JPH07197324A - ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方法 - Google Patents
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方法Info
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- JPH07197324A JPH07197324A JP34916393A JP34916393A JPH07197324A JP H07197324 A JPH07197324 A JP H07197324A JP 34916393 A JP34916393 A JP 34916393A JP 34916393 A JP34916393 A JP 34916393A JP H07197324 A JPH07197324 A JP H07197324A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低い紡糸速度で高初期弾性率をもつポリエチ
レンテレフタレート系複合長繊維を得る。 【構成】 ポリエチレンテレフタレート樹脂50〜90
重量%と、ポリエチレン樹脂50〜10重量%とを、固
化点以降における紡糸速度を3000m/min以下に
設定して複合溶融紡糸する。
レンテレフタレート系複合長繊維を得る。 【構成】 ポリエチレンテレフタレート樹脂50〜90
重量%と、ポリエチレン樹脂50〜10重量%とを、固
化点以降における紡糸速度を3000m/min以下に
設定して複合溶融紡糸する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低紡糸速度で、安定な
力学物性をもつポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レン複合長繊維の製造方法に関する。本発明の方法によ
り製造される複合長繊維は、マルチフィラメントとし
て、従来品と同様に広い範囲で利用することができる
他、スパンボンド法不織布として有用である。このスパ
ンボンド法不織布は、他のスパンボンド法不織布と同様
に、医療・衛生資材、土木資材、農業資材、一般工業資
材などの分野で広く使用される。
力学物性をもつポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レン複合長繊維の製造方法に関する。本発明の方法によ
り製造される複合長繊維は、マルチフィラメントとし
て、従来品と同様に広い範囲で利用することができる
他、スパンボンド法不織布として有用である。このスパ
ンボンド法不織布は、他のスパンボンド法不織布と同様
に、医療・衛生資材、土木資材、農業資材、一般工業資
材などの分野で広く使用される。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート長繊維は強
度、寸法安定性など多くの優れた特性を備えるため種々
の用途に利用されている。ポリエチレンテレフタレート
長繊維は一般的に溶融紡糸法で製造されるが、この場
合、紡糸速度が4000〜5000m/min以下であ
ると紡糸繊維は配向性が低く、結晶化が起こらないた
め、繊維の初期ヤング率が低く、力学的性質に乏しいの
で実用性に乏しい。これを改善する方法として、紡糸後
に延伸工程を設け充分に延伸することによって高弾性を
有する繊維にすることが一般に採られている。しかしな
がら、このような二段方式による繊維形成方法は設備、
労力の面から有利な方法ではない。また、巻取装置の代
わりにエア・サッカーを用いてエア・ジェットの作用に
より不織布を製造するスパンボンド法においては、この
ような延伸過程を設けるのは困難である。
度、寸法安定性など多くの優れた特性を備えるため種々
の用途に利用されている。ポリエチレンテレフタレート
長繊維は一般的に溶融紡糸法で製造されるが、この場
合、紡糸速度が4000〜5000m/min以下であ
ると紡糸繊維は配向性が低く、結晶化が起こらないた
め、繊維の初期ヤング率が低く、力学的性質に乏しいの
で実用性に乏しい。これを改善する方法として、紡糸後
に延伸工程を設け充分に延伸することによって高弾性を
有する繊維にすることが一般に採られている。しかしな
がら、このような二段方式による繊維形成方法は設備、
労力の面から有利な方法ではない。また、巻取装置の代
わりにエア・サッカーを用いてエア・ジェットの作用に
より不織布を製造するスパンボンド法においては、この
ような延伸過程を設けるのは困難である。
【0003】一方、溶融紡糸速度を4000〜5000
m/min以上の高速にするには、その成否を左右する
要素の一つに、ワインダがある。高速回転するためワイ
ンダの動的なバランスを取るには、高精度の装置が要求
され、また消費エネルギーも回転数の増加とともに、大
幅に上昇する。さらに、紡糸中の油剤付与、自動糸切
替、トラバース装置、騒音など多くの解決すべき難題が
ある。また、スパンボンド法不織布の製造では高紡糸速
度を達成するには、高いエア圧力が要求されるので、生
産コスト上非常に不利である。
m/min以上の高速にするには、その成否を左右する
要素の一つに、ワインダがある。高速回転するためワイ
ンダの動的なバランスを取るには、高精度の装置が要求
され、また消費エネルギーも回転数の増加とともに、大
幅に上昇する。さらに、紡糸中の油剤付与、自動糸切
替、トラバース装置、騒音など多くの解決すべき難題が
ある。また、スパンボンド法不織布の製造では高紡糸速
度を達成するには、高いエア圧力が要求されるので、生
産コスト上非常に不利である。
【0004】若し、低速で溶融紡糸繊維を配向結晶化さ
せ、溶融紡糸工程の一段化を実現することが可能であれ
