JPH07193960A - ケーブル用リール装置 - Google Patents

ケーブル用リール装置

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Publication number
JPH07193960A
JPH07193960A JP33307593A JP33307593A JPH07193960A JP H07193960 A JPH07193960 A JP H07193960A JP 33307593 A JP33307593 A JP 33307593A JP 33307593 A JP33307593 A JP 33307593A JP H07193960 A JPH07193960 A JP H07193960A
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JP
Japan
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cable
shaft
frame
guide body
flat cable
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Application number
JP33307593A
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English (en)
Inventor
Akio Kawamoto
明生 川本
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Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーブル用リール装置を円滑に回転する。 【構成】 自動車のステアリングシャフトに嵌合するケ
ーブル用リール装置を構成する。ロータ14の軸部56とス
テータ15の枠部44との間に形成したケーブル収納部に、
略環状の案内体21とフラットケーブル22とを収納する。
フラットケーブル22は、案内体21に形成した反転用挿通
部73を通って、軸部56の外周と、枠部44の内周とに、反
対方向に巻き付ける。案内体21の反転用挿通部73の近傍
の内周側に、回動自在な保護板81を取り付ける。この保
護板81で、フラットケーブル22を案内する。 【効果】 フラットケーブル22の座屈を防止して、フラ
ットケーブル22を案内体21の反転用挿通部73に円滑に導
入できる。構造を簡単にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに相対的に回転す
る部材間をケーブルにて接続するケーブル用リール装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平5−56543号
公報に記載されたケーブル用リール装置が知られてい
る。このケーブル用リール装置は、自動車の車体側に設
けられた電気部品と、正逆方向に回転するステアリング
ホイール側に設けられた電気部品との間を、複数の芯線
を並設したいわゆるフラットケーブルにて電気的に接続
するものである。
【0003】そして、このフラットケーブルは、ステア
リングシャフトに嵌合する中空円環状のケース体の内部
に収納されている。また、このケース体は、車体側の部
材に固定される筒状の枠体と、この枠体の内側に設けら
れてステアリングホイールとともに回転する筒状の軸体
とを、互いに回転自在に組み合わせて構成されている。
そして、フラットケーブルは、一端部が枠体に取り付け
られ、他端部が軸体に取り付けられた状態で、これらの
枠体と軸体との間に形成される空間部に収納されてい
る。
【0004】さらに、この空間部には、フラットケーブ
ルを案内して巻き乱れを防止する平面略C字状をなす案
内体が収納されている。この案内体は、円環の一部にフ
ラットケーブルが挿通する反転用挿通部を設けて形成さ
れ、軸体の周囲に回転自在に配置されている。
【0005】そして、このケーブル用リール装置では、
ステアリングホイールを一方向に回転操作した状態で、
フラットケーブルが案内体の反転用挿通部を通ってU字
状に反転しながらこの案内体の内側に引き込まれ、軸体
の外周側に巻き付けられる。また、ステアリングホイー
ルを反対方向に回転操作した状態で、巻き戻されたフラ
ットケーブルが案内体の反転用挿通部を通ってU字状に
反転するとともに、この反転部分で案内体を押動しなが
ら案内体の外側に繰り出され、枠体の内周側に巻き付け
られるようになっている。
【0006】そこで、軸体の周囲にフラットケーブルを
一方向に巻き付けた状態を保って、このフラットケーブ
ルを巻き戻したり、巻き締めたりする、いわゆるクロッ
クスプリング型のケーブル用リール装置に比べて、フラ
ットケーブルの長さ寸法を短くすることができるように
なっている。
【0007】さらに、このケーブル用リール装置では、
フラットケーブルの周面に沿って、帯状の滑性シートが
配設されている。そこで、フラットケーブルと案内体と
などの間に生じる摩擦抵抗を低減させ、フラットケーブ
ルを軸体の外周側へ巻き付ける動作と、枠体の内周側へ
巻き付ける動作とを円滑に行うようになっており、フラ
ットケーブルを巻き戻す際に、案内体を押動するフラッ
トケーブルが座屈して巻き乱れが生じることなどを防止
するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、長手寸法の大きいフラットケーブルに沿
って滑性シートを配設する必要があり、煩雑な作業が必
要になるともに、材料費が高くなり、製造コストが上昇
するとの問題を有している。また、フラットケーブルを
巻き戻す際には、フラットケーブルが案内体を押動して
回転させることになるため、フラットケーブルに巻き乱
れが生じやすいとの問題を有している。また、弾性の大
きいフラットケーブルを用いることにより、フラットケ
ーブルの座屈を防止することができるが、弾性の大きい
フラットケーブルを用いると、反転部分での回転半径が
大きくなり、ケーブル用リール装置が大形化するとの問
題を有している。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、ケーブルの巻き乱れがなく円滑に動作するととも
に製造コストを低減できるケーブル用リール装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のケーブル
用リール装置は、略筒状をなす枠部、およびこの枠部の
内側にこの枠部に対して相対的に正逆方向に回転可能に
設けられた軸部を有したケースと、これらの枠部と軸部
との間に形成されたケーブル収納部に収納され、一端部
が前記枠部に接続され、他端部が前記軸部に接続され
