JPH07196316A - 立方体状炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

立方体状炭酸カルシウムの製造方法

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JPH07196316A
JPH07196316A JP35059093A JP35059093A JPH07196316A JP H07196316 A JPH07196316 A JP H07196316A JP 35059093 A JP35059093 A JP 35059093A JP 35059093 A JP35059093 A JP 35059093A JP H07196316 A JPH07196316 A JP H07196316A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】炭酸塩溶液、カルシウム塩溶液に反応緩衝剤を
添加して調整される、炭酸塩溶液及びカルシウム塩溶液
を混合し炭酸カルシウムを製造するに際し、炭酸塩溶液
をカルシウム塩溶液中、又はカルシウム塩溶液を炭酸塩
溶液中に、70〜1200秒の時間内で滴下混合し、混
合系内温度を5〜40℃に維持し炭酸化反応を行い、混
合終了後90秒以上経過後、混合溶液に水溶性塩又は水
溶性酸を、混合系内に存在する炭酸カルシウムに対し
0.01〜5重量%添加し、さらに炭酸カルシウムの水
懸濁液を水洗し、下記の要件を充たすように調製し粒子
径が0.1〜20μmの立方形状炭酸カルシウムを得
る。(ア)炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸濁液中
におけるアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンの存
在量の総和が500ppm以下。(イ)炭酸カルシウム
濃度が3重量%の水懸濁液の電気電導度が1000μS
/cm以下。 【効果】二次凝集がほとんど無く、分散性が良好で個々
の粒子が均一、かつ高温安定性、経時安定性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次凝集がほとんど無
く、分散性が良好で個々の粒子が均一、かつ高温安定
性、経時安定性の優れた立方体状炭酸カルシウムの製造
方法に関する。更に詳しくは、粒子形状が立方体状であ
り、該粒子の一辺長が0.10〜20.0μmの範囲で
任意に選択でき、個々の粒度の揃った化学的に安定な炭
酸カルシウムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムはその原料である石灰石
が国内で豊富に産出するため安価な事、白色度が高い
事、無害である事、各種粒度の製品が得られる事等か
ら、ゴム、プラスチック用の充填剤、塗料、インク用の
体質顔料、紙すき込み用の填料、紙コート用顔料、医
薬、化粧品、食品、農業用等の添加剤として多方面の分
野に利用されている。
【0003】この炭酸カルシウムは一般に石灰石を機械
的に粉砕し、該粉砕物を分級する事により各種グレード
に調整される重質炭酸カルシウムと、石灰石を高温で焼
成して得られる生石灰と水を反応させ石灰乳を調整後、
石灰乳中に石灰石焼成時に発生する炭酸ガスを導通させ
炭酸カルシウムを合成する炭酸ガス化合プロセス、石灰
乳に炭酸ソーダを反応させる石灰ソーダプロセス、塩化
カルシウムに炭酸ソーダを反応させるソーダプロセス等
の化学的方法により調整される沈降製炭酸カルシウム
(合成炭酸カルシウム)の2種に大別される。
【0004】上記重質炭酸カルシウムはその製法上の理
由から粒度分布がブロードであり、かつ一定以上の微細
度を有する炭酸カルシウムは現在の粉砕、分級技術では
製造できないという欠点を有しており、高度な工業用途
には使用できない。一方、沈降製炭酸カルシウムについ
ては、一般的に経済的な観点から炭酸ガス化合プロセス
を用いて製造されるが、該炭酸ガス化合プロセスを用い
て製造された合成炭酸カルシウムは、一次粒子形状は比
較的揃っているものの、通常一次粒子が凝集又は集合
し、二次粒子(一次粒子の凝集体粒子)を形成し易い性
質を有しているため、湿式粉砕機等による湿式粉砕等の
後加工を行わない条件で、全く二次粒子を含有しない沈
降製炭酸カルシウムを製造する事は、従来の技術では不
可能であるという欠点を有しており、特に高度な工業用
途には使用できない。
【0005】また、塩化カルシウム等の可溶性カルシウ
ム塩に炭酸ソーダ等の可溶性炭酸塩を反応させるソーダ
プロセスについては、例えば特開平3−50116に示
されているように、バテライト型結晶の球状炭酸カルシ
ウムが混在した炭酸カルシウムが得られやすく、このバ
テライト型炭酸カルシウムは加熱、摩砕等の物理的処理
によりカルサイト型炭酸カルシウムやアラゴナイト型炭
酸カルシウムに転移してしまうという不安定さを有して
おり、常温の水中においても長時間放置すると容易にカ
ルサイト型炭酸カルシウムに転移してしまうという欠点
を有している。また従来のソーダプロセスで得られる立
方形状炭酸カルシウムは、一次粒子の凝集による多数の
二次粒子を有しているのみならず、個々の一次粒子の大
きさが均一でなく、高度な工業用途には使用できなかっ
た。
【0006】現在炭酸カルシウムは、前記用途のみなら
ずフィルム、繊維のブロッキング防止剤等の各種高度な
工業用途への使用が検討されており、炭酸カルシウム粒
子の分散性、粒子の均一性、粒度分布のシャープさ及び
粒子径の任意設定、高温安定性、長期経時安定性等の物
性の高度な改善が熱望されている。
【0007】例えばオーディオテープ、ビデオテープ等
の磁気テープ、コンデンサー用、写真用、包装用、OH
P用等に用いられるポリエステルフィルムにおいては、
その滑り性がフィルムの製造工程及び各用途における加
工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良否を
左右する大きな要因となっている。この滑り性が不十分
な場合、例えばポリエステルフィルム表面に磁性層を塗
布し、磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時
におけるコーティングロールとフィルム表面との摩擦が
激しく、またこれによるフィルム表面の摩耗も激しく、
極端な場合はフィルム表面へのしわ、擦傷等が発生す
る。また磁性層塗布後のフィルムをスリットしてオーデ
ィオ、ビデオ、またはコンピューター用テープ等に加工
した後でも、リールやカセット等からの引出し、巻き上
げその他の操作の際に、多くのガイド部、再生ヘッド等
との間で摩耗が著しく生じ、擦傷、歪の発生、さらには
ポリエステルフィルム表面の削れ等による白粉状物質を
析出させる結果、磁気記録信号の欠落、即ちドロップア
ウトの大きな原因となることが多い。
【0008】従来、ポリエステルの摩擦係数を低下させ
る方法としては、ポリエステル中に微粒子を含有せし
め、成形品の表面に微細で適度な凹凸を与えて成形品の
表面滑性を向上させる方法が数多く提案されている。こ
れらポリエステルフィルムの表面の凹凸を形成する粒子
は、その大きさが大きいほど滑り性の改良効果が大であ
るのが一般的であるが、磁気テープ、特にビデオ用のご
とき精密用途には、その粒子が大きいこと自体がドロッ
プアウト等の欠点発生の原因ともなり得るため、フィル
ム表面の凹凸は出来るだけ均一で且つ微細である必要が
あり、これら相反する特性を同時に満足すべき要求がな
されているのが現状である。しかし、従来の方法によっ
て調整された炭酸カルシウムは、個々の粒子の高度な分
散性、粒子の均一性、粒度分布のシャープさ及び粒子径
の任意設定、高温安定性、長期経時安定性等の物性が不
可欠とされる様な工業用途、例えば5μm以下のフィル
ム、特に8mmビデオデッキ等に使用される8mmビデ
オテープに使用されるポリエステルのベースフィルム
や、膜厚2.5μm 程度のコンデンサー用フィルム等の
ポリエステルフィルムのブロッキング防止剤として使用
する事はできず、炭酸カルシウム粒子の分散性、粒子の
均一性、粒度分布のシャープさ及び粒子径の任意設定、
