JP4909057B2 - タイヤモールド - Google Patents

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    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres
    • B29D30/0606Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses
    • B29D30/0629Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses with radially movable sectors

Description

本発明は、タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドに関する。
タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドは、複数の型部を組み合わせて構成されており、その分割形態に基づいて2ピースモールドとセグメンテッドモールドとに大別される。2ピースモールドは、図14に示すように、タイヤのサイドウォール部に当接する下型31と上型32を備え、その各々がタイヤT1のトレッド面Tr1に略半分ずつ当接するように構成されている。なお、タイヤT1は、その内周側に配されたブラダー(不図示)を膨張させることにより、タイヤモールドの内周面に密着する。
一方、セグメンテッドモールドは、図15に示すように、タイヤT2のサイドウォール部SWに当接する下型41と上型42に加えて、トレッド面Tr2に当接するセクター43を備える。型開き状態にある上型42とセクター43は、グリーンタイヤがセットされた下型41に近接するように下降し、更にセクター43がタイヤ径方向内側に移動することにより型締め状態となる。なお、セクター43は周方向で複数に分割されており、型開き状態では放射状に離間し、型締め状態では互いに寄り集まって環状をなす。
タイヤモールドは、タイヤのトレッド面が当接する箇所に凹凸面が設けられており、それによって種々のトレッドパターンが形成される。また、下記特許文献1〜3に記載の空気入りタイヤのように、サイドウォール部にもパターンデザインを形成する場合には、タイヤのサイドウォール部が当接する箇所にも凹凸面を設ける必要がある。
ところが、セグメンテッドモールドにおいては、セクターと上下型との境界がタイヤのショルダ部近傍に配されることにより、次のような問題があった。即ち、下型は、グリーンタイヤが円滑にセットできるように、周方向にある程度の遊びを設けて固定されているのであるが、下記特許文献1に記載のようなパターンデザインがトレッド面からサイドウォール部に連続しているタイヤを成形する際に、下型がセクターに対して周方向で位置ずれを生じると、それらの境界においてパターンデザインが周方向にずれてしまうという問題があった。
このような周方向の位置ずれは、ずれ量が7mm程度になる場合もあったが、タイヤモールドを型締めした状態では確認することができず、加硫後のタイヤを事後的に確認するしかなかった。なお、下記特許文献2、3に記載の空気入りタイヤのように、トレッド面とサイドウォール部との間に周方向に延びる溝を設けて、パターンデザインを不連続に形成するものであれば、その溝を形成する箇所にセクターと下型との境界を配することにより上記の問題は回避される。
特開平11−291718号公報 特開平8−197917号公報 特開2000−16031号公報
本発明の目的は、パターンデザインがトレッド面からサイドウォール部に連続しているタイヤを加硫成形するためのタイヤモールドであって、セクターと下型との周方向での位置ずれを防止して、パターンデザインを適切に形成することができるタイヤモールドを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係るタイヤモールドは、タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドにおいて、タイヤのトレッド面が当接し、その当接する箇所にトレッドパターンを形成するための第1凹凸面が設けられたセクターと、タイヤのサイドウォール部が当接し、その当接する箇所に、トレッドパターンに連続するパターンデザインを形成するための第2凹凸面が、型締め状態で前記第1凹凸面と連続するように設けられた下型と、前記セクターをタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に移動させるセクター移動機構と、型締め状態にある前記セクターと前記下型との間で相互に係合し合い、前記セクターと前記下型とを相対的に周方向で位置決めする係合手段とを備えるものである。
