JPH07189963A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

密閉型電動圧縮機

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JPH07189963A
JPH07189963A JP33780293A JP33780293A JPH07189963A JP H07189963 A JPH07189963 A JP H07189963A JP 33780293 A JP33780293 A JP 33780293A JP 33780293 A JP33780293 A JP 33780293A JP H07189963 A JPH07189963 A JP H07189963A
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electric motor
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Yoshiharu Takeuchi
義治 竹内
Yasushi Aeba
靖 饗場
Masahiro Tsubokawa
正浩 坪川
Hideto Oka
秀人 岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉型電動圧縮機において、密閉容器の外部
に吐出される高圧冷媒ガスに混入する潤滑油の割合を極
めて少なくすることにより、信頼性と成績係数の高い圧
縮機を提供する。 【構成】 圧縮機構部およびクランク軸の潤滑に供され
た油を一時回収する容器を圧縮機構部下部に配設し、一
時回収された油を電動機の回転子による油の撹拌作用の
影響の及ばない任意の位置へ排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷暖房装置、あるいは
冷蔵庫などに用いられるスクロール圧縮機やロータリー
圧縮機などの密閉型電動圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷暖房装置、あるいは冷蔵庫
などの冷却装置にはスクロール圧縮機やロータリー圧縮
機などの密閉型電動圧縮機が用いられている。
【0003】この種類の圧縮機の従来技術として、特開
昭第60−50996号公報に示されている密閉型電動
圧縮機を例にとり、図面とともに説明する。
【0004】図5に示すように、密閉容器101の内部
には、圧縮機構部102、電動機部103を構成する回
転子104と固定子105、電動機部103の回転力を
圧縮機構部102に伝達するクランク軸106、クラン
ク軸106を支承する軸受け部材107が設置されてい
る。また、密閉容器101には、低圧冷媒ガスを吸入す
るための吸入管108、圧縮機構部102で圧縮された
高圧冷媒ガスを密閉容器の外部へ吐出するための吐出管
109が設けられている。
【0005】上記構成において、電動機部103の回転
子104が回転すると、この回転力はクランク軸106
によって圧縮機構部102に伝達される。圧縮機構部1
02に回転力が伝達されると、圧縮作用が生じる。この
結果、吸入管108より吸入された低圧冷媒ガスは、圧
縮機構部102で圧縮されて高圧冷媒ガスになり、いっ
たん密閉容器101の内部空間の吐出口側空間113に
吐出された後、軸受け部材107に設けられた連通口1
11を通過して、電動機部103が設けられている電動
機空間側114に流入し、その後、主に軸受け部材10
7と電動機部103との間を経て、吐出管109より冷
凍サイクル(図示せず)へ吐出される。
【0006】また、密閉容器101の下部には潤滑油溜
め110が設けられている。この潤滑油溜め110に溜
められている潤滑油は、潤滑ポンプ(図示せず)などに
よって汲み上げられ、クランク軸106に設けられてい
る連通口(図示せず)を通過して、圧縮機構部102お
よび軸受け部材107とクランク軸106との摺動面な
どを潤滑した後、その一部は圧縮機構部102から高圧
冷媒ガスとともに密閉容器101内空間に吐出され、残
りは軸受け部材107から重力の作用により落下し、密
