JPH07197058A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH07197058A
JPH07197058A JP35460193A JP35460193A JPH07197058A JP H07197058 A JPH07197058 A JP H07197058A JP 35460193 A JP35460193 A JP 35460193A JP 35460193 A JP35460193 A JP 35460193A JP H07197058 A JPH07197058 A JP H07197058A
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oil
basic
lubricating
lubricating oil
amine compound
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JP35460193A
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Michihide Tokashiki
通秀 渡嘉敷
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性及び摩擦特性に優れ、特に自動車内
燃機関用潤滑油として好適な潤滑油組成物を提供するこ
と。 【構成】 潤滑油基油に対して、(a)平均炭素数が2
〜8の親油基を持ち、かつ、塩基性成分の含有率が30
〜100モル%の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩と、
(b)油溶性アミン化合物とを含有せしめてなることを
特徴とする潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油組成物に関し、
さらに詳しくは、耐摩耗性及び摩擦低減性に優れた潤滑
油組成物に関する。本発明の潤滑油組成物は、特に、自
動車内燃機関用潤滑油(エンジン油)として好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジン等の内燃機関
は、高出力化が進み、動弁系やシリンダ等のエンジン各
部は高温に曝され、しかも金属同士の単位時間当りの接
触回数が増大するなどの過酷な条件下に置かれるように
なった。このような厳しくなった条件下において、動弁
系やシリンダ等のエンジン各部に対するエンジン油の摩
耗防止特性が一層重要視されてきている。
【0003】エンジン油の性能向上のために、各種添加
剤が配合されてきた。例えば、ジチオりん酸亜鉛は、酸
化防止剤、腐食防止剤として働くほか、優れた摩耗防止
性能を有しており、その優れた多機能性と効果の両面か
らエンジン油や油圧作動油などにおいて広く使用されて
いる。エンジン油の摩耗防止特性を改善するために、ジ
チオりん酸亜鉛の添加量を増やすことが考えられるが、
その中に含まれるりん(P)が自動車の排気浄化触媒や
酸素センサーを被毒して排気ガス制御システムの能力を
著しく低下させるため、その添加量には限界がある。そ
こで、りんを含まない組成で優れた摩擦防止特性を有す
る潤滑油添加剤の開発が望まれているが、充分な性能を
有する添加剤を見出すのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性及び摩擦特性に優れ、特に自動車内燃機関用潤滑油
として好適な潤滑油組成物を提供することにある。本発
明者らは、新規物質として塩基性ジチオカルバミン酸亜
鉛などの塩基性ジチオカルバミン酸金属塩を合成し、潤
滑油添加剤としての性能評価を行った。ところが、塩基
性ジチオカルバミン酸金属塩のうち、親油基の鎖長が炭
素数8以下の短鎖のものは、潤滑油基油に対して難溶性
ないしは不溶性であり、潤滑油添加剤としては不適当な
ものであった。
【0005】そこで、本発明者らは、さらに短鎖の塩基
性ジチオカルバミン酸金属塩の油溶化の研究を行った結
果、短鎖の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩と油溶性ア
ミン化合物を組み合わせると、両者が反応して油溶性の
錯体を形成することを見出した。そして、潤滑油基油
に、短鎖の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩と油溶性ア
ミン化合物とを組み合わせて添加すると、汎用のジチオ
りん酸亜鉛または対応する中性ジチオカルバミン酸金属
塩を添加した場合と比較して、優れた耐摩耗性を示し、
