JPH07198232A - 吸着余力残存状態及び吸着能力回復状態の判定方法並びに同装置 - Google Patents

吸着余力残存状態及び吸着能力回復状態の判定方法並びに同装置

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JPH07198232A
JPH07198232A JP58794A JP58794A JPH07198232A JP H07198232 A JPH07198232 A JP H07198232A JP 58794 A JP58794 A JP 58794A JP 58794 A JP58794 A JP 58794A JP H07198232 A JPH07198232 A JP H07198232A
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refrigerant
gas
adsorption
time
capacity
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JP58794A
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Keiji Tachibana
慶二 立花
Susumu Ishii
進 石井
Akira Kabeta
昭 壁田
Takeshi Otomo
毅 大友
Masashi Tokunaga
政司 徳永
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Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍機用の冷媒を回収する技術、および、冷
媒ガス中に混入した非凝縮性ガスを抽気する技術を改良
してフロン公害を完全に防止し得るシステムを開発する
ために必要な、「吸着タンク内の冷媒吸着剤が、冷媒ガ
スを吸着・脱離している反応の進捗状態を判定し得る方
法および技術」を提供する。 【構成】 冷凍機1に設けられた抽気装置31が大気中
に放出していたガスを、冷媒吸着剤を収納した吸着タン
ク34に流通させ、含有されている冷媒ガスを吸着除去
する。上記抽気装置31の放出弁31aの作動状態をセ
ンサ80で検出しその作動回数、もしくは放出時間に基
づいて自動演算装置81で吸着余力の残存状態を算出
し、残存余力表示器86に表示させる。冷媒ガスを吸着
飽和した吸着タンクから冷媒ガスを脱離させて再生する
場合にも、上記の技術を応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】フロン公害の原因物質である特定
フロンは、例えば冷凍機の冷媒として広く用いられてい
る。本発明は、冷凍機用の抽気装置から放出される非凝
縮性ガスに随伴して大気中に放散せしめられる冷媒ガ
ス、又は冷凍機用の冷媒回収装置から放出される非凝縮
性ガスに随伴して大気中に放出せしめられる冷媒ガス
を、冷媒吸着剤によって吸着除去した場合に、冷媒吸着
剤の吸着能力消費を管理する技術、および冷媒ガスを吸
着・飽和して吸着性能を喪失した冷媒吸着剤や、冷媒ガ
スを吸着して吸着余力の減少した冷媒吸着剤から冷媒ガ
スを脱離せしめて、冷媒吸着剤の吸着性能を回復せしめ
る再生操作の管理技術に関するものであって、特に、冷
媒吸着剤を収納した可搬形タンク(吸着タンクと名付け
る)から冷媒吸着剤を取り出す必要無く、上記冷媒吸着
剤の吸着能力の変化状態を判定するための方法および同
装置に関するものである。この技術的内容を大別する
と、 イ.冷媒吸着剤によって冷媒ガスを吸着する場合、吸着
の進行に伴って冷媒ガス吸着余力が減少してゆくが、こ
の状態を連続量として検出し、あと何の位の使用に耐え
るかを判定する方法,装置。および、 ロ.冷媒吸着剤が吸着している冷媒ガスを脱離させて、
その吸着能力を回復させるには通常、数時間を要し、し
かも所要時間は一律でない。そこで、冷媒ガスの脱離の
進捗状態(すなわち吸着能力の回復状態)を連続量とし
て検出し、あと何の位の脱離操作続行を必要とするかを
判定する方法,装置、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フロン公害を防止するため、代替フロン
に関する研究が進められる一方、既設の機器のメンティ
ナンス技術を改良してフロンを大気中に放散させないよ
うにする工夫も進められている。
【0003】例えばビルの空調などに用いられている冷
凍機は一般に、常温近くに沸点を有する冷媒物質(例え
ばフロン・R11)を封入密閉して、蒸発→圧縮→凝縮
→減圧→(蒸発)の冷凍サイクルを行わせる。この冷凍
機を点検,整備するために分解(部分分解を含む)する
と冷媒が大気中に放散されるので、これを防止するため
予め冷凍機の冷凍系から冷媒を抜き取って冷媒タンク内
に回収,一次保管しておき、点検,整備を終えた後、冷
媒タンク内の冷媒を冷凍機内に戻す操作(冷媒の回収と
いう)が行われている。冷凍機内には、冷媒ガスや冷媒
液と共に、漏入した空気などの非凝縮性ガスや水蒸気が
混在しているのが一般的である。冷媒液は比較的容易に
冷媒タンクなどの容器に回収することができ、冷媒ガス
の回収に先立って冷媒液の抜き取りが行われるが、この
冷媒液抜取作業は一般に広く行われているので説明を省
略する。冷媒ガスは液化して回収し、非凝縮性ガスや水
蒸気は冷媒から分離する必要が有る。図4は従来例の冷
媒ガスの回収装置を示す系統図である。冷凍機1は凝縮
器1aと蒸発器1bと圧縮機1cとによって冷凍系を構
成し、冷媒(例えばフロン・R11)を封入,密閉して
いる。上記の冷凍系から冷媒タンク5に冷媒ガスを回収
するため、冷凍機1内の冷媒ガスを圧縮機2によって吸
入,圧送し、凝縮器3で冷却して液化させる。前記の冷
媒ガスの中には空気などの非凝縮性ガスが混入してお
り、さらに該空気は多少の水蒸気を含んでいる。そこ
で、前記の凝縮器3で液化した冷媒等を気液分離器4に
導いて冷媒液のみをフロート弁4aから冷媒タンク5に
回収し、凝縮ないし気体成分は放出弁4bから大気中に
放出する。この気体成分中には、凝縮しなかった冷媒ガ
スが含まれている。Wは液化した水分の溜まり具合を観
察するための覗き窓、vは排水用の弁である。
【0004】往時(例えば昭和30年代の高度経済成長
以前)においては冷媒が高価であったため、これを放散
させることなく回収しようというのが経済・技術の思潮
であった。このため、図4に示した従来例のようにして
冷媒の回収が図られたのであるが、この考え方に立つ限
りにおいては、回収する冷媒よりも高い費用を費やして
まで徹底回収するという努力は為されなかった。昭和4
0年代に入って各種の公害が社会問題化し、さらに昭和
60年代になると、フロンなどの冷媒や溶剤によるオゾ
ン層破壊という地球規模の環境問題が国際的に論じられ
るようになり、回収フロンの金銭的価値以上の費用をか
けてでも極限までフロンを回収し、フロンを大気中に放
散してはならないという時代になった。こうした観点か
ら図4の従来技術を見ると、圧縮機2によって冷凍機1
内の冷媒ガスを精一杯排出しても、機内ガス圧は一般的
には−650mmHg程度にしか下がらない。この−6
50mmHgの冷媒ガスは分解整備に際して大気中に放
散されてしまう。この機内残留ガス圧を−750〜約7
60mmHgまで下げるため、図5に示すように真空ポ
ンプ19を用いる技術も公知である。しかしながら、図
5の従来例では機内残留ガス圧を−760mmHg近く
まで下げ得る代りに、該真空ポンプ19の吐出圧が低い
ので、前記気液分離器4内上部空間の非凝縮性ガス圧力
が0.3Kgf/cm2g程度までしか上がらない。こ
の非凝縮性ガスの中には、凝縮器3内の凝縮温度に相当
する分圧の未凝縮冷媒ガスが混在しており、その冷媒ガ
ス濃度は気液分離器4内の圧力に反比例し、圧力が低い
と冷媒ガスの分圧が相対的に高くなり、未凝縮冷媒ガス
濃度が高くなる。従って、放出弁4bから大気中に放出
される非凝縮性ガスに随伴して高濃度の未凝縮冷媒ガス
が放散される。図4および図5について説明した従来例
の不具合を解消するため、図6に示すように真空ポンプ
19の下流側に圧縮機2を直列に介挿接続する構成が有
効である。この構成は本発明者らが創作して本出願人に
よって別途出願中(特願平4−156912号)の未公
知の先願に係る発明である。上記先願の発明によれば、
冷凍機1内の残留冷媒ガス圧を理想的に低くし、(約−
760mmHg)、しかも、気液分離器4内の非凝縮性
ガス圧力を高く(例えば5Kgf/cm2g)すること
ができ、従って、冷凍機内に残留して大気中に放散され
る冷媒の量と、放出弁から非凝縮性ガスに随伴して放散
される冷媒の量との合計量を、実用上零と見なし得る程
度に減少せしめることができる。
【0005】以上に図4〜図6を参照して説明したの
は、冷凍機における冷媒の回収に関する先行技術であっ
て、その技術的なポイントは、冷凍機内に封入されてい
る冷媒を大気中に放散させることなく、冷媒ガス中に漏
入した非凝縮性ガスを大気中に排出することであった。
【0006】一方、冷凍機のメンティナンスに関して、
前述の回収と並んで重要な抽気という操作が有る。この
抽気について次に述べると、冷凍機に封入された冷媒
が、前述のごとく蒸発→圧縮→凝縮→減圧→(蒸発)の
冷凍サイクルを繰り返す途中で、大気圧に比して負圧に
なる状態を経過する。
【0007】このため、冷媒ガス中に非凝縮性ガス(空
気など)が混入する虞れが有る。冷媒ガス中に非凝縮性
ガスが混入すると、冷凍機の能力や効率を低下させた
り、冷凍機内の発錆を誘発したりするので、混入した非