本発明に係るタイヤモールドは、タイヤのトレッド面が当接するセクターと、サイドウォール部が当接する下型とを備えるセグメンテッドモールドである。そのセクターには、トレッドパターンを形成するための第1凹凸面が設けられ、下型には、トレッドパターンに連続するパターンデザインを形成するための第2凹凸面が設けられている。これにより、パターンデザインがトレッド面からサイドウォール部に連続しているタイヤを加硫成形することができる。
また、セクターをタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に移動させるセクター移動機構を備えることにより、型開き状態での下型から離間した位置と型締め状態での下型に近接した位置との間で、セクターを移動させることができる。そして、型締め状態にあるセクターと下型との間で相互に係合し合い、セクターと下型とを相対的に周方向で位置決めする係合手段を備えることにより、型締め状態でセクターと下型との周方向での位置ずれを防止することができる。その結果、型締め状態において第1凹凸面と第2凹凸面とを適切に連続させて、トレッド面からサイドウォール部に連続するパターンデザインを、周方向ずれを生じることなく良好に形成することができる。
本発明に係るタイヤモールドでは、前記係合手段が、前記セクターから前記下型側に突出した係合ピンと、前記下型にタイヤ径方向に沿って延設され、前記係合ピンが嵌め込み可能な嵌め込み溝とからなり、前記嵌め込み溝の溝幅がタイヤ径方向内側に向かって漸減している。かかる構成によれば、型開き状態から型締め状態に移行する過程で、係合ピンが嵌め込み溝に嵌まり込み、その係合ピンがタイヤ径方向内側に移動することによってセクターと下型との相対位置が調整され、両者を相対的に周方向で位置決めすることができる。
また、本発明に係る別のタイヤモールドでは、前記係合手段が、前記セクターに設けられる係合凸部と、前記下型に設けられる係合凹部とを有し、前記セクターをタイヤ径方向に沿って前記下型に近付けることで、前記係合凸部と前記係合凹部とが徐々に係合するように構成されている。かかる構成によれば、型開き状態から型締め状態に移行する過程で、セクターをタイヤ径方向に沿って下型に近付けることにより、係合凸部と係合凹部とを徐々に係合させて、セクターと下型とを相対的に周方向で位置決めすることができる。
上記した本発明に係る別のタイヤモールドでは、前記セクターに設けられた前記係合凸部が、タイヤ径方向内側に向かって幅狭となる第1テーパ面を有するとともに、前記下型に設けられた前記係合凹部が、タイヤ径方向内側に向かって幅狭となる第2テーパ面を有し、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが型締め状態で相互に係合し合う。
上記構成によれば、係合凸部と係合凹部とが、それぞれタイヤ径方向内側に向かって幅狭となるテーパ面を有し、それらが型締め状態で相互に係合し合うことにより、セクターと下型との相対的な周方向の位置ずれ及び角度ずれの両方を好適に規制することができる。その結果、セクターと下型との相対位置を徐々に且つ高精度に調整して、パターンデザインをより適切に形成できるとともに、周方向に配列されたセクターの真円度を高めて、成形したタイヤのユニフォミティを向上することができる。
上記において、前記係合凸部が、前記セクターと一体的に鋳造されたものであるものが好ましい。かかる構成により、係合凸部の耐久性を高めてメンテナンス性を向上できるとともに、セクターに係合凸部を設けるための追加工程を不要にできる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤモールドを概略的に示す縦断面図であり、型締め状態を示している。図中において、グリーンタイヤ(不図示)はタイヤ軸方向が上下になるようにセットされる。即ち、図1の上下方向がタイヤ幅方向となり、右方向がタイヤ径方向内側、左方向がタイヤ径方向外側となる。図2は、このタイヤモールドが備えるセクターの平面図である。
このタイヤモールドは、タイヤのトレッド面が当接するセクター1と、下方のサイドウォール部が当接する下型2と、上方のサイドウォール部が当接する上型3とを備えるセグメンテッドモールドである。