て、これらの枠部および軸部の相対的な正逆方向の回転
に伴い前記軸部の外周部と前記枠部の内周部とに反対方
向に巻き付けられるケーブルと、前記ケーブル収納部に
収納され、前記軸部の外周部に巻き付けられたケーブル
と前記枠部の内周部に巻き付けられたケーブルとの間に
位置してこのケーブルを案内する案内体とを備えたケー
ブル用リール装置において、前記案内体は、前記軸部の
周囲に位置して周方向に回転自在な略環状をなし、前記
ケーブルを挿通して反転させる反転用挿通部が形成され
ているとともに、この反転用挿通部を挟んで、前記ケー
ブルが導入時押動される側の第1の面部と、この第1の
面部に対向し、前記ケーブルが導出時押動される側の第
2の面部とが形成され、さらに、この第2の面部側の少
なくとも内周側の端部近傍から、内周側に向かって保護
板を突設したものである。
【0011】請求項2記載のケーブル用リール装置は、
略筒状をなす枠部、およびこの枠部の内側にこの枠部に
対して相対的に正逆方向に回転可能に設けられた軸部を
有したケースと、これらの枠部と軸部との間に形成され
たケーブル収納部に収納され、一端部が前記枠部に接続
され、他端部が前記軸部に接続されて、これらの枠部お
よび軸部の相対的な正逆方向の回転に伴い前記軸部の外
周部と前記枠部の内周部とに反対方向に巻き付けられる
ケーブルと、前記ケーブル収納部に収納され、前記軸部
の外周部に巻き付けられたケーブルと前記枠部の内周部
に巻き付けられたケーブルとの間に位置してこのケーブ
ルを案内する案内体とを備え、前記枠部もしくは軸部の
うち、回転駆動する側に前記案内体に摺動可能に当接る
す摺接部を備えた下板を一体的に設けたケーブル用リー
ル装置であって、前記案内体は、前記軸部の周囲に位置
して周方向に回転自在な略環状をなし、前記ケーブルを
挿通して反転させる反転用挿通部が形成されているとと
もに、この反転用挿通部を挟んで、前記ケーブルが導出
時押動される側の第1の面部と、この第1の面部に対向
し、前記ケーブルが導入時押動される側の第2の面部と
が形成され、さらに、この第2の面部側の少なくとも外
周側の端部近傍から、外周側に向かって保護板が突設さ
れたものである。
【0012】
【作用】請求項1記載のケーブル用リール装置では、相
対的に正逆方向に回転する部材間に、このケーブル用リ
ール装置を配設して、各部材にそれぞれ枠部と軸部とを
接続することにより、これらの部材が、枠部と軸部との
間のケーブル収納部に収納されたケーブルにより接続さ
れ、このケーブルにより電力あるいは信号などが伝達さ
れる。そして、軸部を枠部に対して相対的に一方向に回
転した状態で、ケーブルが、案内体の反転用挿通部を通
ってU字状に反転しながら、案内体の内側に引き込ま
れ、軸部の外周側に巻き付けられる。また、軸部を反対
方向に回転した状態で、ケーブルが軸部から巻き戻さ
れ、保護板に当接して案内されながら、案内体の反転用
挿通部を通ってU字状に反転するとともに、案内体の外
側に繰り出され、枠部の内周側に巻き付けられる。
【0013】請求項2記載のケーブル用リール装置で
は、相対的に正逆方向に回転する部材間に、このケーブ
ル用リール装置を配設して、各部材にそれぞれ枠部と軸
部とを接続することにより、これらの部材が、枠部と軸
部との間のケーブル収納部に収納されたケーブルにより
接続され、このケーブルにより電力あるいは信号などが
伝達される。そして、軸部を枠部に対して相対的に一方
向に回転した状態で、ケーブルが、案内体の反転用挿通
部を通ってU字状に反転しながら、案内体の内側に引き
込まれ、軸部の外周側に巻き付けられる。また、軸部を
反対方向に回転した状態で、ケーブルが軸部から巻き戻
され、案内体の反転用挿通部を通ってU字状に反転する
とともに、案内体の外側に繰り出され、枠部の内周側に
巻き付けられる。そして、ケースには、枠部および軸部
のうち、回転駆動する側に案内体に摺接可能に当接する
摺接部を備えた下板を一体的に設けたので、枠部および
軸部のいずれかを回転した際に、案内体が回転駆動され
る側と同じ方向に回転し、反転用挿通部にてケーブルを
張っぱる状態になる。そこで、ケーブルの座屈が防止さ
れ、巻き乱れが抑制される。また、ケーブルを軸部の外
周側に巻き付ける際には、このケーブルが保護板に当接
して案内されて、巻き乱れが防止される。
【0014】
【実施例】以下、本発明のケーブル用リール装置の第1
の実施例の構成を図面を参照して説明する。
【0015】図1ないし図3において、11はケースで、
このケース11は、それぞれ共重合ポリアセタールなどの
合成樹脂にて一体形成した組付部材12、ロータ14、ステ
ータ15、外ケース16などを組み合わせて略中空円環状に
構成されている。そして、このケース11の内側には、環
状をなすケーブル収納部17が形成され、このケーブル収
納部17に、環状をなす案内体21と、ケーブルとしてのフ
ラットケーブル22とが収納されて、ケーブル用リール装
置が構成されている。
【0016】そして、このケーブル用リール装置は、例
えば、自動車のステアリングシャフトに嵌合された状態
で、ステアリングホイール本体と、いわゆるコンビネー
ションスイッチとの間に装着されている。また、ステア
リングホイール本体は、ステアリングシャフトの上端部
に取り付けられ、ステアリングシャフトとともに回転す
るようになっている。一方、コンビネーションスイッチ
は、ステアリングシャフトの外側に設けられたステアリ
ングコラムに嵌合して車体側に取り付けられている。そ
して、このケーブル用リール装置のフラットケーブル22
により、ステアリングホイール本体に設けられたエアバ
ッグ装置、ホーンスイッチ、定速走行装置(ASCD)
の操作スイッチ、およびオーディオ装置の操作スイッチ
などの電気部品と、車体側に設けたバッテリー、衝撃セ
ンサ、ホーン装置、定速走行装置、およびオーディオ装
置などの電気部品とが、電気的に接続されるようになっ
ている。
【0017】また、このステアリングシャフトは、自動
車の操向伝導装置に接続されており、この操向伝導装置
のギア比などに応じて、例えば、中立位置から左右方向
にそれぞれ2回転から2.5回転ほど回転操作できる。
すなわち、いわゆるロックトゥロックで、最大4回転か
ら5回転ほど回転操作できるようになっている。
【0018】そして、フラットケーブル22は、例えば、
2本から9本などの複数の導線を平行に配置して絶縁性
のフィルムなどにて一体的に被覆したもので、柔軟で、
なおかつ若干の弾性を有する帯状に形成されている。ま
た、このフラットケーブル22の両端部には、それぞれケ
ーブルCの合成樹脂などにて形成した変換部22a が接続
されている。さらに、このケーブルCの両端部には、図
示しないコネクタが接続され、それぞれステアリングホ
イール本体およびコンビネーションスイッチに設けた他