閉容器101の下部の潤滑油溜め110に戻る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の圧縮機では、運転中密閉容器101内では圧
縮機構部102およびクランク軸106から排出された
油が電動機の回転子104によって撹拌され軸受け部材
107の下部空間で多量の油滴となって飛散している。
したがって、圧縮機構部102より吐き出され通路11
1を通り軸受け部材107の下部空間に導かれたガス
は、ここで多量の油の液滴と接触してこれを捕獲するの
で、多量の油が吐出ガスに混入し吐出管109を通り密
閉容器外部に排出されてしまう。密閉容器から排出され
た多量の油は冷凍サイクル中で配管圧力損失の増加や、
凝縮器、蒸発器などの熱交換器での熱交換効率の低下な
どを招き、圧縮機の信頼性や成績係数の低下をもたら
す。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上に述べたオイル吐出
の増加という問題点を解決するため、本発明では第1の
手段として、密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機構
部の下方に前記圧縮機構部を駆動するための電動機と、
この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するための
クランク軸とを配設し、前記圧縮機構部下部に吐き出し
ガスを密閉容器外部に排出する通路の開口部を設けた圧
縮機において、前記圧縮機構部および前記クランク軸の
潤滑に供された油を一時回収する容器を前記圧縮機構部
下部に配設し、前記容器には回収された油を密閉容器内
に排出する管を配設している。
【0009】第2の手段として、前記第1の手段に加
え、前記油回収容器に取り付けられた管の開口部を前記
電動機を構成する固定子の外周部に形成された切り欠き
部に対応して配している。
【0010】第3の手段として、前記第1および第2の
手段に加え、前記油回収容器および前記容器に配設され
た管の一方または両方を樹脂により形成している。
【0011】第4の手段として、前記第1から前記第3
の手段に加え、前記油回収容器に配設された管の開口部
と前記吐き出しガス排出通路の開口部との配置位相を前
記クランク軸の軸心を中心として概略90度以上の位置
に離して配している。
【0012】第5の手段として、密閉容器内に圧縮機構
部と、この圧縮機構部の下方に前記圧縮機構部を駆動す
るための電動機と、この電動機の回転力を該圧縮機構部
に伝達するためのクランク軸とを配設し、前記圧縮機構
部下部に吐き出しガスを密閉容器外部に排出する通路の
開口部を設けた圧縮機において、前記圧縮機構部および
前記クランク軸の潤滑に供された油を一時回収する容器
を前記クランク軸を支承する前記圧縮機構部の軸受部に
配設し、前記油回収容器外周部に油排出口を設けてい
る。
【0013】第6の手段として、前記第5の手段に加
え、前記油回収容器内にクランク軸の回転時の釣合をと
る偏心重りを配設している。
【0014】第7の手段として、前記第6の手段に加
え、前記油回収容器を複数の部屋に分割し、各部屋を連
通口により連通させている。
【0015】第8の手段として、密閉容器内に圧縮機構
部と、この圧縮機構部の下方に前記圧縮機構部を駆動す
るための電動機と、この電動機の回転力を該圧縮機構部
に伝達するためのクランク軸とを配設し、前記圧縮機構
部下部に吐き出しガスを密閉容器外部に排出する通路の
開口部を設けた圧縮機において、前記圧縮機構部および
前記クランク軸の潤滑に供された油を一時回収する容器
を前記クランク軸を支承する前記圧縮機構部の軸受部に
配設し、前記圧縮機構部に前記油回収容器の排出通路を
設けている。
【0016】
【作用】上記手段による作用は以下に記す通りである。
第1の手段によれば、前記圧縮機構部およびクランク軸
より排出された油を、前記油回収容器中に一時的に回収
して前記容器に配設された管を通して、前記電動機の回
転子による油の撹拌作用の影響の及ばない任意の位置へ
排出することにより、前記圧縮機構部の下部空間での油
の飛散を防ぐことができ、吐出ガス中への油の混入量を
低減させ、オイル吐出量を著しく減少させることができ
る。
【0017】第2の手段によれば、前記油回収容器に配