摩擦特性も良好な潤滑油組成物の得られることを見出し
た。
【0006】ジチオりん酸亜鉛は、共存する他の添加剤
との相互作用によって耐摩耗性が失われることがあり、
例えば、こはく酸イミドやアルキルアミンなどの油溶性
アミン化合物との共存により耐摩耗性が減少することが
知られていた。したがって、短鎖の塩基性ジチオカルバ
ミン酸金属塩と油溶性アミン化合物との併用系の示す優
れた耐摩耗性は、極めて特異なものである。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、潤滑油基油に対して、(a)平均炭素数が2〜8の
親油基を持ち、かつ、塩基性成分の含有率が30〜10
0モル%の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩と、(b)
油溶性アミン化合物とを含有せしめてなることを特徴と
する潤滑油組成物が提供される。
【0008】短鎖の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩と
油溶性アミン化合物とは、潤滑油基油に対して、それぞ
れ独立に添加して、該潤滑油基油中で反応させて錯体化
させることができる。また、予め短鎖の塩基性ジチオカ
ルバミン酸金属塩と油溶性アミン化合物とを反応させて
錯体化したものを潤滑油基油に含有させると、より均一
な潤滑油組成物を容易に形成することができる。本発明
の潤滑油組成物は、他の各種添加剤を含有することがで
き、特に、硫化モリブデンジアルキルジチオカルバメー
トや硫化モリブデンジアルキルジチオホスフェートを配
合すると、摩擦係数を大幅に減少させることができる。
【0009】以下、本発明について詳述する。 (潤滑油基油)本発明で用いる潤滑油基油としては、特
に限定されず、従来公知の各種鉱油や合成潤滑油等が使
用できる。鉱油としては、潤滑油原料をフェノール、フ
ルフラール等の芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製して得
られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコ
バルト、モリブデン等の水素化処理触媒を用いた水素化
処理により得られた水素化処理油、またはワックスの異
性化により得られる潤滑油留分などの鉱油、例えば、6
0ニュートラル油、100ニュートラル油、150ニュ
ートラル油、300ニュートラル油、500ニュートラ
ル油、ブライトストックなどが挙げられる。合成潤滑油
としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、ポリブテ
ン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸
エステルなどが挙げられる。これらの基油は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0010】(塩基性ジチオカルバミン酸金属塩)本発
明で使用する塩基性ジチオカルバミン酸金属塩は、中性
塩であるジチオカルバミン酸金属塩とは異なる化合物で
ある。一般に、ジチオカルバミン酸金属塩(以下、MD
DCと略記)とは、下記一般式(1)で表わされる化合
物を指称する。
【0011】
【化1】 式中、R1 〜R4 は、アルキル基、アリール基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基などの親油基を示す。
Mは、亜鉛、銅、ニッケル、鉄、カドミウム、銀、鉛、
アンチモン、錫、ビスマスなどの金属原子を表す。
【0012】MDDCの中でも、金属原子(M)が亜鉛
(Zn)であるジチオカルバミン酸亜鉛(以下、ZDD
Cと略記)が代表的なものである。これらの親油基を一
括してRで表すと、MDDCは、M(R2NCS22
表される。R2NCS2をDTCで表すと、MDDCは、
M(DTC)2で表される。このM(DTC)2は、弱酸
性を示し、一般に中性ジチオカルバミン酸金属塩(中性
塩)(以下、N−MDDCという)と呼ばれている。
【0013】これに対して、塩基性塩(以下、塩基性成
分またはB−MDDCという)は、MDDC合成の際
に、塩基性の反応系に過剰の金属イオンを存在させると
生成する。塩基性成分が100モル%のものは、3モル
のM(DTC)2と1モルのMOとから形成された錯体
であり、一般式(2) [M(DTC)23・MO (2) で表される化合物である。この化合物は、M、DTC及
びOの組成比に基づいて、下記の一般式(3)、(4)
