JPH11131047A - 有機−粘土複合体と有機溶剤よりなる組成物 - Google Patents

有機−粘土複合体と有機溶剤よりなる組成物

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JPH11131047A
JPH11131047A JP31162397A JP31162397A JPH11131047A JP H11131047 A JPH11131047 A JP H11131047A JP 31162397 A JP31162397 A JP 31162397A JP 31162397 A JP31162397 A JP 31162397A JP H11131047 A JPH11131047 A JP H11131047A
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quaternary ammonium
complex
composite
alkyl group
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JP31162397A
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Toshikazu Fujisaki
敏和 藤崎
Kanako Sato
加奈子 佐藤
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Co Op Chemical Co Ltd
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Co Op Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機−粘土複合体と有機溶剤よりなる組成物
において、従来報告されているものより分散性が優れて
いるか、或いは従来にない粘性特性を有しているか、又
はその両方を有している組成物を提供する。 【解決手段】 炭素数1〜30のアルキル基及び/又は
ベンジル基を有する第4級アンモニウムイオンと膨潤性
層状ケイ酸塩との複合体(複合体1とする)とポリオキ
シアルキレン基を有する第4級アンモニウムイオンと膨
潤性層状ケイ酸塩との複合体(複合体2とする)が複合
体1:複合体2=4:1〜1:4(モル)の割合で有機
溶剤と混合している組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機一粘土複合体
と有機溶剤よりなる分散液或いはゲル状組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】膨潤性層状ケイ酸塩は、種々のカチオン
性の有機化合物と反応させることによりその層間にカチ
オンを取り込んで有機一粘土複合体を生成することがで
きる。ある種の有機一粘土複合体は特定の有機溶剤中で
分散し、増粘効果を示し、これらの特性を利用して塗
料、顔料、化粧料の増粘或いは物性改善剤、または樹脂
への特性付与剤として、既に実用化されている。また、
各種の試験が試みられており、好効果が得られている。
しかし、全ての有機溶剤に対し、充分に満足し得る分散
性と増粘効果を有するものは報告されていない。
【0003】このような有機一粘土複合体の例として、
スメクタイトの層間にジメチル・ジオクタデシル・アン
モニウムイオンが陽イオン交換により取り込まれたもの
が工業的に生産され、塗料の増粘剤として用いられてい
る。しかし、このものが分散・増粘可能な有機溶剤は、
トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素の一部に限られ
ている。
【0004】特公平7−23212号公報には、膨潤性
層状ケイ酸塩の層間に、一つ以上のポリオキシエチレン
基とアルキル基よりなる第4級アンモニウムイオンを導
入した有機一粘土複合体が、アルコール類、ケトン類、
エーテル類、アミド類等の高極性有機溶媒に分散し、増
粘性を示すことが記載されている。上記特許に記載され
た有機一粘土複合体は、此れ迄に発表された極性有機溶
媒に分散する増粘剤の中で、その効果の点から極めて注
目されるべきものであるが、用途によっては分散性或い
は増粘性が不十分な場合もある。
【0005】また、特開平6−287014号公報に
は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一つ以上のポリオキ
シプロピレン基とアルキル基やベンジル基よりなる第4
級アンモニウムイオンを導入した有機一粘土複合体が、
アルコール類、ケトン類、エーテル類、アミド類等の高
極性有機溶媒及びポリシロキサン類に分散し、増粘性を
示すことが記載されているが、この場合も用途によって
は分散性或いは増粘性が不十分な場合もある。
【0006】更に、前記の特公平7−23212号公報
或いは特開平6−287014号公報に記載されている
有機一粘土複合体の溶剤に対する分散性、粘性特性を改
良するために、特開平7−196313号公報には、2
種類の異なるポリオキシエチレン基を有する第4級アン
モニウムイオンを同時に膨潤性層状ケイ酸塩の層間に導
入した有機一粘土複合体、或いは特開平7−18765
7号公報には、ポリオキシエチレン基を有する第4級ア
ンモニウムイオンとポリオキシプロピレン基を有する第
4級アンモニウムイオンを同時に膨潤性層状ケイ酸塩の
層間に導入した有機一粘土複合体が報告されているが、
溶剤の種類によっては分散性或いは増粘性が不十分な場
合もある。
【0007】一方、EP公開特許0133071号公報
には、スメクタイト属粘土鉱物に、ジアルキルジメチル
(又はジアルキルメチルベンジル)アンモニウム塩とモ
ノ又はポリヒドロキシル化された含チッソ有機界面活性
