JPH07191500A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH07191500A
JPH07191500A JP5329262A JP32926293A JPH07191500A JP H07191500 A JPH07191500 A JP H07191500A JP 5329262 A JP5329262 A JP 5329262A JP 32926293 A JP32926293 A JP 32926293A JP H07191500 A JPH07191500 A JP H07191500A
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誠司 小島
Mochikiyo Osawa
以清 大澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高硬度である炭素系高硬度
被覆層を表面層として有する像担持体を用いて画像形成
プロセスを繰り返した場合においても、画像流れやクリ
ーニング不良を生じない画像形成方法を提供することに
ある。 【構成】 本発明は、表面にトナ−のバインダ樹脂より
高硬度である有機系微粒子を固定化処理した後、後処理
微粒子を外添処理して得られたトナーによって、炭素系
高硬度被覆層を表面層として有する像担持体上に形成さ
れた静電潜像を現像する画像形成方法に関するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面層を有する像担持
体上に形成された静電潜像をトナーによって現像する画
像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表面層を有する感光体上に形成さ
れた静電潜像をトナーによって現像する画像形成方法が
着目されている。例えば、電子写真分野においては、炭
素系高硬度被覆層を表面層として有する感光体上に静電
潜像を形成し、これを樹脂成分と着色剤を含むトナ−に
よって現像する技術(例えば、特開昭61−25154
号や特開昭63−97962号)が知られている。この
ような炭素系高硬度被覆層は高硬度であり、画像形成プ
ロセスを多く繰り返しても感光体が削れたりすることが
ないというメリットがある。
【0003】しかしながら、炭素系高硬度被覆層を表面
層として有する感光体、例えば、非晶質炭化ケイ素の表
面層と非晶質ケイ素からなる感光層を含む感光体、ある
いは非晶質炭化水素膜の表面層と有機感光層からなる感
光層を含む感光体を使用して画像形成プロセスを繰り返
し実施すると画像流れの問題が生じる。この問題は特に
高湿環境下において顕著に発生する。上記感光体の表面
層はほとんど膜削れを伴わないために、画像形成プロセ
スを繰り返すうちに、感光体を一様に帯電させる帯電工
程で生じる窒素酸化物(NOx)等に基づく硝酸塩等の
帯電生成物が表面層上に蓄積される。この帯電生成物が
原因となって感光体表面層の抵抗を低下させ、特に高湿
環境下において次第に画像流れを生じるようになるので
ある。
【0004】また、上述した炭素系高硬度被覆層を表面
層として有する感光体は、通常の有機感光体等に比べて
ブレードクリーニングを行う際にクリーニングブレード
にかかるストレスが非常に大きくなってしまう。これ
は、有機感光体では、ある程度表面がブレードにより削
られて、ブレードにかかるストレスが緩和されるのに対
して、炭素系高硬度被覆層を有する感光体では膜削れが
ほとんど生じないためであると考えられる。そのため、
ブレードの変形に起因してトナーがブレードをすり抜け
るクリーニング不良が生じ易くなり、また、すり抜けた
トナーがブレードの背面に溜り、感光体表面の残存潜像
を溜ったトナーが現像してしまうという問題が生じてし
まう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決した画像形成方法を提供することを課題とする。
即ち、高硬度である炭素系高硬度被覆層を表面層として
有する像担持体を用いて画像形成プロセスを繰り返した
場合においても、画像流れやクリーニング不良が生じな
い画像形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面にトナ−
のバインダ樹脂よりも高硬度である有機系微粒子を固定
化処理した後、後処理微粒子を外添処理して得られたト
ナーによって、炭素系高硬度被覆層を表面層として有す
る像担持体上に形成された静電潜像を現像する画像形成
方法に関する。
【0007】
【作用】本発明においては、表面にトナ−のバインダ樹
脂よりも高硬度である有機系微粒子を固定化処理した
後、後処理微粒子を外添したトナーを用いて、炭素系高
硬度被覆層を表面層として有する像担持体上の静電潜像