方のコネクタに装着されて電気的に接続されるようにな
っている。
【0019】また、外ケース16は、円筒状をなす外筒部
31を有している。そして、この外筒部31の下端部から
は、平面略台形状をなす車体側取付部32が外周側に突設
されている。さらに、この車体側取付部32の外周縁部か
らは、取付片部33が下側に向かって突設され、この取付
片部33の四隅に、コンビネーションスイッチに固定され
る取付孔34が形成されている。そして、車体側取付部32
の下面側には、図示しない複数のステータ固着部が形成
されている。このステータ固着部は、上側に向かって凹
設された凹設部と、この凹設部から突設されたかしめピ
ンとから構成されている。また、外筒部31の一側部に
は、側方に突出するとともに下方に開口したケーブル導
出部36が形成されている。さらに、外筒部31の上端部近
傍からは、内側に向かって円環状をなす案内体保持部37
が突設されている。そして、この案内体保持部37の上側
には、略円環状をなす2本の突条部37a ,37b が突設さ
れているとともに、下方に向かって凹設された係合凹部
38が形成されている。
【0020】そして、ステータ15は、外ケース16の外筒
部31の下端部近傍に嵌合する円板状の下板部41を有して
いる。そして、この下板部41の中央部には、嵌合孔41a
が形成されている。また、この下板部41の外周部から
は、外ケース16のステータ固着部の凹設部に嵌合する突
片部42が形成されているとともに、各突片部42には、ス
テータ固着部のかしめピンが挿通するかしめ孔42a が形
成されている。そして、このステータ固着部のかしめピ
ンを、かしめ孔42a に挿通させて突片部42に熱かしめす
ることにより、ステータ15と外ケース16とが固定されて
いる。さらに、この下板部41の上面部には、円環状をな
す2本の溝部43a ,43b が下側に向かって凹設されてい
る。
【0021】また、このステータ15の下板部41の外周部
近傍からは、略円筒状をなす枠部44が上側に向かって突
設されている。そして、この枠部44は、外ケース16の外
筒部31の内側に離間するように形成され、これらの外筒
部31と枠部44との間に、略円筒状をなす空間部としての
外周側空間部45が形成されている。また、この枠部44の
一側部に位置して、外周側ケーブル導出部46が設けられ
ている。この外周側ケーブル導出部46は、枠部44に形成
された挿通部44a と、この挿通部44a を覆う状態で枠部
44の内周側に設けられた略円弧状の閉塞板47とを有して
いる。そして、ケーブル収納部17に収納されたフラット
ケーブル22は、これらの枠部44と閉塞板47との間に挟ま
れ、垂直状に保持されているとともに、この枠部44と閉
塞板47との間を通って、挿通部44a から枠部44の外周部
に導出される。
【0022】さらに、この枠部44の外周部に導出された
フラットケーブル22は、枠部44の外周面に沿って折り返
された上、幅方向と交差する方向の折り線にて下方に向
かって折り返されている。また、この外周側ケーブル導
出部46の下側部には、下部ケーブル保持部48が形成され
ている。そして、この下部ケーブル保持部48には、両側
一対の係合爪48a ,48a が形成されている。そして、こ
れらの係合爪48a ,48a を、フラットケーブル22に接続
した変換部22a に形成した係合凹部22b ,22bに係合す
ることにより、フラットケーブル22の一端部近傍が係合
保持されている。また、この外周側ケーブル導出部46お
よびフラットケーブル22に接続した変換部22a は、外ケ
ース16のケーブル導出部36に覆われて保護されている。
【0023】そして、ロータ14は、略円板状の上板部51
を有している。この上板部51は、外ケース16の案内体保
持部37の上側に突設した2本の突条部37a ,37b 上に摺
接する状態で、外ケース16の外筒部31の上端部近傍の内
側に回転自在に配設されている。また、上板部51の中央
部には、円孔51a が形成されている。さらに、この円孔
51a の周囲の4か所から、かしめピン52が突設されてい
る。また、この円孔51a の一側部に位置して、上部ケー
ブル保持部53が設けられている。この上部ケーブル保持
部53は、上板部51を凹設してなる係合凹部54と、この係
合凹部54の両側部に形成された係合爪55,55とから構成
されている。
【0024】また、この上板部51の下側からは、円孔51
a の周囲に位置して、略円筒状をなす軸部56が突設され
ている。そして、ロータ14とステータ15とを組み合わせ
た状態で、このロータ14の軸部56とステータ15の枠部44
との間に、ケーブル収納部17が形成されている。また、
この軸部56の一側部には、内周側ケーブル導出部57が設
けられている。この内周側ケーブル導出部57は、軸部56
に形成された挿通部と、この挿通部を覆う状態で軸部56
の内周側に設けられた閉塞板とを有している。そして、
ケーブル収納部17に収納されたフラットケーブル22は、
挿通部を通るとともに、軸部56の内周面と閉塞板との間
を通って、軸部56の内周側に導出されている。また、こ
の軸部56の内周側に導出されたフラットケーブル22は、
幅方向と交差する方向の折り線にて上方に折り返された
上、上板部51の上面に沿って折り返されている。そし
て、フラットケーブル22の他端部近傍の変換部22a が、
上板部51の上部ケーブル保持部53の係合凹部54に嵌合さ
れ、両側の係合爪55,55が変換部22a の係合凹部22b ,
22b に係合された状態で、フラットケーブル22の他端部
近傍がロータ14に係合保持されている。さらに、ケーブ
ル保持部53の近傍を除き、軸部56の内周部の上端部に沿
って、略環状をなす膨出部59が肉厚に突設されている。
【0025】また、上板部51には、ロック機構60が備え
られている。このロック機構60は、回動自在かつ上下動
自在に上板部51に取り付けられたロック体60a と、この
ロック体60a を上側に付勢するスプリング体60b と、こ
れらのロック体60a およびスプリング体60b を覆うカバ
ー体60c となどから構成されている。そして、ロック体
60a を押下げながら回動することにより、このロック体
60a が外カバー16の係合凹部38に係合して固定され、ロ
ータ14を係合位置に固定するようになっている。
【0026】また、組付部材12は、略円筒状をなす内筒
部61を有している。そして、この内筒部61は、ステアリ
ングシャフトあるいはこのステアリングシャフトに嵌着
したステアリングホイールのボスの外側に嵌合するとと
もに、ロータ14の軸部56の内側に嵌合するようになって
いる。また、この内筒部61の上端部からは、外側に向か
って略円環状をなすフランジ部62が突設されている。さ
らに、このフランジ部62の4か所から、固着片部63が突
