JPH07196313A - 粘土−有機複合体、その組成物、用途および粘土−有機複合体の製造方法 - Google Patents

粘土−有機複合体、その組成物、用途および粘土−有機複合体の製造方法

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JPH07196313A
JPH07196313A JP34906593A JP34906593A JPH07196313A JP H07196313 A JPH07196313 A JP H07196313A JP 34906593 A JP34906593 A JP 34906593A JP 34906593 A JP34906593 A JP 34906593A JP H07196313 A JPH07196313 A JP H07196313A
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加奈子 斎藤
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敏和 藤崎
Takahiro Sekimoto
貴裕 関本
Ko Honma
興 本間
Seinosuke Ando
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の有機溶媒によく分散して、分散液が増
粘性を示す、経済的に有利な粘土−有機複合体を提供す
ることを目的とする。 【構成】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一般式(1)
(化1)、一般式(2)(化2)で示される2種類の第
4級アンモニウムイオンが導入された粘土−有機複合体
及びそれを有機溶媒に分散させて得られる組成物により
目的を達成できる。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘土−有機複合体、その
組成物、用途および粘土−有機複合体の製造方法に関
し、さらに詳しくは、有機溶媒に分散してゾル又はゲル
状を呈する粘土−有機複合体、粘土−有機複合体を有機
溶媒に分散させて得られる組成物、有機溶媒用増粘剤又
はゲル化剤としての用途および粘土−有機複合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】EP公開特許第0524503号には、
膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一つ以上のポリオキシエ
チレン基と、他にアルキル基や水素原子よりなる第4級
アンモニウムイオンを導入した粘土−有機複合体が、ア
ルコール類、ケトン類、エーテル類、アミド類等の高極
性有機溶媒に分散し、増粘性を示すことが、記載されて
いる。上記特許に記載された粘土−有機複合体は、此れ
迄に発表された極性有機溶媒に分散する増粘剤の中で、
その効果の点から極めて注目されるべきものである。そ
の粘土−有機複合体を製造するには層状ケイ酸塩の層間
イオンと第4級アンモニウムイオンを液中でイオン交換
して生成する必要があり、その生成物は濾過・洗浄によ
り液から分離しなければならない。しかし、EP特許公
開第0524503号に記載された物質を製造しようと
すると、あまりにも微細な結晶のため、限外濾過による
副生不純物の分離及びその後の遠心沈降分離による濃縮
等の操作を繰り返した後で乾燥する必要があり、工業的
にはコストがかかりすぎて経済的に極めて不利であっ
た。
【0003】また、米国特許第4,677,158号及
び特開平5−57288号公報にも同様な粘土−有機複
合体が記載されているが、これらにも工業的に製造する
場合の濾過・分離についての特別な記載はない。
【0004】また、EP公開特許第0133071号に
は、スメクタイト属粘土鉱物に、ジアルキルジメチル
(又はメチルベンジル)アンモニウムとモノ又はポリオ
キシアルキレン基を有する含チッソ有機界面活性剤の2
種類を作用させて得られる生成物が、有機溶媒の粘性を
高めると記載されている。
【0005】更に、特開平2−56239号公報(国際
公開番号WO89/12500)には、テトラアルキル
(一部ベンジル基またはヒドロキシアルキル基の場合も
ある)アンモニウムイオンにより変性された有機変性粘
土鉱物とプロピレンオキサイド鎖及び/又はエチレンオ
キサイド鎖を有するカチオン界面活性剤の混合物が有機
溶剤に分散してゲル組成物が得られると記載されてい
る。しかし、実際には両者共、有機溶媒に対する分散性
が不十分であった。
【0006】このように、工業的に製造する場合に問題
となる生成した粘土−有機複合体の液からの分離が容易
で、アルコール類、ケトン類、エーテル類、アミド類等
の有機溶媒によく分散して、増粘性を示し、更に望まし
くは粉砕が容易な粘土−有機複合体は此れ迄報告されて
おらず、その出現が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶媒に
極めてよく分散して分散液がチクソトロピックな粘性を
示し、製造工程中の濾過分離が容易で工業的に大量生産
可能で、更に生成物の粉砕性やハンドリング面でも有利
な粘土−有機複合体を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、各種の膨
潤性層状ケイ酸塩の層間に種々の第4級アンモニウムイ
オンを導入して粘土−有機複合体を生成し、有機溶媒へ
の分散性、複合体生成時の液からの濾過・分離性、生成