凝縮性ガスを分離して大気中に放出する操作(抽気)が
必要となる。この抽気操作における技術的ポイントも、
大気中に放出する非凝縮性ガスに随伴して大気中に放散
される冷媒ガスの含有率を如何にして減少させるか、と
いうことである。このように、抽気操作と回収操作とは
技術的に共通する部分が少なくない。図4に示した従来
例の回収装置において、気液分離器4の底部に溜まった
冷媒液と冷媒タンク5に注入する代りに、該冷媒液を冷
凍機1の蒸発器1bに還流せしめるように配管を改造す
ると図7のごとくになる。図7において、冷凍機1内に
漏入した非凝縮性ガスは冷媒ガスよりも軽いので、凝縮
器1a内に集まり、冷媒ガスと混合して混合ガスとな
る。この混合ガスを圧縮機2で吸入,圧送し、凝縮器3
で冷却して気液分離器4に導く。このとき、該気液分離
器4内に流入する流体は、主として冷媒ガスと非凝縮性
ガスと冷媒液との気液混合流であり、これに若干の水蒸
気および微細な水滴などが含まれている。この気液混合
流は気液分離器4で分離され、冷媒液はフロート弁4a
を経て冷凍機1の蒸発器1bに還流せしめられる。水分
は排水弁vから排出され、非凝縮性ガスおよび未凝縮の
冷媒ガスは放出弁4bから大気中に放出される。
【0008】図6に示した回収装置および図7に示した
抽気装置において、気液分離器4の上部空間に溜まった
非凝縮性ガスを放出弁4bから大気中に放出する場合、
若干の冷媒ガスが随伴して一緒に放出される。その随伴
冷媒ガスの含有率を低下せしめるには、該気液分離器4
内の混合ガス(非凝縮性ガスと冷媒ガスが主成分)を強
冷することが有効である。図8は、図6に示した回収装
置における気液分離器内の混合ガスを強冷するように改
良した1例であって、先願の発明(特願平4−1569
12号)に提案された未公知の先行技術に係る回収装置
の系統図である。この構成を概要的に述べれば、図6の
従来例における気液分離器4に小形冷凍機22を併設し
たものである。本発明において小形冷凍機とは、冷媒回
収操作の対象である冷凍機1よりも小形,小容量の冷凍
機をいう。本例の気液分離器4′は、その内部に冷却管
4cを設けてある。一方、小形冷凍機22は圧縮機22
a,凝縮器22bおよび膨張弁22cを備えていて、冷
却流体22dを前記の冷却管4cに供給して循環させ
る。本例によれば気液分離器4′内で冷媒ガスが強冷さ
れてその蒸気圧が低くなるので、放出弁4cから放出さ
れる非凝縮性ガスに随伴する冷媒ガス濃度がいっそう低
くなる。上述のごとく冷媒ガスが強冷されるので、この
冷却温度が水の氷結点以下である場合は、上記冷媒ガス
に水蒸気が含まれていると気液分離器4′内に霜を生
じ、また氷結して弁類の作動を阻害する虞れ無しとしな
い。このため、仮想線で示したように気液分離器4′の
流入側にドライヤ23を設けて水蒸気を除去することが
望ましい。図8の従来例から容易に理解できるように、
気液分離器4′内の冷却管4c内を循環して冷媒ガスを
強冷する冷却流体は、小形冷凍機22の併設によらず、
他の冷却装置から供給される冷水,冷媒等の低温流体を
利用することも可能である。
【0009】図9および図10はそれぞれ、小形冷凍機
22を併設して冷媒ガスを強冷するように構成された未
公知の先願(特願平4−181035号)に係る抽気装
置の1例を示し、模式的な系統図である。本図10に示
した1例における気液分離器4は冷却ジャケット8を備
えており、冷凍機1の凝縮器1aからオリフィス21を
介して低温の冷媒を供給されて該気液分離器4内の混合
ガス(冷媒ガス+非凝縮性ガス)が冷却され、効率良く
非凝縮性ガスと冷媒液との分離が行なわれる。しかし、
この気液分離器4内に溜まったガスをそのまま大気中に
放出せしめることなく、電磁弁14,15を操作して精
溜器9に導入し、小形冷凍機22から供給される低温流
体を冷却管9aに循環流通させて強冷する。精溜器9内
に導入された混合ガスが強冷されると、冷媒ガスの分圧
が顕著に低下し、飽和を越えた冷媒ガスは凝縮し、冷凍
機1の蒸発器1bに還流せしめられる。上記精溜器9内
の上部空間に溜まったガス(ほとんど純粋の非凝縮性ガ
ス)の圧力は圧力センサ9bによって検出し、所定値に
達すると放出ユニット9cから大気中に放出される。
【0010】上記精溜器9内に導入される混合ガス中に
多量の水蒸気が含まれていると、冷却管9aに結霜して
熱伝導を妨げたりするので、ドライヤ23を設けて除湿
されるようになっている。
【0011】以上に述べたごとく、フロン公害を防止す
るため、抽気操作および回収操作に際して大気中に放出
する非凝縮性ガスに冷媒ガスを随伴させない工夫が為さ
れてきた。本出願人による前記未公知の発明を含めて、
「温度,圧力の制御による冷媒の相変化」を利用した冷
媒ガス放散防止は、極限的に追及されて効果を挙げた。
しかし乍ら、社会的要請は更にいっそう改善を求めてい
る。これに応えるためには、前述した各種の先行技術
(温度,圧力制御)に加えて、化学的ないし分子化学的
な方法の併用を考究する必要が有る。例えば、フロンを
大量に使用して洗浄を行なう工場においては、フロンの
吸着剤を収納した複数の吸着塔を設置し、その一部分を
使用して排出ガス中のフロンを吸着,除去し、フロンを
吸着,飽和して吸着性能が衰えた吸着塔は使用を中止し
て脱離操作が加えられて再生される(前記の脱離とは、
吸着の反対語であって、脱着もしくは離脱とも呼ばれ
る。本発明においては、機械的な着脱と紛らわしくない
ように脱離と呼ぶことにする)。従来主としてフロン洗
浄設備の排気に適用されていた吸着法を、冷凍機の抽気
装置や回収装置に応用しようというアイデアも提案され
ているが、冷房用の冷凍機は一般に狭隘な空間に設置さ
れているので、大形の吸着,脱離設備を付加設置するこ
とは実用性に問題が有るので普及しない。現在、本邦に
おける殆ど全部のビルには冷房用の冷凍機が設置されて
いるが、経済価値の高い階層は収益性の高い用途(事務
室,売場,生産設備,住居など)に振り当てられ、冷凍
機は地下もしくは屋上の狭い空間に配置されている。し
かも、冷凍機の仕様と機械室容積とは、ビルの建築工事
の設計段階で決定されており、フロン公害防止の世論が
高まったからと言って、大形の吸着,脱離装置を追加設
置することは現実に受け入れられない。また、今後建築
されるビルについても、直接的な収益性を有しない吸
着,脱離設備に大きいスペースを割くことは種々の困難
や抵抗が有る。また、冷凍機が設置されているビルの機
械室ごとに大形の吸着・脱離装置を設置することは社会
的にみて不経済である。本発明者らは、既設の冷凍機室
内に設置し得る程度の小形吸着・脱離装置の開発につい
ても試作,実用試験を重ねたが、次に述べるような不具
合が有って、理論的には成功しながら実用普及が進まな
かった。すなわち、 イ.吸着装置が小形であると、比較的早期に吸着剤が吸
着飽和してしまって吸着性能を喪失する。一方、抽気装
置の作動インターバルは諸種の条件によって変化する
が、比較的短周期で間欠的に作動する場合も少なくな
い。このため、冷媒を吸着した吸着剤を脱離していて未
だ脱離が完了しないうちに、次のサイクルの抽気作動が
始まってしまう。こういう事を繰返していると、常に飽
和に近い状態の吸着剤の中を通過した排ガスが大気中に
放散され、冷媒ガスの随伴を防止できない。 ロ.冷媒を吸着して飽和した吸着剤から冷媒を脱離させ
る操作は高度の技術を要し、これを自動機器で行わせる
にしても厳重に管理しなければならない。脱離の圧力,
温度条件が適正でないと脱離が進行しなかったり、脱離
させた冷媒が分解してしまって回収再利用が出来なくな
ったりするからである。
【0012】前記イ,ロに示した不具合を解消して、フ
ロン公害の完全な防止を図るための新規な方法として、
ターボ冷凍機用抽気装置(もしくは冷媒回収装置)のガ
ス放出口に対して着脱自在に接続され、冷媒吸着剤を収
納した多数の吸着タンクを用い、上記多数の吸着タンク
のうち、収納している冷媒吸着剤が吸着能力を有してい
る吸着タンクを、多数のターボ冷凍機のそれぞれに配給
して抽気装置(もしくは冷媒回収装置)に接続し、上記
抽気装置(もしくは冷媒回収装置)から放出されるガス
を、吸着タンク内の冷媒吸着剤に流通せしめて、該放出
ガス中に含まれている冷媒ガスを吸着除去し、収納して
いる冷媒吸着剤が冷媒を吸着して飽和した吸着タンクを
抽気装置(もしくは冷媒回収装置)から取り外して、吸
着タンク再生工場に搬入し、上記吸着タンクを、再生工
場の脱離炉に入れて加熱するとともに真空吸引し、冷媒
吸着剤から冷媒を脱離せしめて吸着タンクを再生し、再
生した吸着タンクを冷凍サイトに返送して再使用に供
し、上記の操作をエンドレスに循環せしめて遂行するこ
とが考えられる。上記の新規な方法は本発明者らが創作
したもの(以下、未公知の先行技術という)である。
【0013】上記の方法によると、多数の吸着タンクの
うち、吸着性能を有しているもの(再生された新たな吸
着タンク)を、冷凍機の抽気装置(もしくは冷媒回収装
置)に接続しておくと、非凝縮性ガスと冷媒ガスとの混
合ガスである放出ガスが上記吸着タンク内を通過し、収
納されている冷媒吸着剤によって混合ガス中の冷媒ガス
が選択的に吸着,除去される。
【0014】収納されている冷媒吸着剤が冷媒を吸着し
て飽和すると、新たな吸着タンクと容易に交換できるの
で、抽気装置(冷媒回収装置)の放出ガスは常に吸着機
能を有する吸着タンクによって処理される。このため、
排ガス中の冷媒ガスは実用上零と見做し得る程度に完全
除去される。
【0015】そして、冷凍機の抽気装置(冷媒回収装
置)に対して装着しなければならない部材は、可搬形の