ば、工程の短縮化を実現しながら高速化した場合の問題
点も回避できる。このような要求に対し、特公昭48−
42251号公報、特開昭60−94620号公報など
には、溶融紡糸したフィラメントを冷却固化させた後、
加熱水蒸気を吹き付け、引き取ることにより、繊維を得
る方法が開示されている。
せ、溶融紡糸工程の一段化を実現することが可能であれ
ば、工程の短縮化を実現しながら高速化した場合の問題
点も回避できる。このような要求に対し、特公昭48−
42251号公報、特開昭60−94620号公報など
には、溶融紡糸したフィラメントを冷却固化させた後、
加熱水蒸気を吹き付け、引き取ることにより、繊維を得
る方法が開示されている。
【0005】これらの方法は、水蒸気の吹き付ける力で
糸条に高い張力を与えることにより、強度特性を改善し
ようとするものであるが、水蒸気を高速で噴出させる必
要があるためにエネルギー消費が大きく、また噴出する
水蒸気のためにフィラメントの攪乱が生じ、糸揺れとな
って、均一な長繊維を得ることが難しいという欠点を有
している。
糸条に高い張力を与えることにより、強度特性を改善し
ようとするものであるが、水蒸気を高速で噴出させる必
要があるためにエネルギー消費が大きく、また噴出する
水蒸気のためにフィラメントの攪乱が生じ、糸揺れとな
って、均一な長繊維を得ることが難しいという欠点を有
している。
【0006】また、この問題点を解決しようとして、特
開昭62−223314号公報には、口金から紡出した
フィラメントを冷却固化した後、直ちに加圧蒸気が充満
し、両端にフィラメント通過のできる狭い部分を有する
加熱容器中に走行通過させ、加熱延伸した後引き取るこ
とを特徴とする溶融紡糸方法が開示されている。この方
法は前記の方法よりエネルギーの消費が若干節約でき、
かつ糸揺れが解消できたが、やはり、口金から巻取る位
置の間に複雑な加熱容器を設けることによって、工程が
繁雑化するだけでなく、紡糸長をその分長くしなければ
ならないため、建屋を高くしなければならないなどの欠
点が依然残されている。このように、従来の方法では、
紡糸工程のみの一工程で力学的特性の優れた長繊維を低
コストで安定に得ることが実現されていない。
開昭62−223314号公報には、口金から紡出した
フィラメントを冷却固化した後、直ちに加圧蒸気が充満
し、両端にフィラメント通過のできる狭い部分を有する
加熱容器中に走行通過させ、加熱延伸した後引き取るこ
とを特徴とする溶融紡糸方法が開示されている。この方
法は前記の方法よりエネルギーの消費が若干節約でき、
かつ糸揺れが解消できたが、やはり、口金から巻取る位
置の間に複雑な加熱容器を設けることによって、工程が
繁雑化するだけでなく、紡糸長をその分長くしなければ
ならないため、建屋を高くしなければならないなどの欠
点が依然残されている。このように、従来の方法では、
紡糸工程のみの一工程で力学的特性の優れた長繊維を低
コストで安定に得ることが実現されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように溶融紡糸
工程のみの一工程で低速で溶融紡糸しながら配向結晶化
した構造をもつ高弾性率のポリエチレンテレフタレート
長繊維を得る方法が求められている。
工程のみの一工程で低速で溶融紡糸しながら配向結晶化
した構造をもつ高弾性率のポリエチレンテレフタレート
長繊維を得る方法が求められている。
【0008】本発明の目的は、上記の要求に呼応して、
比較的低い紡糸速度で良好な力学的物性を有するポリエ
チレンテレフタレート系長繊維を製造することができる
方法を提供することにある。より具体的に言えば、30
00m/min以下の低い紡糸速度で紡糸するにもかか
わらず、従来法により4000m/min以上の紡糸速
度で紡糸された繊維並みの良好な力学的物性をもつポリ
エチレンテレフタレート系長繊維、特に、スパンボンド
法不織布として有用なポリエチレンテレフタレート系長
繊維を得ることを目的とするものである。
比較的低い紡糸速度で良好な力学的物性を有するポリエ
チレンテレフタレート系長繊維を製造することができる
方法を提供することにある。より具体的に言えば、30
00m/min以下の低い紡糸速度で紡糸するにもかか
わらず、従来法により4000m/min以上の紡糸速
度で紡糸された繊維並みの良好な力学的物性をもつポリ
エチレンテレフタレート系長繊維、特に、スパンボンド
法不織布として有用なポリエチレンテレフタレート系長
繊維を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段(1)】上記の目的は、ポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETという)樹脂
50〜90重量%とポリエチレン樹脂50〜10重量%
とを、固化点以降における紡糸速度を3000m/mi
n以下に設定して複合溶融紡糸することを特徴とするP
ET/ポリエチレン複合長繊維の製造方法によって達成
される。
リエチレンテレフタレート(以下、PETという)樹脂
50〜90重量%とポリエチレン樹脂50〜10重量%
とを、固化点以降における紡糸速度を3000m/mi
n以下に設定して複合溶融紡糸することを特徴とするP
ET/ポリエチレン複合長繊維の製造方法によって達成
される。
【0010】
【作用】本発明の要点は、PET系長繊維の溶融紡糸工
程においてPET樹脂とポリエチレン樹脂とを所定の割
合で複合させることである。複合させることによって、
紡糸線上では繊維の断面にPET部分とポリエチレン部
分は混在することとなる。そして、紡糸線上の繊維断面
の受ける紡糸応力、特に固化点近辺での紡糸応力につい
て考察した結果、伸長粘度の高いPET部分が同じ紡糸
速度で単独紡糸する場合よりも紡糸応力が大きくなり、
よってPET部分の配向度(複屈折率の大きさで評価す