高温安定性、長期経時安定性等の高度な改善が各方面か
ら熱望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度な工業
用途に有用で、分散性が良好で、不必要な微小粒子や粗
大一次粒子を含有せず粒子の大きさが極めて均一で、粒
度分布がシャープで取り得る粒度範囲が広くかつ任意に
粒子径を設定でき、高温安定性、長期経時安定性が極め
て良好な炭酸カルシウムを簡便かつ安価に提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意検討の結果、特定量の反応緩衝剤を含
有せしめた条件下で、特定濃度で且つ特定割合の炭酸塩
溶液とカルシウム塩溶液を、特定温度、特定時間内にお
いて混合し、混合特定時間後特定の添加剤を特定割合添
加し、水洗の後特定の物性を付与することにより、得ら
れる炭酸カルシウム粒子の分散性、粒子の均一性を改良
し、粒度分布がシャープで、取り得る粒度範囲が広く、
且つ任意にその粒子径を設定でき、高温安定性、長期経
時安定性が極めて良好な、実質的にカルサイト型の結晶
型により構成される立方体状炭酸カルシウム粒子を安価
且つ簡便に得られる事を見いだし本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は炭酸塩溶液及びカルシウム
塩溶液の何れか一方又はその両者に、0.001〜2.
0mol/l の反応緩衝剤を添加して調製される、炭酸イオ
ン濃度が0.1〜3.0mol/l の炭酸塩溶液と、カルシ
ウムイオン濃度が0.1〜3.0mol/l 、且つ炭酸イオ
ンに対するカルシウムイオン濃度比が0.5〜2.0の
カルシウム塩溶液を混合し炭酸カルシウムを製造するに
際し、炭酸塩溶液をカルシウム塩溶液中、又はカルシウ
ム塩溶液を炭酸塩溶液中に、70〜1200秒の時間内
で滴下混合せしめ、混合系内温度を5〜40℃に維持し
て炭酸化反応を行い、炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の
混合終了後90秒以上経過した後、混合溶液にカルシウ
ムと反応して水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又
は水溶性酸を、混合系内に存在する炭酸カルシウムに対
し0.01〜5重量%添加し、さらに得られる炭酸カル
シウムの水懸濁液を水洗し、下記(ア)、(イ)の要件
を充たすように調製する、分散性が良好で且つ経時的に
安定な粒子径が0.1〜20μm の立方形状炭酸カルシ
ウムの製造方法を内容とする。 (ア)炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸濁液中にお
けるアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンの存在量
の総和が500ppm以下。 (イ)炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸濁液の電気
電導度が1000μS/cm以下。
【0012】本発明の方法により調製される炭酸カルシ
ウムの特徴を以下に列記する。 高温安定性、長期経時安定性が極めて良好な立方体状
炭酸カルシウムである。 本質的な形状は立方形状であるが、従来の方法により
調製される立方形状炭酸カルシウムと比較して、頂点の
角部分及びエッジ部分が丸みを有しており、シャープな
ナイフ状のエッジ部分が極めて少ない。この理由は定か
ではないが、本発明の炭酸カルシウムの一次粒子は本質
的にはカルサイト型の結晶型で構成されているものの、
該一次粒子の表面の一部及び一次粒子内部の一部が非晶
質炭酸カルシウム及び/又はバテライト型結晶の炭酸カ
ルシウムによって構成されているためであろうと推測さ
れる。 以下(a)〜(h)の物性を充たす。 (a)0.1≦DS1≦20.0 (b)DS2=(π/6)1/3 ×DS1 (c)1.15≦DP3/DS1≦1.40 (d)0.90≦DP3/DS2≦1.15 (e)1.0≦DP2/DP4≦2.0 (f)1.0≦DP1/DP5≦2.5 (g)(DP2−DP4/DP3)≦0.5 (h)S≦0.5 但し DS1 :走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭酸
カルシウム粒子の一辺長の平均(μm) DS2 :走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭酸
カルシウム粒子の一辺長の平均(μm)より体積換算し
て得られる球の直径(μm) DP1 :遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA-CP
3) を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径
側から起算した重量累計10%の時の粒子径(μm) DP2 :遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA-CP
3) を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径
側から起算した重量累計25%の時の粒子径(μm) DP3 :遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA-CP
3) を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径
側から起算した重量累計50%の時の粒子径(μm) DP4 :遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA-CP
3) を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径
側から起算した重量累計75%の時の粒子径(μm) DP5 :遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA-CP
3) を用いて測定した粒度分布において、大きな粒子径
側から起算した重量累計90%の時の粒子径(μm) Di :走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭酸
カルシウム個々の粒子の一辺長(μm) S :相対標準偏差
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する炭酸塩としては、ナトリウム、カリウム、アン
モニウムの炭酸塩が挙げられ、これらは単独又は2種組
み合わせて用いられるが、中でも経済性の観点から炭酸
ナトリウムを好ましく用いることができる。該炭酸塩を
水に溶解し炭酸イオン溶液を調整する。炭酸塩溶液の濃
度は求める粒子径や設定温度、反応緩衝剤量、カルシウ
ム塩との比、反応時間等によって異なるが、0.10〜
3.0mol/l であればよい。本発明により得られる炭酸
カルシウムの一次粒子個々のの粒子径の均一性を表す指
標となる前述の相対標準偏差を0.4以下にする場合、
0.30〜2.5mol/l が好ましく、相対標準偏差を
0.3以下にする場合0.50〜2.0mol/lが特に好
ましい。炭酸塩の濃度が0.10mol/l 未満の場合、経
済的に不利であるばかりではなく、前述のような特徴を
有する本発明の炭酸カルシウムは得られない。
【0014】本発明に使用するカルシウム塩としては、
塩化カルシウム、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、
臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の水溶性カルシウ
ム塩を例示でき、これらは単独又は2種以上組み合わせ
て用いられるが、中でも経済性の観点から塩化カルシウ
ムを好ましく用いることができる。該カルシウム塩を水
に溶解しカルシウムイオン溶液を調整する。カルシウム
塩溶液の濃度は求める粒子径や設定温度、反応緩衝剤
量、炭酸塩との比、反応時間等によって異なるが、0.