を現像することにより画像流れの問題を解消できること
を見出したものである。このような特定の現像剤の使用
により画像流れが解消される理由は必ずしも明らかでは
ないが、以下のように考えられる。
【0008】即ち、本発明において後処理微粒子がトナ
ー粒子に外添処理されているとは、この微粒子がトナー
粒子と像担持体の表面層との間で潤滑剤的に移動可能に
介在している状態をいうが、この時、前記微粒子が像担
持体の表面層を摺擦し、この物理的な摺擦力によって、
表面層上に蓄積された帯電生成物を機械的、物理的に掻
き取り除去する効果を有する。しかしながら、トナー粒
子は定着成分を含むので、外添された微粒子は耐刷とと
もにトナー粒子に埋没するため掻き取り除去効果を充分
に発揮できなくなる。本発明者等は、この耐刷に伴う微
粒子の埋没を防止する為に、特定の有機系微粒子をトナ
ー粒子表面に固定化処理することが有効であることを見
いだして本発明を完成するに至った。即ち、固定化処理
された有機系微粒子によってトナー粒子表面を見掛け上
硬くすることができるため、外添される微粒子の埋没を
防止するのである。
【0009】さらに、本発明においては、表面にトナ−
のバインダ樹脂よりも高硬度である有機系微粒子を固定
化処理した後、後処理微粒子を外添したトナーを用い
て、炭素系高硬度被覆層を表面層として有する像担持体
上の静電潜像を現像することによりクリーニング不良の
問題を解消できることを見出したものである。これは、
有機系微粒子の固定化処理および後処理微粒子の外添に
よって、クリーニングブレード部分におけるトナーの滑
り性が向上し、それによってクリーニング不良並びにブ
レード背面でのトナー溜りの発生の問題が解消されるも
のと考えられる。なお、本発明において固定化処理され
ているとは、有機系微粒子の少なくと一部分がトナー粒
子中に埋没されて固定化されている状態であり、好まし
くは有機系微粒子の体積の30%以上がトナー粒子中に
埋没されて固定化されていることが望ましい。
【0010】
【実施例】図1は本発明の画像形成方法を実施する画像
形成装置の概略構成を示し、1は感光体ドラム、2はコ
ロナ帯電器、3は露光光、4は現像装置、5は転写紙、
6は転写チャージャー、7は分離チャージャー、8はク
リーニング装置、9はイレーサーランプ、10は定着装
置である。
【0011】感光体ドラム1はコロナ帯電器2により均
一帯電され、次いで画像情報に基づく露光光3が照射さ
れて、その表面に静電潜像が形成される。静電潜像は続
いて現像装置4に収納された後述するトナーにより現像
され、得られたトナー像は転写紙5上に転写チャージャ
ー6により転写され、トナー像を有する転写紙5は分離
チャージャー7により感光体ドラム1から剥離される。
転写紙5上に保持されたトナー像は定着装置10により
定着されて定着画像が得られる。一方、転写紙5が剥離
された後の感光体ドラム1は、クリーニング装置8のブ
レードにより残留トナーが除去され、イレーサーランプ
9により残留電荷が除電されて次の画像形成に備える。
【0012】現像装置4に収納されるトナーとしては、
表面に有機系微粒子を固定化処理した後、後処理微粒子
を外添処理して得られたトナーを使用する。
【0013】固定化処理に用いる有機系微粒子として
は、トナ−のバインダ樹脂よりも高硬度のもの、好まし
くはロックウェル硬度がトナ−のバインダ樹脂よりも1
0以上大きいものが望ましい。有機系微粒子の硬度がト
ナ−のバインダ樹脂よりも小さい場合は、後処理微粒子
の埋め込み防止の効果が不十分となる。さらに、有機系
微粒子のロックウェル硬度としては、使用するトナ−の
バインダ樹脂によっても異なるが、90以上、好ましく
は110以上であることが、後処理微粒子の埋め込み防
止の観点から望ましい。なお、ロックウェル硬度の測定
はASTM D785号の規格試験により行った。
【0014】具体的に固定化処理に用いる有機系微粒子
としては、乳化重合、ソープフリー乳化重合、非水分散
重合等の湿式重合法、あるいは気相重合法によって造粒
したスチレン系、アクリル系、メタクリル系、ベンゾグ
アナミン、シリコン、テフロン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の有機樹脂微粒子、あるいはステアリン酸ア
ルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
亜鉛等の有機金属塩化合物等が使用可能である。
【0015】これらの有機系微粒子としては一次粒子の
体積平均粒径が0.01〜2μmのものを使用すること
が望ましい。有機系微粒子の添加量は、有機系微粒子に
よりトナ−表面を十分被覆することが好ましく、トナー
粒子に対して0.5重量%〜3重量%程度とすることが
望ましい。
【0016】また、本発明において有機系微粒子をトナ