吸着タンク1個のみであるから、総べての既設冷凍機に
適用することができ、好ましくは使用済み吸着タンクと
未使用吸着タンクとを保管しておくためのスペースが冷
凍機の近傍に有れば良い。従って、適用スペース不足を
理由として普及を妨げられる虞れが無い。冷媒を吸着し
て飽和した冷媒吸着剤は、吸着タンク内に収納されたま
まの状態で取り外され、吸着タンク再生工場の脱離炉に
装入され、真空ポンプで真空引きなどして脱離され、脱
離した冷媒は液化装置で液化される。この操作は再生工
場において専門技術者による管理の下で、経済的に行な
うことができる。図11は、未公知の先行技術に係るフ
ロン公害防止システムの概要を示す模式的な系統図であ
る。冷凍機1に抽気装置31が付設されていて、該抽気
装置31の放出ガス(主として非凝縮性ガスであるが微
量の冷媒ガスを含んでいる)を、大気中に放出すること
なく、圧力調整弁32で減圧して吸着タンク34に導か
れる(矢印a)。上記吸着タンク34の中には冷媒ガス
の吸着剤(図示せず)が充填されており、導かれたガス
は上記吸着剤の中を流通して冷媒成分を吸着除去され、
矢印bのごとく大気中に放散せしめられる。吸着タンク
34に充填されている吸着剤が冷媒ガスを吸着して飽和
すると、再生工場に搬入され(矢印c)、脱離炉38に
装入されて加熱されるとともに真空吸引手段39により
真空引きされる。これにより、冷媒吸着剤に吸着されて
いた冷媒が脱離され、冷媒吸着剤は吸着機能を回復す
る。冷媒吸着剤が吸着機能を回復して再生された吸着タ
ンクは、冷媒サイトへ返送(矢印d)される。また、脱
離したガス状の冷媒は液化装置68によって液化されて
回収タンク42に貯えられ、再使用に供される。
【0016】図11について説明した未公知の先行技術
に係るフロン公害完全防止システムをして実用価値有ら
しめるためには、使い易くて、簡単で安価な構成で、随
伴冷媒ガスの吸着除去機能を有し、繰返し使用に耐え
る、ポータブルな吸着タンクを必要とし、かつ、上記の
冷媒吸着剤を収納した可搬形のタンク(吸着タンク)が
使用されて、内部の冷媒吸着剤が冷媒ガスを吸着して吸
着能力を喪失し、もしくは吸着余力が減少したとき、こ
れを専門工場に集めて高能率で、経済的に再生せしめ得
る、品質管理が容易な技術を必要とする。
【0017】本発明者らは、上述した未公知の先行技術
(図11)をして実用的効果あらしめるべく、さらに試
験研究および試作テストを続行し、多数の吸着タンク
を、集中管理的に、かつ経済的に再生(収納している冷
媒吸着剤の吸着性能を回復せしめること)するための新
たな技術(以下、説明の便宜上、試案と呼ぶ)を開発し
た。こうした改良の流れの中で、試案に係る冷媒吸着剤
の再設定方法は、冷凍機用の抽気装置(もしくは冷媒回
収装置)の放出口に対して着脱される流入口と、大気に
対して連通される流出口とを備えた可搬形タンクの中に
収納されている冷媒吸着剤が冷媒ガスを吸着したとき、
吸着している冷媒ガスを脱離させて冷媒吸着剤の吸着性
能を回復させる方法であって、前記の流入口および流出
口の少なくとも片方に真空ポンプを接続して、上記可搬
形タンク内を負圧に保ち、冷媒吸着剤に吸着されている
冷媒ガスを脱離させるものである。また、該試案の方法
を実施するため、試案に係る再生装置の構成は、冷凍機
用の抽気装置(もしくは冷媒回収装置)の放出口に対し
て着脱される流入口と、大気に対して連通される流出口
とを備えた可搬形タンクの中に収納されている冷媒吸着
剤が冷媒ガスを吸着したとき、吸着している冷媒ガスを
脱離させて冷媒吸着剤の吸着性能を回復させる装置であ
って、前記可搬形タンクの流入口および流出口の少なく
とも何れか一方に接続される真空ポンプと、上記真空ポ
ンプによって吸い出したガスを冷却して液化させる液化
装置と、を設けた。
【0018】次に、図11ないし図14を順次に参照し
つつ、試案の実施例を説明する。図13は、本発明に係
る冷媒吸着剤の再生技術において取扱いの対象とする、
冷媒吸着剤を収納した可搬形タンク(吸着タンク)、す
なわち、未公知の先行技術に係るフロン公害防止システ
ム(図11)に用いられる多数の吸着タンクの内の1個
を示す断面図である。図13に示した41はタンク本体
である。その形状,寸法は特に限定されないが、ハンド
ル53とハンドル兼脚54とを両手で持って運べるよう
に構成する。
【0019】後述するごとく、このタンク本体内には気
体が流通せしめられるが、流出口が大気に連通している
に近い構造であって、大きい内圧が掛からないから大き
い肉厚寸法を必要とせず、軽量に構成するについて別段
の困難は無い。上記タンク本体41の内部空間は、ネッ
ト42a,42bによって、入口側室Fと、出口側室D
と、中央室Eとに仕切られ、該中央室E内に冷媒吸着剤
45が収納されている。本実施例においては上記の冷媒
吸着剤として粒状の活性炭が用いられている。本実施例
におけるネット42a,42bは、前記粒状の活性炭を
通過させないメッシュの金網より成り、パンチングプレ
ートを重ね合わせて補強されている。本発明を実施する
際、上記のネットの構造は格別に限定されること無く、
要するに通気性を有する板状部材、ないしは、機構学的
にこれと等価な構造であれば良い。
【0020】前記の出口側室Dを貫通して中央室Eに連
通する活性炭封入口43が設けられていて、蓋を装着し
て密閉されている。そして、前記の入口側室Fを貫通し
て中央室Eに連通する活性炭取出口44が設けられてい
て、蓋を装着して密閉されている。活性炭が冷媒ガス
(例えばフロン・R11)を吸着した場合、加熱・減圧
によって吸着ガスを脱離させて繰返し使用し得るが、次
第に性能が劣化する。前記のような活性炭封入口43,
活性炭取出口44を設けておくと、活性炭の吸着性能が
劣化したときの交換が容易である。上述の構造機能から
容易に推察し得るごとく、本発明を実施する場合、必ず
しも封入口と取出口とを別個に設けなくても、封入口兼
取出口を設けることもできる。活性炭が冷媒ガスを吸着
・脱離する現象は可逆的であって、吸着作用の際は発熱
し、脱離作用の際は吸熱する。上記発,吸熱の伝熱を円
滑ならしめるため本例は図13に示したように、冷媒吸
着剤(粒状活性炭)に接触せしめて放熱板47が設けら
れている。本実施例の放熱板47はタンク本体41に対
して熱的に接続され、該タンク本体41を介して大気に
接触している。図示を省略するが、放熱板を直接的に大
気に接触せしめても良い。また、図13に仮想線で示し
たように、冷媒吸着剤45に接触せしめて放熱管55を
配設するとともに、該放熱管の内腔を大気に連通せしめ
ても良い。活性炭が冷媒ガスを吸着するときに吸着潜熱
を発生するため、該活性炭が冷媒ガスを脱離するときは
吸着潜熱を吸収する。従って、冷媒ガス(例えばフロン
・R11)を吸着,飽和した活性炭を減圧して冷媒ガス
を脱離せしめて吸着機能を回復させる(吸着タンクを再
生させる)際は吸着潜熱を与えなければならない。この
吸着機能回復操作の際、前記の放熱板47もしくは放熱
管55は、活性炭に熱を与えて昇温させるとともに吸着
潜熱を与える作用を果たす。こうした作用に着目する
と、これらの放熱板47および放熱管55は伝熱板,伝
熱管である。前記タンク本体41に、入口側室Fに連通
せしめて混合ガスの流入口が設けられており、この流入
口に急速継手・甲40aが接続固着されている。上記の
急速継手・甲40aは、図示の急速継手・乙40bとペ
アになって、逆流防止機構付きの急速継手40を構成し
ている。
【0021】図13に示した48は、タンク本体内の冷
媒吸着剤が吸着性能を保持しているか喪失したかを検知
する吸着センサであって、管状の中空部材に冷媒吸着剤
(本実施例においては活性炭)を収納している。該管状
の中空部材の一方の端はタンク本体41の出口側室Dに
連通固着され、他方の端には逆止弁49が取付けられて
いる。上記逆止弁49の方向性は、大気中への流出を許
容し、大気の流入を阻止する方向になっている。これに
より、大気中の水蒸気が流入して活性炭の吸着力を弱め
る虞れが無い。
【0022】タンク本体41内に導かれた混合ガスは、
タンク本体内の冷媒吸着剤(活性炭)に接触しつつ流通
し、冷媒ガスが吸着除去されて非凝縮性ガスのみが吸着
センサ48を流通し、逆止弁49を経て大気中に放出さ
れる。上記のごとく、冷媒ガスはタンク本体の中に装填
されている冷媒吸着剤(活性炭)45によって吸着さ
れ、発生した吸着熱は放熱板47によって放散せしめら
れる。吸着センサ48内に収納されている冷媒吸着剤
(活性炭)は流通するガスが非凝縮性ガスのみである間
は吸着作用を行なわないので吸着熱を発生することが無
い。こうした状態で、吸着センサに収納されている冷媒
吸着剤が吸着作用を行なわず、従って吸着熱を発生しな
いということは、吸着センサの中で吸着作用が行なわれ
ていないこと、すなわち、タンク本体内の冷媒吸着剤に
よって冷媒ガスの吸着除去が行なわれていることを意味
している。
【0023】タンク本体内の冷媒吸着剤45が冷媒ガス
を吸着して飽和すると、冷媒ガスの吸着性能を失う。こ
うした状態になると混合ガス中の冷媒ガスがタンク本体
内を素通りして吸着センサに流入し、該吸着センサ48
内の冷媒吸着剤(活性炭)によって吸着除去されるよう
になる。この状態においては吸着センサ48内の冷媒吸
着剤が吸着熱を発生する。この作用を外部から観察する
と、吸着センサ48が発熱し始めるということは、タン
ク本体内の冷媒吸着剤45が吸着性能を喪失したことを
表わしていることになる。このようにして吸着センサ4
8は、発熱することによって吸着タンクが交換時機に達
したことを表示するが、もう一つの重要な効果として、
吸着タンク内の冷媒吸着剤45が吸着飽和して冷媒ガス
