JPH07189023A - 高吸水性繊維 - Google Patents
高吸水性繊維Info
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- JPH07189023A JPH07189023A JP32688093A JP32688093A JPH07189023A JP H07189023 A JPH07189023 A JP H07189023A JP 32688093 A JP32688093 A JP 32688093A JP 32688093 A JP32688093 A JP 32688093A JP H07189023 A JPH07189023 A JP H07189023A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】寸法安定性、吸液性が良好であり、かつ溶出率
の低いポリビニルアルコ−ル繊維を提供する。 【構成】吸液性80%以上、溶出率15%以下、かつ最
大収縮率が20%以下のポリビニルアルコ−ル繊維。
の低いポリビニルアルコ−ル繊維を提供する。 【構成】吸液性80%以上、溶出率15%以下、かつ最
大収縮率が20%以下のポリビニルアルコ−ル繊維。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寸法安定性および吸液
性に優れ、かつ溶出率の低いポリビニルアルコ−ル(以
下PVAと略す)系繊維に関する。
性に優れ、かつ溶出率の低いポリビニルアルコ−ル(以
下PVAと略す)系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にPVA系繊維は、湿式、乾式、あ
るいは乾湿式により紡糸した後、乾燥・延伸して製造さ
れる。しかしながら、該繊維は耐熱水性が低いため、加
工や使用時に様々な問題が生じることとなる。例えば、
紙等を抄造する際の溶出による溶解ロスや膠着等の問題
である。以上のことから、熱処理およびホルマ−ル化処
理により耐熱水性を付与されたPVA系繊維が、例えば
紙や不織布等の形態でワイパ−、フイルタ−等に広く用
いられていた。
るいは乾湿式により紡糸した後、乾燥・延伸して製造さ
れる。しかしながら、該繊維は耐熱水性が低いため、加
工や使用時に様々な問題が生じることとなる。例えば、
紙等を抄造する際の溶出による溶解ロスや膠着等の問題
である。以上のことから、熱処理およびホルマ−ル化処
理により耐熱水性を付与されたPVA系繊維が、例えば
紙や不織布等の形態でワイパ−、フイルタ−等に広く用
いられていた。
【0003】しかしながら、PVA系繊維をホルマ−ル
化すれば、疎水性が高くなり吸液性が著しく低いものと
なる。従って、高い吸液性が求められる用途(ワイパ−
等)に適したものは得られない。また、従来のPVA系
繊維は、高度に延伸されて配向結晶化が進行しているた
め、吸液性のみでなく寸法安定性の低いものであった。
従って、該PVA系繊維を抄造すれば収縮して形が歪む
という問題を有していた。以上のように、耐熱水性を向
上させれば必然的に吸液性が低下し、耐熱水性、吸液
性、寸法安定性のすべての点で優れたPVA系繊維は得
られていなかった。
化すれば、疎水性が高くなり吸液性が著しく低いものと
なる。従って、高い吸液性が求められる用途(ワイパ−
等)に適したものは得られない。また、従来のPVA系
繊維は、高度に延伸されて配向結晶化が進行しているた
め、吸液性のみでなく寸法安定性の低いものであった。
従って、該PVA系繊維を抄造すれば収縮して形が歪む
という問題を有していた。以上のように、耐熱水性を向
上させれば必然的に吸液性が低下し、耐熱水性、吸液
性、寸法安定性のすべての点で優れたPVA系繊維は得
られていなかった。
【0004】本発明は、寸法安定性、吸液性に優れ、か
つ溶出率の低いPVA系繊維、特に紙、不織布等の用途
に適したPVA系繊維を提供することを目的とする。
つ溶出率の低いPVA系繊維、特に紙、不織布等の用途
に適したPVA系繊維を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するために、吸液性80%以上、溶出率15%以
下、かつ最大収縮率が20%以下、好ましくは、吸液率
100%以上、溶出率10%以下、かつ最大収縮率が17
%以下、さらに好ましくは、吸液性120 %以上、溶出率
8%,かつ最大収縮率15%以下のPVA系繊維を提供
するものである。なお、本発明でいう吸液性、溶出率、
