JPH0719777Y2 - 開きコアを有する射出成形金型 - Google Patents

開きコアを有する射出成形金型

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JPH0719777Y2
JPH0719777Y2 JP10497091U JP10497091U JPH0719777Y2 JP H0719777 Y2 JPH0719777 Y2 JP H0719777Y2 JP 10497091 U JP10497091 U JP 10497091U JP 10497091 U JP10497091 U JP 10497091U JP H0719777 Y2 JPH0719777 Y2 JP H0719777Y2
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寛 久保田
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株式会社コパル
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、内周面にヘリコイド
ネジ等のアンダーカツトを有する成形品を成形する場合
に用いられる開きコアを有する射出成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内周面にヘリコイドネジ等のアン
ダーカツトを有する成形品を成形するための射出成形金
型として、可動金型のコアに、ヘリコイドネジを加工
し、このネジ付きコアを金型の型開きを利用したラツク
・ピニオン機構を介して回転させ、成形品を可動金型か
ら離型させたり、特公昭61ー25529号公報に開示
されるように、ネジ付きコアをモータにより回転させな
がら、回転抜きするようにして、離型させる構成が採用
されている。
【0003】このような射出成形金型を採用することに
より、ネジ付きコアを回転させて成形品を離型させるこ
とになるので、成形品のネジ山形状が、滑らかで精度良
く、また、連続して形成されることになる。しかしなが
ら、このような射出成形金型では、金型構造が複雑にな
り、1個の成形品を成形するに必要な成形サイクルが長
くなる問題点が有ると共に、金型代や成形コストが高く
なる問題点が有る。
【0004】このような問題点を解決するため、特開昭
59ー38032号公報に開示される技術が提案されて
いる。この公報に開示された成形金型においては、可動
金型に組み込まれたコアを、ネジ加工されていない中心
コアと、ネジ加工された一対の割駒とに分割し、中心コ
アと割駒とを、あり継ぎ係合させ、中心コアと一対の割
駒との相対移動により、割駒を軸方向に沿つて移動させ
て、内周面に部分的に形成されるヘリコイドネジ等のア
ンダーカツトを処理するように構成される。
【0005】しかしながら、このような構成では、内周
面の全周に渡つてヘリコイドネジ等のアンダーカツトが
あるカメラの鏡胴のような成形品の場合には、中心コア
にヘリコイドネジを加工しなければならず、こうする
と、アンダーカツトとして機能するので、可動金型、即
ちネジコアから成形品が離型できない問題点が有る。こ
のように、連続したヘリコイドネジが形成できないので
は、オートメーシヨン化が進んでいるVTRやカメラ等
の技術分野において、ヘリコイドネジが必要となる鏡胴
成形用の射出成形金型として利用できないことになる。
【0006】このような連続したヘリコイドネジ等のア
ンダーカツトを有する鏡胴等の成形品を成形するため、
特公昭59ー14333号公報に示される技術が開示さ
れている。この公報に開示された技術によれば、開きコ
アを構成する金型部分コアaを、2種類の傾斜角(但
し、α<β)を有する傾斜面を備えた錐形の中心コアb
と、ヘリコイドネジが加工された2種類の割駒c,dと
に分割している。そして、中心コアの傾斜角αの傾斜面
に割駒cがあり継ぎ係合され、割駒cの一面を割駒dの
組み込み面として、割駒dは、中心コアbの傾斜角βの
傾斜面とあり継ぎ係合するように構成されている。この
ようにして、中心コアbと割駒c、dの相対移動によ
り、割駒c,dを共に、軸方向に沿つて移動させ、ヘリ
コイドネジ等のアンダーカツトを処理するようにしてい
る。
【0007】しかしながら、このような構成の成形金型
においては、図9に示すように、割駒cが、中心コアb
の傾斜角αを有する傾斜面に沿つて移動すると、中心コ
アbは、先細り形状に設定されているので、割駒cの両
側の一面は、中心コアbの傾斜角βを有する傾斜面より
突出することになる。ここで、割駒dは、中心コアbの
傾斜角βを有する傾斜面に、あり継ぎにより取着されて
いるので、割駒dの軸方向移動は阻止され、結局、可動