を素通りさせるようになっても、なお暫くの間は吸着セ
ンサによって冷媒ガスを吸着捕捉し、該冷媒ガスが大気
中に放散されることを阻止し、フロン公害の完全防止を
サポートする。
【0024】吸着センサ48内の冷媒吸着剤が発熱を開
始したことは、該吸着センサ48を構成している管状の
中空部材の昇温を検知して把握することが出来る。本実
施例では上記管状の中空部材を保温材50で包み、吸着
センサ48の周囲に保温層を構成して上記管状の中空部
材の昇温を助長し、検出の鋭敏性を向上せしめている。
【0025】上記管状の中空部材の昇温を検知するに
は、公知の技術を任意に適用することができ、温度変化
に伴って電気抵抗を変えるサーミスタなども使用し得
る。本実施例においては、温度変化に伴って色調が変わ
る薬剤(例えばサーモラベル,サーモペイント等)を利
用した。この実施例によれば、一見して吸着性能の保持
状態を判定することができるので便利である。
【0026】図13に示した保温材50には覗き窓(開
口ないし透孔)51を設けてあり、吸着センサ48の一
部分が外観に現われるようにし、この部分にサーモラベ
ル52を貼着した。サーモラベルには、可逆的な色調変
化を生じるものと、不可逆的な色調変化を生じるものと
が有り、それぞれ一長一短が有る。可逆的な色調変化を
呈するサーモラベルは、昇温に伴って一旦変色しても、
温度が低下して室温に戻ると原色調に復元するので繰り
返し使用することができ、経済的である。しかし乍ら、
次のような問題が有るので、本実施例では不可逆的な色
調変化を生じるサーモラベルを使用した。すなわち、先
に説明したように、タンク本体41内の冷媒吸着剤が吸
着,飽和すると、冷媒ガスはタンク本体を素通りして吸
着センサ48内の冷媒吸着剤で吸着されるようになり、
該吸着センサ48が昇温する。ところが、何らかの事情
で、このまま放置されると、吸着センサ48内の冷媒吸
着剤が吸着飽和して吸着性能を失うに至り、その後は吸
着センサ48が発熱しなくなって室温に戻る。このよう
な状態になった場合、不可逆的色調変化を生じるサーモ
ラベルは、吸着センサ48が室温まで放冷された後も、
昇温によって変化した色調を表示し続ける。従って、何
らかの事情によって吸着タンク巡視点検のインターバル
が延びたため、タンク本体41内の冷媒吸着剤45のみ
ならず吸着センサ内の冷媒吸着剤までも冷媒ガスを吸
着,飽和した後にサーモラベル52を目視した場合も、
該サーモラベルは昇温歴が有ること(すなわち吸着タン
ク本体内の冷媒吸着剤が飽和に達して吸着性能を喪失し
たこと)を容易に判定することができる。
【0027】上述のようにして吸着タンク内の冷媒吸着
剤が交換時機に達し、若しくは交換時機を経過したもの
と判定されたならば急速継手40を切り離し、吸着性能
を喪失した吸着タンクを取り外し、予め準備してあった
吸着タンクと交換する。上記脱着交換に際し、急速継手
40が設けられているので迅速,容易に交換することが
でき、その上、該急速継手40には逆流阻止機構が備え
られているので、交換作業に熟練を要せず、冷媒ガスを
漏らさない。図示の53,54は、本実施例の吸着タン
クを両手で持ち運びし易いように取り付けたハンドルで
ある。上記1対のハンドルのうち、吸着センサ48と反
対側に位置しているハンドル54は、この吸着タンクを
床上に置く場合に脚としても機能するように構成してあ
る。
【0028】収納されている冷媒吸着剤45が冷媒ガス
を吸着・飽和して吸着能力を喪失した吸着タンクは下記
のようにして再生されるが、未だ飽和に達していない吸
着タンクであっても同様にして再生することができる。
吸着タンクは図12について後述するようにして冷媒吸
着剤の脱離操作を施されるが、この脱離操作に先立って
予め配管のための準備操作が行なわれる。図14は、図
13に示した実施例の吸着タンクに準備操作を施し終わ
った状態を示す部分断面図である。前述の急速継手・甲
40aを取り外して直管状のアダプタパイプ63が接続
される。64は管継手である。さらに、前述の逆止弁4
9を取り外して真空ホース61が接続される。62は管
継手である。本実施例のアダプタパイプ63は剛性の部
材であり真空ホースは可撓性の部材であるが、その役目
は両方とも同様であって、タンク本体41の内部空間を
真空ポンプに接続し、該内部空間を真空引きするための
ものである。図12は、本試案に係る冷媒吸着剤再生装
置の1実施例を示し、吸着タンクを装入した状態の炉体
を部分的に破断して描いた正面図に、配管系機器を付記
した説明図である。図14について説明したような準備
作業によって、吸着タンク34のタンク本体の流入口に
接続されたアダプタパイプ63、および、同じく流出口
側に接続された真空ホース61を、真空ポンプ67の吸
入側に接続して、吸着タンク内を減圧する。図示の66
は、炉体65の炉壁を貫通せしめて配置された接続管で
ある。また、孔65dはアダプタパイプ63を挿通する
ためのものである。
【0029】吸着タンク34内に収納されている冷媒吸
着剤(本例においては活性炭)から吸着している冷媒ガ
ス(本例ではフロン・R11)を脱離させるための必要
最少限の条件は減圧である。本発明を実施する際、−7
50mmHg程度の真空引きのみによって冷媒ガスの脱
離を行なうこともできる。しかし、脱離が吸熱反応であ
るから、加熱しつつ真空引きする方が高能率で冷媒ガス
の脱離、すなわち吸着剤の再生を行なうことができる。
そこで本実施例では、電気ヒータ65eを備えた炉体6
5内に吸着タンク34を装入して加熱する。65fは吸
着タンク34を支持しているガイドバーであり、65b
は炉蓋、65cはそのハンドルである。本例において
は、吸着タンク34を炉体65に装入したり取り出した
りするに便なるごとく、高さ寸法約1メートルのベース
65a上に炉体65を設置してある。本図12において
は重なって1個のみ表わされているが、複数個の吸着タ
ンク34が炉体65内に装入れさている。本実施例にお
いては、各吸着タンクはそれぞれ図示のごとく水平姿勢
に保持され、相互に平行に、紙面と垂直方向に配列され
る。従って、これら複数個の吸着タンクを装入し得るよ
う、炉体65は、その炉前側(図において右側)から見
ると横長形状をなしている。
【0030】図に示した69a,69bはサービスホー
ルである。本実施例における炉体65の内部は、発熱体
(電気ヒータ65e)によっても加熱することができる
が、上記発熱体と併用して、若しくは該発熱体に代え
て、前記サービスホール69a,69bを経て熱風を循
環せしめ得るようになっている。どのような加熱手段を
用いる場合も、炉内温度が100℃ないし180℃の間
の所定温度に保たれるように温度制御手段(図示せず)
が設けられている。100℃未満では冷媒吸着剤から冷
媒ガスを脱離させる反応の速度が低くて実用的価値が低
く、また、180℃を越えると冷媒物質が分解して、再
利用に供し得なくなるからである。
【0031】前記の真空ポンプ67からは、脱離された
冷媒ガスを主成分とするガスが吐出される。このガスを
液化装置68に導き、冷却管69に接触せしめて冷却
し、凝縮させ、液ポンプ70で回収タンク71に送入し
て一時的に貯蔵し、再使用に備える。前記真空ポンプ6
7として、本実施例においては連続定格吸入圧力−75
0mmHgのロータリ型真空ポンプを用いた。本試案を
実施する際、真空ポンプは任意型式のものを選定して適
用することができる。一般に真空ポンプの吐出圧力は大
気圧に比して余り高くない。従って、前記の液化装置6
8に加圧手段を設けて冷媒ガスを圧縮すると容易に液化
せしめ得るので好都合である。前記回収タンク71に送
出用の開閉弁72を設けておいて、該回収タンク71内
に貯溜された冷媒液を冷凍機用の補給冷媒として利用す
る。この回収タンク71に送入された冷媒液の由来を辿
ると冷凍機内に封入されていたものであるから、これを
返送することによってフロン公害を防止しつつ、補給用
フロンの購入を不要ならしめることができる。本発明を
適用して、1滴のフロンも大気中に放散させなければ、
冷媒としてフロンを用いる冷凍機を運転しても地球環境
に悪影響を及ぼす虞れが無く、かつ、フロンの補給が途
絶しても冷凍機の運転を継続することができる。本試案
においては、前記の回収タンク71の上部空間と液化装
置68との間に圧力をバランスさせるための管路73を
設けて、冷媒液体が円滑に流動し得るようにしてある。
【0032】図14に示したようにしてアダプタパイプ
63や真空ホース61を取り付け、図12に示したよう
にして冷媒吸着剤を再生するとともに、脱離した冷媒ガ
スを液化させて回収した後、上記アダプタパイプ63を
取り外して図13に示した急速継手・甲40aを取り付
けるとともに、真空ホース61を取り外して逆止弁49
を取り付けて、図2に示されている状態に復元する。そ
して、変色しているサーモラベル52を剥がして新たな
サーモラベルを貼着する。もしくは、変色しているサー
モペイントを塗り直す。前記の液化装置(図1)から送
出される流体は必ずしも純粋な冷媒液と限らず、水分を
含有している場合も有り得る。こうした事情を勘案し
て、図示を省略するが、液化装置68と回収タンク71
とを結ぶ管路の途中にドライヤを設けることも出来る。
【0033】本試案を適用すると、可搬形タンク(吸着
タンク)内に収納されている冷媒吸着剤が冷媒ガスを吸
着・飽和して吸着能力を喪失した場合や、冷媒ガスを吸
着して吸着余力が減少した場合、該可搬形タンク内から
冷媒吸着剤を取り出す必要なく、個々の可搬形タンクに
配管を接続して真空引きすることにより、該冷媒吸着剤
から冷媒を脱離せしめることができるので取扱いが容易