10〜3.0mol/l であればよい。本発明により得られ
る炭酸カルシウムの一次粒子個々の粒子径の均一性を表
す指標となる前述の相対標準偏差を0.4以下にする場
合、0.30〜2.5mol/l が好ましく、相対標準偏差
を0.3以下にする場合0.50〜2.0mol/l が特に
好ましい。カルシウム塩の濃度が0.10mol/l 未満の
場合、経済的に不利であるばかりではなく、前述のよう
な特徴を有する本発明の炭酸カルシウムは得られない。
【0015】炭酸塩溶液中の炭酸イオンに対するカルシ
ウム塩溶液中のカルシウムイオン濃度比は0.5〜2.
0であればよく、好ましくは0.75〜1.33、更に
好ましくは0.89〜1.13である。濃度比が2.0
を超えた場合、及び0.5未満の場合、反応に寄与しな
い炭酸イオンまたはカルシウムイオンが反応に悪影響を
与え好ましくない。
【0016】次に、上記方法により調製される炭酸塩溶
液、またはカルシウム塩溶液、あるいはその両者に反応
緩衝剤を添加する。本発明で使用する反応緩衝剤として
は電解質であればよいが、アルカリ金属又はアンモニウ
ムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物から選ばれる1種以上を好
ましく使用する事ができ、中でも経済的な観点からナト
リウム、カリウムの水酸化物、硫酸塩が特に好ましい。
添加する反応緩衝剤の量は、合計量として0.001〜
2.0mol/lであればよいが、炭酸塩及びカルシウ
ム塩の濃度を超えないことが望ましい。また反応緩衝剤
は、炭酸塩溶液にのみ添加されることが好ましい。反応
緩衝液の量が0.001mol/l未満の場合、不安定
な非晶質炭酸カルシウム、またはバテライト型の炭酸カ
ルシウムが多量に混在するため好ましくなく、2.0m
ol/lを超える場合、個々の一次粒子が不均一なカル
サイト結晶の炭酸カルシウムが多数混在し、本発明の目
的とする特徴のある炭酸カルシウムは得られない。
【0017】次に、上記方法により調製された反応緩衝
剤の添加された炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液を混合し
て炭酸化反応を行うが、その混合方法は炭酸塩溶液をカ
ルシウム塩溶液に滴下混合してもよく、またカルシウム
塩溶液を炭酸塩溶液に滴下混合してもよいが、調製され
る炭酸カルシウムの安定性の観点から後者の方法が好ま
しい。また、滴下混合時間は、一方の塩溶液を他方の塩
溶液に滴下混合開始してから70秒以上1200秒以下
で滴下混合を終了すればよく、本発明により得られる炭
酸カルシウムの一次粒子個々の粒子径の均一性を表す指
標となる前述の相対標準偏差を0.4以下にする場合、
180秒以上900秒以下が好ましく、相対標準偏差を
0.3以下にする場合240秒以上600秒以下が特に
好ましい。滴下混合を70秒未満の短時間で行った場
合、バテライト型の球状炭酸カルシウムが多量に混在す
るため好ましくなく、1200秒を超えて滴下混合した
場合、鋭利なエッジを有する相対標準偏差が0.5を超
える立方形状カルサイト結晶の炭酸カルシウムが調製さ
れ、好ましくない。上記炭酸化反応系内の温度は、5〜
40℃に維持されればよいが、一次粒子の均一化の観点
から、10〜30℃に維持されるのが好ましく、15〜
20℃がさらに好ましい。また混合前の塩溶液各々の温
度に特別の制限はないが、各々の塩溶液の温度差は、2
0℃以下が好ましく、10℃以下がさらに好ましい。
【0018】次に、炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液を混
合した混合液に、混合終了後90秒以上経過した後、好
ましくは120〜600秒の時間内に、さらに好ましく
は150〜360秒の時間内に、カルシウムと反応して
水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸
を、混合系内に存在する炭酸カルシウムに対し0.01
〜5重量%添加する。カルシウムと反応して水不溶性又
は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸の添加を炭酸
塩溶液とカルシウム塩溶液混合後90秒未満に行った場
合、得られる炭酸カルシウム中に不定型の粒子が混在し
好ましくない。また、カルシウムと反応して水不溶性又
は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸の添加量が
0.01重量%未満の場合、粒子表面が崩壊した炭酸カ
ルシウムが得られ易く、5重量%を超える場合、炭酸カ
ルシウムそのものに欠陥は生じないが、得られる炭酸カ
ルシウムを多種多用途の工業用目的に使用する場合、用
途が制限されるおそれがあり好ましくない。本発明の方
法において、カルシウムと反応して水不溶性又は難溶性
塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸を添加する範囲時間内
で、且つカルシウムと反応して水不溶性又は難溶性塩を
生じる水溶性塩又は水溶性酸を添加する前に、炭酸化反
応を完全に終了させる目的でアルカリ金属又はアンモニ
ウムの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の電解質を、本発明に
用いる反応緩衝剤の3倍量以下の範囲で添加してもかま
わないが、この場合、最終的にはこれら電解質を除去す
る。
【0019】本発明に用いる、カルシウムと反応して水
不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸とし
て特別の限定はないが、脂肪酸またはその塩、樹脂酸ま
たはその塩、燐酸、燐酸エステル、燐酸塩、α,βモノ
エチレン性不飽和ポリカルボン酸またはその塩が共重合
された共重合物等を例示でき、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられるが、中でも燐酸のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、α,βモノエチレン性不飽和ポ
リカルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩を好ま
しく用いることができ、ヘキサメタ燐酸、トリポリリン
酸等の縮合燐酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩の使
用が特に好ましい。
【0020】次に、以上の方法により調製される炭酸カ
ルシウムを含む水懸濁液を水洗し、炭酸カルシウム濃度
が3重量%の水懸濁液中におけるアンモニウムイオン、
アルカリ金属イオンの存在量の総和が500ppm以
下、該水懸濁液の電気電導度が1000μS/cm以下
に調製することにより、本発明は達成される。本発明に
より得られる炭酸カルシウムの分散をさらに良好化させ
るためには、水懸濁液中におけるアンモニウムイオン、
アルカリ金属イオンの存在量の総和が100ppm以
下、該水懸濁液の電気電導度が300μS/cm以下に
調製することが好ましく、工業用途がコンデンサーフィ
ルム等の特に高度な分散性を要求される分野において
は、20ppm以下、100μS/cm以下に調製する
ことがさらに好ましく、10ppm以下、50μS/c
m以下に調製することが最も好ましい。水洗の方法につ
いては特に制限はなく、通常遠心分離機、脱水機、ロー