設されているとともに、各固着片部63に、それぞれかし
め孔63a が形成されている。また、内筒部61の下端部に
は、ステータ嵌合部64が放射状に形成されている。各ス
テータ嵌合部64は、断面略コの字状をなし、内周側に向
かって弾性変形可能に形成されている。さらに、フラン
ジ部62の一側部には、断面略コの字状をなすケーブル押
え部65が上側に向かって突設されている。
【0027】そして、この組付部材12は、内筒部61をロ
ータ14の軸部56の内側に嵌合し、フランジ部62をロータ
14の上板部51の上面に当接した状態で、組付部材12の固
着片部63のかしめ孔63a にロータ14のかしめピン52を挿
通して熱かしめすることにより、ロータ14に固定され、
このロータ14とともに回転するようになっている。ま
た、この状態で、組付部材12のケーブル押え部65が、フ
ラットケーブル22の他端部近傍の変換部22a の上側に嵌
合して、この変換部22a を押えるようになっている。
【0028】さらに、組付部材12のステータ嵌合部64
を、ステータ15の下板部41の嵌合孔41a に圧入すること
により、このステータ嵌合部64の下端部に形成した係合
爪64aが、下板部41の嵌合孔41の周囲に当接して一旦内
側に弾性変形し、さらに下板部41を通過した状態で外側
に復帰変形して、下板部41の下面側に係止され、このス
テータ嵌合部64と嵌合孔41a とが摺動自在に嵌合する。
この状態で、組付部材12およびロータ14と、外ケース16
およびステータ15とが、互いに回転自在に組み合わされ
ている。
【0029】また、案内体21は、ロータ14の軸部56とス
テータ15の枠部44との間に配置される略環状に形成され
ている。そして、この案内体21は、軸部56の外周面に対
向する内板部71と、この内板部71と同心状をなして枠部
44の内周面に対向する外板部72とを有している。さら
に、これらの内板部71の上端部と、外板部72の上端部と
が、上板部72a により連結され、断面略コの字状に形成
されている。また、これらの内板部71の下端部と外板部
72の下端部とは、それぞれステータ15の溝部43a,43b
に摺動自在に嵌合され、案内体21が軸部56の周囲に回転
自在に備えられている。
【0030】さらに、この案内体21の一側部には、この
案内体21の内周側と外周側とを連通する反転用挿通部73
が形成されている。そして、この反転用挿通部73は、円
弧状に形成され、周方向に相対向する第1の面部として
の突設面部74と、第2の面部としての凹設面部75とが形
成されている。また、これらの突設面部74と凹設面部75
とは、それぞれ滑らかな曲面状に形成されている。
【0031】また、この案内体21の上板部72a には、円
弧状をなして突設部76が形成され、この突設部76の外周
部に、外ケース16の案内体保持部37の内周部に摺動自在
に嵌合する係合段部77が形成されている。
【0032】さらに、この案内体21の内板部71の内周側
の上端部近傍には、周方向を長手方向とする内側突条78
が所定間隔で複数形成されている。また、この案内体21
の外板部72の外周側の下端部近傍には、周方向を長手方
向とする外側突条79が所定間隔で複数形成されている。
そして、各突条78,79は、それぞれ断面矩形状あるいは
断面半球状に形成されているとともに、表面は滑らかに
形成されている。
【0033】また、内側突条78の突出寸法と内板部71の
厚さ寸法の合計は、ステータ15の内側の溝部43a の幅寸
法よりも大きく形成されているとともに、外側突条79の
突出寸法と外板部72の厚さ寸法の合計は、ステータ15の
外側の溝部43b の幅寸法よりも大きく形成されている。
そこで、内側突条78の先端部は、内側の溝部43a よりも
内周側に突出し、外側突条79の先端部は、外側の溝部43
b よりも外周側に突出するようになっている。
【0034】さらに、この案内体21の凹設面部75の内側
の端部には、ヒンジ部75a が形成され、このヒンジ部75
a に、保護板81が回動自在に取り付けられている。そし
て、この保護板81は、ヒンジ部75a に接続された基端部
81a が曲面状に形成されているとともに、先端部81b は
鋭角状に形成されている。そして、この保護板81の先端
部81b は、フラットケーブル22に沿って配置され、この
先端部81b 近傍の一面が、ロータ14の軸部56あるいはこ
の軸部56の外周部に捲回されたフラットケーブル22に摺
接するようになっている。
【0035】そして、ケーブル収納部17に収納されたフ
ラットケーブル22は、案内体21の反転用挿通部73に挿通
され、この反転用挿通部73に沿って略U字状に彎曲して
折り返された状態で、軸部56の外周面と案内体21の内板
部71の内周面との間に捲回されているとともに、枠部44
の内周面と案内体21の外板部72の外周面との間に捲回さ
れている。すなわち、フラットケーブル22は、上側から
見て、案内体21の内側では、内周側から外周側に向かっ
て反時計回り方向に捲回されているとともに、案内体21
の外側では、内周側から外周側に向かって時計回り方向
に捲回されている。
【0036】また、この状態で、案内体21の各突条78,
79は、それぞれフラットケーブル22の導線を避けてフィ
ルムのみの部分に当接するようになっている。
【0037】そして、このように構成されたケーブル用
リール装置は、組付部材12の内筒部61をステアリングシ
ャフトに嵌合し、ステータ15を車体側のコンビネーショ
ンスイッチに固定するとともに、ロータ14をステアリン
グホイールのボスプレートなどに固定して、ステアリン
グホイールとコンビネーションスイッチとの間に挾持さ
れた状態で、ステアリング装置に機械的に設置される。
【0038】また、このケーブル用リール装置は、上側
に導出したケーブルCに接続したコネクタを、ステアリ
ングホイールの内部に設けた他方のコネクタに接続する
ことにより、ステアリングホイールに設けられたエアバ
ッグ装置の点火器やホーンスイッチなどの電気部品に電
気的に接続され、下側に導出したケーブルCに接続した
コネクタを、車体側に設けた他方のコネクタに接続する
ことにより、車体側に設けられたバッテリーや衝撃セン
サなどの電気部品に電気的に接続され、これらの電気部
品間を電気的に接続するようになっている。
【0039】次に、本実施例の動作を説明する。
【0040】まず、ステアリングホイールを、上側(乗
員側)から見て、時計回り方向に最大限回転操作した状
態では、フラットケーブル22は、ロータ14の軸部56に引
っ張られて、この軸部56の外周面に外周側から内周側に
向かって時計回り方向に巻き締められている。
【0041】そして、この状態から、ステアリングホイ
ールを反時計回り方向に回転操作すると、フラットケー
ブル22は、案内体21の内側で巻き戻され、案内体21の内