る)が大きくなることがわかった。
程においてPET樹脂とポリエチレン樹脂とを所定の割
合で複合させることである。複合させることによって、
紡糸線上では繊維の断面にPET部分とポリエチレン部
分は混在することとなる。そして、紡糸線上の繊維断面
の受ける紡糸応力、特に固化点近辺での紡糸応力につい
て考察した結果、伸長粘度の高いPET部分が同じ紡糸
速度で単独紡糸する場合よりも紡糸応力が大きくなり、
よってPET部分の配向度(複屈折率の大きさで評価す
る)が大きくなることがわかった。
【0011】この配向の増加によって、繊維の配向結晶
化が引き起こされて、PET単独紡糸の場合より低い紡
糸速度で配向結晶化した構造が発生することにつなが
り、比較的低い紡糸速度で高い密度をもつPET長繊維
が得られる。すなわち、PET樹脂をポリエチレン樹脂
と所定割合で複合させることによって、PET部分の配
向結晶化がポリエチレンによって促進された結果、通常
4000m/min〜5000m/min以上の紡糸速
度で得られる配向結晶化構造を有する安定な力学的性質
をもつPET系複合長繊維が3000m/min以下の
紡糸速度で得られる。
化が引き起こされて、PET単独紡糸の場合より低い紡
糸速度で配向結晶化した構造が発生することにつなが
り、比較的低い紡糸速度で高い密度をもつPET長繊維
が得られる。すなわち、PET樹脂をポリエチレン樹脂
と所定割合で複合させることによって、PET部分の配
向結晶化がポリエチレンによって促進された結果、通常
4000m/min〜5000m/min以上の紡糸速
度で得られる配向結晶化構造を有する安定な力学的性質
をもつPET系複合長繊維が3000m/min以下の
紡糸速度で得られる。
【0012】
【課題を解決するための手段(2)】本発明でいう複合
繊維の形態としては並列型または芯鞘型等の比較的単純
な形のもの、あるいは多芯鞘型及び多層接合であっても
よいが、強度とコスト等から芯鞘型が好ましい。この場
合、PET部分とポリエチレン部分のいずれが芯になっ
てもよく、複合繊維の利用分野に応じて決めることがで
きる。例えば、表面性、高耐熱性などが要求されるとき
にはポリエチレンを芯にすればよいし、また、スパンボ
ンド法不織布にして、ヒートシール性、熱接着性、柔軟
な感触などが要求されるときはPETを芯にすればよ
い。また、繊維の断面は円形に限定されることはなく、
必要によって周知のいろいろな異形断面を採用すること
ができる。
繊維の形態としては並列型または芯鞘型等の比較的単純
な形のもの、あるいは多芯鞘型及び多層接合であっても
よいが、強度とコスト等から芯鞘型が好ましい。この場
合、PET部分とポリエチレン部分のいずれが芯になっ
てもよく、複合繊維の利用分野に応じて決めることがで
きる。例えば、表面性、高耐熱性などが要求されるとき
にはポリエチレンを芯にすればよいし、また、スパンボ
ンド法不織布にして、ヒートシール性、熱接着性、柔軟
な感触などが要求されるときはPETを芯にすればよ
い。また、繊維の断面は円形に限定されることはなく、
必要によって周知のいろいろな異形断面を採用すること
ができる。
【0013】本発明で使用するポリエチレン樹脂は、特
に制限されるものではないが、高密度ポリエチレンであ
ることが望ましい。また、該ポリエチレン樹脂は温度1
90℃、荷重2160gにおけるメルトフローレート
(メルトフローレート=MFR。本発明においてのMF
RはJIS K 7219 表1 条件4により測定す
る。)が10〜100g/10分の範囲にあることが望
ましく、特に好ましくは15〜70g/分の範囲にあ
る。一方、PET樹脂としては、一般に繊維原料として
用いられているものを使用することができる。
に制限されるものではないが、高密度ポリエチレンであ
ることが望ましい。また、該ポリエチレン樹脂は温度1
90℃、荷重2160gにおけるメルトフローレート
(メルトフローレート=MFR。本発明においてのMF
RはJIS K 7219 表1 条件4により測定す
る。)が10〜100g/10分の範囲にあることが望
ましく、特に好ましくは15〜70g/分の範囲にあ
る。一方、PET樹脂としては、一般に繊維原料として
用いられているものを使用することができる。
【0014】PET樹脂とポリエチレン樹脂との複合重
量比率はPET:ポリエチレン=9:1〜5:5でなけ
ればならない。ポリエチレン樹脂の量がこの範囲よりも
少ないとPET樹脂に対する配向促進効果が小さく、期
待する力学的物性の達成が困難である。一方、ポリエチ
レン樹脂の量がこの範囲を超えると、複合繊維断面にお
けるPET部分の比率が過小となって複合繊維全体の性
質が不満足なものとなる。好ましい複合重量比率はPE
T:ポリエチレン=8:2〜6:4である。
量比率はPET:ポリエチレン=9:1〜5:5でなけ
ればならない。ポリエチレン樹脂の量がこの範囲よりも
少ないとPET樹脂に対する配向促進効果が小さく、期
待する力学的物性の達成が困難である。一方、ポリエチ
レン樹脂の量がこの範囲を超えると、複合繊維断面にお
けるPET部分の比率が過小となって複合繊維全体の性
質が不満足なものとなる。好ましい複合重量比率はPE
T:ポリエチレン=8:2〜6:4である。
【0015】本発明方法により製造されるPET系複合
長繊維の繊度は任意に決定できるが、通常1〜20デニ
ールの範囲の中で使用目的に応じて選ぶのがよい。繊度
が20デニールを越えると、溶融紡糸過程においてフィ
ラメント同志の融着などのトラブルが発生しやすく、操
業上好ましくない。逆に、連続フィラメントの繊度を1
デニール未満にするのは、糸切れなどのトラブルが多発
して操業性が低下する。
長繊維の繊度は任意に決定できるが、通常1〜20デニ
ールの範囲の中で使用目的に応じて選ぶのがよい。繊度