タリーフィルター等を用い濃縮、水希釈を繰り返せばよ
い。アンモニウムイオン、アルカリ金属イオンの存在量
の総和が500ppmを超えるか、あるいは水懸濁液の
電気電導度が1000μS/cmを超える場合、前述の
(c)〜(g)の特徴を充たすことのできない、分散性
の劣った炭酸カルシウムが調製されることになり好まし
くない。
【0021】以上のような本発明の方法により調製され
る炭酸カルシウムは、二次凝集がほとんど無く、分散性
が良好で個々の粒子が均一、かつ高温安定性、経時安定
性の優れた立方体状炭酸カルシウムであるため、従来炭
酸カルシウムが使用されてきた工業用途は言うまでもな
く、ポリエステル等の合成繊維、ポリエステル、ポリオ
レフィン等の合成樹脂フィルムのブロッキング防止剤等
の高度な工業分野に応用できる。本発明の方法により調
製される炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム粒子の分散
性、安定性等をさらに高めるため、あるいは目的用途に
応じ、有機酸、例えば脂肪酸、樹脂酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸、酒石酸、
燐酸、縮合燐酸、フッ酸等の無機酸、それらのポリマ
ー、それらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩 アルカ
リ土類金属塩、又はそれらのエステル類等の表面処理
剤、シラン、チタン等のカップリング剤、界面活性剤等
の分散剤等を、常法に従い表面処理し、使用されるのが
好ましく、一般に炭酸カルシウムに対し5重量%以下の
量が使用される。本発明の方法により調製される炭酸カ
ルシウムは、脱水濃縮した後乾燥粉砕し、粉体として各
種用途に用いる事ができることはもちろん、用途に応じ
て水懸濁液の状態、あるいは他の溶媒の懸濁液としても
有用である。例えば高度なポリエステルフィルムのブロ
ッキング防止剤として本発明の方法による炭酸カルシウ
ムを用いる場合、エチレングリコール懸濁液として利用
可能である。また本発明の方法により調製される炭酸カ
ルシウムは、工業用途に用いられる他の粒子、例えばポ
リエステルフィルムの分野においては、カオリン、タル
ク、カーボンブラック、硫化モリブデン、石膏、酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化カ
ルシウム、ゼオライト、燐酸カルシウム、二酸化珪素、
二酸化チタン、耐熱性の高分子微粒子等と併用してなん
らさしつかえない。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0023】実施例1 1.0モル/1リッターの濃度の炭酸ナトリウム溶液
(炭酸イオン溶液)、1.0モル/1リッターの濃度の
塩化カルシウム溶液(カルシウムイオン溶液)、及び
0.03モル/1リッターの水酸化ナトリウム溶液(反
応緩衝剤)を各々100リッター調製した。該水酸化ナ
トリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液を混合し混合液を調
製し、該混合液と塩化ナトリウム溶液の液温を共に1
7.0℃に調製した。次に塩化ナトリウム溶液100リ
ッターを水酸化ナトリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液の
混合液200リッターに滴下し、撹拌条件下炭酸化反応
を行い、滴下開始270秒後に滴下供給を終了した。滴
下終了180秒後、反応系内に存在する炭酸カルシウム
理論生成量の0.4重量%相当量のヘキサメタ燐酸ナト
リウムを添加し、さらに5分間撹拌した。以上のように
して調製された炭酸カルシウムの水懸濁液を遠心脱水機
を用いて濃縮し、濃縮液に水を加え希釈し撹拌後、再度
希釈液を遠心脱水機を用いて濃縮した。得られた炭酸カ
ルシウムの3重量%の水懸濁液のアンモニウムイオン及
びアルカリ金属イオンの総和を測定したところ8ppm
であり、その電気電導度を測定したところ30μS/c
mであった。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観
察した結果、その形状は頂点及びエッジ部分に丸みを有
する立方体状の炭酸カルシウムであった。また、X線回
折により観察した結果、得られた炭酸カルシウムの結晶
型は、ほぼカルサイトであることが確認された。本実施
例の製造条件を表1に、得られた炭酸カルシウムの物性
を表8に、電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0024】実施例2〜11、15〜29 xモル/1リッターの濃度の炭酸ナトリウム溶液(炭酸
イオン溶液)、yモル/1リッターの濃度の塩化カルシ
ウム溶液(カルシウムイオン溶液)、及びzモル/1リ
ッターの水酸化ナトリウム溶液(反応緩衝剤)を各々1
00リッター調製した。該水酸化ナトリウム溶液と炭酸
ナトリウム溶液を混合し混合液を調製し、該混合液と塩
化ナトリウム溶液の液温を共にT℃に調製した。次に塩
化ナトリウム溶液100リッターを水酸化ナトリウム溶
液と炭酸ナトリウム溶液の混合液200リッターに滴下
し、撹拌条件下炭酸化反応を行い、滴下開始θ1秒後に
滴下供給を終了した。滴下終了θ2秒後、反応系内に存
在する炭酸カルシウム理論生成量のM重量%相当量のヘ
キサメタ燐酸ナトリウムを添加し、さらに5分間撹拌し
た。以上のようにして調製された炭酸カルシウムの水懸
濁液を遠心脱水機を用いて濃縮し、濃縮液に水を加え希
釈し撹拌後、再度希釈液を遠心脱水機を用いて濃縮し
た。得られた炭酸カルシウムの3重量%の水懸濁液のア
ンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの総和を測定
したところHppmであり、又その電気電導度を測定し
たところLμS/cmであった。得られた炭酸カルシウ
ムを電子顕微鏡で観察した結果、その形状は共に頂点及
びエッジ部分に丸みを有する立方体状の炭酸カルシウム
であった。また、X線回折により観察した結果、得られ
た炭酸カルシウムの結晶型は共に、ほぼカルサイトであ
ることが確認された。本実施例の製造条件を表1、2、
3、4、5に、得られた炭酸カルシウムの物性を表9、
10、11、12、13、14に示す。また、実施例2
及び3で得られた炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を図
2、3に示す。
【0025】実施例12〜14 xモル/1リッターの濃度の炭酸ナトリウム溶液(炭酸
イオン溶液)、yモル/1リッターの濃度の塩化カルシ
ウム溶液(カルシウムイオン溶液)、及びzモル/1リ
ッターの硫酸ナトリウム溶液(反応緩衝剤)を各々10
0リッター調製した。該水酸化ナトリウム溶液と炭酸ナ
トリウム溶液を混合し混合液を調製し、該混合液と塩化
ナトリウム溶液の液温を共にT℃に調製した。次に塩化
ナトリウム溶液100リッターを水酸化ナトリウム溶液
と炭酸ナトリウム溶液の混合液200リッターに滴下
し、撹拌条件下炭酸化反応を行い、滴下開始θ1秒後に
滴下供給を終了した。滴下終了θ2秒後、反応系内に存
在する炭酸カルシウム理論生成量のM重量%相当量のヘ
キサメタ燐酸ナトリウムを添加し、さらに5分間撹拌し
た。以上のようにして調製された炭酸カルシウムの水懸
濁液を遠心脱水機を用いて濃縮し、濃縮液に水を加え希
釈し撹拌後、再度希釈液を遠心脱水機を用いて濃縮し
た。得られた炭酸カルシウムの3重量%の水懸濁液のア
ンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの総和を測定
したところHppmであり、又その電気電導度を測定し
たところLμS/cmであった。得られた炭酸カルシウ
ムを電子顕微鏡で観察した結果、その形状は共に頂点及
びエッジ部分に丸みを有する立方体状の炭酸カルシウム
であった。また、X線回折により観察した結果、得られ
た炭酸カルシウムの結晶型は共に、ほぼカルサイトであ
ることが確認された。本実施例の製造条件を表2、3
に、得られた炭酸カルシウムの物性を表11に示す。
【0026】比較例1〜13 製造条件を表6、7、8に示す条件に変更することを除
き他は実施例2と同様の方法で炭酸カルシウムを調製し
た。得られた炭酸カルシウムの物性を表15、16、1
7に示す。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡及びX
線回折で観察した結果を以下に列記する。また比較例
1、9で得られた炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を図
4、5に示す。 比較例1 :ナイフエッジ状のシャープな頂点及び辺を
有するカルサイト形状の立方型の炭酸カルシウムであ
り、大小色々な粒子径の一次粒子が存在する。 比較例2 :カルサイト形状の立方型の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例3 :カルサイト形状の立方型の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例4 :バテライト結晶の球状炭酸カルシウムが多
数混在している。 比較例5 :カルサイト形状の立方型の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例6 :カルサイト形状の立方型の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例7 :バテライト結晶の球状炭酸カルシウムが多
数混在している。 比較例8 :ナイフエッジ状のシャープな頂点及び辺を
有するカルサイト形状の立方型の炭酸カルシウムが凝集
している。 比較例9 :粒子表面が崩壊し、粒子表面に多数のナイ
フエッジ状のシャープな頂点及び辺を有すると共に、多
数の空穴が存在するカルサイト型の炭酸カルシウム。 比較例10:バテライト結晶の炭酸カルシウムが混在し
た不定形炭酸カルシウム。 比較例11:0.1μm未満のカルサイト結晶の微小炭
酸カルシウムの凝集体。 比較例12:バテライトとアラゴナイト結晶の花びら状
の炭酸カルシウムの凝集体。 比較例13:カルサイト型の立方形状炭酸カルシウムの
凝集体。
【0027】応用例A 上記実施例13、19、22及び比較例9、13により
調製された炭酸カルシウムにステアリン酸ナトリウムを
0.5重量%処理した炭酸カルシウム粉体、及び比較と
してブロッキング防止剤として市販されているA型ゼオ
ライト、カオリンクレー、合成シリカを用いて、下記の
要領でポリプロピレン組成物を調製し、二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを得、その品質を評価した。その結果
は、表18に示すとおりであった。 フィルムの製造 メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロ
ピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ
ーtーブチルーp−クレゾール 0.10重量部、イル
ガノックス1010 0.02重量部、塩酸キャッチ剤
としてステアリン酸カルシウム0.05重量部、及び本
発明にかかるブロッキング防止剤を添加し、スーパーミ
キサーで混合後押し出し機でペレット化した。このペレ
ットを押し出し機を用いてシート状フィルムにし、縦方
向5倍、横方向10倍に延伸して最終的に厚さ30μm
の延伸フィルムを得た。延伸フィルムの一面には、コロ
ナ放電処理を施した。これらの二軸延伸フィルムについ
て、透明性、ブロッキング性及び発泡性を測定した。フ
ィルム透明性はASTM−Dー1003に準拠して、フ
ィルムを4枚重ねて測定した。フィルムのブロッキング
性は、2枚のフィルムの接触面積が10cm2 となるよう
に重ねて、2枚のガラス板の間におき、50g/cm2
荷重をかけて40℃の雰囲気中に7日間放置後、ショッ
パー型試験機を用いて、引っ張り速度500mm/分に
て引き剥して、その最大荷重を読みとって評価した。ま
たフィルムの発泡性は樹脂100重量部[ポリエチレン
(SMAー110)]に試料1部の混合組成物を170
℃で5分間ロールで混練りし、ついで170℃で4分間
厚さ1mmにプレス成形して試料板を得る。試料板をガ
ラス板でサンドイッチ層のごとくはさみ、加熱オーブン
中で230℃において1時間放置して発泡状態を観察し
た。発泡性の評価は、ブランクと同じく全く発泡しない
ものを1、著しく発泡した物を4として、4段階で評価
した。
【0028】応用例B 上記実施例1、2、3及び比較例6、9、10、11に
よって調製された炭酸カルシウムの水懸濁液に、炭酸カ
ルシウムに対し1.5重量%に相当する表面処理剤(ア
クリル酸とメタクリル酸ブチルの各々の重量比が70:
30の共重合物であり、アクリル酸部分が有する全カル
ボキシル基の20%がアンモニウム塩になっているも
の)を撹拌条件下表面処理し、その後エチレングリコー
ルを添加し、さらにロータリーエバポレーターを用いて
フラッシングし水を除去せしめ、炭酸カルシウムのエチ
レングリコールスラリーを調製した。該エチレングリコ
ール中の炭酸カルシウムの固形分濃度は20.0重量%
であった。これらのエチレングリコールスラリーをポリ
エステル化反応前に添加しポリエステル化反応を行い、
ブロッキング剤を0.3重量%含有した極限粘度数(オ
ルソクロロフェノール、35℃)0.62dl/gのポ
リエチレンテレフタレートを調製した。該ポリエチレン
テレフタレートを160℃で乾燥した後290℃で溶融
押し出し、40℃に保持したキャスティングドラム上に
急冷固化せしめて未延伸フィルムを得た。引き続き、該
未延伸フィルムを加熱ローラーで70℃に予熱した後、
赤外線ヒーターで加熱しながら縦方向に延伸した。続い
て90℃の温度で横方向にに延伸した後200℃で熱処
理を行い、厚さ10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0029】このようにして得られたフィルムの品質
を、以下に示す方法で評価し、その結果を表19、20
に示す。 摩耗性評価−I 1/2幅のフィルム表面を直径5mmのステンレス製固
定ピン(表面粗さ0.58)に角度150゜で接触さ
せ、毎分2mの速さで約15cm程度往復移動、摩擦さ
せる。(この時入側テンションT1を70gとする)。
この操作を繰り返し、往復50回測定後摩擦面に生じた
スクラッチの程度を目視判定する。この時スクラッチの
ほとんど生じないものを◎、スクラッチの発生のわずか
なものを○、スクラッチの発生が全面に多数生じたもの
を×、スクラッチの発生が前2者の中間を△、と4段階
に判定する。 摩擦性評価−II フィルムの走行面の削れ性を5段のミニスーパーカレン
ダーを使用して評価する。カレンダーはナイロンロール
とスチールロールの5段カレンダーであり、処理温度は
80℃、フィルムにかかる線圧は200kg/cm、フ
