JPH07192309A - 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂Info
- Publication number
- JPH07192309A JPH07192309A JP5331510A JP33151093A JPH07192309A JP H07192309 A JPH07192309 A JP H07192309A JP 5331510 A JP5331510 A JP 5331510A JP 33151093 A JP33151093 A JP 33151093A JP H07192309 A JPH07192309 A JP H07192309A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- information recording
- recording medium
- polycarbonate resin
- fatty acid
- acid ester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 良好な離型性を確保すると共にポリカーボネ
ート樹脂の加水分解を抑制し、これによって高い耐候性
を有する基板を備えた情報記録媒体を提供すること。か
かる特性をもつ情報記録媒体の基板が得られるポリカー
ボネート樹脂を提供すること。 【構成】 炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステル（例え
ば、ステアリン酸モノグリセリド）を含有し、該脂肪酸
エステル中に存在するアルカリ金属イオンの濃度が１０
０ｐｐｍ以下である離型剤を０．５％以下含有するポリ
カーボネート樹脂。該ポリカーボネート樹脂を用いて成
形した基板を有する情報記録媒体。
ート樹脂の加水分解を抑制し、これによって高い耐候性
を有する基板を備えた情報記録媒体を提供すること。か
かる特性をもつ情報記録媒体の基板が得られるポリカー
ボネート樹脂を提供すること。 【構成】 炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステル（例え
ば、ステアリン酸モノグリセリド）を含有し、該脂肪酸
エステル中に存在するアルカリ金属イオンの濃度が１０
０ｐｐｍ以下である離型剤を０．５％以下含有するポリ
カーボネート樹脂。該ポリカーボネート樹脂を用いて成
形した基板を有する情報記録媒体。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、光または光と磁気とを
用いて情報の記録、再生または消去が行われる、レーザ
ーディスク、コンパクトディスク、Ｗｒｉｔｅ−Ｏｎｃ
ｅ型ディスク、光磁気ディスク、ミニディスク、光カー
ド等の情報記録媒体およびその基板に用いられるポリカ
ーボネート樹脂に関する。
用いて情報の記録、再生または消去が行われる、レーザ
ーディスク、コンパクトディスク、Ｗｒｉｔｅ−Ｏｎｃ
ｅ型ディスク、光磁気ディスク、ミニディスク、光カー
ド等の情報記録媒体およびその基板に用いられるポリカ
ーボネート樹脂に関する。
【０００２】
【従来の技術】コンパクトディスク、光磁気ディスク等
に代表される光ディスクや光カードは、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂等からなる基板の信号側表面（信
号が書き込まれた面）に、スパッタリング法、真空蒸着
法などの薄膜形成法を用いて金属薄膜が設けられてなる
ものであり、最近では、ポリカーボネート樹脂の射出成
形体からなる基板を用いるのが一般的である。
に代表される光ディスクや光カードは、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂等からなる基板の信号側表面（信
号が書き込まれた面）に、スパッタリング法、真空蒸着
法などの薄膜形成法を用いて金属薄膜が設けられてなる
ものであり、最近では、ポリカーボネート樹脂の射出成
形体からなる基板を用いるのが一般的である。
【０００３】しかしながら、ポリカーボネート樹脂から
なる基板を射出成形する場合、金型との離型不良によっ
て、成形された基板に反り、転写不良等による不良品が
発生することがある。そこで、ポリカーボネート樹脂に
シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステル等の離型剤
を添加することが多い。
なる基板を射出成形する場合、金型との離型不良によっ
て、成形された基板に反り、転写不良等による不良品が
発生することがある。そこで、ポリカーボネート樹脂に
シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステル等の離型剤
を添加することが多い。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】情報記録媒体用ポリカ
ーボネートに添加する離型剤としてシリコーンオイルを
用いた場合、高い効果を得るためには多量のシリコーン
オイルを添加する必要があり、しみだしたオイルによっ
て、基板と金属薄膜との密着性に悪影響を与える。ま
た、脂肪酸、脂肪酸エステルを用いた場合、高温高湿下
においてポリカーボネート樹脂の加水分解を引き起こ
し、加水分解による分解物（白色の点として析出す
る。）によってレーザ光の散乱等が発生し、信号特性が
低下することがある。
ーボネートに添加する離型剤としてシリコーンオイルを
用いた場合、高い効果を得るためには多量のシリコーン
オイルを添加する必要があり、しみだしたオイルによっ
て、基板と金属薄膜との密着性に悪影響を与える。ま
た、脂肪酸、脂肪酸エステルを用いた場合、高温高湿下
においてポリカーボネート樹脂の加水分解を引き起こ
し、加水分解による分解物（白色の点として析出す
る。）によってレーザ光の散乱等が発生し、信号特性が
低下することがある。
【０００５】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、良好な離型性を確保しつつ、ポリカーボネート樹脂
の加水分解を抑制し、これによって高い耐候性を有する
基板を備えた情報記録媒体を提供すること、および、か
かる特性をもつ情報記録媒体の基板が得られるポリカー
ボネート樹脂を提供することを目的とする。
で、良好な離型性を確保しつつ、ポリカーボネート樹脂
の加水分解を抑制し、これによって高い耐候性を有する
基板を備えた情報記録媒体を提供すること、および、か
かる特性をもつ情報記録媒体の基板が得られるポリカー
ボネート樹脂を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本願の請求項１の情報記