または(5)で表記することもできる。 M(DTC)2・1/3MO (3) (DTC)64O (4) (DTC)32OH (5)
【0014】本発明において、塩基性成分を30〜10
0%の割合で含有する短鎖のジチオカルバミン酸金属塩
を塩基性ジチオカルバミン酸金属塩として使用する。M
DDCにおける塩基性成分の含有率(モル%)は、次の
測定法に基づいて測定した値を意味する。即ち、試料M
DDCをM(DTC)2・aMOで表して、係数aの値
を測定すると塩基性成分の含有率が算出できる。
【0015】係数aの値を測定するには、先ず、試料M
DDCを、水分10重量%を含むイソプロピルアルコー
ルに溶解する。そして、N−MDDC成分を、1/10
NのNaOHで、フェノールフタレイン指示薬を用いて
滴定する(滴定I)。一方、MO成分を、1/10Nの
HClで、チモールブルー指示薬を用いて滴定する(滴
定II)。これらの滴定における反応式は、それぞれ次
のように表記できる。滴定I
【0016】
【化2】 滴定II
【0017】
【化3】 得られた測定結果から、次式(8)により係数aを算出
する。
【0018】
【化4】 塩基性成分の含有率(モル%)は、次式(9)により算
出する。 塩基性成分の含有率=a×3×100(モル%) (9) 係数aが1/3のとき、前記一般式(3)ないし(6)
で表される組成の化合物となり、塩基性成分の含有率
は、100モル%となる。本発明では、塩基性成分の含
有率が30モル%以上のMDDC(以下、塩基性MDD
Cという)を使用する。塩基性成分の含有率は、好まし
くは50〜100モル%、より好ましくは70〜100
モル%である。
【0019】本発明で使用する塩基性MDDCは、塩基
性成分の含有率が30〜100モル%であって、かつ、
前記一般式(1)中の4つの親油基R1 〜R4 の平均炭素
数が2〜8に相当するものである。ただし、R1 〜R
4 は、それぞれ独立に炭素数1〜29のアルキル基、炭
素数6〜29のアリール基、アルキルアリール基または
アリールアルキル基から選ばれる。つまり、R1 〜R4
それぞれは、比較的長鎖の親油基であってもよいが、こ
れらの親油基の平均炭素数が2〜8であることが必要で
ある。塩基性成分は、親油基の平均炭素数が8以下、特
に、各親油基の炭素数が8以下の場合には、通常、潤滑
油基油に対して難溶性ないしは不溶性であるため、それ
単独では潤滑油用の添加剤としては不適当であると考え
られるものである。なぜならば、潤滑油添加剤には、潤
滑油の機能を向上させること以外に、潤滑油基油に容易
に溶けて均一な組成物を形成することが要求されるから
である。
【0020】塩基性MDDCの親油基の平均炭素数が2
未満であると、油溶性アミン化合物と組み合わせても基
油に対する溶解性が悪いため、均一な潤滑油組成物を得
ることが困難である。逆に、平均炭素数が8を越える
と、基油に対する溶解性は向上する。親油基の平均炭素
数が3〜6の場合、本発明の目的がより効果的に達成さ
れる。なお、塩基性MDDCは、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】中性及び塩基性MDDCは、例えば、ジア
ルキルジチオカルバミン酸カリウムなどのDTCアルカ
リ金属塩を、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下に、
硝酸亜鉛などの硝酸金属塩と反応させることにより得る
ことができる。反応系に存在させる金属イオンの量を調
整することにより塩基性成分の含有率を調整することが
できる。
【0022】(油溶性アミン化合物)本発明で使用する
油溶性アミン化合物としては、例えば、ポリアルケニル
こはく酸イミド、ポリアルケニルこはく酸アミド、アル
キルベンジルアミンなどの無灰清浄分散剤、オレイルア
ミンや2−エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミ
ン、アルキルジアミン、及びアルキルポリアミンなどを
挙げることができる。
【0023】ポリアルケニルこはく酸イミド系の無灰清
浄分散剤には、例えば、ポリブテニルこはく酸無水物
に、ポリエチレンポリアミンなどのポリアミンを反応さ
せたものがある。本発明で使用するアミン化合物は、油
溶性であることが必要である。非油溶性のアミン化合物
を使用して塩基性MDDCと錯体を形成させても、難溶
性ないしは不溶性の塩基性MDDCを基油に溶解させる
ことは困難である。 (潤滑油組成物)親油基の平均鎖長が8以下の場合、塩
基性成分の含有率が30モル%以上の塩基性MDDC
は、潤滑油基油に対する溶解度が非常に低く、したがっ