ィルムスピードは70m/分で走行させる。走行フィル
ムは全長3000m走行させた時点でカレンダーのトッ
プローラーに付着する汚れでフィルムの削れ性を評価す
る。 <4段階判定> ◎ : ナイロンロールの汚れ全く無し ○ : ナイロンロールの汚れ殆ど無し × : ナイロンロールが汚れる × × : ナイロンロールが非常に汚れる フィルム表面の粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着した後、二光束
干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起数(測定面積
1mm2 当りの個数)をカウントし、粗大突起数の多少に
より次のランク付けで表す。 1級 : 16個以上 2級 : 10〜
15個 3級 : 6〜9個 4級 : 2〜5
個 5級 : 0〜1個
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
【0044】
【表15】
【0045】
【表16】
【0046】
【表17】
【0047】
【表18】
【0048】
【表19】
【0049】
【表20】
【0050】
【発明の効果】叙上の通り、本発明の方法により製造さ
れる炭酸カルシウムは、分散性が良好で、不必要な微小
粒子や粗大一次粒子を含有せず粒子の大きさが極めて均
一で、粒度分布がシャープで取り得る粒度範囲が広くか
つ任意に粒子径を設定でき、高温安定性、長期経時安定
性が極めて良好なため、各種高度な工業用途に用いるこ
とが可能である。例えば合成樹脂フィルムに用いた場
合、良好な耐ブロッキング性を示し、中でもポリオレフ
ィンフィルムのブロッキング剤防止として、発泡性が無
く透明性の良好なフィルムを調製可能である。またポリ
エステルフィルムの場合、滑り性、耐摩耗性にすぐれ粗
大突起の少ない良好なフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られた炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例1で得られた炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例9で得られた炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の方法により調製される炭酸カルシ
ウムの特徴を以下に列記する。 高温安定性、長期経時安定性が極めて良好な立方体状
炭酸カルシウムである。 本質的な形状は立方形状であるが、従来の方法により
調製される立方形状炭酸カルシウムと比較して、頂点の
角部分及びエッジ部分が丸みを有しており、シャープな
ナイフ状のエッジ部分が極めて少ない。この理由は定か
ではないが、本発明の炭酸カルシウムの一次粒子は本質
的にはカルサイト型の結晶型で構成されているものの、
該一次粒子の表面の一部及び一次粒子内部の一部が非晶
質炭酸カルシウム及び/又はバテライト型結晶の炭酸カ
ルシウムによって構成されているためであろうと推測さ
れる。 以下(a)〜(h)の物性を充たす。 (a)0.1≦DS1≦20.0 (b)DS2=(6/π)1/3×DS1 (c)1.15≦DP3/DS1≦1.40 (d)0.90≦DP3/DS2≦1.15 (e)1.0≦DP2/DP4≦2.0 (f)1.0≦DP1/DP5≦2.5 (g)(DP2−DP4/DP3)≦0.5 (h)S≦0.5 但し DS1:走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭
酸カルシウム粒子の一辺長の平均(μm) DS2:走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭
酸カルシウム粒子の一辺長の平均(μm)より体積換算
して得られる球の直径(μm) DP1:遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA
−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな
粒子径側から起算した重量累計10%の時の粒子径(μ
m) DP2:遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA
−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな
粒子径側から起算した重量累計25%の時の粒子径(μ
m) DP3:遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA
−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな
粒子径側から起算した重量累計50%の時の粒子径(μ
m) DP4:遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA
−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな
粒子径側から起算した重量累計75%の時の粒子径(μ
m) DP5:遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所製SA
−CP3)を用いて測定した粒度分布において、大きな
粒子径側から起算した重量累計90%の時の粒子径(μ
m) Di :走査型電子顕微鏡写真により調べた立方体状炭
酸カルシウム個々の粒子の一辺長(μm) S :相対標準偏差
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する炭酸塩としては、ナトリウム、カリウム、アン
モニウムの炭酸塩が挙げられ、これらは単独又は2種組
み合わせて用いられるが、中でも経済性の観点から炭酸
ナトリウムを好ましく用いることができる。該炭酸塩を
水に溶解し炭酸イオン溶液を調整する。炭酸塩溶液の濃
度は求める粒子径や設定温度、反応緩衝剤量、カルシウ
ム塩との比、反応時間等によって異なるが、0.10〜
3.0mol/lであればよい。本発明により得られる
炭酸カルシウムの一次粒子個々の粒子径の均一性を表す
指標となる前述の相対標準偏差を0.4以下にする場
合、0.30〜2.5mol/lが好ましく、相対標準
偏差を0.3以下にする場合0.50〜2.0mol/
lが特に好ましい。炭酸塩の濃度が0.10mol/l
未満の場合、経済的に不利であるばかりではなく、前述
のような特徴を有する本発明の炭酸カルシウムは得られ
ない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】次に、上記方法により調製される炭酸塩溶
液、またはカルシウム塩溶液、あるいはその両者に反応
緩衝剤を添加する。本発明で使用する反応緩衝剤として
は電解質であればよいが、アルカリ金属又はアンモニウ
ムの水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物から選ばれる1
種以上を好ましく使用する事ができ、中でも経済的な観
点からナトリウム、カリウム及びアンモニウムの水酸化
物、硫酸塩が特に好ましい。添加する反応緩衝剤の量
は、合計量として0.001〜2.0mol/lであれ
ばよいが、炭酸塩及びカルシウム塩の濃度を超えないこ
とが望ましい。また反応緩衝剤は、炭酸塩溶液にのみ添
