JPH0718972A - トンネル掘削機の方向制御装置 - Google Patents

トンネル掘削機の方向制御装置

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JPH0718972A
JPH0718972A JP19076293A JP19076293A JPH0718972A JP H0718972 A JPH0718972 A JP H0718972A JP 19076293 A JP19076293 A JP 19076293A JP 19076293 A JP19076293 A JP 19076293A JP H0718972 A JPH0718972 A JP H0718972A
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裕之 久保
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秀武 石崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トンネル掘削機の方向制御を容易かつ確実に
行う。 【構成】 複数の方向制御ジャッキ6をトンネル軸線方
向に移動可能な移動架台8で支持し、シールド本体1内
に固定支持されたジャッキ支持部材9によりシールド内
に所定間隔で配設する。シールド本体1の外周面から方
向制御ジャッキ6のラム7を突出させ、このラム7がト
ンネル坑壁を押圧する押圧力を調整してトンネル推進方
向に直角な面内でシールド本体1の位置調整を行う。シ
ールド本体1の推進動作に伴い、方向制御ジャッキ6の
ラム7が押圧するトンネル坑壁位置が移動しないように
移動架台8がベアリング台座15を介してジャッキ支持
部材9上を移動する。これによりシールド本体1の調整
後の位置が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトンネル掘削機の方向制
御装置に係り、特にシールド機や全断面トンネル掘進機
等のトンネル掘削機の掘進方向の制御を行うトンネル掘
削機の方向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりトンネル掘削において、トンネ
ル全断面を一度に掘削して推進するトンネル掘削機が種
々開発されている。その代表的なものがシールド機と全
断面トンネル掘進機である。これらのトンネル掘削機で
はトンネル径にほぼ等しい大きさの掘削機を切羽位置に
設置し、この掘削機の面板に装着されたカッタで切羽地
山を切削しながら搭載された推進手段により掘進を行う
ようになっている。シールド(本明細書では、シールド
工法に使用される種々の形式のシールド機を総称し、シ
ールドと記す。)では推進用に所定本数のシールドジャ
ッキがシールド本体内に円周状に所定間隔をあけて配設
されている。そして、設計トンネルルートに沿ってシー
ルドを正確に推進させるために、各シールドジャッキを
的確に動作させてシールド全体に推力を加え、所定の進
行方向を向くように方向制御が行われている。
【0003】ところで、シールドに搭載されるシールド
ジャッキの推力、使用本数、配置等は対象となるトンネ
ルルートの平面曲線、縦断勾配等を考慮してあらかじめ
設計されている。そして施工時に曲線区間を掘削した
り、何らかの理由でシールドが偏向したような場合に
は、一部のシールドジャッキのみを使用していわゆる片
押しによりシールド全体を所定のルートに向けながら推
進させるようになっている。たとえば、シールドを進行
方向に対して左に向けて進めたい場合には進行方向に対
して左側のジャッキを休止して右側のジャッキを所定量
だけ伸長動作させ、シールド全体のモーメントを左向き
にし、シールドの回転中心回りに回転モーメントを生じ
させ、シールドの向きを変更するようにしている。
【0004】また、軟岩から硬岩のトンネル掘削に使用
される全断面トンネル掘進機(以下、TBM(:Tunnel
Boring Machine)と記す。)では、掘削機本体に組み
込まれたグリッパ機構をトンネル断面中心から法線方向
に拡張してトンネル坑壁の岩盤表面に反力をとり、内蔵
のスラストジャッキを掘進方向に伸長させて前胴部を推
進させるとともに、カッタが装着されている面板を切羽
に押圧し、カッタを駆動して切羽岩盤を破砕しながら掘