ー表面に固定化処理する具体的な装置としては、ヘンシ
ェルミキサー(三井三池化工機社製)、ハイブリダイザ
ー(奈良機械製作所社製)、ホモジナイザー(日本精機
社製)、クリプトロンシステム(川崎重工社製)、ター
ボミル(タ−ボ工業社製)等を例示できる。これらの装
置を用いて、有機系微粒子の一部分をトナーバルク中に
埋没させ固定化している。
【0017】このように固定化処理しないと、有機系微
粒子がトナー芯粒子表面から脱離してしまい、その脱離
した部分に前述のように外添微粒子がトナー芯粒子中へ
埋没してしまうため、外添微粒子の持つ掻き取り除去効
果を充分に引き出すことができなくなるという不都合を
生じる。
【0018】本発明において外添される後処理微粒子と
しては、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、フッ化マグ
ネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化
ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニ
ウム、マグネタイト、ニ硫化モリブデン、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸亜鉛等の体積平均粒径0.01〜5μm程度の無機微
粒子が例示できる。
【0019】さらに、これらの無機微粒子はシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリ
コーオイル等の疎水化剤によって疎水化処理を施すと、
使用環境の変化に対するトナー特性の変化を抑制するこ
とができるので好ましい。また、無機微粒子に限らず、
上述した有機系微粒子を使用してもよい。
【0020】そして、後処理微粒子の添加量は、トナー
として必要な流動性を付与する、像担持体の表面層上に
蓄積した帯電生成物の掻き取り除去を行う、という2つ
の観点から、トナー粒子に対して0.05〜5重量%程
度、好ましくは0.1〜3重量%程度添加するのがよ
い。
【0021】また、本発明において微粒子をトナーに外
添処理するには、有機系微粒子が固定処理されたトナー
粒子と上記外添用の微粒子とを混合して処理すればよ
く、具体的な装置としては、ヘンシェルミキサー、ホモ
ジナイザー、Hi−X(日鉄工業社製)等を例示でき
る。なお、処理の簡略化、コストダウン等の観点から固
定化処理および外添処理に使用する装置として同じ装置
を使用し、回転数等の処理条件の制御によって固定化処
理および外添処理を行うことが望ましい。
【0022】前述の通り微粒子を外添処理しないと、像
担持体の表面層上に蓄積した帯電生成物の掻き取り除去
効果を奏することができない。また、微粒子を外添処理
しないとトナーの流動性が著しく低下するため、現像部
への安定なトナー供給ができなくなるという不都合も生
じる。
【0023】また、本発明においては、炭素系高硬度被
覆層を有する像担持体を使用する。本発明において炭素
系高硬度被覆層とは、ビッカース硬度が50以上で、か
つ全原子数のうち炭素原子数の占める割合が30%以上
である像担持体の最表面層で定義される。さらに、炭素
系高硬度被覆層としてはビッカース硬度が300以上の
ものが耐久性の観点から好ましい。具体的には、非晶質
炭化水素膜、非晶質シリコンカ−バイト膜、あるいはポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の樹脂単体ま
たはこれらの樹脂成分を含む共重合体からなる樹脂膜等
が例示される。これらの中でも非晶質炭化水素膜が耐久
性および低コストである有機感光層への成膜性の観点か
ら好ましい。
【0024】そして、炭素系高硬度被覆層を得る具体的
な製造方法としては、プラズマCVD法、スパッタリン
グ法、真空蒸着法等のドライプロセス、浸漬塗布法、デ
ィッピング法、スプレー法等のウェットプロセス等が例
示できる。
【0025】本発明において炭素系高硬度被覆層を表面
層として有する像担持体とは、上記した炭素系高硬度被
覆層を最表面として有する電子写真用感光体、あるいは
イオンフロー方式等、直接に像担持体上に静電潜像が形
成される方式に用いられる誘電体の最表面層に上記した
炭素系高硬度被覆層を有するもの等が例示できる。
【0026】具体的な炭素系高硬度被覆層を表面層とし
て有する像担持体としては、非晶質炭化ケイ素の表面層
と非晶質ケイ素からなる感光層を含む感光体や、非晶質
炭化水素膜の表面層と有機感光層からなる感光層を含む
感光体等を例示できる。尚、これらの感光体は耐刷とと
もに画像流れやクリーニング性が低下する傾向を示す
が、本発明の画像形成方法を実施することにより画像流
れおよびクリーニング性を向上させることができる。