物の粉砕性やハンドリング性等のテストを行い、ある条
件下で生成した粘土−有機複合体により課題を解決する
ことができることを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】即ち、本発明は、膨潤性層状ケイ酸塩の層
間に、一般式(1)(化6)、一般式(2)(化7)で
示される、ポリオキシエチレン基を有する2種類の異な
る第4級アンモニウムイオンを導入して得られる粘土−
有機複合体、およびそれを有機溶媒に分散させて得られ
る組成物、およびその粘土−有機複合体よりなる有機溶
媒用増粘剤又はゲル化剤、および粘土−有機複合体の製
造方法に関するものである。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】本発明で用いられる膨潤性層状ケイ酸塩と
して、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、
スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノ
ントロナイト又はベントナイト等のスメクタイト属粘土
鉱物やNa型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テト
ラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、
Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母及びバーミキ
ュライト又はこれ等の置換体、誘導体あるいは混合物を
挙げることができる。
【0013】スメクタイト属粘土鉱物は、生成する粘土
−有機複合体の有機溶媒への分散性の点で好ましく、そ
の中でも3−八面体型スメクタイトであるヘクトライ
ト、サポナイト、スチブンサイト及びその類似化合物の
合成品がより好ましく、最も好ましいのは請求項4に記
載した一般式(3)で示されるスメクタイト属粘土鉱物
である。それは、特公昭61−12848号公報に記載
されている製法、あるいはそれと類似の製法でつくられ
る。つぎにその製法について記載するが、もちろんこれ
に限定されるものではない。
【0014】まず、ケイ酸とマグネシウム塩の均質混合
液はケイ酸溶液とマグネシウム塩水溶液の混合あるいは
マグネシウム塩をケイ酸溶液に直接溶解することにより
得られる。ケイ酸とマグネシウム塩の混合割合は請求項
4に記載した一般式(3)を満足するような化学量論的
割合であるのが好ましいが、いずれか一方を過剰に用い
ることもできる。ケイ酸溶液はケイ酸ナトリウム溶液と
鉱酸を混合し、液のpHを酸性とすることにより得られ
る。ケイ酸ナトリウムは一般に市販されている1号ない
し4号水ガラスならびにメタケイ酸ナトリウムはいずれ
も使用できる。
【0015】鉱酸としては硝酸、塩酸、硫酸などが用い
られる。ケイ酸塩溶液と鉱酸を混合する場合、鉱酸の量
が少ないとゲル化する場合が多いので、液のpHが5以
下、好ましくは1〜3の間になるようケイ酸ナトリウム
と鉱酸の割合を選ぶ必要がある。
【0016】次に常温でケイ酸とマグネシウム塩の均質
混合溶液とアルカル溶液を混合して均質沈殿を得る。ア
ルカリ溶液としてはアンモニア水、水酸化ナトリウム溶
液、水酸化リチウム溶液、水酸化カリウム溶液及びそれ
らの混合溶液などが用いられる。アルカリ溶液の量は混
合後のpHが10以上になる量を選ぶ。
【0017】次いで濾過、水洗を繰り返して副生した溶
解質を充分に除去する。工業的に副生した溶解質を除去
する方法としては、特開平5−279012号公報に記
載されているようにクロスフロー方式による限外濾過処
理(レイノルズ数50〜5000、濾過膜の平均細孔径
0.1〜5μm)を採用することが望ましいが、同様な
分離・除去効果が得られれば、この方式に限定されな
い。
【0018】次にこの均質沈殿にリチウムイオン、必要
に応じてリチウムイオン以外のアルカリ金属等の一価陽
イオン、フッ素イオンを添加し、オートクレーブ等の加
圧反応器に仕込み100〜350℃で反応させる。
【0019】一般に反応温度が高いほど速度は大とな
り、反応時間が長いほど結晶化は良好となるが、常圧1
00℃の条件では少なくとも6時間以上、望ましく24
時間以上の反応時間を要し、41kg/cm2 、250
℃の条件では1〜3時間で充分である。
【0020】添加すべきリチウム、ナトリウムイオンお
よびフッ素イオン等は、例えば水酸化リチウム、水酸化
ナトリウムフッ化水素酸ならびにフッ化ナトリウム等か
ら選ぶことができるが、これらに限定されるものではな
い。フッ素イオンは特に添加しなくとも、本発明の対象
となる生成物は得られるが、フッ素イオンを添加すると
生成物の熱に対する安定性の向上等の微妙な差が生じる
ため、必要に応じて添加する。
【0021】反応終了後、反応生成物を乾燥し、粉砕す
ることにより、最終的製品が得られる。このようにして
得られたケイ酸塩は、3−八面体型スメクタイト属粘土
鉱物であるヘクトライトに類似したX線回析パターンを
示す。また、水中において優れた膨潤性および分散性を
示し、その分散液はチクソトロピックな粘性を示し、殆
ど着色しない水系ゾル・ゲルを生成する特徴がある。
【0022】それに、層間に存在する陽イオンが関与す
る陽イオン交換容量は、通常、粘土100gあたり70
〜150ミリ当量と非常に大きい。この高い陽イオン交
換容量を有することにより、イオン交換法で第4級アン
モニウムイオンを層間に導入できる。
【0023】本発明の粘土−有機複合体を製造するのに