進するようになっている。一般にTBMを使用してトン
ネル掘進させるような地質では切羽の岩盤が堅硬であ
り、使用されるスラストジャッキの1本当りのジャッキ
能力も大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたシールド
やTBM等のトンネル掘削機では方向修正時等のジャッ
キ負荷を考慮し、ともに推進用ジャッキに通常の掘進に
必要な推力より過大な能力を有するものが用いられてい
る。また、ジャッキ配置も偏心や方向修正時のジャッキ
バランスを考慮して掘進に必要な本数以上を細かいピッ
チで設置しなければならず、過剰設備になりがちで、機
械が大変高価になるという設備上の問題がある。施工時
においては、軟弱な粘性地盤内をシールドで掘進するよ
うな場合、シールドジャッキを部分的に動作させてシー
ルドの掘進方向を変更しようとしても、スキンプレート
の周面摩擦が大きくなり、十分なモーメントを得ること
ができず、方向制御が難しくなるという問題がある。ま
た、切羽下半に軟弱な地盤が現れた場合にはシールドの
自重によりノーズダウン(前のめり)を起こすことがあ
る。このような場合にはシールドの自重により生じる下
向きのモーメントに打ち勝つだけの上向きモーメントを
ジャッキ操作により発生させる必要があるが、切羽面が
軟弱だと十分に反力をとることができず、シールドの方
向修正ができないおそれもある。
【0006】一方、TBMでは1本のスラストジャッキ
が負担する推力が大きいため片側のスラストジャッキの
みの片押しでTBMを推進させるのが難しく、方向制御
を行いながらTBMを連続的に推進できず、効率的な方
向制御が行えなかった。
【0007】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、トンネル掘進において、推
進用ジャッキとは別に方向制御手段を装備し、トンネル
掘削機の掘進方向制御を容易かつ確実にしたトンネル掘
削機の方向制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は掘削機本体の外周面からその一部を突出さ
せ、該突出部がトンネル坑壁を押圧する押圧力を調整し
てトンネル推進方向に直角な面内での前記掘削機本体の
位置調整を行う複数の方向制御ジャッキと、該方向制御
ジャッキを前記掘削機本体内で支持する移動架台と、前
記掘削機本体内に固定支持され、転がり支承部を介して
前記移動架台をトンネル軸線方向に移動可能に支持する
ジャッキ支持部材とを備え、前記掘削機本体の推進動作
に伴い、前記方向制御ジャッキの突出部が押圧するトン
ネル坑壁位置が移動しないように前記移動架台が前記ジ
ャッキ支持部材上を移動し、前記掘削機本体の調整後の
位置が保持されるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明によれば、複数の方向制御ジャッキをト
ンネル軸線方向に移動可能な移動架台で支持して前記掘
削機本体内に固定支持されたジャッキ支持部材により前
記掘削機内に所定間隔で配設し、前記掘削機の外周面か
ら方向制御ジャッキの一部を突出させ、該突出部がトン
ネル坑壁を押圧する押圧力を調整してトンネル推進方向
に直角な面内で前記掘削機本体の位置調整を行うように
したので、前記掘削機本体の推進動作に伴い、前記方向
制御ジャッキの突出部が押圧するトンネル坑壁位置が移
動しないように前記移動架台が転がり支承部を介して前
記ジャッキ支持部材上を移動し、これにより前記掘削機
本体の調整後の位置が保持され、この結果トンネル掘削
機の掘進方向の方向制御を容易に行うことができる。
【0010】
【実施例】以下本発明によるトンネル掘削機の方向制御
装置の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1は
本発明によるトンネル掘削機の方向制御装置を説明する
ために地中を掘進するシールドの全体を模式的に示した
斜視図である。図中符号1はシールド本体を示してお
り、シールド本体1の先端には円盤状のカッタヘッド2
が回転可能に支持されており、シールド本体1を覆うス
キンプレート3の一部は本発明による方向制御装置4を
示すために切欠かれている。スキンプレート3の外周面
の頂部、両横部及び底部の各位置には4箇所の長孔状の