剤の2種類を作用させて得られる改質親有機性クレーが
記載されている。その改質親有機性クレーを製造するに
は、ジアルキルジメチル(又はジアルキルメチルベンジ
ル)アンモニウム塩を粘土鉱物の陽イオン交換容量の9
0〜110%、モノ又はポリヒドロキシル化された含チ
ッソ有機界面活性剤を粘土鉱物の10〜35重量%と反
応させ、濾過・乾燥・粉砕する。その改質親有機性クレ
ーはトルエンやホワイトスピリット等の有機溶媒の粘性
を高めると記載されている。また、ホワイトスピリット
に極性溶剤(メタノール等)を添加すると、粘性が更に
高まるとも報告されている。しかし、その他の有機溶剤
に対する分散性や粘性の向上等については記載されてい
ない。
【0008】更に、特公平6−98298号公報には、
テトラアルキル(一部ベンジル基またはヒドロキシアル
キル基の場合もあり)アンモニウムイオンにより変性さ
れた有機変性粘土鉱物とプロピレンオキサイド鎖及び/
又はエチレンオキサイド鎖を有するカチオン界面活性剤
の混合物が有機溶剤に分散してゲル組成物が得られると
記載されている。しかし、実際には有機溶媒に対する分
散性は十分ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来報告さ
れているものより分散性が優れているか、或いは従来に
ない粘性特性を有しているか、又はその両方を有してい
る組成物を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、各種の膨
潤性層状ケイ酸塩の層間に種々の第4級アンモニウムイ
オンを導入して有機一粘土複合体を生成し、有機溶剤へ
の分散性やその分散液の粘性等のテストを繰り返し、あ
る条件で生成した有機一粘土複合体が本発明の課題に合
致することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、以下の発明を包含する。 (1) 炭素数1〜30のアルキル基及び/又はベンジ
ル基を有する第4級アンモニウムイオンと膨潤性層状ケ
イ酸塩との複合体(複合体1とする)、ポリオキシアル
キレン基を有する第4級アンモニウムイオンと膨潤性層
状ケイ酸塩との複合体(複合体2とする)が複合体1:
複合体2=4:1〜1:4(モル)の割合で有機溶剤と
混合している組成物。 (2) 複合体1:複合体2=7:3〜3:7(モル)
の割合で有機溶剤と混合している前記(1)に記載の組
成物。 (3) 炭素数1〜30のアルキル基及び/又はベンジ
ル基を有する第4級アンモニウムイオンが一般式(1)
で示され、ポリオキシアルキレン基を有する第4級アン
モニウムイオンが一般式(2)で示される前記(1)又
は前記(2)に記載の組成物。
【化6】 (式中、R1 はメチル基又はベンジル基、R2 はメチル
基、R3 はメチル基又はC数1〜25のアルキル基、R
4 はC数1〜25のアルキル基を表す。)
【化7】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基
又はベンジル基を表し、R2 及びR3 は(CH2 CH
(CH3 )O)n H基、(CH2 CH2 CH2 O)n
基、又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、R4
(CH2 CH(CH3 )O)n H基又は(CH2 CH2
CH2 O)n H基を表し、nは1〜50である。) (4) 炭素数1〜30のアルキル基及び/ベンジル基
を有する第4級アンモニウムイオンが一般式(3)で示
され、ポリオキシアルキレン基を有する第4級アンモニ
ウムイオンが一般式(4)で示される前記(3)に記載
の組成物。
【化8】 (式中、R1 はメチル基またはベンジル基、R2 はメチ
ル基、R3 とR4 はC数16のアルキル基又はC数18
のアルキル基を表す。)
【化9】 (式中、R1 はメチル基、R2 及びR3 はエチル基、R
4 は(CH2 CH(CH3 )O)n H基を表し、nは9
〜40である。) (5) 膨潤性層状ケイ酸塩がスメクタイト属粘土鉱物
である前記(1)〜(4)に記載の組成物。 (6) スメクタイト属粘土鉱物が下記一般式(5)で
示され、かつ、ケイ酸とマグネシウム塩の均質混合液と
アルカリ溶液よりケイ素・マグネシウム複合体をつく
り、副生溶解質を除去した後、一価陽イオンおよび必要
に応じフッ素イオンを添加して得たスラリーを、100
℃ないし350℃の条件下で水熱反応を行ない、次いで
反応生成物を乾燥して得られるヘクトライト型粘土鉱物
に類似した構造を有する化合物である前記(5)に記載
の組成物。
【化10】 (Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンを含む
一価陽イオンから選んだ少なくとも一個の陽イオン)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、前記したように炭素数
1〜30のアルキル基及び/又はベンジル基を有する第
4級アンモニウムイオンと膨潤性層状ケイ酸塩との複合
体(複合体1)、ポリオキシアルキレン基を有する第4
級アンモニウムイオンと膨潤性層状ケイ酸塩との複合体
(複合体2)が特定の比率で有機溶剤に混合している組
成物に関するものである。
【0013】なお、膨潤性層状ケイ酸塩の膨潤性とは、
水或いは有機溶剤中で結晶層間に水或いは有機溶剤が侵
入して膨潤する意味であり、その膨潤性層状ケイ酸塩の
結晶構造は、四面体シート(A)と八面体シート(B)
が、A:B=2:1の割合で組み合わされた主要構成層
(2:1層)と、電荷バランスをとるためにそれらの層
間にある陽イオンよりなる層間物質とよりなる。この層
間にある陽イオンは各種の有機陽イオンとイオン交換し
て種々の有機−粘土複合体を生成することができる。
【0014】上記の膨潤性層状ケイ酸塩は、平均粒径が