であり、しかも、脱離せしめた冷媒ガスを大気中に放散
せしめる虞れ無く捕捉・回収して再使用に供することが
できる。以上が、本発明の技術的背景であって、前記未
公知の先行技術および前記の試案は、本発明者らが創作
した未公知の発明である。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記試
案に係る未公知の発明について実用化試験,研究を行な
い、所期の効果を奏することを実用面で確認したが、上
記実用化試験の結果、なお次に述べるような改良の余地
が有ることを確認した。 (a)図13および図14に示した吸着センサ48を設
けて、サーモラベル52の変色によって冷媒吸着剤45
が吸着,飽和したことを検出し得るが、その検出結果
は、飽和に達したか否かをイエスがノーかという形で、
いわゆる2値的に表示される。しかし、冷凍機の管理運
営に当たる責任者としては、単に「未飽和」という答え
だけでなく「飽和に達するまで、あと何の位の余裕が有
るか」を知りたい。それによって次回点検の計画も樹て
られるし、交換用の吸着タンクを準備することの緊急度
を判断し得るからである。すなわち、「現時点では未飽
和であるが、1時間後には飽和するかも知れない」とい
う意味の表示であっては不安を残す。 (b)先に述べたごとくサーモラベルには(サーモペイ
ントも同様)、可逆的に色調を変え、昇温によって一旦
変色しても冷却すると元の色調に戻るものと、非可逆的
に色調を変え、冷却しても元の色調に戻らないものとが
有る。可逆的に変色するサーモラベルを用いると、吸着
センサ48内の冷媒吸着剤が冷媒ガスを吸着,飽和して
冷媒ガスを素通りさせるようになると、吸着熱が発生し
なくなり、サーモラベルが元の色調に戻ってしまうとい
う危険性が有る。しかし、非可逆的に変色するサーモラ
ベルを用いた場合は、吸着タンクに脱離操作を施して再
生した際、サーモラベルを貼り替え(サーモペイントを
塗り替え)なければならない。
【0035】(c)図12に示すようにして吸着タンク
34に再生操作を施す場合、その再生処理が完了したか
否かを判定することが極めて困難である。実務的には、
予め実験的に脱離所要時間を求めておいて、この所要時
間に若干の余裕時間を加算して、充分と思われる時間の
脱離処理を施す他は無いが、脱離反応の進行速度は諸種
の条件によって変化するので、こうした手法では不安を
残す。特に、この脱離処理(吸着タンクの再生処理)
は、専門の再生工場で集中的に行なわれるが、目分量の
脱離処理では、脱離時間に無駄を生じたり、脱離未完了
のままに残したりする虞れ無しとしない。
【0036】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、吸着タンクに収納されている冷媒吸着剤を該
吸着タンクから取り出す必要無く、吸着反応もしくは脱
離反応を進行させつつ、その反応の進捗状態を連続的に
(若しくは任意インターバルで間欠的に)検知し得る方
法、および、上記の方法を実施するに好適な装置を提供
することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理を略述すると、次の
ごとくである。吸着タンク内の冷媒吸着剤が放出ガス中
の冷媒ガスを吸着,除去する場合、該放出ガスの組成
や、温度,圧力条件が一定であれば、吸着作用は時間の
経過に伴って進行する。また、吸着・飽和して吸着能力
を喪失した吸着タンク内の冷媒吸着剤から冷媒ガスを脱
離する作用も、温度,圧力の条件が一定であれば、時間
の経過に伴って進行する。上記の作用は、必ずしも時間
の経過に正比例するとは限らないが、本発明が適用の対
象としている吸着タンクの集中管理システム(図11)
においては、吸着飽和と脱離再生の完了時点を確実に判
断することができ、かつ、吸着飽和や脱離再生の途中に
おいては、その進行状態の概要を知れば足りる。こうし
た実務上の作業条件に基づいて本発明は、吸着・脱離の
始点と終点とを正確に把握し、作業途中においては、上
記吸着作用や脱離作用が時間の経過に正比例して進行す
るものとして、いわゆる近似処理によって進行度を認識
する。しかし乍ら、本発明は上記の公知の現象を単に冷
媒吸着剤による冷媒ガスの吸着除去、および脱離再生に
適用したものではない。すなわち、冷凍機の抽気装置、
もしくは冷媒回収装置から放出される随伴冷媒ガスの含
有率を、先ず、温度,圧力操作による相変化を利用して
極限的に減少させた上で、なお、非凝縮性ガスの放出に
随伴する微量の冷媒ガスを吸着除去し(未公知の先行技
術)、さらに、上記の吸着除去を経済的に実用化するた
め、吸着タンクを用いた集中管理方式(図11)を創作
し(試案の発明)、上記の技術的改良の上に立って、さ
らに上記試案の発明をして実用価値有らしめるべく、前
記の現象(吸着・脱離の経時的進行)を利用して、吸着
タンクという未公知の機器内に収納されている冷媒吸着
剤について、吸着タンクに収納したままの状態で、しか
も吸着,脱離操作を中断することなく、その進捗状況を
判定する技術を創作したものである。
【0038】前記の原理に基づいて前記の目的(吸着タ
ンク内の反応進行を時間的に検知)を達成するための具
体的な手段として、第1の発明方法は、冷凍機に装着し
た抽気装置の放出弁に、冷媒吸着剤を収納した吸着タン
クを接続して、放出ガス中に含まれている冷媒ガスを吸
着除去する場合、上記放出弁がガスを放出する作動の回
数を計数して、上記の計数された回数に反比例して吸着
タンク内の冷媒吸着剤の吸着余力が減少するものと推定
し、上記の計数された回数が予め定められた回数に達し
たとき該吸着タンク内の冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し
尽くしたものと判定することを特徴とする。この発明方
法の主要部は冷媒回収装置に応用することができる(第
2の発明方法)。
【0039】第3の発明方法は、冷凍機に装着した抽気
装置の放出弁に、冷媒吸着剤を収納した吸着タンクを接
続して、放出ガス中に含まれている冷媒ガスを吸着除去
する場合、上記放出弁がガスを放出する作動の時間を加
算して、上記の加算された時間に反比例して吸着タンク
内の冷媒吸着剤の吸着余力が減少するものと推定し、上
記の加算された時間が予め定められた時間に達したとき
該吸着タンク内の冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し尽くし
たものと判定することを特徴とする。この第3の発明方
法の主要部は冷媒回収装置に応用することができる(第
4の発明方法)。第5の発明装置は、冷凍機に設けた抽
気装置の放出弁に、冷媒吸着剤が収納されている吸着タ
ンクを接続して、放出ガス中に含まれている冷媒ガスを
吸着除去する手段に適用され、前記放出弁のガス放出作
動を検知する放出作動センサと、上記放出作動センサの
出力信号を入力される、カウント機能を備えた自動演算
装置と、を具備しており、かつ、上記自動演算装置は、 a.前記の放出弁が、秒単位のガス放出を数回ないし数
十回、分単位程度の間隔で繰り返した後、1時間以上休
止した場合、これを1サイクルとして検知する機能と、 b.上記のサイクルの回数を加算する機能と、を有して
いるものであることを特徴とする。この第5の発明の主
要な構成部分は、冷媒回収装置に応用することができる
(第6の発明装置)。
【0040】第7の発明方法は、冷媒吸着剤を収納して
いる吸着タンク内を減圧して、上記冷媒吸着剤が吸着し
ている冷媒ガスを脱離させて吸着能力を回復させる場
合、減圧状態を保持している時間に正比例して吸着能力
を回復するものと推定し、上記の保持時間が予め定めら
れた時間に達したとき、脱離操作が完了したものと判定
することを特徴とする。
【0041】第8の発明装置は、真空ポンプに接続され
て減圧されている吸着タンク内の圧力を検出する圧力セ
ンサと、上記圧力センサの出力信号を入力される自動演
算装置と、上記自動演算装置に接続されたタイマと、上
記自動演算装置に接続された表示手段とを具備してお
り、上記の自動演算装置は、圧力センサの出力信号が所
定の真空度を表わす信号を出力した時間を加算して前記
の表示手段に表示せしめる機能を有するものであること
を特徴とする。
【0042】
【作用】上述の手段によると、未公知の先行技術に係る
吸着タンク内の冷媒吸着剤による冷媒ガスの吸着除去、
および吸着・飽和した吸着タンク内の冷媒吸着剤の脱離
・再生を、時間若しくは作動回数を基準として管理し、
上記冷媒吸着剤の吸着余力残存状態や、吸着能力回復状
態を、実用上充分な精度で推定することができる。
【0043】これにより、吸着・飽和して吸着余力を喪
失した吸着タンクを継続使用してフロン公害を生じる虞
れが無くなり、吸着タンク内の冷媒吸着剤の脱離が不充
分で再生未完了の吸着タンクを誤って出荷したり、脱離
・再生の終了した吸着タンクの脱離操作を継続して再生
所要時間の延長や再生コストの上昇を招いたりする虞れ
も無く、経済的にフロン公害防止に貢献することができ
る。
【0044】
【実施例】次に、図1ないし図3を順次に参照しつつ本
発明の実施例を説明する。図1は本発明に係る吸着余力
残存状態の判定装置の1実施例を示し、流体系統図に制
御系統を付記した図である。冷凍機1に抽気装置31が
装着されており、該抽気装置31の放出弁31aの放出
口は圧力調整弁32を介して吸着タンク34に接続され
る。上記の吸着タンク34は図11に示した未公知の先
行技術に係る集中管理方式に用いられている器具であっ
て、その構成の詳細は図13について説明したごとくで
ある。前記の放出弁31aは、次に述べるように間欠的