加されることが好ましい。反応緩衝液の量が0.001
mol/l未満の場合、不安定な非晶質炭酸カルシウ
ム、またはバテライト型の炭酸カルシウムが多量に混在
するため好ましくなく、2.0mol/lを超える場
合、個々の一次粒子が不均一なカルサイト結晶の炭酸カ
ルシウムが多数混在し、本発明の目的とする特徴のある
炭酸カルシウムは得られない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次に、炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液を混
合した混合液に、混合終了後90秒以上経過した後、好
ましくは120〜600秒の時間内に、さらに好ましく
は150〜360秒の時間内に、カルシウムと反応して
水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸
を、混合系内に存在する炭酸カルシウムに対し0.01
〜5重量%添加する。カルシウムと反応して水不溶性又
は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸の添加を炭酸
塩溶液とカルシウム塩溶液混合後90秒未満に行った場
合、得られる炭酸カルシウム中に不定型の粒子が混在し
好ましくない。また、カルシウムと反応して水不溶性又
は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸の添加量が
0.01重量%未満の場合、粒子表面が崩壊した炭酸カ
ルシウムが得られ易く、5重量%を超える場合、炭酸カ
ルシウムそのものに欠陥は生じないが、得られる炭酸カ
ルシウムを多種多用途の工業用目的に使用する場合、用
途が制限されるおそれがあり好ましくない。本発明の方
法において、カルシウムと反応して水不溶性又は難溶性
塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸を添加する範囲時間内
で、且つカルシウムと反応して水不溶性又は難溶性塩を
生じる水溶性塩又は水溶性酸を添加する前に、炭酸化反
応を完全に終了させる目的でアルカリ金属又はアンモニ
ウムの水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の電解質
を、本発明に用いる反応緩衝剤の3倍量以下の範囲で添
加してもかまわないが、この場合、最終的にはこれら電
解質を除去する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例1 1.0モル/1リッターの濃度の炭酸ナトリウム溶液
(炭酸イオン溶液)、1.0モル/1リッターの濃度の
塩化カルシウム溶液(カルシウムイオン溶液)、及び
0.03モル/1リッターの水酸化ナトリウム溶液(反
応緩衝剤)を各々100リッター調製した。該水酸化ナ
トリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液を混合し混合液を調
製し、該混合液と塩化ナトリウム溶液の液温を共に1
7.0℃に調製した。次に塩化ナトリウム溶液100リ
ッターを水酸化ナトリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液の
混合液200リッターに滴下し、撹拌条件下炭酸化反応
を行い、滴下開始270秒後に滴下供給を終了した。滴
下終了180秒後、反応系内に存在する炭酸カルシウム
理論生成量の0.4重量%相当量のヘキサメタ燐酸ナト
リウムを添加し、さらに5分間撹拌した。以上のように
して調製された炭酸カルシウムの水懸濁液を遠心脱水機
を用いて濃縮し、濃縮液に水を加え希釈し撹拌後、再度
希釈液を遠心脱水機を用いて濃縮した。得られた炭酸カ
ルシウムの3重量%の水懸濁液のアンモニウムイオン及
びアルカリ金属イオンの総和を測定したところ8ppm
であり、その電気電導度を測定したところ30μS/c
mであった。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観
察した結果、その形状は頂点及びエッジ部分に丸みを有
する立方体状の炭酸カルシウムであった。また、X線回
折により観察した結果、得られた炭酸カルシウムの結晶
型は、ほぼカルサイトであることが確認された。本実施
例の製造条件を表1に、得られた炭酸カルシウムの物性
を表9に、電子顕微鏡写真を図1に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】比較例1〜13 製造条件を表6、7、8に示す条件に変更することを除
き他は実施例2と同様の方法で炭酸カルシウムを調製し
た。得られた炭酸カルシウムの物性を表15、16、1
7に示す。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡及びX
線回折で観察した結果を以下に列記する。また比較例
1、9で得られた炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を図
4、5に示す。 比較例1 :ナイフエッジ状のシャープな頂点及び辺を
有するカルサイト形状の立方形の炭酸カルシウムであ
り、大小色々な粒子径の一次粒子が存在する。 比較例2 :カルサイト形状の立方形の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例3 :カルサイト形状の立方形の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例4 :バテライト結晶の球状炭酸カルシウムが多
数混在している。 比較例5 :カルサイト形状の立方形の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例6 :カルサイト形状の立方形の炭酸カルシウム
が多数凝集しており、大小色々な粒子径の一次粒子が存
在する。 比較例7 :バテライト結晶の球状炭酸カルシウムが多
数混在している。 比較例8 :ナイフエッジ状のシャープな頂点及び辺を
有するカルサイト形状の立方形の炭酸カルシウムが凝集
している。 比較例9 :粒子表面が崩壊し、粒子表面に多数のナイ
フエッジ状のシャープな頂点及び辺を有すると共に、多
数の空穴が存在するカルサイト型の炭酸カルシウム。 比較例10:バテライト結晶の炭酸カルシウムが混在し
た不定形炭酸カルシウム。 比較例11:0.1μm未満のカルサイト結晶の微小炭
酸カルシウムの凝集体。 比較例12:バテライトとアラゴナイト結晶の花びら状
の炭酸カルシウムの凝集体。 比較例13:カルサイト型の立方形状炭酸カルシウムの
凝集体。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表1】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表9】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表12】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 5/18 9267−4F

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸塩溶液及びカルシウム塩溶液の何れ
    か一方又はその両者に、0.001〜2.0mol/l の反
    応緩衝剤を添加して調製される、炭酸イオン濃度が0.