使用される膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量は、
粘土100g当り10ミリ当量以上、好ましくは60ミ
リ当量以上であり、交換容量が大きい程よい。膨潤性層
状ケイ酸塩は、50%以下の非粘土不純物を含有してい
てもよいが、非粘土不純物の量は10%以下が望まし
い。
【0024】また、本発明では層間に一般式(1)と一
般式(2)で示される2種類の異なる第4級アンモニウ
ムイオンを導入する点に特徴がある。一般式(1)の第
4級アンモニウムイオンにおいて、ひとつの基はCX
2X+1で示されるアルキル基であり、X=5〜20、好ま
しくは12〜18であり、具体例として、例えば、ドデ
シル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキ
サデシル、オクタデシル基等が挙げられ、特に好ましく
はオクタデシル基である。もう1つの基はCZ2Z+1
示されるアルキル基(Z=1〜4)又はベンジル基であ
り、好ましくはメチル基又はベンジル基である。
【0025】他の2つの基であるポリオキシエチレン基
のn+m=5〜30であり、好ましくは12〜20であ
り、特に好ましくは15である。
【0026】一般式(2)の第4級アンモニウムイオン
において、二つの基はC120のアルキル基であり、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル
基等が挙げられる。もう1つの基はCZ2Z+1で示され
るアルキル基(Z=1〜4)又はベンジル基であり、好
ましくはメチル基又はベンシル基である。他の1つの基
であるポリオキシエチレン基のnは5〜30であり、好
ましくは10〜20であり、特に好ましくは15であ
る。なお、一般式(1)、一般式(2)で示される2種
類の異なる第4級アンモニウムイオンを導入するに際
し、両者ともにおのおのの一般式(1)、一般式(2)
の範囲内で分子構造の異なる複数のイオンを層間に導入
してもいっこうに差し支えない。
【0027】一般式(1)、一般式(2)の第4級アン
モニウムイオンを導入するには、該イオンを含む第4級
アンモニウム塩が用いられるが、そのような塩として
は、該イオンと、例えばClイオン、Brイオン、NO
3 イオン、CH3 COOイオン等の陰イオンとの塩を挙
げることができる。なお、本発明の粘土−有機複合体は
一般式(1)、一般式(2)で示される2種類の第4級
アンモニウムイオンを膨潤性層状ケイ酸塩の層間に導入
することで得られるが、更に上記以外の種々の第4級ア
ルキルアンモニウムイオンや、種々の無機陽イオンを同
時に導入しても本発明の目的を損なうことはない。一般
式(1)、一般式(2)で示される2種類の第4級アン
モニウムイオンの合計導入量の割合は層間のイオン交換
容量の50%以上が望ましく、特に望ましくは95%以
上である。
【0028】本発明の粘土−有機複合体は、層間の陽イ
オン交換により得られるが、例えば以下の方法で製造す
ることができる。第1段階として前記した方法で得られ
た膨潤性層状ケイ酸塩を水中に分散させる。その固体分
散濃度は通常1〜15重量%が望ましいが、膨潤性層状
ケイ酸塩が十分分散可能な濃度の範囲なら自由に設定す
ることができる。次にこの膨潤性層状ケイ酸塩懸濁液に
前述の2種類の異なる第4級アンモニウム塩溶液を添加
するか、又は逆に前述の2種類の異なる第4級アンモニ
ウム塩溶液に膨潤性層状ケイ酸塩懸濁液を添加すること
によっても粘土−有機複合体を製造することが可能であ
る。
【0029】2種類の異なる第4級アンモニウム塩は通
常5〜50重量%の混合水溶液として膨潤性層状ケイ酸
塩懸濁液と混合するが、別々の溶液として順序の別なく
膨潤性層状ケイ酸塩懸濁液と混合してもいっこうにかま
わない。なお、混合時、アルコール等の有機溶媒を加
え、有機溶媒含有液中で反応させてもよい。
【0030】2種類の第4級アンモニウム塩は、一般式
(1)と一般式(2)で示される第4級アンモニウムイ
オンのモル比率、即ち、(1):(2)の比率が好まし
くは1:2〜4:1、特に好ましくは1:4〜4:1の
割合であり、その合計の第4級アンモニウム塩量として
膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量の当量用いるの
が望ましいが、これより少ない量でも製造は可能であ
る。
【0031】また、陽イオン交換容量に対しても過剰量
添加しても差し支えない。その量は該粘土の陽イオン交
換容量の0.5〜1.5倍量(ミリ当量換算)、とくに
0.8〜1.2倍量であることが好ましい。
【0032】反応は室温で十分進行するが、加温しても
よい。加温の最高温度は用いる第4級アンモニウム塩の
分解点以下であれば任意に設定が可能であり、一般的に
は10〜90℃、好ましくは15〜70℃である。反応
時間は数分〜数時間と反応条件により異なるが、一般的
には30分〜2時間程度である。
【0033】次いで固液を分離し、生成した粘土−有機
複合体を水洗浄して副生溶解質を十分に除去する。この
粘土−有機複合体の液からの分離、洗浄は極めて容易で
あり、ごく一般的な濾過分離機で十分である。例えば実
験室規模では、ブフナ−漏斗(濾紙を敷く)を用いた減
圧濾過・洗浄或いは遠心脱水機による濾過・洗浄で容易
に行われる。
【0034】このようにして得られた粘土−有機複合体
を乾燥し(通常は100℃以下)、必要に応じて粉砕し
て最終製品とする。このようにして得られた粘土−有機
複合体を有機溶媒に添加し、攪拌等により分散させるこ