に開弁してガス放出を行なう。すなわち、秒単位の短時
間放出を、数十秒ないし分間隔で、数回ないし数十回繰
り返す。説明の便宜上、これを1サイクルと呼ぶ。1サ
イクルの作動から次のサイクルまでの間隔は時間単位な
いし日単位である。本実施例においては、上記の秒単位
の短時間放出を検出する放出作動センサ80が放出弁3
1aに接続されている。本発明を実施する場合、上記放
出作動センサ80として任意の従来技術を適用すること
ができ、圧力感応スイッチを用いても良く、流量計を用
いても良く、放出弁31aの機械的作動を電気的に検出
しても良い。この放出作動センサ80の出力信号は自動
演算装置81に入力される。本実施例の自動演算装置8
1は、タイマ82およびカウンタ83を備えていて、放
出作動センサ80が1サイクルの放出作動(数回ないし
数十回の、秒単位の放出作動)を検出した後、放出作動
が1時間休止したとき、これを1サイクルとして計数す
るように、プログラムを与えられている(第1および第
5の発明)。さらに上記の自動演算装置は、所定のサイ
クル回数を与えられて記憶し、上記所定サイクル回数か
ら前記の計数されたサイクル回数を減算した結果を残存
余力表示器86に表示させるプログラム、および、上記
の減算結果が1になると警告灯84を点灯させ、0にな
ると警音器85を鳴動させるプログラムを与えられてい
る。図示を省略するが上記のプログラムの応用例とし
て、前記の計数されたサイクル回数を加算し、加算され
た結果を、吸着能力消耗度表示器(仮称)に表示せしめ
るように構成することもできる。このような応用は当業
者にとって容易に行ない得ることであって、本発明の技
術的範囲に属する。前記の所定サイクル回数は、特定銘
柄の抽気装置31と、特定仕様の吸着タンク34との組
合せごとに、予め実験的に適正値を求めておけば良い。
ただし、冷媒吸着剤は、吸着・脱離の繰返しに伴って吸
着能力が漸減するので、こうした特性を考慮に入れて前
記の所定サイクル回数を設定するものとする。
【0045】次に、抽気装置に適用された実施例を描い
た前掲の図1を援用して、上記と異なる実施例について
説明する。本図1に記入した「抽気装置」を、「冷媒回
収装置」と読み替える。上記のように読み替えた図1の
構成により、吸着タンク34を冷媒回収装置に取り付け
てフロン公害の防止を図った場合における、該吸着タン
ク内の冷媒吸着剤の吸着余力残存状態の判断を行なうこ
とができる(第2および第6の発明)。
【0046】次に、前記実施例を描いた図1をそのまま
援用して、さらに異なる実施例を説明する(第3の発
明)。放出作動センサ80は、前記実施例におけると同
様に、数回ないし数十回の秒単位の放出作動を検出し
て、その出力信号を自動演算装置81に入力する。該自
動演算装置81は、前記秒単位の作動時間を、回数でな
く時間を単位として算定する(具体的には、時間の単位
である秒を用いる)。
【0047】そして該自動演算装置は、所定の時間を与
えられて記憶し、この所定時間から前記の算定した作動
時間を減算した結果を残存余力表示器86に表示させる
プログラム、および、上記の減算結果が60秒になると
警告灯84を点灯させ、0秒になると警音器85を鳴動
させるプログラムを与えられている。上記の実施例(抽
気装置の放出作動を時間単位で検出,管理する)につい
ても「抽気装置」を「冷媒回収装置」と読み替えること
ができる(第4の発明)。
【0048】図1について以上に説明した各実施例によ
れば、吸着タンク34内の冷媒吸着剤が、放出弁31a
から放出されるガス中に含まれている冷媒ガスを吸収除
去しつつ、次第に飽和状態に近づいて吸着余力が減少し
てゆく状態が、残存余力表示器86に、近似値として定
量的に表示されるので、管理者はこれを見て、吸着タン
クに関する管理業務の計画(例えば交換用吸着タンクの
準備など)を適切に行なうことができる。
【0049】また、残存余力表示器86について注意を
怠っていても、残存余力が少なくなると警告灯84が点
灯するので注意を促される。さらに残存余力が無くなる
と警音器85が鳴動するので確実に気付くことができ
る。
【0050】次に、図2を参照して第7の発明および第
8の発明の実施例を説明する。図2は本発明に係る吸着
能力回復状態判定装置の1実施例を示し、吸着タンクを
装入した脱離炉の断面図に流体の系統図を記入するとと
もに制御系統図を付記した図である。吸着タンク34,
脱離炉38,真空ポンプ67,液化装置68および回収
タンク71は、先に図12について説明した構成部材と
同様ないし類似の構成部材である。吸着タンク34を脱
離炉に入れて加熱するとともに、真空ポンプ67によっ
て吸着タンク34内を減圧すると、該吸着タンク34内
に収納されている冷媒吸着剤(この場合、冷媒ガスを吸
着している)から冷媒ガスが脱離せしめられる。この脱
離作用は瞬間的に進行するものではなく、時間の経過と
共に進行する。従って、温度・真空度の条件が一定に保
たれていれば、脱離操作の進捗状態(吸着能力の回復状
態)は時間の関数として把握される。また、近似的に時
間と比例して進行するものと見做しても、管理実務の上
で有益な指針となる。しかし乍ら、これを詳細に見れ
ば、温度条件の変化や真空度(圧力)変化の影響を受け
る。図3は脱離反応の進行速度や脱離操作の所要時間が
温度・真空度の影響を受ける状態を説明するために示し
たもので、(A)は真空度を一定に保った場合の所要時
間変化を表わす図表、(B)は温度を一定に保った場合
の所要時間変化を表わす図表、(C)は所要時間をパラ
メーターとした真空度変化と温度変化との関係を表わす
図表である。上記(A)図に示すごとく真空度を一定と
すれば、温度が高くなるほど脱離反応の進行速度が増加
し、脱離操作の所要時間は減少する。(B)図に示すご
とく温度を一定とすれば、真空度が高いほど脱離反応の
進行速度が上昇し、脱離操作の所要時間は減少する。上
記(A),(B)図を総合すると、温度・真空度・時間
という3つの変数が相互に関連しているので、時間を一
定にすると真空度−温度の関係が定まる。(C)図にお
いて、いま仮に標準温度を140℃、標準真空度を−7
30mmHgとすると、座標面上の点Sが標準条件を表
わす。この標準条件において所要時間が10(時間)で
あるとする。−730mmHgの座標軸上で温度を上げ
たg点では所要時間が9(時間)となり、温度を下げた
点hでは所要時間が11(時間)となる。140℃の座
標軸上で真空度を上げた点eでは所要時間が9(時間)
となり、真空度を下げた点fでは所要時間が11(時
間)となる。このようにして多数の点を取り、所要時間
の等しい点を結ぶと、図示のごとく8時間ラインないし
12時間ラインの等時間曲線群が得られる。ただし、本
図3は温度・真空度・時間の関数関係の傾向を模式的に
表わしたものであって、定量的な図表ではない。
【0051】図2に示した構成は、前掲の図3に示した
相関関係を考慮に入れて、脱離操作を時間によって管理
するためのものである。真空ポンプ67の吸入側管路に
圧力センサ87が接続されて、吸着タンク34の内部圧
力(真空度)を検出できるようになっている。上記圧力
センサ87の出力信号は自動演算装置81に入力され
る。また脱離炉38内には温度センサ89が設置されて
いて、その出力信号も前記の自動演算装置81に入力さ
れる。上記の自動演算装置81にはタイマ82が付属し
ていて、前記吸着タンク34の脱離操作が始まると時間
の計測が開始される。説明の便宜上、図3(C)に示し
たような脱離特性を有する場合を例として、図2に示し
た吸着能力回復状態の判定装置(第8の発明)を用いて
本発明に係る吸着能力回復状態の判定方法(第7の発
明)を実施した1例について説明する。図3(C)にお
いて、標準の真空度,標準の温度を表わす点Sは10時
間ライン上に位置している。すなわち、標準真空度(−
730mmHg),標準温度(140℃)で脱離操作を
行なうと、10時間で脱離反応が完了する。図2におい
て圧力センサ87の検出値が標準真空度であり、温度セ
ンサ89による検出値が標準温度(140℃)であった
場合、前記自動演算装置81は、タイマ82による時間
計測に基づいて、パーセント目盛を付された回復度表示
器88に、10時間を100%に換算して表示を行なわ
せる(例えば5時間経過したとき50%、9時間経過し
たとき90%の回復度表示を行なわせる)。そして、1
00%に達したら警告灯84を点灯させる。前記圧力セ
ンサ87が検出した値が標準真空度よりも高真空であっ
て、図3(C)に示した点eに相当する温度−真空度条
件であることを検知したときは、自動演算装置81は与
えられているプログラムに従って、脱離操作所要時間を
10%短縮するように補正して、9時間を100%に換
算して回復度表示器88に表示させる。本来、吸着タン
クの吸着能力回復(脱離操作)は、類似の作業と比較す
るならば蓄電池の充電のようなものであって、若干の余
裕を見込んで充分な脱離(充電)を施せば良く、その反
応進捗状態の判定に3桁の精度を要するものではないか
ら、以上に述べたようにして真空度が標準よりも高いと
きは脱離に必要な時間を短縮させる方向に補正すること
により、実用上充分な精度の近似値をもって管理するこ
とができる。
【0052】同様の理由により、図示の点fのように標
準状態Sよりも真空度が低くて、11時間ライン上の点
fに相当する真空度−温度条件のときは、自動演算装置
81は与えられたプログラムに従って、脱離操作所要時
間を10%延長するように補正して、11時間を100
%に換算して回復度表示器88に表示させる。以上のe
点,f点に関する説明は、標準温度140℃を保ちつつ
真空度が変化した場合の説明であった。次に、標準真空