て、それ単独では潤滑油添加剤として使用できないが、
油溶性アミン化合物と組み合わせることにより、溶解性
が改善され、汎用のジチオりん酸亜鉛より優れた耐摩耗
性を発揮するとともに、摩擦係数も低減する。
【0024】塩基性MDDCの溶解性が改善されるの
は、塩基性MDDCと油溶性アミン化合物とが反応して
錯体を形成するためであると考えることができる。即
ち、塩基性MDDCのMと油溶性アミン化合物の窒素原
子(N)とが配位結合して錯体を形成し、形成された錯
体は、油溶性アミン化合物の有する長い親油基の働きに
よって油溶性になるものと思われる。
【0025】塩基性MDDCの配合割合は、組成物全量
基準で、通常、0.05〜1.5重量%、好ましくは
0.1〜1.0重量%、より好ましくは0.2〜0.8
重量%である。塩基性MDDCの配合割合が少なすぎる
と耐摩耗性と摩擦低減性の効果が不充分であり、多すぎ
ると溶解性が悪くなる。油溶性アミン化合物の配合割合
は、通常、0.1〜10.0重量%、好ましくは0.2
〜8.0重量%、より好ましくは0.3〜5.0重量%
である。油溶性アミン化合物の配合割合が少なすぎる
と、塩基性MDDCの溶解性が不充分となり、多すぎる
とかえって耐摩耗性を減少させることがある。
【0026】塩基性MDDCと油溶性アミン化合物は、
それぞれ潤滑油基油に配合し、基油中で錯体を形成させ
てもよいが、予め両者の錯体を形成させてから基油に添
加すると、容易に溶解して均一な潤滑油組成物を得るこ
とができるので好ましい。予め塩基性MDDCと油溶性
アミン化合物との錯体を形成するには、例えば、両者を
比較的高濃度で含有する潤滑油基油を加熱する方法が好
ましい。例えば、塩基性MDDCを1.5〜7重量%
と、油溶性アミン化合物を1.5〜25重量%の割合で
含有する基油を、通常、40〜220℃、好ましくは1
20〜200℃で、通常、1〜60分間、好ましくは1
〜30分間撹拌すると、両者は錯体を形成して基油中に
均一に溶解する。加熱温度を高くするほど、短時間で錯
体を形成して均一に溶解する。得られた比較的高濃度の
錯体溶液を潤滑油基油で希釈すれば、所望の割合で両者
を含有する均一な潤滑油組成物を容易に得ることができ
る。
【0027】本発明の潤滑油組成物の用途は、自動車の
エンジン油をはじめ、ギア油、トランスアクルス油、作
動油、スピンドル油、マシン油等の耐摩耗性及び低摩擦
性を要求される全ての潤滑油が対象となる。本発明の潤
滑油組成物には、必要に応じて他の耐摩耗剤、摩擦低減
剤、無灰清浄分散剤、酸化防止剤、金属清浄剤、粘度指
数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤、腐食防止剤
などを適宜添加して使用することができる。
【0028】耐摩耗剤としては、例えば、ジチオりん酸
金属塩(金属=Zn、Pb、Sbなど)、中性ジチオカ
ルバミン酸金属塩(金属=Znなど)、硫黄化合物、り
ん酸エステル、亜りん酸エステル等を挙げることがで
き、これらは、通常、0.05〜5.0重量%の割合で
使用される。摩擦低減剤としては、例えば、アミン系、
りん酸エステル系、有機モリブデン化合物、高級アルコ
ールエステル等があり、これらは、通常0.05〜5.
0重量%の割合で使用される。これらの摩擦低減剤の中
でも、特に一般式(10)で表される硫化モリブデンジ
アルキルジチオカルバメート、及び一般式(11)で表
される硫化モリブデンジアルキルジチオホスフェートが
好ましい。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】 一般式(10)及び(11)において、Rとしては、2
−エチルヘキシル、n−オクチル、ノニル、デシル、ト
リデシル、オレイルなどの炭素数8〜18のアルキル基
やアルケニル基を挙げることができる。また、x+y=
4である。
【0031】無灰清浄分散剤としては、例えば、こはく
酸イミド系、こはく酸アミド系、ベンジルアミン系、エ
ステル系のもの等があり、これらは、通常、0.5〜
7.0重量%の割合で使用される。酸化防止剤として
は、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−
α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチル
アミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジターシャリ
ブチルフェノール、4,4′−メチレンビス−(2,6
−ジターシャリブチルフェノール)等のフェノール系酸
化防止剤等を挙げることができ、これらは、通常、0.