最大収縮率は、後述の実施例に記載の方法で求められる
値である。
解決するために、吸液性80%以上、溶出率15%以
下、かつ最大収縮率が20%以下、好ましくは、吸液率
100%以上、溶出率10%以下、かつ最大収縮率が17
%以下、さらに好ましくは、吸液性120 %以上、溶出率
8%,かつ最大収縮率15%以下のPVA系繊維を提供
するものである。なお、本発明でいう吸液性、溶出率、
最大収縮率は、後述の実施例に記載の方法で求められる
値である。
【0006】以下に、本発明のPVA系繊維の製造方法
の具体的な例を説明する。本発明の繊維は、配向結晶化
を極力抑えかつ温和な条件下で架橋を導入することによ
り得ることができる。すなわち、全延伸倍率を3倍以
下、好ましくは2倍以下とすることにより配向結晶化を
抑制する。配向結晶化を高めると耐熱水性および強度は
向上するものの、吸液性、寸法安定性は低下することと
なる。なお、延伸は数回に分けて行ってもよく、また湿
熱延伸、乾熱延伸等いかなる延伸を行ってもよい。本発
明は、かかる低延伸糸を温和な条件下で架橋を導入する
ことにより耐熱水性を付与することに特徴を有する。
の具体的な例を説明する。本発明の繊維は、配向結晶化
を極力抑えかつ温和な条件下で架橋を導入することによ
り得ることができる。すなわち、全延伸倍率を3倍以
下、好ましくは2倍以下とすることにより配向結晶化を
抑制する。配向結晶化を高めると耐熱水性および強度は
向上するものの、吸液性、寸法安定性は低下することと
なる。なお、延伸は数回に分けて行ってもよく、また湿
熱延伸、乾熱延伸等いかなる延伸を行ってもよい。本発
明は、かかる低延伸糸を温和な条件下で架橋を導入する
ことにより耐熱水性を付与することに特徴を有する。
【0007】従来より、PVA系繊維に耐熱水性を付与
するためにアセタ−ル化処理(後処理)が行なわれてい
る。即ち、延伸・熱処理後のPVA系繊維に、芒硝、硫
酸、ホルムアルデヒドを溶解した強酸性水溶液を加熱下
で処理するものである。しかしながら、本発明の低延伸
糸に、従来一般に行なわれているようなアセタ−ル化処
理(後処理)のような厳しい条件下で架橋を導入するこ
とは極めて困難である。なぜならば、延伸倍率3倍以下
の低延伸糸は、配向結晶化が抑制されているために強度
が極めて低く、強酸高温のような厳しい条件下では繊維
の内部構造が破壊されて断糸が多発するため、使用可能
な繊維を得ることができない。以上のことから、本発明
は、架橋性の官能基を有するモノマ−で変性されたPV
A、あるいは架橋剤を用いて紡糸時あるいは紡糸後に温
和な条件下で架橋を行うものであり、該方法によれば、
低延伸糸に耐熱水性を付与することが可能となる。
するためにアセタ−ル化処理(後処理)が行なわれてい
る。即ち、延伸・熱処理後のPVA系繊維に、芒硝、硫
酸、ホルムアルデヒドを溶解した強酸性水溶液を加熱下
で処理するものである。しかしながら、本発明の低延伸
糸に、従来一般に行なわれているようなアセタ−ル化処
理(後処理)のような厳しい条件下で架橋を導入するこ
とは極めて困難である。なぜならば、延伸倍率3倍以下
の低延伸糸は、配向結晶化が抑制されているために強度
が極めて低く、強酸高温のような厳しい条件下では繊維
の内部構造が破壊されて断糸が多発するため、使用可能
な繊維を得ることができない。以上のことから、本発明
は、架橋性の官能基を有するモノマ−で変性されたPV
A、あるいは架橋剤を用いて紡糸時あるいは紡糸後に温
和な条件下で架橋を行うものであり、該方法によれば、
低延伸糸に耐熱水性を付与することが可能となる。
【0008】架橋性官能基としては、シラノ−ル基、カ
ルボシル基、メチロ−ル基等が挙げられる。かかる架橋
性を有するモノマ−で変性されたPVAを、PH等を調整
することにより架橋させることなく水に溶解し、紡糸後
あるいは紡糸時に架橋させる方法により達成される。変
性度0.01〜10mol %,好ましくは、0.1 〜5mol %の変
性PVAが好ましい。好適な例としては、シラン変性P
VA変性度(0.1 〜2mol %)をアルカリ溶液(PH9〜
13)に溶解し、該溶液を酸性(PH5〜6)にすることに
より架橋させつつ紡糸し、乾燥後熱処理する方法が挙げ
られる。
ルボシル基、メチロ−ル基等が挙げられる。かかる架橋
性を有するモノマ−で変性されたPVAを、PH等を調整
することにより架橋させることなく水に溶解し、紡糸後
あるいは紡糸時に架橋させる方法により達成される。変
性度0.01〜10mol %,好ましくは、0.1 〜5mol %の変
性PVAが好ましい。好適な例としては、シラン変性P