が20デニールを越えると、溶融紡糸過程においてフィ
ラメント同志の融着などのトラブルが発生しやすく、操
業上好ましくない。逆に、連続フィラメントの繊度を1
デニール未満にするのは、糸切れなどのトラブルが多発
して操業性が低下する。
【0016】本発明の複合溶融紡糸の手法としては、従
来公知の複合溶融紡糸法と同様であってよい。例えば、
芯鞘構造を持つ複合長繊維を製造する場合、溶融した熱
可塑性樹脂を紡糸孔へ導くための導入部分の上部で、溶
融した鞘成分の樹脂の中央部分に溶融した芯成分の樹脂
を注入するような構造を持った紡糸口金装置が多用され
ている。
来公知の複合溶融紡糸法と同様であってよい。例えば、
芯鞘構造を持つ複合長繊維を製造する場合、溶融した熱
可塑性樹脂を紡糸孔へ導くための導入部分の上部で、溶
融した鞘成分の樹脂の中央部分に溶融した芯成分の樹脂
を注入するような構造を持った紡糸口金装置が多用され
ている。
【0017】本発明の紡糸方法においては、溶融紡糸工
程において紡糸オリフィスから吐出されたポリマーが固
化する点以降における紡糸速度を3000m/min以
下に設定する。紡糸速度が3000m/minを超える
と、従来の4000〜5000m/min程度の溶融紡
糸方法にみられると同様な前述の生産上の不利益が発生
し易い。但し、紡糸速度が極度に低いと生産性および得
られる繊維の学力的特性が低下するため3000〜20
00m/minの範囲であることが好ましい。
程において紡糸オリフィスから吐出されたポリマーが固
化する点以降における紡糸速度を3000m/min以
下に設定する。紡糸速度が3000m/minを超える
と、従来の4000〜5000m/min程度の溶融紡
糸方法にみられると同様な前述の生産上の不利益が発生
し易い。但し、紡糸速度が極度に低いと生産性および得
られる繊維の学力的特性が低下するため3000〜20
00m/minの範囲であることが好ましい。
【0018】紡糸した複合長繊維を不織布シートにする
には、いわゆるスパンボンド法と総称されている方法が
利用できる。すなわち、溶融紡糸された複合長繊維は空
気圧を利用したエア・サッカーに導入され、エア・ジェ
ットの作用により延伸と送り出し作用を受けたのち、帯
電装置を用いて、複合長繊維に電荷を与えて開繊させた
後、捕集コンベア上に捕集される。この結果得られた不
織ウェブは、捕集コンベアにより搬送された後、熱エン
ボスロールによって構成繊維である連続フィラメント間
を多数散在した点状に融着させ、不織布を得る。この不
織布は巻取機に巻取られ、原反として取り扱われる。
には、いわゆるスパンボンド法と総称されている方法が
利用できる。すなわち、溶融紡糸された複合長繊維は空
気圧を利用したエア・サッカーに導入され、エア・ジェ
ットの作用により延伸と送り出し作用を受けたのち、帯
電装置を用いて、複合長繊維に電荷を与えて開繊させた
後、捕集コンベア上に捕集される。この結果得られた不
織ウェブは、捕集コンベアにより搬送された後、熱エン
ボスロールによって構成繊維である連続フィラメント間
を多数散在した点状に融着させ、不織布を得る。この不
織布は巻取機に巻取られ、原反として取り扱われる。
【0019】スパンボンド法により得られる不織布の目
付も任意に決定しうる事項であるが、通常10〜150
g/m2 程度が望ましい。目付が10g/m2 より小さ
い場合は均一なシートができにくいので望ましくない。
また、目付が150g/m2より大きい場合は不織布と
しての柔軟性等の風合、コストから好ましくない。
付も任意に決定しうる事項であるが、通常10〜150
g/m2 程度が望ましい。目付が10g/m2 より小さ
い場合は均一なシートができにくいので望ましくない。
また、目付が150g/m2より大きい場合は不織布と
しての柔軟性等の風合、コストから好ましくない。
【0020】
【実施例】以下、実施例について本発明を具体的に説明
する。なお、実施例と比較例において、複合長繊維の芯
部の複屈折率(配向度)、密度(結晶化度)、複合長繊
維の初期ヤング率、破断強度およびその不織布の引っ張
り破断強度は次の測定方法により求めた。 (1)繊度:9000m長さ当たりの重さ(g)を測定
し、いわゆるデニールで表した。
する。なお、実施例と比較例において、複合長繊維の芯
部の複屈折率(配向度)、密度(結晶化度)、複合長繊
維の初期ヤング率、破断強度およびその不織布の引っ張
り破断強度は次の測定方法により求めた。 (1)繊度:9000m長さ当たりの重さ(g)を測定
し、いわゆるデニールで表した。
【0021】(2)複屈折率(Δn):繊維の屈折率は
繊維軸に対して平行な電場ベクトルを持つ偏光に対する
屈折率n//と、繊維軸に対し垂直な電場ベクトルを持つ
偏光に対する屈折率n⊥によって特徴づけられる。旧東
ドイツのカールツアイスイェナ社製のインターファコ干
渉顕微鏡を用いて、波長λ=549μmの緑色光線を利
用し、干渉縞法によって、繊維の側面から観察し、この
n//とn⊥の半径方向分布を測定した。すなわち、芯部
と鞘部それぞれの部分のn//とn⊥を測定した。測定と
解析の詳細は、例えば「繊維・高分子測定法の技術」
(繊維学会編)p.146に記載されている。このよう
に測定したn//とn⊥から、複屈折率Δn=n//−n⊥
を求めた。
繊維軸に対して平行な電場ベクトルを持つ偏光に対する
屈折率n//と、繊維軸に対し垂直な電場ベクトルを持つ
偏光に対する屈折率n⊥によって特徴づけられる。旧東
ドイツのカールツアイスイェナ社製のインターファコ干
渉顕微鏡を用いて、波長λ=549μmの緑色光線を利
用し、干渉縞法によって、繊維の側面から観察し、この
n//とn⊥の半径方向分布を測定した。すなわち、芯部
と鞘部それぞれの部分のn//とn⊥を測定した。測定と
解析の詳細は、例えば「繊維・高分子測定法の技術」
(繊維学会編)p.146に記載されている。このよう