0.1〜50μmのものが望ましく、粒径が大きい場合
は粉砕した方が好ましい。また、膨潤性層状ケイ酸塩の
陽イオン交換容量(メチレンブルー吸着量)は15〜1
50ミリ当量/100gの範囲のものが望ましく、50
〜150ミリ当量/100gのものがより好ましい。膨
潤性層状ケイ酸塩は、50%以下の非粘土不純物を含有
していてもよいが、非粘土不純物の量は10%以下が望
ましい。
【0015】本発明で用いられる膨潤性層状ケイ酸塩と
して、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、
スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノ
ントロナイト又はベントナイト等のスメクタイト属粘土
鉱物やNa型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テト
ラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、
Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母及びバーミキ
ュライト又はこれ等の置換体、誘導体あるいは混合物を
挙げることができる。なお、上記の、置換体には、層間
イオンのNa+ 或いはLi+ イオンの一部がK+ イオン
で置換されているもの、四面体シートのSi4 + イオン
の一部がMg2 + イオンで置換されているものが含まれ
る。
【0016】市販品としては、ラポナイトXLG(英
国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナ
イトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物
質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライ
ト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業
(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(豊順洋行
(株)販売の天然モンモリロナイト)、クニヒアF(ク
ニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイト)、ビー
ガム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライ
ト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性
雲母)、ソマシフ(ME−100、コープケミカル
(株)製の合成膨潤性雲母)、ルーセンタイト(SW
N,SWF、コープケミカル(株)製の合成スメクタイ
ト)等が例示できる。
【0017】それらの中でスメクタイト属粘土鉱物が好
ましく、その中でも3−八面体型スメクタイトであるヘ
クトライト、サポナイト、スチブンサイト及びその類似
化合物の合成品がより好ましく、最も好ましいのは前記
請求項6或いは“課題を解決するための手段”(6)に
記載したように、一般式(5)て示され、かつ、下記の
製法で造られるスメクタイト属粘土鉱物である。
【0018】それは、特公昭61−12848号公報に
記載されている製法、あるいはそれと類似の製法で造ら
れるものである。つぎにその代表的な具体的製法につい
て記載するが、もちろんこれに限定されるものではな
い。まず、ケイ酸とマグネシウム塩の均質混合溶液を調
製するが、それはケイ酸溶液とマグネシウム塩水溶液の
混合あるいはマグネシウム塩をケイ酸溶液に直接溶解す
ることにより得られる。ケイ酸とマグネシウム塩の混合
割合は一般式(5)を満足するような化学量論的割合で
あるのが好ましいが、いずれか一方を過剰に用いること
もできる。ケイ酸溶液はケイ酸ナトリウムと鉱酸を混合
し、液のPHを酸性とすることにより得られる。ケイ酸
ナトリウムは一般に市販されている1号ないし4号水ガ
ラスならびにメタケイ酸ナトリウムはいずれも使用でき
る。鉱酸としては硝酸、塩酸、硫酸などが用いられる。
ケイ酸と鉱酸を混合する場合、鉱酸としては硝酸、塩
酸、硫酸などが用いられる。ケイ酸と鉱酸を混合する場
合、鉱酸の量が少ないとゲル化する場合が多いので液の
PHが5以下、好ましくは0〜3の間になるようケイ酸
ナトリウムと鉱酸の割合を選ぶ必要がある。
【0019】次に常温でケイ酸とマグネシウム塩の均質
混合溶液とアルカリ溶液を混合して、ケイ酸・マグネシ
ウム複合体(コロイド粒子の凝集体よりなる均質複合
物)よりなる均質沈澱を得る。このケイ素・マグネシウ
ム複合体は充分に結晶化していないケイ素・マグネシウ
ムの含水参加物である。アルカリ溶液としてはアンモニ
ア水、水酸化ナトリウム溶液、水酸化リチウム溶液、水
酸化カリウム溶液及びそれらの混合溶液などが用いられ
る。アルカリ溶液の量は混合後のPHが9以上になる量
を選ぶ。
【0020】次いで濾過、水洗を繰り返して副生した溶
解質を充分に除去する。工業的に副生した溶解質を除去
する方法としては、特開平5−279012号公報に記
載されているようにクロスフロー方式による限外濾過処
理(レイノルズ数50〜5000、濾過膜の平均細孔径
0.1〜5μm)を採用することが望ましいが、同様な
分離・除去効果が得られれば、この方式に限定されな
い。
【0021】次にこの均質沈澱に水、リチウムイオン、
必要に応じてリチウムイオン以外の一価陽イオン及び/
又はフッ素イオンを添加し、オートクレーブ等の加圧反
応器に仕込み100〜350℃で反応させる。一般に反
応温度が高いほど反応速度は大となり、反応時間が長い
ほど結晶化は良好となるが、常圧100℃の条件では少
なくとも6時間以上、望ましくは24時間以上の反応時