金型の成形品からの離型が達成されないことになる。も
しくは、割駒c,dが強制的に軸方向に沿つて移動され
るとすると、割駒dは傾斜角βを有する傾斜面から、半
径方向外方に偏倚され、あり継ぎ係合が破壊されること
になる。
【0008】また、図9に示すように、中心コアbと各
割駒c,dとの位置決めを、前述したようにあり継ぎ係
合を介して行なつているので、ありとあり溝との互いの
摺動面(特に図示X部分)における摩耗により、割駒が
2点鎖線で示すように、ずれてしまう虞がある。このよ
うに割駒の位置がずれることにより、成形品の内面に段
差やバリが発生し、成形品の歩留りが悪くなる問題点が
指摘される。このため、このような問題点を解決するた
め、特開昭59ー150715号公報に開示される技
術、及び特開昭61ー76336号公報に開示される技
術が知られている。
【0009】特開昭59ー150715号公報に開示さ
れる金型部材においては、中心コアと割駒との軸方向に
沿う相対移動により、割駒の半径方向の移動を許容しつ
つ、軸方向に沿つて移動できるようにするために、図1
0に示すように、あり継ぎ係合を、特殊なあり継ぎ形状
により達成されるようにしている。一方、特開昭61ー
76336号公報に開示される割駒においては、中心コ
アの各割駒を摺動せしめる傾斜面を、曲面もしくは折曲
面から構成するようにして、中心コアの軸方向に沿う移
動により、割駒の半径方向の移動を許容しつつ、軸方向
に沿つて移動できるようにしている。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59ー150715号公報に開示される金型部材におい
ては、中心コアbと、各割駒c,dとの間の位置決め
は、図10に示すように、略1本の線接触部Yにより規
定されることになる。このようにして、あり継ぎ係合に
おけえる摺動面の摩耗により、金型全体としての耐久性
が乏しくなる。また、前述した特公昭59ー14333
号公報において議論したように、ありとあり溝との互い
の摺動面における摩耗により、割駒の位置がずれてしま
う事になる。このように割駒の位置がずれることによ
り、成形品の内面に段差やバリが発生し、成形品の歩留
まりが悪くなる問題点が同様に指摘される。
【0011】また、特開昭61ー76336号公報に開
示される割駒においては、摺動面が曲面もしくは折曲面
から構成されるようになされているので、中心コア及び
割駒の加工が非常に困難になり、この結果、金型代や成
形品の製造コストが上昇するという問題点がある。しか
も、アンダーカット部を有する成形品がカメラの鏡胴の
ような場合には、レンズなどを組み込んだ後のネジ嵌合
のガタ発生防止のために、成形品の内周面(雌ネジ部)
の寸法精度を厳密に管理する必要がある。このために、
金型の型締め時には、アンダー部を形成する割駒がズレ
(ガタ)なく嵌め合わされ、合わせ目に透き間、段差が
できないことが要求される。したがって本考案は、上述
した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、
内面にヘリコイドネジ等のアンダーカツトを有する成形
品を割駒を用いて成形する場合に、割駒の合わせ目部分
などの精度を良く製造することのできる開きコアを有す
る射出成形金型を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し
て、目的を達成するために、本考案は以下の構成を備え
る。即ち、長手方向に沿い徐々に先き細りに形成される
対向する2面の平面状の傾斜面の略中央において前記長
手方向に対して平行で、かつ横断面形状が逆テーパの略
△状部位と該略△状部の底面の両端部位から連続形成さ
れる起立面とを有する特殊あり溝と、前記傾斜面の対向
する2面において前記長手方向に対して平行で、かつ横
断面形状が逆テーパの略△状部を有する普通あり溝とを
備えた中心コアと、前記特殊あり溝に対して係合する特
殊ありと、前記普通あり溝に対して係合する普通ありを
夫々有するとともに、前記傾斜面に対して摺動自在に保
持されてアンダー部を有するキャビティの内周面を規定
する4個の割駒を具備してなり、前記中心コアと前記各
割駒の前記長手方向に沿う相対移動にともない前記各割
駒を前記長手方向に直交する半径方向に移動する開きコ
アを有する射出成形金型であって、型開き時において、
前記普通ありを有した前記割駒を先に前記半径方向内側
に案内移動し、続いて前記特殊ありを有した前記割駒を
案内移動するように構成したことを特徴としている。
【0013】
【作用】以上のように構成される射出成形金型において
は、各割駒は、中心コアに対して、特殊あり継ぎ係合に
より、中心コアの中心軸の半径方向に沿つて摺動自在に
取着されている。そして、特殊あり継ぎ係合を構成する