に測定したn//とn⊥から、複屈折率Δn=n//−n⊥
を求めた。
【0022】(3)密度:前記(2)の方法で測定した
屈折率n//とn⊥から、下記の屈折率と密度の関係より
密度を求められる。分極率と屈折率の関係として、Lo
rentz−Lorenzの式が知られている。
屈折率n//とn⊥から、下記の屈折率と密度の関係より
密度を求められる。分極率と屈折率の関係として、Lo
rentz−Lorenzの式が知られている。
【数1】 ここで、n:屈折率 P:分子分極率 M:分子量 N:アボガドロ数 ρ:密度 である。異方性物質に対する(1)式の適用に関して
は、Wuks(M.F.Wuks;Opt.& Spe
ctrosc.20.361.1966)が次式を示し
ている。
は、Wuks(M.F.Wuks;Opt.& Spe
ctrosc.20.361.1966)が次式を示し
ている。
【数2】
【0023】ここで、ni を三つの主軸に対する屈折率
として、
として、
【数3】 である。一軸配向性の繊維試料については、第3軸を繊
維方向とすれば、 n1 =n2 =n⊥ P1=P2=P⊥ n3 =n// P3=P// である。よって、
維方向とすれば、 n1 =n2 =n⊥ P1=P2=P⊥ n3 =n// P3=P// である。よって、
【数4】
【0024】一方、テンソルの不変量から、配向度に依
存せずに次式が成り立つ。
存せずに次式が成り立つ。
【数5】 (4)式に(2)式を代入すると
【数6】 すなわち、
【数7】 (6)式によって、
【数8】 が既知であれば、n//とn⊥の測定値により密度ρが求
められる。
められる。
【0025】PET樹脂単独紡糸繊維の密度は密度勾配
管法によって測定した。測定された密度値に対する
管法によって測定した。測定された密度値に対する
【数9】 の関係に最小二乗法を適用すると、相関係数R2 =0.
97で得られた直線の傾きよりSR係数が0.2467
となる。この値はBunn(C.W.Bunn:Che
mical Crystallography(Oxf
ord)p.313.1961)の示した分子分極率を
用いて、PETモノマーユニットの各結合の分極率の加
成型からSRを理論的に求めた計算値にかなりよい一致
を示しているので、本発明では干渉顕微鏡を用いて測定
したn//とn⊥から上記の(3)式より
97で得られた直線の傾きよりSR係数が0.2467
となる。この値はBunn(C.W.Bunn:Che
mical Crystallography(Oxf
ord)p.313.1961)の示した分子分極率を
用いて、PETモノマーユニットの各結合の分極率の加
成型からSRを理論的に求めた計算値にかなりよい一致
を示しているので、本発明では干渉顕微鏡を用いて測定
したn//とn⊥から上記の(3)式より
【数10】 を算出し、さらに
【数11】 として求めた。
【0026】(4)複合繊維の初期弾性率と破断強度:
東洋精密工業株式会社製テンシロン万能引張り試験機P
TM−100を用いて、引張り速度100mm/mi
n、試料長50mmで引っ張り試験を行い、測定された
初期ヤング率と破断強度を1デニール当たりに換算して
示した。
東洋精密工業株式会社製テンシロン万能引張り試験機P
TM−100を用いて、引張り速度100mm/mi
n、試料長50mmで引っ張り試験を行い、測定された
初期ヤング率と破断強度を1デニール当たりに換算して
示した。
【0027】(5)不織布の引張り強度:東洋精密工業
株式会社製テンシロン万能引張り試料機PTM−100
を用いて、引張り速度300mm/min、試料長10
0mm、試料幅100mmで引っ張り試験を行い、測定
された破断点強度を3倍し、300mm当たりの引っ張
り強度で示した。
株式会社製テンシロン万能引張り試料機PTM−100
を用いて、引張り速度300mm/min、試料長10
0mm、試料幅100mmで引っ張り試験を行い、測定
された破断点強度を3倍し、300mm当たりの引っ張
り強度で示した。
【0028】
実施例1 まず、固有粘度〔η〕=0.65、融点265℃のポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂と、MFR=2
0、融点131.5℃の高密度ポリエチレン樹脂を準備
した。
エチレンテレフタレート(PET)樹脂と、MFR=2
0、融点131.5℃の高密度ポリエチレン樹脂を準備
した。
【0029】上記のPET樹脂と高密度ポリエチレン樹
脂をそれぞれ別々の直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、芯鞘型複合
紡糸口金で合わせ、PET樹脂を芯成分とし、高密度ポ
リエチレン樹脂を鞘成分とする芯鞘構造をもつ円断面の
複合連続フィラメントを溶融紡糸した。ここで複合紡糸
口金としては、孔径0.3mmφの円形芯鞘型複合紡糸
孔を80孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個当りの
鞘成分と芯成分の合計吐出量を1g/minとし、PE
Tによる芯成分と高密度ポリエチレンによる鞘成分との
複合比率を7:3(重量比)にした。以上のようにして
得られた複合長繊維を口金から150cmのところで2
950m/minの巻取り速度で巻取って、PET系複
合長繊維を形成した。この複合長繊維の物性を表1に示
す。
脂をそれぞれ別々の直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、芯鞘型複合
紡糸口金で合わせ、PET樹脂を芯成分とし、高密度ポ
リエチレン樹脂を鞘成分とする芯鞘構造をもつ円断面の
複合連続フィラメントを溶融紡糸した。ここで複合紡糸
口金としては、孔径0.3mmφの円形芯鞘型複合紡糸