録媒体の発明は、炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステル
を含有し、該脂肪酸エステル中に存在するアルカリ金属
イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離型剤を０．５
％以下含有するポリカーボネート樹脂を用いて成形して
なる基板を有することを特徴とする。
録媒体の発明は、炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステル
を含有し、該脂肪酸エステル中に存在するアルカリ金属
イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離型剤を０．５
％以下含有するポリカーボネート樹脂を用いて成形して
なる基板を有することを特徴とする。
【０００７】また、本願の請求項２の情報記録媒体用ポ
リカーボネート樹脂の発明は、炭素数が１０〜３０の脂
肪酸エステルを含有し、該脂肪酸エステル中に存在する
アルカリ金属イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離
型剤を０．５％以下含有することを特徴とする。
リカーボネート樹脂の発明は、炭素数が１０〜３０の脂
肪酸エステルを含有し、該脂肪酸エステル中に存在する
アルカリ金属イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離
型剤を０．５％以下含有することを特徴とする。
【０００８】本発明における離型剤は炭素数が１０〜３
０の脂肪酸エステルが９０％以上の割合で含まれている
ものが好ましい。上記の脂肪酸エステルとしては、ステ
アリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、パ
ルミチン酸モノグリセリド等が挙げられる。ここで、本
発明におけるアルカリ金属イオンの濃度は、離型剤５ｇ
を塩化メチレンに溶解した後、１００ｍｌの超純水を添
加、混合し、１昼夜静かに放置した後、水層のみを単離
し、イオンクロマトグラフ分析装置で測定した値であ
る。離型剤の含有量としては、０．０３〜０．１％の範
囲にあることが好ましい。なお、本発明で用いられるポ
リカーボネート樹脂としては、透明性が高く、高い射出
成形性を有するものであって、一般に情報記録媒体用と
して用いられるものであれば特に限定されない。
０の脂肪酸エステルが９０％以上の割合で含まれている
ものが好ましい。上記の脂肪酸エステルとしては、ステ
アリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、パ
ルミチン酸モノグリセリド等が挙げられる。ここで、本
発明におけるアルカリ金属イオンの濃度は、離型剤５ｇ
を塩化メチレンに溶解した後、１００ｍｌの超純水を添
加、混合し、１昼夜静かに放置した後、水層のみを単離
し、イオンクロマトグラフ分析装置で測定した値であ
る。離型剤の含有量としては、０．０３〜０．１％の範
囲にあることが好ましい。なお、本発明で用いられるポ
リカーボネート樹脂としては、透明性が高く、高い射出
成形性を有するものであって、一般に情報記録媒体用と
して用いられるものであれば特に限定されない。
【０００９】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 （実施例１〜６）脂肪酸エステルとして、ステアリン酸
モノグリセリド（実施例１〜４）、ベヘン酸モノグリセ
リド（実施例５）およびパルミチン酸モノグリセリド
（実施例６）をそれぞれ用い、表１に示す量の離型剤を
それぞれ含有させたポリカーボネート樹脂を用いて、射
出成形法により直径２．５インチ、厚さ１．２ｍｍの情
報記録媒体用基板を成形した（成形時の温度：３４０
℃）。各実施例における離型剤の脂肪族エステル中に存
在するアルカリ金属イオンの濃度をあわせて表１に示
す。
る。 （実施例１〜６）脂肪酸エステルとして、ステアリン酸
モノグリセリド（実施例１〜４）、ベヘン酸モノグリセ
リド（実施例５）およびパルミチン酸モノグリセリド
（実施例６）をそれぞれ用い、表１に示す量の離型剤を
それぞれ含有させたポリカーボネート樹脂を用いて、射
出成形法により直径２．５インチ、厚さ１．２ｍｍの情
報記録媒体用基板を成形した（成形時の温度：３４０
℃）。各実施例における離型剤の脂肪族エステル中に存
在するアルカリ金属イオンの濃度をあわせて表１に示
す。
【００１０】各実施例で得られた基板を温度１３０℃、
湿度２．５ｋｇｆ／ｃｍ2の環境下に２．５時間放置
し、ポリカーボネート樹脂の加水分解による分解物の数
（白色の点として析出したものの数を目視でカウントし
た。）を調べた。その結果を表１に示す。
湿度２．５ｋｇｆ／ｃｍ2の環境下に２．５時間放置
し、ポリカーボネート樹脂の加水分解による分解物の数
（白色の点として析出したものの数を目視でカウントし
た。）を調べた。その結果を表１に示す。
【００１１】
【表１】
【００１２】（比較例１〜３）表１に示すアルカリ金属
イオン濃度のステアリン酸モノグリセリドを含有する離
型剤を表１に示す量だけ含有させたポリカーボネート樹
脂を用いて、実施例１〜６におけると同じ条件で情報記
録媒体用基板を成形した。得られた基板について各実施
例と同じ方法でポリカーボネート樹脂の加水分解による
分解物の数を調べた。その結果を表１にあわせて示す。
イオン濃度のステアリン酸モノグリセリドを含有する離
型剤を表１に示す量だけ含有させたポリカーボネート樹
脂を用いて、実施例１〜６におけると同じ条件で情報記
録媒体用基板を成形した。得られた基板について各実施
例と同じ方法でポリカーボネート樹脂の加水分解による
分解物の数を調べた。その結果を表１にあわせて示す。
【００１３】表１により、該脂肪酸エステル中に存在す
るアルカリ金属イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である
離型剤を０．５％以下含有するポリカーボネート樹脂を
用いて成形した基板では、当該加水分解物の数が少ない
ことが明らかである。なお、上記各実施例において離型
性は良好で、離型不良による転写ずれ等は発生しなかっ
た。
るアルカリ金属イオンの濃度が１００ｐｐｍ以下である
離型剤を０．５％以下含有するポリカーボネート樹脂を
用いて成形した基板では、当該加水分解物の数が少ない
ことが明らかである。なお、上記各実施例において離型
性は良好で、離型不良による転写ずれ等は発生しなかっ
た。
【００１４】本発明により得られた基板は、反射膜、記
録膜、磁性膜等が積層され、コンパクトディスク、光磁
気ディスクなどの光ディスク、光カード等に利用され
る。