セクター1の素材としては、アルミニウムが例示される。このアルミニウムとは、純アルミ系の素材のみならず、アルミニウム合金を含む概念であり、例えばAl−Cu系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系、Al−Mn系、Al−Si系が挙げられる。また、下型2及び上型3の素材としては、鋼材が例示される。
セクター1は、周方向で複数に分割(例えば7分割や11分割)されており、型締め状態では互いに寄り集まって環状をなしている。図2には、各セクター1の周方向長さが略同等である例を示すが、本発明はこれに限られず、セクター1の分割数も特に限られるものではない。セクター1と上下型2、3との境界Bは上下に延びており、タイヤのショルダ部の近傍に配されている。上下型2、3のタイヤ径方向内側にはビードリング4が設けられており、タイヤのビードコアが嵌合可能に構成されている。
セクター1のトレッド面に当接する箇所には、トレッドパターンを形成するための第1凹凸面1aが設けられている。つまり、空気入りタイヤのトレッド面には、要求されるタイヤ性能や使用条件に応じて、周方向溝や横溝などの溝部と、その溝部により区分されるブロックやリブなどの陸部とが設けられるが、第1凹凸面1aはその溝部を形成する凸部と陸部を形成する凹部とを備えているのである。
図3は、セクター1と下型2との境界B付近を拡大して示す平面図であり、図1のA矢視図に相当する。下型2のサイドウォール部が当接する箇所には、トレッドパターンに連続するパターンデザインを形成するための第2凹凸面2aが設けられており、型締め状態において第1凹凸面1aと連続している。詳しくは、第2凹凸面2aの凹部2bが、第1凹凸面1aの凹部1bに連続して延びており、これによってトレッド部からサイドウォール部に延長されたブロックが形成される。このように、本発明に係るタイヤモールドは、サイドウォール部のパターンデザインがトレッドパターンに連続するものであるため、型締め状態においてセクター1と下型2との周方向での位置ずれが生じないことが求められる。
なお、上記特許文献2、3に記載の空気入りタイヤのように、トレッド面とサイドウォール部との間に周方向に延びる溝を設ける場合には、セクター1と下型2との境界Bに沿って環状のリブが設けられる。この場合には、サイドウォール部に形成されたパターンデザインとトレッドパターンとが不連続となるため、下型2がセクター1に対して周方向で位置ずれを生じてもパターンデザインの周方向ずれが問題とならない。
本実施形態では、第1凹凸面1a及び第2凹凸面2aに境界Bを横断するソーカット5が設けられている。これは、加硫成形後のタイヤに対して、セクター1と下型2との周方向の位置ずれを視認するために設けられている。なお、本実施形態では、上型3のサイドウォール部が当接する箇所にも、下型2と同様に第1凹凸面1aと連続する凹凸面が設けられている。
図4は、型締め状態でのセクター1の下方近傍を示す拡大図である。このタイヤモールドには、型締め状態にあるセクター1と下型2との間で相互に係合し合う係合手段10が設けられており、具体的には、セクター1から下方に突出した係合ピン11と、下型2にタイヤ径方向に沿って延設され、係合ピン11が嵌め込み可能な嵌め込み溝12とが設けられている。嵌め込み溝12の溝幅は、図5に示すようにタイヤ径方向内側に向かって漸減しており、タイヤ径方向内側端において係合ピン11の頭部と略同寸法になるように設定されている。
係合ピン11は、通常のノックピンを利用することにより比較的安価に構成することができる。また、嵌め込み溝12は、本実施形態のような底部13を有するものに限られず、底部を有しない溝としても構わない。
図1に示すように、セクター1はコンテナー21の側面に、下型2はプレート状のコンテナー22の上面に、上型3はプレート状のコンテナー23の下面にそれぞれ取り付けられており、各コンテナーの移動によってタイヤモールドの開閉が行われる。下型2は、グリーンタイヤが円滑にセットできるように、周方向に数ミリ単位の遊びを設けてコンテナー22に固定されている。それに対し、上型3には、そのような遊びが設けられておらず、セクター1に対して精度良く位置決めされた状態でコンテナー23に強固に固定されている。また、コンテナー23は、昇降可能に構成されており、型開き状態でのタイヤから離間する位置と型締め状態でのタイヤに近接する位置との間で、上型3を移動させることができる。