05〜2.0重量%の割合で使用される。
【0032】金属清浄剤としては、例えば、Ca−スル
ホネート、Mg−スルホネート、Ba−スルホネート、
Ca−フェネート、Ba−フェネート等のアルカリ土類
金属の中性塩や過塩基性塩があり、これらは、通常、
0.1〜5.0重量%の割合で使用される。粘度指数向
上剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート
系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合
体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体系等が挙げら
れ、これらは、通常、1〜35重量%の割合で使用され
る。
【0033】防錆剤としては、例えば、アルケニルこは
く酸またはその部分エステル等が挙げられる。消泡剤と
しては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリ
レート等が挙げられる。本発明の潤滑油組成物は、汎用
のジチオりん酸エステルよりも優れた耐摩耗性と同等の
酸化安定性を示し、摩擦特性も良好である。また、本発
明の潤滑油組成物は、硫化モリブデンジアルキルジチオ
ホスフェートなどの摩擦低減剤を添加することにより、
摩擦係数を大きく低減させることができる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0035】[合成実験例1]反応器に、ジノルマルプ
ロピルジチオカルバミン酸カリウム113.75g
(0.5281g−mole)とNaOH7.04g
(0.1760g−mole)を入れ、水を添加して溶
解させた。次いで、104.71g(0.3520g−
mole)のZn(NO32・6H2Oを含有する水溶
液を添加した。生じた白色固体の沈殿を濾過し、白色固
体をポンプで吸引乾燥した。このようにして得られた白
色固体をエーテルで洗浄し、エーテル溶液の方を採取し
て、石油エーテルを加え、冷蔵庫に放置して、塩基性ジ
ノルマルプロピルジチオカルバミン酸亜鉛(塩基性成分
100モル%;B−n−C3ZDDC)の結晶を得た。
【0036】[合成実験例2]ジノルマルプロピルジチ
オカルバミン酸カリウムに代えてジノルマルブチルジチ
オカルバミン酸カリウムを用いたこと以外は、合成実験
例1と同様にして塩基性ジノルマルブチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛(塩基性成分100モル%;B−n−C4
DDC)の結晶を得た。
【0037】[合成実験例3]反応器に、ジノルマルプ
ロピルジチオカルバミン酸カリウム113.75g
(0.5281g−mole)とNaOH7.04g
(0.1760g−mole)を入れ、水を添加して溶
解させた。次いで、78.53g(0.2640g−m
ole)のZn(NO32・6H2Oを含有する水溶液
を添加した。これ以外は、合成実験例1と同様にしてジ
ノルマルプロピルジチオカルバミン酸亜鉛(塩基性成分
0モル%;N−n−C3ZDDC)の結晶を得た。
【0038】[合成実験例4]ジノルマルプロピルジチ
オカルバミン酸カリウムに代えてジノルマルブチルジチ
オカルバミン酸カリウムを用いたこと以外は、合成実験
例3と同様にして、ジノルマルブチルジチオカルバミン
酸亜鉛(塩基性成分0モル%;N−n−C4ZDDC)
の結晶を得た。
【0039】[合成実験例5]Zn(NO32・6H2
Oの添加量を調整したこと以外は、合成実験例1と同様
にして塩基性成分が35モル%のジチオカルバミン酸亜
鉛(塩基性成分35モル%;B−n−C3ZDDC)の
結晶を得た。
【0040】[合成実験例6]Zn(NO32・6H2
Oの添加量を調整したこと以外は、合成実験例1と同様
にして塩基性成分が25モル%のジチオカルバミン酸亜
鉛(塩基性成分25モル%;B−n−C3ZDDC)の
結晶を得た。
【0041】[実施例1]撹拌機付きの反応器中で、表
1に示す親油基の炭素数が3または4の塩基性ZDDC
(前記各合成実験例で合成したもの)、油溶性アミン化
合物、及び潤滑油基油を混合し、180℃で10分間加
熱・撹拌した。油溶性アミン化合物としてポリアルケニ
ルこはく酸イミドを用いた場合には、鉱油に塩基性ZD
DC1.5重量%とポリアルケニルこはく酸イミド1
8.0重量%を含有せしめた混合物を用いた。油溶性ア
ミン化合物としてオレイルアミンを用いた場合には、鉱
油に塩基性ZDDC1.5重量%とオレイルアミン2.