VA変性度(0.1 〜2mol %)をアルカリ溶液(PH9〜
13)に溶解し、該溶液を酸性(PH5〜6)にすることに
より架橋させつつ紡糸し、乾燥後熱処理する方法が挙げ
られる。
【0009】一方、自己架橋性のない未変性PVAを紡
糸後、各種有機系あるいは無機系架橋剤を付与して架橋
せしめる方法でもよい。無機系架橋剤としては、リン
酸、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸チタ
ニル等、また有機系架橋剤としては、メチロ−ル系、エ
ポキシ系、イソシアネ−ト系、アルデヒド系等が挙げら
れる。これらの架橋剤を未変性PVA紡糸原液に添加し
て紡糸した後、あるいは未変性PVAを単独で紡糸して
架橋剤含有浴を通した後、熱処理することで架橋を進行
させることができる。また、これらの方法を併用するこ
とも可能である。例えば、カルボキシル基変性PVAを
紡糸後、イソシアネ−トを付与し架橋させる方法が好適
な例として挙げられる。架橋の程度は、架橋剤の濃度、
熱処理温度、熱処理時間などの諸条件を適宜調製して、
溶出率15%以下、好ましくは10%以下となるようにす
る。
糸後、各種有機系あるいは無機系架橋剤を付与して架橋
せしめる方法でもよい。無機系架橋剤としては、リン
酸、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸チタ
ニル等、また有機系架橋剤としては、メチロ−ル系、エ
ポキシ系、イソシアネ−ト系、アルデヒド系等が挙げら
れる。これらの架橋剤を未変性PVA紡糸原液に添加し
て紡糸した後、あるいは未変性PVAを単独で紡糸して
架橋剤含有浴を通した後、熱処理することで架橋を進行
させることができる。また、これらの方法を併用するこ
とも可能である。例えば、カルボキシル基変性PVAを
紡糸後、イソシアネ−トを付与し架橋させる方法が好適
な例として挙げられる。架橋の程度は、架橋剤の濃度、
熱処理温度、熱処理時間などの諸条件を適宜調製して、
溶出率15%以下、好ましくは10%以下となるようにす
る。
【0010】PVA紡糸原液は、平均重合度600 〜500
0、けん化度85〜99.9mol %のPVA水溶液を用い、P
VA濃度としては5〜40重量%が適当である。このPV
A濃度は、紡糸方法、使用するPVAの重合度等によ
り、適宜変化させればよい。また、紡糸原液中に、他の
高分子物質或いは、顔料や界面活性剤、各種安定剤等を
添加せしめることも可能である。
0、けん化度85〜99.9mol %のPVA水溶液を用い、P
VA濃度としては5〜40重量%が適当である。このPV
A濃度は、紡糸方法、使用するPVAの重合度等によ
り、適宜変化させればよい。また、紡糸原液中に、他の
高分子物質或いは、顔料や界面活性剤、各種安定剤等を
添加せしめることも可能である。
【0011】本発明の繊維は、湿式、乾湿式または乾式
法の常法にしたがって紡糸することができる。例えば、
紡糸原液を、直接(湿式)あるいは一旦気体中に吐出
(乾湿式)した後、芒硝、食塩、炭酸ソ−ダなどのPV
Aに対して凝固能を有する無機塩類の水溶液(凝固浴)
中に導いて繊維を凝固させる。さらに必要に応じて湿延
伸を行い、水洗、あるいはPVAに対して凝固能を有す
る無機塩類の水溶液中で洗浄して乾燥する。必要により
熱延伸した後、熱処理を行なう。乾式法により紡糸する
場合は、紡糸原液を空気中に吐出して乾燥させた後に延
伸・熱処理を行う。熱処理条件は、180 〜250 ℃、好ま
しくは200 〜230 ℃で10秒〜1時間、好ましくは1〜5
分間定長で行う。本発明の繊維は、これら一般の紡糸過
程中あるいは紡糸後に、前述の方法等で架橋を行なうこ
とにより得られる。本発明の繊維の繊度は、用途に応じ
て適宜決めればよく、また、紙、不織布等に加工する
際、ナイロン、ポリエステル、レ−ヨン、セルロ−ス系
などの異なる繊維を混合してもよい。
法の常法にしたがって紡糸することができる。例えば、
紡糸原液を、直接(湿式)あるいは一旦気体中に吐出
(乾湿式)した後、芒硝、食塩、炭酸ソ−ダなどのPV
Aに対して凝固能を有する無機塩類の水溶液(凝固浴)
中に導いて繊維を凝固させる。さらに必要に応じて湿延
伸を行い、水洗、あるいはPVAに対して凝固能を有す
る無機塩類の水溶液中で洗浄して乾燥する。必要により
熱延伸した後、熱処理を行なう。乾式法により紡糸する
場合は、紡糸原液を空気中に吐出して乾燥させた後に延
伸・熱処理を行う。熱処理条件は、180 〜250 ℃、好ま