開口部5が形成されており、各開口部5からは方向制御
装置4の一部を構成する方向制御ジャッキ6のラム7が
突出している。この方向制御ジャッキ6は図2に示した
ようにラム7がシールドの断面中心から法線方向に伸縮
可能な直動ジャッキで、ラム7の可動ストロークは縮退
時にラム先端7aがスキンプレート3の外面と面一とな
り、伸長時にはシールド外周位置の地山を確実に押圧で
きる。また、方向制御ジャッキ6のシリンダ6aは移動
架台8内に収容されている。さらに移動架台8はジャッ
キ支持部材たるジャッキ支持フレーム9内にスライドジ
ャッキ10の伸縮動作によりスライド可能に収容されて
いる。このジャッキ支持フレーム9はその幅が移動架台
8より僅かに広い略直方体状をなし、スキンプレート3
の内面3aに固着されている。なお、同図にはシールド
本体1のテール部で組み立てられたセグメント11の一
部が示されている。
【0011】図2は方向制御装置4の構成を説明するた
めにシールド本体1の内部を示した断面図である。な
お、同図において、図の簡略化のために搬土装置及びセ
グメント組立用エレクタ等の図示を省略している。カッ
タヘッド2はセンタシャフト12を介して軸受13に回
転自在に支持され、センタシャフト12に伝達される図
示しない旋回モータからの回転駆動力により所定トルク
で回転し、面板に装着されたカッタビット(図示せず)
により切羽面の掘削を行えるようになっている。またカ
ッタヘッド2の背面位置にあるシールド本体1のガータ
部のスキンプレート3の内面3aには同図(b)に示し
たように方向制御装置4が上下左右の4箇所に設けられ
ている。この方向制御装置4は以下に詳述する各部材よ
り構成されており、その動作によりトンネル掘削機たる
シールド本体1を所定方向に推進するように方向制御す
ることができる。この方向制御装置4は前述したように
ジャッキ支持フレーム9を介してシールド本体1のガー
タ部のスキンプレート3の内面3aに固着されている。
このジャッキ支持フレーム9は前述の方向制御ジャッキ
6及びスライドジャッキ10の反力を受けた際にも各部
が変形しないような厚さの鋼板を組み立てて構成され、
その寸法は内部に移動架台8と、この移動架台8をトン
ネル軸線方向にスライド可能に支持するベアリング台座
15とを収容できるように設定されている。
【0012】ここで、移動架台8の構成について図3を
参照して説明する。移動架台8は図3に示したように鋼
板により組み立てられた箱状部材でウェブ8a、8bで
仕切られた中央位置の底板には方向制御ジャッキ6のシ
リンダ6aが固着されている。さらに切羽側と反対側の
端面8cには開口16が形成されており、この開口16
からスライドジャッキ10のロッド17が挿入され、そ
のロッド先端17aはウェブ8bに固着されている。一
方、スライドジャッキ10のシリンダ部はジャッキ支持
フレーム9の後端部の内面9aに固定支持されており、
このスライドジャッキ10のロッド17の伸縮により移
動架台8はジャッキ支持フレーム9内をトンネル軸線方
向にスライドすることができる。スライドジャッキ10
はロッド17が縮退した状態では開口16から移動架台
8内に収容され、この状態で方向制御ジャッキ6のラム
7は切羽側から最も遠い位置になる。また、ロッド17
が最も伸長した状態では方向制御ジャッキ6のラム7は
切羽側に最も近い位置になる。
【0013】このとき移動架台8のスライドを滑らかに
するために転がり支承部たるベアリング台座15が移動
架台8の下面に設けられている。なお、このベアリング
台座15は図2に示されたシールド頂部のジャッキ支持
フレーム9では移動架台8がジャッキ支持フレーム9の
床面上をスライドできるように設置されており、シール
ド底部位置のジャッキ支持フレーム9では移動架台8が
ボックス形状の天板に押圧されながらスライドできるよ
うな位置に設置されている。なお、ベアリング台座15
を床状構造としてジャッキ支持フレーム9内に敷設して
その上を移動架台8がスライドするようにしても良い。
また、ベアリング台座には鋼球ベアリング以外に、コロ
状ベアリング等、移動架台を移動可能に支持する手段を
種々適用することができる。
【0014】移動架台8に搭載された方向制御ジャッキ
6は前述したようにシールド本体1のスキンプレート3
に形成された開口部5からラム7の一部が突出するよう
になっている。したがって方向制御ジャッキ6のラム7