板部71の内周面に押し付けられていく。
【0042】さらに、ステアリングホイールを反時計回
り方向に回転操作すると、フラットケーブル22は、突設
面部74側の内板部71に沿って移動するとともに、保護板
81の外周面に摺接して案内されつつ、案内体21の反転用
挿通部73を通ってこの案内体21の外側に繰り出される。
この際、フラットケーブル22は、反転用挿通部73にて略
U字状に彎曲されるとともに、この反転用挿通部73の凹
設面部75および保護板81を押動して、案内体21を反時計
回り方向に回転させる。さらに、反転用挿通部73を通っ
て案内体21の外側に繰り出されたフラットケーブル22
は、自らの弾性により、ステータ15の枠部44の内周側に
押し付けらて巻き付けられる。
【0043】さらに、ステアリングホイールを回転操作
して、反時計回り方向に最大限回転操作した状態では、
フラットケーブル22の大部分が、ステータ15の枠部44の
内周側に押し付けられ、外周側から内周側に向かって反
時計回り方向に巻き付けられる。
【0044】また、この状態から、ステアリングホイー
ルを時計回り方向に回転操作すると、フラットケーブル
22は、ロータ14の軸部56に引っ張られ、この軸部56の外
周部に巻き付けられていく。この際、フラットケーブル
22は、案内体21の反転用挿通部73を通ってこの案内体21
の内側に引き込まれるとともに、この反転用挿通部73の
突設面部74を押動して、案内体21を時計回り方向に回転
させる。
【0045】そして、ステアリングホイールを、時計回
り方向に最大限回転操作した状態では、フラットケーブ
ル22は、ロータ14の軸部56の外周部に大部分が巻き締め
られて初期状態に復帰する。
【0046】このように、本実施例のケーブル用リール
装置によれば、ステアリングホイールを正逆方向に回転
操作した状態で、フラットケーブル22をケーブル収納部
17の内部に正逆方向に捲回できるため、中心軸の周囲に
フラットケーブル22を一方向に巻き付けた状態で、この
フラットケーブル22を巻き締めたり、巻き戻したりする
構成のケーブル用リール装置に比べて、フラットケーブ
ル22の長さ寸法を大幅に短くして、製造コストを低減す
ることができる。
【0047】また、ケーブル収納部17に収納した案内体
21により、フラットケーブル22を、ロータ14の軸部56の
外周部と、ステータ15の枠部44の内周部とに分離して巻
き付けることができるため、フラットケーブル22を円滑
に移動させ、ケーブル用リール装置を安定して回転させ
ることができる。
【0048】そして、案内体21の反転用挿通部73に面す
る凹設面部75の内周側に、保護板81を取り付けたため、
フラットケーブル22が巻き戻される際に、突設面部74側
に沿って繰り出されるフラットケーブル22を案内し、反
転用挿通部73に円滑に導入することができる。
【0049】また、案内体21の内周側と外周側とには、
それぞれ周方向を長手方向とする内側突条78と外側突条
79とが形成されているため、案内体21とフラットケーブ
ル22との接触面積が小さくなり、摩擦抵抗が低減され
て、このフラットケーブル22を円滑に移動させることが
できる。
【0050】このように、フラットケーブル22を円滑に
移動させて、案内体21の反転用挿通部73に円滑に導入す
ることができるため、フラットケーブル22が軸部56から
巻き戻される際にも、フラットケーブル22が内周側に膨
出して座屈することを防止し、フラットケーブル22を巻
き乱れることなく円滑に移動させ、ケーブル用リール装
置の枠部44と軸部56とを安定して回転させることができ
る。
【0051】また、フラットケーブル22を円滑に移動さ
せることができるため、弾性が小さく、より薄くて柔軟
なフラットケーブル22を用いることができる。そこで、
案内体21の反転用挿通部73におけるフラットケーブル22
の屈曲部分の半径寸法を小さくして、案内体21の径寸法
を小さくし、ケーブル用リール装置を小型化できる。
【0052】さらに、ステータ15の外周側に外ケース16
を装着し、この外ケース16の外筒部31でステータ15の枠
部44の外周側を覆ったため、この枠部44の外周側に向か
って放射される案内体21やフラットケーブル22の摺動音
などの異音を遮り、騒音の発生を抑制することができ
る。また、これらの枠部44と外筒部31との間に外周側空
間部45を設けたため、摺動音などの音域が低くなり、防
音材などを用いることなく安価に不快な騒音を効果的に
抑制することができる。
【0053】そして、外ケース16をステータ15に組み合
わせることにより、ロータ14を装着する前に、案内体保
持部37により案内体21を仮保持できるため、ケーブル用
リール装置の組み立て作業を容易にすることができる。
【0054】また、内側突条78は、案内体21の上端部近
傍に形成され、外側突条79は、案内体21の下端部近傍に
形成されているため、フラットケーブル22の一部分に集
中して各突条78,79が当接することが防止され、フラッ
トケーブル22の損傷を防止することができる。
【0055】さらに、これらの突条78,79は、フラット
ケーブル22の各導線を避けて、フィルムのみの部分に摺
接するように形成されているため、各導線の損傷をより
確実に防止することができる。
【0056】そして、案内体21は、合成樹脂にて一体形
成されており、各突条78,79も、案内体21から一体的に
突設されているため、構造を簡単にすることができる。
そこで、複数のローラを用いて案内体21を構成するケー
ブル用リール装置や、フラットケーブル22の全長に加工
を施す構成などに比べて、部品点数および材料費の低減
や、作業性の向上などにより、製造コストを低減するこ
とができる。
【0057】さらに、案内体21の内周側と外周側とから
は、それぞれ内側突条78と外側突条79とが突設されてい
るため、フラットケーブル22がステータ15の内外側の溝
部43a ,43b と案内体21との間に挟まることを防止する
ことができる。そこで、フラットケーブル22を円滑に移
動させ、ケーブル用リール装置を安定して回転させるこ
とができる。
【0058】また、ステータ15の下板部41に、案内体21
の内板部71および外板部72の下端部がそれぞれ摺動自在
に嵌合する環状の溝部43a ,43b を形成したため、案内
体21の径方向へのがたつきを防止して、定位置にて円滑
に回転移動させることができる。そこで、フラットケー
ブル22を円滑に移動させることができるとともに、異音
の発生などを低減することができる。
【0059】次に、本発明の第2の実施例を図4ないし
図6を参照して説明する。
【0060】この実施例のケース111 は、ロータ112 お
よびステータ113 などを組み合わせて略中空円環状に構