しくは200 〜230 ℃で10秒〜1時間、好ましくは1〜5
分間定長で行う。本発明の繊維は、これら一般の紡糸過
程中あるいは紡糸後に、前述の方法等で架橋を行なうこ
とにより得られる。本発明の繊維の繊度は、用途に応じ
て適宜決めればよく、また、紙、不織布等に加工する
際、ナイロン、ポリエステル、レ−ヨン、セルロ−ス系
などの異なる繊維を混合してもよい。
【0012】
【実施例】以下、実施例を以て本発明を説明する。これ
らの実施例は、単に例として取り上げたものにすぎず、
本発明を何等限定するものではない。 <吸液性>試料繊維を浴比(繊維重量/水重量)=1/
100 、30℃15分間浸漬後、遠心脱水(3000rpm 、10
min )して試料繊維の重量Aを測定する。次に、該試料
の蒸発乾固後の重量B、さらに600 ℃40分間焼成、放冷
(デシケ−タ−中)後の試料の重量Cを測定し、下記式
により吸湿性を算出する。 吸液性(重量%)=(A−B)/(B−C)×100 <溶出率>試料繊維(絶乾後の重量D)を、浴比(繊維
重量/水重量)=1/100 、90℃3時間浸漬後濾過し、
濾液の蒸発乾固後の重量E、さらに600 ℃40分焼成、放
冷(デシケ−タ−中)後の重量Cを測定する。また残糸
(試料繊維)を蒸発乾固、600 ℃40分間焼成し、さらに
デシケ−タ−中で放冷した後の重量C’を測定する。下
記式により溶出率を算出する。 溶出率(重量%)=(E−C)/(D−C−C’)×1
00 <最大収縮率>試料繊維(10cm)に2mg/dのおもりを付
けて30℃の蒸留水に浸漬し、1℃/分で100℃まで昇
温した時の試料繊維の最短長Aを測定し、下記式により
求める。 最大収縮率=A/10×100 <抄紙方法>試料繊維10重量%、PVAバインダ−繊維
(クラレ製 VPB105-1×3 1デニ−ル、繊維長3mm)6
重量%となるように水に離解し、さらに混合撹拌してス
ラリ−とし、タッピ抄紙機で抄紙し、110 ℃のロ−タリ
−ドライヤ−で乾燥した。なお得られた紙の坪量は、30
g/m である。
らの実施例は、単に例として取り上げたものにすぎず、
本発明を何等限定するものではない。 <吸液性>試料繊維を浴比(繊維重量/水重量)=1/
100 、30℃15分間浸漬後、遠心脱水(3000rpm 、10
min )して試料繊維の重量Aを測定する。次に、該試料
の蒸発乾固後の重量B、さらに600 ℃40分間焼成、放冷
(デシケ−タ−中)後の試料の重量Cを測定し、下記式
により吸湿性を算出する。 吸液性(重量%)=(A−B)/(B−C)×100 <溶出率>試料繊維(絶乾後の重量D)を、浴比(繊維
重量/水重量)=1/100 、90℃3時間浸漬後濾過し、
濾液の蒸発乾固後の重量E、さらに600 ℃40分焼成、放
冷(デシケ−タ−中)後の重量Cを測定する。また残糸
(試料繊維)を蒸発乾固、600 ℃40分間焼成し、さらに
デシケ−タ−中で放冷した後の重量C’を測定する。下
記式により溶出率を算出する。 溶出率(重量%)=(E−C)/(D−C−C’)×1
00 <最大収縮率>試料繊維(10cm)に2mg/dのおもりを付
けて30℃の蒸留水に浸漬し、1℃/分で100℃まで昇
温した時の試料繊維の最短長Aを測定し、下記式により
求める。 最大収縮率=A/10×100 <抄紙方法>試料繊維10重量%、PVAバインダ−繊維
(クラレ製 VPB105-1×3 1デニ−ル、繊維長3mm)6
重量%となるように水に離解し、さらに混合撹拌してス
ラリ−とし、タッピ抄紙機で抄紙し、110 ℃のロ−タリ
−ドライヤ−で乾燥した。なお得られた紙の坪量は、30
g/m である。
【0013】[実施例1]完全ケン化、重合度1700のシ
ラノ−ル変性PVA(シラノ−ル変性度0.6mol%)を用
い、原液濃度15重量%、PH11のPVA水溶液を調製し
た。次に、該原液を飽和芒硝水溶液からなる酸性凝固浴
に紡出して凝固と架橋を行なった。さらに、得られた糸
条をロ−ラ−ドラフト2倍で湿熱延伸後、水洗、乾燥
(130 ℃、乾燥ロ−ラ−速度16m/min )し、さらに定長
下220 ℃90秒で熱処理して1.5 デニ−ルのPVA繊維を
製造した。得られた繊維の物性を表1に示す。また該繊
維を抄紙しても、乾燥時の収縮による大きな寸法変化、
耐熱性不足による溶解は生じなかった。
ラノ−ル変性PVA(シラノ−ル変性度0.6mol%)を用
い、原液濃度15重量%、PH11のPVA水溶液を調製し
た。次に、該原液を飽和芒硝水溶液からなる酸性凝固浴
に紡出して凝固と架橋を行なった。さらに、得られた糸