は移動架台8がスライド可能な範囲で開口部5内の長手
方向にその位置を移動させることができる。また、シー
ル部材20、21がスキンプレート3の開口近傍の内
面、移動架台8に収容されている方向制御ジャッキ6の
ラム7の摺動部及び移動架台8とスキンプレート3の内
面との間に装着されている。これにより方向制御ジャッ
キ6のラム7が伸縮したり、移動架台8がジャッキ支持
フレーム9内をスライドする際に地山の土砂や地下水が
ジャッキ支持フレーム9やシールド本体1内に侵入する
のを防止することができる。なお、図3に示したように
移動架台8は、移動架台8がジャッキ支持フレーム9内
の前後両端のいずれの位置にスライドした場合にもスキ
ンプレート3の内面3aに面する外面プレート8dが開
口部5を塞ぐことができるような寸法であれば図示した
ような箱形形状に限られないことは言うまでもない。
【0015】このように装備された方向制御装置4は図
示しない油圧制御部により各位置の方向制御ジャッキ6
とスライドジャッキ10とが独立して操作でき、特定の
方向制御ジャッキ6のみで地山を押圧したり、スライド
ジャッキ10の操作により地山の押圧点を盛り替えたり
することも可能である。またシールド本体1を推進させ
るシールドジャッキ23は図2(b)に示したように方
向制御装置4を設置していない位置に円周方向に所定の
間隔をあけて配設されている。したがって方向制御ジャ
ッキ6を有するシールドにおいても従来のシールドと同
様にシールドジャッキ23のロッド先端23aをセグメ
ント11の端面に当接して反力をとって推進することが
できるようになっている。
【0016】ここで、前述のベアリング台座15の変形
例として移動架台8の支持形式を変えた方向制御装置4
の例を図4を参照して説明する。ベアリング台座15の
目的はジャッキ支持フレーム9内の移動架台8が滑らか
にスライドできるようにすることにある。ところが、図
2(b)に示したようにシールドの横位置及び底部位置
に設置されたベアリング台座15では地山からの反力が
加わらないかまたは小さいときベアリング台座15の転
がり効果が十分発揮できず、滑らかにスライドしない場
合がある。このような場合移動架台8を常時支持する面
にベアリング台座15を追加して配置することが好まし
い。この変形例を示したのが図4(b)、(c)であ
る。
【0017】シールド本体1の頂部に設けられる方向制
御装置4(図4(a)参照)は図2に示した支持形式と
同様の構成で良く、ジャッキ支持フレーム9の床面に相
当する面上のみにベアリング台座15A(以下、移動架
台8を支持するために配置される第2のベアリング台座
15Bと区別するため15Aと記す。)が配置されてい
る。シールドの横位置に設けられる方向制御装置4は図
4(b)に示したように移動架台8の側部が下側となる
ので、この位置に第2のベアリング台座15Bを設ける
ことが好ましい。また、この第2のベアリング台座15
Bに代えて摺動支持面に商品名テフロン(登録商標)に
代表される四フッ化エチレン樹脂等の摩擦低減部材を貼
着し、この摩擦低減部材により移動架台8を滑らかにス
ライドさせても良い。
【0018】同図(c)はシールドの底部に設置された
方向制御装置4の支持状態を示した断面図である。同図
において方向制御ジャッキ6のラム7には下方のトンネ
ル坑壁から上向きの地山反力が作用し、この地山反力は
移動架台8の上面に設けられたベアリング台座15Aを
介してジャッキ支持フレーム9に伝達される。このとき
地山反力が小さい場合には移動架台8は自重が支配的に
なるため第2のベアリング台座15Bによりスライド自
在にジャッキ支持フレーム9内において支持されること
が好ましい。この第2のベアリング台座15Bは移動架
台8の外面の一部に形成された支持フランジ8eとスキ
ンプレート3の内面3aとの間に位置し、移動架台8の
両側に配置された状態で移動架台8全体をバランス良く
スライド可能に支持するようになっている。
【0019】次に、方向制御ジャッキ6のラム7の伸縮
駆動方法の変形例について図5を参照して説明する。本
発明に使用されている方向制御ジャッキ6はラム7径が
ジャッキストロークに対して大きい、比較的ジャッキス
トロークの短いジャッキ構造からなる直動ジャッキであ
る。ところで、移動架台8が滑らかにスライドするため
にはジャッキ反力による部分的な応力集中を避けた方が