【0027】なお、本発明に適用可能なトナーは、上述
したように表面に有機系微粒子を固定化処理した後、後
処理微粒子を外添処理して得られたトナーであればよ
く、トナーのその他の成分としては公知のものが使用可
能である。
【0028】バインダ樹脂としては、スチレン系樹脂、
アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリ
ル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、オレフィン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン
系樹脂、アミド系樹脂、フェノール系樹脂等の熱可塑性
樹脂あるいは熱硬化性樹脂、さらにはこれらの共重合
体、ブロック重合体、グラフト重合体、及びポリマーブ
レンド等を用いることができる。
【0029】そして、このような樹脂においては、その
数平均分子量Mn、分子量分布(Mw/Mn:重量平均
分子量Mw)が、1000≦Mn≦20000、2≦M
w/Mn≦80であり、さらに数平均分子量について
は、2000≦Mn≦15000であるものを使用する
ことが望ましい。また、樹脂のガラス転移点が55℃〜
70℃、軟化点が80℃〜140℃のものを用いること
が望ましい。
【0030】着色剤としては、黒色顔料は、カーボンブ
ラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、
活性炭、フェライト、マグネタイトなどを使用すること
ができる。
【0031】また、黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、
カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイ
エロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロ
ー、ナフトールイエローS、バンザーイエローG、バン
ザーイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジ
ンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネン
トイエローNCG、タートラジンレーキなどを使用する
ことができる。
【0032】また、赤色顔料としては、赤色黄鉛、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリ
アントオレンジGK、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウォッチングレッド、レーキレッドC、レ
ーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレ
ーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリ
アントカーミン3B、パーマネントオレンジGTR、バ
ルカンファストオレンジGG、パーマネントレッドF4
RH、パーマネントカーミンFBなどを使用することが
できる。
【0033】また、青色顔料としては、紺青、コバルト
ブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、フタロシアニンブルーなどを使用することができ
る。
【0034】なお、これらの着色剤の量は、トナー中に
おける樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは、3〜15重量部になるようにする。
【0035】オフセット防止剤としては、低分子量ポリ
エチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワック
ス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型
ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂
肪酸エステルワックス、サゾールワックス等を単独また
は二種類以上混合して使用することができる。
【0036】オフセット防止剤の使用量はトナー中の樹
脂100重量部に対して、1〜15重量部、好ましく
は、2〜8重量部になるようにする。
【0037】磁性体微粒子をトナー中に内添する場合に
は、コバルト、鉄、ニッケル等の強磁性体を示す金属、
アルミニウム、コバルト、鉄、鉛、マグネシウム、ニッ
ケル、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カド
ミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タン