孔を80孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個当りの
鞘成分と芯成分の合計吐出量を1g/minとし、PE
Tによる芯成分と高密度ポリエチレンによる鞘成分との
複合比率を7:3(重量比)にした。以上のようにして
得られた複合長繊維を口金から150cmのところで2
950m/minの巻取り速度で巻取って、PET系複
合長繊維を形成した。この複合長繊維の物性を表1に示
す。
【0030】実施例2 実施例1と同じPET樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を
準備した。PET樹脂、高密度ポリエチレン樹脂をそれ
れぞれ別々の直径60mmの押し出し機に投入し、押し
出し温度290℃で押し出した後、芯鞘型複合紡糸口金
で合わせ、PET樹脂を芯成分とし、高密度ポリエチレ
ン樹脂を鞘成分とする芯鞘構造をもつ円断面の複合連続
フィラメントを溶融紡糸した。ここで複合紡糸口金とし
ては、孔径0.3mmφの円形芯鞘型複合紡糸孔を80
孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個当りの鞘成分と
芯成分の合計吐出量を1g/minとし、PETによる
芯成分と高密度ポリエチレンによる鞘成分との複合比率
を7:3(重量比)にした。以上のようにして得られた
複合連続フィラメントを口金から150cmのところで
紡糸速度3000m/min前後になるように高速気流
牽引装置に導入して延伸固化せしめた。次いで、高速気
流牽引装置から連続フィラメントを排出した後、コロナ
放電装置によって連続フィラメントに電荷を付与して帯
電させた。そして、連続フィラメントを反射板に衝突せ
しめて開繊させ、裏面に吸引装置が配置されている無端
金網捕集コンベア上に捕集して、目付30g/m2 の不
織ウェブを形成した。
準備した。PET樹脂、高密度ポリエチレン樹脂をそれ
れぞれ別々の直径60mmの押し出し機に投入し、押し
出し温度290℃で押し出した後、芯鞘型複合紡糸口金
で合わせ、PET樹脂を芯成分とし、高密度ポリエチレ
ン樹脂を鞘成分とする芯鞘構造をもつ円断面の複合連続
フィラメントを溶融紡糸した。ここで複合紡糸口金とし
ては、孔径0.3mmφの円形芯鞘型複合紡糸孔を80
孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個当りの鞘成分と
芯成分の合計吐出量を1g/minとし、PETによる
芯成分と高密度ポリエチレンによる鞘成分との複合比率
を7:3(重量比)にした。以上のようにして得られた
複合連続フィラメントを口金から150cmのところで
紡糸速度3000m/min前後になるように高速気流
牽引装置に導入して延伸固化せしめた。次いで、高速気
流牽引装置から連続フィラメントを排出した後、コロナ
放電装置によって連続フィラメントに電荷を付与して帯
電させた。そして、連続フィラメントを反射板に衝突せ
しめて開繊させ、裏面に吸引装置が配置されている無端
金網捕集コンベア上に捕集して、目付30g/m2 の不
織ウェブを形成した。
【0031】不織ウェブは、無端金網捕集コンベアによ
り搬送され、熱エンボスロールにて部分的に構成繊維で
ある連続フィラメント相互間が融着された区域(班点状
に多数散在する)を設け、スパンボンド不織布を得た。
なお、無端金網捕集コンベアの移動速度及び熱エンボス
ロール表面の回転速度は57m/分であった。熱エンボ
スロール表面に設けられた彫刻はその凸部の形態が直径
0.6mmの円形であり、凸部の占有面積率は5.0%
であった。また、エンボスロールの表面温度は120
℃、線圧30kg/cmであった。複合繊維の物性およ
びスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
り搬送され、熱エンボスロールにて部分的に構成繊維で
ある連続フィラメント相互間が融着された区域(班点状
に多数散在する)を設け、スパンボンド不織布を得た。
なお、無端金網捕集コンベアの移動速度及び熱エンボス
ロール表面の回転速度は57m/分であった。熱エンボ
スロール表面に設けられた彫刻はその凸部の形態が直径
0.6mmの円形であり、凸部の占有面積率は5.0%
であった。また、エンボスロールの表面温度は120
℃、線圧30kg/cmであった。複合繊維の物性およ
びスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
【0032】実施例3 PET樹脂による芯成分と高密度ポリエチレン樹脂によ
る鞘成分との複合比率を5:5(重量比)に変えた他は
実施例1と同じ条件で複合長繊維を形成した。複合長繊
維の物性を表1に示す。
る鞘成分との複合比率を5:5(重量比)に変えた他は
実施例1と同じ条件で複合長繊維を形成した。複合長繊
維の物性を表1に示す。
【0033】実施例4 PET樹脂による芯成分と高密度ポリエチレン樹脂によ
る鞘成分との複合比率を5:5(重量比)に変えた他は
実施例2と同じ条件で複合長繊維を形成し、さらにこの
複合長繊維からスパンボンド不織布を形成した。複合長
繊維およびスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
る鞘成分との複合比率を5:5(重量比)に変えた他は
実施例2と同じ条件で複合長繊維を形成し、さらにこの
複合長繊維からスパンボンド不織布を形成した。複合長
繊維およびスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
【0034】比較例1 PET樹脂による芯成分と高密度ポリエチレン樹脂によ
る鞘成分との複合比率を4:6(重量比)に変えた他は
実施例1と同じ条件で複合長繊維を形成した。複合長繊
維の物性を表1に示す。