好ましい。そこで、前述の直動ジャッキに代えて図5に
示したようなリンク機構30を備えたジャッキ31を装
備することも好ましい。この場合にはジャッキ31は横
置きとなり、図中矢印のような動作によりラム7を伸縮
させることができる。このときリンク機構30を構成す
るリンクアームの形状によりジャッキ能力をの小さくす
ることも可能である。
【0020】図6は変形例としてシール効果を高めるよ
うにした移動架台8を示したものである。図3に示した
移動架台8では外面プレート8dはスキンプレート3の
開口部5を内側から閉塞するカバーの役割を果たしてお
り、外面プレート8dの端部に装着されたシール部材2
0により土砂や地下水がジャッキ支持フレーム9内に侵
入するのを防止することができる。しかし、構造上、開
口部5の外面プレート8d上に土砂や地下水が溜まりや
すく、この状態で移動架台8が摺動を繰り返すと、シー
ル部材の劣化が進みやすい。そこで、本変形例の移動架
台8では前述の外面プレート8dに中央開口33を介し
て外被プレート32を連接し、この外被プレート32と
外面プレート8dとでスキンプレート3の開口端を挟み
込む構造とした。このときラム7は中央開口33を貫通
した状態で往復動する。
【0021】この移動架台8によれば、外被プレート3
2がスキンプレート3に形成された開口部5を外側から
完全に覆うので、土砂等が開口部5に侵入しない。また
中央開口33には断面がD字形のゴム製リングシール部
材34が嵌挿されており、ラム7の外周面に密着し、こ
の部分から土砂や地下水が侵入するのを確実に防止でき
る。さらに外被プレート32の端部にはテールシール3
5が装着されており、スキンプレート3との隙間にも土
砂等が流入しないようになっている。
【0022】次に、本発明による方向制御装置4が装備
されたシールドにおいて、方向制御を行う動作手順を図
7及び図8を参照して説明する。図7(a)はシールド
本体1内部の方向制御装置4と、既に組み立てが完了し
たセグメント11の一部を模式的に示した概略平面図で
ある。したがって図示されている方向制御装置4はシー
ルド本体1の横位置に装備された左右の方向制御装置4
を示している(以下、左右の区別をつけて説明する際に
右側:R、左側:Lの添字を付す)。図7(a)には方
向制御を行う前の初期状態が示されており、この状態で
は両側の方向制御ジャッキ6ともラム7は縮退状態にあ
り、シールドとトンネル坑壁Tとのクリアランスは左右
ともほぼ等しい。この状態からシールドを図中矢印で示
したように左方向に推進させる方向制御を例にして説明
する。
【0023】ここで方向制御装置4によりシールドを左
に向ける操作を行う。まず、図7(b)に示したように
右側の方向制御ジャッキ6Rの動作によりラム7Rを伸
長させ、このラム7でトンネル坑壁Tを強く押圧する。
これによりシールド本体1は左側のトンネル坑壁T側に
押しつけられ、右側のトンネル坑壁Tとのクリアランス
が同図(a)の状態の約2倍になる。このとき移動架台
8をトンネル軸線方向にスライドさせるスライドジャッ
キ10は油圧が解放されており、移動架台8の移動に追
従して無負荷で伸長できる状態になっている。
【0024】この状態からカッタヘッド2を回転駆動さ
せ切羽掘削を行うとともに、シールドジャッキ23を伸
長してシールド本体1を推進させる。シールド本体1は
シールドジャッキ23の伸長に伴って前進するが、左右
の方向制御ジャッキ6のラム7の先端はトンネル坑壁T
の所定位置を押圧した状態を保持している。このとき方
向制御ジャッキ6は移動架台8に固定保持され、さらに
移動架台8自体がジャッキ支持フレーム9内にベアリン
グ台座15を介してスライド可能に収容されているの
で、シールド本体1の前進に伴い、方向制御ジャッキ6
のラム7位置は開口部5を相対的に後退していく。な
お、スライドジャッキ10のロッド17はこの状態では
油圧が作用していないので無負荷状態で縮退することが
でき、移動架台8が切羽と反対方向へスライドするのを
妨げないようになっている。
【0025】図7(c)はシールド本体1の前進に伴
い、方向制御ジャッキ6のラム7が開口部5のほぼ中央
位置まで後退した状態を示している。さらに同図(d)
は1スパン(D)の掘削が終了し、方向制御ジャッキ6
のラム7が開口部5の後端部に達した状態を示したもの