特殊ありと特殊あり溝とは、互いに摺接する面を、特殊
あり継ぎ部と中心コアとの中心軸を含む面に平行に備え
ている。このようにして、これらストレート面の摺動を
介して、割駒は、中心コアに対して軸方向に沿つて確実
に移動することになる。従つて、摺動面における摩耗は
防止され、かつ割駒の半径方向に沿う移動位置ズレが生
じなくなるように働く。
【0014】
【実施例】以下に、この考案に係わる開きコアを有する
射出成形金型の一実施例の構成を、添付図面の図1図乃
至図8を参照して、詳細に説明する。図1に示すよう
に、この射出成形金型は、固定金型10の一構成要素を
構成する中心コア12を備えている。この中心コア12
は、互いに対向する側面14、16及び18、20の傾
斜角が夫々等しく、且つ、水平断面形状が直角四角形と
なり、上方に向かつてその断面積を徐々に減じるように
なされた四角錐台形状に形成されている。
【0015】この中心コア12の各側面14、16、1
8、20は、後述する第1乃至第4の割駒22、24、
26、28の夫々の摺動ガイド面として機能している。
この中心コア12と4個の割駒22、24、26、28
とにより、開きコアが構成されている。また、中心コア
12の側面14、16の中央には、上下方向に沿つて延
出するように、特殊あり溝30が夫々形成されており、
また、中心コア12の側面18、20の中央には、上下
方向に沿つて延出するように、あり溝34が夫々形成さ
れている。
【0016】一方、第1及び第2の各々の割駒22、2
4の中心コア12の各側面14、16に対応する夫々の
側面には、対応する特殊あり溝30に係合する特殊あり
32が突出して形成されている。これら一対の特殊あり
溝30と特殊あり32とにより、後述する特殊あり継ぎ
係合が達成されるように構成されている。更に、第3及
び第4の各々の割駒26、28の、中心コア12の各側
面18、20に対応する夫々の側面には、対応するあり
溝34に係合するあり36が突出して形成されている。
これら一対のあり溝34とあり36とにより、後述する
あり継ぎ係合が達成されるように構成されている。この
ために、横断面形状が逆テーパの略△状部位と、この略
△状部の底面の両端部位から連続形成される起立面とを
特殊あり溝30において形成する一方、横断面形状が逆
テーパの略△状部をあり溝34に形成している。
【0017】これら第1及び第2の割駒22、24の水
平断面形状は、外周面22a,24aを規定する円弧
と、中心コア12の対応する側面14、16に摺接する
摺動面22b,24bを規定する弦とにより囲まれた略
半月状に設定されている。また、これら第1及び第2の
割駒22、24に挟まれた状態の第3及び第4の割駒2
6、28の水平断面形状は、外周面26a,28aを規
定する円弧と、中心コア12の対応する側面18、20
に摺接する摺動面26b,28bを規定する線分と、一
側で隣接する第1の割駒22の摺動面22bに夫々摺接
する一方のガイド面26c,28cを規定する線分と、
他側で隣接する第2の割駒24の摺動面24bに夫々摺
接する他方のガイド面26d,28dを規定する線分と
から囲まれる、一部に円弧を有する変形四角形形状に設
定されている。 これら第1乃至第4の割駒22、2
4、26、28の先端面を、中心コア12の先端面に面
一に設定した状態で、各割駒22、24、26、28の
外周面は、これらを合体したときに、円周面を構成する
ようになされている。そして、この合体した割駒22、
24、26、28の外周面は、成形品を規定するキヤビ
テイの内周面を構成するようになされており、また、こ
の外周面には、成形品の内周面に形成されるヘリコイド
を規定するねじ溝Mが連続的に螺刻されている。
【0018】このねじ溝Mは、図2に示すように、互い
に隣接する割駒22、24、26、28同志の接合部付
近において、そのねじ溝Maの深さを、他の部分のねじ
溝の深さより、浅く設定されている。このようにねじ溝
M、Maの深さに差を付けることにより、成形される成
形品におけるヘリコイドネジのねじ刃の高さは、割駒2
2、24、26、28の接合部に対応する部分付近で、
低く設定されることになる。このようにして、たとえ、
接合部のねじにおいて、バリ等が発生したとしても、こ
のバリは、小さいものであるので、これが本来のねじ刃
の頂部より高く突出することは防止されることになる。
従つて、このバリが成形品における回転を阻害する虞は
無くなる。
【0019】また、図3には上述した構成の特殊あり継
ぎ形状が拡大された状態で示されている。ここで、各特
殊あり継ぎ形状は、第1及び第2の夫々の割駒22、2
4で同一形状となされているので、以下の説明において
は、その中の一つの第1の割駒22を代表して説明す
る。図示するように、特殊あり32は、割駒22の摺動