る鞘成分との複合比率を4:6(重量比)に変えた他は
実施例1と同じ条件で複合長繊維を形成した。複合長繊
維の物性を表1に示す。
【0035】比較例2 PET樹脂による芯成分と高密度ポリエチレン樹脂によ
る鞘成分との複合比率を4:6(重量比)に変えた他は
実施例2と同じ条件で複合長繊維を形成し、さらにこの
複合長繊維からスパンボンド不織布を形成した。複合長
繊維およびスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
る鞘成分との複合比率を4:6(重量比)に変えた他は
実施例2と同じ条件で複合長繊維を形成し、さらにこの
複合長繊維からスパンボンド不織布を形成した。複合長
繊維およびスパンボンド不織布の物性を表1に示す。
【0036】比較例3 実施例1で示した固有粘度〔η〕=0.65、融点26
5℃のPET樹脂を直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、単独紡糸用
口金でPET樹脂単成分の連続フィラメントを溶融紡糸
した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3mmφの円
形紡糸孔を80孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個
当りの吐出量を1g/minとした。以上のようにして
得られた単独長繊維を口金から150cmのところで2
950m/minの巻取り速度で巻取って、PET樹脂
長繊維を形成した。この長繊維の物性を表1に示す。
5℃のPET樹脂を直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、単独紡糸用
口金でPET樹脂単成分の連続フィラメントを溶融紡糸
した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3mmφの円
形紡糸孔を80孔有するもの数個を用いた。紡糸孔1個
当りの吐出量を1g/minとした。以上のようにして
得られた単独長繊維を口金から150cmのところで2
950m/minの巻取り速度で巻取って、PET樹脂
長繊維を形成した。この長繊維の物性を表1に示す。
【0037】比較例4 実施例1で示した固有粘度〔η〕=0.65、融点26
5℃の(PET)樹脂を用いて、直径60mmの押し出
し機に投入し、押し出し温度290℃で押し出した後、
単独紡糸用口金でPET樹脂単成分の連続フィラメント
を溶融紡糸した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3
mmφの円形紡糸孔を80孔有するもの数個を用いた。
紡糸孔1個当りの吐出量を1g/minとした。以上の
ようにして得られた単独長繊維を口金から150cmの
ところで高速気流牽引装置に導入して実質紡糸速度30
00m/min前後になるように延伸固化せしめた。次
いで、高速気流牽引装置から連続フィラメントを排出し
た後、コロナ放電装置によって連続フィラメントに電荷
を付与して帯電させた。そして、連続フィラメントを反
射板に衝突せしめて開繊させ、裏面に吸引装置が配置さ
れている無端金網捕集コンベア上に捕集して、目付30
g/m2 の不織ウェブを形成した。
5℃の(PET)樹脂を用いて、直径60mmの押し出
し機に投入し、押し出し温度290℃で押し出した後、
単独紡糸用口金でPET樹脂単成分の連続フィラメント
を溶融紡糸した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3
mmφの円形紡糸孔を80孔有するもの数個を用いた。
紡糸孔1個当りの吐出量を1g/minとした。以上の
ようにして得られた単独長繊維を口金から150cmの
ところで高速気流牽引装置に導入して実質紡糸速度30
00m/min前後になるように延伸固化せしめた。次
いで、高速気流牽引装置から連続フィラメントを排出し
た後、コロナ放電装置によって連続フィラメントに電荷
を付与して帯電させた。そして、連続フィラメントを反
射板に衝突せしめて開繊させ、裏面に吸引装置が配置さ
れている無端金網捕集コンベア上に捕集して、目付30
g/m2 の不織ウェブを形成した。
【0038】この不織ウェブを実施例2と同じ方法で不
織布に形成した。ただし、この場合においては、繊維の
表面もPET樹脂成分になっているので、エンボスロー
ルの表面温度は220℃に変えた。長繊維および不織布
の物性を表1に示す。
織布に形成した。ただし、この場合においては、繊維の
表面もPET樹脂成分になっているので、エンボスロー
ルの表面温度は220℃に変えた。長繊維および不織布
の物性を表1に示す。
【0039】比較例5 実施例1で示した固有粘度〔η〕=0.65、融点26
5℃のPET樹脂を直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、単独紡糸用
口金でPET樹脂単成分の連続フィラメントを溶融紡糸
した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3mmφの円
形紡糸孔を80孔有するもの数個用いた。紡糸孔1個当
りの吐出量を1g/minとした。以上のようにして得
られた単独長繊維を口金から150cmのところで41
00m/minの巻取り速度で巻取って、PET樹脂長
繊維を形成した。この長繊維の物性を表1に示す。
5℃のPET樹脂を直径60mmの押し出し機に投入
し、押し出し温度290℃で押し出した後、単独紡糸用
口金でPET樹脂単成分の連続フィラメントを溶融紡糸
した。ここで紡糸口金としては、孔径0.3mmφの円
形紡糸孔を80孔有するもの数個用いた。紡糸孔1個当
りの吐出量を1g/minとした。以上のようにして得
られた単独長繊維を口金から150cmのところで41