    1〜3.0mol/l の炭酸塩溶液と、カルシウムイオン濃
    度が0.1〜3.0mol/l 、且つ炭酸イオンに対するカ
    ルシウムイオン濃度比が0.5〜2.0のカルシウム塩
    溶液を混合し炭酸カルシウムを製造するに際し、炭酸塩
    溶液をカルシウム塩溶液中、又はカルシウム塩溶液を炭
    酸塩溶液中に、70〜1200秒の時間内で滴下混合せ
    しめ、混合系内温度を5〜40℃に維持して炭酸化反応
    を行い、炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の混合終了後9
    0秒以上経過した後、混合溶液にカルシウムと反応して
    水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸
    を、混合系内に存在する炭酸カルシウムに対し0.01
    〜5重量%添加し、さらに得られる炭酸カルシウムの水
    懸濁液を水洗し、下記(ア)、(イ)の要件を充たすよ
    うに調製する、分散性が良好で且つ経時的に安定な粒子
    径が0.1〜20μm の立方形状炭酸カルシウムの製造
    方法。 (ア)炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸濁液中にお
    けるアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンの存在量
    の総和が500ppm以下。 (イ)炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸濁液の電気
    電導度が1000μS/cm以下。
  2. 【請求項2】 炭酸塩溶液中の炭酸イオン濃度が0.3
    〜2.5mol/l であり、カルシウム塩溶液中のカルシウ
    ムイオン濃度が0.3〜2.5mol/l である請求項1記
    載の炭酸カルシウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸塩溶液中の炭酸イオン濃度が0.5
    〜2.0mol/l であり、カルシウム塩溶液中のカルシウ
    ムイオン濃度が0.5〜2.0mol/l である請求項1記
    載の炭酸カルシウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 炭酸塩溶液中の炭酸イオンに対するカル
    シウム塩溶液中のカルシウムイオンの比が0.75〜
    1.33である請求項1記載の炭酸カルシウムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 炭酸塩溶液中の炭酸イオンに対するカル
    シウム塩溶液中のカルシウムイオンの比が0.89〜
    1.13である請求項1記載の炭酸カルシウムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の滴下混
    合時間が180〜900秒である請求項1記載の炭酸カ
    ルシウムの製造方法。
  7. 【請求項7】 炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の滴下混
    合時間が240〜600秒である請求項1記載の炭酸カ
    ルシウムの製造方法。
  8. 【請求項8】 炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の混合終
    了後120〜600秒の時間内に、混合溶液にカルシウ
    ムと反応して水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又
    は水溶性酸を添加する請求項1記載の炭酸カルシウムの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 炭酸塩溶液とカルシウム塩溶液の混合終
    了後150〜360秒の時間内に、混合溶液にカルシウ
    ムと反応して水不溶性又は難溶性塩を生じる水溶性塩又
    は水溶性酸を添加する請求項1記載の炭酸カルシウムの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 混合系内温度を10〜30℃に維持し
    て炭酸化反応を行う請求項1記載の炭酸カルシウムの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 混合系内温度を15〜20℃に維持し
    て炭酸化反応を行う特許請求項1記載の炭酸カルシウム
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸
    濁液中におけるアンモニウムイオン、ナトリウムイオ
    ン、カリウムイオンの存在量の総和が100ppm以
    下、電気電導度が300μS/cm以下である請求項1
    記載の炭酸カルシウムの製造方法。
  13. 【請求項13】 炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸
    濁液中におけるアンモニウムイオン、ナトリウムイオ
    ン、カリウムイオンの存在量の総和が20ppm以下、
    電気電導度が100μS/cm以下である請求項1記載
    の炭酸カルシウムの製造方法。
  14. 【請求項14】 炭酸カルシウム濃度が3重量%の水懸
    濁液中におけるアンモニウムイオン、ナトリウムイオ
    ン、カリウムイオンの存在量の総和が10ppm以下、
    電気電導度が50μS/cm以下である請求項1記載の
    炭酸カルシウムの製造方法。
  15. 【請求項15】 反応緩衝剤がアルカリ金属又はアンモ
    ニウムの硝酸塩、硫酸塩及び塩化物からなる群から選ば
    れる1種以上である請求項1記載の炭酸カルシウムの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 カルシウムと反応して水不溶性又は難
    溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸が、燐酸、燐酸エ
    ステル及び燐酸塩からなる群から選ばれる1種以上であ
    る請求項1記載の炭酸カルシウムの製造方法。
  17. 【請求項17】 カルシウムと反応して水不溶性又は難
    溶性塩を生じる水溶性塩又は水溶性酸が、縮合燐酸のア
    ルカリ金属塩及びアンモニウム塩からなる群から選ばれ
    る1種以上である請求項1記載の炭酸カルシウムの製造
    方法。
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