設された管の開口部から吐き出された油は回転子から離
れているため、回転子により飛散されることがないうえ
に、自重による落下作用と密閉容器の底部に向かうガス
の流れに合流することにより、迅速に底部油溜まりに回
収され、前記圧縮機構部および前記クランク軸の潤滑に
再度供されるため、油溜まりに封入する油の量を適切に
減らすことができ、圧縮機のコストを低減することがで
きる。
【0018】第3の手段によれば、前記油回収容器およ
び前記容器に配設された管を安価に製作、提供すること
ができ、なおかつ前記電動機の固定子との偶発的な電気
的短絡事故による圧縮機の故障を防ぐことができる。
【0019】第4の手段によれば、吐き出しガスを密閉
容器外部に排出する通路の開口部と前記油回収容器に配
設された管の開口部が離れているため、油の回り込みに
よる吐き出しガスへの混入を防ぎ、オイル吐出量を減少
させることができる。
【0020】第5の手段によれば、前記圧縮機構部およ
び前記クランク軸より排出された油を前記油回収容器中
に一時的に回収し、前記容器の油排出口から排出される
油を前記電動機の固定子巻線部に衝突させることによ
り、油は粘性により前記巻線部に粘着し、自重により前
記巻線を伝わり徐々に落下するため、大多数の油は直接
油溜めに回収される。このため、前記電動機の回転子に
よる撹拌される油の量が減少するため油の飛散量が減り
前記圧縮機構部の下部空間での油の液適量が減少するこ
とにより吐き出しガス中に混入する油の分量が減少し、
オイル吐出量を著しく減少させることができる。
【0021】第6の手段によれば、前記油回収容器の中
に前記クランク軸に一体的に取り付けられたバランスウ
エイトを配置しているので、圧縮機の運転時にバランス
ウエイトが回転し、該容器内に一時的に溜められた油が
撹拌され遠心力が与えられる。この遠心力の効果によ
り、前記油回収容器内から油が迅速に排出される。
【0022】第7の手段によれば、前記油回収容器を複
数の部屋に分割し、各部屋を連通口により連通させてい
るので、前記クランク軸に一体的に取り付けられたバラ
ンスウエイトを収納している部屋に一時的に溜められた
油は、前記遠心力の効果により前記容器の連通口を通り
他の部屋に押し出される。そして、押し出された油には
順次押し出されてくる油による力が働くため、この部屋
の中で油を持ち上げるように移動させることができる。
この作用により、この部屋の上部方向に油の排出口を設
ければ、前記電動機の固定子の巻線部を越えて外周方向
へ油を噴出させることができる。これにより、前記電動
機の回転子により撹拌される油の量を減少させ、オイル
吐出量を減少させることができる。
【0023】第8の手段によれば、前記圧縮機構部には
前記油回収容器から排出された油の排油通路が設けられ
ているので、前記排油通路の開口部を前記圧縮機構部の
外周方向に設けることにより、前記電動機の回転子によ
る撹拌作用の影響の及ばない位置に油を排出することが
できる。
【0024】
【実施例】以下本発明の一実施例における密閉型電動圧
縮機について、密閉型電動スクロール圧縮機を例にと
り、図面とともに説明する。
【0025】図1において、圧縮機構部1は、固定渦巻
羽根2を有する固定スクロール3、旋回渦巻羽根4を旋
回鏡板5の上に形成した旋回スクロール6、およびオル
ダムリング8とから構成されており、前記固定スクロー
ル2は、軸受け部材9とともに密閉容器10に固定され
ている。前記旋回スクロール6の旋回鏡板5の旋回渦巻
羽根4と反対側の面には旋回スクロール軸7が設けてあ
り、この旋回スクロール軸7は、前記軸受け部材9と副
軸受け部材11とによって回転自在に支承されたクラン
ク軸12の一端に形成された偏心穴部13に嵌入されて
いる。前記両軸受け部材9,11の間には密閉容器10
に固定された固定子14と、クランク軸12に固定さ
れ、クランク軸12とともに回転する回転子15とから
なる電動機部16が配置されている。
【0026】したがって、電動機部16を駆動させるこ
とにより、クランク軸12が回転し、クランク軸12の
偏心穴部13が偏心回転運動を行う。これにより、旋回
スクロール6が自転運動を行おうとするが、オルダムリ
ング8によって自転を拘束されているので、クランク軸