録膜、磁性膜等が積層され、コンパクトディスク、光磁
気ディスクなどの光ディスク、光カード等に利用され
る。
【００１５】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート樹脂
の加水分解が抑制されることから、基板が高い耐候性を
有しており、信頼性の高い情報記録媒体が得られる。ま
た、かかる特性をもつ情報記録媒体の基板を成形可能な
ポリカーボネート樹脂が得られる。
の加水分解が抑制されることから、基板が高い耐候性を
有しており、信頼性の高い情報記録媒体が得られる。ま
た、かかる特性をもつ情報記録媒体の基板を成形可能な
ポリカーボネート樹脂が得られる。
Claims (2)
- 【請求項１】 炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステルを
含有し、該脂肪酸エステル中に存在するアルカリ金属イ
オンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離型剤を０．５％
以下含有するポリカーボネート樹脂を用いて成形してな
る基板を有することを特徴とする情報記録媒体。 - 【請求項２】 炭素数が１０〜３０の脂肪酸エステルを
含有し、該脂肪酸エステル中に存在するアルカリ金属イ
オンの濃度が１００ｐｐｍ以下である離型剤を０．５％
以下含有することを特徴とする情報記録媒体用ポリカー
ボネート樹脂。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5331510A JPH07192309A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5331510A JPH07192309A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07192309A true JPH07192309A (ja) | 1995-07-28 |
Family
ID=18244454
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5331510A Pending JPH07192309A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07192309A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006025587A1 (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-09 | Teijin Chemicals Ltd. | 光ディスク |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5331510A patent/JPH07192309A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006025587A1 (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-09 | Teijin Chemicals Ltd. | 光ディスク |
| US7829166B2 (en) | 2004-09-02 | 2010-11-09 | Teijin Chemicals Ltd. | Optical disk |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA1267470A (en) | Information recording medium | |
| US6921784B2 (en) | Polycarbonate-based molding material and optical disk substrates | |
| JPS6397627A (ja) | 光学式情報記録媒体 | |
| JPH07192309A (ja) | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 | |
| JPH07169092A (ja) | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 | |
| JPH03100501A (ja) | 光学式ディスク基板及び光学式情報記録媒体 | |
| JPH07176084A (ja) | 情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂および情報記録媒体の製造方法 | |
| JPH07176076A (ja) | 情報記録媒体および情報記録媒体用ポリカーボネート樹脂 | |
| JP2804045B2 (ja) | 光記録媒体 | |
| WO2000011086A1 (fr) | Matiere de moulage en resine de polycarbonate optique et substrat de disque optique | |
| KR900004755B1 (ko) | 광 디스크 | |
| JPS5589928A (en) | Vertical magnetic recorder and its reproduction system | |
| JPS6417234A (en) | Optical information recording method and information recording medium | |
| JPS6335619A (ja) | 光デイスク | |
| JP3100862B2 (ja) | 光ディスク基板および光ディスク | |
| JPH11302309A (ja) | 光学的記録媒体用の樹脂組成物 | |
| JPH01146950A (ja) | 光学用成形材料 | |
| JP2002348367A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂およびそれからの成形品 | |
| JPH07334864A (ja) | 情報記録媒体、情報記録媒体基板および情報記録媒体の検査方法 | |
| JPS6190345A (ja) | 光学式デイスク | |
| JPS57150158A (en) | Magnetooptic recording medium | |
| JPS62196127A (ja) | 光磁気記録デイスク | |
| JPH07118093B2 (ja) | 光学式情報記録媒体 | |
| JPS6056410B2 (ja) | 磁気記録媒体用Ｃｏ基合金 | |
| JPS59160843A (ja) | 光学信号記録用媒体およびその製造方法 |