出て周囲を汚してしまうとい う問題がある。しかも、前記バイパス管および流路切換え装置の他に給湯経路も 水タンクの外側に設けられているから、これらを配設するためのスペース上の制 約を受け易いとともに、水タンクのタンク周壁には給湯経路を逃げるための形状 的工夫が必要であり、タンク構造が複雑であるという問題もある。
【0006】 また、特公平2−36089号公報のものでも、バイパス管に相当する循環水 路と流路切換え装置とを夫々水タンクの外部に設けているため、前記と同様の水 漏れの問題や、配設スペース上の問題、およびタンク構造が複雑であるなどの問 題がある。しかも、水タンク内に収納した形状記憶合金よりなる水温感知部材の 動作に流路切換え装置を連動させるための連動構造も必要としているため、より 部品点数が多く構造が複雑であるという問題もある。
【0007】 本考案の目的は、簡単な構成でありながらコーヒー粉への給湯の際最初から高 温の湯を供給して短時間抽出ができるとともに、水漏れの恐れがなく、かつ、水 タンクの構造を簡単にでき、しかも、給湯経路および湯流切換え装置の配置に格 別な配設スペースを要することがないコーヒー抽出器を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、水タンク内の水をこのタンク外に配置された加熱部により加熱し、 加熱された湯を給湯経路に通してコーヒー粉を入れたコーヒー抽出部に導くコー ヒー抽出器に適用される。
【0009】 そして、前記目的を達成するために、前記給湯経路が固定給湯経路部と可動給 湯経路部とを有し、これら両経路部をつなぐ湯流切換え装置を前記給湯経路に設 け、この湯流切換え装置を前記水タンクの内底部に配置して前記給湯経路を前記 水タンクに上下方向に貫通させるとともに、 前記湯流切換え装置を、前記固定給湯経路部に接続される第1継ぎ手管部を有 した第1ケース、およびこの第1ケースに連結されて一端部に湯流出口が開口さ れるとともに他端部に通水口が開口された第2ケースとからなる本体ケースと、 前記可動給湯経路部に接続される第2継ぎ手管部および前記第1継ぎ手管部に接 離されるように動かされる湯流制御部を有して前記本体ケースに上下動可能に収 納された湯流制御体と、前記本体ケースに収納されて前記湯流制御体を前記第1 継ぎ手管部から離れる方向に付勢するバイアスばねと、前記本体ケースに収納さ れて前記水タンク内の水温上昇を感知して前記湯流制御体を前記第1継ぎ手管部 に近付く方向に付勢する熱応動ばねとを備えて形成したものである。
【0010】
【作用】
上記の構成において、加熱部は、抽出量に見合った水量が抽出のつど供給され る水タンクから流入する水を加熱沸騰させて給湯経路に噴出する。湯流切換え装 置の通水孔は本体ケース内に水タンク内の水を通して、この水に熱応動ばねを浸 す。湯流切換え装置のバイアスばねの力は、水タンク内の水温が低い場合に、そ れを感知する熱応動ばねの力よりも勝っており、したがって、バイアスばねは湯 流制御体を押してその湯流制御部が本体ケースの第1継ぎ手管部から離れるよう に保持する。そのため、給湯経路に噴出され第1継ぎ手管部あるいは第2継ぎ手 管部を出た湯は、本体ケースの湯流出口を通って水タンク内に還流して、タンク 内の水温を上昇させる。そして、タンク内の水温が所定温度に上昇すると、水タ ンク内の水温に応動する熱応動ばねの力がバイアスばねの力が勝って、熱応動ば ねは湯流制御体を押してその湯流制御部が第1継ぎ手管部に接するように保持す る。そのため、給湯経路に噴出され第1継ぎ手管部あるいは第2継ぎ手管部を出 た湯は、水タンク内に還流することなく給湯経路を通って水タンク外のコーヒー 抽出部に導かれて、コーヒーの抽出に供される。したがって、コーヒー粉への給 湯の際最初から高温の湯を供給して短時間抽出ができる 前記構成においては、水タンクへの湯の還流を行わせるのにバイパス管を必要 としないとともに、水温感知部材を兼ねる熱応動ばねで湯流制御体を直接に動作 させることと相俟って、湯流切換え装置を構成する部品も、本体ケース、湯流制 御体、バイアスばね、および熱応動ばねと少ないから、全体の部品点数を少なく できる。そして、湯流切換え装置を収納した水タンクで、湯流切換え装置が故障 した場合、外部への水漏れを防止できるとともに、タンクの内部空間を湯流切換 え装置および給湯経路の一部の収納スペースとして利用できる。さらに、給湯経 路を水タンクに上下に貫通して収納したから、水タンクのタンク周壁に給湯経路 を逃げる溝などの形状的工夫を不要にできる。