面22bから中心コア12の中心に向けて突出するよう
に形成されており、その水平断面形状は、この摺動面2
2bに垂直に起立した一対の基端面32aと、これら基
端面32aの先端から先開き状態で突出した傾斜面32
bと、これら傾斜面32bの先端を結ぶ先端面32c
と、後述する突条38とから囲まれるように設定されて
いる。この特殊あり32の先端面32cには、外方に更
に突出する突条38が配設されている。この突条38
は、水平断面において矩形状に形成されている。
【0020】ここで、両基端面32aと、突条38の両
側面38aとは、共に、上下方向に延出するストレート
面から互いに平行に設定されている。一方、前述した特
殊あり溝30は、対応する特殊あり32が嵌合して、上
下方向に沿つて摺動するように案内すると共に、半径方
向に沿つての移動を許容するように形成されている。こ
の特殊あり溝30の水平断面形状は、対応する特殊あり
32の基端面32aに上下方向及び半径方向に沿つて摺
動自在に配設された摺接面30aと、対応する傾斜面3
2bに間隔を置いて平行に配設され、これに当接可能と
された当接面30bと、各当接面30bの先端から中心
コア12の摺動面22bに対して垂直に起立した起立面
30cと、これら起立面30cの先端を結ぶ底面30d
と、後述する溝部40とから取り囲まれるように設定さ
れている。この特殊あり溝30の底面には、前記した特
殊あり32の突条38が摺動自在に嵌合される溝部40
が形成されている。
【0021】ここで、両基端面32aに摺接する摺接面
30aと、突条38の両側面38aに摺接する側面40
aとは、共に上下方向に延出するストレート面から互い
に平行に設定されている。また、前述した第3及び第4
の割駒26、28に設けられたあり継ぎ形状は、第3図
に示した特殊あり継ぎ形状と似た形状に設定されてい
る。ここで、各あり継ぎ形状は、第3及び第4の夫々の
割駒26、28で同一形状となされているので、以下の
説明においては、その中の一つの第3の割駒26を代表
して説明することとする。
【0022】即ち、図4に示すように、このあり36
は、上述した特殊あり32と同一の形状に形成されてい
る。従つて、特殊あり32の説明で用いた参照符合を3
6に変更して図示することにより、この説明を省略す
る。一方、あり溝34は、対応するあり36が嵌合し
て、上下方向に密着摺動するように案内されるように形
成されており、上述した特殊あり溝30に比較して、起
立面30cに相当する部分が除かれている。しかし、こ
の起立面30cを備えない事を除くあり溝34の構成
は、特殊あり溝30と同一の構成であるので、特殊あり
溝30の説明で用いた参照符合を34に変更して図示す
ることにより、このあり溝34に関する説明を省略す
る。
【0023】この固定金型10は、図5に示すように、
中心コア12を備えた状態で構成されている。尚、この
図5に示す構成は、図2においてZーZ線に沿つて切断
したものを展開した状態で表わされてる。ここで、図示
しない可動金型が、離型面L0において固定金型10に
当接した状態で、この固定金型と固定金型10との間に
は、成形品が成形されるキヤビテイ42が規定されてい
る。尚、このキヤビテイ42の一側面は、前述したよう
に、固定金型10中の開きコアの一構成要素として機能
する第1乃至第4の割駒22,24,26,28のネジ
溝Mが螺刻された先端部により構成されている。
【0024】この固定金型10において、中心コア12
は、固定台44上にボルト46を介して固定されてい
る。また、この固定台44上には、第1の支持体48が
載置されている。この第1の支持体48は、前述した第
1乃至第4の割駒22、24、26、28に係合して、
これらを型開き動作に連動してリフトできるように構成
されている。また、第1の支持体48の上方には、第2
の支持体50が配設されている。この第2の支持体50
は、第1及び第2の割駒22、24を型開き動作に連動
して選択的にリフトできるように構成されている。以上
のように構成された射出成形金型を使用して、アンダー
カツトを有する成形品の射出成形動作について、以下に
詳述する。
【0025】図示しないスプールを介して、図示しない
ランナ内に射出された溶融樹脂は、図示しないゲートを
介してキヤビテイ42内の隅々に行き渡り、充填され
る。尚、この成形動作において、各割駒22、24、2
6、28の夫々の先端面は、図5に示すように、中心コ
ア12の先端面と面一に設定されている。この射出動作
後、溶融樹脂が固化されるのを待つて、図示しない可動
金型は、離型面L0を境に固定金型10から分離され
る。そして、キヤビテイ42内で冷却・固化された成形
品は、固定金型10から以下に述べる方法により離型さ
れることになる。