12と旋回スクロール6の旋回スクロール軸7との軸間
距離を半径とする旋回運動を行う。その結果、固定スク
ロール3の固定渦巻羽根2と旋回スクロール6の旋回渦
巻羽根4とを互いに180度回転させた状態で噛み合せ
ることにより形成された複数個の圧縮作業空間17が、
密閉容器10に取り付けられたことにより形成された複
数個の圧縮作業空間17が、密閉容器10に取り付けら
れた吸入管18から吸入した低圧冷媒ガスを圧縮機構部
1に設けられた吸入口19を経て取り込み、前記圧縮作
業空間17の容積が減少するのに伴って、連続的に圧縮
作業を行う。圧縮された高圧冷媒ガスは、圧縮機構部1
に設けられた吐出口20から密閉容器10の内部空間の
吐出側空間29へ吐き出される。
【0027】密閉容器10の内部空間は、圧縮機構部1
によって、前記吐出口20が設けられている吐出口側空
間29と、前記電動機部16が設置されている電動機側
空間30とに仕切られており、前記両空間29,30は
圧縮機構部1に設けられた連通口21によって連通され
ている。したがって、吐出口側空間29へ吐出された高
圧冷媒ガスは、連通口21を通過し、電動機側空間30
へ流入し、その主流は下向きとなる。電動機部16の固
定子14の外周には、前記連通口21とほぼ同軸状に、
密閉容器10との間に上下方向の切り欠き部22が設け
られている。したがって、前記下向きの高圧冷媒ガスの
主流は、この切り欠き部22を通過し、密閉容器10の
下部へと達する。その後、高圧冷媒ガスの主流は、固定
子14の下部を通り、電動機部16の固定子14と回転
子15との隙間を通過し、圧縮機構部1の下部に設けら
れた吐き出しガス通路35を通り最終的には密閉容器1
0の外部へ吐き出される。
【0028】一方、クランク軸12の下端には潤滑油ポ
ンプ24が設置されており、この潤滑油ポンプ24は、
クランク軸12の回転にともなって、密閉容器10の低
部の潤滑油溜め25に溜められている潤滑油を、クラン
ク軸12の中心部に設けられたクランク軸12の連通口
26を通して、圧縮機構部1へ汲み上げる。連通口26
を経由した他の大半は旋回スクロール軸7を潤滑し、主
軸受13aを潤滑した後、油回収容器27の上部に吐出
される。
【0029】一方、旋回スクロール軸7を潤滑した油の
一部はスラスト部およびオルダムリング8を潤滑した
後、一部は圧縮作業空間17に入り圧縮作業空間を潤
滑、シールし、吐出口20より吐出ガスに混じり吐出口
側空間29に吐出される。
【0030】そして、油回収容器27に溜められた油
は、クランク軸12に一体的に取り付けられたバランス
ウエイト37の回転により撹拌されることにより遠心力
が与えられる。この遠心力の作用により、油回収容器2
7に設けられた小部屋38へ連通口28を通り押し出さ
れ、さらに小部屋28の中を上昇するように押し上げら
れ、圧縮機構部1の軸受け部材9に設けられた排油通路
36の中を押し進められた後、電動機部16の固定子1
4の外周に設けられた切り欠き部22とほぼ同位相の位
置に排出される。
【0031】また、油回収容器27とクランク軸12の
間にすきまがあるが、遠心力の作用により潤滑油は油回
収容器27の内壁面に押しやられるため、この隙間から
下部に流出することはほとんどない。したがって、回転
子による油の飛散も防止される。
【0032】一方、切り欠き部22と、圧縮機構部1に
設けられた高圧冷媒ガスの連通口21とはほぼ同じ位相
にあるため、排油通路36から排出された潤滑油は高圧
冷媒ガスの下向きの流れに引き込まれ、切り欠き部22
を通過し密閉容器10の下部へ向かう。
【0033】この間に、潤滑油は密閉容器10の内壁面
および固定子14などとの接触の機会が増えるので、表
面張力の作用により、密閉容器10の内壁面および固定
子14の表面に滴状に成長し、重力作用と高圧冷媒ガス
の流れにより密閉容器10の下方へと迅速に落下し、密
閉容器10の下部の潤滑油溜め25に大半の部分が再度
溜まる。さらに、高圧冷媒ガスの流れに含まれる潤滑油
の残りの部分は、高圧冷媒ガスが固定子14の下部を通
り、電動機部16の固定子14と回転子15との隙間を
通過する間に、固定子14および回転子15などと接触
し、一方回転子15の回転によりはね飛ばされて固定子
14などに当たり、表面張力の作用により滴状に成長し