度(−730mmHg)を保ちつつ温度が変化した場合
について説明する。温度が上昇して、9時間ライン上の
点gに相当する真空度−温度条件のときは、脱離所要時
間を10%短縮して、9時間を100%に換算して表示
させる。温度が降下して、11時間ライン上の点hに相
当する真空度−温度条件のときは、脱離所要時間を10
%延長して、11時間を100%に換算して表示させ
る。標準状態Sに比して真空度が高く温度の低い点i、
および、真空度が低く温度の高い点jは、プラス要素と
マイナス要素とが相殺されるので10時間ライン上に位
置しており、補正の無い場合と同様に10時間を100
%に換算して表示させる。標準状態Sに比して高真空,
高温の点kは8時間ライン上に位置しており、この点k
に相当する温度−真空度条件のときは8時間を100%
に換算して表示させる。また、標準状態Sに比して低真
空,低温の点nは12時間ライン上に位置しており、こ
の点nに相当する温度−真空度条件のときは12時間を
100%に換算して表示させる。上記の12時間を10
0%に換算して回復度表示器88に表示させる場合を例
として、具体的に詳しく述べると、脱離操作開始と同時
に時間計測を開始したタイマ82が12時間を計測出力
したとき、回復度表示器88が100%を表示するよう
に、自動演算装置81が該回復度表示器88に指令信号
を与える。
【0053】タイマ82が6時間を計測出力したとき、
自動演算装置81は50%表示の指令信号を与え、タイ
マ82が3時間を計測したときは25%表示の指令信号
を与える。
【0054】図2について以上に説明した実施例によれ
ば、脱離炉38に装入された吸着タンク34を加熱する
とともに減圧して脱離操作を施す場合、脱離炉内の吸着
タンク内の冷媒吸着剤を目視したり手で触れたりするこ
と無しに、遠隔的に回復度表示器によって、任意の時点
でリアルタイムに冷媒吸着剤の吸着能力が何の程度まで
回復しているかを知ることができ、集中管理が行なわれ
ている再生工場で多数の吸着タンクの再生(脱離による
吸着能力回復)を行なう場合、高度の管理を確実に、か
つ容易に行なうことができる。図2に示した記録装置9
0を付設して、温度−真空度条件の時間的変化を記録し
ておくと、再生工場としての品質保証の裏付けともな
り、何らかのトラブルが有ったときの調査用データが得
られる。上記の記録装置は記録用紙に印字される形式の
ものであっても良く、磁気テープに磁気的に記録される
形式のものであっても良い。
【0055】
【発明の効果】本発明を適用すると、未公知の先行技術
に係る吸着タンク内の冷媒吸着剤による冷媒ガスの吸着
除去、および、吸着・飽和した吸着タンク内の冷媒吸着
剤の脱離・再生を、時間若しくは作動回数を基準として
管理し、上記冷媒吸着剤の吸着余力残存状態や、吸着能
力回復状態を、実用上充分な精度で推定することができ
る。
【0056】これにより、吸着・飽和して吸着余力を喪
失した吸着タンクを継続使用してフロン公害を生じる虞
れが無くなり、吸着タンク内の冷媒吸着剤の脱離が不充
分で再生未完了の吸着タンクを誤って出荷してり、脱離
・再生の終了した吸着タンクの脱離操作を継続して再生
所要時間の延長や再生コストの上昇を招いたりする虞れ
も無く、経済的にフロン公害防止に貢献することができ
るという優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸着余力残存状態の判定装置の1
実施例を示し、流体系統図に制御系統を付記した図であ
る。
【図2】本発明に係る吸着能力回復状態判定装置の1実
施例を示し、吸着タンクを装入した脱離炉の断面図に流
体の系統図を記入するとともに制御系統図を付記した図
である。
【図3】脱離反応の進行速度や脱離操作の所要時間が温
度・真空度の影響を受ける状態を説明するために示した
もので、(A)は真空度を一定に保った場合の所要時間
変化を表わす図表、(B)は温度を一定に保った場合の
所要時間変化を表わす図表、(C)は所要時間をパラメ
ータとして真空度変化と温度変化との関係を表わす図表
である。
【図4】従来例の冷媒ガスの回収装置を示す系統図であ
る。
【図5】上記と異なる従来例の冷媒ガスの回収装置を示
す系統図である。
【図6】先願の発明(特願平4−156912号)に係
る冷媒の回収装置を示す系統図である。
【図7】抽気装置の従来例を示す系統図である。
【図8】図6に示した回収装置における気液分離器内の
混合ガスを強冷するように改良した1例であって、先願
の発明(特願平4−156912号)に提案された未公
知の回収装置の系統図である。
【図9】小形冷凍機22を併設して冷媒ガスを強冷する
ように構成された未公知の先願(特願平4−18103
5号)に係る抽気装置の1例を示し、模式的な系統図で
ある。
【図10】上記未公知の先願に係る抽気装置における、
図9と異なる1例を示す模式的な系統図である。
【図11】未公知の先願技術に係る、フロン公害完全防
止システムの1例を示す系統図である。
【図12】試案に係る冷媒吸着剤再生装置の1実施例を
示し、吸着タンクを装入した状態の炉体を部分的に破断
して描いた正面図に、配管系機器を付記した説明図であ
る。
【図13】試案に係る冷媒吸着剤の再生技術において取
扱いの対象とする、冷媒吸着剤を収納した可搬形タンク
(吸着タンク)、すなわち、未公知の先行技術に係るフ
ロン公害防止システム(図11)に用いられる多数の吸
着タンクの内の1個を示す断面図である。
【図14】図13に示した実施例の吸着タンクに準備操
作を施し終わった状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…冷凍機、1a…凝縮器、1b…蒸発器、1c…圧縮
機、2,2′…圧縮機、3…凝縮器、4,4′…気液分
離器、4a…フロート弁、4b…放出弁、4c…冷却
管、5…冷媒タンク、6…圧力センサ、8…冷却ジャケ
ット、9…精溜器、9a…冷却管、9b…圧力センサ、
9c…放出ユニット、14,15…電磁弁、19…真空
ポンプ、21…オリフィス、22…小形冷凍機、22a
…圧縮機、22b…凝縮器、22d…冷却流体、23,
23′…ドライヤ、30…冷媒回収装置、31…抽気装
置、34…吸着タンク、38…脱離炉、40…急速継
手、40a…急速継手・甲、40b…急速継手・乙、4
1…タンク本体、42a,42b…ネット、43…活性
炭封入口、44…活性炭取出口、45…冷媒吸着剤、4
6…液化装置、47…放熱板、48…吸着センサ、49
…逆止弁、50…保温材、51…覗き窓、52…サーモ
ラベル、53…ハンドル、54…ハンドル兼脚、55…
放熱管、61…真空ホース、62…管継手、63…アダ
プタパイプ、64…管継手、65…炉体、65a…ベー
ス、65b…炉蓋、65c…ハンドル、65d…孔、6
5e…電気式ヒータ、65f…ガイドバー、66…接続
管、67…真空ポンプ、68…液化装置、69…冷却
管、70…流体ポンプ、71…回収タンク、72…冷媒
液流出用の開閉弁、73…圧力バランス管路、81…自
動演算装置、82…タイマ、83…カウンタ、84…警
告灯、85…警音器、86…残存余力表示器、87…圧
力センサ、88…回復度表示器、89…温度センサ、9
0…記録装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 壁田 昭 東京都港区高輪2丁目20番36号 日立ビル 施設エンジニアリング株式会社フロン削減 本部内 (72)発明者 大友 毅 東京都港区高輪2丁目20番36号 日立ビル 施設エンジニアリング株式会社フロン削減 本部内 (72)発明者 徳永 政司 東京都港区高輪2丁目20番36号 日立ビル 施設エンジニアリング株式会社フロン削減 本部内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機に装着した抽気装置の放出弁に、
    冷媒吸着剤を収納した吸着タンクを接続して、放出ガス
    中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する場合、上記放
    出弁がガスを放出する作動の回数を計数して、上記の計
    数された回数に反比例して吸着タンク内の冷媒吸着剤の
    吸着余力が減少するものと推定し、上記の計数された回
    数が予め定められた回数に達したとき該吸着タンク内の
    冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し尽くしたものと判定する
    ことを特徴とする、吸着余力残存状態の判定方法。
  2. 【請求項2】 冷凍機用の、冷媒回収装置の放出弁に、
    冷媒吸着剤を収納した吸着タンクを接続して、放出ガス
    中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する場合、上記放
    出弁がガスを放出する作動の回数を計数して、上記の計
    数された回数に反比例して吸着タンク内の冷媒吸着剤の
    吸着余力が減少するものと推定し、上記の計数された回
    数が予め定められた回数に達したとき該吸着タンク内の
    冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し尽くしたものと判定する
    ことを特徴とする、吸着余力残存状態の判定方法。
  3. 【請求項3】 前記の計数された回数、もしくは、予め
    定められた回数から計数された回数を差し引いた値を表
    示するとともに、上記計数された回数が予め定められた
    回数に達したとき警報手段を作動させることを特徴とす