とにより、溶媒に分散した粘土−有機複合体組成物を容
易に得ることができる。分散しうる量であれば、添加量
は多いほど増粘効果が高い。添加量は用途により大きく
異なるが、一般的には有機溶媒に対し0.1〜20重量
%の範囲で分散させ、各種の用途に用いることができ
る。
【0035】最終製品として得られた粘土−有機複合体
は、有機溶媒に分散させるとチクソトロピックな粘性を
示すため、有機溶媒用の増粘剤又はゲル化剤として、有
機溶媒に対し0.1〜20重量%の範囲で分散させて用
いる事ができる。
【0036】なお、有機溶媒としては、高極性、低極性
或いは無極性の各種有機溶媒、具体的にはメタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン
等のケトン類;ジメチルホルムアミドのようなアミド
類;テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のエーテ
ル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、パ
ークロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類及びジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピ
ロリドン等の溶剤に分散する。また、溶媒として上記の
2つ以上を混合したもの、あるいは水などのほかの無機
溶媒と上記溶媒を混合した各種溶媒を用いることもでき
る。また、粘性を高めるために、水などの極性溶媒を添
加する必要はないが、使用に当たって添加することはい
っこうに差し支えない。
【0037】
【作用】本発明で得られる粘土−有機複合体が有機溶媒
に親和性を有し、更に分散して増粘効果を示すのは、ポ
リオキシエチレン基の酸素または末端の水酸基と有機溶
媒の水酸基又は酸素とが水素結合するため、ないしは層
間有機物と有機溶媒との親水性、疎水性バランスの一致
により、溶媒分子が膨潤性層状ケイ酸塩の層間に侵入し
て層間を押し広げ、更に積層したケイ酸塩層を分離させ
るためと考えられる。分離したケイ酸塩層は、層面に残
る陰電荷や端面の陽電荷により相互に不規則な結合をし
て、ゾル・ゲル構造を形成するものと推測される。
【0038】一般式(1)で示される第4級アンモニウ
ムイオンを単独で膨潤性層状ケイ酸塩の層間に導入して
得られる粘土−有機複合体も、同様に有機溶媒に親和性
を有し、分散するが、分散性は本発明の粘土有機複合体
より劣り、製造時の液からの濾過分離・洗浄が極めて悪
く、普通の濾過分離・洗浄では事実上不可能に近い。
【0039】これを濾過分離・洗浄するには、例えば、
極めて薄い分散液にして、特開平5−279012号公
報に記載されているようにクロスフロー方式による限外
濾過処理法を採用し、濃縮・希釈を繰り返して副生溶解
質を分離し、その後遠心沈降により濃縮し、それを集め
て乾燥するという気の遠くなるような方法を採用しなけ
ればならない。
【0040】また、一般式(2)で示される第4級アン
モニウムイオンを単独で膨潤性層状ケイ酸塩の層間に導
入して得られる粘土−有機複合体は、有機溶媒に親和性
を有せず、分散しない。
【0041】一方、一般式(1)で示される第4級アン
モニウムイオンと一般式(2)で示される第4級アンモ
ニウムイオンを別々に膨潤性層状ケイ酸塩の層間に導入
して得られる2種類の粘土−有機複合体を製造し、それ
を本発明と同様の比率で混合したものは、有機溶媒中で
は下方に一般式(2)を層間に導入した複合体が沈降
し、分散性も悪い。
【0042】本発明で得られる粘土−有機複合体は、有
機溶媒に親和性を有し、分散して増粘効果を示すととも
に、更に、製造時の液からの濾過分離・洗浄が極めてよ
く、その上最終製品の粉砕性がよい。それは、個々の結
晶粒子内の層間に一般式(1)と一般式(2)で示され
る2種類の異なる第4級アンモニウムイオンが混ざりあ
って導入されていることに起因していると判断される。
この2種類の異なる第4級アンモニウムイオンが混ざり
あうことにより、一般式(1)の有する有機溶媒に対す
る親和性を保ち、或いは更に向上させながら、これらの
2種類のイオンに含まれている(CH2 CH2O)n
または(CH2 CH2 O)m H、及びその基に基づく各
粒子間の外周部での水素結合力が一般式(1)のみの場
合より弱くなり、その結果、各粒子間での粒子同志の凝
集性が向上し、液からの濾過分離・洗浄性や最終製品の
粉砕性がよくなるものと判断される。
【0043】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は
実施例に限定されるものではない。 (合成例1)膨潤性層状ケイ酸塩(“S”)の合成 先ず、ヘクトライト型粘土鉱物に類似した構造、すなわ
ち一般式(3)M0.11.0 Mg2.42.9 Li0.10.6 Si
3.54.5 O9.510.5(OH 及び/又はF)1.52.5 (Mは
アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンを含む一価の
陽イオンから選んだ少なくとも一個の陽イオン)を有す
る人工粘土鉱物の合成について示す。10リットルのビ
ーカーに水4リットルを入れ、3号水ガラス(SiO2
28%、Na2 O9%、モル比3.22)860gを溶
解し、95%硫酸162gを攪拌しながら一度に加えて
ケイ酸溶液を得る。次に水1リットルに塩化マグネシウ
ム6水和物[MgCl2 ・6H2 O、一級試薬(純度9