間を要し、41kg/cm2 、250℃の条件では1〜3時
間で充分である。添加すべきリチウムイオン、ナトリウ
ムイオンおよびフッ素イオン等は、例えば、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、フッ化水素酸ならびにフッ化
ナトリウム等から選ぶことができるが、これらに限定さ
れるものではない。フッ素イオンは特に添加しなくと
も、本発明の対象となる生成物は得られるが、フッ素イ
オンを添加すると生成物の熱に対する安定性の向上等の
微妙な差が生じるため、必要に応じて添加する。反応終
了後、オートクレーブ内容物を乾燥し、粉砕することに
より最終的製品が得られる。
【0022】このようにして得られたケイ酸塩は、3−
八面体型スメクタイト族粘土鉱物であるヘクトライトに
類似したX線回折パターンを示す。また、水中において
優れた膨潤性および分散性を示し、その分散液はチクソ
トロピックな粘性を示し、殆ど着色しない水系ゾル・ゲ
ルを生成する特徴がある。また、層間に存在する陽イオ
ンが関与する陽イオン交換容量は通常、粘土100gあ
たり70〜150ミリ当量と非常に大きい。この高い陽
イオン交換容量を有することにより、イオン交換法で第
4級アンモニウムイオンを層間に導入できる。この製法
で造られた市販品が、前記のルーセンタイト(SWN・
・・(Fを含まぬもの),SWF・・・(Fを含むも
の)、コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)で
ある。
【0023】複合体1の構成要素である第4級アンモニ
ウムイオンに含まれる4個の炭化水素基は、炭素数1〜
30のアルキル基及び/又はベンジル基より成るが、好
ましいものはメチル基3個とC数1〜25のアルキル基
1個、メチル基2個とC数1〜12のアルキル基2個、
メチル基2個とベンジル基1個とC数1〜25のアルキ
ル基1個の組合せであり、それらを纏めると前記の一般
式(1)で示される。特に好ましいものは、前記の一般
式(3)で示される。
【0024】複合体2の構成要素である第4級アンモニ
ウムイオンに含まれる4個の基は、最低1つはポリオキ
シアルキレン基である必要がある。そのポリオキシアル
キレン基はポリオキシエチレン基{CH2 CH2 O)n
H−、n=1〜30}又はポリオキシプロピレン基
{(CH2 CH(CH3 )O)n H−、又は(CH2
2 CH2 O)n H−、n=1〜50}が好ましく、よ
り好ましくはポリオキシプロピレン基{(CH2 CH
(CH3 )O)n H−、n=9〜40}である。その他
の基は、水素原子基、炭素数1〜30のアルキル基又は
ベンジル基より成るが、水素原子基は1個以下であり、
ベンジル基は1個以下が望ましい。複合体2の好ましい
第4級アンモニウムイオンは、前記の一般式(2)で示
され、特に好ましいものは、前記の一般式(4)で示さ
れる。
【0025】本発明の構成要素である複合体1及び複合
体2は、何れも膨潤性層状ケイ酸塩の層間イオンに第4
級アンモニウムイオンが含まれているもので、複合体1
では炭素数1〜30のアルキル基及び/又はベンジル基
を有する第4級アンモニウムイオンが膨潤性層状ケイ酸
塩の層間にあり、複合体2ではポリオキシアルキレン基
(好ましくはポリオキシエチレン基又はポリオキシプロ
ピレン基)を有する第4級アンモニウムイオンが膨潤性
層状ケイ酸塩の層間にある。
【0026】層間にあるそれらの第4級アンモニウムイ
オンの量は、何れも膨潤性層状ケイ酸塩のイオン交換容
量の50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上
であり、最も好ましくは90%以上である。層間にある
その他イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ
土類金属イオン、アンモニウムイオン、上記以外の第4
級アンモニウムイオン等であり、特に限定されない。
【0027】本発明の組成物は、複合体1と複合体2
が、複合体1:複合体2=4:1〜1:4(モル)、好
ましくは複合体1:複合体2=7:3〜3:7(モル)
の割合で有機溶剤と混合している分散液またはゲル状組
成物である。この混合比率以外では従来報告されている
ものと比較して、特徴ある分散液またはゲル状組成物と
はならない。
【0028】なお、複合体1と複合体2が結晶の最少単
位中に同時に存在する場合、即ち結晶の最少単位中の膨
潤性層状ケイ酸塩の層間イオンが複合体1を構成する第
4級アンモニウムイオンと複合体2を構成する第4級ア
ンモニウムイオンの両方よりなる場合も本発明の範囲で
あり、特に問題とはならない。それ故、複合体1と複合
体2を別々に造って有機溶剤と混合する以外に、膨潤性
層状ケイ酸塩に炭素数1〜30のアルキル基及び/又は
ベンジル基を有する第4級アンモニウムイオンとポリオ
キシアルキレン基を有する第4級アンモニウムイオンを
同時に反応させて造った生成物を、有機溶剤と混合して
もよい。
【0029】有機溶剤としては、高極性、低極性或いは
無極性の各種有機溶媒が選択でき、具体的にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;
ヘキサノール、デカノールのような高級アルコール類;
MIBK(メチルイソブチルケトン)、アセトン等のケ
トン類;ジメチルホルムアミドのようなアミド類;テト
ラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のエーテル類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;四
塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、パークロロ
エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及
びジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリド
ン、酢酸エチル等である。これらの中で、MIBK(メ
チルイソブチルケトン)、アセトン等のケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類及び酢
酸エチルが特に好ましい。
【0030】また、複合体1と複合体2の合量と有機溶
剤との混合比率(重量ベース)、即ち(複合体1+複合
体2):有機溶剤=0.5:99.5〜20:80が好
ましく、より好ましくは(複合体1+複合体2):有機
溶剤=1:99〜10:90である。本発明の組成物の
性状は、ゾル状の分散液か、ゲル状となっている。
【0031】次に、本発明の組成物の製造方法を述べる
が、これに限定されるものではない。複合体1又は複合
体2は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間にある陽イオンを各
々の複合体に含まれる第4級アンモニウムイオンでイオ
ン交換することにより得られる。イオン交換するには、
該イオンを含む第4級アンモニウム塩を膨潤性層状ケイ
酸塩と水中で反応させ、膨潤性層状ケイ酸塩の層間イオ
ンと交換して第4級アンモニウムイオンを層間に導入す
る。第4級アンモニウムイオンを含む第4級アンモニウ
ム塩としては、該イオンと、例えばC1イオン、Brイ
オン、NO3 イオン、CH3 COOイオン等の陰イオン
よりなる塩を挙げることができる。
【0032】複合体1又は複合体2の具体的な製法とし
ては、例えば以下の方法で製造することができる。第1
段階として、膨潤性層状ケイ酸塩を水中に分散させる。
その固体分散濃度は通常1〜15重量%が望ましいが、
膨潤性層状ケイ酸塩が十分分散可能な濃度の範囲なら自
由に設定することができる。
【0033】次にこの膨潤性層状ケイ酸塩の分散液に、
前述の複合体1を製造する場合は炭素数1〜30のアル
キル基及び/又はベンジル基を有する第4級アンモニウ
ム塩溶液を添加して混合する。また、複合体2を製造す
る場合はその分散液にポリオキシアルキレン基を有する
第4級アンモニウム塩溶液を添加して混合する。また、
上記2種類のアンモニウム塩溶液を同時に添加して混合
すれば複合体1と複合体2の混合物が得られる。又は逆
にそれらの第4級アンモニウム塩溶液に膨潤性層状ケイ
酸塩懸濁液を添加して混合してもよい。それらの第4級
アンモニウム塩は通常5〜50重量%の水溶液として膨
潤性層状ケイ酸塩分散液と混合する。それらの第4級ア
ンモニウム塩の混合量は膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン
交換容量の0.5〜1.5倍量、好ましくは0.8〜
1.2倍量、特に好ましくは0.9〜1.1倍量であ
る。
【0034】反応は室温で十分進行するが、加温しても
よい。加温の最高温度は用いる第4級アンモニウム塩の
分解点以下であれば任意に設定が可能であり、一般的に
は10〜90℃、好ましくは15〜70℃である。反応
時間は数分〜数時間と反応条件により異なるが、一般的
には30分〜2時間程度である。次いで固液を分離し、
生成した粘土−有機複合体を水洗浄して副生電解質を十
分に除去する。この粘土−有機複合体の液からの分離、
洗浄は極めて容易であり、ごく一般的な濾過分離機で十
分である。例えば実験室規模では、ブフナー漏斗(濾紙
を敷く)を用いた減圧濾過・洗浄或いは遠心脱水機によ
る濾過・洗浄で容易に行われる。このようにして得られ
た粘土−有機複合体を乾燥し(通常は100℃以下)、
必要に応じて粉砕して、複合体1又は複合体2、或いは
それらの混合物を製造する。
【0035】このようにして得られた複合体1及び複合
体2と有機溶剤を前記した割合で混合して、本発明の組
成物を得る。なお、膨潤性層状ケイ酸塩に上記2種類の
アンモニウム塩を同時に添加して複合体1と複合体2の
混合物を得た場合は、この混合物に有機溶剤を混合す
る。
【0036】なお、本発明の組成物には、必要に応じ
て、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、
抗菌剤、紫外線吸収剤等を加えることができる。本発明
の組成物の性状は、従来にない均一なゾル状の分散液
(特に有機溶剤としてMIBK、酢酸エチルを含む場
合)或いは高粘性物(ゲル状物を含む。特に有機溶剤と
してトルエン、キシレン、アセトンを含む場合)とな
る。
【0037】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の主旨を逸脱しないかぎり、実施例
に限定されるものではない。なお、原料は試薬グレード
のもの、或いは工業薬品グレードのものを使用した。
【0038】(合成例1) 膨潤性層状ケイ酸塩
(“S”)の合成 先ず、ヘクトライト型粘土鉱物に類似した構造、すなわ
ち一般式 M0.2■0.6 Mg2.4■2.85Li0.1■0.6 Si3.5■4.5
9.5■10.5(OH及び/又はF)1.5■2.5 (Mはアル
カリ金属イオン、アンモニウムイオンを含む一価の陽イ
オンから選んだ少なくとも一個の陽イオン)を有する膨
潤性層状ケイ酸塩の合成について示す。10リットルの
ビーカーに水4リットルを入れ、3号水ガラス(SiO
2 28%、Na2 O9%、モル比3.22)860gを
溶解し、95%硫酸162gを攪拌しながら一度に加え
てケイ酸溶液を得た。次に水1リットルに塩化マグネシ
ウム6水和物(MgCl2 ・6H2 O一級試薬(純度9
8%)560gを溶解し、ケイ酸溶液に加えて均質混合
溶液を調製し、2規定水酸化ナトリウム溶液3.6リッ
トル中に攪拌しながら5分間で滴下した。
【0039】直ちに得られたケイ素・マグネシウム複合