【0026】即ち、成形された成形品の内周面には、ア
ンダーカツトを構成するネジ溝が形成されているので、
成形品から単に割駒22、24、26、28を軸方向に
沿つて下方に抜くことは不可能である。そこで、先ず、
射出動作時において、これら割駒22、24、26、2
8により規定されている外周の直径を減じて、成形品か
ら抜くことが可能となるようにする。
【0027】このために、図6に示すように、第1、第
2の支持体48,50を図示せぬ可動金型の型開き動作
に連動させて、先ず所定量上方にリフトすることによ
り、第1乃至第4の割駒22、24、26、28は、中
心コア12に対して以下のように動作されることにな
る。即ち、第1及び第2の割駒22、24、は、特殊あ
り継ぎ係合により、中心コア12の各側面14、16に
軸方向に沿つて移動可能に、且つ、半径方向に沿つて移
動可能に取り付けられており、一方、第3及び第4の割
駒26、28は、あり継ぎ係合により、中心コア12の
各側面18、20に密着した状態で軸方向に沿つてのみ
移動可能に取り付けられている。
【0028】そこで、この第1の支持体48を第2の支
持体50と一体にリフトすると、このリフトに応じて、
第3及び第4の割駒26、28は対応する側面18、2
0上をこれに沿つて摺動しつつ、持ち上げられることに
なる。ここで、これら第3及び第4の割駒26、28が
リフトされることにより、中心コア12は上方に向かつ
て先細りに形成されているので、このリフトに応じて、
第3及び第4の割駒26、28は、これらの間隔を減じ
つつ、これらの摺動面26c,26d;28c,28d
は、夫々、中心コア12の対応する側面14、16から
半径方向外方に突出することになる。換言すれば、第3
及び第4の割駒26、28の摺動面26c,26d;2
8c,28dは、夫々、第1及び第2の割駒22、24
の対応する摺動面22b,24bを、半径方向内方に向
かつて偏倚することになる。
【0029】ここで、この一実施例においては、第1及
び第2の割駒22、24は、前述したように、特殊あり
継ぎ係合により、中心コア12の対応する側面14、1
6に取り付けられているので、図7に示すように、第3
及び第4の割駒26、28のリフトに応じて、第1及び
第2の割駒22、24は、リフトされつつ、半径方向外
方に移動されることになる。このようにして、先ず、第
3及び第4の割駒26、28の外周面が、第6図に示す
ように、成形品の内周面から離脱して、アンダーカツト
部が外れるようになる。
【0030】ここで、第1及び第2の割駒22、24に
関しては、リフトされつつ半径方向外方に移動されるの
で、これら割駒22、24の外周面は、成形品の内周面
に係合した状態が維持されることになる。そこで、引続
く型開き動作に連動して次に第2の支持体50が第1の
支持体48から更に上昇されて、第1及び第2の割駒2
2、24のみが選択的にリフトされることになる。
【0031】このように第1及び第2の割駒22、24
がリフトされることにより、これらは夫々、中心コア1
2の対応する側面14、16上を摺動しつつ、これら側
面14、16の傾斜に応じて、半径方向内方に移動され
て、その間隔を減じることになる。このようにして、図
8に示すように、第1及び第2の割駒22、24の外周
面は、成形品の内周面から離脱して、アンダーカツトが
外れることになる。即ち、全ての割駒22、24、2
6、28は、成形品の内周面から内方に離脱して、成形
品は、軸方向に沿つて抜き取り自在の状態に設定される
ことになる。この後、図示しない搬送機構により、この
成形品は固定金型10上から持ち上げられて、取り出さ
れることになる。
【0032】ここで、この一実施例においては、上述し
たように、第1及び第2の割駒22、24は、共に、特
殊あり継ぎ係合により、中心コア12の対応する側面1
4、16に夫々取り付けられている。そして、この特殊
あり継ぎ形状においては、図3に示すように、特殊あり
32の先端面32cに形成された突条38の側面38a
と、この側面38aに摺接する溝部40の側面40aと
は、互いにストレート面から構成されるように設定され
ている。また、特殊あり32の基端面32aと、これに
摺接する特殊あり溝30の摺接面30aとは、互いにス
トレート面から構成されるように設定されている。
【0033】このようにストレート面を設けることによ
り、第1及び第2の割駒22、24が、中心コア12の
対応する側面14、16上を摺動しつつリフトされる際
に、この第1及び第2の割駒22、24の軸方向に沿う
移動は、これらストレート面の摺接により、確実に案内
されることになる。従つて、この一実施例によれば、互
いのストレート面に無用な負荷が作用することがなくな
ることになる。このようにして、特殊あり32と特殊あ