成されている。そして、このケース111 の内側に形成さ
れたケーブル収納部117 に、環状をなす案内体21と、ケ
ーブルとしてのフラットケーブル22とが収納されて、ケ
ーブル用リール装置が構成されている。
【0061】また、ロータ112 は、ロータ本体125 、組
付部材126 、および下板127 などを組み合わせて構成さ
れている。そして、ロータ本体125 には、略円筒状をな
す軸部131 と、この軸部131 の上端部に連続する略円板
状の上板部132 とが一体に形成されている。また、この
上板部132 には、4個のかしめピン134 が突設されてい
るとともに、一側に位置して上部ケーブル保持部135 が
設けられている。この上部ケーブル保持部135 は、上板
部132 を挿通する図示しない導出孔と、上側に向かって
突設された両側一対の係合爪137 ,137 とから構成され
ている。また、軸部131 の下端部には、両側一対の下板
係合爪138 ,138 が形成されている。
【0062】また、組付部材126 は、略円筒状をなす内
筒部141 と、この内筒部141 の上端部に一体に形成され
た略円環状をなすフランジ部142 となどから構成されて
いる。そして、この内筒部141 は、軸部131 の上端部の
内側に嵌合して固定されている。さらに、フランジ部14
2 の4か所から、固着片部145 が突設されているととも
に、各固着片部145 に、それぞれかしめ孔146 が形成さ
れている。また、フランジ部142 の一側部には、断面略
コの字状をなすケーブル押え部147 が上側に向かって突
設されている。
【0063】そして、下板127 は、ロータ本体125 の上
板部132 とほぼ同様の径寸法の円板状をなし、この下板
127 の中央部には、嵌合孔151 が形成されている。ま
た、この下板127 の上面には、嵌合孔151 を囲んで、ロ
ータ個定部152 が凹設されているとともに、このロータ
個定部152 に、両側一対の係合孔153 ,153 が形成され
ている。さらに、下板127 の上面には、嵌合孔151 を中
心とする円環状をなす摺接部としての2本の溝部154a
,154b が下側に向かって凹設されている。
【0064】また、ステータ113 は、略円筒状をなす枠
部155 を有し、この枠部155 が、コンビネーションスイ
ッチに固定されるようになっている。そして、この枠部
155の上下の縁部に、それぞれロータ本体125 の上板部1
32 と下板127 とを摺動自在に嵌合する嵌合部155a ,1
55b が形成されている。また、この枠部155 の一側部
に位置して、外周側ケーブル導出部156 が設けられてい
る。この外周側ケーブル導出部156 は、枠部155 に形成
された挿通孔157 と、この挿通孔157 を覆う状態で枠部
155 の外周側に設けられた略円弧状の閉塞板158 とを有
している。さらに、この外周側ケーブル導出部156 の一
側部には、下部ケーブル保持部161 が設けられている。
この下部ケーブル保持部161 は、枠部155 を下方に延設
してなる保持板部162 と、この保持板部162 の両側部か
ら突設された係合爪部163 ,163とから構成されてい
る。さらに、閉塞板158 には、下部ケーブル保持部161
を覆うようにして、下方に開口したカバー部164 が取り
付けられている。
【0065】そして、組付部材126 の内筒部141 をロー
タ本体125 の軸部131 の内側に嵌合し、フランジ部142
をロータ本体125 の上板部132 の上面に当接した状態
で、組付部材126 の固着片部145 のかしめ孔146 にロー
タ本体125 のかしめピン134 を挿通して熱かしめするこ
とにより、組付部材126 とロータ本体125 とが固定され
る。また、ステータ113 を間に挟んだ状態で、ロータ本
体125 の軸部131 の下端部を下板127 のロータ個定部15
2 に嵌合するとともに、ロータ本体125 の下板用係合爪
138 ,138 を下板127 の係合孔153 に挿入し、各下板用
係合爪138 ,138を下板127 の下面側に係合することに
より、ロータ本体125 と下板127 とが固定されてロータ
112 が構成されている。さらに、この状態で、ロータ11
2 の上板部132 と下板127 の外周縁部とがそれぞれステ
ータ113 の嵌合部155a ,155b に摺動自在に嵌合し、
このロータ112 とステータ113 とが互いに回転自在に組
み合わされている。
【0066】さらに、このように、ロータ112 とステー
タ113 とを組み合わせた状態で、このロータ112 の軸部
131 とステータ113 の枠部155 との間に、ケーブル収納
部117 が形成され、このケーブル収納部117 に、第1の
実施例と同様の案内体21が収納されているとともに、フ
ラットケーブル22が収納されている。
【0067】さらに、このフラットケーブル22の外側の
端部は、枠部155 に形成された挿通孔157 を通って、枠
部155 の外周部に導出され、枠部155 の外周面と閉塞板
158との間に折り返された上、幅方向と交差する方向の
折り線にて下方に向かって折り返されている。また、こ
のフラットケーブル22の外側の端部の変換部22a は、保
持板部162 に当接した状態で、両側の係合爪部163 ,16
3 を変換部22a に形成した係合凹部に係合して、下部ケ
ーブル保持部161 に装着されている。さらに、この変換
部22a は、カバー部164 に覆われて保護されている。
【0068】一方、フラットケーブル22の内側の端部
は、幅方向と交差する方向の折り線にて上方に折り返さ
れ、ロータ本体125 の上板部132 に形成された導出孔13
6 を通り、上板部132 の上側に導出されている。また、
この上板部132 の上側に導出されたフラットケーブル22
は、上板部132 の上面に沿って折り返され、フラットケ
ーブル22の他端部近傍の変換部22a が、上板部132 の上
部ケーブル保持部135 と、組付部材126 のケーブル押え
部147 との間に挟持されているとともに、両側の係合爪
137 ,137 を係合した状態で、フラットケーブル22の他
端部近傍がロータ112 に係合保持されている。
【0069】そして、この案内体21の凹設面部75の外周
側の端部には、ヒンジ部75b が形成され、このヒンジ部
75b に、保護板181 が回動自在に取り付けられている。
そして、この保護板181 は、ヒンジ部75b に接続される
回動軸182 を有した基端部181aが曲面状に形成されてい
るとともに、先端部181bは鋭角状に形成されている。そ
して、この保護板181 の先端部181bは、フラットケーブ
ル22に沿って配置され、この先端部181b近傍の外側面
が、ステータ113 の枠部155 あるいはこの枠部155 の内