グステン、バナジウム等の金属の合金及びこれらの混合
物並びに酸化物、焼成体(フェライト)等の公知の磁性
体の微粒子を使用することができる。上述した磁性体微
粒子はトナー中の樹脂100重量部に対して1〜80重
量部、好ましくは5〜60重量部用いるようにすればよ
い。
【0038】荷電制御剤としては、正荷電制御剤とし
て、ニグロシン・ベースEX、第四級アンモニウム塩、
ポリアミン化合物、イミダゾール化合物等を使用するこ
とができる。
【0039】一方、負荷電制御剤としては、クロム錯塩
型アゾ染料、銅フタロシアニン系染料、クロム錯塩、亜
鉛錯塩、アルミニウム錯塩、カリックスアレン化合物等
を使用することができる。
【0040】なお、これらの荷電制御剤の量はトナー中
における樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部になるようにする。
【0041】また、トナ−の体積平均粒径は5〜20μ
m程度がよい。何故なら、小さすぎるとクリーニング不
良が生じるようになり、大きすぎると得られるコピー画
像の解像力低下、トナー飛散の増大を引き起こす。ま
た、高精細画像を再現する場合は、体積平均粒径5〜1
0μmのトナーを使用することが望ましい。
【0042】上記トナーは、一成分現像剤として、ある
いは二成分現像剤として使用することができる。
【0043】二成分現像剤として使用する場合は、上述
したトナーと公知のキャリアとを混合して使用すればよ
い。
【0044】次に、具体的な実験例によって本発明をよ
り詳しく説明する。
【0045】(正帯電性感光体1の製造)特開昭61−
25154で既に公知のグロー放電分解装置を用いて導
電性基体上にa−Si光導電層とa−SiC表面保護層
とを順次積層した感光体を下記の製造条件で形成した。
【0046】a−Si光導電層形成条件: ・原料ガス(ガス流量):H2(486.5scc
m)、SiH4(90sccm)、B26(22.5s
ccm)、O2(1sccm) ・圧力 :1.0Torr ・周波数 :13.56MHz ・電力 :250W ・基板温度 :240℃ ・放電時間 :6時間 a−SiC表面保護層(炭素系高硬度被覆層)形成条
件: ・原料ガス(ガス流量):H2(486.5scc
m)、SiH4(90sccm)、B26(90scc
m)、C24(270sccm) ・圧力 :1.0Torr ・周波数 :13.56MHz ・電力 :250W ・基板温度 :240℃ ・放電時間 :2分 上記感光体において、膜厚はa−Si光導電層が約20
μm、a−SiC表面保護層が約0.1μmであり、表
面保護層のビッカース硬度は3000であった。また、
a−SiC表面保護層の炭素含有量は約75atomi
c%であった。
【0047】(負帯電性感光体2の製造)導電性基体上
に有機電荷発生層、有機電荷輸送層、不定形炭素膜から
成る表面保護層を順次積層した感光体を作製した。
【0048】有機電荷発生層、有機電荷輸送層は以下に
示す条件の塗液を導電性基体上に順次ディッピング法で
塗布することにより得た。
【0049】有機電荷発生層(有機感光層) ・下記構造式で示されるアゾ化合物0.45重量部
【0050】
【化1】
【0051】・ポリエステル樹脂(バイロン200:東
洋紡績社製)0.45重量部 ・シクロヘキサノン50重量部 有機電荷輸送層(有機感光層) ・下記構造式で示されるスチリル化合物10重量部
【0052】
【化2】
【0053】・ポリカーボネイト樹脂(パンライトK−
1300:帝人化成社製)7重量部 ・1,4−ジオキサン40重量部 なお、膜厚は有機電荷発生層が約0.3μm、有機電荷
輸送層が約20μmであった。
【0054】不定形炭素膜表面保護層は特開昭63−9
7962で既に公知のグロー放電分解装置を用いて有機
電荷輸送層上に、下記の製造条件で作成した。
【0055】不定形炭素膜(炭素系高硬度被覆層) ・原料ガス(ガス流量):H2(300sccm)、ブ
タジエン(15sccm) ・圧力 :1.0Torr ・周波数 :100KHz ・電力 :150W ・基板温度 :50℃ ・放電時間 :3分 上記不定形炭素膜の膜厚は0.11μm、ビッカース硬
度は1000であった。また不定形炭素膜中の炭素含有
量は約48atomic%であった。
【0056】(キヤリアの製造)以下に示す材料を十分
混合した後、二軸押出混練機にて溶融混合後冷却した。 ・ポリエステル樹脂 100重量部 (Mn:5000、Mw:115000、Tg:67℃、Tm:123℃) ・フェライト微粒子 500重量部 (MFP−2:TDK株式会社製) ・シリカ微粒子 3重量部 (アエロジル#200:日本アエロジル社製) 冷却物を粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、さら