である。この状態においてシールドは同図(a)の状態
からDだけ進行する間にトンネル幅方向にd(この大き
さは掘削時のシールドと地山とのクリアランスにほぼ等
しい)だけ左側に偏心した状態で掘削が完了したことに
なる。このように1スパンの掘削ごとに所定方向にシー
ルドを偏心させ、シールドの軌跡を曲げることができ
る。
【0026】図8は移動架台8及び方向制御ジャッキ6
の復帰動作を示した動作説明図である。図7(d)に示
したように1スパンの掘削が終了した時点で方向制御ジ
ャッキ6のラム7を縮退させるとともに(図8(a)参
照)、スライドジャッキ10のロッドを伸長して移動架
台8をジャッキ支持フレーム9内の先端位置までスライ
ド移動させる(図8(b)参照)。以上に説明した動作
手順を繰り返してシールドを所定の方向に向かせながら
掘進を続ければ良い。
【0027】なお、TBMに本発明による方向制御装置
を適用するには、トンネル坑壁を押圧するフロントグリ
ッパを固定保持する移動架台をTBM内に設け、この移
動架台をトンネル軸線方向に移動可能に支持することに
より容易に方向制御を行えるようになる。また対象地盤
が健岩の場合にはスラスト推進を行い、破砕地盤の場合
にはシールド推進を行えるようにした場合でも方向制御
装置を有効に動作させることができる。
【0028】また、シールド、TBMいずれの形式のト
ンネル掘削機においても急曲線区間を掘進する場合に
は、本発明による方向制御装置により掘削機の回転モー
メントを大きくするとともに、シールド本体内あるいは
TBM本体内に中折れジャッキを搭載し、カッタヘッド
を所定角だけ偏心あるいは屈曲させて掘削機の掘進回転
半径をより小さくすることが好ましい。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、方向制御ジャッキの動作により確実にトンネ
ル掘削機の方向を制御できるとともに、推進用ジャッキ
の能力も適正なものとでき、装置の施工性能を向上させ
るとともに、機械コストを低減できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル掘削機の方向制御装置の
一実施例を示した部分分解斜視図。
【図2】図1に示した方向制御装置の一例を示した断面
図。
【図3】図2に示した方向制御装置の部分を拡大して示
した部分拡大断面図。
【図4】方向制御装置のベアリング台座の変形例を示し
た部分拡大断面図。
【図5】方向制御装置の方向制御ジャッキの変形例を示
した部分拡大断面図。
【図6】方向制御装置の移動架台の変形例を示した部分
拡大断面図。
【図7】本発明によるトンネル掘削機の方向制御装置に
よる方向制御の動作手順を示した動作説明図。
【図8】本発明によるトンネル掘削機の方向制御装置に
よる方向制御の動作手順を示した動作説明図。
【符号の説明】
1 シールド本体 3 スキンプレート 4 方向制御装置 5 開口部 6,31 方向制御ジャッキ 7 ラム 8 移動架台 9 反力受ボックス 10 スライドジャッキ 15,15A,15B ベアリング台座 20,21,34 シール部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削機本体の外周面からその一部を突出さ
    せ、該突出部がトンネル坑壁を押圧する押圧力を調整し
    てトンネル推進方向に直角な面内での前記掘削機本体の
    位置調整を行う複数の方向制御ジャッキと、 該方向制御ジャッキを前記掘削機本体内で支持する移動
    架台と、 前記掘削機本体内に固定支持され、転がり支承部を介し
    て前記移動架台をトンネル軸線方向に移動可能に支持す
    るジャッキ支持部材とを備え、 前記掘削機本体の推進動作に伴い、前記方向制御ジャッ
    キの突出部が押圧するトンネル坑壁位置が移動しないよ
    うに前記移動架台が前記ジャッキ支持部材上を移動し、
    前記掘削機本体の調整後の位置が保持されるようにした
    ことを特徴とするトンネル掘削機の方向制御装置。
JP19076293A 1993-07-02 1993-07-02 トンネル掘削機の方向制御装置 Expired - Fee Related JP3136456B2 (ja)

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