セクター1が取り付けられたコンテナー21は、コンテナー23の下面にタイヤ径方向に沿って摺動可能に取り付けられており、セクター1は上型3と共に昇降する。コンテナー21のセクター1が取り付けられた側と反対側の側面には、下方に向かってタイヤ径方向外側に傾斜した摺動レール25が設けられており、そのタイヤ径方向外側にはコンテナー24が配置されている。上述したように、セクター1は周方向に複数分割されており、コンテナー21は分割されたセクター1ごとに設けられている。
コンテナー24は、その上部から水平に延びたアーム26に支持されている。アーム26は、コンテナー23の上面に立設されたガイドプレート27に昇降可能に取り付けられており、コンテナー24はコンテナー23に対して相対的に昇降可能に構成されている。また、コンテナー24のセクター1側の側面は摺動レール25に嵌合されており、コンテナー24とコンテナー21とは側面の傾斜方向に沿って摺動可能に構成されている。したがって、コンテナー24を下降させることによりコンテナー21をタイヤ径方向内側に移動させることができ、本実施形態では、コンテナー21、コンテナー23及びコンテナー24が前述したセクター移動機構を構成する。
図6〜8は、タイヤモールドの開閉動作を説明する図であり、型開き状態から図1に示す型締め状態に移行する過程を順に示している。図6は、セクター1と上型3とが下型2から上方に離間しており、下型2にグリーンタイヤがセットされうる状態である。この状態からコンテナー23が下降すると、図7に示すように上型3がタイヤのサイドウォール部に当接する位置に達するとともに、セクター1がトレッド面のタイヤ径方向外側に配される。
続いて、コンテナー24が下降すると、図8に示すようにコンテナー21がタイヤ径方向内側に移動し、図1に示すような型締め状態となる。この型開き状態から型締め状態に移行する過程で、係合ピン11が嵌め込み溝12に嵌まり込み、タイヤ径方向内側に移動する係合ピン11により下型2がガイドされ、嵌め込み溝12と係合ピン11とが周方向に係合して位置決めされる。その結果、セクター1と下型2との周方向での位置ずれを防止することができ、第1凹凸面1aと第2凹凸面2aとを適切に連続させて、トレッド面からサイドウォール部に連続するパターンデザインを良好に形成することができる。
本実施形態では、セクター1がトレッド面のタイヤ径方向外側に配された段階で(図7参照)、係合ピン11が嵌め込み溝12に嵌まり込んでいるが、本発明はこれに限られるものではなく、セクター1がタイヤ径方向内側に移動する際に係合ピン11が嵌め込み溝12に嵌まり込むようにしてもよい。
本発明に係るタイヤモールドは、セクター1及び上下型2、3の形状や材質、各コンテナーの機構などは特に限られず、第1凹凸面1aと第2凹凸面2aの形状も、それらが型締め状態で連続するように設けられたものであれば特に限られるものではない。例えば、上述の実施形態は、セクター1が水平に移動してトレッド面に当接するものであったが、セクターが下降しながらタイヤ径方向に移動して、即ち斜めに移動してトレッド面に当接するものでもよい。かかる場合、斜めに移動する係合ピンに対応させて、嵌め込み溝の底部をテーパに形成してガイドさせるようにしてもよい。なお、係合手段10は、周方向に分割されたセクターのうち少なくとも1つに設けられていればよい。
上述した実施形態では、周方向に遊びを設けた状態で下型2をコンテナー22に取り付けた例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、周方向に移動しないように下型2をコンテナー22に固定しておき、周方向に遊びを設けた状態でセクター1をコンテナー21に取り付けてもよく、かかる場合でも上記と同様の効果が得られる。
[実施例]
タイヤサイズ305/40R22の空気入りタイヤを加硫成形するためのタイヤモールドに、上述の実施形態で示したような係合ピンと嵌め込み溝とからなる係合手段を設けた。係合ピンの頭部のピン径を12mm、嵌め込み溝のタイヤ径方向外側の溝幅を13mm、同内側の溝幅を12.5mmとし、加工公差は±0.2mmとした。その結果、1000本のタイヤを成形するにあたり、パターンデザインに生じた周方向ずれは最大で0.5mmであった。
また、上記のピン径を10〜16mmの間で1mm単位で異ならせ、タイヤ径方向外側の溝幅をピン径+1mm、同内側の溝幅をピン径+0.5mmとし、加工公差は±0.2mmとした結果においても、パターンデザインに生じた周方向ずれは0.1〜1mmの範囲に収まり、パターンデザインの外観が大きく損なわれることはなかった。以上のように、タイヤモールドに係合手段を設けることによって、セクターと下型との周方向での位置ずれを防止し、トレッド面からサイドウォール部に連続するパターンデザインを良好に形成することができた。