【0011】
【実施例】
以下、図1〜図4を参照して本考案の一実施例を説明する。 図1および図2中1は本実施例に係る電気コーヒー抽出器の本体であり、これ は本体ベース2と、本体ヘッド3と、これらを連結する本体胴部4とから形成さ れていて、本体ベース2と本体ヘッド3との前部は上下に対向している。本体ヘ ッド3の前面には電源スイッチ摘みやタイマ−摘み等の図示しない操作部材が取 付けられている。
【0012】 図1に示されるように本体ベース2の前部上面には抽出されたコーヒー液を受 けるボトル5が着脱自在に載置される金属製のボトル受板6が取付けられ、この 受板6の下面にはこれに密着してプレート状の保温ヒータ7が取付けられている 。ボトル5上にはコーヒー抽出部としてのフィルターカップ8が着脱自在に載置 される。このカップ8内には使い捨ての紙フィルター9が収納され、このフィル ター9内にコーヒー粉が収容されるようになっている。
【0013】 図1に示されるように本体ヘッド3の前部には、その下面に露出されるシャワ ー10が取付けられている。シャワー10は、本体ヘッド3に固定される上部シ ャワーケース10aと、このケース10aの下端開口を塞いだ下部シャワーケー ス10bとで形成されている。フィルターカップ8の上面開口に対向される下部 シャワーケース10bは、本体ヘッド3に形成されシャワー取付け部11に着脱 可能に引っ掛けられているとともに、このケース10bには多数のシャワー孔1 2が形成されている。上部シャワーケース10aには湯導入部13が形成されて いる。
【0014】 図1および図2に示されるように本体胴部4は、本体ベース2の上壁から一体 に立上がる胴部ケース14と、このケース14の上端部に支持されるとともに上 端部が本体ヘッド3に連結された水タンク15とで形成されている。水タンク1 5は例えば内部を覗き見可能な透明または半透明の合成樹脂で成型されていて、 その底壁には、下方へ延びる水出口16と、凹部17とが形成されている。
【0015】 水タンク15の上面開口部には、本体ヘッド3に形成された水入口18と、給 湯経路出口19とが夫々配設されている。図1中20は本体ヘッド3に内蔵され た給水口体で、その上端開口は本体ヘッド3の上面に回動可能に取付けられた給 水口体蓋21で開閉されるとともに、その下端開口部は水入口18に挿通されて いる。したがって、給水口体蓋21を開いて給水口体20に水を注ぐことにより 、水タンク15内に適量の給水ができるようになっている。
【0016】 図1および図2に示されるように本体ベース2の後部には板金製のベースフレ ーム22が内蔵されているとともに、このフレーム22上に連結された板金製の 支持フレーム23が胴部ケース14に内蔵されている。支持フレーム23の天井 壁には水タンク15がねじ止めされている。なお、15aは水タンク15に一体 形成された連結凸部で、これに前記天井壁を通ったねじが上方に向けて螺合され るようになっている。
【0017】 水タンク15の下方に位置した支持フレーム23には加熱部24が取付けられ ている。加熱部24は、アルミダイキャストにシーズヒータを鋳込んでなるボイ ラ容器25の下面開口を金属製のボイラ底板26で閉鎖してなり、底板26は支 持フレーム23の相対向する側壁間に渡って横架されている。