に風力分級機を用いて分級した。得られたキヤリアの体
積平均粒径は60μm、電気抵抗値は5.8×1013Ω
cmであった。
【0057】(正帯電性トナーの製造)以下に示す材料
を十分混合した後、二軸押出混練機にて溶融混合後冷却
した。 ・スチレンアクリル共重合体樹脂 100重量部 (Mn:5400、Mw:156000、Tg:60℃、Tm:120℃、 ロックウェル硬度80) ・着色剤:カーボンブラック 10重量部 (Raven1250:コロンビアカーボン株式会社製) ・オフセット防止剤:ワックス 3重量部 (ビスコール550P:三洋化成工業社製) ・帯電制御剤:第4級アンモニウム塩 3重量部 (P−51:オリエント化学工業社製) 冷却物を粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、さら
に風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径9.5μ
m、電気抵抗値5×1015Ω・cmのトナー粒子Aを得
た。
【0058】(負帯電性トナーの製造)以下に示す材料
を十分混合した後、二軸押出混練機にて溶融混合後冷却
した。 ・スチレンアクリル共重合体樹脂 100重量部 (Mn:5400、Mw:156000、Tg:60℃、Tm:120℃、 ロックウェル硬度80) ・着色剤:カーボンブラック 10重量部 (Raven1250:コロンビアカーボン株式会社製) ・オフセット防止剤:ワックス 3重量部 (ビスコール550P:三洋化成工業社製) ・帯電制御剤:クロム錯塩型アゾ染料 3重量部 (S−34:オリエント化学工業社製) 冷却物を粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、さら
に風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径11.0μ
m、電気抵抗値7×1015Ω・cmのトナー粒子Aを得
た。
【0059】(実施例1)上記トナ−粒子A100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリメタクリル酸メチ
ル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm、ロックウェ
ル硬度110)0.7重量部をヘンシェルミキサ−(三
井三池化工社製)にて3000rpmで7分間処理して
トナー粒子表面に固定化処理した。さらに、疎水性シリ
カ微粒子(R972:体積平均粒径0.016μm:日
本アエロジル社製)0.1重量部を添加し、1000r
pmで1.5分間処理して、シリカ微粒子が外添処理さ
れたトナーを得た。得られたトナーの体積平均粒径は
9.7μm、電気抵抗値は5×1015Ω・cmであっ
た。
【0060】このトナ−と前記キャリアとを混合比5:
95で混合した現像剤を、前記感光体2を使用できるよ
うに改造を施した複写機EP8600(ミノルタカメラ
株式会社製)の現像器に収納して約60万枚の複写耐刷
試験を行った。具体的には、室温で20万枚毎のテスト
チャートを複写後、温度30℃、湿度85%の環境の下
で1万枚の耐刷を行った後、得られた複写画像の画像流
れについて評価を行った。
【0061】画像流れについての評価基準は以下のとお
りである。
【0062】○ :画像流れが認められない。
【0063】△ :文字端部に若干のにじみが認められ
る。
【0064】× :文字全体が流れる。
【0065】××:文字が判別できない。
【0066】△以上の評価であれば、実用上は問題がな
い。なお、評価結果は表1に示した通りである。
【0067】また、上記耐刷試験において、1万枚毎に
クリーニングブレード背面へのトナー溜り(クリーナー
部メモリー)の発生の有無を確認した。そして、本来の
ブレードの寿命である30万枚までにクリーナー部メモ
リーが発生し、ブレードの寿命が30万枚に至らなかっ
たものを×、30万枚耐刷時にも実用上問題の生じなか
ったものを○として評価した。
【0068】(実施例2)上記トナ−粒子A100重量
部に対して、有機系微粒子としてステアリン酸アルミニ
ウム微粒子(体積平均粒径0.2μm、ロックウェル硬
度92)1.0重量部をヘンシェルミキサ−(三井三池
化工社製)にて3500rpmで5分間処理してトナー
粒子表面に固定化処理した。さらに、疎水性二酸化チタ
ン微粒子(T805:体積平均粒径0.05μm:日本
アエロジル社製)0.1重量部を添加し、1000rp
mで1.5分間処理して、二酸化チタン微粒子が外添処
理されたトナーを得た。得られたトナーの体積平均粒径
は9.8μm、電気抵抗値は6×1015Ω・cmであっ
た。このトナーについて実施例1と同様にして複写耐刷
試験を行った。実験結果は表1に示した通りである。