8%)]560gを溶解し、ケイ酸溶液に加えて均質混
合溶液を調製し、2規定水酸化ナトリウム溶液3.6リ
ットル中に攪拌しながら5分間で滴下する。直ちに得ら
れた反応均質複合沈殿物を、日本ガイシ株式会社のクロ
スフロー方式による濾過システム[クロスフロー濾過器
(セラミック膜フィルター:孔径2μm、チューブラー
タイプ、濾過面積400cm2 )]で濾過及び充分に水
洗した後、水200ミリリットルと水酸化リチウム1水
和物[Li(OH)・H2 O]14.5gとよりなる溶
液を加えてスラリー状とし、オートクレーブに移し、4
1kg/cm2 、250℃で3時間、水熱反応させた。
冷却後、反応物を取りだし、80℃で乾燥し、粉砕して
生成物(“S”)を得た。生成物を分析し、つぎの組成
のものが得られた。 Na0.4 Mg2.6 Li0.4 Si4.010(OH)2.0 また、メチレンブルー吸着法で測定した陽イオン交換能
(容量)は101mg当量/100gであり、ヘクトラ
イトに類似したX線回析パターンを示した。
【0044】(実施例1) (粘土−有機複合体の製造−その1)上記の製造で得ら
れた膨潤性層状ケイ酸塩“S”20gを純水1000m
lに分散させ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量にな
るように、下記の一般式(6)(化8)と一般式(7)
(化9)に記載の第4級アンモニウム塩(95%以上含
有品)を(6):(7)=2:1又は7:3の割合(モ
ル比率)で溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤
性層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で
2時間反応させた。生成物を直径18.5cmのブフナ
ー漏斗(東洋濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用い
て減圧濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した
後、60℃で48時間乾燥後、粉砕して、2種類の異な
る粘土−有機複合体A(2:1の場合)と粘土−有機複
合体B(7:3の場合)を得た。製造時、減圧濾過によ
る固液分離と洗浄はどちらも極めて良好で1分以内に終
了した。また、得られた粘土−有機複合体は両者とも非
粘着性粉末であった。得られた2種類の粘土−有機複合
体を有機溶媒に混合して、分散性と粘性を測定した。粘
土−有機複合体Aと粘土−有機複合体Bの分散性を表1
に示した。また、粘土−有機複合体Aの粘性を表2に、
粘土−有機複合体Bの粘性を表3に示した。
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】なお、有機溶媒に対する分散性テストは次
の方法により行った。 (有機溶媒に対する分散性テスト方法)50mlの試験
管に、粘土−有機複合体を0.6gと有機溶媒29.4
gをはかりとり、2%分散液にする。12時間振盪し、
その後25℃のインキュベーター中に24時間静置し、
分散状態を観察した。 分散性の評価 …完全分散 …分散するが、下方に微量の沈降物あり。 …分散するが、下方にかなり沈降物あり。 …分散するが、下方に多くの沈降物あり。 …分散不良。
【0048】また、有機溶媒に対する粘性テストは次の
方法により行った。 (テスト方法)粘土−有機複合体を、有機溶媒に各種濃
度で分散させ、回転粘度計(東京計器株式会社製B型粘
度計)を用い、6回転/分(剪断速度7.158/s)
と60回転/分(剪断速度71.58/s)における見
かけ粘度(mPa・s)を測定した。
【0049】(実施例2) (粘土−有機複合体の製造−その2)膨潤性層状ケイ酸
塩としてラポナイトXLG(英国、ラポート社製合成ヘ
クトライト類似物質;陽イオン交換能(容量)は88m
g当量/100g)20gを純水1000mlに分散さ
せ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量になるように、
下記一般式(8)(化10)と一般式(9)(化11)
に記載の第4級アンモニウム塩(95%以上含有品)を
(8):(9)=2:1又は7:3の割合(モル比率)
で溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤性層状ケ
イ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で2時間反
応させた。以下、実施例1と同様にして2種類の異なる
粘土−有機複合体C(2:1の場合)、粘土−有機複合
体D(7:3の場合)を得た。製造時、減圧濾過による
固液分離と洗浄はどちらも極めて良好で1分以内に終了
した。また、得られた粘土−有機複合体は両者とも非粘
着性粉末であった。得られた2種類の粘土−有機複合体
を有機溶媒に混合して、実施例1と同様にして分散性と
粘性を測定した。粘土−有機複合体Cと粘土−有機複合
体Dの分散性を表1に示した。また、粘土−有機複合体
Cの粘性を表4に、粘土−有機複合体Dの粘性を表5に
示した。
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】(比較例1)実施例1で用いた膨潤性層状
ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散させ、
その陽イオン交換容量の1.1倍相当量の前記一般式
(6)(化8)に記載の第4級アンモニウム塩(95%