条をロ−ラ−ドラフト2倍で湿熱延伸後、水洗、乾燥
(130 ℃、乾燥ロ−ラ−速度16m/min )し、さらに定長
下220 ℃90秒で熱処理して1.5 デニ−ルのPVA繊維を
製造した。得られた繊維の物性を表1に示す。また該繊
維を抄紙しても、乾燥時の収縮による大きな寸法変化、
耐熱性不足による溶解は生じなかった。
【0014】[実施例2]重合度1700の未変性完全けん
化PVA(シラノ−ル変性度0.6mol%)を用い、原液濃
度15重量%のPVA水溶液を調製した。次に、該原液を
飽和芒硝水溶液からなる凝固浴に紡出して凝固させ、さ
らに、ロ−ラ−ドラフト2倍で湿熱延伸後、水洗、乾燥
(130 ℃、乾燥ロ−ラ−速度16m/min )を行なった。次
にリン酸を5000ppm 含有する芒硝浴に浸漬し、定長下22
0 ℃90秒で熱処理して1.5 デニ−ルのPVA繊維を製造
した。得られた繊維の物性を表1に示す。該繊維を用い
て抄紙したが、実施例1と同様に、大きな寸法変化、溶
解は生じなかった。
化PVA(シラノ−ル変性度0.6mol%)を用い、原液濃
度15重量%のPVA水溶液を調製した。次に、該原液を
飽和芒硝水溶液からなる凝固浴に紡出して凝固させ、さ
らに、ロ−ラ−ドラフト2倍で湿熱延伸後、水洗、乾燥
(130 ℃、乾燥ロ−ラ−速度16m/min )を行なった。次
にリン酸を5000ppm 含有する芒硝浴に浸漬し、定長下22
0 ℃90秒で熱処理して1.5 デニ−ルのPVA繊維を製造
した。得られた繊維の物性を表1に示す。該繊維を用い
て抄紙したが、実施例1と同様に、大きな寸法変化、溶
解は生じなかった。
【0015】[比較例1]ロ−ラ−ドラフトを5倍とし
た以外は、実施例1と同様に紡糸した。得られた繊維の
物性を表1に示す。該繊維を抄紙すると、乾燥時に大き
な収縮が発生して、皺の入った紙となり、しかも得られ
た紙の吸液性は低いものであった。 [比較例2]PVAに、未変性完全けん化PVAを用
い、熱処理を省略した以外は実施例1と同様に紡糸し
た。得られた繊維の物性を表1に示す。耐熱水性が低い
ため、抄紙時の乾燥により溶解ロスが多く生じ膠着が生
じた。 [比較例3]比較例2の繊維をホルマ−ル化した。物性
を表1に示す。得られた繊維を用いて抄紙しても、寸法
変化、溶解は生じなかったが極めて吸液性の低いもので
あった。
た以外は、実施例1と同様に紡糸した。得られた繊維の
物性を表1に示す。該繊維を抄紙すると、乾燥時に大き
な収縮が発生して、皺の入った紙となり、しかも得られ
た紙の吸液性は低いものであった。 [比較例2]PVAに、未変性完全けん化PVAを用
い、熱処理を省略した以外は実施例1と同様に紡糸し
た。得られた繊維の物性を表1に示す。耐熱水性が低い
ため、抄紙時の乾燥により溶解ロスが多く生じ膠着が生
じた。 [比較例3]比較例2の繊維をホルマ−ル化した。物性
を表1に示す。得られた繊維を用いて抄紙しても、寸法
変化、溶解は生じなかったが極めて吸液性の低いもので
あった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】実施例1および実施例2では、吸液性、寸
法安定性、耐水性の全ての点で高い性能を有し、抄紙時
に収縮による寸法変化および、耐熱水性の不足による溶
解は生じなかった。しかしながら、比較例1では、延伸
倍率が大きく配向結晶化が進行しているため、吸液性及
び最大収縮率の点で問題がある。また、比較例2は、架
橋されていないため溶出率が高く、比較例3では延伸倍
率が高くかつホルマ−ル化を行っているため、吸液性が
著しく低下している。
法安定性、耐水性の全ての点で高い性能を有し、抄紙時
に収縮による寸法変化および、耐熱水性の不足による溶
解は生じなかった。しかしながら、比較例1では、延伸
倍率が大きく配向結晶化が進行しているため、吸液性及
び最大収縮率の点で問題がある。また、比較例2は、架
橋されていないため溶出率が高く、比較例3では延伸倍
率が高くかつホルマ−ル化を行っているため、吸液性が
著しく低下している。
【0019】
【発明の効果】本発明は、吸液性80%以上、溶出率1
5%以下、かつ最大収縮率が20%以下のポリビニルア
ルコ−ル繊維を提供するものであり、本発明の繊維を用
いることにより、抄紙時あるいは乾燥時に、収縮による
寸法変化や耐熱水性不足による溶解が生じることなく、
吸液性の優れた紙、不織布を得ることができる。本発明
の繊維は、織物、編み物、不織布、紙、あらゆる形状に
加工して用いることが、特に紙、不織布として用いる場
合に特に優れた効果を示す。用途の例としては、ナプキ