00m/minの巻取り速度で巻取って、PET樹脂長
繊維を形成した。この長繊維の物性を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示す試験結果から明かなとおり、実
施例に係わるPET部分が50%重量以上をしめる複合
長繊維の溶融紡糸においては、3000m/min以下
の紡糸速度でありながら、得られた複合長繊維とそのス
パンボンド法不織布の力学的性質は安定な配向結晶化構
造をもつため、比較例での同じ紡糸速度で製造された単
独紡糸長繊維とその不織布に比べて、十分に高い値をし
めし、比較例5で示した4000m/min以上の紡糸
速度で得られたPET樹脂単成分紡糸繊維とほぼ同レベ
ルのものとなっている。
施例に係わるPET部分が50%重量以上をしめる複合
長繊維の溶融紡糸においては、3000m/min以下
の紡糸速度でありながら、得られた複合長繊維とそのス
パンボンド法不織布の力学的性質は安定な配向結晶化構
造をもつため、比較例での同じ紡糸速度で製造された単
独紡糸長繊維とその不織布に比べて、十分に高い値をし
めし、比較例5で示した4000m/min以上の紡糸
速度で得られたPET樹脂単成分紡糸繊維とほぼ同レベ
ルのものとなっている。
【0042】
【発明の効果】本発明方法により、PET樹脂とポリエ
チレン樹脂とを重量比50/50〜90/10にて複合
し且つ3000m/min以下の低い速度で溶融紡糸す
ることによって、溶融紡糸速度が低いにもかかわらず、
PET樹脂の共存によって比較的高度に配向結晶化され
構造をもつPET系複合繊維が得られる。この複合繊維
の初期ヤング率は通常25g/デニール以上であってP
ET単独繊維の初期ヤング率より高く、また破断強度は
2g/d以上であってPET単独繊維の破断強度に近
い。
チレン樹脂とを重量比50/50〜90/10にて複合
し且つ3000m/min以下の低い速度で溶融紡糸す
ることによって、溶融紡糸速度が低いにもかかわらず、
PET樹脂の共存によって比較的高度に配向結晶化され
構造をもつPET系複合繊維が得られる。この複合繊維
の初期ヤング率は通常25g/デニール以上であってP
ET単独繊維の初期ヤング率より高く、また破断強度は
2g/d以上であってPET単独繊維の破断強度に近
い。
【0043】また、低速溶融紡糸であるため、繊維の溶
融紡糸の一工程化を容易に実現することが可能となっ
た。さらに、工程の短縮化を実現しながら従来の高速紡
糸に伴う難点も回避できる。上記のような特性をもつ本
発明の複合溶融紡糸法は特にスパンボンド法による不織
布の製造に有利に適用される。
融紡糸の一工程化を容易に実現することが可能となっ
た。さらに、工程の短縮化を実現しながら従来の高速紡
糸に伴う難点も回避できる。上記のような特性をもつ本
発明の複合溶融紡糸法は特にスパンボンド法による不織
布の製造に有利に適用される。
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 と密度の関係より密度を求められる。分極率と屈折率の
関係として、Lorentz−Lorenzの式が知ら
れている。
関係として、Lorentz−Lorenzの式が知ら
れている。
【数1】ここで、n:屈折率 P:分子分極率 M:分子量 N:アボガドロ数 ρ:密度 である。異方性物質に対する(1)式の適用に関して
は、Wuks(M.F.Wuks;Opt.& Spe
ctrosc.20.361.1966)が次式を示し
ている。
は、Wuks(M.F.Wuks;Opt.& Spe
ctrosc.20.361.1966)が次式を示し
ている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】一方、テンソルの不変量から、配向度に依
存せずに次式が成り立つ。 (4)式に(2)式を代入すると
存せずに次式が成り立つ。 (4)式に(2)式を代入すると
【数6】すなわち、
【数7】(6)式によって、
【数8】
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート樹脂50〜
90重量%とポリエチレン樹脂50〜10重量%とを、
固化点以降における紡糸速度を3000m/min以下
に設定して複合溶融紡糸することを特徴とするポリエチ
レンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34916393A JPH07197324A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34916393A JPH07197324A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07197324A true JPH07197324A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18401900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34916393A Pending JPH07197324A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合長繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07197324A (ja) |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP34916393A patent/JPH07197324A/ja active Pending
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