以上含有品)を溶解させた溶液500mlを前記の合成
膨潤性層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら、6
0℃で2時間反応させた。反応生成物を直径18.5c
mのブフナー漏斗(東洋濾紙No.C131の濾紙を敷
く)を用いて減圧濾過で固液分離しようと試みたが、濾
紙が目詰まりをおこし、固液分離できなかった。それで
やむを得ず、反応生成物を特開平5−279012号公
報に記載されているようなクロスフロー方式による限外
濾過処理(濾過膜の平均細孔径0.5μm)で濃縮・希
釈を繰り返して副生塩類を除去した後、遠心分離機で固
形分を沈降分離して回収し、60℃で72時間乾燥後、
粉砕して、粘土−有機複合体Eを得た。得られた粘土−
有機複合体Eは実施例1と同様に有機溶媒に混合して分
散性テストをした。テストの結果、メタノール、エタノ
ール、ジメチルホルムアミドに分散した場合は、分散性
の評価は何れも(完全分散)であったが、テトラヒド
ロフラン、トルエン、パークロロエチレンに分散した場
合は何れも評価が(分散するが、下方に多くの沈降物
あり)であり、キシレンに分散した場合は評価が(分
散不良)であった。
【0058】(比較例2)実施例1で用いた膨潤性層状
ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散させ、
その陽イオン交換容量の1.1倍相当量の前記一般式
(7)(化9)に記載の第4級アンモニウム塩(95%
以上含有品)を溶解させた溶液500mlを前記の合成
膨潤性層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら、6
0℃で2時間反応させた。反応生成物を直径18.5c
mのブフナー漏斗(東洋濾紙No.C131の濾紙を敷
く)を用いて減圧濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類
を除去した後、60℃で48時間乾燥後、粉砕して粘土
−有機複合体Fを得た。製造時、減圧濾過による固液分
離と洗浄に要した時間は1分程度であった。得られた粘
土−有機複合体Fは実施例1と同様に有機溶媒に混合し
て分散性テストをした。テストの結果、メタノール、エ
タノールに分散した場合は、分散性の評価は何れも
(分散不良)であった。
【0059】(比較例3)比較例1と比較例2で得られ
た2種類の異なる粘土−有機複合体Eと粘土−有機複合
体Fをモル比率でE:F=2:1になるように混ぜ、実
施例1と同様に有機溶媒に混合して分散性テストをし
た。テストの結果、メタノール、エタノールに分散した
場合は、分散性の評価は何れでも(分散するが、下方
に微量の沈降物あり)〜(分散するが、下方にかなり
の沈降物あり)程度であったが、粘土−有機複合体Fは
下方に沈降していた。
【0060】(比較例4)合成例1で得られた膨潤性層
状ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散さ
せ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量になるように、
前記一般式(6)(化8)に記載の第4級アンモニウム
塩:塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(95%
以上含有品)=2:1又は1:2の割合(モル比率)で
溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤性層状ケイ
酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で2時間反応
させた。生成物を直径18.5cmのブフナー漏斗(東
洋濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用いて減圧濾過
し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後、60℃
で48時間乾燥後、粉砕して、2種類の異なる粘土−有
機複合体G(2:1の場合)とH(1:2の場合)を得
た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗浄はどちらも
良好で1分以内に終了した。得られた粘土−有機複合体
は実施例1と同様に有機溶媒に混合して分散性テストを
した。テストの結果、メタノール、エタノール分散した
場合は、分散性の評価は何れも(分散不良)であっ
た。
【0061】(比較例5)合成例1で得られた膨潤性層
状ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散さ
せ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量になるように、
塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(95%以上
含有品)を溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤
性層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で
2時間反応させた。生成物を直径18.5cmのブフナ
ー漏斗(東洋濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用い
て減圧濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した