    る、請求項1もしくは請求項2に記載した吸着余力残存
    状態の判定方法。
  4. 【請求項4】 冷凍機に装着した抽気装置の放出弁に、
    冷媒吸着剤を収納した吸着タンクを接続して、放出ガス
    中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する場合、上記放
    出弁がガスを放出する作動の時間を加算して、上記の加
    算された時間に反比例して吸着タンク内の冷媒吸着剤の
    吸着余力が減少するものと推定し、上記の加算された時
    間が予め定められた時間に達したとき該吸着タンク内の
    冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し尽くしたものと判定する
    ことを特徴とする、吸着余力残存状態の判定方法。
  5. 【請求項5】 冷凍機用の、冷媒回収装置の放出弁に、
    冷媒吸着剤を収納した吸着タンクを接続して、放出ガス
    中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する場合、上記放
    出弁がガスを放出する作動の時間を加算して、上記の加
    算された時間に反比例して吸着タンク内の冷媒吸着剤の
    吸着余力が減少するものと推定し、上記の加算された時
    間が予め定められた時間に達したとき該吸着タンク内の
    冷媒吸着剤が吸着能力を消耗し尽くしたものと判定する
    ことを特徴とする、吸着余力残存状態の判定方法。
  6. 【請求項6】 前記の加算された時間、もしくは、予め
    定められた時間から加算された時間を差し引いた値を表
    示するとともに、上記加算された時間が予め定められた
    時間に達したとき警報手段を作動させることを特徴とす
    る、請求項4もしくは請求項5に記載した吸着余力残存
    状態の判定方法。
  7. 【請求項7】 冷凍機に設けた抽気装置の放出弁に、冷
    媒吸着剤が収納されている吸着タンクを接続して、放出
    ガス中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する手段に適
    用され、 前記放出弁のガス放出作動を検知する放出作動センサ
    と、 上記放出作動センサの出力信号を入力される、カウント
    機能を備えた自動演算装置と、を具備しており、 かつ、上記自動演算装置は、 a.前記の放出弁が、秒単位のガス放出を数回ないし数
    十回、分単位程度の間隔で繰り返した後、1時間以上休
    止した場合、これを1サイクルとして検知する機能と、 b.上記のサイクルの回数を加算する機能と、を有して
    いるものであることを特徴とする、吸着能力残存状態の
    判定装置。
  8. 【請求項8】 前記の自動演算装置は、 c.予め与えられた回数から、前記の検知して加算され
    た回数を差し引いた値を算出する機能を、併せ有してい
    るものであることを特徴とする、請求項7に記載した吸
    着余力残存状態の判定装置。
  9. 【請求項9】 前記の自動演算装置は、前記の差し引い
    た値を表示器に対して出力する機能、および、該差し引
    いた値が0となり、もしくは0に近くなったとき、警報
    手段を作動させる機能を有するものであることを特徴と
    する、請求項8に記載した吸着余力残存状態の判定装
    置。
  10. 【請求項10】 冷凍機用の冷媒回収装置の放出弁に、
    冷媒吸着剤が収納されている吸着タンクを接続して、放
    出ガス中に含まれている冷媒ガスを吸着除去する手段に
    適用され、 前記放出弁のガス放出作動を検知する放出作動センサ
    と、 上記放出作動センサの出力信号を入力される、カウント
    機能を備えた自動演算装置と、を具備しており、 かつ、上記自動演算装置は、 a.前記の放出弁が、秒単位のガス放出を数回ないし数
    十回、分単位程度の間隔で繰り返した場合、実際に開弁
    してガスを放出した秒単位の時間を検知する機能と、 b.上記の検知した時間を加算する機能と、を有してい
    るものであることを特徴とする、吸着能力残存状態の判
    定装置。
  11. 【請求項11】 前記の自動演算装置は、 c.予め与えられた時間から、前記の検知して加算され
    た時間を差し引いた値を算出する機能を、併せ有してい
    るものであることを特徴とする、請求項10に記載した
    吸着余力残存状態の判定装置。
  12. 【請求項12】 前記の自動演算装置は、前記の差し引
    いた値を表示器に対して出力する機能、および、該差し
    引いた値が0となり、もしくは0に近くなったとき、警
    報手段を作動させる機能を有するものであることを特徴
    とする、請求項11に記載した吸着余力残存状態の判定
    装置。
  13. 【請求項13】 前記の冷媒吸着剤は活性炭であり、好
    ましくは粒状の活性炭であることを特徴とする、請求項
    7ないし請求項12の何れかに記載した吸着余力残存状
    態の判定装置。
  14. 【請求項14】 冷媒吸着剤を収納している吸着タンク
    内を減圧して、上記冷媒吸着剤が吸着している冷媒ガス
    を脱離させて吸着能力を回復させる場合、 減圧状態を保持している時間に正比例して吸着能力を回
    復するものと推定し、 上記の保持時間が予め定められた時間に達したとき、脱
    離操作が完了したものと判定することを特徴とする、吸
    着能力回復状態の判定方法。
  15. 【請求項15】 前記の予め定められた時間は、任意に
    設定された標準の真空度における時間とし、 脱離操作における真空度が標準の真空度よりも高真空で
    ある場合は前記の予め定められた時間を短縮する方向に
    補正し、標準の真空度よりも低真空の場合は予め定めら
    れた時間を延長する方向に補正することを特徴とする、
    請求項13に記載した吸着能力回復状態の判定方法。
  16. 【請求項16】 前記の脱離操作は、吸着タンクを炉に
    入れて100℃ないし180℃の範囲内に加熱しつつ行
    ない、かつ、前記の予め定められた時間は上記温度範囲
    内で任意に設定された標準の温度におけるものとし、 脱離操作における加熱温度が標準の温度よりも高い場合
    は予め定められた時間を短縮する方向に補正し、標準の
    温度よりも低い場合は予め定められた時間を延長する方
    向に補正することを特徴とする、請求項13に記載した
    吸着能力回復状態の判定方法。
  17. 【請求項17】 前記の冷媒吸着剤として、活性炭を用
    い、好ましくは粒状活性炭を用いることを特徴とする、
    請求項14ないし請求項16の何れかに記載した吸着能
    力回復状態の判定方法。
  18. 【請求項18】 前記の減圧状態保持時間を、予め定め
    られた時間もしくは補正された予め定められた時間から
    差し引いた値を表示器によって表示するとともに、上記
    の差し引いた値が0となり、もしくは0に近くなったと
    き警報手段を作動させることを特徴とする、請求項14
    ないし請求項17の何れかに記載した吸着能力回復状態
    の判定方法。
  19. 【請求項19】 真空ポンプに接続されて減圧されてい
    る吸着タンク内の圧力を検出する圧力センサと、上記圧
    力センサの出力信号を入力される自動演算装置と、上記
    自動演算装置に接続されたタイマと、上記自動演算装置
    に接続された表示手段とを具備しており、 上記の自動演算装置は、圧力センサの出力信号が所定の
    真空度を表わす信号を出力した時間を加算して前記の表
    示手段に表示せしめる機能を有するものであることを特
    徴とする、吸着能力回復状態の判定装置。
  20. 【請求項20】 前記の自動演算装置は、標準の真空度
    と時間とを含むプログラムを記憶する機能を備えてお
    り、かつ、 前記圧力センサによって検出された圧力が標準の真空度
    よりも高真空である場合は、プログラムによって与えら
    れた時間を短縮する方向に補正する機能と、 上記の検出された圧力が標準の真空度よりも低真空であ
    る場合は、プログラムによって与えられた時間を延長す
    る方向に補正する機能とを有していることを特徴とす
    る、請求項19に記載した吸着能力回復状態の判定装
    置。
  21. 【請求項21】 前記の自動演算装置は、前記の吸着タ
    ンクの温度を検出する温度センサを備えているととも
    に、前記のプログラムは標準の温度を含むものであり、
    上記温度センサによって検出された温度が標準の温度よ
    りも高い場合は、プログラムによって与えられた時間を
    短縮する方向に補正する機能と、 上記の検出された温度が標準の温度よりも低い場合は、
    プログラムによって与えられた時間を延長する方向に補
    正する機能と、を有していることを特徴とする、請求項
    19もしくは請求項20に記載した吸着能力回復状態の
    判定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108120189A (zh) * 2017-11-13 2018-06-05 舒沿钦 一种吸附式制冷剂回收装置

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