重力の作用により下方へ落下して潤滑油溜め25に溜ま
る。その結果、高圧冷媒ガスと潤滑油はほとんどが分離
される。
【0034】上記実施例により、圧縮機構部1とクラン
ク軸12の潤滑に供された潤滑油は、一部は圧縮機構部
1の吐出口20から吐出され、高圧冷媒ガスの流れとと
もに密閉容器10の下部に設けられた潤滑油溜め25に
回収され、大半部分の潤滑油は油回収容器27に一時回
収された後、圧縮機構部1に設けられた排油通路36を
経て高圧冷媒ガスの流れに合流して潤滑油溜め25に回
収されるので、圧縮機構部1から流れ出た潤滑油のう
ち、電動機部16の回転子15により、圧縮機構部1の
下部で攪拌される部分がほとんどなくなる。したがっ
て、圧縮機構部1に設けられた吐き出しガス通路35の
開口部に流入する高圧冷媒ガスが潤滑油の液滴を捕獲す
ることがほとんどなくなり、密閉容器10の外に吐出さ
れるオイルの量を低減することができる。
【0035】さらに、排油通路36の開口部と吐き出し
ガス通路35の開口部を、クランク軸の軸心を中心とし
て概略90度以上に離して配置すると、圧縮機構部1に
設けられた連通口21を通過した高圧冷媒ガスの一部が
吐き出しガス通路35の開口部に向けて圧縮機構部1の
下部を回り込む途中で、密閉容器10の内壁面および圧
縮機構部1および電動機の固定子14などと接触する機
会が増えるためガスに含まれる潤滑油の液滴が分離され
る。
【0036】なお、図1における油回収容器27に設け
た小部屋38および排油通路36に代わり、図2に示す
ように油回収容器27の小穴28aから潤滑油を排出す
ると、排出された潤滑油は電動機部16の固定子14に
衝突、粘着し、表面張力の作用により滴状に成長し、重
力の作用により固定子14を伝わり、固定子14と回転
子15との隙間を通過して、密閉容器10の下部に設け
られた潤滑油溜め25に回収される。さらに、図3のよ
うに油回収容器27の小穴28aに排油チューブ28c
を設け、排油チューブ28cの開口部をたとえば電動機
部16の固定子14の切り欠き部22の位置に配置する
と、油回収容器27の油は排油チューブ28cを経由し
て切り欠き部22へ排出されるため、回転子による油の
飛散が防止されるため、オイル吐出量の低減に効果のあ
ることはいうまでもない。
【0037】また、油回収容器27および排油チューブ
28cを樹脂により形成することにより、油回収容器お
よびチューブを安価に製作、提供することができ、なお
かつ電動機の固定子との偶発的な電気的短絡事故による
圧縮機の故障を防ぐことができる。
【0038】なお、図4に示すように、圧縮機構部1の
軸受け部材9に潤滑油戻し穴38を設け、圧縮機構部1
の下部に油回収容器27aを設けることにより、軸受け
より戻った潤滑油を油回収容器27aで一時回収した
後、油回収容器27aに取り付けた排油チューブ28b
より潤滑油を排出し、最終的に密閉容器10の下部に設
けられた潤滑油溜め25に回収してもよい。
【0039】なお、図1から図4の実施例は、密閉型電
動スクロール圧縮機の例を説明したが、本発明は、スク
ロール圧縮機に限らず、他の密閉型電動圧縮機、たとえ
ば密閉型ロータリー圧縮機に適用されることはいうまで
もない。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記説明から明らかなように、
密閉容器の外部に吐出される高圧冷媒ガスに混入する潤
滑油の割合を極めて少なくすることができるので、冷凍
サイクル中での配管圧力損失の増加や、凝縮器、蒸発器
などの熱交換器での熱交換効率の低下などを招くような
ことがなく、信頼性と成績係数の高い圧縮機を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における密閉型スクロール圧
縮機の断面図
【図2】本発明の第2の実施例における密閉型スクロー
ル圧縮機の断面図
【図3】本発明の第3の実施例における密閉型スクロー
ル圧縮機の断面図
【図4】本発明の第4の実施例における密閉型スクロー
ル圧縮機の断面図