体(コロイド粒子の凝集体となっている均質複合物)よ
りなる均質沈澱を、日本ガイシ(株)のクロスフロー方
式による濾過シテテム〔クロスフロー濾過器(セラミッ
ク膜フィクター:孔径2μm、チューブラータイプ、濾
過面積400cm2 )、加圧:2kg/cm2 、ろ布:テトロ
ン1310〕で濾過及び充分に水洗した後、水200ミ
リリットルと水酸化リチウム1水和物〔Li(OH)・
2 O〕14.5gとよりなる溶液を加えてスラリー状
とし、オートクレーブに移し、41kg/cm2 、250℃
で3時間、水熱反応させた。冷却後、反応物を取りだ
し、80℃で乾燥し、粉砕して生成物(“S”)を得
た。
【0040】生成物を分析し、つぎの組成のものが得ら
れた。 Na0.4 Mg2.6 Li0.4 Si4.0 10(OH)2.0 また、メチレンブルー吸着法で測定した陽イオン交換能
(容量)は101ミリ当量/100gであり、ヘクトラ
イトに類似したX線回折パターンを示した。
【0041】(合成例2〜13) 複合体1の合成−そ
の1 合成例1で得られた膨潤性層状ケイ酸塩“S”20gを
純水1000mlに分散させ、その陽イオン交換容量の
1.00倍相当量の表−1に記載の第4級アンモニウム
塩(95%以上含有品、陰イオンはハロゲンイオン)を
溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤性層状ケイ
酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で2時間反応
させた。生成物を直径18.5cmのブフナー漏斗(東洋
濾紙No.C131の濾紙を敷く)を用いて減圧濾過し、
固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後、60℃で4
8時間乾燥後、粉砕して、複合体1(複1−a〜複1−
1)を得た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗浄は
何れも極めて良好で1分以内に終了した。また、得られ
た複合体1(名称:複1−a〜複1−1)は、何れも膨
潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量の85%以上が第
4級アンモニウムイオンで置換されている非粘着性粉末
であった。
【0042】
【表1】
【0043】(合成例14) 複合体2の合成−その1 合成例1で得られた膨潤性層状ケイ酸塩“S”20gを
純水1000mlに分散させ、その陽イオン交換容量の
1.00倍相当量の下記の一般式(6)に記載の第4級
アンモニウム塩(95%以上含有品、陰イオンは塩素イ
オン)を溶解させた溶液500mlを前記の合成膨潤性
層状ケイ酸塩分散液に添加し、攪拌しながら60℃で2
時間反応させた。生成物を直径18.5cmのブフナー漏
斗(東洋濾紙No. C131の濾紙を敷く)を用いて減圧
濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後、6
0℃で48時間乾燥後、粉砕して、複合体2(名称:複
2−a)を得た。製造時、減圧濾過による固液分離と洗
浄はどちらも極めて良好で1分以内に終了した。また、
得られた複合体2(名称:複2−a)は、膨潤性層状ケ
イ酸塩の陽イオン交換容量の85%以上が第4級アンモ
ニウムイオンで置換されている粘着性粉末であった。
【0044】
【化11】
【0045】(実施例1〜7)、(比較例1,2) 本
発明の組成物の調製1 合成例2で合成した複1−a(Aとする)、合成例14
で合成した複2−a(Bとする)、それにトルエンを種
々の割合に混合して本発明の組成物を調製し、表−2に
その混合比を示した。比較のために、比較例1として合
成例2で合成した複1−a:トルエン=6:94(重量
比)で混合したものを調製し、比較例2として合成例1
4で合成した複2−a:トルエン=6:94(重量比)
で混合した組成物を調製した。
【0046】
【表2】
【0047】粘性、分散性及び透明性のテスト 実施例1〜7及び比較例1,2で得られた組成物につい
て、粘性(粘度)、分散性及び透明性(透過率)を測定
し、表3に示した。
【0048】(粘性の測定方法)上記の実施例1〜7及
び比較例1,2で得られた組成物を、12時間振盪し、
その後25℃のインキュベーター中に24時間静置後、
回転粘度計(東京計器(株)製B型粘度計)を用い、6
回転/分(剪断速度5.58/s)と60回転/分(剪
断速度55.8/s)における見かけ粘度(mPa・
s)を測定した。
【0049】(分散性の測定方法)50mlの試験管
に、上記の実施例1〜7及び比較例1,2で得られた組
成物30gを計りとり、12時間振盪し、その後25℃
のインキュベーター中に24時間静置し、分散状態を観
察した。 分散性の評価:…2層分離。固形分下層のみ、下層高
さ10%未満。…2層分離。固形分下層のみ、下層高
さ10%以上〜35%未満。…2層分離。固形分下層
のみ、下層高さ35%以上〜80%未満。…全体に分
散するが、2層分離。下層高さ80%以上。…全体に
分散するが、下方に微量の沈降物あり。下層高さ5%未
満。…完全分散。
【0050】(透明性の測定方法)上記の実施例1〜7
及び比較例1,2で得られた組成物を試験管にとり、1
2時間振盪し、その後5分間静置後、波長500nmの
光による透過率(%)を純水を対照液として求めた。
【0051】
【表3】
【0052】(実施例7〜10)、(比較例3〜10)
本発明の組成物の調製2 合成例2で合成した複1−a(Aとする)と合成例14
で合成した複2−a(Bとする)をA:B=1:1(モ
ル比)に混合し、それに各種溶剤をA+Bの合量に対
し、溶剤:(A+Bの合量)=94:6(重量比)の割
合に混合して本発明の組成物(実施例7〜10)を調製