【0069】(実施例3)上記トナ−粒子B100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリメタクリル酸メチ
ル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm、ロックウェ
ル硬度110)0.7重量部を使用し、外添微粒子とし
て疎水性アルミナ微粒子(C604:体積平均粒径0.
02μm:日本アエロジル社製)0.3重量部を使用す
る以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。得られた
トナーの体積平均粒径は11.3μm、電気抵抗値は5
×1015Ω・cmであった。
【0070】このトナ−と前記キャリアとを混合比5:
95で混合した現像剤を、前記感光体1を使用できるよ
うに改造を施した複写機EP8600(ミノルタカメラ
株式会社製)の現像器に収納して実施例1と同様に複写
耐刷試験を行った。実験結果は表1に示した通りであ
る。
【0071】(実施例4)上記トナ−粒子B100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリメタクリル酸メチ
ル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm、ロックウェ
ル硬度110)0.7重量部を使用し、外添微粒子とし
て疎水性シリカ微粒子(R972:体積平均粒径0.0
16μm:日本アエロジル社製)0.3重量部を使用す
る以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。得られた
トナーの体積平均粒径は11.2μm、電気抵抗値は3
×1015Ω・cmであった。このトナーについて実施例
3と同様にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1
に示した通りである。
【0072】(実施例5)上記トナ−粒子B100重量
部に対して、有機系微粒子としてステアリン酸アルミニ
ウム微粒子(体積平均粒径0.2μm、ロックウェル硬
度92)1.0重量部を使用し、外添微粒子として疎水
性二酸化チタン微粒子(T805:体積平均粒径0.0
5μm:日本アエロジル社製)0.1重量部を使用する
以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。得られたト
ナーの体積平均粒径は11.3μm、電気抵抗値は5×
1015Ω・cmであった。このトナーについて実施例3
と同様にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に
示した通りである。
【0073】(実施例6)上記トナ−粒子A100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリカ−ボネ−ト樹脂
微粒子(体積平均粒径0.3μm、ロックウェル硬度1
15)1.0重量部を使用し、外添微粒子として疎水性
シリカ微粒子(R972:体積平均粒径0.016μ
m:日本アエロジル社製)0.3重量部を使用する以外
は実施例2と同様にしてトナーを得た。得られたトナー
の体積平均粒径は9.9μm、電気抵抗値は6×1015
Ω・cmであった。このトナーについて実施例2と同様
にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に示した
通りである。
【0074】(実施例7)上記トナ−粒子A100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリメタクリル酸メチ
ル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm、ロックウェ
ル硬度110)1.5重量部を使用し、外添微粒子とし
て疎水性シリカ微粒子(R972:体積平均粒径0.0
16μm:日本アエロジル社製)0.1重量部を使用す
る以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。得られた
トナーの体積平均粒径は9.7μm、電気抵抗値は5×
1015Ω・cmであった。このトナーについて実施例2
と同様にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に
示した通りである。
【0075】(実施例8)上記トナ−粒子B100重量
部に対して、有機系微粒子としてメラミン樹脂微粒子
(体積平均粒径0.3μm、ロックウェル硬度130)
1.5重量部を使用し、外添微粒子として疎水性シリカ
微粒子(R972:体積平均粒径0.016μm:日本
アエロジル社製)0.1重量部を使用する以外は実施例