【図5】従来例の密閉型スクロール圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 圧縮機構部 9 軸受け部材 10 密閉容器 12 クランク軸 14 固定子 15 回転子 21 連通口 22 切り欠き部 25 潤滑油溜め 27 油回収容器 28 連通口 28b 排油チューブ 35 吐き出しガス通路 36 排油通路 37 バランスウエイト 38 潤滑油戻し穴
フロントページの続き (72)発明者 岡 秀人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機
    構部の下方に前記圧縮機構部を駆動するための電動機
    と、この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するた
    めのクランク軸と、前記圧縮機構部下部に吐き出しガス
    を密閉容器外部に排出する通路の開口部とを設け、前記
    圧縮機構部および前記クランク軸の潤滑に供された油を
    一時回収する容器を前記圧縮機構部下部に配設するとと
    もに、前記容器には回収された油を密閉容器内に排出す
    る管を配設したことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 【請求項2】 油回収容器に取り付けられた管の開口部
    を、電動機を構成する固定子の外周部に形成された切り
    欠き部に対応して配したことを特徴とする請求項1記載
    の密閉型電動圧縮機。
  3. 【請求項3】 油回収容器および前記容器に配設された
    管の一方または両方を樹脂により形成することを特徴と
    した請求項1または2いずれか記載の密閉型電動圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 油回収容器に配設された管の開口部と前
    記吐き出しガス排出通路の開口部との配置位相を前記ク
    ランク軸の軸心を中心として概略90度以上の位置に離
    して配したことを特徴とする請求項1または請求項2ま
    たは請求項3いずれか記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 【請求項5】 密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機
    構部の下方に該圧縮機構部を駆動するための電動機と、
    この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するための
    クランク軸と、前記圧縮機構部下部に吐き出しガスを密
    閉容器外部に排出する通路の開口部とを設け、前記圧縮
    機構部および前記クランク軸の潤滑に供された油を一時
    回収する容器を前記クランク軸を支承する前記圧縮機構
    部の軸受部に配設し、前記油回収容器外周部に油排出口
    を設けたことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  6. 【請求項6】 油回収容器内に、クランク軸の回転時の
    釣合をとる偏心重りを配設したことを特徴とする請求項
    5記載の密閉型電動圧縮機。
  7. 【請求項7】 油回収容器を複数の部屋に分割し、各部
    屋を連通口により連通させたことを特徴とする請求項6
    記載の密閉型電動圧縮機。
  8. 【請求項8】 密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機
    構部の下方に圧縮機構部を駆動するための電動機と、こ
    の電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するためのク
    ランク軸とを配設し、圧縮機構部下部に吐き出しガスを
    密閉容器外部に排出する通路の開口部を設けた圧縮機に
    おいて、圧縮機構部と前記クランク軸との潤滑に供され
    た油を一時回収する容器をクランク軸を支承する前記圧
    縮機構部の軸受部に配設し、前記圧縮機構部に前記油回
    収容器の排油通路を設けたことを特徴とする密閉型電動
    圧縮機。
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