【0018】 図2に示されるように本体胴部4には加熱部24の空炊きを防止するための水 圧スイッチ27が内蔵されている。このスイッチ27はその入口管27aを前記 水出口16に接続して設けられているとともに、その出口管27bには、中間部 に逆止弁28が設けられた給水経路29の一端部が接続されている。給水経路2 9の他端部はボイラ容器25の下部側面に横向きに突出されたボイラ入口25a に接続されている。逆止弁28は加熱部24から水圧スイッチ27に向けての逆 流を防止するものである。
【0019】 ボイラ容器25の上端には上向きのボイラ出口25bが突設され、この出口2 5aには水タンク15を上下方向に貫通する給湯経路30が接続されている。給 湯経路30は、固定給湯経路部31と可動給湯経路部32とを有しており、これ らは湯流切換え装置35を介してつながれている。固定給湯経路部31は、その 下端部をボイラ出口25bに接続するとともに、上端部を支持フレーム23の天 井壁に通して略垂直に設けられている。
【0020】 図1および図3に示されるように可動給湯経路部32は、水タンク15内に前 記給湯経路出口19を通って挿入された主管32aと、この管32aの水タンク 15外に位置する端部に接続されたシリコンゴム製の可撓管32bと、この管3 2bに接続された先端管32cとを備えている。主管32aの垂直部分は固定給 湯経路部31の真上に連なるように対応して配置されているとともに、先端管3 2cは前記シャワー10の湯導入部13に接続されている。
【0021】 湯流切換え装置35の構成は図3および図4に示されている。この装置35は 、本体ケース36と、湯流制御体37と、バイアスばね38と、熱応動ばね39 とを備えて形成されている。
【0022】 内部を覗き見可能な合成樹脂で形成された本体ケース36は、第1ケース40 と第2ケース41とを連結してなる。第1ケース40の下面には、垂直な第1継 ぎ手管部42が一体に突設されているとともに、この管部42の根元部を囲む環 状壁部43が一体に突設されている。さらに第1ケース40の上面には、弁座部 44が一体に形成されて、その中央部に第1継ぎ手管部42の上端が開口されて いる。
【0023】 弁座部44よりも大径な第2ケース41は、その下端開口が第1ケース40で 閉鎖される円筒構造をなし、その下部周壁には複数の湯流出口45が周方向に所 定間隔ごとに開口されているとともに、上部周壁および上端壁には複数の通水口 46が周方向に所定間隔ごとに開口されている。さらに、第2ケース41の上端 壁中央部には円筒部47が一体に突設されている。
【0024】 これら第1、第2ケース40、41は、図2に示されるように水タンク15の 底壁に一体形成された複数のねじ受け部48(一つのみ図示)に上方から螺合さ れる取付けねじ49により、連結されて本体ケース36をなすとともに、水タン ク15の底部に配置されている。なお、この取付けにおいて水タンク15の底壁 と第1ケース41との間には図示しないゴムパッキンが挟まれて、本体ケース3 6の取付け部分の防水が図られるようにしてある。
【0025】 このようにして取付けられる本体ケース36はその環状壁部43を前記凹部1 7に嵌入して位置決めされる。また、第1継ぎ手管部42は凹部17を貫通して 水タンク15の下方に突出され、その突出部分には前記固定給湯経路部31の上 部が接続されている。
【0026】 前記湯流制御体37は、本体ケース36内を上下方向に移動するピストンのよ うなものであって、前記円筒部47を摺動可能に貫通する垂直な第2継ぎ手管部 50の下端に水平に張り出す仕切りフランジ51を一体に設けている。このフラ ンジ51の下面には第2継ぎ手管部50より大径な下向きの支持円筒部52が一 体に突設されているとともに、上面には支持円筒部52よりも大径な上向きのス トッパ円筒部53が一体に突設されている。
【0027】 支持円筒部52の内側には前記弁座部44に接離される湯流制御部としてのゴ ム製のリング状弁体54が取付けられているとともに、第2継ぎ手管部50には 前記可動給湯経路部32の主管32aの下端部が接続されている。