[第2実施形態]
第2実施形態は、係合手段などが以下の通りの構成である他は、第1実施形態と同様の構成・作用であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、第1実施形態の説明にて既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るタイヤモールドを概略的に示す縦断面図である。本実施形態では、下型2が周方向に動かないようにコンテナー22に固定されており、セクター1が、周方向及びタイヤ径方向に数ミリ単位の遊びを設けた状態でコンテナー21に取り付けられている。また、上型3は、下型2に対して精度良く位置決めされた状態でコンテナー23に強固に固定されている。
図10は、型締め状態でのセクター1の下方近傍を示す拡大図である。このタイヤモールドには、型締め状態にあるセクター1と下型2との間で相互に係合し合う係合手段50が設けられている。係合手段50は、セクター1から下方に突出した係合凸部51と、下型2から上方に向かって開口する係合凹部52とを有する。
図11は、係合凹部52の平面図であり、図12は、図11のD−D矢視断面図である。係合凹部52は、タイヤ径方向内側(図11右側)及びタイヤ幅方向外側(図12下側)に向かって幅狭となる一対のテーパ面52a(前記第2テーパ面に相当)と、台形状の底部52bとを有する。また、係合凸部51は、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側に向かって幅狭となる一対のテーパ面51a(前記第1テーパ面に相当)と、台形状の頂部51bとを有しており、その形状とサイズが係合凹部52に対応している。
係合凸部51と係合凹部52とは、第1実施形態の係合ピン11及び嵌め込み溝12のように、型開き状態から型締め状態に移行する過程で、相互に係合し合うように構成されている。しかも、図6〜8に示したような開閉動作において、セクター1がタイヤ径方向に沿って下型2に近付くと、係合凹部52のテーパ面52aと、係合凹部52に嵌まり込んだ係合凸部51のテーパ面51aとの間隔が小さくなるため、係合凸部51と係合凹部52とは徐々に係合し、型締め状態にてテーパ面51aとテーパ面52aとが相互に係合し合う。
そのうえ、本実施形態では、タイヤ径方向内側に向かって幅狭となるテーパ面51aとテーパ面52aとが係合することにより、図13に示したようなセクター1が移動する過程で、セクター1の周方向の位置ずれ(p1方向又はp2方向へのずれ)と、角度ずれ(d1方向又はd2方向へのずれ)との両方を徐々に規制することができる。その結果、本実施形態では、セクター1と下型2との相対位置を徐々に且つ高精度に調整して、パターンデザインをより適切に形成できるとともに、周方向に配列されたセクター1の真円度を高めて、成形したタイヤのユニフォミティを向上することができる。
加えて、本実施形態では、テーパ面51aとテーパ面52aとがタイヤ幅方向外側に向かって幅狭となることから、係合凹部52に係合凸部51を円滑に嵌め込むことができる。かかる構成は、セクター1がトレッド面のタイヤ径方向外側に配された段階で(図7参照)、係合凸部51が係合凹部52に嵌まり込むものである場合に、特に有用である。
好ましい寸法としては、係合凹部52の深さ:10〜14mm、底部52bの最大幅:35〜45mm、底部52bの最小幅:8〜12mm、底部52bに対するテーパ面52aの角度:105〜115°、係合凸部51の突出高さ又は幅寸法:係合凹部52の深さ又は幅寸法−0.3〜−0.7mm、が例示される。
本実施形態の係合凸部51は、セクター1と一体的に鋳造されたものであり、例えばアルミニウムにより形成される。これにより、係合凸部51の耐久性を高めてメンテナンス性を向上できるとともに、セクター1に係合凸部51を設けるための追加工程を不要にできる。
なお、係合凸部及び係合凹部の形状は、上記の如きテーパ面を有するものであれば上述した形状に限られるものではない。例えば、図11に示した係合凹部の平面視の形状を三角形にしても構わない。
[実施例]