した。比較のために、比較例3〜6として合成例2で合
成した複1−a:溶剤=6:94(重量比)で混合した
組成物、及び比較例7〜10として合成例14で合成し
た複2−a:溶剤=6:94(重量比)で混合した組成
物を調製した。これらの組成物に含まれる溶剤及び前記
と同様な方法で測定した粘度と分散性の結果は纏めて表
4に示した。
【0053】
【表4】
【0054】(実施例11〜40) 本発明の組成物の
調製3 合成例3〜13で合成した複合体1(Aとする)と合成
例14で合成した複2−a(Bとする)をA:B=1:
1(モル比)に混合し、それに各種溶剤をA+Bの合量
に対し、溶剤:(A+Bの合量)=94:6(重量比)
の割合に混合して本発明の組成物(実施例11〜40)
を調製した。比較のために、比較例11として合成例2
で合成した複1−a:アセトン=6:94(重量比)で
混合したもの、或いは比較例12として合成例14で合
成した複2−a:アセトン=6:94(重量比)で混合
した組成物を調製した。このようにして調製した組成物
に含まれる溶剤、及び前記と同様な方法で測定した粘度
と分散性の結果を纏めて表5に示した。
【0055】
【表5】
【0056】(合成例15〜17) 複合体1の合成−
その2 合成例15:合成例2において、合成例1で得られた膨
潤性層状ケイ酸塩“S”を用いる代りに、市販のスメク
トンSA−1(クニミネ工業(株)製サポナイト類似物
質)を用いた以外は合成例2と同様にして複合体1(名
称:複1−m)を得た。 合成例16:合成例2において、合成例1で得られた膨
潤性層状ケイ酸塩“S”を用いる代りに、市販のクニピ
アF(クニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイ
ト)を用いた以外は合成例2と同様にして複合体1(名
称:複1−n)を得た。 合成例17:合成例2において、合成例1で得られた膨
潤性層状ケイ酸塩“S”用いる代りに、市販のベンゲル
(豊順洋行(株)販売の天然モンモリロナイト)を用い
た以外は合成例2と同様にして複合体1(名称:複1−
o)を得た。なお、得られた複合体1(名称:複1−m
〜複1−o)は、何れも膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン
交換容量の85%以上が第4級アンモニウムイオンで置
換されている非粘着性粉末であった。
【0057】(合成例18〜20) 複合体2の合成−
その2 合成例18:合成例14において、合成例1で得られた
膨潤性層状ケイ酸塩“S”を用いる代りに、市販のスメ
クトンSA−1(クニミネ工業(株)サポナイト類似物
質)を用いた以外は合成例14と同様にして複合体2
(名称:複2−b)を得た。 合成例19:合成例14において、合成例1で得られた
膨潤性層状ケイ酸塩“S”を用いる代りに、市販のクニ
ピアF(クニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイ
ト)を用いた以外は合成例14と同様にして複合体2
(名称:複2−c)を得た。 合成例20:合成例14において、合成例1で得られた
膨潤性層状ケイ酸塩“S”を用いる代りに、市販のベン
ゲル(豊順洋行(株)販売の天然モンモリロナイト)を
用いた以外は合成例14と同様にして複合体2(名称:
複2−d)を得た。 なお、得られた複合体2(名称:複2−b〜複2−d)
は、何れも膨潤性層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量の8
5%以上が第4級アンモニウムイオンで置換されている
粘着性粉末であった。
【0058】(実施例41〜45) 本発明の組成物の
調製4 合成例15〜17で合成した複合体1(A)と合成例1
8〜20で合成した複合体2(B)をA:B=1:1
(モル比)に混合し、それに各種溶剤をA+Bの合量に
対し、溶剤:(A+Bの合量)=94:6(重量比)の
割合に混合して本発明の組成物(実施例41〜45)を
調製した。このようにして調製した組成物に含まれる溶
剤、及び前記と同様な方法で測定した粘度と分散性の結
果を纏めて表6に示した。
【0059】
【表6】
【0060】(合成例21) 複合体1と2の同時合成 合成例1で得られた膨潤性層状ケイ酸塩“S”20gを
純水1000mlに分散させ、その陽イオン交換容量の
0.50倍相当量の合成例2に用いた第4級アンモニウ
ム塩(95%以上含有品、陰イオンはハロゲンイオン)
を溶解させた溶液250mlと、その陽イオン交換容量
の0.50倍相当量の上記一般式(6)に記載の第4級
アンモニウム塩(95%以上含有品、陰イオンは塩素イ
オン)を溶解させた溶液250mlを前記の合成膨潤性
層状ケイ酸塩分散液に同時に添加し、攪拌しながら60
℃で2時間反応させた。生成物を直径18.5cmのブフ
ナー漏斗(東洋濾紙No. C131の濾紙を敷く)を用い
て減圧濾過し、固液分離、洗浄して副生塩類を除去した
後、60℃で48時間乾燥後、粉砕して、膨潤性層状ケ
イ酸塩の陽イオン交換容量の85%以上が第4級アンモ
ニウムイオンで置換され、且つ複合体1と複合体2がほ
ぼ同量(モル)含有されている複合体1・2を得た。製
造時、減圧濾過による固液分離と洗浄は何れも極めて良
好で1分以内に終了した。また、得られた複合体1・2
は非粘着性粉末であった。
【0061】(実施例46〜50) 本発明の組成物の
調製5 合成例21で得られた複合体1・2に各種溶剤を、溶
剤:複合体1・2=94:6(重量比)の割合に混合し
て本発明の組成物を(実施例46〜50)調製した。こ
のようにして調製した組成物に含まれる溶剤、及び前記
と同様な方法で測定した粘度と分散性の結果を纏めて表
7に示した。
【0062】
【表7】
【0063】(比較例13〜16)合成例1で得られた
膨潤性層状ケイ酸塩“S”20gを純水1000mlに