【0028】 前記バイアスばね38は、第1ケース40と仕切りフランジ51との間に挟ま れて本体ケース36の下部に収納されており、そのばね力で、第1継ぎ手管部4 2の上端、言い換えれば弁座部44から弁体54が離れる方向に湯流制御体37 を付勢している。
【0029】 前記熱応動ばね39には例えば形状記憶合金で形成されるコイルばねが使用さ れ、これは第2ケース41の上端壁と仕切りフランジ51との間に挟まれて本体 ケース36の上部に収納されている。このばね39は、高温例えば65℃以上の 温度で図4(A)に示されるように伸張され、それ以下の常温等低温時には図4 (B)に示されるよう縮んだ状態を保持するようになっている。そして、熱応動 ばね39が伸張した際のばね力はバイアスばね38のばね力よりも大きく設定さ れている。
【0030】 前記構成を備える電気コーヒー抽出器でコーヒーを抽出するには、まず、水タ ンク15内に抽出量に見合った水量を供給してから、加熱部24への通電を行う 。前記給水により水タンク15に供給された水は、通水口46を通って本体ケー ス36内に満たされて熱応動ばね39を浸す。
【0031】 そうすると、水タンク15から水圧スイッチ27および給水経路29を通って 加熱部24内に供給された水が、ボイラ容器25の発熱により加熱沸騰されて、 固定給湯経路部31および湯流切換え装置35の第1継ぎ手管部42を通って本 体ケース36内に噴出される。
【0032】 ところで、水タンク15に供給される水は常温であり、熱応動ばね39の変態 点の温度(65℃)より低温であるから、このばね39は図4(B)に示される ように縮んだ状態を保持している。そのため、湯流切換え装置35の湯流制御体 37はバイアスばね38で上方に押し上げられ、その弁体54は弁座部44から 大きく離されている。
【0033】 したがって、前記のように加熱部24内での沸騰に伴い本体ケース36内にそ の下方から噴出された湯は、図1および図4(B)の矢印に示されるように弁体 54と弁座部44との間の隙間から、本体ケース36の湯流出口45を通って水 タンク15内に還流される。この還流は、前記矢印で示した部分の流れ抵抗が、 給湯経路30における可動給湯経路部32の流れ抵抗より小さいことにより実現 され、湯が可動給湯経路部32を通り抜けることは防止される。
【0034】 このような湯の還流の繰り返しにより水タンク15の水温は次第に上昇され、 それに伴い水タンク15内の湯に浸されている熱応動ばね39の温度が上昇する 。そして、熱応動ばね39の温度が変態点の温度(65℃)を越えると、その時 点から熱応動ばね39がバイアスばね38のばね力に抗して伸び始め、短時間の うちに図4(A)に示されるように湯流制御体37が可動給湯経路部32の主管 32aを伴って押し下げられるとともに、その弁体54が弁座部44に接して、 これらの間から湯流出口45に至る流路が遮断される。なお、主管32aの上下 動は可撓管32bの可撓変形により許される。
【0035】 これ以降は加熱部24内での沸騰に伴い本体ケース36内にその下方から噴出 された湯が、図4(A)の矢印に示されるように可動給湯経路部32を通り抜け 、シャワー10を介してフィルターカップ8に供給される。なお、この給湯にお いて、給湯経路30の水タンク15を貫通した部分、および湯流切り換え装置3 5の第1継ぎ手管部42、弁体54は略垂直な流通路を形成するので、この流通 路を真っ直ぐに湯が通って円滑に給湯できる。
【0036】 以上のようにして初めから高温の湯をフィルターカップ8に供給してコーヒー を抽出できるとともに、前記湯の循環により予め高温になった湯を沸騰させるの で、コーヒー抽出の際沸騰に要する時間が短くなり、抽出時間を短くできる。ち なみに、以上の循環を行わない場合に例えば12人分のコーヒーを抽出するのに 10分程度の抽出時間(これではコーヒーのエキスが出過ぎてしまい易い。)を 要していたが、本実施例によると4〜5分程度の短い抽出時間で抽出できる。