り溝30との互いの摺動面における摩耗が大幅に減じら
れ、割駒22、24、26、28の位置がずれが生じる
こともなくなる。このように割駒の位置がずれることが
無いので、成形品の内面に段差やバリが発生する事が無
く、従つて、成形品の歩留まりが悪くなる問題点も発生
しなくなり、精度良く成形品を成形できる。
【0034】また、これらストレート面による第1及び
第2の割駒22、24の案内は、単に、これらの軸方向
に沿う摺動のみに有効であるだけでなく、更に、これら
の半径方向に沿う移動に際しても有効であることは当然
である。更に、このようなストレート面を有する構成
は、その製造が容易であると共に、製造コストの過度の
上昇を伴なうものでなく、経済性良く、安価に成形品を
製造できるものである。この考案は、上述した一実施例
の構成に限定されることなく、この考案の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した一実施例においては、中心コア12
を、断面四角形状に形成するように説明したが、このよ
うな構成に限定されることなく、断面六角形状に形成す
るように構成しても良い。
【0035】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
内面にヘリコイドネジなど他のアンダーカツトを有する
成形品を割駒を用いて成形する場合に、割駒の合わせ目
部分などの精度を良く製造することのできる開きコアを
有する射出成形金型を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係わる射出成形金型の一実施例の要部
である開きコアの構成を取り出して示した分解斜視図で
ある。
【図2】射出動作前の開きコアの上面形状を示した上面
図である。
【図3】特殊あり継ぎ形状の構成を示した水平断面図で
ある。
【図4】あり継ぎ形状の構成を示した水平断面図であ
る。
【図5】開きコアを備えた固定金型の構成を図2のZー
Z線に沿つて切断して展開した上で、射出動作状態で示
した側断面図である。
【図6】固定金型を第1の支持体がリフトされた状態で
示した側断面図である。
【図7】図6に示す状態の開きコアの上面形状を示した
上面図である。
【図8】固定金型を第2の支持体がリフトされた状態で
示した側断面図である。
【図9】従来技術としての特公昭59ー14333号公
報の問題点を指摘するための上面図である。
【図10】従来技術としての特開昭59ー150715
号公報の問題点を指摘するための上面図である。
【符号の説明】
10 可動金型、 12 中心コア、 14;16;18;20 側面、 22;24;26;28 割駒、 22a;24a;26a;28a 外周面、 22b;24b;26b;28b 摺動面、 26c;28c 一方のガイド面、 26d;28d 他方のガイド面、 30 特殊あり溝、 32 特殊あり、 34 あり溝、 36 あり、 30a;34a 摺接面、 30b;34b 当接面、 30c 起立面、 30d;34d 底面、 32a;36a 基端面、 32b;36b 傾斜面、 32c;36c 先端面、 38 突条、 38a 側面、 40 溝部、 40a 側面、 42 キヤビテイ、 44 固定台、 46 ボルト、 48 第1の支持体、 50 第2の支持体である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に沿い徐々に先き細りに形成さ
    れる対向する2面の平面状の傾斜面の略中央において前
    記長手方向に対して平行で、かつ横断面形状が逆テーパ
    の略△状部位と該略△状部の底面の両端部位から連続形
    成される起立面とを有する特殊あり溝と、前記傾斜面の
    対向する2面において前記長手方向に対して平行で、か
    つ横断面形状が逆テーパの略△状部を有する普通あり溝
    と、を備えた中心コアと、前記特殊あり溝に対して係合
    する特殊ありと、前記普通あり溝に対して係合する普通
    ありを夫々有するとともに、前記傾斜面に対して摺動自
    在に保持されてアンダー部を有するキャビティの内周面
    を規定する4個の割駒を具備してなり、前記中心コアと
    前記各割駒の前記長手方向に沿う相対移動にともない前
    記各割駒を前記長手方向に直交する半径方向に移動する
    開きコアを有する射出成形金型であって、型開き時にお
    いて、前記普通ありを有した前記割駒を先に前記半径方
    向内側に案内移動し、続いて前記特殊ありを有した前記
    割駒を案内移動するように構成したことを特徴とする開
    きコアを有する射出成形金型。
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