分散させ、その陽イオン交換容量の1.00倍相当量の
合成例2に用いた第4級アンモニウム塩(95%以上含
有品、陰イオンはハロゲンイオン)を溶解させた溶液5
00mlと、その陽イオン交換容量の0.13倍相当量
(“S”の20重量%相当量)の上記一般式(6)に記
載の第4級アンモニウム塩(95%以上含有品、陰イオ
ンは塩素イオン)を溶解させた溶液100mlを前記の
合成膨潤性層状ケイ酸塩分散液に同時に添加し、攪拌し
ながら60℃で2時間反応させた。得られた生成物を合
成例21と同様に固液分離、洗浄、乾燥、粉砕して、複
合体“T”を得た。複合体“T”に各種溶剤を、溶剤:
複合体“T”=94:6(重量比)の割合に混合して本
発明の比較用組成物(比較例13〜16)を調製した。
このようにして調製した組成物に含まれる溶剤、及び前
記と同様な方法で測定した粘度と分散性の結果を纏めて
表8に示した。
【0064】
【表8】
【0065】(比較例17〜20)合成例2で合成した
複1−aを100重量部と上記一般式(6)に記載の第
4級アンモニウム塩(95%以上含有品、陰イオンは塩
素イオン)を15重量部、それに溶剤1800重量部に
混合して本発明の比較用組成物(比較例17〜20)を
調製した。このようにして調製した組成物に含まれる溶
剤、及び前記と同様な方法で測定した粘度と分散性の結
果を纏めて表9に示した。
【0066】
【表9】
【0067】
【発明の効果】本発明で得られる組成物は、従来報告さ
れているものと比較して、透明性及び/又は粘性及び/
又は分散性において優れている。この特性は、工業的に
利用する場合極めて効果的な場合が多い。それ故、化粧
品、医薬品、衛生剤、接着剤、塗料、染料原料、各種プ
ラスチック製品、繊維工業等各種の製品や製造プロセス
において、粘性調製剤、分散剤、乳化剤、粘結剤、及び
各種の物性向上或いは改良剤等として、有効に用いるこ
とができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜30のアルキル基及び/又は
    ベンジル基を有する第4級アンモニウムイオンと膨潤性
    層状ケイ酸塩との複合体(複合体1とする)とポリオキ
    シアルキレン基を有する第4級アンモニウムイオンと膨
    潤性層状ケイ酸塩との複合体(複合体2とする)が複合
    体1:複合体2=4:1〜1:4(モル)の割合で有機
    溶剤と混合している組成物。
  2. 【請求項2】 複合体1:複合体2=7:3〜3:7
    (モル)の割合で有機溶剤と混合している請求項1の組
    成物。
  3. 【請求項3】 炭素数1〜30のアルキル基及び/又は
    ベンジル基を有する第4級アンモニウムイオンが一般式
    (1)で示され、ポリオキシアルキレン基を有する第4
    級アンモニウムイオンが一般式(2)で示される請求項
    1又は2記載の組成物。 【化1】 (式中、R1 はメチル基又はベンジル基、R2 はメチル
    基、R3 はメチル基又はC数1〜25のアルキル基、R
    4 はC数1〜25のアルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基
    又はベンジル基を表し、R2 及びR3 は(CH2 CH
    (CH3 )On H基、(CH2 CH2 CH2 O)n
    基、又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、R4
    (CH2 CH(CH3)O)n H基又は(CH2 CH2
    CH2 O)n H基を表し、nは1〜50である。)
  4. 【請求項4】 炭素数1〜30のアルキル基及び/又は
    ベンジル基を有する第4級アンモニウムイオンが一般式
    (3)で示され、ポリオキシアルキレン基を有する第4
    級アンモニウムイオンが一般式(4)で示される請求項
    3記載の組成物。 【化3】 (式中、R1 はメチル基またはベンジル基、R2 はメチ
    ル基、R3 とR4 はC数16のアルキル基又はC数18
    のアルキル基を表す。) 【化4】 (式中、R1 はメチル基、R2 及びR3 はエチル基、R
    4 は(CH2 CH(CH3 )O)n H基を表し、nは9
    〜40である。)
  5. 【請求項5】 膨潤性層状ケイ酸塩がスメクタイト層粘
    土鉱物である請求項1〜4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 スメクタイト層粘土鉱物が下記一般式
    (5)で示され、かつ、ケイ酸とマグネシウム塩の均質
    混合液とアルカリ溶液よりケイ素・マグネシウム複合体
    をつくり、副生溶解質を除去した後、一価陽イオンおよ
    び必要に応じフッ素イオンを添加して得たスラリーを、
    100℃ないし350℃の条件下で水熱反応を行ない、
    次いで反応生成物を乾燥して得られるヘクトライト型粘
    土鉱物に類似した構造を有する化合物である請求項5記
    載の組成物。 【化5】 (Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンを含む
    一価陽イオンから選んだ少なくとも一個の陽イオン)
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004196656A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Hilti Ag 層状ケイ酸塩インターカレーション化合物の製造方法、その際に得られるインターカレーション化合物及びその使用
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