タイヤサイズ305/40R22の空気入りタイヤを加硫成形するためのタイヤモールドに、上述の実施形態で示したような係合凸部と係合凹部とからなる係合手段を設けた。係合凹部の深さを12mm、その底部の最大幅を40mm、その底部の最小幅を10mm、底部に対するテーパ面の角度を110°とし、加工公差は±0.2mmとした。また、係合凸部の突出高さ及び幅寸法を、係合凹部の寸法−0.5mmとし、テーパ面の角度及び加工公差は係合凹部と同等にした。その結果、1000本のタイヤを成形するにあたり、パターンデザインに生じた周方向ずれは最大で0.5mmであった。以上のように、タイヤモールドに係合手段を設けることによって、セクターと下型との周方向での位置ずれを防止し、トレッド面からサイドウォール部に連続するパターンデザインを良好に形成することができた。
本発明の第1実施形態に係るタイヤモールドを概略的に示す縦断面図 タイヤモールドが備えるセクターの平面図 セクターと下型との境界付近を拡大して示す平面図 型締め状態でのセクターの下方近傍を示す拡大図 図4のC−C矢視断面図 タイヤモールドの開閉動作を説明する図 タイヤモールドの開閉動作を説明する図 タイヤモールドの開閉動作を説明する図 本発明の第2実施形態に係るタイヤモールドを概略的に示す縦断面図 型締め状態でのセクターの下方近傍を示す拡大図 係合凹部の平面図 図10のD−D矢視断面図 セクターの移動を説明する平面図 2ピースモールドの概略構成図 セグメンテッドモールドの概略構成図
符号の説明
1 セクター
1a 第1凹凸面
2 下型
2a 第2凹凸面
3 上型
10 係合手段
11 係合ピン
12 嵌め込み溝
50 係合手段
51 係合凸部
51a 係合凸部のテーパ面(第1テーパ面)
52 係合凹部
52a 係合凹部のテーパ面(第2テーパ面)

Claims (3)

  1. タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドにおいて、
    タイヤのトレッド面が当接し、その当接する箇所にトレッドパターンを形成するための第1凹凸面が設けられたセクターと、
    タイヤのサイドウォール部が当接し、その当接する箇所に、トレッドパターンに連続するパターンデザインを形成するための第2凹凸面が、型締め状態で前記第1凹凸面と連続するように設けられた下型と、
    前記セクターをタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に移動させるセクター移動機構と、
    型締め状態にある前記セクターと前記下型との間で相互に係合し合い、前記セクターと前記下型とを相対的に周方向で位置決めする係合手段とを備え、
    前記係合手段が、前記セクターから前記下型側に突出した係合ピンと、前記下型にタイヤ径方向に沿って延設され、前記係合ピンが嵌め込み可能な嵌め込み溝とからなり、前記嵌め込み溝の溝幅がタイヤ径方向内側に向かって漸減していることを特徴とするタイヤモールド。
  2. タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドにおいて、
    タイヤのトレッド面が当接し、その当接する箇所にトレッドパターンを形成するための第1凹凸面が設けられたセクターと、
    タイヤのサイドウォール部が当接し、その当接する箇所に、トレッドパターンに連続するパターンデザインを形成するための第2凹凸面が、型締め状態で前記第1凹凸面と連続するように設けられた下型と、
    前記セクターをタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に移動させるセクター移動機構と、
    型締め状態にある前記セクターと前記下型との間で相互に係合し合い、前記セクターと前記下型とを相対的に周方向で位置決めする係合手段とを備え、
    前記係合手段が、前記セクターに設けられる係合凸部と、前記下型に設けられる係合凹部とを有し、前記セクターをタイヤ径方向に沿って前記下型に近付けることで、前記係合凸部と前記係合凹部とが徐々に係合するように構成され、
    前記係合凸部が、タイヤ径方向内側に向かって幅狭となる第1テーパ面を有するとともに、前記係合凹部が、タイヤ径方向内側に向かって幅狭となる第2テーパ面を有し、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが型締め状態で相互に係合し合うことを特徴とするタイヤモールド。
  3. 前記係合凸部が、前記セクターと一体的に鋳造されたものである請求項2記載のタイヤモールド。
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