後、60℃で48時間乾燥後、粉砕して、粘土−有機複
合体Iを得た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗浄
はどちらも良好で1分程度で終了した。得られた粘土−
有機複合体Iと塩化ポリオキシプロピレン(25)ジエ
チルメチルアンモニウム(95%以上含有品)を1:1
の割合(重量比)で、実施例1と同様に有機溶媒に混合
して分散性テストをした。テストの結果、メタノール、
エタノール分散した場合は、分散性の評価は何れも
(分散するが、下方に多くの沈降物あり)〜(分散不
良)であった。
【0062】
【発明の効果】本発明の粘土−有機複合体は、高極性、
低極性或いは無極性の各種有機溶媒、例えば低級アルコ
ール類、高級アルコール類、ケトン類、アミド類、エー
テル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類及び
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等
の溶媒に分散し、分散液は増粘性を示す。また、製造時
の液からの濾過分離・洗浄が極めてよいため、製造コス
トが安くなり大量生産が可能であり、その上最終製品の
粉砕性がよく微粉砕が可能であるため、各種の用途に利
用できる。用途としては、例えば、粘土−有機複合体そ
のままの形態で、あるいは各種の有機溶媒に分散させ
て、化粧品、医薬品、衛生剤、接着剤、塗料、染料原
料、各種プラスチック製品、繊維工業等各種の製品や工
業プロセスにおいて、粘性調整剤、分散剤、乳化剤、粘
結剤等の組成物として、用いることができる。更に、こ
の粘土−有機複合体は、ポリオキシエチレン基を含むた
め、プラスチックや繊維の帯電防止剤、殺菌剤、染色助
剤、カップリング剤等としても有用に活用できる。ま
た、その層空間を利用して、有機物質貯蔵剤、徐放剤、
触媒、分離剤、吸着剤、樹脂安定剤、重合開始剤、担
体、フイラー等として利用することもできる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】次に常温でケイ酸とマグネシウム塩の均質
混合溶液とアルカ溶液を混合して均質沈殿を得る。ア
ルカリ溶液としてはアンモニア水、水酸化ナトリウム溶
液、水酸化リチウム溶液、水酸化カリウム溶液及びそれ
らの混合溶液などが用いられる。アルカリ溶液の量は混
合後のpHが10以上になる量を選ぶ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】添加すべきリチウムイオン、ナトリウムイ
オンおよびフッ素イオン等は、例えば水酸化リチウム、
水酸化ナトリウムフッ化水素酸ならびにフッ化ナトリ
ウム等から選ぶことができるが、これらに限定されるも
のではない。フッ素イオンは特に添加しなくとも、本発
明の対象となる生成物は得られるが、フッ素イオンを添
加すると生成物の熱に対する安定性の向上等の微妙な差
が生じるため、必要に応じて添加する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】一般式(2)の第4級アンモニウムイオン
において、二つの基はC20のアルキル基であり、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル
基等が挙げられる。もう1つの基はCzH2z+1で示
されるアルキル基(Z=1〜4)又はベンジル基であ
り、好ましくはメチル基又はベンル基である。他の1
つの基であるポリオキシエチレン基のnは5〜30であ
り、好ましくは10〜20であり、特に好ましくは15
である。なお、一般式(1)、一般式(2)で示される
2種類の異なる第4級アンモニウムイオンを導入するに
際し、両者ともにおのおのの一般式(1)、一般式
(2)の範囲内で分子構造の異なる複数のイオンを層間
に導入してもいっこうに差し支えない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】2種類の第4級アンモニウム塩は、一般式
(1)と一般式(2)で示される第4級アンモニウムイ
オンのモル比率、即ち、(1):(2)の比率が好まし
くは1:2〜4:1、特に好ましくは1:〜4:1の
割合であり、その合計の第4級アンモニウム塩量として
膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量の当量用いるの
が望ましいが、これより少ない量でも製造は可能であ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】(比較例4)合成例1で得られた膨潤性層
状ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散さ
せ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量になるように、
前記一般式(6)(化8)に記載の第4級アンモニウム
塩:塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(95%
以上含有品)=2:1又は1:2の割合(モル比率)で
溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤性層状ケイ
酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で2時間反応
させた。生成物を直径18.5cmのブフナー漏斗(東
