JPH0719956U - サーフェイスマウントコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホルダを抜けにくく、かつ、接続端子などの
半田付け不良を生じにくくする。 【構成】 ホルダ３０に形成した固定片３３を、ハウジ
ング１０に形成した固定孔１２ａに嵌合挿入することに
より、固定片３３を周囲から包み込むようにして保持す
ることになり、正確に位置決めするとともに固定力を強
め、さらには他の部位には力を作用させないので基板５
０との密着性を保持できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サーフェイスマウントコネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のサーフェイスマウントコネクタとして、図６に示すものが知ら れている。 同図において、薄箱形のハウジング１は横方向に複数の接続端子収容孔１ａを 備えており、ターミナル２は一端を同接続端子収容孔１ａに挿入されつつ他端は 当該ハウジング１から飛び出てその底面側に向けて屈曲されている。接続端子収 容孔１ａの両側であってハウジング１における比較的端部側には当該ハウジング １の上面から側面を経て底面にかけて三面にわたるＵ字形の溝１ｂを形成してあ り、この溝１ｂにはまり込むＵ字形のホルダ３が嵌着されている。同ホルダ３の 一部は溝１ｂ内に入り込んでいるがハウジング１を取り囲むように露出している 。

【０００３】 かかる構成において、ハウジング１の接続端子収容孔１ａにターミナル２の一 端を挿入して保持せしめるとともに、外面の溝１ｂに対してホルダ３をスライド させて滑り込むように両者を嵌着させる。この後、基板４上における所定位置に 載置すると、図７から分かるように、ターミナル２におけるハウジング１から飛 び出ている端部とホルダ３の端部が同基板４上面のパッド５に接触し、リフロー ソルダリングにて各端部とパッド５とを半田付け固定する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のサーフェイスマウントコネクタにおいては、Ｕ字形のホルダ３ にてハウジング１の外周を挟み込むようにして両者を固定しているが、僅かな力 で挟み込んでいるだけであるので、抜けてしまいやすいという課題があった。

【０００５】 一方、図８に示すように、抜け止めのための係止爪を形成したとすれば、ハウ ジング１に装着したときに図９に示すようにホルダ３本体が歪み、図７に示すホ ルダ３とターミナル２の端面とが一致しなくなるので、浮いてしまったターミナ ル２とパッド５とが半田付けされなくなってしまう。また、装着時に挿入方向が 僅かにずれるだけで容易に開いてしまいやすく、同様に端面の高さが一致しなく なって半田付け不良が生じてしまう。 本考案は、上記課題にかんがみてなされたもので、ホルダが抜けにくく、かつ 、接続端子などの半田付け不良を生じにくくすることが可能なサーフェイスマウ ントコネクタの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１にかかる考案は、接続端子を保持するハウ ジングと、当該ハウジングに固定されつつ被装着面に半田付け固定されるホルダ とを備えたサーフェイスマウントコネクタにおいて、上記ホルダには固定片を突 出して形成するとともに、上記ハウジングには同固定片を挿入して嵌合可能な固 定孔を形成した構成としてある。 また、請求項２にかかる考案は、請求項１に記載のサーフェイスマウントコネ クタにおいて、上記固定片と上記固定孔とで挿入方向と概ね直交する方向に形成 した凹凸にて抜け止めを図るように構成してある。

【０００７】 さらに、請求項３にかかる考案は、請求項１および請求項２に記載のサーフェ イスマウントコネクタにおいて、上記ハウジングにおける接続端子の当該ハウジ ングに対する挿入方向と、上記固定片の固定孔に対する挿入方向とを一致させた 構成としてある。

【０００８】

【作用】

上記のように構成した請求項１にかかる考案においては、ハウジングに形成し た固定孔内にホルダから突出して形成されている固定片を挿入すると、両者は嵌 合固定される。このとき、固定片は固定孔内に押し込まれてその内周壁に押しつ けられるが、押し付けられる力が固定片の部分だけに作用して他の部分に歪みを 生じさせない。

【０００９】 また、上記のように構成した請求項２にかかる考案においては、固定片と固定 孔には挿入方向と概ね直交する方向に凹凸を形成してあり、挿入時に両者が協同 して抜け止めを図る。なお、この凹凸は一方の凸によって他方が凹むような状態 でもよい。 さらに、上記のように構成した請求項３にかかる考案においては、接続端子の ハウジングに対する挿入方向と、固定片の固定孔に対する挿入方向とが一致して いるので、組付時に同じ方向から挿入して組み付けできる。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、ホルダとハウジングとの接触部分の変形が他の 部分に及びにくくなっているため、基板との接触部分に悪影響を与えることなく 両者の嵌合力を高めることができ、ホルダを抜けにくくすることが可能なサーフ ェイスマウントコネクタを提供することができる。