ン、ワイパ−、フィルタ−、衛生用品などをあげること
ができるが、無論これらに限定されるものではない。
5%以下、かつ最大収縮率が20%以下のポリビニルア
ルコ−ル繊維を提供するものであり、本発明の繊維を用
いることにより、抄紙時あるいは乾燥時に、収縮による
寸法変化や耐熱水性不足による溶解が生じることなく、
吸液性の優れた紙、不織布を得ることができる。本発明
の繊維は、織物、編み物、不織布、紙、あらゆる形状に
加工して用いることが、特に紙、不織布として用いる場
合に特に優れた効果を示す。用途の例としては、ナプキ
ン、ワイパ−、フィルタ−、衛生用品などをあげること
ができるが、無論これらに限定されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝辺 昭雄 大坂市北区梅田1丁目12番39号株式会社ク ラレ内
Claims (1)
- 【請求項1】吸液性80%以上、溶出率15%以下、か
つ最大収縮率が20%以下のポリビニルアルコ−ル系繊
維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32688093A JPH07189023A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 高吸水性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32688093A JPH07189023A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 高吸水性繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07189023A true JPH07189023A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18192777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32688093A Pending JPH07189023A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 高吸水性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07189023A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6783852B2 (en) | 2002-08-30 | 2004-08-31 | Kuraray Co., Ltd. | High-absorbent polyvinyl alcohol fibers and nonwoven fabric comprising them |
CN105113222A (zh) * | 2015-09-11 | 2015-12-02 | 无锡市长安曙光手套厂 | 一种用聚乙烯醇纤维制备的超吸水纤维、其制备方法及用途 |
CN111593461A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-08-28 | 安徽省天助纺织科技集团股份有限公司 | 一种竹纤维抑菌毛巾及其制备方法 |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32688093A patent/JPH07189023A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6783852B2 (en) | 2002-08-30 | 2004-08-31 | Kuraray Co., Ltd. | High-absorbent polyvinyl alcohol fibers and nonwoven fabric comprising them |
CN105113222A (zh) * | 2015-09-11 | 2015-12-02 | 无锡市长安曙光手套厂 | 一种用聚乙烯醇纤维制备的超吸水纤维、其制备方法及用途 |
CN111593461A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-08-28 | 安徽省天助纺织科技集团股份有限公司 | 一种竹纤维抑菌毛巾及其制备方法 |
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