25重量%を含有しめた混合物を用いた。加熱・攪拌
後、均一な混合物を得た。ついで、この混合物を塩基性
ZDDCの割合が表1に示す割合となるように60℃の
基油で希釈して潤滑油組成物を調製した。比較のため、
塩基性ZDDC単独の場合、あるいは通常のZDDC
(中性塩)を用いた場合についても表1に示す。
【0042】使用した基油と添加剤は、次のとおりであ
る。 (1)基油 鉱油:油剤精製100−SN鉱油(100ニュートラル
鉱油) (2)ジチオカルバミン酸亜鉛(添加量はN−ZDDP
としての値) B−n−C3ZDDC:塩基性ジノルマルプロピルジ
チオカルバミン酸亜鉛(塩基性成分100モル%) B−n−C4ZDDC:塩基性ジノルマルブチルジチ
オカルバミン酸亜鉛(塩基性成分100モル%) N−n−C3ZDDC:ジノルマルプロピルジチオカ
ルバミン酸亜鉛(塩基性成分0モル%) N−n−C4ZDDC:ジノルマルブチルジチオカル
バミン酸亜鉛(塩基性成分0モル%) B−n−C3ZDDC:塩基性ジノルマルプロピルジ
チオカルバミン酸亜鉛(塩基性成分35モル%) B−n−C3ZDDC:塩基性ジノルマルプロピルジ
チオカルバミン酸亜鉛(塩基性成分25モル%) (3)油溶性アミン化合物 こはく酸イミド:市販ポリブテニルこはく酸イミド系
清浄分散剤 オレイルアミン
【0043】<溶解性試験>塩基性ZDDCまたは中性
ZDDCの溶解性については、基油で希釈して潤滑油組
成物を調製した直後に、目視により観察し、次の2段階
で評価した。 ○:均一に溶解、 ×:沈殿物が認められる。 結果を一括して表1に示す。
【0044】
【表1】 表1から明らかなように、短鎖の塩基性ZDDCは、基
油に対して難溶性であるが、油溶性アミン化合物と錯体
を形成させることにより、溶解性が向上し、基油中に均
一に溶解する。
【0045】[実施例2]本発明の潤滑油組成物につい
て、耐摩耗性と摩擦係数低減の各効果を評価するため、
シェル四球式耐摩耗性試験を行った。潤滑油組成と試験
条件は、次の通りである。100−SN鉱油に表2の配
合割合で各添加剤を添加して、試験に供した。なお、塩
基性または中性ZDDCとしては、前記各合成実験例で
合成したものを使用し、予め高濃度で前記こはく酸イミ
ドまたはオレイルアミンで錯体化処理(高濃度での加熱
処理)を行ったものを使用した。また、比較のための市
販のジチオりん酸亜鉛(ZDDP)を使用した。
【0046】<耐摩耗性試験>シェル四球式試験の条件
は、荷重40kg、油温90℃、回転数3600rp
m、試験時間30分である。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】 (脚注) *:希釈油に薄められたもので、有効成分は約50%
(第1級C4/C5アルキル基)。
【0048】表2の結果から明らかなように、本発明の
潤滑油組成物は、汎用のジチオりん酸亜鉛(ZDDP)
よりも良好な耐摩耗性を示し、摩擦係数も良好であり、
無りんまたは極低りんの潤滑油組成物として充分な性能
を有するものである。また、本発明の潤滑油組成物は、
対応する中性ZDDCよりも耐摩耗性及び摩擦係数低減
効果に優れている。さらに、本発明の潤滑油組成物は、
摩擦低減剤である硫化モリブデンジチオカルバメートを
添加することにより、より優れた摩擦係数を示す。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性、摩擦特性、
酸化安定性等に優れた潤滑油組成物が提供される。本発
明の潤滑油組成物は、従来のジチオりん酸亜鉛や中性ジ
チオカルバミン酸金属塩を添加した潤滑油組成物に比べ
て優れた耐摩耗性を示し、摩擦係数低減効果(摩擦特
性)も良好である。しかも、本発明の潤滑油組成物は、
無りんまたは極低りんとすることができるため、特に、
内燃機関用潤滑油組成物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:06 133:56) (C10M 159/18 135:18 133:06 133:56) C10N 10:04 10:12 30:06 30:10 40:25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に対して、(a)平均炭素数
    が2〜8の親油基を持ち、かつ、塩基性成分の含有率が
    30〜100モル%の塩基性ジチオカルバミン酸金属塩
    と、(b)油溶性アミン化合物とを含有せしめてなるこ
    とを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 (a)塩基性ジチオカルバミン酸金属塩
    と(b)油溶性アミン化合物とが錯体を形成している請
    求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑油基油に対して、(a)塩基性ジチ
    オカルバミン酸金属塩と(b)油溶性アミン化合物とを
    反応させて得られる錯体を添加してなる請求項2記載の
    潤滑油組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5638600B2 (ja) * 2010-03-02 2014-12-10 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 合成ガスの製造方法
JP2015507068A (ja) * 2012-02-15 2015-03-05 トータル・マーケティング・サービシーズ トランスミッション用潤滑剤組成物

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