【００１１】 また、請求項２にかかる考案によれば、固定力を高めて抜け止め力の向上を図 ることができる。さらに、請求項３にかかる考案によれば、組付の作業性を向上 させることができ、ひいては自動化により組付精度を向上させることができるた め、組付時の変形も未然に防ぐことができる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面にもとづいて本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案の一実施例にかかるサーフェイスマウントコネクタの分解斜視 図、図２は組み立てた状態の斜視図である。 同図において、ハウジング１０は上下方向に薄い長方体状に形成されており、 両側面にはリテーナ２０の係止アーム２１，２１がそれぞれ係止可能な係止凹部 １１，１１を形成している。ハウジング１０の後面側における同係止凹部１１， １１よりも内側には図３に示すようにホルダ３０を挿入して嵌合可能なホルダ収 容溝１２，１２を形成してあり、両ホルダ収容溝１２，１２間には図４に示すよ うにターミナル４０を挿入して保持可能なように前後方向に貫通する複数の接続 端子収容孔１３を左右方向に並べて形成している。

【００１３】 ホルダ３０は、図３に示すように、前後方向に延設されて基板５０の表面に密 着可能なリード部３１と、このリード部３１の後端部分から上方に延設されたジ ョイント部３２と、同ジョイント部３２の上端から水平に前方に延設された固定 片３３とからなり、同固定片３３の前端側下面に係止突起３４を形成している。 一方、ハウジング１０におけるホルダ収容溝１２は、当該ハウジング１０の後面 と下面側において外界に連通して溝状になっており、当該溝状の部分においてホ ルダ３０のリード部３１とジョイント部３２を挿入可能となっている。また、ホ ルダ３０の固定片３３に対応して上記溝状の部分の上端から前方に向けて同固定 片３３を挿入可能な固定孔１２ａを形成してあり、当該固定孔１２ａは固定片３ ３を挿入したときに下面に形成した係止突起３４が内周面の下面に対して僅かに 食い込むような大きさに形成している。

【００１４】 ターミナル４０は、図４に示すように、ハウジング１０の接続端子収容孔１３ から飛び出して基板５０の表面に密着する端子部４１と、同端子部４１から上下 二段となって前方に延設された端子片４２と位置決め片４３とから構成されてい る。下段の端子片４２と上段の位置決め片４３とは互いに概ね平行に延設されて おり、ハウジング１０の接続端子収容孔１３内も前方側は一つの孔となっている ものの後方側では上方にて上記位置決め片４３が挿入される位置決め孔１３ａと 上記端子片４２が挿入される端子室１３ｂとに区分されている。また、位置決め 片４３における根元側の下面には係止突起４４が形成され、挿入時に位置決め孔 １３ａの下面に対して係止するようになっている。

【００１５】 リテーナ２０は、上記係止アーム２１，２１と、ハウジング１０の前面側から 接続端子収容孔１３内に挿入されるリテーナ片２２とを備えており、リテーナ片 ２２がターミナル４０の抜け止めを図っている。 次に、上記構成からなる本実施例の作用を説明する。 ハウジング１０の後方からホルダ３０とターミナル４０とをそれぞれホルダ収 容溝１２と接続端子収容孔１３に挿入する。このとき、ホルダ３０については、 その固定片３３をホルダ収容溝１２における固定孔１２ａに挿入していき、ジョ イント部３２とリード部３１は溝状の部分に挿入していく。固定片３３は、下面 に形成した係止突起３４により、上面を固定孔１２ａにおける内周壁の天井壁に 押し当てられるとともに、係止突起３４の先端が固定孔１２ａにおける内周壁の 底壁に押し当てられ、当接圧の高い係止突起３４の先端をハウジング１０に食い 込ませながら挿入される。この圧力は固定片３３を上下に圧縮させるように作用 するものの、その力はジョイント部３２やリード部３１に及ばないため、同ジョ イント部３２やリード部３１を変形させてしまうことはない。