3と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの体積平
均粒径は11.3μm、電気抵抗値は3×1015Ω・c
mであった。このトナーについて実施例3と同様にして
複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に示した通りで
ある。
【0076】(実施例9)上記トナ−粒子A100重量
部に対して、有機系微粒子としてポリメタクリル酸メチ
ル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm、ロックウェ
ル硬度110)2.0重量部を使用し、外添微粒子とし
て疎水性シリカ微粒子(R972:体積平均粒径0.0
16μm:日本アエロジル社製)0.1重量部を使用す
る以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。得られた
トナーの体積平均粒径は9.7μm、電気抵抗値は5×
1015Ω・cmであった。このトナーについて実施例2
と同様にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に
示した通りである。
【0077】(比較例1)有機系微粒子をトナー粒子表
面に固定化処理しない以外は実施例1と同様にしてトナ
ーを得た。得られたトナーの体積平均粒径は9.8μ
m、電気抵抗値は7×1015Ω・cmであった。このト
ナーに対して実施例1と同様にして複写耐刷試験を行っ
た。実験結果は表1に示した通りである。但し、40万
枚で画像流れが非常にひどくなったので耐刷を終了し
た。また、クリーナー部メモリーが19万枚以後ブレー
ド交換時(30万枚)まで発生した。
【0078】(比較例2)外添するシリカ微粒子の量を
0.3重量部にする以外は比較例1と同様にしててトナ
ーを得た。得られたトナーの体積平均粒径は9.7μ
m、電気抵抗値は6×1015Ω・cmであった。このト
ナーに対して実施例1と同様にして複写耐刷試験を行っ
た。実験結果は表1に示した通りである。但し、40万
枚で画像流れ、カブリとも非常にひどくなったので耐刷
を終了した。また、クリーナー部メモリーが22万枚以
後ブレード交換時(30万枚)まで発生した。
【0079】(比較例3)外添する微粒子を、疎水性シ
リカ微粒子(R972:体積平均粒径0.016μm:
日本アエロジル社製)0.1重量部とポリメタクリル酸
メチル樹脂微粒子(体積平均粒径0.15μm)1.5
重量部にする以外は比較例1と同様にしてトナーを得
た。得られたトナーの体積平均粒径は9.7μm、電気
抵抗値は4×1015Ω・cmであった。このトナーに対
して実施例1と同様にして複写耐刷試験を行った。実験
結果は表1に示した通りである。但し、40万枚で画像
流れが非常にひどくなったので耐刷を終了した。
【0080】(比較例4)微粒子の外添を行わない以外
は実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナー
の体積平均粒径は9.8μm、電気抵抗値は4×1015
Ω・cmであった。このトナーに対して実施例1と同様
にして複写耐刷試験を行った。実験結果は表1に示した
通りである。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば炭
素系高硬度被覆層を表面層として有する像担持体を用い
て繰り返し耐刷して画像形成を行う場合でも、耐刷後も
画像流れやクリーニング不良が生じない優れた画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法を実施する画像形成装
置の概略構成図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム、2:コロナ帯電器、3:露光光、
4:現像装置、5:転写紙、6:転写チャージャー、
7:分離チャージャー、8:クリーニング装置、9:メ
インイレーサー、10:定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/08 501 D 507 L G03G 9/08 374 375

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にトナ−のバインダ樹脂よりも高硬
    度である有機系微粒子を固定化処理した後、後処理微粒
    子を外添処理して得られたトナーによって、炭素系高硬
    度被覆層を表面層として有する像担持体上に形成された
    静電潜像を現像する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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