周部に捲回されたフラットケーブル22に摺接するように
なっている。
【0070】なお、この案内体21の上板部72a には、突
設部76および係合段部77は形成されていない。
【0071】次に、本実施例の動作を説明する。
【0072】まず、ステアリングホイールを、上側(乗
員側)から見て、時計回り方向に最大限回転操作した状
態では、フラットケーブル22は、ロータ112 の軸部131
に引っ張られて、この軸部131 の外周面に外周側から内
周側に向かって時計回り方向に巻き締められている。
【0073】そして、この状態から、ステアリングホイ
ールを反時計回り方向に回転操作すると、ロータ112 の
軸部131 が回転して、フラットケーブル22が案内体21の
内側で巻き戻されるとともに、ロータ112 の下板127 が
回転し、この下板127 の溝部154a ,154b に当接する
案内体21もロータ112 とともに回転しようとする。
【0074】そして、この状態では、案内体21の突設面
部74にフラットケーブル22が引っ張られながら、このフ
ラットケーブル22が案内体21の反転用挿通部73を通って
この案内体21の外側に繰り出される。この際、フラット
ケーブル22は、反転用挿通部73にて略U字状に彎曲され
るとともに、この反転用挿通部73の突設面部74を押動し
て、案内体21の回転速度を低下させ、溝部154a ,154b
に摺接させる。
【0075】さらに、ステアリングホイールを回転操作
して、反時計回り方向に最大限回転操作した状態では、
フラットケーブル22の大部分が、自らの弾性により、ス
テータ113 の枠部155 の内周側に押し付けられ、外周側
から内周側に向かって反時計回り方向に巻き付けられ
る。
【0076】また、この状態から、ステアリングホイー
ルを時計回り方向に回転操作すると、フラットケーブル
22は、ロータ112 の軸部131 に引っ張られ、この軸部13
1 の外周部に巻き付けられていく。この際、フラットケ
ーブル22は、反転用挿通部73の凹設面部75および保護板
181 に押動されながら案内され、案内体21の反転用挿通
部73を通って略U字状に彎曲されつつ、この案内体21の
内側に引き込まれる。
【0077】そして、ステアリングホイールを、時計回
り方向に最大限回転操作した状態では、フラットケーブ
ル22は、ロータ112 の軸部131 の外周部に大部分が巻き
締められて初期状態に復帰する。
【0078】このように、本実施例のケーブル用リール
装置によれば、ケース111 の下板127 をロータ112 の軸
部131 に固定し、この下板127 の溝部154a ,154b に
案内体21を摺接させたため、ステアリングホイールを回
転操作し、ロータ113 を回転してフラットケーブル22を
案内体21の外側に繰り出す際に、案内体21が軸部131と
同じ方向に回転し、反転用挿通部73にてフラットケーブ
ル22を張っぱる状態になる。そこで、このフラットケー
ブル22を案内体21の外側に繰り出す際のフラットケーブ
ル22の内周側への座屈を防止して、巻き乱れを抑制する
ことができる。さらに、フラットケーブル22を案内体21
の内側に巻き取る際にも、保護板181 がフラットケーブ
ル22を反転用挿通部73に案内するため、このフラットケ
ーブル22の外周側への座屈を防止して、巻き乱れを抑制
することができる。
【0079】なお、上記の各実施例では、それぞれ案内
体21の反転用挿通部73に面する凹設面部75の一側部に保
護板81,181 を取り付けたが、この凹設面部75の両側部
に保護板81,181 を取り付けることもできる。
【0080】また、これらの保護板81,181 は、案内体
21に形成したヒンジ部75a ,75b に回動自在に取り付け
たが、例えば、屈曲自在なヒンジ部を介して案内体21に
一体に形成しても良く、あるいは、保護板自体を屈曲可
能に形成することもできる。
【0081】そして、上記の各実施例における溝部43a
,43b ,154a,154bは形成せずに、下板部41および下
板127 を平面状に形成することもできる。
【0082】また、上記の各実施例では、内側突条78を
案内体21の上端部近傍に形成し、外側突条79を案内体21
の下端部近傍に形成したが、各突条78,79の位置をそれ
ぞれ上下方向(回転軸の軸方向)にずらして形成し、フ
ラットケーブル22の一部分に集中して突条78,79が当接
することを防止して、フラットケーブル22の損傷を抑制
することができる。
【0083】さらに、案内体21の反転用挿通部73に面す
る突設面部74および凹設面部75の少なくとも一方に沿っ
て、円弧状をなす突条部を形成することにより、フラッ
トケーブル22と案内体21との摩擦抵抗をさらに低減させ
ることもできる。
【0084】そして、上記の各実施例では、内側突条78
および外側突条79を周方向に沿って断続的に形成した
が、これらの突条78,79を連続して略環状に形成するこ
ともできる。
【0085】また、案内体21の反転用挿通部73の上側部
あるいは下側部に、この案内体21と一体または別体をな
す連結部を形成し、突設面部74と凹設面部75とを互いに
連結することにより、案内体21の容易に強度を向上でき
る。そこで、外部から案内体21の径方向、周方向、ある
いは捻り方向の圧力を受けた場合や、例えば、車室内の
温度がマイナス40度からプラス100度程度の範囲で
変化した場合にも、案内体21の形状を保持して、ステー
タ15,113 の溝部43a ,43b ,143a,143bに沿って円滑
に回転させることができる。また、強度を向上すること
により、反転用挿通部73の開口部分の寸法を正確に形成
できるため、この反転用挿通部73の開口部分の寸法を最
小限に設定し、フラットケーブル22を案内体21の反転用
挿通部73に弛まずに導入することができる。
【0086】すなわち、案内体21の反転用挿通部73の開
口部分の寸法、すなわち、突設面部74と凹設面部75との
間の離間寸法が大きいと、ロータ14,112 が正回転から
逆回転に反転するとき、突設面部74から凹設面部75にフ
ラットケーブル22が移動する距離が大きくなる。そこ
で、反転用挿通部73付近で、弛みが発生し、フラットケ
ーブル22に折れが発生する。一方、この離間寸法を小さ
くすると、案内体21用の金型を作る上で金型強度不足の
問題を有するばかりか、案内体21が熱変形や成形変形し
た場合に、フラットケーブル22が通りにくくなり、影響
が大きい。そして、この離間寸法は、フラットケーブル
22の厚さ寸法によっても左右されるが、一般的には、1
mmから10mm程度が有効である。特に、フラットケーブ
ル22の厚さ寸法が0.1mm〜0.2mm程度の薄いものの
場合には、この離間寸法は、2mm〜5mm程度にすること
が望ましい。
【0087】また、枠部44の外周側に形成した空間部45