【0037】 したがって、抽出開始時に低温の水がコーヒー粉に供給されることがないとと もに、抽出時間の短縮により、風味のある美味しいコーヒーを抽出できる。 なお、湯流切換え装置35を水タンク15の内底部に配置したので、水タンク 15内の水量が少なくなっても、このタンク15内の湯と熱応動ばね39との接 触を維持し易いので、最小抽出量をより少なくでき、例えば少量(数杯分)のコ ーヒー抽出にも適する。
【0038】 また、前記構成の電気コーヒー抽出器においては、給湯経路30の中間に設け られて水タンク15内に配置された湯流切換え装置35により、水タンク15へ の湯の循環を行わせるので、循環のためにバイパス管を必要としない。さらに、 水タンク15の水温に応じて湯流切換え装置35の切換え動作をするに当たり、 形状記憶合金製の熱応動ばね39で水タンク15の水温を感知できるので、格別 に水温感知部材を必要とすることがないとともに、この熱応動ばね39で湯流制 御体37を直接に動作させることができる。しかも、湯流切換え装置35を構成 する部品も、本体ケース36、湯流制御体37、バイアスばね38、および熱応 動ばね39と少ない。したがって、全体の部品点数が少ないから、構成を簡単に でき、組立てやメンテナンスを容易にできる。
【0039】 その上、湯流切換え装置35を水タンク15内に収納したので、この湯流切換 え装置35が故障してそこから水漏れを生じたとしても、それを水タンク15で 受けて外部への水漏れすることを防止できる。
【0040】 しかも、水タンク15の内部空間を利用して、そこに給湯経路30の一部およ び湯流切換え装置35を収納したから、これら湯流切換え装置35および給湯経 路30の一部を収納するスペースを別に求める必要がなく、配置上有利である。
【0041】 さらに、給湯経路30を水タンク15に上下に貫通して収納したから、水タン ク15のタンク周壁に給湯経路30を逃げる溝などの形状的工夫を不要にできる 。そのため、水タンク15の構造および成型を簡単にできる。
【0042】 また、本実施例では、水タンク15および湯流切換え装置35の本体ケース3 6を、その内部を覗き見可能な材料で形成したので、水タンク15内の水量の確 認が容易であるとともに、湯流切換え装置35の故障の判別を外部から容易に行 うことができる。
【0043】 なお、本考案は前記一実施例に制約されない。例えば、前記一実施例において 、水ケース15の底壁にその下方に突出し湯流切換え装置35を余裕を持って収 納できる収納凹部を形成して、そこに湯流切換え装置35を配置すれば、最小抽 出量をより一層少なくできるようにしてもよい。
【0044】 また、前記一実施例の構成において、湯流切換え装置35および給湯経路30 を上下反転して設け、本体ケース36を水ケース15の底部に固定するとともに 、湯流切換え装置35の下側に延びる可動給湯経路部32を加熱等部24に接続 し、かつ湯流切換え装置35の上側に延びる固定給湯経路部31をシャワー10 に接続して実施してもよい。
【0045】 また、前記一実施例では、水タンク15を露出させたが、これは本体胴部4に 内蔵してもよい。その場合、水タンク15には本体胴部4の外面に露出する水位 計を設けて実施するとよい。
【0046】 また、弁座部44は突出した構造に限らず、第1継ぎ手管部42の開口端の周 囲部分を利用してもよい。さらに、前記一実施例では、湯制御部をなす弁体54 が弁座部44に接離するようにしたが、熱応動ばね39が伸張された際に弁体5 4が弁座部44に近接させて、湯流出口45方向への流れ抵抗を給湯経路を通る 湯の流れ抵抗より大きくすることによりコーヒー抽出部への給湯を可能にしても よい。しかも、湯流制御部として、仕切りフランジ51の周部に円筒状のシャッ ター筒部を設けて、これで湯流出口45を開閉するようにして、湯の流れを切換 えるようにしてもよい(その場合、弁体54および支持円筒部52は省略できる )。
【0047】
【考案の効果】