【００１６】 また、固定孔１２ａの内周壁の上面に固定片３３の上面が押しつけられるので 、両者が密着し、固定孔１２ａを基準としてハウジング１０とホルダ３０との位 置決めが正確に行なわれる。両者の位置関係は、ハウジング１０の下面から突出 するリード部３１の高さと角度に影響を及ぼす。両者の位置決めが正確に行なわ れることにより、基板５０に載置したときにリード部３１が密着できるとともに ハウジング１０を平行に保持できる。 一方、ターミナル４０については、位置決め片４３を接続端子収容孔１３にお ける位置決め孔１３ａに挿入し、端子片４２を端子室１３ｂに挿入する。位置決 め片４３の下面には係止突起４４を形成しているので、ホルダ３０の係止突起３ ４と同様に、同係止突起４４が位置決め孔１３の内周壁における底面に押し当て られて食い込み、当該位置決め片４３の上面が位置決め孔１３ａの天井に密着し て正確な位置決めが行なわれる。この結果、接続端子収容孔１３から飛び出てい る端子部４１とハウジング１０とが所望の位置関係となる。このとき端子部４１ の最下面はホルダ３０におけるリード部３１の下面と同じ高さとなるようにして あり、ハウジング１０を基板５０上に載置したときに隙間なく置くことができる 。

【００１７】 この後、リテーナ２０のリテーナ片２２をハウジング１０の前面側から接続端 子収容孔１３に挿入し、係止片２１にて同ハウジング１０側面の係止凹部１１に 係止させて固定する。 このように、ホルダ３０に形成した固定片３３を、ハウジング１０に形成した 固定孔１２ａに嵌合挿入することにより、固定片３３を周囲から包み込むように して保持することになり、正確に位置決めするとともに固定力を強め、さらには 他の部位には力を作用させないので基板５０との密着性を保持できる。 なお、上述した実施例においては、ホルダ３０の固定片３３を固定孔１２ａに 挿入する際のハウジング１０の上面に対する位置関係と、ターミナル４０の位置 決め片４３を位置決め孔１３ａに挿入する際のハウジング１０の上面に対する位 置関係とが同じ高さとなるようにしてあるので、機械による自動挿入が非常に容 易となっている。

【００１８】 図５は本考案の他の実施例を示している。 本実施例においては、ホルダ３０を、水平なリード部３１と、このリード部３ １における中央よりもやや後方側から垂直に延設された固定片３５とからなる逆 Ｔ字形に形成し、対応するホルダ収容溝１２を、当該逆Ｔ字形のホルダ３０を収 容可能な逆Ｔ字形に形成している。また、固定片３５の上端と後面を直線状に形 成するとともに、対応する固定孔１２ｂの天上面と後方側内周面も直線状に形成 している。なお、固定片３５には前面側に係止突起３６を形成している。 かかる構成において、固定片３５が固定孔１２ｂに入り込むようにしてホルダ ３０をハウジング１０の下方からホルダ収容溝１２内に挿入していくと、固定片 ３５の上端が固定孔１２ｂの天上面に当接して停止する。このとき固定片３５と 固定孔１２ｂは概ね直交する二辺において密接しており、ホルダ３０とハウジン グ１０の位置決めは正確に行なわれている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかるサーフェイスマウン
トコネクタの分解斜視図である。

【図２】サーフェイスマウントコネクタの組付斜視図で
ある。

【図３】ホルダ収容溝部分の断面図である。

【図４】接続端子収容孔部分の断面図である。

【図５】変形例にかかるホルダ収容溝部分の断面図であ
る。

【図６】従来のサーフェイスマウントコネクタの斜視図
である。

【図７】従来のサーフェイスマウントコネクタの背面図
である。

【図８】仮に想定してみたホルダの側面図である。

【図９】仮に想定してみたホルダの側面図である。

【符号の説明】

１０…ハウジング １２…ホルダ収容溝 １２ａ…固定孔 ３０…ホルダ ３１…リード部 ３２…ジョイント部 ３３，３５…固定片 ３４，３６…係止突起 ５０…基板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続端子を保持するハウジングと、当該
   ハウジングに固定されつつ被装着面に半田付け固定され
   るホルダとを備えたサーフェイスマウントコネクタにお
   いて、 上記ホルダには固定片を突出して形成するとともに、 上記ハウジングには同固定片を挿入して嵌合可能な固定
   孔を形成したことを特徴とするサーフェイスマウントコ
   ネクタ。
2. 【請求項２】 上記請求項１に記載のサーフェイスマウ
   ントコネクタにおいて、上記固定片と上記固定孔とで挿
   入方向と概ね直交する方向に形成した凹凸にて抜け止め
   を図るようにしたことを特徴とするサーフェイスマウン
   トコネクタ。
3. 【請求項３】 上記請求項１および請求項２に記載のサ
   ーフェイスマウントコネクタにおいて、上記ハウジング
   における接続端子の当該ハウジングに対する挿入方向
   と、上記固定片の固定孔に対する挿入方向とを一致させ
   たことを特徴とするサーフェイスマウントコネクタ。