に、ウレタン系材料などからなる防音材を装着あるいは
充填などすることにより、より効果的に騒音を低減する
ことができる。
【0088】さらに、案内体21の上面の複数か所に、弾
性変形可能な弾性部を一体または別体に設けることによ
り、振動などによる異音の発生を抑制することができ
る。
【0089】また、外ケース16の案内体保持部37の内周
側の縁部から、平面矩形状をなす複数の係合突部を内側
に向かって放射状に突設し、これらの係合突部を案内体
21の係合段部77に臨ませることにより、案内体21の径方
向へのがたつきを抑制して、この案内体21を定位置にて
円滑に回転させることができるとともに、異音の発生な
どを低減することができる。また、係合段部77と係合突
部との係合により案内体21を安定して案内できるため、
下板部41に凹設する溝部43a ,43b の深さ寸法を小さく
して、ケーブル用リール装置を小型化できる。さらに、
複数放射状に突出する係合突部は、型形成により容易に
製造できるとともに、型を削り、あるいは埋めることな
どにより突出寸法の誤差の修正も容易にできるため、製
造コストを低減することができる。
【0090】また、上記の各実施例では、ケーブルとし
て複数の導線を並設したフラットケーブル22を用いた
が、絶縁チューブ内に複数の導線を収納した略円柱状の
電線を用いることもでき、また、導線の代わりに、光フ
ァイバーなどを用いることもできる。
【0091】
【発明の効果】請求項1記載のケーブル用リール装置に
よれば、軸部を回転してケーブルを軸部から巻き戻す際
に、このケーブルを反転用挿通部の内周側に突設した保
護板に当接して案内し、円滑に案内体の反転用挿通部に
導入することができる。そこで、ケーブルの座屈や巻き
乱れなく、ケーブル用リール装置を円滑に動作させるこ
とができる。また、構造が簡単で、製造コストを低減す
ることができる。
【0092】請求項2記載のケーブル用リール装置によ
れば、ケースには、枠部および軸部のうち、回転駆動す
る側に案内体に摺接可能に当接する摺接部を備えた下板
を一体的に設けたため、枠部および軸部のいずれかを回
転した際に、案内体が回転駆動される側と同じ方向に回
転し、反転用挿通部にてケーブルを張っぱる状態にな
る。そこで、ケーブルの座屈を防止し、巻き乱れを抑制
することができる。また、ケーブルを軸部の外周側に巻
き付ける際には、このケーブルが保護板に当接して案内
されて、巻き乱れが防止される。また、ケーブルを軸部
の外周側に巻き付ける際には、このケーブルが保護板に
当接して案内され、座屈や巻き乱れを防止して、ケーブ
ル用リール装置を円滑に動作させることができる。ま
た、構造が簡単で、製造コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブル用リール装置の一実施例を示
す分解斜視図である。
【図2】同上ケーブル用リール装置の一部の断面図であ
る。
【図3】同上ケーブル用リール装置の動作を示す平面図
である。
【図4】本発明の他の実施例を示すケーブル用リール装
置の分解斜視図である。
【図5】同上ケーブル用リール装置の動作を示す平面図
である。
【図6】同上ケーブル用リール装置の案内体の斜視図で
ある。
【符号の説明】
11,111 ケース 17,117 ケーブル収納部 21 案内体 22 ケーブルとしてのフラットケーブル 44,144 枠部 56,156 軸部 73 反転用挿通部 74 第1の面部としての突設面部 75 第2の面部としての凹設面部 81,181 保護板 127 下板 154a,154b 摺接部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略筒状をなす枠部、およびこの枠部の内
    側にこの枠部に対して相対的に正逆方向に回転可能に設
    けられた軸部を有したケースと、これらの枠部と軸部と
    の間に形成されたケーブル収納部に収納され、一端部が
    前記枠部に接続され、他端部が前記軸部に接続されて、
    これらの枠部および軸部の相対的な正逆方向の回転に伴
    い前記軸部の外周部と前記枠部の内周部とに反対方向に
    巻き付けられるケーブルと、前記ケーブル収納部に収納
    され、前記軸部の外周部に巻き付けられたケーブルと前
    記枠部の内周部に巻き付けられたケーブルとの間に位置
    してこのケーブルを案内する案内体とを備えたケーブル
    用リール装置において、 前記案内体は、前記軸部の周囲に位置して周方向に回転
    自在な略環状をなし、前記ケーブルを挿通して反転させ
    る反転用挿通部が形成されているとともに、この反転用
    挿通部を挟んで、前記ケーブルが導入時押動される側の
    第1の面部と、この第1の面部に対向し、前記ケーブル
    が導出時押動される側の第2の面部とが形成され、さら
    に、この第2の面部側の少なくとも内周側の端部近傍か
    ら、内周側に向かって保護板を突設したことを特徴とす
    るケーブル用リール装置。
  2. 【請求項2】 略筒状をなす枠部、およびこの枠部の内
    側にこの枠部に対して相対的に正逆方向に回転可能に設
    けられた軸部を有したケースと、これらの枠部と軸部と
    の間に形成されたケーブル収納部に収納され、一端部が
    前記枠部に接続され、他端部が前記軸部に接続されて、
    これらの枠部および軸部の相対的な正逆方向の回転に伴
    い前記軸部の外周部と前記枠部の内周部とに反対方向に
    巻き付けられるケーブルと、前記ケーブル収納部に収納
    され、前記軸部の外周部に巻き付けられたケーブルと前
    記枠部の内周部に巻き付けられたケーブルとの間に位置
    してこのケーブルを案内する案内体とを備え、 前記枠部もしくは軸部のうち、回転駆動する側に前記案
    内体に摺動可能に当接るす摺接部を備えた下板を一体的
    に設けたケーブル用リール装置であって、 前記案内体は、前記軸部の周囲に位置して周方向に回転
    自在な略環状をなし、前記ケーブルを挿通して反転させ
    る反転用挿通部が形成されているとともに、この反転用
    挿通部を挟んで、前記ケーブルが導出時押動される側の
    第1の面部と、この第1の面部に対向し、前記ケーブル
    が導入時押動される側の第2の面部とが形成され、さら
    に、この第2の面部側の少なくとも外周側の端部近傍か
    ら、外周側に向かって保護板が突設されたことを特徴と
    するケーブル用リール装置。
JP33307593A 1993-12-27 1993-12-27 ケーブル用リール装置 Pending JPH07193960A (ja)

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