以上詳記したように本考案のコーヒー抽出器においては、水タンク内の水を加 熱部を経由して循環させて所定温度まで高めてからコーヒー抽出部に供給するの で、最初から高温の湯をコーヒー粉に供給して短時間抽出ができ、美味しいコー ヒーを抽出できる。そして、前記循環を行わせるのにバイパス管を必要としない とともに、水温感知部材を兼ねる熱応動ばねで湯流制御体を直接に動作させるこ とと相俟って、湯流切換え装置を構成する部品も少ないので、全体の部品点数が 少なく、構成を簡単にできる。その上、湯流切換え装置を水タンク内に収納した ので、湯流切換え装置が故障しても外部への水漏れをなくすことができる。しか も、水タンク内を湯流切換え装置および給湯経路の一部の収納スペースとしたの で、給湯経路及び湯流切換え装置の配置に格別な配設スペースを要しないととも に、水タンクのタンク周壁に給湯経路を逃げる形状的工夫を必要とすることがな くなって、水タンクの構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るコーヒー抽出器全体の
構成を示す縦断側面図。
【図2】図1中Z−Z線に沿ってコーヒー抽出器全体の
構成を示す断面図。
【図3】同一実施例のコーヒー抽出器が備える湯流切換
え装置の構成を分解して示す斜視図。
【図4】(A)は図3に示された湯流切換え装置を水タ
ンクの水温が高い時において示す断面図。(B)は図3
に示された湯流切換え装置を水タンクの水温が低い時に
おいて示す断面図。
【符号の説明】
8…フィルターカップ(コーヒー抽出部)、15…水タ
ンク、 24…加熱部、30…給湯経
路、 31…固定給湯経路、32…可
動給湯経路、 35…湯流切換え装置、3
6…本体ケース、 37…湯流制御体、
38…バイアスばね、 39…熱応動ば
ね、40…第1ケース、 41…第2ケ
ース、42…第1継ぎ手管部、 45…湯流
出口、46…通水口、 50…第2
継ぎ手管部、54…弁体(湯流制御部)。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】水タンク内の水をこのタンク外に配置され
    た加熱部により加熱し、加熱された湯を給湯経路に通し
    てコーヒー粉を入れたコーヒー抽出部に導くコーヒー抽
    出器において、 前記給湯経路が固定給湯経路部と可動給湯経路部とを有
    し、これら両経路部をつなぐ湯流切換え装置を前記給湯
    経路に設け、この湯流切換え装置を前記水タンクの内底
    部に配置して前記給湯経路を前記水タンクに上下方向に
    貫通させるとともに、 前記湯流切換え装置を、 前記固定給湯経路部に接続される第1継ぎ手管部を有し
    た第1ケース、およびこの第1ケースに連結されて一端
    部に湯流出口が開口されるとともに他端部に通水口が開
    口された第2ケースとからなる本体ケースと、 前記可動給湯経路部に接続される第2継ぎ手管部および
    前記第1継ぎ手管部に接離されるように動かされる湯流
    制御部を有して前記本体ケースに上下動可能に収納され
    た湯流制御体と、 前記本体ケースに収納されて前記湯流制御体を前記第1
    継ぎ手管部から離れる方向に付勢するバイアスばねと、 前記本体ケースに収納されて前記水タンク内の水温上昇
    を感知して前記湯流制御体を前記第1継ぎ手管部に近付
    く方向に付勢する熱応動ばねとを備えて形成したことを
    特徴とするコーヒー抽出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016521170A (ja) * 2013-04-29 2016-07-21 サンウン ナム、 ドリップコーヒー製造機
KR101942286B1 (ko) * 2018-01-17 2019-01-25 정윤진 진공력을 이용한 커피추출용 물 공급장치

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