洋濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用いて減圧濾過
し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後、60℃
で48時間乾燥後、粉砕して、2種類の異なる粘土−有
機複合体G(2:1の場合)とH(1:2の場合)を得
た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗浄はどちらも
良好で1分以内に終了した。得られた粘土−有機複合体
は実施例1と同様に有機溶媒に混合して分散性テストを
した。テストの結果、メタノール、エタノール分散し
た場合は、分散性の評価は何れも(分散不良)であっ
た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】(比較例5)合成例1で得られた膨潤性層
状ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに分散さ
せ、陽イオン交換容量の1.1倍相当量になるように、
塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(95%以上
含有品)を溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤
性層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で
2時間反応させた。生成物を直径18.5cmのブフナ
ー漏斗(東洋濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用い
て減圧濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した
後、60℃で48時間乾燥後、粉砕して、粘土7有機複
合体Iを得た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗浄
はどちらも良好で1分程度で終了した。得られた粘土−
有機複合体Iと塩化ポリオキシプロピレン(25)ジエ
チルメチルアンモニウム(95%以上含有品)を1:1
の割合(重量比)で、実施例1と同様に有機溶媒に混合
して分散性テストをした。テストの結果、メタノール、
エタノール分散した場合は、分散性の評価は何れも
(分散するが、下方に多くの沈降物あり)〜(分散不
良)であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 興 埼玉県浦和市田島5−25−7 (72)発明者 安藤 誠之助 東京都三鷹市井の頭3−24−1

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一般式
    (1)(化1)、一般式(2)(化2)で示される2種
    類の第4級アンモニウムイオンが導入された粘土−有機
    複合体。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)と一般式(2)で示さ
    れる第4級アンモニウムイオンのモル比率、即ち、
    (1):(2)が1:2〜4:1である請求項1に記載
    の粘土−有機複合体。
  3. 【請求項3】 膨潤性層状ケイ酸塩がスメクタイト属粘
    土鉱物である請求項1又は請求項2に記載の粘土−有機
    複合体。
  4. 【請求項4】 スメクタイト属粘土鉱物が下記一般式
    (3)(化3)で示されるスメクタイト属粘土鉱物であ
    って、かつ、下記一般式(3)の組成を満足するケイ素
    ・マグネシウム比を有するケイ酸とマグネシウム塩の均
    質混合液とアルカリ溶液よりケイ素・マグネシウム複合
    体をつくり、副生溶解質を除去した後、下記一般式
    (3)の組成を満足する量の一価陽イオンおよび必要に
    応じフッ素イオンを添加して得たスラリーを、100℃
    ないし350℃の条件下で水熱反応を行い、次いで、反
    応生成物を乾燥して得られるヘクトライトに類似した構
    造を有するスメクタイト属粘土鉱物である請求項3に記
    載の粘土−有機複合体。 【化3】
  5. 【請求項5】 一般式(1)、一般式(2)で示される
    第4級アンモニウムイオンがそれぞれ一般式(4)(化
    4)、一般式(5)(化5)で示される第4級アンモニ
    ウムイオンである請求項1〜4に記載の粘土−有機複合
    体。 【化4】 【化5】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の粘土−有機複合体
    を有機溶媒に分散させて得られる組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5に記載の粘土−有機複合体
    よりなる有機溶媒用増粘剤又はゲル化剤。
  8. 【請求項8】 膨潤性層状ケイ酸塩に、請求項1に記載
    の一般式(1)、一般式(2)の第4級アンモニウムイ
    オンを有する2種類の第4級アンモニウム塩を合量で該
    ケイ酸塩のイオン交換容量の0.5〜1.5倍量(ミリ
    当量換算)、液中で混合反応させ、生成物を濾過、洗
    浄、乾燥することを特徴とする請求項1に記載の粘土−
    有機複合体の製造方法。
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